Japanese Journal of Community Psychology, 2020, Vol. 23, No. 2, 111–129
仮設住宅入居者の視点から災害ボランティアとの関係性の
意味づけが変化するプロセスに関する質的研究:
東日本大震災における長期的な心理社会的支援事例から
小林 深吾 *
1・丹羽 郁夫 *
2 *1 ピースボート災害支援センター *2 法政大学Qualitative Research on the Shift in Significance and
Meaning of the Relationship with Disaster Relief Volunteers,
from the Perspective of Temporary Housing Resident Disaster
Survivors:
The Case from Long-term Psychosocial Support
in Disaster Relief Following the Great East Japan Earthquake
KOBAYASHI Shingo*
1and NIWA Ikuo*
2 *1 Peace Boat Disaster Relief*2 Hosei University
This study focuses on post-disaster temporary housing residents who received support from disaster relief volun-teers, and examines their psychosocial reaction to support offered and the significance and meaning they attached to these activities. Additionally, the study examines how relationships between disaster relief volunteers and temporary housing residents transformed and shifted over time. The authors conducted semi-structured interviews with 12 elderly people who had experience living in temporary housing facilities. The interview data was then analyzed using the modi-fied grounded theory approach. The following conclusions were drawn:
(1) At the core of the relationship between the temporary housing resident and the disaster relief volunteer is the rec-ognition that the volunteer is there to absorb (listen and take in) some of the thoughts and feelings of the disaster survivor, placing the volunteers in a positive light. This becoming the foundations of the relationship dynamic. (2) In order to deepen this relationship; volunteers, useful/thoughtful support services and other staff (long-term
volunteers and/or relief organization staff) are required in tandem with each other.
(3) Maintaining the positive temporary housing resident-volunteer relationship is believed to reduce environmental factors such as stress for the residents over the long-term.
(4) Fostering personal relationships between temporary housing residents and volunteers, can even shift paradigm of temporary housing residents as ‘recipients of support’ to ‘givers of support back (to the volunteers).’
原
著
|
連絡先: 小林 深吾 一般社団法人ピースボート災害支援センター [Tel: 03–3363–7967, Fax: 03–3362–6073, E-Mail: [email protected]]
(5) These strong personal relationships over the long-term could be a factor in transforming the disaster into some-thing with a positive significance for some disaster survivors.
Key words: Disaster Relief Volunteer, Psychosocial Support, Qualitative Research, Great East Japan
Earthquake 問 題 1. 総合的で多層的な支援が求められる「ここ ろのケア」 1995 年の阪神・淡路大震災以降、「こころの ケア」と称される心理に関連する支援の重要性 が認識されてきた。災害が発生するたびにメン タルヘルスの専門家等を中心として被災者の 精神的な疾患を治療すると共に、被災による ストレス関連反応を和らげる取り組みが行わ れてきた。また、「こころのケア」は心理的側 面のみならず社会的側面を含めた総合的な心 理社会的支援が必要であると考えられている (IASC, 2007)。このように被災者の回復を援助 する「こころのケア」という用語が内包する活 動内容は、広範囲に及ぶ。 国連と国際的な人道支援組織で構成された Inter-Agency Standing Committee: IASC(機関間 常設委員会)は、日本で言うところの「こころ のケア」を精神保健と心理社会的支援として捉 えて整理している。「災害・紛争等緊急時にお ける精神保健・心理社会的支援に関する IASC ガイドライン」(詳細は、IASC, 2007 を参照) は、図1 に示したように、サービスを提供する 対象と支援内容をピラミッド型の4 階層に分け て提示している。この IASC ガイドラインを引 用し、槙島(2011)は精神保健と心理社会的支 援の概念について以下のように述べた。精神保 健とは、精神科医や臨床心理士などの治療を中 心とした専門的な介入をいい、もともと精神疾 患の既往があり、それが災害後に増悪した場合 や、急性ストレス障害などを新たに発症した場 合の治療を含む。