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一人暮らしへの傾斜 : 親と暮していた脳性麻痺者が一人暮らしとしての自立生活を実現する一過程

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Academic year: 2021

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(1)57. 一 人暮 ら しへ の傾斜 ――親 と暮 していた脳性麻痺者 が一 人暮 らしと しての 自立生活 を実現す る一過程―一. 三. 毛. 美予子. The lnclination toward a Single]Life:. A part of thc PrOccss towards a lndcpcndent Living as a Single Life for a Person of Cerebral Palsy Living with Parents. MIKE Miyoko The purpose of this study is to show some of the process,Inainly the change of a woman herself,in which a person of cerebral palsy cared by her parents achieves independent life. I focused on a woman of cerebral palsy named Ms.A,and clarified her prOcess of achievement by qualitative study.And,I traced Ms.. ´ピs. in―. clination toward a single life, which was a beginning of her second decision in the process.She began to think about shifting her life fronl living together with her parents to independent one, several months after. she had introduced a periodical dispatch of an attendant to her home, because of some domestic troubles caused by her relations with mother,the movement of other cerebral palsy people in Z institution,and physi―. cal decay of both parents and herselfo So, she began to be active for realization of her independence. The disable people at Z institution, its service and the staff at X independent living center affected her bchavior.. On the other hand,she felt uneasiness about her own independence,but she did not try to cope with it.I also discovered that her skills of coping with the uneasy feeling about independence and the self― disclosure to― wards the staff were critical to her realization of her independence.. 出 て地域 社会 で暮 らす とい う前提 で ,障 害者 が介助者 序. を管理 しなが ら介助者 の 介助 に よつて一人で暮 らす と. 論. い う形 で 広 が っ た (木 村 本稿 は,親 の介助 で親 と同居 して い た あ る脳性麻痺. 1995)。. 2002;定 藤 2003;立 岩. 今 日で は ,自 己決定権 の行使 に留 ま らな い 自. 者 が ,介 助者 の介助 に よって一人暮 ら しとしての 自立. 立 観 の もと,一 人暮 ら し以外 の生 活形態 も含 めて 自立. 生 活 とい う生活 の仕方 を選択 して い く過程 の一 部 を. 生 活 を捉 える考 え方 も示 され て い る (谷 口 2005)。. 明 らか にす る ことを意 図 して い る。本稿 は,脳 性麻痺. か し,脳 性麻痺者 の 自立 生 活運動 が 目指 した生活形態. 者 が 親 の 介助 による親 との 同居生活 か ら一人 暮 らしを. であ り,こ の形態 で 自立 生活 をす る障害者 には脳性麻. 実現す る過程 において,① 脳性麻痺者 自身が どのよう. 痺者 が 多 い と推測 され るため (立 岩 1995),一 連 の研. に変化 しつつ一人暮 らしを実現す るのか,② その過程. 究 で は,介 助者 を使 って一 人 で暮 らす 自立 生 活 を前提. に社会福祉援助者やその他要素が どのように関係 して. として い る。 さらに,施 設入所者 で はな く,主 に親 の. い るのか,こ の 2点 の解明 を意 図 した一連の質的研究. 介助 で 親 と同居 中 の脳性麻痺者 が ,親 と別 れ一人暮 ら. の一部 の報告 である。. しと しての 自立 生 活 を選択 し実現 す る場合 に限定 して. ,. し. 障害者 の 自立生活 は,障 害者 の 自己決定権 を自立 と. い る。 なぜ な ら,親 の高齢化 や介助力低下や死亡 を見. 捉 える考 え方 を基本理念 とし,親 か ら独立 し施設 か ら. 据 えた場合 ,そ の 人 たちの地域生 活 を どの よ うに支 え.

