4.腎移植後の回腸悪性リンパ腫による腸重積症の一例 大木 亮,新田 貴士,西井 昌弘 新井 誠二,古谷 洋介,森川 泰如 野村 昌 ,小池 秀和,曲 友弘 井 博,山本 巧,柴田 康博 羽鳥 基明,伊藤 一人,鈴木 和浩 (群馬大院・医・泌尿器科学) 症例 38歳男性. 平成 10年膜性増殖性糸球体腎炎によ る慢性腎不全にて血液透析導入となり平成 13年 9 月 13 日母親をドナーとする生体腎移植術を施行した. 平成 20 年 9 月下旬より腹痛出現し腹部 CT 施行した結果, 腸重 積の診断にて当院第一外科で回腸切除術を施行した. 組 織 型 は び ま ん 性 大 細 胞 型 B細 胞 性 悪 性 リ ン パ 腫 (DLBCL)で,多発転移巣は認めず病期 : stageⅠ EA (回 腸原発), IPI (International Prognostic Index): low risk group であった. 当院血液内科にて R-CHOP療法 (計 3 コース) を予定し, 現在 1コース終了した. 腎機能悪化な ど明らかな副作用は認めず, 同療法を外来にて継続中で ある. 5.HIFU療法後の前立腺癌に対し根治的前立腺全摘術 を施行した1例 宮澤 慶行,横山 由就,大谷 和歌 宮久保真意,斎藤 佳隆,内田 達也 竹澤 豊,小林 幹男 (伊勢崎市民病院 泌尿器科) 症例は 69 歳男性.2004年,前医で PSA 21.7ng/mlと高 値 で 前 立 腺 生 検 を 施 行 し た. 生 検 結 果 は Adenocar-cinoma GS 3+4 で staging の結果,cT2bN0M0 stageBの 診断で HIFU 療法を 2回施行した. 定期的に PSA 値の 観察, 年 1回の生検を行っていたが癌の検出なし. 2009 年 9 月, PSA 再燃を認め, 前立腺生検を施行, Adenocar-cinoma GS 4+5=9 を認めた. 手術希望で当科に紹介さ れ, 2008年 10月に根治的前立腺全摘術を施行した. 前立 腺は著明に萎縮し, 周囲組織, 血管の線維化が著明で, 癒 着が強く剥離は困難であった. 術後経過良好, 現在は経 過観察中である. 当科では初の HIFU 療法後の前立腺全 摘を経験したため, 若干の文献的 察を含め, これを報 告する. 6.BCG 膀胱内注入療法後に生じた Reiter症候群の一 例 岡本 亘平,浜野 達也,川口 拓也 (秩 市立病院 泌尿器科) 【症 例】 54歳男性, 2-3ヶ月継続する肉眼的血尿で当 科紹介初診. TUR-Btを行い, 腫瘍本体の病理は UC G2 pTa, 右尿管口部病理で CIS の診断を受け BCG 膀胱内 注 入 療 法 を 開 始 し た. 【方 法】 BCG コ ン ノート 株 81mg を 用し, 注入日の み LVFX200mg 1夕 内 服. 【経 過】 6回目注入日に眼球結膜の充血を認め, 6回 目注入 2日後より全身の関節痛, 全身 怠感, 排尿時痛 の継続あり 1週間後に外来受診した.関節炎・結膜炎・尿 道炎症状あり Reiter症候群と診断. 【治 療】 NSAID, 抗アレルギー剤にて治療開始したが改善が思わしくな く, 抗結核薬 (INH), ステロイドを併用して症状は改善 している. 【 察】 BCG 膀胱内注入療法中は副作用 症状に十 に注意しながら, 行うことが重要である.