また、心理社会的支援とは、 個人の内面に対して行う心理的支援と、その人 を取り巻く家族や地域社会など他者との人間関 係を支援する社会的支援との両面を持ち、被災 者の日常生活面の支援を意味する。その両者が お互いに補いあってはじめて被災者を支援する ことができる。そして槙島は、専門的な支援と 非専門的な支援はお互いに競合するものではな く、その必要性に応じて各層の支援者間の協力 関係を構築することが重要であると強調してい る。これらに加えて、鈴木(2011)は、心理的 支援をする場合も、社会的支援の存在が前提と なると指摘し、避難所の運営および食料の確 保、衛生環境の向上などを図ることで、人々の 生活が維持され、結果として心理的な安定や安 寧につながることが多いと述べている。 2. メンタルヘルスの専門家が「こころのケ ア」活動で抱える課題 メンタルヘルスの専門家が被災地で活動する 際に、難しさを抱える場面が存在する。被災者 が自ら、メンタルヘルスサービスを積極的に求 めることは少ないからである。ときには「ここ ろのケア」や「精神医療関係者」を標榜して接 近すること自体が、被災者の拒否反応を引き起 こすことさえある。社会的にこころの病に対す る偏見が根強く存在するため、メンタルヘルス サービスを利用する際に周囲の目を気にするこ とがこの要因のひとつである。しかしそれだけ ではなく、災害初期には、まずは水や食事、ト
イレ、寝床など切迫した物理的な課題に直面す るため、心の問題は被災者にとって自覚された 具体的な生活課題になりにくいことも要因と して考えられる(加藤,2014)。麻生(1995)に よると、被災者が必要とすることはもっと直接 的、物質的援助である場合が多く、少なくとも クライエントとして診察やカウンセリングを求 めることではない。「こころのケア」が目指す 総合的で多層的な支援は、被災地域で暮らす 人々の多様性を前提にすると、多様なあり方が 必要となる。被災者の生活再建に寄与する総合 的・多層的支援を構築するためには、分野や専 門性、アプローチのそれぞれ異なる支援者が、 基本的な社会的支援を基盤としながら、連携を 図っていくことが極めて重要となる。しかし、 この支援者の分野間や組織間の連携は、メンタ ルヘルスの専門家に限らず、被災地の支援活動 の様々な場面で大きな課題となっている。とき には連携不足により被災者に提供される支援が 重複することで、地域によって支援の過不足が 発生することがある。支援を被災者に効果的に 提供するためには、支援者の分野間や組織間で 情報共有を行い、互いの強みを活かした協働が 必要である。 3. 災害支援活動における災害ボランティアの 位置づけ 阪神・淡路大震災が発生した1995 年には多 くの災害ボランティアが被災地に駆けつけ、 「ボランティア元年」と称された。これを契機 に、被災地で活動する災害ボランティアの活動 基盤が整備され、災害の度に活動が大規模に展 開されるようになった。全国社会福祉協議会 の2015 年1 月時点の調べによると、東日本大 震災で各市区町村社会福祉協議会に設置された 災害ボランティアセンターを経由して活動し た災害ボランティア人数は、約141 万人以上だ と言われている(内閣府,2015)。災害ボラン ティアセンターを経由せずに、直接被災地域 で支援活動を行う団体やグループ、個人もあ り、その人数は把握されているよりもはるかに 多いと考えられる。また、物資配布や清掃活 動、炊き出し、要配慮者のケアなど、それぞれ の活動テーマを持ち、組織として独自の支援活 動にあたる団体も増えた。東日本大震災では、 海外で人道支援や国際協力を担っていた多く の非政府組織(NGO)も支援活動に乗り出した 図1 「こころのケア」支援の4 階層 災害・紛争等緊急時における精神保健・心理社会的支援に関する IASC ガイドライン(IASC, 2007; 槙島,2011)をもとに作成
(JANIC, 2012)。企業においては社員を災害ボ ランティアとして派遣する試みも多くみられる ようになった。したがって民間の災害支援活動 の中には、個人から組織まで専門性の有無も含 めて多様なアクターが混在している。このよう な背景から、近年では非営利セクターの災害ボ ランティアが、日本の災害対応の中で行政セク ターや営利セクターが補えない活動を実践する 重要なアクターとなってきている。 4. 災害ボランティアの役割とその特徴 具体的な災害ボランティアの活動内容には、 被災家屋の清掃や支援物資の仕分け・配布、炊 き出し、避難所運営サポート、入浴サービス、 情報提供などがあり、まずは被災者が避難生活 を送るための生活支援が展開される。時が経つ につれて、仮設住宅での高齢者の見守り・傾 聴、レクリエーション、移動支援など、コミュ ニティに焦点をあてた支援も展開される。こ れらの支援活動は、変化する被災者や被災地の ニーズに合わせて実践されていく。IASC ガイ ドラインに照らし合わせると、災害ボランティ アが行っている活動は、4 階層の中の第1 層 「基本的なサービス及び安全」と第2 層「コミュ ニティおよび家庭の支援」を中心とした心理社 会的支援だといえる。 菅(2011)によると、災害ボランティアに求 められる役割の本質は、被災者・被災地と同じ 目の高さで物事を考え、一人ひとりの被災者 に寄り添い、その人が真に求める支援を組み立 てていくこと、また支援に際しては被災者や地 域に合わせて支援方法や体制を柔軟に変えてい くことである。また、災害ボランティアの関わ りは、相手を問わず、見返りを求めず、臨機応 変に、実際的な支援活動を実践することによっ て、被災者との情緒的な結びつきを持つと考え られる(渥美,2014)。それゆえに、災害ボラ ンティアは被災者に大きな影響を与える存在だ といえる。今後の災害ボランティアに期待され る役割は、潜在化しやすいニーズの発見、専 門性の高い支援とのマッチング、被災者主体 の復興を視野に入れた支援プログラムの開発 など、新たな可能性を開いていくことである (菅,2011)。 5. 災害ボランティアが抱える課題 災害ボランティアが有する特徴は、以上のよ うな可能性を持つものの危うさや課題として現 れることがある。災害ボランティアにとっての 自発性は、その存在の根幹にある要諦ではある が、被災者に目を向けずに自らの活動に注目し すぎる場合、何か自分のできることをしたい、 貢献したいという高揚感から押し付けがましい 態度になってしまうことがある。あるいは、被 害の大きさや理不尽さ、被災者の置かれている 過酷な状況、遅々として改善しない状況などに 直面すると、義憤や無力感、同情、個人的な感 情が引き出され、気づかぬうちに価値観を押し つけたり、自らの精神的健康を害してしまうこ ともありえる(藤森・藤森,1995)。また、災 害ボランティアの自発性には枠のなさと被災者 の依存という課題もある。金(2001)は、被災 者と救援者は強い情緒的なつながりで結びつけ られることがあり、被災者は過度に救援者に依 存し、救援者の側はそれに全面的に応えようと する関係に陥る危険性があると指摘している。 災害が発生するとさまざまな個人や組織が被 災地に支援の担い手として、参集するため、そ の活動の効率化や組織化も課題となる。災害ボ ランティア活動は基本的に自主的な活動であ り、指揮命令下にあるわけではないが、ある程 度の統率が必要な点は、この活動の難しさのひ とつである(尾島,2008)。一方で、災害ボラ ンティアセンターの仕組みが作られ、運営が図
