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中学生の健康生活に関する調査研究 : 都市部と郡部の地域差比較

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Academic year: 2021

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(1)Title. 中学生の健康生活に関する調査研究 : 都市部と郡部の地域差比較. Author(s). 川上, 幸三. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 30(1): 127-141. Issue Date. 1979-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4798. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 中学生の健康生活に関する調査研究 -- 都市部と郡部の地域差比較 --. 川. 上. 1. 幸. 三. は じ め に. 中学生は子どもから大人への移行期であり, 心身ともに大きく飛躍する年代である. しかし, 最近の中学生の生活は, 学校生活のほか, 学習塾やけ いこ通い, 家庭における長時間の. 学習など友人と遊ぶひまも ないほど時間に追われた余裕のない生活を強いられている.. 近年における我国の経済高度成長による生活水準の向上, 科学技術の進歩, 交通機関の発達, 教 育熱の高揚, テレビ等の情報網の発達など中学生を取り巻く文化的, 社会的環境は大きな変化を示 して い る,. こうした環境の変化に伴っ て, 中学生の生活時間や生活・保健行動も影響をうけ, 心身の健康に 好ましくない影響を与えていることが多くの識者によっ て報告されている, こうした現象は, 都市. 部ほど顕著にあらわれてきているが, 一方, 地方町村の都市化現象によって郡部にもその影響が波 及し, 地域格差は次第になくなり つつあるように思われる, そこで本研究は, 都市部と郡部の中学生を対象に, 日常生活における生活時間や生活・保健行動, 自覚症状愁訴等健康生活全般に関する質問紙調査を行い, 両地域の相違を明らかにするとともに,. 健康生活を実践していくうえでの問題点を指摘し, 保健衛生上の見地から考察すること である. ま )したが 小学5年から中学生へと た, 筆者は先に小学5・6年を対象に同様な調査を実施し, 報告1 , 連続的, 関連的に把握することも本研究の目的の一つである,. 1 調査対象およ び方法 1 1, 調査対象 都市部は, 函館市内の6中学校, 7 08名 (男子36 8名, 女子3 40名) , 郡部は道内の農・漁村地域. の4中学校, 563名 (男子289名, 女子274名) , 合計1271名の1年~3年の男女である, 2, 調査方法. 質問紙調査票による集合調査法. 各学校に依頼し, 該当する学級担任の責任において調査, 回収 した. 当日の欠席を 除き, 回収 率は1 0 0%である, 調 査票か らの 資料 整理・集 計は hand t ‐ s o r ed. Punched card を使用した.. 3. 調査内容 睡眠時間, 就寝時刻, 起床時刻, 家庭における学習時間 (以下 「学習時間」 と記す) , テレビ視聴 127.

(3) . 川. 上. 幸. 三. 時間, 朝の洗顔・歯みがき, 起床状況, 朝食摂取状況, 朝の食欲, 登校状況, 部活動参加状況, 学 習塾 (以下 「塾」 と記す) やけいこ通い, 睡眠時間や テレ ビ視聴に対する意識, 自覚症状愁訴であ る.. 4. 調査時期 昭和53年7月中旬から下旬,. 表1 生活時間の平均値. 生別 N 尚ミ ぶ 拳量 男 項目 総. 者g. /. 睡自民時 間 3. 京お寝日寺刻. 起床時刻 3 / レ. 家. 庭. 学習時間. 男. 音召. 子. ぜ /き. 8 o. o ク. 0 7 /g. 0 7 3ノ. o. 子. 女. ’ o 8 //. ( 63.8) ( 49,7) (57,9) ( 49,5) o ’ プ ” , 70 5 ‘ 80 09 ク5O ( 61.3) ( 60.5) ( 57,6) ( 45,5). 2. 0 7. 2 r. ( 72,4) ( 59,9)( 57.6) ( 52.4). 6:多?. 6:5 3. 6:3 5. 6:. 6:5 之. 6:5. 6:3 6. 6:3 “. 7:0 6. 6:5 8. 6:3 3. o ゞ 学. 6:学3. ザ クメ. 3. 8. ザ クプ. 7. (82.3) ( 87.5)( 77,5) ( 73.1). o 0 5≠ 3 3 ノ 3 / グ. ( 76.5) ( 79.5)( 82,o) ( 68.4) o. グ. ”ノ も 3 ( 5 ” ( 73.5 89 8 9 2 5) ) ( ,3)( . , ’ o o ‘ / 5/ / ぎ ′ ”ゴ / 5 / ( 47 2) ( 53 2)( 503 .2) ( 49.6) , , o 〆 o2 / 3 ′ 学ノ o ( 51,9) ( 40.7)( 45.6) ( 43.5). 3. 128. 子. 女. 君目. o 8 J3. o 〆 5. ビ. ネ 児聴日寺間. 子. 部. / / ○:3 6 / ○:” 8 / ○:/ / ○:/ 6 / /:○ / /:○ ?/ ○: O / ○: 5 3 / /:〆 学 / /:“ 〇/ /:/ / /:/ / /. テ. 市. ’ o //. o. 6. o ‐7’ / 5. (. ) は 標準偏 差. /. ( 64,7) ( 62,o)( 65.9) ( 61,5).