(2) 甲南女子大学研究紀 要第 43号. 人間科学編 (2007年 3月. ). るか とい う こ とは ,障 害者地域 生 活支援 の重要 な実践. そ の ときか ら 2005年 3月 まで は週 1回 ,2005年 度 か. ・研 究課題 であ るか らであ る。. ら 2006年 10月 にかけて 月 2回 程度通 ってい る。 フ ィ. そ して研究 で は,フ イール ドワー クを行 な ってい る. Aさ. ー ル ドワ ー クで は ,取 り組 み と職 員 会議 の 参 与 観 察. ん とい う脳性 麻 痺 者 に焦 点. を,完 全 なる参加者 か ら参加者 と しての観察者 の役割. をあて ,一 人暮 ら しへ の軌跡 を解明 して い る。本稿 に. の 間 で実施 した。 フ イール ドノー ッは,施 設 にい る と. 先立 つ研 究 (三 毛 2007)で は ,Aさ んの一 人暮 ら し. きや帰宅 後 に ノー ト筆記 やパ ソ コ ンで作成 した。他 に. へ の過程 の最初 で あ る “ 母 との 闘 い "に つい て主 に報. も,通 所者 ・職員 0他 機 関 の 人 々 か らの フ ォーマ ル ・. 告 した。 この過程 は,家 庭 へ の 介助 者導入 をめ ぐり母. イ ンフ ォーマ ル な イ ンタビュ ー ,ケ ース記録 や施設 の. 通所施設 で 出会 った. と意見が対立 した. Aさ. んが ,母 との 力 関係 を逆 転 さ. せ て ,介 助者 を家庭 へ 定期 的 に導入す る ことを実現 し. 機 関紙 な どの ドキ ュメ ン ト類 に よって ,デ ー タを収集 した。. Aさ ん 33歳 か ら 1997年 の. デ ー タ分析 で は ,施 設通 所 開始 以 降 ,Aさ ん に生. 40歳 の 間 に相 当す る。 家庭 へ の 介助 者 導 入 は ,① 母. じた出来 事 のデ ー タを年齢 ・西欧歴順 に整理 した。 そ. の体調悪化 を契機 に顕 在化 した 自分 の 介助 をめ ぐる母. れ らの なかか ら,Aさ んの一 人暮 ら しに至 る過 程 に. との 介助摩擦軽減 ,② 親 の病気 や高齢化 によって親 に. 関係 あ る もの を選 び 出 し,た た き上 げ式 の コー デ イ ン. よる介助 が消失す る時 に備 えての将来生活 の体制作 り. グの 方 法 で コー ド化 した (佐 藤 2002:317)。 そ し. を意 図 して ,Aさ んが 母 の 反対 を押 し切 って 成 し遂. て ,こ の過程 で 関連文献 を渉猟 し,筆 者 の コー デ イ ン. げた もので あ り,彼 女 の一 人暮 ら し実現過程 にお ける. グが 文献 の なかで既 に概念 と して提起 されて い れば. 最初 の転機 で もあ った。本稿 は この続編 と して ,一 人. それ を用 い ,あ るい はそれ に説 明や新 たな言葉 を加 え. 暮 ら し実現 に向 か う Aさ んの 歩 み を,そ れ に 関係 し. て ,当 該現象 を説 明 した。 これ は,Be■ aux(1997;147. て い る社 会福 祉 援 助 や そ の 他 要素 の 影 響 も示 しなが. -150)に よる概 念 の 転 用 とい う考 え方 に基 づ く。 な. ら,明 らか にす るこ とを意 図 して い る。. お ,調 査 目的 で の 関与 開始 時 と Aさ ん に焦 点 をあ て. た過程 で あ り,1990年 の. ,. る と決 め た 時点 で ,Aさ ん と職 員 に研 究 目的 ・ 方 法 を説 明 し同意 を得 た 。 また この論 文 も Aさ ん と職 員. 研 究 方法. に提 示 し,研 究結果 開示 の 了解 を得 た。 1。. 調査 フ ィール ドとな った社会福祉施設 の概要 フ ィー ル ドワ ー ク を行 な ったの は ,近 畿 圏 の. 社 会福 祉協 議 会が運営 す る 身体 障害 者 通 所施 設. y市 zい. で. 3口. Aさ んについて Aさ ん は 1957年. 1月 生 まれ の 女性 で あ る。生後 数. あ る。zは 親 と同居 して い る養護学校 を終 了 した重度. 力月後 ,脳 性麻痺 (四 肢失調痙 直麻痺 )の 障害 と診 断. 心 身障害 者 の ため の 活動 拠 点 と して ,1981年 に設立. され る。障害等級 は 1級 ,車 椅子使用 で座 位 は保持 さ. され た。 