られる中で、過度に効率化・組織化していくこ とが、災害ボランティアの個別性・柔軟性と いった長所を失わせるという懸念も示されてい る(菅・山下・渥美,2008)。IASC ガイドライ ンで求められるような総合的で多層的な支援活 動を実現していくためには、各アクターの連携 と協働が必須であるが、それぞれのアクターが 互いの特徴や課題を理解し相互補完できる形を 模索する必要がある。特に、支援の受け手であ る被災者の視点から、災害ボランティアの活動 がどのように受け止められているのかを理解す ることで、災害ボランティア活動の特徴や課題 を浮き彫りにすることができると考えられる。 本研究の目的 これまでメンタルヘルスの専門家による被災 地での活動実践の報告が多く行われてきた。一 方で、災害ボランティアが実践してきた心理社 会的支援活動が、どのように被災者に影響する のかという研究はほとんどなされていない。支 援団体や災害ボランティアは積み重ねてきた実 践知を活かした支援活動を行っているが、それ が被災者にどのような影響を及ぼしているのか 評価が求められるだろう。まずは、災害ボラン ティアがどのような関係を被災者と築き、被災 者はどのようにそれを受け止めているのかを知 る必要があるだろう。 本研究は、被災者である仮設入居者が、災害 ボランティアによる心理社会的支援をどのよう に受け止めて意味づけたのかを捉えようとする ものである。また、災害支援現場で仮設入居者 と災害ボランティアとの関係には相互作用があ り、仮設入居者が意味づけた災害ボランティア との関係にはプロセス性があると考えられる。 そこで本研究では質的データから、仮設入居者 から見た災害ボランティアとの関係性の意味づ けが変化するプロセスおよびそれに影響する諸 要因を明らかにすることを目的とする。 研 究 方 法 1. 長期的な支援事例 本研究では、東日本大震災で被災した A 市 にて仮設入居者を対象に実施された「仮設きず な新聞」プロジェクトを長期的な支援事例とし た。支援団体 B は、仮設入居者支援として「仮 設きずな新聞」プロジェクトを立ち上げ、2011 年10 月から2016 年3 月まで約4 年半実施した。 プロジェクトの目的は、慣れない地域に移り住 んだ仮設入居者に対して、①暮らしに役立つ情 報を提供することと②孤立を防止することであ る。このプロジェクトは、仮設入居者の中でも 特に社会的関係が希薄になり孤立が懸念されて いた高齢者を主な支援対象としていた。具体的 な活動内容は、情報紙「仮設きずな新聞」(全 113 号、累計発行部数:約623,200 部)の発行 と災害ボランティアによる配布活動である。情 報紙は、仮設住宅での住まい方や地域情報、イ ベント情報、健康情報など仮設入居者にとって 身近な生活情報が掲載され約7,000 世帯の仮設 住宅に届けられた。配布活動を実施する災害ボ ランティアは、支援団体 B によって募集され た10 代から30 代の個人参加の若者が多かった が、高校や大学、企業からの団体ボランティア もいた。 2. 研究協力者 研究協力者は、長期的な支援事例である「仮 設きずな新聞」プロジェクトから選定した。選 定条件は、仮設住宅に入居した被災者で「仮 設きずな新聞」プロジェクトの主な被支援者で あった65 歳以上の男女、かつ災害ボランティ アとの接触が5 回以上あった者とした。また、 対象者が入居していた仮設団地に偏りがないよ
うにした。事前に、支援プログラムを実施した 支援団体 B に上記の条件に合致する対象者の 選出を依頼した。同意を得られた男性5 名、女 性7 名の計12 名(表1)に対し、2017 年5 月か ら7 月までに半構造化面接による調査を実施し た。 3. 調査手続き 半構造化面接を実施するにあたり、研究協力 者が振り返るのを助けるために、面接で尋ねる ポイントを事前に決めた。それは、研究協力者 が「仮設きずな新聞」を通じて知り合った災害 ボランティアとの出会いや関わり、受けた支 援、出来事といった具体的な体験などである。 面接では、尋ねるポイントを参考にしながら も、基本的に自由に語ってもらった。一回あた りの面接は、90 分から120 分程度の時間をか けて実施した。面接中の会話は、了承を得たう えで録音し、後に逐語に起こし、逐語データを 作成した。 4. 倫理的配慮 調査にあたって、研究協力への意思決定を尊 重し、慎重なインフォームド・コンセントをも とに実施した。なお、本研究の手続きについて は、法政大学大学院人間社会研究科研究倫理委 員会で審査を受け承認を得た(研倫第160305_2 号)。 5. 分析方法 分析方法については、修正版グラウンデッ ド・セオリー・アプローチ(Modified grounded theory approach: M-GTA)(木下,2003, 2007)を 採用した。分析テーマおよび分析焦点者を設定 し、分析テーマに関しての語りが最も豊富で具 体的であると思われる逐語データを読み込ん だ。そこから、分析テーマに関連がある箇所に 着目し、それが分析焦点者にとってどのような 意味を持っているのかを解釈、定義した上で概 念の生成を行った。概念の成立では、分析ワー クシートを用いて他の対象者の逐語データから の類似例や対極例の比較検討によって精査し 表1 研究協力者の概要 NO 協力者 性別 年代 入居期間 入居状況 接触回数 インタビュー時間 備考 1 A 男 80 4 年以上 入居中 21 回∼50 回 3 時間7 分 夫婦 2 B 女 70 4 年以上 入居中 21 回∼50 回 3 C 女 60 5 年以上 退去 51 回以上∼ 1 時間56 分 夫婦 4 D 男 60 5 年以上 退去 51 回以上∼ 5 E 女 80 5 年以上 入居中 51 回以上∼ 1 時間17 分 6 F 男 60 5 年以上 退去 51 回以上∼ 1 時間15 分 7 G 女 70 5 年以上 退去 51 回以上∼ 1 時間35 分 夫婦 8 H 男 70 5 年以上 退去 51 回以上∼ 9 I 男 70 5 年以上 入居中 21 回∼50 回 1 時間44 分 10 J 女 70 5 年以上 退去 21 回∼50 回 1 時間30 分 11 K 女 70 4 年以上 退去 21 回∼50 回 1 時間40 分 友人 12 L 女 70 5 年以上 退去 21 回∼50 回 注)入居期間は仮設住宅に入居してからインタビュー時点または退去時までの期間、入居状況はインタ ビュー時点での仮設住宅入居の有無、接触回数は協力者が認識している災害ボランティアとの接触回数で ある。
た。また、各概念のつながりや関係性を同時並 行的に検討し、カテゴリーを生成した。概念と カテゴリーの継続的比較分析を続け、理論的飽 和化の判断をした後、分析結果として結果図と ストーリーラインを作成した。なお、理論的サ ンプリングを行い、12 人目のデータを分析し た時点で、分析テーマに沿った主要な概念の生 成がおおよそ達成できたと判断されたため、理 論的飽和化に至ったと考えた。 6. 分析焦点者と分析テーマ 前述したように、「災害ボランティアから長 期にわたり定期的な支援を受けたことのある、 仮設住宅に入居しているまたは入居していた高 齢者(65 歳以上の男女)」を分析焦点者とした。 インタビューを実施できた研究協力者は、災害 ボランティアの支援を受け、関係を築いてきた 人たちである。分析テーマは「仮設入居高齢者 の視点から災害ボランティアとの関係性の意味 づけが変化するプロセス」とした。 表2 生成概念とカテゴリーの定義および具体例 【カテゴリー】/〔概念名〕 定義 具体例 I 【関係形成に影響する 個人的要因】 仮設入居者がボランティアとの関係を 形成する上で影響する個人特性や周囲 との対人関係の要因 〔関係構築特性〕 ボランティアと良い関係を築いていく ために、仮設入居者が持っている特性 「全然、苦にならない。