(4) . 中学生の健康生活に関する調査研究. 1 1 1 調査結果と考察 1, 生活時間並びに生活時間・保健行動の関連 1) 睡眠時間 睡眠時間は, 表1に示すように, 両地域の男女とも, 学年進行に伴って減少し, 中学3年 (以下. 0分間の短縮 である, また, 男女 「中3」 と記す) は中学1年 (以下 「中1」 と記す) に比べて約5 の違いは, 両地域の各学年とも差はほとんど認められない. 都市部と郡部を比較すると, 各学年と. 0分間前後の長さがみられるが, 統計的な有意差は認められなかった, 睡眠時間の度 も, 郡部は約1 数分布図から1・2年は8時間台, 3年は7時間台をピークに正規分布曲線を示すが, 変動係数に )による昭和 よる散布度から都市部に ばらつきが大きい, この平均睡眠時間は, NHK 放送世論調査2. 0分間の減少がみられ, 5才)の平均値(8時間35分)に比べると, 約3 48年のローティ ーン(10~1 中学生の睡眠時間は, 徐々に減少傾向を示して いると言える, 睡眠時間の関連要因として, 就寝時刻, 学習時間, テレビ視聴時間などがあげられる, 就寝時刻 と睡眠時間の関連については, 図1に示すように, 両地域とも就寝時刻の遅い者ほど睡眠時間の短 かい者の割合が多いことが認められた. これは起床時刻が登校の関係でおよそ一定時刻 であること から就寝時刻の早い遅いが直接, 睡眠時間の長短に関 連するものと思われる, 12時以降の 就寝者 のほとんど全員は8時間未満の睡眠であり, そのうちの約半数は7時間 未満 である.このことから, )安 2時前に就寝しなければならないことがわかる. 稲垣3 少なくとも8時間の睡眠をとるためには 1 )は 睡眠時間の短かい者ほど授業中に 「時々 居眠りする」 こと 起床時に 「不快感」 をもつ者 部4 , , , が多いことを報告しており, やはり睡眠不足は健康や日常生活に悪影響を与えているよう である, 学習時間と睡眠時間の関連については, 学習時間の長い者ほ ど睡眠時間が短かい傾向がみられた. (図2) 特に, 都市部において4時間以上学習する者 (5.3%) の半数は7時間未満の睡眠である.. これは, 学習時間が長く なるにつれて, 就寝時刻が遅くなるために両者の関連が認められたものと 考えられる. しかし, 塾通いの有無やテレビ視聴時間と直接関連は認められなかった. 次に, 自分 の睡眠時間に対する認識については, 睡眠8時間以上と未満に分けて過不足感をもつ者の割合いを. 都市部と郡部で比較すると, 都市部は睡眠時間の少ない群に 「不足感」 をもつ者が多いが, 郡部で は, 睡眠時間に対する認識には変りない. 都市部と郡部では, その認識のしか たに違いがあること 図1 就寝時刻と睡眠時間の関連. 都市 部. 50. (均 翠B 音- ,. 50. ~ lo:00 lo:00′~11:00 11:00′~12:00 12:00′~ Z = 529 002 、 P <0,01 .. 睡眠時間. [コ ~プod 匪園 プoび ~. メ ニ 557 58ー 、 P〈 0,0, .. 匿霧 ざod ~ 圏園 ぬび ~ 129.

(5) . 川. 上. 幸. 三. 図2 家庭学習時間と睡眠時間の関連 都市部 o ’ ~ 2 oo. o 2 ooん. .. , ′. oo’. .・. 50. . ,. .. - .. ・. ( %). 郡. o ・. ~ !00. ’ rod~ 〆oo. .. ー .. o 4 ooん. 睡眠時間. 口. . ‐, -. ‐ ・....・..・. エ ニ 34.753 、. 圏. . .. ;‐. プod~ god. P< ○.ol. 0 ’ 000’ ~7 園 7 oo ~. 50. , - ’ - - : ・・ ′.:′. :◆ ; .. gooん ギ ニ44 476 、 .. 部. 亭 .. 0 8 oo ん. Pく Qol. o ’ 圏 9 oo ~. 図3 就寝時刻と起床時刻の地域別比較 lo:○o. 男. ll:00. 12:oo. 6:oo. 7:oo. 中/ 、 、 、 、 、. も. 子 就寝時刻. 女. 中/. 子. . 、 . . 、 ‐ .・. . 起床時刻 ー 、 . ヤ. . が わ か る.. 2) 就寝時刻と起床時刻. 表1, 図3に示すように, 就寝時刻は両地域の男女とも学年進行につれて急激に遅くなり, 中3 は中 1に比べて約1時間の遅れ である, それに対して, 起床時刻の学年差はほとんどみられない. したがっ て, 学年進行につれて睡眠時間が短かく なるのは当然の現象と言える, 男女の違いは, 度 数分布による有意差検定の結果, 両地域の各学年とも認められなかっ たが, 起床時刻 では, 郡部の 2・3年を除き, 男子に遅い起床がみられた. 都市部と郡部の違いは, 各学年, 男女とも明らかに. 都市部に遅い起床が認められた, 学年進行につれて, また, 郡部より都市部につれて就寝が遅くな り, 夜行型の傾向を示していることは図4からも明らかである. 特に, 都市部の3年の46.1%は12 130.

(6) . 中学生の健康生活に関する調査研究. 図4 就寝時刻の累積度数分布. . /# ′ ′ ′ ″ ′. ′ ′. ′ “. O. ′. ′ ‘. QOO IOOO I- 00 1200 :. QOO. 00 1 :. 前. 都市部 ←÷ー /. 年 に』『. 年 --- 3. 年. /. 年 』=二=坤. 年 -----4. 年. 郡. 部 ←--・. 3. 図5 家庭学習時間と就寝時刻の関連. 都 市部 ~2000’. 50. .- -・ 頚 頚 顔 嚢義 数. ㈱. 郡 楓 ,.. o , 5 , , , , ,. O ’ 2oooム÷4 oo O 4 0OL メ ニ 42,ー34 、 p〈 o.o t. z2= 40.721 、 p〈 o.o l. 就寝時刻 □ ~10 :o o 園 の:oo~ 園 11:oo~. 圃 1 o~ 2:o. 時以降の就寝であり, 郡部の27. 6%に対して遅 い就寝者がいかに 多いか がわかる. 都市部の2年 }は 小学 と郡部の3年, 都市部の1年と郡部の2年 が同じ曲線を示しているのが興味深い. 川上1 ,. 5・6年児童も同じ傾向であることを報告しており, 遅寝, 遅起きの生活習慣は都市部の 児童・生 徒の特徴と言える,. 都市部に遅い就寝者の比率が高い理由として, 第一に家庭における学習時間 (図5) が関係して 131.

