生徒が主体的に考える「運動と力」「生物のふえ方」の授業づくり
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(2) 授業の取り組みに関するアンケートにおいても,「授. とに,生物のふえ方の特徴を考え,比較することで,. 業の課題について考えることができたか」r主体的に. 違いや共通点に気付くことができた。. 考えることができたか」の質問項目では,それぞれ. 5.まとめと今後の課題. 30人中27人ずつが「できた」と回答した。. 本実践では,単元の目標と主体的に考えるための. 重点的に行った手立ての有効性について以下によ. 手立てを整理し,各授業のねらいと活動内容を明. うにまとめられる。. 確にしたワークシートに基づいて授業をすすめる. 1)身近な例を挙げて考える: 第1次第1時の例. ことで,生徒に主体的に考えさせる授業を構成した。. を挙げて考える場面では,身近な生物の例が55種類. 4.では,「生物のふえ方」における評価をまとめた. 学がり,生殖の特徴を見いだすのに十分な材料にな. が,「運動と力」でも,主体的に考えるための手立て. ったと考えられる。. の有効性に関して,ぽぽ同様の結果を得ることがで. 2)比較して考える: 第1次第1時の様々な生物. きた。さらに,二つの単元では,生徒が主体的に考. 群をふえ方の特徴から30人中27人の生徒が生物の. える場面を設定することが,単元目標の達成にも有. 特徴の違いや共通点に気付き,比較して考えること. 効に働いたと考えられる。既習の知識や身近な例を. ができた。第2次第1時では,すべての生徒が細胞. 挙げて考えることで,学習意欲を高めながら学習課. 分裂と減数分裂の過程について図を描いてまとめ,. 題を焦点化することができる。また,比較して考え. そのうち16人の生徒が特徴の違いを対比させて説. たり,図を用いて考えたりすることで,事物や現象. 明できた。. の特徴やしくみに気づき,身につけるべき内容の理. 3)図を用いて考える: 第1次第2時では,受精. 解が促される。生徒が主体的に考える場面を有効に. と受粉の違いを30人中29人が理解できているとし. 設定することは,全ての授業づくりで必要なことと. ていた。r図に書いてみるとわかった」という記述が. いえるだろう。. 示すように,観察した花粉管の様子を図に描いて表. また,今回設定した「主体的に考えるための手立. すことで理解に至ったと考えられる。第2次第3時. て」は,小学校学習指導要領に示された問題解決の. では,遺伝子の分かれ方や組み合わせについて,感. 能力や全米科学教育基準における探究に必要な能力. 想の記述から30人中27人が理解できたと感じ,「図. などを整理したうえで導入したものである。今回の. があったのでかなりわかった」との記述から,視覚. 授業実践では,それぞれの手立てが有効に働いたこ. 的に考えるための情報や証拠が与えられ,説明でき. とを示すことができた。本授業実践を通して,科学. たと考えられる。. 的な探究能力の基礎を育むことも同時に達成できた. 4)証拠をもとに考える: 第2次第2時では.実. といえるのではないか。. 験結果の要因について,30人中27人が今までの自. 一方,実践していく中見えてきた課題は以下のよ. 分の経験や知識をもとに推論して理由を説明できた。. うにまとめられる。. また,クラス全体で行ったカードを使った実験の結. ・考えるための手立てを組み込んだ授業が,必ずし. 果を通して,r何故3:1になるのかということがよく. も科学的思考や知識の定着には結びついていなか. わかりました」と内容の理解を深めたという記述も. った。. みられた。以上のことから,証拠をもとに考える手. ・学んだ知識・技能を活用して考える場面が少なか. 立てが有効に設定できたといえる。. った。. ・各生徒に対する,また,各場面における支援と指. 5)既習知識や既知の事柄から考える: これまで に述べた4つの手立ですべて,特に「身近な例を挙. 導が必ずしも的確とはいえなかった。. げて考え」「比較して考える」は既習知識や既知の事. ・説明の仕方や板書のまとめ方について改善する必. 柄から考える行為そのものである。既に1)2)で. 要がある。. 示した内容から,この手立ても有効であったといえ. 修学指導教員 大根哲治・永田智子. よう。例えば,第1次第1時では,既知の事柄をも. 指導教員 増澤康男. 一27一.
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