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平成 28 年度特定課題研究報告書の要旨

氏名 青木 利江 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH303 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 報告書題目 ヘルスリテラシー概念の心身健康科学における位置づけの考察 論文審査委員 主査 吉田 浩子  副査 鍵谷 方子  副査 小岩 信義 【目的】ヘルスリテラシーは,健康に関する意思決定や行動のより良いコントロールにつながる考え方を表す新しい概念である. 本研究では,ヘルスリテラシーに関する既存資料を概観し,心身健康科学の視点から考察することを目的とした. 【方法】CINII,Pubmed,ProQuest において,「ヘルスリテラシー」をキーワードに抽出された国内および海外の文献と,世界 保健機関(WHO)や米国連邦福祉・保健省(HHS)等,公的機関の統計資料を用いてまとめた. 【結果】ヘルスリテラシーは,米国で提唱された概念であり,①機能的②相互的③批判的に分類され, WHO によって「健康を 維持増進するために情報を収集し,理解し,方法を決定する個人の能力と動機付けで,認識および社会的スキル」と定義され ている.ヘルスリテラシーは,QOL や主観的健康度と関連し,健康管理に与える影響は大きいとされるが,その能力を客観的 に評価できる汎用化された尺度は開発途上である.この概念は,社会文化的文脈における研究の必要性が指摘されている. 【考察】ヘルスリテラシーの向上は,自らの意志による健康行動の取捨選択を可能とし,「こころ」と「からだ」の健康維持に 有用であるとされるが,「文化」の影響も考慮しそのあり方を考えることが重要である. 【結論】ヘルスリテラシーは未だ新しい概念であり,その能力の客観的評価尺度の開発や,文化的背景による影響の探究が課 題であるが,「こころ」「からだ」「文化」の視点からこの概念を考察することの有用性がわかった. 【Keywords】ヘルスリテラシー,健康,取捨選択,心身健康科学 1 (118)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 大林 絵里南 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH304 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 女性看護師の月経随伴症状と職業継続意思の関係 論文審査委員 主査 島田 凉子  副査 久住 武  副査 藤原 宏子 【目的】女性看護師の月経随伴症状と職業継続意思の関連について調査することを目的とした. 【方法】総合病院に勤務する常勤,非常勤含む全女性看護師を対象に,研究者が作成した質問紙を配布し,無記名で回収した. 月経随伴症状については,日本語版 MDQ 尺度を使用した.得られたデータは Excel による単純集計をおこなった. 【結果】472 部配布し,401 部回収(回収率 85%).欠損のない 362 部を集計対象として用いた.MDQ 総得点において,月経前 と月経中の愁訴数に比べ月経後の得点は大幅に低下した.MDQ による各領域別得点の平均値を見ると,月経中の「痛み」領 域が一番高く,次いで月経前の「水分貯留」領域が続いた.月経随伴症状と職業継続意思との間に関連は見られなかったが, 月経随伴症状を原因に離職を検討したことがある者が存在し,彼らは月経中の「痛み」領域と月経前の「否定的感情」領域の 点数が高かった. 【考察】月経随伴症状の自覚的苦痛の訴えは月経前及び月経中に高頻度に認められ,特に月経前の水分貯留と,月経中の痛み に対する対策を必要とする者が多いことが分かった.月経随伴症状と職業継続意思には関連が見られなかったが,月経随伴症 状により,離職を検討した者がおり,性周期において心身の影響を受けていることが分かった. 【結論】1.月経随伴症状と職業継続意思は関連がなかった.2.月経随伴症状により,離職を考えるほどの心身の苦痛を抱える 女性看護師が存在した.3.一月経周期中に,どのような愁訴がどの時期に出現し,持続消退していくのか,女性看護師自身 が把握し対応していくことが,良好な QOL を得るために必要不可欠であることが示唆された. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 497 号) 【Keywords】月経随伴症状,職業継続意思,心身健康科学,女性看護師 2 (119)