(7) . 川. 図6 .. 都市部. ‘ .. ・. 1. 上. 幸. 三. テレ ビ視聴時間と就寝時刻 の関連. (%≧. 50. .. 11. 郡 ,. 部. 50. ・. 1. 1 1. 1. .. 0 ’ ~2 00. ▼ . ・ ・ ・ . . ‘ o ’ - ′ o ・ . ・ . ・・ , ・ ・ 2 ooム÷4 oo 1EX.×÷: . ; . , o 4 oo. 泰三 . 1. . Z = 3.075 、 P> 0.0 5. o~ 就寝時刻 □ ~10 o 園 の:o :o 図7- { 1 ) 就寝時刻と起床状況. =. o o~. ( 2 } 就寝時刻と朝食摂取状況 図7‐. 5o. (%). キスニー8,466 、 Pく0 ,01. ギ ニt4. 205. 園. =.886 、 P〉 o.o 5. 、 P>0,05. ,. 与o. ,. ギ ニ23 ,ー58 、 P〈0,01. ギ ニー0,368 、 P>0,05. ひと り で起 き る. 毎日食べる. 時々、 起 こ して も らう い つも 起 こ し ても ら う. B寺々、 食 べ な い い つも 食 べ な い. 圏 ″ む0 ~. ( 3 ) 就寝時刻と朝の食欲 図7- (%). 5O. (%). ガ ニ21,37- 、 P〈0,01. z1=-- ,354 、 P〉0 ,05 い つ もお い し く 食 べ る あ ま り お い しく食 べ ら れな い 食 べたくない日が多 い. }安部4 )の調査と一致した見解である また 両親の就寝時刻調 いることがあげられる,これは,稲垣3 , . 査からも, 郡部に比べて遅いことから, 親の生活習慣の影響とも考えられる.. 就寝時刻に影響を及ぼしている要因として, テレビ視聴時間, 学習時間, 塾通いなどが考えられ る, 図5に, 学習時間と就寝時刻, 図6に, テレビ視聴時間と就寝時刻の関連を示す, 学習時間の. 関連については, 学習時間が長くなるにつれて, 就寝時刻の遅い者の比率が増加する傾向がみられ る が, テレビ視聴時間, 塾通いの有無との関連は認められなかっ た, 即ち, 就寝時刻を遅くしてい る の は, 学 習 時 間 であ っ て テ レ ビ視 聴 や 塾 通 い では な い こ と が 明 ら か と な っ た,. 次に, 遅い就寝, 遅い起床が朝の生活習慣や保健行動に どのような影響を及ぼしているか,図7- IX2 ( ) ( 3 )は, 就寝時刻と起床状況, 朝食摂取状況, 朝の食欲の有無との関連を示している, 両地域と も, 就寝が遅く なるにつれて, 朝起きが悪く「いつも起こされる」者の比率が高く なっ ている.また,. 朝食の摂取状況や朝の食欲については,都市部は遅く就寝する者ほど朝食の摂取状況が悪いうえに, 朝の食欲のない者が増加する. 郡部も比率のうえでは同様 の傾向を示しているが,‘統計的な有意差 はみられなかっ た. また, 起床時刻と生活・保健行動との関連については, 両地域とも 遅く起床す る者ほ ど朝起きも悪く, 学校を 「時々, 遅刻する」 者の割合いが高いことがわかる. 特に, 都市部 132.