2006年 4月 現在 ,55名 の 障害者 が通所 して. れ ,ADL面 で全 介助 要す る。音 声 言 語 で の 日常 会話. い る。通所 者 の生 活形態 は ,親 との 同居 者 が 40名. は可能 だが ,軽 い音声言語 障害 が あ る。 1981年 24歳. ,. ,介 助者 との一. の とき,親 元 か ら z施 設 に通 い は じめ ,以 来 ,週 2∼. 人暮 ら しが 7名 い る。 そ して ,y市 の財 政 的支援 の も. 3回 通所 して い る。 2004年 5月 47歳 の と き,y市 内. と,四 つ の プ ロ グラムが提供 されて い る。各 プ ロ グラ. の アパ ー トを借 り,介 助者 を使 っての一 人暮 ら しをは. ム にお い て ,「 取 り組 み 」 と称 され る 活 動 が 行 な わ. じめた。. 施設 関連 グルー プホ ーム定住者 が 8名. れ ,一 つの取 り組 み に,職 員 1∼ 3名. ,通 所者. 1∼. 6名. が 参加 して い る。. Ⅲ .研 究 結 果 と考 察. 2.フ ィール ドワー クの プロセス z施 設 との 関 わ りは ,2001年 10月 か らは じめ た ボ. ない 1998年 の初 め頃,Aさ んは,親 の家 での生活 の. ラ ンテ イア活動が最初 で あ った。 当初 は週 1回 ,取 り. 継続 とは異なる生活 の仕方 を考 えは じめる。そ こには. 組み に参加 し介助 を手伝 った。 そ の 間 ,施 設通所者 の. 一人暮 らしの選択 "で ある。 こ じまる一連の過程 が “. なか に一 人暮 らし実現者 や希望者がお り,そ れ に対 す. れは,Aさ んが ,親 の介助 を主 に受 けなが らの親 と. る支援 プ ロ グラムが 施設 にあ る こ とを見 つ け関心 を抱. の同居生活 か ら,自 立生活 としての一人暮 らしをこれ. き,調 査 者 と して 2002年 4月 か ら関 与 しは じめ た 。. か らの自分の生活 の仕方 の選択肢 として選択す る過程. 他人である介助者 を家庭に導入 してか ら 1年 もたた.

(3) 三毛美予子 :一 人暮 らしへ の傾斜. Aさ. であ り,1997年 の Aさ ん 40歳 か ら2002年 半 ばの 45. 助者が. 歳 の期 間に相当す る。そ して Aさ んに生 じた出来事. が 多 々 あ った。す る と,否 が応 で もその様子 が母 の 目. の意味 の観点か ら分析す ると,こ の過程 は,① 一人暮 らしへ の傾斜 ,② 一人暮 らしか らの撤退 ,③ 一人暮 ら. に入 る。 Aさ ん 曰 く,母 は「 ど う して も,見 た ら. 国 に出 るで し ょ う。 手 は 出 な くて も,日 に 出 る か. しの再決断 とい う三つ に分けられた。 これは各 々,①. ら」。母 は介助 者 を受 け い れ よ う と努 め るが ,介 助 の. 親 との同居生活 か ら一人暮 らしとい う生活 の仕方 の選. 仕 方 が 気 に入 らな い と,文 句 が 口 をつ い て 出 て しま. 択肢が. Aさ んのなかで急浮 上 し,z施 設内外 の障害. ん を介助 す る場面 に母 が 居 合 わせ る こ と. う。 そ うい う母 に対 し,Aさ ん は気 を遣 う。 一 方. ,. ,. 者 との関わ りを通 じて一人暮 らしへ の思 いが高 まって. 介助者 らは母 の批判 的 な 目や態度 を敏感 に感 じとる。. い き,② しか し,そ の選択肢 を諸 々の理 由か ら断念. なか には母 か ら直接文句 を言 われ る者 もい る。 それ を. し,③ 将来生活 の仕方 として一人暮 らしを不退転 の決. 目にす る Aさ んは ,介 助者 らに対 して も気 を遣 う。. 意で選 び取 る,と い う一連 の過程 である。 この論文 で は,① の一人暮 らしへ の傾斜 のみ取 り上げる。. こ う して ,Aさ ん は 介 助 者 と母 との 板 ば さみ に な. 一人暮 らしへ の傾斜 は,1997年 7月 頃か ら 1998年. 藤状 況 が 半年弱続 くうち,介 助者が入 りつつ親子 一 緒. 度 の終 わ り頃 の,Aさ ん 40歳 か ら 42歳 の 間 の 出来. に一 つ屋根 の 下 に暮 らす のは,自 分 に も母 に も心理 的. 事 である。 この期間,母 ,z施 設職員 と通所者たち. 