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平成 28 年度特定課題研究報告書の要旨

氏名 森 晃代 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH305 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 報告書題目 高齢者介護施設における介護職員のストレス反応と職務満足の関連性 論文審査委員 主査 庄子 和夫  副査 遠藤 隆行  副査 吉田 浩子 【目的】介護の現場においては,職員の確保,定着が大きな問題とされている.本研究は,離島における介護職のストレス反 応と職務満足要因の関連性を検証し,ストレス反応低減に有用な知見を得ることと,地域に特化した職務満足が個人の心身健 康維持に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする. 【方法】A県の離島で,高齢者施設に勤務する介護職員 160 名を対象に,無記名自記式質問紙調査(基本属性,下光らによる職 業性ストレス簡易調査票と安達による職場環境,職務内容,給与に関する職務満足感尺度)を用い実施した.(有効回答者数 は 121 人,回収率 75.6%) 【結果】職業性ストレス簡易調査票の各尺度を,介護職員と下光らの標準集団と比較した結果,「自覚的な身体負担度」「心理的 な仕事の負担(量)」が有意に高かったが,「働きがい」も有意に高かった.女性のストレスの方が高い傾向にあったが,「上司 のサポート」も多く受けていた.職務満足感の各尺度とストレス反応との関係では,「不満足群」と比較し「満足群」の方が「職 務内容」「職場環境」「給与」で有意に高かった. 【考察】高齢者施設で働く介護職員は,高いストレス要因があっても,それに拮抗する「働きがい」があること,地域の特徴 としての子育てに対する職場の共通理解,「上司・同僚の支援」などによって実際のストレスを軽減している状況と考えられた. 職務満足感では,「不満足群」に比べ「満足群」の方が「疲労感」が有意に低く,「抑うつ感」への影響を与える過程は緩衝さ れることが考えられた. 【結論】離島の高齢者施設で働く介護職員は,仕事の「身体的な負担」や「心理的な仕事の負担」による高レベルなストレス を受けているが,「働きがい」「上司・同僚の支援」「職務満足感」がストレス反応に関連しており,「こころ」と「からだ」の バランスを整えていることが,示唆された. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 488 号) 【Keywords】高齢者介護施設,介護職員,職業性ストレス,職務満足,心身健康科学 3 (120)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 大成 信廣 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH306 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 高齢者の安全運転寿命延伸に関する諸要因 論文審査委員 主査 丸井 英二  副査 庄子 和夫  副査 萩原 豪人 【目的】高齢者が安全運転を継続するための諸要因を心身健康科学の視点より考察することである. 【方法】対象者は車の運転を行っている 60 歳以上の男女とし,地方在住 246 名,及び都市部在住 30 名の 276 名であった.調査 期間は平成 28 年 6 月 1 日~平成 28 年 6 月 20 日,調査方法は,2 種類の質問票による無記名自記式質問紙郵送調査,統計解析 ソフトはエクセルアドインソフト Statcel4 を使用した.安全運転寿命判定は,北村憲康(日本交通心理学会)の安全運転チェッ クリストを使用した. 【結果】対象者の質問依頼数は 346 件,最終有効数は 276 件であった.性別は男性 201 名,女性 75 名,平均年齢は 68.8 歳,安 全運転寿命平均は 73.3 歳,運転継続希望年齢平均は 80 歳であった.質問票Ⅰ(29 項目)では,安全運転寿命階層と質問 6 項 目に,年齢階層と質問 7 項目に有意な関連がみられた(p<0.05).双方共通する項目はなかった.質問票Ⅱ(31 項目)におい ては,安全運転寿命階層と質問 28 項目に,年齢階層と質問 4 項目に有意な関連がみられた(p<0.05).その 4 項目は安全運転 寿命階層と共通して有意な関連がみられた. 【考察】高齢者の視力,聴力,筋力,持久力,記憶力,反射神経,危険予知力,遵法精神の各要因と有意な関連みられたのは 年齢階層ではなく安全運転寿命階層であり,これらの心身機能を維持・遂行し,また運転免許制度を見直しすることが,安全 運転力を高め安全運転寿命延伸に繋がり,主観的健康感の獲得にも寄与することが示唆される. 【結論】1.高齢者の安全運転寿命延伸に及ぼす要因は,年齢ではなく安全運転力である.2.高齢者の安全運転力を維持・遂行 するための運転免許制度の見直しが必要である.3.安全運転寿命延伸が主観的健康感の維持・向上に寄与し,より良く生き るための QOL の獲得に繋がる. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 479 号) 【Keywords】心身健康科学,安全運転寿命,安全運転力,運転免許制度,主観的健康感 4 (121)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 牧野 由加里 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH307 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 訪問看護ステーションの経営意欲に関する実態ならびに関連事項 論文審査委員 主査 島田 凉子  副査 小岩 信義  副査 藤原 宏子 【目的】看護師の訪問看護ステーション経営意欲を調査するとともに訪問看護ステーション経営意欲をもつことと看護基礎教 育・継続教育における経営知識修得との関係について明らかにすることを目的とした. 【方法】病院勤務の看護師,訪問看護ステーション勤務の看護師,訪問看護ステーション経営の看護師 376 名を対象に無記名自 記式質問紙により調査した.各質問項目について単純集計し,訪問看護ステーションの経営意欲の有無と属性との関連につい てフィッシャーの直接確率検定を行った. 【結果】176 名の有効回答を得,訪問看護ステーション経営意欲のある看護師は 10.2%,看護基礎教育において経営知識を得る 機会があった看護師は 5.6%,基礎教育以外において経営知識を得る機会があった看護師は 14.2%であった.訪問看護ステーショ ン経営意欲に有意な差を認める項目は「訪問看護ステーションに勤務している」「男性」「基礎教育以外での経営に関する知識 の修得」であり,看護師の訪問看護ステーション経営意欲と継続教育における経営に関する知識修得機会の有無は関連すると いうことが判明した. 【考察】訪問看護ステーション経営意欲のある看護師が少ないのは,訪問看護や経営は新しい領域であるため知識修得の機会 が十分でなく,また,マンパワー不足や経済的理由にて,セミナー等に参加できないなど,継続教育において経営についての 知識修得機会が得られないためであると推測する. 【結論】看護師が訪問看護ステーション経営意欲をもつためには,看護基礎教育において訪問看護や経営に関する知識を修得 できる機会を増やすこと,継続教育において安価で質の高いセミナー等を増やすことが有効であるという示唆を得た. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(498 号) 【Keywords】心身健康科学,訪問看護ステーション,経営,看護基礎教育,継続教育 5 (122)