(8) . 中学生の健康生活に関する調査研究. 図8 テレビ視聴時間と家庭学習時間の関連 l. 都市部 .. ・. 50. f i l. .. l. (%) ・. 郡 1 1. 部 1. 5o .. 1. ÷ 「 「 ÷ ヤ「. o {) 2 oo, O ’ O 2 oo人÷4 0。 o 4 oo ~. , .. .・ ・ . ・. , ,,. , , ,. ヱ2= 33, 584 、 P <0,0l. ’ ’~ 学習時間 口 ~ 2000 園 2000. 2 z = 37,277 、 p〈 0.01. 0 ’ 圏 3 00 ~. 0 ’ 園 4 00 ~. 0分以後の起床者の30 では, 7時3 .4%, 郡部では, 7時以降の起床者の44.7%は 「時々, 遅刻す る」 と答えている, しかし, 朝の基本的な衛生習慣 である 「洗顔」 , 「歯みがき」 の実践状況は, 両 地域とも起床時刻の 早い遅いには関係がみられなかった. 以上のように, 遅い就寝者は, 朝起きが. 悪く, 朝食を食べないことが多いうえに, 朝の食欲もない. また, 遅い起床者は, 朝起きかわるく, 学校を時々遅刻しており, 朝の生活習慣や保健行動に良い影響を与えていないよう である, 中学生 の生活時間帯が年々深夜に移行しつつある傾向にあることから, ますますこの影響が強く, これに よる健康障害が危倶される. 都市部の中学生の遅寝, 遅起きの生活習慣を是非改善したいものであ る,. 3) テレビ視聴時間と家庭学習時間. 家庭における夕食後の生活時間のうちでテレビ視聴と家庭学習の占める割合いは大きい. また, 両者は図8に示すように, 非常に関連が深く, 両地域ともテレビ視聴時間が長くなるにつれて学習 )稲垣3 }は 小学生を対象とした調査 でも同じ結 時間が減少する傾向がみられる. これに関して川上1 ,. 果を報告しており, これは小・中学生に共通な傾向であるよう である. テレビ視聴時間は, 学年進 行につれてわずかの減少を示しているが,.統計的な有意差なく, ほとんど同じである, それに対し. て学習時間は, 学年進行につれて長くなり, 学年差は顕著にみられる. これは, 高校受験準備に費 される時間の増加 であることは間違いない事実である, テレビ視聴時間は変化はなく, 学習時間が 増加することから, その分だけ就寝時刻は遅くなり, したがっ て睡眠時間が短かくなっ ていくのは 当然の結果と言える. テレビ視聴時間と学習時間の男女の違いは, 両地域, 各学年とも差異はみら れない. 両地域の違いは, 都市部は郡部に比べて1・2年はテレ ビ視聴時間は短かく, 学習時間は 長いが, 3年では両者に差はみられない. 図9はそれを明確に示している.. 次に, テレビ視聴に対する認識の違いについて述べる, 両地域とも視聴時間の長い者ほ ど 「視聴 時間は長い」 と感じており, 視聴時間の長さと認識は一致している, 「非常に長い」「少し長い」 と 感じている者が5 0%を越えるのは4時間以上であり, 4時間未満は 「適当だ」 と感じているところ から, 2~3時間のテレビ視聴は中学生にとって不可欠の日課として生活の中に定着していると言. える, 今後のテレビ視聴に対する意識については, 都市部では, 長時間視聴群ほど視聴時間を 「少 し減らしたい」とする比率が高く なっ ているが, 郡部では, 視聴時間の長短に関係なく約60%が「も う少し長く見たい」「毎日, これく らい見たい」 0%は 「少し減 ら したい」 「見 な いよ うに , 残りの4 したい」 となっ ている, このことは, 都市部は少しでもテレビ視聴時間を減らして勉強しようとす る意識のあらわれとみることができるが, 郡部ではそのよう な意識はみられず, テレビ視聴に対し て強い愛着をもっ ていると言える, 明らかに両地域に意識の違いをみることができる. また,「でき 133.

(9) . 川. 図9. 上. 幸. 三. 睡 眠時間、 テレ ビ視聴時間、 家庭学習. 時間の地域別比較. .・ ・ ・.・ ・.・・. ・ 、 ・. ’ 8ooo. 日垂日民時 間. 0 ’ 7 00 o ’ 4 oo. テ レ ビネ児聴B寺間. ・ .4 . ・・ , .. ・ . , ・ ・ .. o 3 od. ずod. ・ゐ ′ . ・. . ・◆. ・ . .-・ ‐.. . . ・ . . ・.・ .・・・ ・ ・ ・・. 家庭学習時間. o I od 中/. 3. 男. 子 都市部. 女. るだけ見ないようにしたい」 と考えている者は, 両地域とも長時間のテレビ視聴者群ではなく, 視 聴時間の最も少ない群であっ たことは興味深い. 1 )遅い就 以上, 都市部と郡部の中学生の生活時間の違いを要約すると, 都市部は郡部に比べて,( 3 寝, 遅い起床 である ( 2 )家庭学習時間は1・2年は長いが3年 では差はない ( )テレビ視聴時間は 1・2年は短かいが3年 では差はない ( 4 )睡眠時間の差はみられない 2. 学 習 塾 ・ け い こ ごと 通 い. 児童・生徒にとっ て, 塾やけいこは学校生活, 家庭生活に続く 第三の生活圏 である, 0に示すように, 都市部の約2/ 図1 4であ 3は塾・けいこ通いをしているのに対して, 郡部は約1 /. 134.

(10) . 中学生の健康生活に関する調査研究. 図10 学習塾、 けいこ 通いの地域別比較. 男. 子. 50 : : … . ・. 都 市部 . .. ~%) 女. 子. 50 1 : : : : : : : : : : : : . . , ,, ,. 1. . 国圏 学習 塾とげいこ 厩劃 学 習塾 圏罰 けいこ [コ な し 図11 函館市、 児童・生徒の学習塾、 け いこ通いの学年 推移. 小 5. 6. 中 /. 』*『. 学習塾とげいこ. ・… … …o. けいこ. 0‐÷→. 3. 学習 塾. 小 5 ・ 6 の 資料 出 所 :. 川上幸三,北海道教育大学紀要 (第一部. C ),第 J 9 巻 第 / 号. り, その比率に顕著な違いがみられる. けいこ通いの比率の地域差はあまりみられないが, 通塾率 では大きな違いがみられる, 郡部に通塾率が低いのは, 近くに塾がないことが大き な原因となっ て )からも明らか である 即ち 郡部において通塾していない理由の第一位に いる. これは文部省調 査6 , . 「近所に塾がない」 ことを報告しており, 近くも こ適当な塾があれば都市部並の通塾率となることが 予想される, また, 教育熱も都市部ほど高く ないこと, 高校受験競争も都市部にみられるような苛 135.