誰でも来る もの拒まず。タイプなんです。」「世 話好きだなって言われるけれども。 世話好きじゃないんだよね。自然と 出てしまうんだよね。行動に。」 〔友好的な近隣関係〕 仮設団地で近隣住民との交流があり、 良い関係が持てている様子 「仮設は仮設でやっぱり、あれは あっただろうけどな。横の繋がりで きるからね。」「団地の人と会って、 あれ、OB 会やるといいねって。言 うくらい仲良かったの。」 〔近隣関係の馴染め なさ〕 異なる地域性や遅れた入居などによっ て、仮設団地で近隣関係の希薄さや馴 染めなさを感じている様子 「私たちの地域からっていうのは、 私たち一軒だけだから、会話も無い わけよ。」「何せ2 年も3 年も遅れて 来てるからさ、入りづらいのよ。」 〔被災体験の個別性〕 被災者の被災体験には個別性があり、 それぞれ受け止め方も異なるため、た とえ被災者同士でも理解することが難 しいこと 「それぞれ被災の仕方が違いますよ ね。そこでもって、また、気持ちも 違いますよね。」「わからないですよ ね。絶対にね。私も全壊になった人 たちの気持ってわからないですも ん。」 〔拭えない苦しさ〕 被災体験によって長期間にわたり抱え 続けている苦しみがあること 「ほいつ、強烈に思い出すしゃ。ほ うやって、一生暮らさないといけね え人たちもいるっつうことをしゃ。」 「この仮設にいる間の苦しみ、やっ ぱり苦しかった。正直言って。」
II 【肯定的なまなざし】 仮設入居者がボランティアに対して抱く 肯定的な印象や評価 〔想いを受け止める 存在〕 日常の人間関係とは少し異なり、話しや すく想いの丈を真剣に聞いてもらえる存 在としての災害ボランティア 「自分のほら、全部自分の中にある もの、本当に真剣に受け止めてくれ てさ。」「受け入れてくれる。受け止 めてくれるっていうか。」 〔取り組む姿勢への 評価〕 真剣さ、一生懸命さなどの災害ボラン ティアの取り組む姿勢への評価 「この人たち、こんなに一生懸命 やってくれるんだよなって思いまし たもん。」「みんな片付けてくれて、 クタクタになって、朝はちゃんと起 きて行くし、毎日だもんね。」 〔志への評価〕 災害ボランティアに参加する人たちの動 機や志を高く評価している様子 「一番やっぱり人のために何か役に 立とうっていう人は素晴らしいね。」 「計算ずくで動く人が、今は多いで しょ。どうしても。だから、こうい うことがあって、大変なんだなって 思って、すぐ駆けつけてくれたり。 それだけでも、ありがたいね。」 〔重ね合わせた 親近感〕 自分自身の生き方や、わが子または孫と 災害ボランティアとの共通点を見出し、 重ね合わせたことによる親近感 「うちの娘みたいだなあって、そう 思ったんだでば。」「息子っていうか な、孫っていうかな。そういう感 じ。」 III 【関係を維持し深める 枠組み】 仮設入居者に配慮され役に立つ支援が提 供され、団体職員や長期ボランティアに よって新規に参加するボランティアと仮 設入居者とがつながりを持つことがで き、関係が維持され深められる枠組みが あること 〔つなぎ役〕 団体職員や長期ボランティアが、短期ボ ランティアと仮設入居者とのつなぎ役を 担っている様子 「スタッフさんは分かる人なんだ なって思って。私さ、(初めて会う ボランティアが)話ししてくれるん じゃないかなと思って。」 〔配慮された役に 立つ支援〕 仮設入居者は、揺れ動く心の機微に配慮 され、具体的に役に立つ支援を望んでい ること。そのミスマッチが起こると、不 満を抱えること 「小さい字だから、私目見えないか ら少し大きくしてって言ったら、そ れからね。大きくなってね。」「なん か市報に載っていない、無料のイベ ントとか行ってましたね。」 カテゴリー IV【出会い語り合える関係の提供】、〔想いを受け止める存在〕〔取り組む姿勢への評価〕を含 む 表2 続き 【カテゴリー】/〔概念名〕 定義 具体例
結 果 1. 生成された概念およびカテゴリーの説明 分析焦点者から捉えた災害ボランティアの意 味づけや関係性を説明できる概念生成を行い、 全部で26 の概念を抽出した。そのうち、2 つ の概念は具体例が十分に揃わなかったため採用 しないことにした。有効と考えられた24 の概 念の関係性を検討した結果、24 の概念は7 つ にまとめられると考えられ、7 つのカテゴリー を生成した。カテゴリーごとに、その定義と生 IV 【出会い語り合える関 係の提供】 仮設入居者が、災害ボランティアを〔想 いを受け止める存在〕だと認識し、ボラ ンティアとの交流の場が心の拠り所や楽 しみとなり、前を向く後押しとなってい ること 〔出会い語り合う場 の継続〕 災害ボランティアの具体的な支援と交流 の場、住民同士が集う場など、人が出会 い語り合える場の継続を望んでいる様子 「人との語りの場っていうんですか、 それが一番。」「やっぱり人と顔を見 合わせてね。話ね、いろんな自分の 愚痴を言ったりさ、聞かせられたり する。」 〔心の拠り所〕 災害ボランティアとの交流を通じて、仮 設入居者がボランティアの存在やその交 流の場から、心の拠り所として安らぎや 活力を貰えたと感じている様子 「そいつは心の拠り所。本当になん つうの、生きる希望を与えてもらっ たっていうかな。」「ああいう時だか ら、心の支えになるような感じ。」 〔楽しみになる交流〕 災害ボランティアとの交流を心待ちに し、楽しみにしている様子 「すえになると来るから、心待ちに している。今日来たら、何話せる かな、そいな感じで私は、待ってる ね。」「まだ、こねえだか、まだ、こ ねえだか。楽しみにしてまってんだ べ。」 〔前を向く後押し〕 災害ボランティアの取り組む姿勢や志に 感化され、被災者自身のあり方を顧み て、前向きに取り組みたいと思う様子 「なんか、自分が前に進むためのも のにしていたかもしれないし。進 むっていうか、生きる糧になって るっていうか。」「ボランティアさん から見習っているものも、あったの かもしれませんよね。」 〔被災体験を語る〕 仮設入居者が、災害ボランティアに対し て自らの被災体験を語ること 「もう今は知ってもらいたいって いうのも、やっぱりありますので、 (ボランティアに)話します。」 〔「命だけは守れ!」 という願い〕 被災体験の苦しみや教訓から、出会った 災害ボランティアに対して同じ悲惨な目 にあわせたくないと思い、「自分の命だ けは守れ!」という願いを伝えること 「命だけは、命、それだけはしゃ、 学生さんたち、何十人したかわか んないけど、それだけは言ったね。」 「私1 人でも生き残って欲しくて、 話し一生懸命しました。」 〔想いを受け止める存在〕を含む 表2 続き 【カテゴリー】/〔概念名〕 定義 具体例