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平成 28 年度特定課題研究報告書の要旨

氏名 新行内 裕之 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH308 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 報告書題目 短時間睡眠と疾病発症リスクとの関連 -エビデンスに基づくリスク評価- 論文審査委員 主査 丸井 英二  副査 庄子 和夫  副査 鍵谷 方子 【目的】近年の研究報告によれば,生活習慣病やうつ病患者の増加と睡眠時間の短縮化・睡眠不足は表裏一体の関係にあると されている.これらの状況を前提に,過去の文献のリスクデータを集約し,短時間睡眠と疾病(生活習慣病・うつ病)発症に 対するリスク評価を行うことを目的とした. 【方法】睡眠,睡眠不足,生活習慣病,うつ病等に関するキーワードをもとに,「オッズ比」「ハザード比」等の発症リスクが記 載されている論文について検索期間を定めず検索した.検索エンジンには,MEDLINE,PubMed,Cinii,J-Stage,医中誌を 用いた.さらに,専門学会誌,書籍等も参照し,最終的に 22 論文を対象論文とした. 【結果】1.短時間睡眠は,糖尿病発症リスクを高める可能性が示唆された(1.07 倍~ 2.98 倍).2.短時間睡眠は,高血圧発症 リスクを高め可能性が示唆された(1.12 倍~ 3.75 倍).3.短時間睡眠は,心血管疾患発症リスクを高める可能性が示唆された(1.06 倍~ 4.43 倍).4.短時間睡眠は,うつ病発症リスクを高める可能性が示唆された(2.0 倍~ 40.0 倍). 【考察】以上の結果から,短時間睡眠は,耐糖能と血圧の調節に悪影響をもたらす可能性が強く,生活習慣病の代表的疾患で ある糖尿病,高血圧症発症,さらには心血管疾患,うつ病発症のリスクファクターとなり得る可能性が高い. 【結論】本研究では,短時間睡眠が疾病発症リスクを高める可能性が示唆された.今後は,短時間睡眠になり易いとされる,不 規則性勤務である交代制勤務者や長時間労働者等の心身健康に対する影響と,支援体制に関するエビデンスの積み重ねが重要 である. 【Keywords】短時間睡眠,発症リスク,自律神経,ホルモン,心身相関 6 (123)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 川端 陽子 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH309 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 胸部前面の筋に対するストレッチングが背部の感覚・身体イメージとリラクセーションに及ぼ す影響 論文審査委員 主査 小岩 信義  副査 久住 武  副査 藤原 宏子 【目的】胸部前面の筋のストレッチングを段階的に操作する為,半円台または四角柱上で背臥位姿勢をとり,これによって生 じる背部の感覚・身体イメージの変化,リラクセーション度の変化との関連を検討した. 【方法】対象は,健常な男女 10 名(20 ± 2 歳)とした.胸部前面の筋のストレッチング度合いの指標として,実験開始前に左 右の烏口突起間長を計測した.半円台または四角柱上で背臥位姿勢をとり,沈み込む感,密着感,背中が快い,安心感,落ち 着き感,リラックス感等を視覚的アナログスケール(VAS)で評価した.さらに,リラクセーション評価尺度短縮版(S-MARE) を使用し,リラクセーションを総合的に評価した. 【結果】半円台では,烏口突起間長が延長するほど,密着感が増し,リラクセーション度の指標とした VAS や S-MARE の値 も増加する関係を認め,S-MARE(r=0.57),快い(r=0.70),リラックス感(r=0.66),落ち着き感(r=0.72),安心感(r=0.71) と強い相関を示した.これに対して四角柱では,烏口突起間長と VAS の値との関連性は弱かった. 【考察】烏口突起間長が増すと密着感,リラクセーション度も増す関係を認めた事から,胸部前面のストレッチングは背部の 感覚・身体イメージに変化を及ぼし,心身のリラクセーションに関連すると考えた. 【結論】胸部前面のストレッチングは,密着感を惹起し,リラクセーション度を高める事に関連することがわかった. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 483 号) 【Keywords】胸部前面のストレッチング,背部の感覚,身体イメージ,心身のリラクセーション,心身相関 7 (124)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 小野 文子 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH310 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 高校生の親の子育ての悩みと心身の健康状態 論文審査委員 主査 中野 博子  副査 丸井 英二  副査 萩原 豪人 【目的】本研究の目的は,高校生の子どもを持つ親がどのような子育てへの思いや悩みを持っているのか,心身の健康状態や 子育てを巡る心理的な問題と身体的な問題はどのような状態なのかについて検討することである. 【方法】A 県内 6 高等学校に通う高校 2 年生の保護者 1,158 人を対象に,基本情報・子育てへの思い・〈しつけの悩み・葛藤尺度〉, 〈WHO QOL 26〉について調査し,SPSS で分析した. 【結果】有効回答数 299(25.8%)であった.高校生の子どもを持つ親の悩みとして 5 因子が確定し,第 1 因子として「価値の 模索・対比」の悩みが挙がり,以降「価値観の硬直」「両親間葛藤」「両価性葛藤」「対応への困難」の順であった.心身の健康 状態は,日本の同年齢の一般人と比べ,高校生の子どもを持つ母親の〈WHO QOL 26〉「身体領域」得点が有意に低かった.〈し つけの悩み・葛藤尺度〉の各因子得点と〈WHO QOL 26〉の「心理的領域」得点とには負の相関関係が見られ,「価値観の硬直」 因子以外の各因子得点と「身体的領域」得点間にも負の相関関係が見られた.「子育てが大変でない」と思っている親の〈し つけの悩み・葛藤尺度〉得点は低く,「子育ては楽しくないし,大変だ」と思っている親の〈WHO QOL 26〉「総得点」,「身体 的領域」,「心理的領域」得点が低かった. 【考察】高校生の親は,社会の変化・複雑化に伴う価値の多様性を背景に,子育てに関しての自分なりの価値に自信が持てず 悩んでいる.子育ての悩みや子育てへの思いと心身の健康状態は,互いに影響を与えているであろうと考える. 【結論】調査した高校生の親は,子育てに対し肯定的だが大変だと受け止めていた.悩みとしては「価値の模索・対比」の悩 みが多く,心身の健康状態は日本の一般人口の調査結果と比べて,母親の身体的な健康状態が悪い傾向がみられた.また子育 てへの思いや悩みと親の心身の健康状態は互いに関係し,特に心理的な健康状態と関係していることが示唆された. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 487 号) 【Keywords】高校生の親,子育てへの思い,子育ての悩み・葛藤,WHO QOL 26,心身健康科 8 (125)

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平成 28 年度特定課題研究報告書の要旨

氏名 富井 三惠 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH311 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 報告書題目 患者および家族介護者の食事療法に対する負担感 論文審査委員 主査 吉田 浩子 副査 岩切 大  副査 島田 凉子 【目的】患者(当事者)とその家族(家族介護者)の食事療法に対する負担感の軽減を管理栄養士が支援する際に有用な知見 の獲得を目的に,既存の学術論文を疾病別に整理,心身健康科学の立場から考察した.

【方法】医中誌 Web,CiNii Articles で「食事指導」「栄養指導」「栄養相談」「負担」「治療食」「食事療法」「ストレス」「QOL」 のキーワードを適宜組合せて検索,1995 ~ 2016 年に刊行された総計 41 件の論文の内容を疾病別にまとめた.