(11) . 川. 上 幸. 三. 烈さ がないことなどもその理由と考えられる. 男女の違いについては, 都市部では, 塾通いは男子 に 多く (ズ2=4.249 , p<0,05) , け い こ 通 い と 塾 十 け い こ 通 い は 女 子 に 圧 倒 的 に 多い, 男 子 は 塾 通 い. 一本 であるのに対して, 女子は塾とけいこ通いの両方 であり, 心身の大きな負担と考えられる. - 方, 郡部では, 女子にけいこ通いが多いほかあまり差はみられない, 図i lは函館市の小学校5年から中学校3年ま での塾・けいこ通いの学年推移を示している,全体. の比率では, 学年差はあまりないが, 内容において顕著な違 いがみられる. 即ち, 小5 では塾通い は少なく, 大部分がけいこ通いであるが, 学年進行につれて, けいこ通いが減少し, 塾通いが急増 する, 塾十けいこ通いも両立が困難なためか, 次第に減少傾向を示し, 中 3 では そ の ほ と ん どが 塾 通いとなっている. 両親の子どもに対する注意の第一位は 「勉強」 であり, また, 中学生自身も 「高. 校進学」「勉強」 のことを一番心配し, 悩み, 不安をもっ ている, 親子とも高校受験や勉強に最も強 い関心を示しており, このことが高校受験が近づくにつれてけいこ通いを減少させ, 塾通い を増加. させている要因となっ ていることは明白 である. 高校受験競争の影響が中学生の生活様式, 生活構 造を大きく変えさせていると言える,この傾向は, 女子より男子にあらわれている. 札幌市の児童・ 0 )の調査も全く同じ結果を報告している 生徒を対象とした板垣1 . 通塾者の生活上の特徴については, 非通塾者に比べてテレビ視聴時間は短かく (z2=18.574 ,p 2 ) 2 1 7 8 3 1 <0.01 学習時間は長い ( = 0 0 就寝時刻 睡眠時間 起床時刻には差異はみ P< ) z . , . . , , , られなか っ た. 塾の時間帯が午後5時~8時に集中しており, この時間帯は非通塾者のテレビ視聴. となっ ている関係上, 通塾者に視聴時間が短かくなっ たためと考えら れる. } 9 )並木8 }も指摘して いるように 精神的ストレス 過度な通塾者の健康上の問題点については,松本7 ,. から神経症的自覚症状や胃・十二指腸潰壕をおこさせ, 心身の健康に及ぼす影響の大きいことを報 告している, 本調査では, 塾十けいこ, 塾通いの自覚症状愁訴頻度並 びに自覚症状20項目の訴え率 を非通塾・けいこ群と比較した結果, 全く差異を認めることは できなかっ た. 現在の段階では, 塾・ けいこ通いは自覚症状愁訴にあまり影響を及ぼしていないよう である,. 3. 「部活動」 参加状況 現在, 中学校 では, 授業として行う 「必修 クラ ブ 活動」 と, 放 課 後, 希 望 者に よ る 「部活動」 の二本立てのクラ ブ活動が実施されている.「部活動」 は, 心身の鍛練, 個性の伸長, 望ましい対人 関係, ストレスの解消など多くの教育的意義と健康増進に プラスの要因をもっ ている, しかし, 必 修クラブ活動の出現, 部活動に対する意識, 校舎の管理体制, 苛烈な受験競争によ っ て 「部活動」 2に部活動参加の有無, 入部していない理由を示す. 活動状況では, の衰退が心配されている. 図1. 都市部は各学年, その比率に変りがなく, 50%弱 で2人に1人しか活動に参加していない. 郡部は 3年になると7 0%を下廻るが,1・2年は85~90%と大部分が部活動に参加している.両地域 でも, ほとん どが体育系に所属し, 1週間の活動平均日数は, 都市部は 4.5 日, 郡 部 は 4.8 日 である. 月 曜日か ら土曜日 ま での毎日の活動者は約40%を占める. 都市部において参加 していない理由とし て,「学習塾」 2%) ,「けいこ」のため時間 がないと回答したもの20.3%を占めるほか「疲れる」(15. ,. 「時間に束縛される」(2 6.5%)など現代っ 子的な気質が理由となっ ているものや「帰宅が遅くなる」 (23. 9%) をあげている.「疲れる」 , 「帰宅が遅くなる」 を別の観点からみると, 家庭学習や塾通い. に支障をきたすことを危倶するための理由とも考えられる. やはり, 高校受験勉強が 「部活動」 参 加の大きな阻止要因 になっ ているよう である, 非入部者の40%弱は入部希望をもっ ていることか ら, 高校受験競争が少し でも緩和されれば, もう少し多くの者が積極的に参加することが予想され る. 全員 がのびの びと部活動に打ち込める教育体制 の改善が望まれるところ である. 136.