成した概念を説明する。語りの具体例と生成概 念、カテゴリー定義は表2 に示した。以下、記 号については、カテゴリーを【 】、概念を〔 〕、 研究協力者の語りを「 」で表記する。 カテゴリー I 【関係形成に影響する個人的要 因】 仮設入居者が認識している、災害ボランティ アとの関係を築いていく上での自己の特徴を捉 えた語りから〔関係構築特性〕を概念化した。 また仮設団地内の近隣と良い関係を築いている という語りから〔友好的な近隣関係〕を生成し た。近隣関係が良いからこそ、近隣コミュニ ティで外部支援を受け入れ、活用する姿勢を持 つと考えられた。一方で、近隣との関係を築け ず孤立傾向がある研究協力者の語りからは〔近 隣関係の馴染めなさ〕を概念化した。近隣から V 【個人的な親交の深ま り】 仮設入居者とボランティアが連絡を取り 合うことや再会などを通じて親交を深 め、個人的な関係を深めること 〔個人的な親交の 深まり〕 出会ったボランティアと手紙や再会など のやり取りを通じて、個人的な親交を深 めていく様子 「夏休みだ、冬休みだって、必ず来 ると、必ず顔を出してくんのよ。」 「また会えて繋がってるってすごく 嬉しくて。その前も、あの、そこで 知り合った人が遊びに来てくれたり したので、メール交換もしてるし。」 VI 【与え手として立ち位 置の変化】 支援を受け取る側であった仮設入居者 が、災害ボランティアに感謝や心配を感 じ、与え手として気持ちを言葉や行為で 示すこと。受け手から与え手という立ち 位置の変化 〔恩返し〕 災害ボランティアから受け取ったもの (言葉や気持、心の拠り所など)に対し て、恩返しをしたいという気持を言葉や 行為で表現すること 「本人が悩んでれば、何ぼでも手伝 いできれば。」「そうやってくる方に お茶ぐらいなあとか、ご飯ぐらいな あとか。」 〔自己犠牲への 心配〕 被災者が災害ボランティアの過度な自己 犠牲を心配すること 「もう自分のこと、お願いだから考 えてって。その言葉も、何度も、も うそろそろいいんじゃないって。何 度も言ったね。やっぱり、もう一 生懸命やってるのわかってるから、 やっぱり幸せになって欲しいって思 うし。」 〔親目線からの語り かけ〕 仮設入居者が災害ボランティアに対し て、親が子どもにするように語りかける こと 「結婚すればどうだかわかんないけ どさ。嫁さんあずけてえなと思っ て、必死なってんだけどさー。」「ま ず、待っている人っていうのは、今 日大丈夫だべかなぁ、事故起さねえ べかな、本当にね。余計な苦労だ けっども、それが親なんだどって。」 表2 続き 【カテゴリー】/〔概念名〕 定義 具体例
の孤立傾向があるがゆえに、地域外からやって くる災害ボランティアとの接触を求めているこ とが考えられた。被災者同士であっても、それ ぞれ被災体験は異なり、受け止め方や理解の仕 方が違い、一様にお互いの体験を理解できる わけではない。それを示唆する語りから〔被災 体験の個別性〕を生成した。また、個別性のあ る被災体験の中には長期にわたって抱えている 苦しみを示す語りが多くみられ、それらを〔拭 えない苦しさ〕とし、別の概念として独立させ た。仮設入居者が持つ被災体験の個別性や苦し さもまた、災害ボランティアとの関係を求める 方向に向かわせる要因になりえると考えられ た。このように仮設入居者が災害ボランティア と出会う前から抱えている個人特性や周囲との 関係性、被災体験などの要素を持つ5 つの概念 をまとめ、カテゴリー I【関係形成に影響する 個人的要因】を生成した。そして、このカテゴ リーを仮設入居者が災害ボランティアと関係を 始める上で影響する、個人の特性や周囲との対 人関係の要因と定義した。 被災体験による傷つきなどは関係形成の阻害 要因となる可能性も十分にあるが、本研究で は、研究協力者は災害ボランティアと関係を築 くことができた者たちが対象となっため、【関 係形成に影響する個人的要因】は結果的に、災 害ボランティアとの関係を求める方向に寄与し たものと考えられる。 カテゴリー II 【(災害ボランティアへの)肯定 的なまなざし】 高齢の仮設入居者が若い災害ボランティアを 自分の子どもや孫に重ね合わせて親近感を持 つ語りから〔重ね合わせた親近感〕を概念化し た。また、仮設入居者が災害ボランティアの参 VII 【支援文脈を越えた 特別な意味づけ】 仮設入居者が、ボランティア個人または 災害ボランティアという存在に対して、 災害支援の文脈を越えて自らの人生にお いても特別で新しい意味づけを行うこと 〔未来への希望〕 災害ボランティアのあり方を次の世代へ の希望として引き継いで欲しいと思うこ と 「自分を大事にして。なんかね。素 晴らしい時代を作ってもらいたいっ ていう、思いがわしにはあるから ね。」「この人たちが、今まで無い別 の時代を築くんだろうなって、私は 思ってるよ。」 〔災害への肯定的な 意味づけ〕 災害が無ければ出会わなかったボラン ティアと出会い。その人たちとの交流か ら人生の中でも特別な出会いであったと 感じている様子 「でも、震災あったから、よくほれ、 ボランティアの人とさ、震災無かっ たら、ほら、あんた達とも会うこと も無かったんだけっども、震災あっ て、みなさんと会えた。」 〔共に取り組む 仲間〕 困難さを抱えている人を気にかけ、他者 やコミュニティをより良くしていこうと する目的を共有し、仲間として災害ボラ ンティアと共に取り組もうとする意識 「金出すから材料買ってこいって、 そうやってやった仲間。」「俺は参加 するよって言ったん。俺は賛成し て、参加するから。大いにやって頂 戴って。何かあれば話しかけてくだ さいって。」 表2 続き 【カテゴリー】/〔概念名〕 定義 具体例
加動機や志を高く評価していることを示唆する 語りから〔志への評価〕を生成した。これら仮 設入居者が災害ボランティアに対して持つ親近 感や志への評価は、関係が始まり、それを受け 入れていく段階で有効に作用していると考えら れる。また仮設入居者が、災害ボランティア の一生懸命さや真剣さといった活動に対する 姿勢を肯定的に評価している語りから〔取り組 む姿勢への評価〕を生成した。これらの災害ボ ランティアの姿勢より、日常の人間関係とは少 し異なり、話しやすく、想いの丈を真剣に聞い て受け止めてもらえる存在としての災害ボラン ティアについての語りから〔想いを受け止める 存在〕を概念化した。〔重ね合わせた親近感〕と 〔志への評価〕、〔取り組む姿勢への評価〕、〔想 いを受け止める存在〕の4 つの概念は1 つのカ テゴリーにまとめられると考えられた。そし て、カテゴリー II【肯定的なまなざし】を生成 し、これを仮設入居者が災害ボランティアに対 して抱く肯定的な印象や評価と定義した。 カテゴリー III 【関係を維持し深める枠組み】 仮設入居者に配布された情報紙が自分たちに 配慮があり、具体的に役に立つ支援であったこ とを示唆する語りから〔配慮された役に立つ支 援〕を概念化した。仮設入居者の多くは意識し ていなかったが、支援団体職員や長期ボラン ティアが、入れ替わる新しい災害ボランティア とのつなぎ役を担っていた様子を語った具体例 があり、それを〔つなぎ役〕として概念化した。 この〔つなぎ役〕と〔配慮された役に立つ支援〕 はまとめて1 つのカテゴリーにできると考えら れ、仮設入居者と災害ボランティアとの【関係 を維持し深める枠組み】というカテゴリー III を生成した。またこのカテゴリーには、カテゴ リー II の〔取り組む姿勢への評価〕と〔想いを 受け止める存在〕も含まれると考えられた。仮 設入居者から災害ボランティアが、〔取り組む 姿勢を評価〕してもらうことや〔想いを受け止 める存在〕だと認識してもらうためには、災害 ボランティアが被災者や被災地の変化する状況 を理解し、それに配慮した言動をとる必要があ るからである。さらにカテゴリー III【関係を維 持し深める枠組み】は、後述するが、次のカテ ゴリー IV【出会い語り合える関係の提供】も含 むと考えられ、3 つのカテゴリーにまたがる点 で、仮設入居者からみた災害ボランティアの中 心的な特徴と考えられた。そこで【関係を維持 し深める枠組み】を、仮設入居者に配慮された 役に立つ支援が提供され、団体職員や長期ボラ ンティアによって新規に参加するボランティア と仮設入居者がつながりを持つことができ、両 者の関係が維持され深められる枠組みがあるこ とと定義した。 カテゴリー IV 【出会い語り合える関係の提 供】 仮設入居者が災害ボランティアとの交流を楽 しみにしている語りを〔楽しみになる交流〕と して概念化した。また「そいつは心の拠り所。 本当になんつうの、生きる希望を与えてもらっ たっていうんかな」、「ああいう時だから、心の 支えになるような感じ」など、災害ボランティ アとの交流が心の支えや拠り所になっていると いう語りから〔心の拠り所〕を概念化した。そ して、このような災害ボランティアの関わり方 や継続的な交流が、仮設入居者にとって前に向 くためのものとなっているという語りを〔前を 向く後押し〕と概念化した。また、仮設入居者 が災害ボランティアに被災体験を知ってもらい たいという語りと生き残って欲しいという語り から、それぞれ〔被災体験を語る〕と〔「命だけ は守れ!」という願い〕を生成した。そして、 これらの概念に示された仮設入居者の思い、さ