【結果】当事者の食事療法への負担感の軽減は治療効果と Quality of Life(QOL)の向上に有効であるが,長年の生活習慣や嗜 好の変更の困難や家族介護者を含む家族間の情緒的結合バランスのあり方が負担感と関連していた.家族介護者では,加齢や 調理作業自体がもたらす身体的負荷,当事者との食に対する価値観の違いが負担感と関連していた. 【考察】当事者と家族介護者の関係性が食事療法に対する肯定感の有無に関連しており,管理栄養士 は,知識の伝達だけでなく,家族アセスメントを含む当事者と家族介護者の「こころ」と「からだ」と「家族文化」に配慮し た介入を行っていくことが必要であると言える. 【結論】患者および家族介護者双方の食事療法に対する負担感の軽減のためには,疾病の特性および双方の心身のストレスを 考慮した,情動的・行動的な管理栄養士の包括的支援が必要であることがわかった. 【Keywords】食事療法,負担感,QOL,家族介護者,心身健康 9 (126)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 目黒 明子 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH312 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 認知症ケア従事者が BPSD の緩和につながる有効な声かけを見い出すプロセスの研究 論文審査委員 主査 鍵谷 方子  副査 丸井 英二  副査 萩原 豪人 【目的】本研究の目的は,認知症の症状のひとつである行動・心理症状(BPSD)の中でも発症初期に認められる焦燥・易怒性・ 攻撃性に対して,施設介護職員が有効な「声かけ」を見いだすプロセスを明らかにすることである. 【方法】対象者は認知症対応型共同生活介護施設管理責任者 10 名と,同施設で働く介護主任 9 名,小規模多機能型居宅介護施 設管理責任者 2 名,計 21 名である.調査は問題中心型半構造化面接法を用いて個別に実施した.分析は会話内容をもとに修 正版グラウンデッド・セオリー・アプローチの手順で行った. 【結果】分析の結果,55 の概念が生成され 11 のカテゴリーに分類された.介護職員は,易怒性,攻撃性には様々な背景要因が あり,心と体のつながりが症状にも影響していると気づき捉え直すことを経て,予防因子を絞り込むことに意識が向けられる ようになっていた.さらに人と人としての関わりが介護の原点であることに気づき,この視点に立ってケアを行うと怒りの感 情に寄り添うことができるようになり,やがて介護職員は言葉や声かけのタイミングを見極め,介護職の顔を捨て様々な役柄 に自身を変化させながら,認知症高齢者の怒りの症状の緩和に積極的にかかわろうとしていた. 【考察】介護職と認知症高齢者との間の対人関係の質的変化が,有効な声かけを見い出すプロセスにおいて重要な変化をもた らしているのではないかと考えられた. 【結論】有効な声かけは,症状ではなく人を見る介護職の視点の変化,つまり「心と体のつながりへの気づき」から「人と人 のふれあいが介護」という意識の変化を経て見い出されていくことが分かった. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 474 号) 【Keywords】BPSD の症状緩和,声かけ,易怒性,介護職,非薬物療法 10 (127)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 山田 眞子 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH313 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 看護実習における達成感に影響を及ぼす要因 論文審査委員 主査 久住 武  副査 庄子 和夫  副査 中山 和久 【目的】看護実習に関するこれまでの研究は,実習を強いストレスと捉える報告が多い.実習はストレスではなく学生にとっ て成長の場として捉えることも必要である.本研究は初回の看護実習の達成感を調査し,将来への展望を見出すことを目的と した. 【方法】対象は平成 27 年度 B 専門学校へ入学した 1 年生 78 名とし,初回の基礎実習Ⅰ前後に調査を実施した.調査は 1 自己 肯定感,2 時間的展望体験,3 実習活動満足感,4 実習達成感とした.データの分析は,B 専門学校から匿名化したうえで提供 を受けて行った. 【結果】各調査(要因)全てにおいて実習前後で平均値に有意差を認めなかった.しかし,個々でみると実習で値が上昇する 例が多かった.実習達成感との関係は,実習活動満足感が最も強く影響度が高かった.各要因の特性をみた結果,自己肯定感 や実習活動満足感は「現在の自己認識」を現し,時間的展望体験は「時間的位置づけ」を現し,今回の調査では学生を多角的 に捉えている結果となった. 【考察】看護実習はストレスと捉えるよりも,学生にとって成長の場とみた方がよい.本研究では,実習達成感と自己肯定感 よりも実習活動満足感との関係が強いことが明らかになった.3 年間の実習の始めとなる基礎実習をスムーズに乗り越えるた めには,学生自身の活動満足感を高める工夫が重要になると考えた. 【結論】看護実習の達成感は,実習そのものではなく活動満足感との関係が最も強かった.このことから日ごろの学生生活の 活動満足感を高めることが実習の達成感を高める要因となり,自己肯定感や時間的展望体験を考え合わせて学生を見守る必要 があると考えた. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 475 号),ベルランド看護助産専門学校(第 6 号) 【Keywords】自己肯定感,時間的展望体験,実習活動満足感,アロスタシス,心身健康科学 11 (128)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 大山 史朗 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH314 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 精神的作業負荷が立位時の体幹振戦に及ぼす影響 -心身健康科学の視点からの検証- 論文審査委員 主査 鈴木 はる江  副査 中野 博子  副査 齋藤 信夫 【目的】本研究では,精神的ストレスとなる作業負荷が姿勢筋緊張(以下,筋緊張)の指標である生理的振戦(以下,振戦)に 及ぼす影響を調査した.併せて脈波および脳波の変動,心理的な主観的評価についても調べ,精神的ストレスが筋緊張ならび に自律神経機能へ及ぼす影響について,心身健康科学の視点から検証した. 【方法】対象は,健常成人男性 16 名(平均年齢 26.7 ± 4.5 歳)とした.精神的作業負荷として文字の意味と色が一致しない文 字列を音読するストループ課題(Stroop Task:ST)を,コントロール課題としてモノクロ文字列の音読を試行した.測定項 目は,課題に対する主観的評価(Visual Analog Scale:VAS),体幹(第 1・2 胸椎部,第 11・12 胸椎部)の振戦,耳朶脈波, 前頭葉脳波とした.脈波の周波数解析から低周波数成分を高周波数成分で除した値(LF/HF)を自律神経機能とし,脳波の周 波数帯毎に数値化した値を脳の意識状態評価として分析に用いた. 【結果】心理的ストレスおよび疲労感の VAS は,ST 後でコントロール課題後に比べて有意に高値を示した(p<0.05).第 1・2 胸椎部の振戦および LF/HF は,ST 中で試行の前後と比べて有意に高値を示した(p<0.01)が,コントロール課題では変化し なかった.脳波は,ST およびコントロール課題のいずれも課題による有意な変化はみとめられなかった. 【考察】ST 中に振戦が増大したことより,精神的ストレスによる上位中枢神経系の機能変化が運動神経の興奮性を高め,振戦 発生に影響したと推察され,背部筋の筋緊張亢進が示唆された.LF/HF が高まったことより,交感神経活動が優位な状態になっ たと示唆された. 【結論】精神的ストレスは,自律神経機能変化を伴って上部体幹の振戦を増大させることが明らかとなった. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 489 号) 【Keywords】精神的作業負荷,姿勢筋緊張,生理的振戦,自律神経,心身健康科学 12 (129)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 長谷部 和範 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH315 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 情動画像を使った部分痕跡条件づけに対する呼吸調節の影響 論文審査委員 主査 小岩 信義  副査 村上 香奈  副査 久住 武 【目的】本研究では,幾何学図形の消失後に,情動画像が表示される関係を学習させる部分痕跡条件付けに,随意的な呼吸調 節が与える影響を検証した. 【方法】16 名を対象に 2 段階の実験を行った.第 1 段階は,モニターに幾何学図形を提示した直後,各図形に対応する快また は不快の画像と,中性の画像を 66%:34%の割合で提示する事を,随意呼吸調節下(呼吸調節群:8 例)または自然呼吸下(自 然呼吸群:8 例)にて繰り返す部分的痕跡条件付けとした.