セッション >
座長:曲 友弘(群馬大学) 7.外傷による精巣破裂の1例 新津 靖雄,板橋 淑裕,杉山 ( 合太田病院) 29 歳男性. 2008年 12月 5日, 白バイの訓練中, 衝突事 故を起こし, 右下腹部痛を主訴に当院に救急搬送された. 造影 CT 上,腹部臓器の損傷は認めないものの,右精巣破 裂の疑いがあり当科に入院した. 入院後, 本人との十 な話し合いの上, 緊急に手術を施行する事にした. 術中 所見では, 白膜に数 mmの亀裂を認めたため, 血腫除去 および, 亀裂部の修復を施行した. 術後, 良好な経過をた どり, 徐々に陰囊の腫大と 結は軽快, 2週間程で退院し た. 精巣破裂に対し, 精巣修復を行うことが出来たが, 精 巣機能の温存については, 今後, 評価していく予定であ る. 若年者の精巣損傷では, 男性不妊のリスクがあるた め, 十 な患者への説明と理解, 長期にわたる注意深い 経過観察が必要である. 8.特発性副腎出血の1例 坂本亮一郎,森川 泰如,新井 誠二 古谷 洋介,新田 貴士,野村 昌 西井 昌弘,小池 秀和,曲 友弘 井 博,山本 巧,柴田 康博 羽鳥 基明,伊藤 一人,鈴木 和浩 (群馬大院・医・泌尿器科学) 症例 28歳男性. 平成 20年 10月 30日, 突然の右側腹 部痛を主訴に近医を受診した. CT で 5 cm大の右副腎部 腫瘤を認めたため当科紹介受診. 身長 180cm, 体重 90kg, BMI29 と肥満を認め, 右側腹部痛を訴える以外に異常な 理学所見はなかった. 血液・生化学検査でもごく軽度の 血を認めるのみであった. 当院 CT 上 8 cmに増大した 右副腎腫瘤を認めたため右副腎出血を疑い, 精査加療目 的に入院となった. 以降は画像上血腫の増大はなく, 状 第 51回日本泌尿器科学会群馬地方会演題抄録 214態は安定しており, 止血剤投与にて症状は軽快した. 11 月 14日, 出血原因精査目的に当院内 泌内科に転科. デ キサメサゾン負荷試験, カプトプリル負荷試験, MIBG シンチ, Adosterolシンチなどを行ったが, 副腎機能に異 常を認めず, 副腎腫瘍は否定的であった. 凝固能正常, 大 きな身体的ストレスの既往もなく, 我々は本症例を特発 性副腎出血と えた. 9.自然破裂し,排尿障害,水腎症が改善した尿管瘤の 一例 森田 崇弘,岡村 桂吾,真下 透 上原 尚夫,篠崎 忠利 (善衆会病院 泌尿器科) 21歳, 男性. 平成 20年 5月 14日, 排尿困難, 残尿感に て受診. 膀胱エコーにて尿管瘤が疑われた. 膀胱鏡施行 し, 緊満した左尿管瘤が認められた. 排泄性腎盂造影 (IVP) では, 左水腎症, 及び両側尿管瘤 (左>右) の所見 が認められた. 膀胱造影では膀胱尿管逆流 (VUR) はな く, MAG3シンチは左腎の極軽度の排泄遅 であった. 経尿道的左尿管瘤小切開術を勧めたが希望されず, 外来 経過観察とした. 6月下旬, 運動後に突然, 血尿出現した が, すぐに消失. その後, 排尿困難消失した. 7月 9 日, 当 科受診し, 膀胱鏡施行. 左尿管瘤の一部に出血斑が認め られ, 尿管瘤の壁は皺状で左尿管瘤自然破裂が疑われた. IVPでは, 左水腎症はほぼ消失していた. 手術も検討し たが本人も希望されないため, 現在, 外来経過観察中で ある.
ビデオ症例
10.Ho: YAG レーザーを用いた TULの経験 加藤 春雄,奥木 宏 ,岡崎 浩 中村 敏之(邑楽館林医療事務組合 館林厚生病院 泌尿器科) 【目 的】 o: YAG レーザーに よ る TUL を 平 成 20年 3月より導入し, 同年 12月までに 14例を経験したので 治療成績につき検討した. 【対 象】 年齢は 9 ∼72歳 (平 48.1歳). 結石部位は R3: 1例, U1: 6例, U2: 1 例, U3: 6例, 結石の長径は 3∼23mm (平 12mm) で あった. 【結 果】 手 術 時 間 は 24∼150 (平 81
), 術後 3ヵ月での stone free rateは全体で 71% (10/ 14), 部位別では R3: 0% (0/1), U1: 50% (3/6), U2: 100% (1/1),U3: 100% (6/6),前治療での ESWL 無効例 では 75% (3/4)であった.術後 2例に腎盂腎炎を認めた. 【結 語】 Ho: YAG レーザーによる破砕 効 果 は 良 好 で, 他治療無効例にも有用である. 11.栃木県立がんセンターの拡大前立腺全摘術(主に尖 部処理法について) 川島 清隆,小池 祐介,飯田 勝之 (栃木県立がんセンター) 栃木県立がんセンターでは前立腺癌に対する治療法と して IMRT, 125I 小線源治療も有しており手術症例は高 リスクが多い. 我々は根治性を追求した結果『超根治的 前立腺摘除術』に至った. これは前立腺被膜を一切露出 せず, に可能な限り多くの周囲組織を付けて摘出する ものである. 前立腺全摘術は難易度の高い手術であるが 解剖の個体差が手技を に困難なものにしている. しか し, 骨盤内臓器全体の解剖に精通しその規則性を正しく 理解すれば, 体型, 前立腺の形状に左右されることなく 常に安定した手術を行うことが可能になる. 必要なのは 前立腺そのものの解剖ではなく周囲臓器の解剖なのであ る. 恥骨直腸筋, 恥骨尾骨筋, 腸骨尾骨筋の 3群からなる 肛門挙筋, 直腸尿道筋, 直腸縦走筋の解剖学的理解に基 づいた超根治的前立腺摘除術の核を成すテクニックであ る『早期尿道露出法』と『直腸縦走筋完全露出』につい てビデオにて供覧する.