らに他の概念が示す、楽しみな交流や心の拠 り所という認識は、災害ボランティアが〔想い を受け止める存在〕だと認識されることを前提 として生まれると考えられた。そのため、カテ ゴリー II の〔想いを受け止める存在〕をカテゴ リー IV に加えた。これらの概念は1 つのカテ ゴリーにまとめることができると考えられ、カ テゴリー IV【出会い語り合える関係の提供】を 生成した。このカテゴリー IV を、仮設入居者 がボランティアを想いを受け止める存在だと認 識し、その交流が楽しみや心の拠り所、前に進 ませる関係を提供していることと定義した。 そして、【関係を維持し深める枠組み】(カテ ゴリー III)の中で、災害ボランティアが【出会 い語り合える関係の提供】(カテゴリー IV)す ることが、仮設入居者への心理的支援の中核を 担っていると考えられたので、前述したよう に、カテゴリー IV をカテゴリー III に含めた。 カテゴリー V 【個人的な親交の深まり】 仮設入居者の語りより伺えた、災害支援に訪 れたボランティアと、ボランティアとしてだけ ではなく一人の個人としても関係を築いている 様子から〔個人的な親交の深まり〕を概念化し た。そしてこの概念は、他の概念とまとめにく い特殊なものであり、かつ関係性の重要な変化 と考えられたため、1 つのカテゴリーとして採 用した。この定義を、仮設入居者と災害ボラン ティアがその後も連絡を取り合うことや再会な どを通じて親交を深め、個人的な関係を深める こととした。 カテゴリー VI 【与え手として立ち位置の変 化】 災害ボランティアから受け取ったものに対し て、恩返しをしたいという気持ちを行為や言葉 で表現する仮設入居者の語りから〔恩返し〕を 概念化した。災害ボランティアが過度な自己犠 牲をしているのではないかと心配している語り を〔自己犠牲への心配〕と概念化した。また、 仮設入居者が災害ボランティアに対して親が子 どもを諭すように語りかけ、小言を言ったり、 結婚の心配をしたりする語りから〔親目線での 語りかけ〕を概念生成した。この3 つの概念は 1 つのカテゴリーにまとめられると考え、カテ ゴリー VI【与え手として立ち位置の変化】を生 成した。そしてこのカテゴリーを、支援を受け 取る側であった仮設入居者が、ボランティアに 感謝や心配を感じ、与え手として行為や言葉を 示すこと、受け手から与え手という立ち位置の 変化と定義した。 また、カテゴリー IV の〔被災体験を語る〕 と〔「命だけは守れ!」という願い〕は、カテゴ リー VI【与え手としての立ち位置の変化】にも 関連すると考えられた。被災体験を語ることは 「被災地に来てくれた甲斐があるように」とい う恩返しの意味や、災害ボランティアへの心配 から教訓として伝えるという側面もあるからで ある。 カテゴリー VII 【支援文脈を越えた特別な意 味づけ】 困難さを抱えている他の入居者を気にかけ、 その個人やコミュニティをより良くしようとす る目的を共有し、仲間として災害ボランティア と共に取り組もうとする意識が語られたものか ら〔共に取り組む仲間〕を概念として抽出した。 また災害がなければ出会わなかった人たちと出 会い、その人たちとの交流から人生の中でも特 別な出会いであったと感じている語りから〔災 害への肯定的な意味づけ〕を生成した。この出 会いによって、仮設入居者は災害に対して新た に肯定的な意味づけをしていると考えられた。 そして仮設入居者が、災害ボランティアという あり方を次の世代への希望として引き継いで欲
しいという語りから〔未来への希望〕を概念化 した。これら3 つの概念は1 つにまとめられる と考え、カテゴリー VII【支援文脈を越えた特 別な意味づけ】を生成した。そしてこのカテゴ リーを、災害ボランティアという存在または災 害ボランティア個人に対して、災害支援文脈を 越えて、仮設入居者は自らの人生においても特 別で新しい意味づけを行うことと定義した。 2. ストーリーラインと結果図 仮設入居高齢者の視点から災害ボランティア との関係性の意味づけが変化するプロセスと は、支援プログラムがもつ【関係を維持し深め る枠組み】の中で、両者が【出会い語り合える 関係の提供】がなされ、その先に【個人的な親 交を深める】ことができれば、仮設入居者が災 害ボランティアに対して【支援文脈を越えた特 別な意味づけ】を見出していくというものであ る。この変化プロセスを結果図(図2)に図示 した。 被害が甚大な地域に暮らしていた人々の中 にも〔被災体験の個別性〕があり、特に親族や 友人を亡くした人々は〔拭えない苦しさ〕を抱 えていた。住み慣れた土地から離れ、新しいコ ミュニティである仮設住宅団地の暮らしは〔友 図2 結果図:仮設入居高齢者の視点から災害ボランティアとの関係性の意味づけが変化するプロセス
好的な近隣関係〕を築ける場合もあるが、〔近 隣関係の馴染めなさ〕を感じて暮らす人もあ る。そして、話好きや世話好き、人見知りの なさなど被災者自身が持つ〔関係構築特性〕が 関係を作る要素となる。これらの被災体験要因 と周囲との対人関係要因は、災害ボランティア と関係を始める上で【関係形成に影響する個人 的要因】となっていた。災害ボランティアと関 係を築く高齢の仮設入居者は、若いボランティ アの姿を子どもまたは孫に重ね合わせることに よって親近感を抱き、他者のためにひたむきに 活動する〔志への評価〕や真剣に〔取り組む姿 勢への評価〕を行っていた。また、関わり合い の中で災害ボランティアを〔想いを受け止める 存在〕として認識し始める。これらの、災害ボ ランティアに対する仮設入居者の【肯定的なま なざし】も関係を築く糸口となっていた。 耳を傾け〔想いを受け止める存在〕として認 められた災害ボランティアには、仮設入居者 から〔被災体験が語られ〕、体験の教訓や〔「命 だけは守れ!」という願い〕が届けられていた。 仮設入居者は、災害ボランティアとの継続した 交流を安らぎや活力になると感じ、それを〔心 の拠り所〕や〔楽しみになる交流〕としていた。 このような【出会い語り合える関係の提供】は、 仮設入居者が〔前を向く後押し〕になっていた。 仮設入居者と災害ボランティアが関係を築く 上で重要な要因である【出会い語り合える関係 の提供】は、【関係を維持し深める枠組み】に よって支えられていた。【関係を維持し深める 枠組み】は、ボランティアを受け入れる支援団 体によって提供され、長期的に関わる団体職員 や長期ボランティアによって運営される。この 枠組みは、仮設入居者に〔配慮された役に立つ 支援〕と、ボランティアが仮設入居者と関われ るようにする〔つなぎ役〕が存在するという要 因によって維持されていた。 仮設入居者と一部の災害ボランティアには、 互いに連絡を取り合うことや再会などを通じ て【個人的な親交の深まり】があった。