第 2 段階は第 1 段階の全協力者を対象に予期情動評価を行った. 幾何学図形を提示した後,30 秒間の待機時間を設け,続いて各図形に対応させた情動価の画像を提示する事を自然呼吸下で繰 り返した.実験中は呼吸(breath by breath 法),心拍数(心電図第Ⅱ誘導)を連続測定した. 【結果】1 回目の予期情動中に不快画像に対応させた幾何学図形の提示により,自然呼吸群の一回換気量(TVe)と酸素消費量 (V・O2)は,安静時と比較して有意に減少した.また,安静時と予期情動中の差分において,呼吸調節群は V・O2 と分時換気量(Ve) との間に非常に強い正の相関関係を認めたが(r=0.97),自然呼吸群では呼吸調節群に比べて両パラメーターの相関関係が弱 かった(r=0.72).以上の両群の違いは,2 回目の予期情動中,心拍数には両群に差を認めなかった. 【考察】V・O2 と Ve との関連性の違いから,予期情動中に呼吸調節群は,代謝性の呼吸が主体となっていたのに対して,自然 呼吸群では代謝性の呼吸に,情動性の呼吸調整が加わり呼吸抑制が起きた可能性が考えられた. 【結論】随意的な呼吸調節は,不快刺激と中立刺激の部分痕跡条件付けの成立を妨げる可能性が示唆された. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 491 号) 【Keywords】呼吸調節,予期情動,不快,部分痕跡条件付け 13 (130)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 小俣 朋子 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH316 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を受けた高度肥満症患者の食行動変容に関する研究 論文審査委員 主査 庄子 和夫  副査 岩切 大  副査 吉田 浩子 【目的】 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(以下 LSG)とは,確実に減量する手段としての選択肢の 1 つである.本研究では外科的 治療の LSG を施行した者を対象として,術前後の体重減少に加え,LSG 施行の動機,術後の満足度および術後の摂食行動につ いて摂食障害スクリーニングテスト(EAT-26)を基に心身状態を検証し,体重変化との関係を明らかにし,術後の摂食行動及 び減量継続を支援するための知見を得ることを目的とする. 【方法】LSG 施行後, 3 ヶ月以上経過した 20 歳から 60 歳までの男女 15 名(男性 7 名,女性 8 名)を対象とし平成 28 年 5 月か ら平成 28 年 8 月に減量外来受診時に,質問紙調査として ①手術を施行した動機 ②手術に対しての満足度 ③ EAT-26 の質 問票で調査を行った. 【結果】初診時の平均体重及び標準偏差は 121.2 ± 25.9kg,LSG 施行 1 ケ月前では 117.2 ± 26.5kg,LSG 施行 1 ケ月後では 104.2 ± 23.3kg,LSG 施行 3 ケ月後では 98.6 ± 25.2kg であった.初診時から手術までの間に食生活の見直し等行動変容が見られるも のの手術日が決定すると,15 名中 9 名に体重増加がみられた.術前の体重減少は平均 4kg 程度であったが,術後 3 ケ月では平 均 22.6kg の減少となった.動機及び満足度の違いと超過体重減少率(%EWL)には有意差はなかった.また,EAT-26 の得点 と術後の超過体重減少率(%EWL)では強い負の相関(r=-0.76)がみられた. 【考察】術後は確実な減量効果が表れ肥満是正になるが,術後の経過とともに再び体重増加傾向がみられる事から,リバウン ド予防の対策を考案する必要性は大いにあると思われた. 【結論】高度肥満症となった以前の生活スタイルや食生活を改善しなければ,LSG だけを施行しても高度肥満症是正のゴール とは言えない.高度肥満症を改善するための手段として LSG が挙げられるが,術後も治療を断念しないよう支援していくこと が重要である.術後は食事摂取量が減少し,目に見えて減量でき,減量がすすむことに対して満足度は上がった. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 476 号),A 病院倫理委員会(第 120 号) 【Keywords】高度肥満症,腹腔鏡下スリーブ状胃切除術,食行動,EAT-26,心身健康科学 14 (131)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 中田 智子 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH317 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 看護学生の実習ストレスと情動知能との関係 論文審査委員 主査 小岩 信義  副査 島田 凉子  副査 中山 和久 【目的】看護学生は実習のストレス体験によって,感情のコントロールや他者への共感などの情動知能が変化するものと考えた. そこで本研究では,実習のストレスの程度と情動知能にどのような関係性があるかを検討した. 【方法】看護学生 27 名(男子 6 名,女子 21 名)を対象とした.実習前,実習中,実習後において,ストレス認知度,ストレス 反応,情動知能尺度として日本版 WLEIS(Wong and Law Emotional Intelligence Scale),成人版表情認知検査について自記式 質問紙調査を行い検討した. 【結果】見学実習を先行して行った A グループと実践実習を先行して行った B グループでは,時間によるストレスの程度(ス トレス認知度とストレス反応)の変化が異なっていた.両グループは共通して実践実習の 1 週目にストレスの程度が最も高く なることが分かった.ストレスの程度と情動知能の関係性の検討では,実践実習時のストレス認知度と「他者の情動評価」に 正のやや強い相関を認め,ストレス反応と「情動の調節」に負のやや強い相関を認めた. 【考察】ストレスの程度の変化が大きかった実践実習では,問題解決や課題達成のために状況に合わせて自分の感情を利用し たり,他者の感情を読み取り理解し共感するなどの能力が発揮されており,看護師に求められる情動知能に影響を与える可能 性が考えられた. 【結論】本研究では,実習のストレスと情動知能の「他者の情動評価」「情動の調節」との関係性が強いことが明らかになった. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 485 号),富山福祉短期大学(H27-023 号) 【Keywords】看護学生,ストレス,情動知能,臨地実習,心身健康科学 15 (132)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 永井 伸人 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH318 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 幼児の生活習慣と朝の排便の関連の検討 -保護者の関わりに着目して- 論文審査委員 主査 鍵谷 方子  副査 中野 博子  副査 斎藤 信夫 【目的】人間形成の基礎期である幼児期に,規則正しい生活リズムで日々を過ごし,規則正しい生活習慣を獲得することは,子 どもの健康福祉面,QOL 向上のためにも重要である.本研究では,子どもたちの生活実態を把握するために生活リズムを調査 した.中でも朝の排便習慣に着目し,保護者の関わりが子どもの排便に与える影響について検討した. 【方法】神奈川県 A 市立 B こども園に通う年長(5・6 歳)児 99 名の保護者を対象として,早稲田大学前橋明氏が作成した生 活実態調査用紙を基に,保護者の関わりについて項目を追加して作成したアンケート用紙をこども園にて配布,留置法にて回 収した. 【結果】1 日の排便状況の結果から 3 群に分けて比較検討した.すると,朝の排便習慣のある年長児および朝と他が半々の群は, 朝しない群と比較して就寝時刻・起床時刻が早いことがわかった(p<0.01).また,朝する群はしない群に比べて,テレビ・ DVD の視聴時間が短く(p<0.01),視聴時間は就寝時刻に関連していた.さらに,朝食において食事バランスガイドに基づく 要素数および摂取品目数ともに他の群より有意に多く摂取していることがわかった(要素数(p<0.05),摂取品目数(p<0.01)). 【考察】早寝が早起きにつながり,早起きをすることによって朝食がしっかり食べられ,朝の排便につながったものと考えら れた. 【結論】1 日は 24 時間で時を刻んでいることから,どこかの時間が長くなればどこかが短くなる.本研究から,1 日を通した規 則正しい生活リズムを整えることが重要であると示唆された. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 481 号) 【Keyword】幼児,生活習慣,排便,親との関わり,心身健康科学 16 (133)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 船水 隆広 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH319 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 鍉鍼治療による抑うつ感軽減効果についての研究 -心身健康科学の視点から- 論文審査委員 主査 島田 凉子  副査 鈴木 はる江  副査 矢島 孔明 【目的】鍉鍼と毫鍼による抑うつ感,心拍,血圧の変化の違いについて検討した。 【方法】研究参加の同意が得られた専門学校生 31 人(男性 11 人,女性 20 人)を,①封筒法にて,グループ A,B(以下 A,B) に分けた.②施術前に Beck Depression Inventory-Ⅱ(BDI-Ⅱ),Profile of Mood States 2(POMS2)の記入,血圧,脈拍を測 定し,グループ A に毫鍼,グループ B に鍉鍼を施術した.施術後に血圧,脈拍を測定し,BDI- Ⅱ,POMS2 記入を行った.1 週間後,グループ A に鍉鍼,グループ B に毫鍼施術を行い,同様の測定を行った.③鍉鍼,毫鍼の前後の有意差,毫鍼と鍉 鍼の比較の為,反復測定の二元配置分散分析を行った. 【結果】BDI-Ⅱ(全員)において毫鍼,鍉鍼共に施術前後で有意に下がり,毫鍼と鍉鍼で有意差はなかった.BDI-Ⅱ高得点群は, 毫鍼,鍉鍼共に施術前後で優位に下がり,毫鍼と鍉鍼では有意差はなかった.POMS2 は,毫鍼,鍉鍼共に施術前後で有意に 下がり,毫鍼と鍉鍼で有意差はなかった.血圧,心拍は毫鍼,鍉鍼の施術前後でも各施術の差もなかった. 【考察】鍉鍼・毫鍼の施術の前後で BDI-Ⅱ得点に有意差が出たことは,毫鍼による,血流改善,筋緊張緩和,セロトニン放出 などの関与が考えられた.今回は,特に抑うつ傾向が高い群で鍉鍼の効果が高かったことから重症のうつの人に対する鍉鍼施 術の意義が認められた. 【結論】本研究で,抑うつ高群に関して質問紙によって毫鍼,鍉鍼ともに抑うつ軽減効果がある事が示された.また鍉鍼の皮 膚刺激で,軽減効果が得られることも明らかになった. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 501 号) 【Keywords】心身健康科学,鍉鍼,毫鍼,抑うつ,BDI-Ⅱ,POMS2 17 (134)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 萩原 佐紀 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH320 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 通信制大学院で学ぶ社会人の学修継続と心身の健康 論文審査委員 主査 中野 博子  副査 久住 武  副査 藤原 宏子 【目的】通信制大学院で学ぶ社会人の学修継続には,困難があると言われている.そこで本研究では,通信制大学院の学修の 困難とは何か,学修を継続するための励みや勇気づけとは何か,学修から何が得られるのかを調査し,心身の健康にどのよう な特徴があるかを検討した. 【方法】N 大学大学院(通信課程)大学院生 42 名を対象とした.自記式無記名アンケート調査票を用い,「基本属性」,「通信制 大学院での学びについて」,「WHO/QOL26」,「自由記述」を行った.分析は,Welch の検定,マンホイットニーの U 検定,ス ピアマンの順位相関係数を用いた.自由記述については,KJ 法を用いた. 【結果】学修時間の確保,睡眠不足,仕事や家庭との両立に困難を感じていた.また,教員に対しての不満,要望が多くあった. そのような状況の中,通信制大学院の学修にやりがいを感じ,通信制大学院を選んだことについての肯定的な評価が多かった. 【考察】学修時間の確保のため睡眠不足,教員との人間関係にストレスを感じることで,心身の健康にはマイナスな影響が起 こりやすい状況にある.しかし,仲間や熱心な教員の存在によりやりがいを持ち,自らの努力により学修を続け,広い視野の 獲得や人間性の広がりなどの成長に結びついていると考えられる. 【結論】本研究では,通信制大学院で学ぶ社会人には,心身の健康に関わる困難があるが,仲間や教員に支えられ,困難をポ ジティブな考えに変えることで,乗り越え,成長し,生きる知恵を獲得していることが明らかになった. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 499 号) 【Keywords】心身健康科学,社会人通信制大学院生,遠隔教育,生涯教育 18 (135)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 眞田 正世 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH321 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 看護師のストレスに対するスヌーズレン活用の効果に関する検証 論文審査委員 主査 鈴木 はる江  副査 岩切 大  副査 村上 香奈 【目的】スヌーズレンとは,多重感覚刺激環境を利用して障害者のリラクセーションを促す方法として考案され,近年その効 果の検証が進むとともに,健常者にもその応用が広がりつつある.そこで本研究では,看護師のストレスに対するスヌーズレ ン活用の効果について検証した. 【方法】看護師 19 名に,スヌーズレンを 30 分間実施する実験(実験 A)とスヌーズレンを実施せず安静を 30 分保つ実験(実 験 B)を,1 ~ 3 週間の間隔をおいて行った.実験前に健康関連 QOL の SF-8a を測定し,実験 A および B の前後に気分評価 の POMS2,唾液アミラーゼ,脈拍・血圧を測定した. 【結果】SF-8a は全ての項目で実験 A と実験 B の前で差はなかった.POMS2 は,実験 A 後に緊張 - 不安,抑うつ - 落ち込み, 怒り - 敵意,疲労,混乱の 5 項目,実験 B 後に混乱以外の 4 項目の得点が有意に低下したが,緊張 - 不安項目の低下は実験 A で実験 B より有意に大きかった.唾液中アミラーゼ,血圧,脈拍は,実験 B ではいずれも有意な変化は認められなかったが, 実験 A では唾液中アミラーゼと脈拍が実験後に有意に低下した. 【考察】スヌーズレン実施により,POMS の緊張 - 不安と混乱が低下し,唾液中アミラーゼと脈拍も低下したことから,スヌー ズレンはストレスの多い看護師の心理的緊張と交感神経緊張を緩和し,心身をリラックスさせる効果があると考えられた. 【結論】本研究により,スヌーズレンの心身へのリラックス効果は期待できると考える. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 473 号),A 医療センター倫理委員会(27-6) 【Keywords】看護師,スヌーズレン,POMS,唾液中アミラーゼ,心身健康科学 19 (136)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 本多 史明 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH322 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 音響環境が感情や身体反応時間に与える影響 -棒反応時間・心拍を指標としての検討- 論文審査委員 主査 鍵谷 方子  副査 富田 浩  副査 萩原 豪人 【目的】本研究では,異なる音響環境が感情や身体反応時間に与える影響について検討した.棒反応時間や感情評価,心拍を 指標として比較,検討し,こころとからだの関連性を明らかにするとともに,心身健康科学の観点から考察することを目的と した. 【方法】同意の得られた医療系専門学校の学生 21 名(平均年齢 21.0 ± 2.4 歳)を対象とした.対象者に対し,快音響,不快音響, 無音の 3 つの音響環境下で棒反応試験を行い,その棒反応時間を比較した.また,実験中の感情評価や心拍測定を実施し,そ の変化を調べた.さらに,各パラメータの関連性について検討した. 【結果】棒反応時間は,不快音響下に比べて快音響下で有意に短縮した.また,感情評価では,快音響では肯定的感情得点が 高値を示し,不快音響では否定的感情得点が高値となった.心拍は,快音響ではベースラインから音響聴取 3 分で増加を認め, 不快音響では音響聴取 1 分,2 分で低下を認めた.感情評価得点と棒反応時間および心拍変化量と感情得点変化との間には, ともに相関を認めなかった. 【考察】音響によって肯定的感情が生起された場合,反応時間が短縮することが示唆され,感情が注意へ及ぼす影響が考えら れた.さらに心拍や HF 成分の変化から,反応速度への自律神経活動の影響も示唆された. 【結論】音響環境が感情と自律神経活動および身体反応時間に影響を及ぼすことが明らかとなった.快音響と不快音響ではそ の影響が異なった.心身健康科学の観点からも,身体機能向上のために,音響が有効なツールとなる可能性が示唆された. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 478 号) 【Keywords】心身健康科学,心身相関,音響,感情,棒反応時間 20 (137)