(12) . . 中学生の健康生活に関する調査研究. 図12‐ 1 ( ) 「部活動」 参加の有無 都市部. 3年. (%). 5o. . . 図12‐ ( 2 ) 入部していない理由 (都市部). . . . 郡 部 ー ::: , 言て r ;甲 羅ロ . : … : ; *; : ::・ .下市下京,「 『. %). 時間に束縛 さ才 1る. 磐害が遅く 女子き な 部 が な し、. 学習塾通い 疲. れ. る. けいこごと. 匪副 入部. [コ 入部 してい. 塵園 体育系 園圏 文化系. 両 親の反対. □ . ない. /年. . 表2 自覚症状頻度の平均値 (標準偏差) と平均の差の有意差検定. 寒. 身 体 的 自 覚 症 状 (p) 郡 都 市 部 部. 男. 1 女. 男. 女. f メタ? ま ず劣 ) (. 精 神 的 自 覚 症 状 (M) 都 市 部 君 B 部. 男. ! 女. 女. 男. 身体的自覚症状と精神的自覚症状 都 ・市 部 君 B 部・・. 男 1 女. 男. 女. 孝司言新. (“ 録 “‘ ). 3 学卒 学 ク . / .学5 3 , 年 .37 学β/ .8之 &J5 ( 2 ( 2 24) ( 2 29 ( 3 .29) 1 3 .99) 80) . , .?9 ( . 差1男 女 差 t=2,637 ※※ t=0.033 ※ t=2 =1 = t= 3 7 t 973 = 2 ※※ t 0 1 4 .550・ , , t=0 =0 46 t= t=2 ,699 . .973 ※※ ・ 1 - ‐ 7 6 4 8 ※※ ? t=3 t 1 5 - tニ2. . 821 ※※ ,. 華 地域差 f J. 年. !謬ら 謎# 一 ”&“” 郡茅 マ録髪 デ ずる」野呂 一 も筑学ぼ ′詔一品灘, ,E孝. 差1男 女 差 t=3.0 0 ※※. 髪 f醐 差 3. 年. t=0 .2?l t=0 15? , . =1 t= .884. t=3. 442 ※※ t=0 681 . t=0, 119 t=0 969 .. t=3 723 ※※ t=0 56モ . . - ÷ 0 t - .035 - t- 1 636 , ,. . “ぎ彪?喜ぼ言気i 老樹 灘“謬る腐る聯 ,8 うる 膨ず討議髭6 )際.雰 t=1713. !男 女 差t=2.956 ※※ 審. t=3 026 . t=4 000 ※※ t=’ , ,72? ※※ t=1 . .570 t= =0 t=1 =0 t= .526 906 ,024 , t; =0 ー 370 =1 t= . = =f t= O4リ ,297 .0 ※ t= 滋※t 46 t=1 70 6t=2 1/年ヒ g 3a t=1 筆 発デt=3義孝t=4誘※t=3鞘 t=2爵 t=3弱きt . . 9 3 5 = = 姿 努t ぶ 書 る . =多 . ’ ※ - ’ = 0t=1 参し年一年 t=096 t=1 25 2 57 t- 2 75t=1 5 - t - 45 =1 - 6 6t= 9 8 t=2 5 2 ; 4 1 0 ー 覆 t 8 2 . 888tニー4 書 う t , 03 tご2 さ . , f 3 T , ・ - - M r 1 t 警之年β年 ,0533t‐0468t=1 0 6 2 t=’ 8 2 5t=1 0f t=1 4 5 93t=221 2じ=q 8 82 t=↑ 4 1 2 tニ1 , 256tご1 85 5t=f 60 , 1 , , . .. 敷地域差. ※※ /%有意水準 ※ 5%有意水準. (. ) は標準偏 差. 137.

(13) . 川. /. ぶ 塾選 き. せ. 身. 自. 3. のどの痛 み. 多. ★ こ. 5. 覚. ま. 鼻. 体 的. づ. 之. 胃 の 不 調. 8. 腹. 痛. 9. 1更. 希必. /○. 下. 痢. //. 豆貞. 痛. /之. 神 /3 的 /“ 自 覚 症. /5. 19.6 55,7 24.7 18,3 55,7 26.O 3.8 28.8 67.4 6.2 29.8 64.O. 目 の 疲 肢 れ 耳. り. な. ”.4 34.2 54,4 11,4 42,9 45.7 5.2 26.9 67,9 ま、ぶた の け い れ ん 2.4 28, 69 ,6. 目. ま. し\. /6. い. /?. 集中力に欠け る. 状 /8. ウ. 神. ら. 経. ら. い. 有意差 ヱ エ イ直. 数 値 は%. 女 ア. イ. 子. 有意差. ウ. 工2 ィ直. ※※ 5.4 47.3 47 3 . 4 2,2 39,4 58.4 9 . 49 ※※ 0 3 4 9 9.7 5 .9 . 4,964 6 6 40 9 52 5 0.872 . . . 14.4 43.5 42、l ※※ 4.662 5 8 29 2 65,O34.148 . , ※. 6.712. ※. 5,O 37.9 57.l 5.8 32.5 61.7 1.2 51,7 27.l 2 ※ ※ 9.2 42,9 47,9 16.3 51,5 32.2 18.764 29.2 44,5 26.3 t.4 12,5 86,l ※※ 2,4 24.7 72.9 0.7 22,l 77.2 11.189 3,6 21,5 74.9 17.4 34,4 48,2 lo,9 26,4 62.7 8.7 23.5 67,8 1.968 lo,2 33,9 55.9 18.8 凱 亭 19、4 13.3 53.0 33,7 ‘ =,4 50.9 37,7 f,348 16,l 60.6 23,3 2,6 lo,0 87,4 0,3 乙? 91.8 ‐ L7 9,3 89.O 1,596 2.9 ?.5 87、6 3.2 11.2 85.6 2.7 14,7 82,6 4.2 19,4 76.4 3.863 1.8 12.4 85.8 18.2 59.4 22,4 1.2 47,8 40.O 2 4 1 8 15,O 56.6 28.4 . 15.6 49.5 34,9. け. 7. 精. イ. 9.8 38.3 51,9 4,5 38,8 56.7. 風 L邪ひきや すい は. 状. ア. 7.6 劉 S 61.l J 4.2 28.4 67,4. 6. 症. 子. 男. 4.3 4.3 51.4 . 2.8 36.O 61.2 13.O 46.8 40.2 り lo.4 40,8 48.8. ん. き. 三. 幸. 項目別 自覚症状 愁 訴の地域別 比較. 表3. \ \ ≧. 上. 質. /9. 過 度 の 緊 張. JO. 死 に た い. 15,5 41. 15,2 39. 17.. 48, 13. 43. 16,8 39, 18. 42,. 43,2 45.4 34. 42, 43.. 39. 12, 34. 53. !3, 33. 53, 7. 16. 76, 6, 20, 72.. 6.825. 5.642 1,622. ※ 7.124 1,817 0,083 0,941 3,465. ※ 24,4 55.6 20.O 0.228 0 4 49 7 29 9 8.210 2. 、 . 6.8 32.4 60.8 2,261 6,2 26 3 67 5 3,017 . 、 15.6 43.5 40.9 ※ 5.578 12 O 36 9 51. 6.515 , , ※※ 6,2 39.7 54, 3,158 6 2 27 7 66 9 9 . モ紘 . . 、 17. 41.2 41,7 0.306 18 6 42 O 39 4 0,447 、 , , 15.0 54. 30.9 5.250 17 9 51 0 699 . 31.O , . 27.9 43.6 28. 4.046 1.084 25 5 38 4 36 . , . 15,3 35.3 4 2 . , 0 986 0、151 12 . . 34. 52, lo,6 36.2 53. 0,008 2 146 lo 36. 52. . .. →誓言三鯵 (男子)誓言“髪(女子) 警 幸 警報市 ト. ※※/%有 意水準 ※ % う. ア. よ く あ る. 138. 2,032. イ. 時 々、 あ る. ウ. な. い.