負 担 が 大 きい とい う こ と を ,Aさ ん は 自覚 して い. そ して施設外の障害者 らと Aさ んの相互作用が ,彼. く。. 女 の歩 みに大 きな影響 を与 えていた。. (2)z施 設 内で一一 人暮 らし気運の醸成. ,. り,気 苦労が絶 えない状況 に陥 つてい く。 こ う した葛. そ う した葛 藤 状 況 の打 開策 と して ,Aさ ん の 心 の. 1.一 人暮 らしとい う選択肢 の急浮上 Aさ んは 1997年 7月 ,母 との力 関係 を逆転 させ. 受 けなが ら一人で暮 らす とい う形態 であ る。拙稿 で示. て,長 年 の念願 だった家庭 へ の介助者導入 を実現 し. したが ,障 害者 の暮 し方 として一人 暮 ら しと して の 自. た。その とき,将 来生活 の仕方 の選択肢 として,一 人. 立生活 とい う暮 し方 が あ る こ とを,Aさ んは 30代 の. 暮 らしが頭 のなかになか ったわけではないが,親 の家. 頃 に接触 した障 害者 自立 生 活運動 を通 じて知 り,そ の. での生活 の継続 のほ うが彼女 のなかで優位 を占めてい. よ うな暮 し方 に内′ 卜瞳れ も抱 い て い た 。 そ ん な. た。しか し,介 助者導入が最初 の きっかけ とな り,1997. ん を刺激 した のは,z施 設通所 者 も一人暮 ら しが で き. 年度 の終 わ りには,親 との同居生活 か ら一人暮 らしと. るか も しれ な い とい う気 運 が ,1997・ 8年 頃 か ら,z. い う生活 の仕方 を考 えは じめる。その背景 を次 に述べ. 施設 内 で醸成 され つつ あ るこ とで あ った。. てい く。. なかで浮上 して きた のが ,親 と別居 し介助者 の介助 を. Aさ. 気運 の醸成 を促 したのが ,z施 設通所者 と して初 め. Dさ. んで あ る 。彼 女 は ,z. (1)家 庭内で一母 との新たな介助摩擦の発生. て一 人暮 ら しを開始 した. Aさ んは週 2回 朝 1時 間 の身支度 と週 1回 の入浴 介助 で介助者 を導入 したが,そ れは,思 っていたほど. 施設通所者 の なかで も最重度 クラスの 身体 ・知 的障害. 心地 の よい もの とはならなかった。他人であ る介助者. に一人暮 ら しを開始 した。そ の経過 は支援 す る職員 ら. の家庭内での存在 は,母 との摩擦 の新 たな種 となった. の動 きも含 めて ,取 り組 みの なかで通所者 らに随時報. Aさ んの介助 を一部肩代 わ りして くれ るのは助か ると思 う反面 ,介 助者 に対する 拒否感 を拭 えなかった。拙稿 にて,母 が介助者導入 を. 告 され て い た 。 ゆ えに Dさ んの 軌跡 は ,職 員 のみ な. 拒否 していた理 由の一つ として,自 分 の生活圏内 に他. れか ら身近 で現実 的 な ものへ とラ ン クア ップす る よ う. 人が入 り込む ことの煩 わ しさをあげたが,そ の母 の思. 促 した。. いは的中 した。介助者が家のなかにい ると,母 はそれ. また. か らだ。母 は,介 助者が. を持 つ が ,z施 設 の全 面 的支援 を受 け ,1998年 6月. らず 一 部 の通所者 の 間 で ,自 分 たちの将来生活 の仕 方 の選択肢 の一 つ として ,一 人暮 ら しが ,単 なる夢 や憧. Dさ. ん に加 えて ,通 所 者. Bさ ん Cさ ん も. ,. だ けで気疲 れ した。Aさ んは,将 来 の生 活体制作 り. 一 人暮 ら し気 運 の 醸 成 に影響 を及 ぼ して い る 。 二 人. も視野 に入れ ,ま た,母 の介助負担 の軽減 も意図 し. は,前 々 か ら,い つ か は一人 暮 ら しを した い と思 つて. て,介 助者が 自分 の介助 をする時間 をもっと増や した. い たが ,1997年 頃 か ら,そ れ を漠 然 と した希 望 で は. い と思 つたが,そ れは難 しかった。. な くて ,固 い決意 と して表現 しだ した。実際 ,Bさ ん. また,母 が介助者 の介助 を目にすることも,介 助摩. は 1999年 1月 に,Cさ んは 1999年 3月 に一人暮 ら し. 擦 の種 となった。Aさ ん宅 の家屋構造 の 関係 上 ,介. を始 めて い る。 二 人 は 自身 の理 由か ら一 人暮 ら しを決.