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平成 28 年度特定課題研究報告書の要旨

氏名 生島 嘉人 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH323 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 報告書題目 教育現場における発達障がい児支援 -ストレスによる問題行動に着目して- 論文審査委員 主査 久住 武  副査 富田 浩  副査 村上 香奈 【目的】発達障がい児が増えている現在の教育現場において,発達障がい児の課題を心身相関の視点から明らかにすることを 目的とした. 【方法】文献調査研究とし,2010 年から 2015 年までの文献をキーワードを用いて検索した. 【結果】発達障害者支援法に基づき障がいの区分を明確化し,行動特性と問題行動に対しての現行の支援制度及び教育制度の 支援方法に対する課題を明らかにすることで療育及び特別支援教育の課題について述べた. 【考察】現在の教育現場では発達障がい児にストレスを与えることが懸念される.なるべくストレスを感じさせないようにし ながら,集団活動に慣れさせていく必要があると考える.さらに「インクルーシブ教育」すなわち,健常児と障がい児を分け ずに,可能な限り共に学ぶシステム作りも求められ,異年齢集団,つまり年齢を超えた集団での活動を行うことも有効と考え られる. 【結論】支援で重要なことは,子ども自体にストレスを感じさせず,本人にとって自然なかたちで望ましい行動を生み出す素 地を作ることが求められ,そのためには,発達障がい児の行動だけでなく,「正の強化」を得やすくするような環境づくりが 求められる.さらに,集団活動においては,「障がい児,健常児,教員」というトライアングルの関係が必要と考える. 【Keywords】発達障がい,集団行動,学校教育,ADHD,ストレス,心身健康科学 21 (138)

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平成 28 年度特定課題研究報告書の要旨

氏名 野間 ゆき子 学位の種類 修士(心身健康科学) 証書番号 MH324 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 報告書題目 医療療養病棟で働く看護師の現状と課題 論文審査委員 主査 中山 和久  副査 小岩 信義  副査 矢島 孔明 【目的】近年,身体の疲労から精神の疲弊を招き,心身の健康を損ねてしまう人々が増加しており,看護師においても例外で なく,身体の疲労は注意力散漫を引き起こし,患者を死に至らしめる危険は非常に高い.医療療養病棟の看護師が抱える身体的・ 精神的な問題を少しでも解消できる知見を得て,患者の生命の安全性を高めることを目的とする. 【方法】地方の農村地帯にある A 病院の医療療養病棟で働く看護師の業務を 24 時間,経時的に追い,業務量や抱える問題を, 文献を参考に検討した. 【結果】入院患者は高齢で医療的処置も多く,日常生活援助は全面的に介助が必要な患者が多数を占めており,業務量の多さ から,夜勤では仮眠をしないという看護師が多く,また仕事のやりがい感もなく疲弊している実態がある.看護部のワークラ イフバランスや,みらい委員会という取り組みがあり,やりがい感や病院の発展について検討会が持たれている. 【考察】二交替勤務の疲労感や事故発生の危険を回避する為には,医療療養病棟の人員配置 20:1 は看護師の負担が重く,患者 へ十分な看護が行えず,リスクも高い.看護師の人員を増員すること,夜勤においては 4 人体制にする必要性が示唆された. 【結論】医療療養病棟の看護師は業務量の多さに見合う人員の配置になっていない現状に,不満や疲労感を感じている.忙し くとも,自分の実践している看護や考えを積極的に話し,思いを伝える,同僚のことを認め,理解する等,何でも話せ,わか り合う事が大切である.また仕事をマネージメントする力が求められている.よりよい看護を提供するという思いを共有し, 実践していくことが患者の命を守り,同時に看護師も心身健康に働くことができると考える. 【Keywords】医療療養病棟,二交替勤務,疲労感,やりがい感 22 (139)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 小島 麻子 学位の種類 修士(健康栄養科学) 証書番号 MN17 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 PDCA サイクルを取り入れた中学生集団に対する食育プログラムのこころみ -取り組みに関する実行可能性の検証- 論文審査委員 主査 中西 由季子  副査 桑田 有  副査 熊谷 修 【目的】現在の教育現場における評価は学習教育課程上の観点別の評価のみで,食育活動の評価方法は確立されていない.一方, 中学生において特に摂ることが望ましいとされる鉄やカルシウムは,いずれも摂取が不足している.そこで本研究では鉄及び カルシウムを食育活動のテーマの 1 つとして取り上げ,学校における食育の評価に視点を置き,健康教育・ヘルスプロモーショ ンの概念に基づく「望ましい食習慣の形成を目指した学校における食育の評価」として PDCA サイクルを取り入れた食育プロ グラムを設計・試行し,その実施可能性を中心に検討し,有効性が期待できる食育プログラムを例示することを目的とした. 【方法】千葉県 F 中学校に在籍する全校生徒を対象者とし,2015 年度及び 2016 年度,実践モデルとして日本健康教育学会の栄 養教育研究会が提案する「望ましい食習慣の形成を目指した学校における食育の評価」の方法に従い,PDCA サイクルを取り 入れた食育プログラムを実施した.P(計画)では食育の目標から到達目標の置き換え,各到達目標に対する評価指標の設定, 実態把握,数値目標の設定を行い,食育計画を立てた.D(実践)では食育計画に従い鉄やカルシウムの授業や給食時間中に 食育指導を行った.C(評価)は経過評価,影響・結果評価,企画評価を行った. 【結果】ヘルスプロモーションの概念に基づき PDCA サイクルを取り入れ,食育の目標ならびに全体計画や年間計画を立てる ことで,一貫した食育を行うことができた.また,鉄やカルシウムについて,多く含む 5 種類の食材を正しく選択できる生徒は, 食育実施前と比較して食育実施後では増加した.さらには食育の実施後「評価」を行うことでその成果を具体的に示すことが できた. 【考察】ヘルスプロモーションの概念に基づき PDCA サイクルを取り入れ食育を実施した結果,食育の効果を表すことが可能 となった.また,生徒たちの望ましい食習慣が形成される過程や到達度が客観的に判断できた.さらに保護者や他の教職員に も食育の効果を明確に伝えることができ,学校全体の食育の向上が期待できた. 【結論】学校における PDCA サイクルを取り入れた食育プログラムの実施可能性及び有効性が例示できたのかもしれない. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 470 号) 【Keywords】PDCA サイクル,中学生,食育,評価,健康栄養科学 23 (140)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 高橋 虹絵 学位の種類 修士(健康栄養科学) 証書番号 MN18 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 岩手県北地域における牛乳摂取と食習慣,生活習慣および循環器疾患危険因子との関連 論文審査委員 主査 奥田 奈賀子  副査 桑田 有  副査 玉木 雅子 【目的】牛乳摂取による循環器疾患危険因子との関連についての報告は,我が国を対象としたものは少ない.本研究では,岩 手県北地域コホート研究のデータセットを用いて,牛乳摂取頻度と,基本属性,生活習慣,循環器疾患危険因子との関連を検 討する. 【方法】解析対象者は,栄養調査を実施した 70 歳未満の男女,13345 名(男性 3993 名,女性 9352 名)とした.普通牛乳と低 脂肪牛乳の合計摂取頻度(杯 / 週)を計算し,「週 1 杯程度まで」,「2,3 日に 1 杯程度」,「1 日に 1 ~ 1.5 杯程度」,「1 日に 2 杯程度以上」の 4 群に分類した.牛乳摂取頻度 4 分類ごとの,生活習慣,検査結果等を集計し,BMI,血圧値,HbA1c,総コ レステロール,LDLC,HDLC の推定調整平均値を共分散分析により算出した. 【結果】牛乳を高頻度で摂取する者は,喫煙,飲酒習慣がある者が少なく,運動,朝食摂取習慣のある者が多かった.調整平 均値の収縮期血圧値では,男性で「1 日に 1 ~ 1.5 杯程度」,女性で「2,3 日に 1 杯程度」の群で有意に低下していた.総コレ ステロールでは,男女共に「1 日に 1 ~ 1.5 杯程度」,「1 日に 2 杯程度以上」の群で有意に上昇していた. 【考察】男性の,「週 1 杯程度まで」と比較した「1 日に 2 杯程度以上」群の特徴を示すと,多変量調整後で BMI,HbA1c に変 化はなく,収縮期血圧は 2.2mmHg 低下,総コレステロールは 7.1mg/dl 上昇した.先行研究から,日本人における循環器疾患 死亡の集団寄与危険割合をみると,高血圧では 46.4%,高コレステロール血症では 1.7%であった.循環器疾患予防の観点から は,牛乳頻回摂取による総コレステロールの上昇よりも,収縮期血圧の低下による寄与が大きい事が示唆された. 【結論】牛乳摂取習慣のない者と比較して,牛乳摂取習慣のある者は良い生活習慣である者が多く,多変量推定平均血圧値は 有意に低かったことが分かった.以上のことから,我が国では,牛乳を摂取する習慣が循環器疾患の予防と関連する可能性が 示唆された. 倫理審査申請承認機関:岩手医科大学(H13-33) 【Keywords】牛乳摂取頻度,循環器疾患危険因子,栄養調査,岩手県北地域コホート研究 24 (141)