しだい に仮設入居者には支援の受け手から【与え手と して立ち位置の変化】が起き、災害ボランティ アに対して〔自己犠牲への心配〕や〔親目線か らの語りかけ〕、行為や言葉による〔恩返し〕を 行う姿がみられた。同時に災害ボランティアを 〔共に取り組む仲間〕であると認識することや、 災害があったからこそ人生にとって特別な出 会いがあったという〔災害への肯定的な意味づ け〕が生じていた。さらに災害ボランティアの あり方を次世代に引き継いで欲しいという〔未 来への希望〕として意味づけるなど、仮設入居 者にとって災害ボランティアとの関係は【支援 文脈を越えた特別な意味づけ】を与えられるま でに発展していた。 考 察 1. 災害ボランティアによる仮設入居者の心的 外傷体験からの回復および二次ストレスの 低減 適切に外傷体験や悲哀体験を語ることは、体 験ストーリーを再構成する働きがあり、それ は心的外傷を消化するため、回復への鍵とな る(Herman, 1992)。しかし仮設入居者は、一人 ひとりの被災体験が異なることを認識してお り、被災の体験者であっても、被災体験を理解 し合えないことが分かっている。また同じ被災 者であれば、相手の外傷体験を刺激し相手の 苦痛を引き起こす可能性があるため(吉松・青 木,2010)、被災体験を語ることがためらわれ ることもあるだろう。このような場合、被災を 体験していない災害ボランティアのような外部 支援者が、被災体験を吐露できる対象となりえ
る。実際、仮設入居者は災害ボランティアを想 いを受け止める存在だと認識した時、被災体験 を開示していた。一方で、仮設入居者が望んで いるのは被災体験のみに焦点を当てた関係では ない。時にはお茶を飲みながら世間話をし、楽 しみとなるような交流も望んでいる。様々な被 害者支援にあたってきた久留(2011)は、災害 被害者本人にとって、楽しく、未来が展望で き、積極的な生き方をできるような出来事を日 常生活の中で作ることが大切であると指摘して いる。本研究において、仮設入居者は災害ボラ ンティアとの関わりについて、楽しみや前を向 く後押しになったことを語っている。これは久 留が重視した出来事を災害ボランティアが提供 していることを示している。したがって、この ような関係性を築き、継続することは、長期に わたる二次ストレス(生活環境ストレス)の軽 減につながると考えられる。 2. 立ち位置の変化とエンパワメント 金(2001)が指摘しているように、被災者と 救援者との強い情緒的なつながりは、被災者の 過度な依存や、枠と限界を超えた関係に陥る可 能性がある。それらを十分考慮に入れる必要が あるが、災害ボランティアと仮設入居者の関係 性の変化は、個人的な親交の深まりによって新 たな展開を生み出すものと考えられる。個人的 な親交が深まるにつれて、仮設入居者は若い災 害ボランティアを気にかけ、心配し、時には恩 返しをするような姿勢を表明していた。ここか ら仮設入居者が支援を受け取る対象から、若い 災害ボランティアへ支援の与え手として変容す るプロセスが読みとれる。専門家と援助を受け る者は、専門家の持つ専門性ゆえにその関係が 固定化されやすいが、災害ボランティアは彼ら 彼女らが持つ対等性によって、立場が入れ替わ る余地が十分にある。特に本支援事例の災害ボ ランティアは若いため、高齢の仮設入居者から 人生のアドバイスを受けるなど立場が変容しや すかったと考えられる。支援の受け手から与え 手への立ち位置の変化は、被災者が支援を受け 続けることによる自尊心の低下や無力感を軽減 するだけでなく、自分の力を再確認し発揮して いくプロセスであり、これはエンパワーメント と呼ばれるものである(山本,1997)。災害ボ ランティアの側にとっても、支援する・支援さ れる関係を越えて、被災者から学ぶことは貴重 なものと考えられる。 3. 災害への肯定的な意味づけ 阪神・淡路大震災6 カ月後に被災者の心理的 変化と対処方法を研究した日下・中村・山田ほ か(1997)は、高齢者は震災によって強い心理 的な衝撃を受けていたが、その衝撃を克服する ために様々な情緒的対処方法をとっており、人 生について深く考え、災害の意味づけを行うこ とで心理的な安定を図ろうとしていたと述べて いる。この研究は発災6 カ月後の状態を捉えて いるが、本研究の仮設入居者と災害ボランティ アとの長期的な関係性の中においても、同じ傾 向を見出すことができた。仮設入居者と災害ボ ランティアとの個人的な親交の深まりは、災害 支援の文脈を越えた特別な意味づけ持つことが あった。それは、仮設入居者が災害ボランティ アについて、そのあり方を次の世代へ引き継い で欲しい未来への希望として見い出すことや、 その出会いを人生の中でも特別なものと感じる こと、共に取り組む仲間と捉えることなどであ る。このような人とのつながりを意味づけるプ ロセスは、その後の生活再建にも関連すると考 えられた。阪神・淡路大震災被災者の生活復 興過程を10 年後まで追った研究(黒宮・立木・ 林ほか,2006; 立木,2015)は、生活再建ニー ズの中でも「すまい」の再建と人と人との「つ
ながり」が一人ひとりの生活の復興感を高める 鍵になると指摘している。特に被災者が持つ 「つながり」の有無は、震災体験を評価する際 に直接的に影響する。そして、「つながり」の 中でも「重要他者との出会い」を通じて、被災 者は生活再建を肯定的なものへと変化させてい た(立木,2015)。この「重要他者との出会い」 とは、「この人と出会えたことによって、自分 の被災体験に異なった肯定的な意味づけができ た」と感じる体験である。また立木(2015)の 研究によると、「すまい」は5 年で解決してい たのに対して、「つながり」は被災から10 年を 経ても依然として生活再建にとって重要な要素 であった。このような研究結果を踏まえると、 ある被災者にとって、災害ボランティアと出会 い、長期で個人的な関係を深めていくことは、 その災害ボランティアが「重要他者」となる可 能性を秘めている。さらにその関係性は、災害 を肯定的な意味づけへと変容させる要因となり うると考えられた。 4. 仮設入居者と災害ボランティアとの関係の 基盤 仮設入居者と災害ボランティアが関係を築く 基盤は、災害ボランティアが仮設入居者の役に 立ちたいと思い行動する姿や、仮設入居者の語 りに根気強く耳を傾けることで成立していたと 考えられる。それは、災害ボランティアが変化 する被災地の状況や被災者の情緒的変化を理解 することから始まる。もし、その理解が至らな かった場合、被災者にとって配慮に欠けた言動 として受け止められることがあるだろう。不特 定多数が参加する災害ボランティアの被災者・ 被災地への理解を深めるには、災害ボランティ アを受け入れる組織でオリエンテーションや振 り返りなどを通じた災害ボランティア教育が重 要になると考えられた。そして鈴木(2011)が 述べているように、被災者への心理的支援活動 を下支えしているのは、変化する状況に応じ て被災者に配慮された具体的な生活支援であ る。本研究の長期的な支援事例における具体的 な支援とは、情報紙を配布し仮設入居者にとっ て有益な情報を届けることであった。この情報 紙の配布が仮設住宅への訪問を可能にしていた だろう。もしこの具体的な支援が、仮設入居者 のニーズと合わず、的外れなものであったとし たら、訪問する災害ボランティアが仮設入居者 と関係を築くことは困難になる。また多くの災 害ボランティアが入れ替わる災害支援活動の場 合、長期的に滞在しながら新規の災害ボラン ティアと仮設入居者をつなぐ役割が必要となっ てくる。本事例では、長期滞在の支援団体職員 や長期ボランティアがその役割を担っていた。 このように災害ボランティアが被災者に向き合 う姿勢と役に立つ具体的な支援、信頼関係を醸 成するつなぎ役の存在が、仮設入居者との関係 を維持し深めることを可能にしていたと考えら れる。一方で菅・山下・渥美(2008)が指摘す るように、災害ボランティア活動の過度な効率 化や組織化は、災害ボランティア活動の柔軟性 や臨機応変な対応といった長所を減退させる可 能性がある。そこで、集団としての災害ボラン ティア活動が被災者に有益な支援活動になるよ うに機能させ、各々の災害ボランティアが持つ 人となりを活かし、いきいきと被災者と関係を 築くことができる枠組みの設定と維持が重要で あろう。この枠組みの設定と維持は、災害ボラ ンティアを受け入れる支援団体の重要な役割で あると考えられる。 5. 本研究の限界と今後の課題 本研究では、災害ボランティアと関係を築い た仮設入居者に焦点を当て調査を行ったが、本 研究で得られた知見には、3 つの限界があると