(14) . 中学生の健康生活に関する調査研究. ミ 項 目. 類. 表4 自覚症状愁訴頻度と生活時間、 保健行動の関連. W 学 一 詩 建. ー ガ. ー 1. 就寝 時 刻. 別. 家庭学習時間. P十M M P十M P M P十M P. 学. 習. 塾. テ. レ. ビ. 視 聴 時 間. M P十M P M P十M P. 部. 活. 動. 男. 子. P ヱ2 - 一 1 44! , 6,140 M. P. 睡 自民 時 間. 市. 都. M P十M. 4,383 4.632 lo.196 7,082 4.342 6,453 2,887 3,000. 0,264 6.399 =.615 9 ,5?2. lo,243 0,362. 6,908 0,757. 部. 女. 子. z2- 2,452. 6,073 5.913. 1.842 5.116 1.734. 郡. 男. 部. 子. 女. 子. ギキニ3 533 zZ= ?.678 . ※※ 18,993 9.346 ・※ 18,672※ 8,510 11.544 2,6?7 5,603 9,303 7,004 16.757. 9.758 lo.424. 16,169. 6,021. 1,083 3.371 12.043 12.374. 2.187 3,774. 3.420 3,912. 5,801 1,697 3.99? 5,725. 12.053 8,328. 0.793 5,048 2.066 4.631. 21,315 ※・ 1,819. P:身体的自覚症 状 ( /○項目 ) M: 精神的自覚 症状 ( /○項目 ). 5,740 7,950. lo.705 8,626 ※※ 4,379 6.384. ご検定 ※※ /%有意 水準. P十M: ( J O 項 目 ) 4. 自覚症状愁訴と生活時間, 保健行動 1) 自覚症状愁訴の学年別, 性別, 地域別比較 現在の中学生は, 学校の授業のほか, 部活動 学習塾やけ いこ 家庭学習など時間に追われた余 , , 裕のない生 活を送っ ており, 健康状態は必ず しも良好であるとは思われない 心身の健康状態を把 . 1 )はこの調査は病 人発見用 であり これをそのまま 握するための自覚症状調査については, 田多井1 , 健康度とすることは危険があることを指摘している が 自覚症状の有無 愁訴頻度によっ てその人 , , の健康状態を推察する手がかりが得られると考えら れる そこで CM1(Cone l IMed i llndex) の ca , . 1 2 ) から表3に示すように 身体的自覚症状(呼吸器系と消 改良である AM1(Ai iMed i ll ch ca ndex) , 0項目) と精神的自覚症状 (1 化器系の1 0項目)20項目を選び, 項目 ごとに 「よくある」 「時々 , , ある」「ない」 を記入させた 表2は性別 学年別 地域別の愁訴平均値と有意差検定を示している . , , . 男女の違いは, 都市部は各学年とも男子より女子に多いが 郡部では差はみられなかっ た これは , . 身体的自覚症状 (以下 「P」 と記す) 精神的自覚症状 (以下 「M」 と記す) とも 都市部で女子は , , , 男子の1 2倍 郡部では1 1倍であ ることから, 女子に不健康者が多いと言うよりは男女の感受性 . , . 3 }の 神 経 症 傾 向 を ス ク リ ー ニ ン グす る NS テ の違 い と み る べ き が妥 当 と 思 わ れる こ の 傾 向 は 宮 田1 . ,. ストにも認められ, 女子は男子の1 5倍であることからも明らかである また 両地域の男女とも , , , ,. 139.