(4) 人間科学編 (2007年 3月. Dさ. ). ん を契 機 とす る気 運 の 醸. 突 きつ け られ る なか で ,Aさ ん は ,親 と同居 しなが. 成 の なかで な されて い き, また二 人 の言動 はその加速. ら介助者 の 介助 で生 活 をす る とい う生活 の仕方 を将来. 化 に も一 役 買 った 。 つ ま りこの 頃 の z施 設 で は ,D. 的 に続 けるのが 無理 な らば,新 しい生 活 へ の移行 は. 意 したの だが ,そ れ は. さん周 辺 の 動 きに影 響 され た. Bさ ん Cさ ん の 行 為. 早 い ほ うが 良 い と考 えた。 それ は ,「 年 い くご とに. ,. ,. が ,今 度 は別 の通所者 の行為 に影響 を及 ぼす とい う循. 身体 も弱 って くるか ら,早 く出 た い と思 う」「親 も私. 環 的 な動 きの もとで ,z施 設 内 にお い て ,一 人暮 ら し. もまだ元気 な うちに (家 を出 た い ),こ れ以上一緒 に. の気運 が醸成 されて い ったので あ る。 これ に関 して. い る と出 て行 け な くな る と思 う」 か らだ った 。 つ ま. ,. Aさ んは次 の ように述 べ て い る。. り,① 自分 が まだ年齢 的 に若 く元気 な うちに家 を出た ほ うが ,新 しい生 活 に適応 しやす い とい う思 い ,② 両. あ の ,み んな,一 人暮 ら し,多 分 ,意 識 して い たん. 親 も年 を とって きて い るため ,こ れ以上 親 の 家 に長 く. と違 うか な。Bさ ん とか ,cさ ん とか ,一 人暮 ら し. 留 まって い る と,親 の長期 入院や要介護 とい う事態が. って言 っているか ら,私 もで きるか な と思 って。. 生 じ,自 分 も親 も共倒 れ になって しまうので はない か とい う恐 れが ,背 後 にあ ったのだ。. 以 上 の 語 りは ,当 時 の z施 設 通 所 者 の 間 で一 人暮. 生涯発達心理 学 で は,中 年期 に,人 は 身体機 能 の衰. ら しとい う気 運 が醸 成 され て い た こ と,な か で も B. えを 自覚 し残 された時 間 は永遠 で はない こ とに気 づ く. さん Cさ んの言動 が. Aさ. んの一 人暮 ら しへ の 思 い を. が ,こ れ らは,そ れ までの成 人初期 には見 られ なか っ. 促 進 させ る よ う影 響 して い る こ とを示 して い る 。 A. た特徴 である とい う。 さらに,こ れ らは中年期 に顕 在. ルー プ2に. 所 属 し,Bさ ん とは 20. 化す る危機 で もあ り,こ の危機 に どの よ うに対処 し乗. ん とは 10年 近 くと一 緒 の 年数 も長 い 。. り切 るか に よつて ,人 生 後半期 の実 りや豊 か さや人格. また三 人は,取 り組 みで一緒 になる こ とも多 か った。. の深化が得 られ るか ど うかが決定 され る とい う (岡 本. グル ー プが異 な り同 じ取 り組み になる こ とが ほ とん ど. 1990)。. さん と二 人は同 じグ 年近 く,Cさ. Aさ. んの場 合 も,加 齢 と身体機 能 の 衰 えか ら. Dさ ん に比 べ ,二 人 の 言動 が Aさ んの一 人暮 ら. 親 の 家 を出て新 しい生 活 をは じめ るにあた り残 された. しに向 けて の 動 機 づ けや意欲 に影響 を 及 ぼす 度 合 い. 