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生徒が主体的に考える「運動と力」「生物のふえ方」の授業づくり

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Academic year: 2021

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(1)生徒が主体的に考えるr運動とカ」r生物のふえ方」の授業づくり   教育実践高度化専攻 授業実践リーダーコース.     P08013B.       赤井雄史 1.背景と目的. クシートを作成して2つの単元を構成し,授業実践.  平成20年学習指導要領では,中学校理科の目標に. を行った。.  「自然の事物・現象に進んでかかわり,目的意識を.  生徒がどのような活動をしたか,単元の目標が達. もって観察,実験などを行い,科学的に探究する能. 成されたかどうかについての評価と検証は,ワーク. 力の基礎を育てるとともに自然の事物・現象につい. シートの記述,生徒の自己評価,授業の進め方に関. ての理解を深め,科学的な見方や考え方を養う」と. するアンケートから得られた結果から行い,主体的. 記載されている。今回の改訂により,「科学的に調べ. に考えるための手立ての有効性を考察した。単元目. る能力を育てる」からr科学的に探究する能力の基. 標と各時の目標については,主体的に考える手立て. 礎と態度を育てる」としたことで,中学校段階から. とは別に評価した。. 探究的な学習活動を充実することが強調された。. 3.単元構成.  このような背景を踏まえ,教育実践研究開発プロ.  2つの単元の内「生物のふえ方」を例に単元計画. ジェクト実習では,「運動と力」において,できる限. と各授業で主に講じられた主体的に考えるための手. り探究的な活動を組み入れた中学校理科授業とする. 立てを表1に示す。r運動とカ」においても同様に単. ことを考えた。しかし,時間的制限のため,すべて. 元を構成したが,本抄録では記載を省略する。. の探究の過程をふまえた学習活動を行うことは困難. 表11r生物のふえ方」の単元計画と各時で主に講じた手立て 「生物のふえ方」(全6時間〕. であり,また,観察,実験に限らず,授業全体を通. 単元日標. して,主体的・論理的に考えたり,表現したりする. 機会も限られていた。そこで,科学的な探究活動の 基礎となるr生徒が主体的に考える」授業づくりを. ・身近な生物のふえ方について考 え.関連した観察・実験を行い.怨 性生殖・有性生殖の特徴を見いだ し、生殖によって親から子に形質が 伝わることを理解するとともに、生 物の遺伝についての見方や考え方. 既習知 識や既 知の事 柄から 考える. 身近な 例を挙 げて考 える. 比較し て考え. る憶. いを見 つけ出. 図を用 いて考 える. 証拠を もとに 考える. す). を養う.. 目標とし,実習で担当した単元全体を通して授業の. 主に講じられこ手 てに○ 次. 各場面に主体的に考えるための手立て(表1上段). 時. 学習活動. 平価で取り上げたiとを示す. を取り入れ,その有効性を検証した。ここに示した. 1. 手立ては,小学校学習指導要領に示された問題解決 の能力や全米科学教育基準における探究に必要な能. 生 物 の 生 殖. ・生物の例を挙げ.ふえ 方の特徴を比較して考. 9. 9. O. o. 9. える。. 1. 力などを整理したうえで導入した。. 2. ・植物の花粉管が伸びる 様子をみて.生殖の過程. o.. 〇一. o. を考える。. ・動物の受精の様子をみ 3. て一生殖の過程と特徴を. o. o. o. O. O’. o. とらえる。. 2.研究の概要. ・染色体に着員して細胞.  はじめに,全米科学教育基準(NSES)から科学的 探究の過程や実際の指導方法の考え方についてまと めた。次に学習指導要領と教科書の分析により,中 学校理科の学習内容や授業の構成要素を整理した。. 2 生 物 の 通 伝 の 糧 則 牲. 1. 分裂と減数分裂の過樫 を比較して考える。. 2. ・メンデルの実験につい て知り.形質の現れ方に. o. o一. ついて考える。. 3. メンデルの実験結果か ら遺伝子の分かれ方を. O. o. O. 考える. 実習で担当した2つの単元において,各時間の目標. 4.r生物のふえ方」における活動の評価. を単元の目標との整合性が取れるように設定し,単. 元と各時間の評価表を作成した。各時間の目標を踏 まえ,かつ主体的に考える手立てを組み込んだワー. 主体的に考えるための手立て(評価規準).  実践を通してほぼ全員がワークシートの課題に進 んで取り組み,考えている様子が見られた。生徒の. 一26一.