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平成 28 年度修士論文の要旨

氏名 加藤 有香 学位の種類 修士(健康栄養科学) 証書番号 MN19 学位授与年月日 平成 29 年 3 月 19 日 修士論文題目 朝食内容が食後血糖・食欲抑制に及ぼす影響 論文審査委員 主査 桑田 有  副査 奥田 奈賀子  副査 梅國 智子 【目的】食前に野菜や食物繊維を多く含む食事を摂取することで,食後血糖値の上昇が抑制出来ることがわかっている.また, 朝食を高たんぱく質にすることで昼食の空腹感が抑えられるという報告もある.しかし,それぞれを相互的に見ている研究は 少ない.本研究は,朝食を高たんぱく質・高食物繊維にすることで,血糖値抑制および食欲抑制させることができるのか検証 することを目的とした. 【方法】18-23 歳の学生約 240 名中の生活リズム(睡眠リズム・食生活リズム)が整った健常者で BMI 標準(18.5-25.0㎏ / m2) かつ研究条件に合う 16 名を対象とし,連続した 2 日間と翌々週 2 日間の計 4 日間の参加(介入日は金・土曜 土曜に朝食提供) とした. 調査内容は,朝食に一般的な和食(control 食)と高食物繊維高たんぱく質食(test 食)を提供し,クロスオーバー比較試験を 用いて比較した.比較する項目は,血糖値,空腹感アンケート(VAS),自由摂食による昼食量,朝食アンケート,食事につ いてのアンケートを行った.

【結果】control 食と test 食の血糖値の経時的推移の比較した結果,血糖値のピーク値(30 分後)は有意に control 食が高かっ た(p<0.05).ピーク値(30 分後)からの血糖値の低下を測定時間ごとに全群検定した結果,control 食では,90 分後からすべ ての測定時間で有意に血糖値の低下(p<0.01)が認められ,test 食では 60 分後に有意な低下がなくなった.次に control 食と test 食での空腹感アンケート(VAS)を比較したところ,control 食と test 食の間に交互作用を認めた(p<0.05).さらに, control 食と test 食での昼食摂食重量比較では, test 食が control 食よりも少なく(p<0.001),双方の差は 81.2 ± 38.9g であった. 昼食摂食エネルギー量でも test 食が control 食よりも有意に少なく(p<0.001),双方の差は 108.3 ± 51.7g であった. 【考察・結論】結果より,control 食よりも test 食で血糖値上昇が抑制され,ピーク値からの下降もなだらかになった.朝食に 高たんぱく質・高繊維とした食事を摂取することで食後血糖の上昇・下降がなだらかになり,合わせて食欲抑制効果をもたらし, 昼食の摂取量にブレーキがかかったと考えた.糖尿病の予防,進展を抑制する食事プログラムとしての有用性が期待できる結 果であった. 倫理審査申請承認機関:人間総合科学大学(第 472 号) 【Keywords】健康栄養科学,セカンドミールエフェクト,高たんぱく質・高食物繊維食,空腹感,血糖抑制 25 (142)

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