時 間 の 有限性 を自覚 し,そ れが 危機 的様相 を帯 びて彼. は,大 きか った とい え よう。 この よ うに,z施 設 内 の. 女 に迫 って来 た点や ,こ れ らに対す る危機意識が後 に. 一 人暮 ら し気運 の醸 成 の 影響 を受 け ,Bさ ん. ない. cさ ん. 一 人暮 ら しを一旦 断念 した ものの再 び決断す る こ とに. とい う身近 な通所 者 に影響 され て ,Aさ ん に とつて. 影響 した とい う点か ら,そ の例外 で はなか った。 ただ. 一 人暮 ら しは,拙 稿 で記 した よ うな,シ ンポ ジウムの. 障害 を持 つ. 壇上 で 目に した 自立生 活運動 の担 い手 とい う自分 とは. と加齢が ,自 分 の生 命線 ともい える介助 と結 びつ い て. かけ離 れた障害者 らの物語 で はな くて ,現 実性 を帯 び. い る こ と,つ ま り介助 を受 ける生活 の確保 とい う,生. た もの と して ,見 な され る よ うにな っていった。. 存権保 障 に関わる出来事 が関連 して い る点が ,人 生 後. (3)Aさ. ん と両親 一 加齢 /身 体機 能 の低 下 と時 間 の. 有限性 か ら来 る焦 り. Aさ. ん は ,自 分 と両 親 の 身体 機 能 の 衰 え. 半期 の実 りや 人格 の深化 とい った 中年期 一 般 の危機克 服 に 関す る課題 とは異 なる性 質 を帯 び て い た 。 そ し. さ らに ,一 人暮 ら しを考 える にあ た って ,Aさ ん. て ,こ の 自分 と両親 の加齢 /身 体機能 の衰 え と時 間 の. と両親 の加齢 と身体機能 の衰 え とい った ,三 者 の生 物. 有 限性 は ,こ れ以 降 の “一 人暮 ら しの再決 断 "“ 生 の. 的 な変化 も影響 を及 ぼ した。三者 の加齢 と身体機能 の. ひ きうけ "過 程 にお い て も,Aさ んの一 人暮 ら し実. 衰 えか ら,Aさ ん は新 しい 生 活 をは じめ る にあ た つ. 現 へ の歩 み に大 き く影響 す る要素 と して ,立 ち現 れて. て残 された時 間 の有限性 を認識 し,そ こか ら来 る焦 り. くる。. が ,親 との 同居 とは別 の生 活 とい う選択肢 を,彼 女 の なかで急浮上 させ たのであ る。. 以上 の よ うに,① 家庭 内 での母 との新 たな介助摩擦 の発 生 ,② z施 設 内 での一人 暮 ら し気運 の醸 成 ,③ 彼. 一 人暮 ら しを考 えは じめ た 1998年 初 め 頃 ,Aさ ん. 女 と両 親 の 加 齢 と身体 機 能 の 衰 え とい う生 物 的変 化. は 41歳 ,父 は 71歳 ,母 は 68歳 だ った 。 そ して彼 女. が ,親 との 同居 生 活 か ら一人暮 ら しとい う生活 の仕方. は,中 年期 に突 入 した 1997年 の 40歳 の とき,逆 流性. を彼女 の なかで急浮上 させ た。施設 の記録 に よれば. 食道 炎 を発症 して い た。 また両親 も持病 を持 ち,病 院. 1998年 4月 には,「 なるべ く早 く家 を出て ,一 人暮 ら. の 入退 院 も経験 して い た 。 40代 に入 った 自分 の 年齢. しを した い」 と発言 して い る。そ して彼女 は,こ の こ. と元障害以外 の病気 の発生 ,さ らに親 の老 い と持病 が. とを両 親 に も話 して い た 。 Aさ んの 考 え に対 して. ,. ,.