(2) 授業の取り組みに関するアンケートにおいても,「授. とに,生物のふえ方の特徴を考え,比較することで,. 業の課題について考えることができたか」r主体的に. 違いや共通点に気付くことができた。. 考えることができたか」の質問項目では,それぞれ. 5.まとめと今後の課題. 30人中27人ずつが「できた」と回答した。.  本実践では,単元の目標と主体的に考えるための.  重点的に行った手立ての有効性について以下によ. 手立てを整理し,各授業のねらいと活動内容を明. うにまとめられる。. 確にしたワークシートに基づいて授業をすすめる. 1)身近な例を挙げて考える: 第1次第1時の例. ことで,生徒に主体的に考えさせる授業を構成した。. を挙げて考える場面では,身近な生物の例が55種類. 4.では,「生物のふえ方」における評価をまとめた. 学がり,生殖の特徴を見いだすのに十分な材料にな. が,「運動と力」でも,主体的に考えるための手立て. ったと考えられる。. の有効性に関して,ぽぽ同様の結果を得ることがで. 2)比較して考える: 第1次第1時の様々な生物. きた。さらに,二つの単元では,生徒が主体的に考. 群をふえ方の特徴から30人中27人の生徒が生物の. える場面を設定することが,単元目標の達成にも有. 特徴の違いや共通点に気付き,比較して考えること. 効に働いたと考えられる。既習の知識や身近な例を. ができた。第2次第1時では,すべての生徒が細胞. 挙げて考えることで,学習意欲を高めながら学習課. 分裂と減数分裂の過程について図を描いてまとめ,. 題を焦点化することができる。また,比較して考え. そのうち16人の生徒が特徴の違いを対比させて説. たり,図を用いて考えたりすることで,事物や現象. 明できた。. の特徴やしくみに気づき,身につけるべき内容の理. 3)図を用いて考える: 第1次第2時では,受精. 解が促される。生徒が主体的に考える場面を有効に. と受粉の違いを30人中29人が理解できているとし. 設定することは,全ての授業づくりで必要なことと. ていた。r図に書いてみるとわかった」という記述が. いえるだろう。. 示すように,観察した花粉管の様子を図に描いて表.  また,今回設定した「主体的に考えるための手立. すことで理解に至ったと考えられる。第2次第3時. て」は,小学校学習指導要領に示された問題解決の. では,遺伝子の分かれ方や組み合わせについて,感. 能力や全米科学教育基準における探究に必要な能力. 想の記述から30人中27人が理解できたと感じ,「図. などを整理したうえで導入したものである。今回の. があったのでかなりわかった」との記述から,視覚. 授業実践では,それぞれの手立てが有効に働いたこ. 的に考えるための情報や証拠が与えられ,説明でき. とを示すことができた。本授業実践を通して,科学. たと考えられる。. 的な探究能力の基礎を育むことも同時に達成できた. 4)証拠をもとに考える: 第2次第2時では.実. といえるのではないか。. 験結果の要因について,30人中27人が今までの自.  一方,実践していく中見えてきた課題は以下のよ. 分の経験や知識をもとに推論して理由を説明できた。. うにまとめられる。. また,クラス全体で行ったカードを使った実験の結. ・考えるための手立てを組み込んだ授業が,必ずし. 果を通して,r何故3:1になるのかということがよく. も科学的思考や知識の定着には結びついていなか. わかりました」と内容の理解を深めたという記述も. った。. みられた。以上のことから,証拠をもとに考える手. ・学んだ知識・技能を活用して考える場面が少なか. 立てが有効に設定できたといえる。. った。. ・各生徒に対する,また,各場面における支援と指. 5)既習知識や既知の事柄から考える: これまで に述べた4つの手立ですべて,特に「身近な例を挙. 導が必ずしも的確とはいえなかった。. げて考え」「比較して考える」は既習知識や既知の事. ・説明の仕方や板書のまとめ方について改善する必. 柄から考える行為そのものである。既に1)2)で. 要がある。. 示した内容から,この手立ても有効であったといえ.      修学指導教員 大根哲治・永田智子. よう。例えば,第1次第1時では,既知の事柄をも.      指導教員   増澤康男. 一27一.

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