考えられた。それは第1 に、一般化の問題、第 2 に、相互作用のある関係の一方のみに焦点を 当てたこと、第3 に、住民同士の相互交流を視 野に入れていないことである。以下に、この3 つについて述べる。第1 に、あらかじめ設定し た条件を満たす仮設入居者の小集団に限った調 査であるので、一般化には注意が必要である。 また、支援団体によって災害ボランティアの受 け入れ方法や運営方法が異なるため、他の災害 ボランティア活動への一般化にも考慮が必要で ある。本研究の研究協力者は災害ボランティア と関係を継続し、その活動に肯定的で協力的な 者から構成されたと考えられる。そのため、災 害ボランティアとの関係をポジティブに受け止 めていたと考えられた。今後は、災害ボラン ティアとの関係を否定的に受け止めたり、関係 を築くのが難しかったり、実際に築くことがで きない人を対象とした研究が必要であろう。社 会的関係を作り維持すること自体が難しい人の 中に、真に支援を必要とする人がいると考えら れるからである。このような対象者は、調査の 接触が難しい人たちでもあり、調査研究を行う 上で工夫が必要である。 第2 に、災害ボランティアと被災者との関係 は、相互作用があると推測されるが、本研究で は被災者のみを調査対象とした。災害ボラン ティアもまた、被災者から影響を受け、その関 わりを意味づけていると考えられる。そのた め、災害ボランティアと被災者との相互作用を 明らかにするには、災害ボランティアにも焦点 を当てた研究も必要である。 第3 に、本研究では、災害ボランティアと仮 設入居者との二者関係に焦点を当てたため、災 害ボランティアがコミュニティに寄与したこと については調査を行わなかった。しかし災害ボ ランティアはコミュニティへも貢献する可能性 があると考えられる。岩井(2012)は、こころ のケアを「災厄に見舞われて孤立無援感にとら われかけている人を、いまいちど人間同士の互 助的なネットワークに復帰できるように支援す ること」であると定義し、その目標を被災地の コミュニティの互助機能を復活させることにあ ると述べている。災害ボランティアの活動にお いてもコミュニティの中で住民同士の互助的な 付き合いを育んでいく視点がより重要となるだ ろう。この視点からの調査も今後の課題であ る。 文 献 渥美公秀 2014 大規模災害と災害ボランティ ア—新しい社会に向けて.消防科学と情 報,115, 6–9. 麻生克郎 1995 阪神・淡路大震災における 精神科の救護活動.公衆衛生研究,44(3), 307–313. 藤森和美・藤森立男 1995 心のケアと災害心 理学—悲しみを癒すために 芸文社. 久留一郎(編) 2011 現代のエスプリ524—ト ラウマ・PTSD の理解と危機支援のあり方 至文堂.
Inter-Agency Standing Committee (IASC) 2007 災害・紛争等緊急時における精神保健・心 理社会的支援に関する IASC ガイドライ ン,ジュネーブ:IASC. http://saigai-kokoro. ncnp.go.jp/document/pdf/mental_info_iasc.pdf (2018 年3 月1 日取得 ) 岩井圭司 2012 心の復興と心のケア.藤森立 男・矢守克也(編)復興と支援の災害心理学 30–41.福村出版.
Herman, J. L. 1992 Trauma and Recovery: The Af-termath of Violence. New York: Basic Books ( 中 井 久 夫(訳) 1996 心 的 外 傷 と 回 復
みすず書房.) 加藤寛 2014 こころのケアのあり方を巡っ て.日本災害復興学会誌,10(6), 60–65. 金吉晴(編) 2001 心的トラウマの理解とケア じほう. 木下康仁 2003 グラウンデッド・セオリー・ アプローチの実践—質的研究への誘い 弘 文堂. 木下康仁 2007 ライブ講義 M-GTA 実践的質 的研究法—修正版グラウンデッド・セオ リー・アプローチのすべて 弘文堂. 日 下 菜 穂 子・ 中 村 義 行・ 山 田 典 子・ 乾 原 正 1997 災害後の心理的変化と対処法—阪 神・淡路大震災6 か月後の調査.教育心理 学研究,45(1), 51–61. 黒宮亜希子・立木茂雄・林春男・野田隆・田村 圭子・木村怜欧 2006 阪神淡路大震災 被災者の生活復興過程にみる4 つのパター ン—2001 年・2003 年・2005 年兵庫県生活 復興パネル調査結果報告.地域安全学会論 文集,8, 405–414. 槙島敏治 2011 災害支援において何を優先す るのか.臨床心理学,11(4), 478–482. 内閣府 2015 防災白書(平成27 年度版) 日 経印刷. 尾島俊之 2008 災害時に保健医療従事者は何 をすべきか—期待と現実の Gap.保健医療 科学,57(3), 245–251. 菅磨志保 2011 日本における災害ボランティ ア活動の論理と活動展開.社会安全学研 究,1, 55–66. 菅磨志保・山下祐介・渥美公秀 2008 災害ボ ランティア論入門 弘文堂. 鈴木友理子 2011 災害支援のチーム医療.臨 床心理学,11(4), 513–518. 立木茂雄 2015 生活復興のために大切なもの とは何か?.21 世紀ひょうご,17, 3–16. 特定非営利活動法人国際協力 NGO センター (JANIC) 2012 東日本大震災と国際協力 NGO 国内での新たな可能性と課題,そし て提言 東京リスマチック. 吉松奈央・青木豊 2010 乳幼児期 PTSD に対 するセラピーの設定(セッティング)につ いて—特に養育者との関係性改善の観点か ら.心理臨床学研究,28 (5), 607–618. 山本和郎 1997 エンパワーメントの概念に ついて.コミュニティ心理学研究,1(2), 168–169. 付 記 本稿は、筆者の2017 年度法政大学大学院人 間社会研究科修士論文を再編したものである。 謝 辞 この度、本研究のインタビュー調査に快く 応じてくださった仮設入居者の皆さん、長期間 支援活動を運営し研究活動にも協力いただいた 支援団体職員・元職員の皆さんに御礼申し上げ ます。執筆にあたり、丁寧なご助言をいただい た法政大学の末武康弘教授に深く感謝いたしま す。最後に、被災地域の皆さんの長きに渡る不 断の歩みに、全国から駆け付けた災害ボラン ティアたちの関わりに、改めて敬意を表しま す。