(5) 三毛 美予子. :. 一 人暮 ら しへ の傾斜. 父 は「家 の近 くで市営住 宅 を探 す こ とを応援 して くれ. る ものの ,こ の三 人 と比 べ る と,音 声言語 での コ ミュ. ・」,母 は「 自分 が て い る。心 配 は もちろんあ るが・…・. ニ ケ ー シ ョンは よ り可能 で知 的障害 もない 。 ゆえに. 70歳 になるまで は一緒 に」, とい う意見 であ った。 こ. 彼女 の こ とをあ ま り知 らず彼女 との コ ミュ ニ ケ ー シ ョ. の 言葉 に表 れ て い る よ うに,母 は. Aさ. ん と もう しば. ,. ンに1貫 れて い な い. xで も,Aさ んの一 人暮 ら し実 現. ら く一 緒 に暮 らす こ とを強 く望 んだが ,母 との力 関係. の 中核 的 な支援 機 関 と して機 能 で きる と,z施 設 職員. Aさ ん は ,母 の 思 い を吹 っ. らは考 えた。 つ ま り彼 女 は,Dさ んで は な く Bさ ん. 切 って ,一 人暮 ら しを した い とい う自分 の思 い を優先. cさ んに近 い コ ミュニ ケ ー シ ョンカ を持 つ ので ,二 人. させ た 。 ゆ え に,一 部 の z施 設通所 者 に見 られ た よ. に近 い支援体制 で一人暮 らしが可能 になるだろ う と. うに ,親 の 反対 に よって ,Aさ んの一 人暮 ら し実 現. 職員 らは判 断 したのであ る。 さらに,職 員 たちの なか. が 阻 まれ る こ とは ,こ れ以 降 の 過程 で も生 じなか っ. には ,当 事 者 団体 の 障害 当事 者 との 関 わ りで. た 。 一 人暮 ら し実 現 の 成 否 は ,Aさ んの肩 にか か っ. が一人暮 ら しに移行 で きるの な らば,そ う して欲 しい. ていたのだ。. とい う期待 もあ った。障害者 自立生活運動 の洗礼 を受. の逆転 を成 し遂 げ て い た. ,. Aさ. ん. け,当 事者 による当事者 へ の支援 が可 能 な ら,そ れが. 人 暮 ら しへ の思 いの高 ま りと不安の未 対処. 2日. 有効 で望 ま しい とい う考 え方 は,職 員 の 間 に も受 け入. こ う して ,親 との 同居生活 か ら一人暮 らしを考 えだ. れ られて い たか らだ。 だか ら,あ ま り面識 の ない 人 と. した Aさ んは ,1998年 度 に入 り,一 人暮 ら しに向 け. で も コ ミュ ニ ケ ー シ ヨン可能 な. て動 き出す。z施 設 で は,そ れ に合 わせ た支援 計 画 が. 体 の力 を借 りて一人暮 ら しに移 行 す る ことが期待 され. 立 て られ た。記録 に よれ ば ,Aさ ん に対 す る 1998年. たのであ る。 上 記 の よ うな Aさ んの 年 間支援 方針 が. 度 の年 間支援 方針 は「一 人暮 ら しに向 け て ,z施 設 だ. 立 て られたの には,職 員側 の こ う した背景が あ った。. けで はな く,xで 彼 女が 自分 を出 しつ なが ってい け る. ただ し,こ こで は詳述 しない が ,こ の ときの アセ ス メ. よ う,そ して ,xの 自立生活 プ ロ グラ ム に乗 って彼 女. ン トや期 待 は誤 りで あ った こ とが ,彼 女 の そ の後 の歩. の 自立生活が考 えて い ける よ うサ ポ ー トして い く」 こ. み にお い て ,明 らか になる。. Aさ. ん は ,当 事 者 団. y市 内 の 自立 生 活. 以 上 の 職 員 らの 考 えの 一 方 ,Aさ ん 自身 も主 に x. セ ンター xの サ ー ビス を主 に利用 し,z施 設 は側 面 支. のサ ー ビス利用 に よつて一人 暮 ら しに移行 す るべ きと. 援 的 な立場 で 関 わ りなが ら一人 暮 ら しに移行す る とい. 考 えて い た。 自分 は Dさ んほ ど障害 が重 くコ ミュ ニ. う方針 が ,Aさ ん と z施 設担 当職員"と の 間 で立 て ら. ケ ー シ ョンが取 れ ない わ けで もな い ,ま た ,xは 障害. れた こ とを意味す る。. 