(15) . 川. 上 幸. 三. い ′ 学年進行につれて平均値が増加 し, 1年と3年の間には有意差が認められた. ず懲 共同研究 グルー 4 )しているが 現在の中学生は学年進行に伴っ て遅い プ では, 自覚症状頻度に年令差はない″と報告1 , 就寝, 短かい睡眠, 塾通いの増加, 長時間の家庭学習など心身に負担のかかる生活を強いられてお り, 自覚症状愁訴に影響を与えていると言える, 地域差は, 1年女子のみ都市部に PとP十Mが多 いが, 他は全く有意差はみられなかっ た, 今回調査した函館市と農・漁村地域はそ れほど自覚症状 に影響を与えるような生活環境, 生活行動の差はないためと考えら れる.. 2) 項目別, 自覚症状愁訴の地域別比較 表3はPとMの20項目の愁訴率 を男女別に都市部と郡 部を比較したものである. 男子 では, 郡部 . に 「風邪をひきやすい」 , 「たん」 が多い. 一方, 女子では, 都市 , 「幅吐」 が多く, 都市部に 「咳」 「目の疲れ」 部に 「咳」 , 「まぶたのけい , 「目まい」 , 「咽頭痛」 の呼吸器系の自覚症状, , 「鼻づまり」 . れん」 など神経感覚系の自 覚症状愁 訴が多い. 男子は地域差はあまりみられないが, 女子では都市 部に自覚症状訴が 多い. 3) 自覚症状愁訴頻度と生活時間・保健行動の関連 生活時間や保健行動が中学 生の訴える自覚症状愁訴頻度に どのよう な影響を及ぼしているか. 表. 4は両者の地域別, 性別の関連を示している. これによる と, 郡部の男子は就寝時刻の遅い者にP, P十Mの訴えが 多いこと, 郡部の女子では部活動の参加者に Pが多いこと, 都市部の女子はテレビ 視聴時間の長い者に P十Mの訴えが多いほか, ほとんど関連 が認められなかった.. W. 要. 約. 本研究は, 都市部と郡部の中学生の生活時間, 生活・保健行動, 自覚症状愁訴等について, 両地 域の相違を明らかにし, 健康生活実践上の問題点の指摘と保健衛 生上の見地からの考察を目的に, 両地域の中学 生を対象に質問紙調 査を実施した. その結果, 次のよう な所見を得た,. 1) 睡眠時間は, 両地域の各学年とも有意差は認められず, 同じである, しかし, 都市部に睡眠時 間の長い者と短かい者のばらつきが大きい, 者ほ 2) 睡眠時間に影響を及ぼす要因は, 「就寝時刻」 , 「学習時間」 である. 即ち, 就寝時刻の遅い ど, また, 学習時間の長い者ほ ど睡眠時間は 短かい. 3) 都市部は各学年, 男女とも, 郡部に比べて遅い就寝, 遅い起床 である, 4) 就寝時刻に影響を及ぼす要因は, 「学習時間」 である. 学習時間の長い者ほど就寝時刻は遅い,. 「テレビ視聴時間」 との関連は認められなかった, 5) 遅寝, 遅起きの 生活習慣は, 学年進行につれて顕著に み られ, 朝 の 生 活・ 衛 生 習 慣 や 保 健 行動に好ましく ない影響を与えている.. 6) テレビ視聴時間の長い者ほ ど学習時間 が短い者の比率が高く, 両者は逆相関を示している,. 7) テレビ視聴時間と学習 時間の両地域の違いは, 都市部の1・2年 ではテレ ビ視聴時間が短く, 学習時間は長い, 3年は差異はみられない. 8) テレビ視聴時間に対する両地域の意識は同じである. しかし, 今後の テレビ視聴については,. 都市部の長時間視聴群に視聴時間を減らそうとする意識がみられるのに対して, 郡部ではそのよ う な意識はみ ,られず, 明らかに両 地域に意識の違いがみられる. 9)「部活動」 参加率に両地域の違いがみられるが, 内容には大きな差はない. 学習塾・けいこ, 学 習時間が入部阻止要因の一つに なっ ている.. 140.

(16) . 中学生の健康生活に関する調査研究. 10) 学習塾, けいこごと通いの比率は, 明らかに都市部に多い また 学年進行につれて けいこ , , , 通いが減少し, 塾通いが急増す る. 11 ) 通塾者群の生活上の特 徴は, 非通塾者群に比べて, テレビ視聴時間 が短く 学習時間は長い , , 1 2) 自覚症状愁訴頻度は, 両地域とも学年進行につれて増加し 男子より女子に 多い 地域差はみ , . ら れ な い,. 13 ) 自覚症状の項目別愁訴率は, 男子は地域差のみ られる項目は少ないが 女子は都市部に呼吸器 , 系, 神経感覚系の自覚症状訴え項目が多い ,. 参考文献 1)川上幸三「児童の日常生活における保健行動の地域差比較」14 1~1 56頁, 北海道教育大学紀要(第一部C) ,第 2 9巻第1号, 197 8年 2)NHK 放送世論調査所編 「国民生活時間調査」日本放送出版協会, 197 4年 3) 稲垣春江 「児童の生活時間に関する研究」11 1~1 2 2頁, 養護教諭の職務研究 (第3集) 97 0年 , 東山書房, 1 4)安部邦子「中学・高校生の生活時間に関する研究」149~1 55頁, 養護教諭の職務研究(第2集) 96 7 , 東山書房,1 年. ・. 5) 総理府青少年対策本部編 「昭和52年版, 青少年白書 -- 青少年問題の現状と対策 --」 大蔵省印刷局 19 , 77 年 6) 文部省 「児童・生徒の学校外学習活動に関する実態調査」1 97 6年 7) 松本利雄, 第16回日本精神身体医学会総予稿集, 1 2頁, 1 97 5年 8) 並木正義 「塾と子供たち」19 7 7年4月 22 日, 北海道新聞掲載 9)並木正義「塾通いの子どもに胃潰癌が多い」1 4 9~1 53頁, 現代生活, 体のタブー集, 別冊壮快第1 4号, 講談社, 1978年. 1 0 ) 板垣弥之助 「札幌市の小中学生の生活実態調査報告書」1 9 7 7年 1 1 ) 田多井吉之介 「情報化時代の疲労対策法」 南ご 工堂, 1 97 0年 1 2 ) 安藤志ま, AMI保健調査表, 12 2~1 2 6頁, 養護教諭の執務のすすめ方, 東山書房, 1 97 7年 1 3 ) 宮田尚之 「NS テスト」 保健の科学, 第6巻第6号, 1 96 4年 1 4 ) 健″ 共同研究グループ 「CMIを使った健康調査の結果とその分析 -- 呼吸器, 消化器系自覚症状の現れ方を 中 心と して --」 36~43 頁, 健, 1973年. 1 5 ) 桝田登編 「中学生 -- その心にくいこむ教育 --」 日本文化科学社, 1 97 8年 1 6 ) 読売新聞社婦人部編 「中学生 -- このむずかしい年頃をどうするか --」 よつば新書, 1 97 8年 1 7 ) 日本子ども守る会編 「1 9 78年版, 子ども白書」1 9 7 8年 付 記 本研究のため, 保健調査にご協力いただいた函館市内6中学校, 郡部4中学校の養護教諭並びに学級担任の諸先 生に深く感謝いたします, (本学助教授・函館分校). 141.

(17)

参照

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