者 の 自立生活支援 を掲 げ てお りそ のための諸サ ー ビス. とで あ った 。 これ は ,基 本 的 には. この 方針 は ,も ちろん. Aさ. ん と担 当職員 の 同意 の. もとに立 て られ たが ,背 後 には ,職 員 た ち に よる B さん. cさ. ん. Dさ. ん と Aさ. んの比 較 に基 づ く,Aさ. も提供 して い るので ,xの サ ー ビス を利用 す るべ きだ と考 えたの だ 。 こ う して ,z施 設佃Jと. Aさ. んの 考 え. が一致 し,先 述 の年 間支援方針 が立 て られた。. んの コ ミュ ニ ケ ー シ ョンカ に関す るアセス メ ン トと彼. そ してその方針通 り,1998年 度 ,Aさ ん は z施 設. 女 へ の 期待 が あ った 。 Dさ んの 場 合 ,音 声 言 語 障害. の取 り組 み に参加 しつつ ,xの サ ー ビス を利 用 しなが. や知 的障害 が あ ったので ,介 助 を通 じて. Dさ. んをよ. ら,一 人暮 ら しの実現 を模 索 して い る。 そ して この. く知 る者 で なければ,支 援 や介助 は難 しい とアセス メ. 間 ,xと z施 設 の 障害者 が ,Aさ んの一人暮 ら し実現. ン トされて い た。 ゆえに,z施 設 や 関連 グル ー プホ ー. に大 き く影響す る重 要 な他者 と して機 能 して い る。次. ムの 職 員 が ,Dさ. にその様子 を描写 しよう。. んの 中心 的 な支援 者 ・介助 者 と し. て機 能 して い た。Bさ ん. Cさ ん は言 語 障害 が あ り Aさ ん に比 べ る と音 声 言語 に よる会話 は難 しい の だ が ,そ れ で も音声 言 語 や文 字盤 に よって xの ス タ ッ. (1)z施 設 内で 1998年 度 に Aさ んが 参加 した z施 設 の取 り組 みの なかで ,彼 女 の一 人暮 らしへ の思 いの高 ま りに大 き く. フ と も コ ミュ ニ ケ ー シ ョン を とって い た 。 また二 人. 影響 したのが ,「 ひ と りぐ ら し」 とい う名称 の取 り組. は,そ れ まで xと の 関 わ りも深 か ったため ,z施 設職. みであ る。 この取 り組 み は,z施 設 内 の一 人暮 ら し気. 員 の 支援 で は な く xの 諸 サ ー ビス 利 用 に よって一 人. 運 の 醸 成 の なか で ,Aさ ん は じめ 一 部 の 通 所 者 た ち. 暮 ら しに移 行 す る こ とを望 んで い た 。 Aさ ん は ,話. が 将来生活 の選択肢 の一 つ と して一 人暮 ら しを考慮 し. す ス ピー ドが ゆっ くりで時折 聞 き取 りに くい言葉 があ. は じめたの を受 け て ,そ の 人 らの一人暮 ら し実現 を支. った り,限 られた語彙 や表現力 での発話 で あ った りす. 援 す るため ,こ の年度 に創 られた。 この取 り組 み は. ,. ,.

(6) 甲南女子大学研究紀 要第 43号. 人間科学編 (2007年 3月. ). z施 設 内 での一人暮 ら し気運 の醸成 を指 し示 す象徴 で. されて い る。「 ひ と りぐら し」 の なかで ,一 人暮 ら し. もあ った し,気 運 の 醸 成 を強 化 す る よ う も働 い て い. の 開始 は いつ 頃 を考 えて い るか と,1998年 4月 に職. る。 Aさ. 員 が メ ンバ ー に尋 ね た とこ ろ ,Aさ ん は 1999年 の. ん も,こ の 取 り組 み へ の 参加 に よつて ,こ. れか ら述 べ る よ うな影響 を受 けるので あ る。. 春 ,Bさ んは 1999年 明け,Cさ んは 1999年 春 頃 と答. 1)ラ イバ ルた ちに負 け た くない. えて い る。 10月 には,同 じ質問 に対 して ,各 々 ,1999. ゛ 「 ひ と りく ら し」 には ,Aさ ん. Bさ ん Cさ ん ら女. 様 々 な トピ ックスが 参加 メ ンバ ー 間 で話 し合われ る。. ,1999年 1月 ,1999年 4月 か 5月 と述 べ て い る。 三人 とも,一 人暮 ら しの開始時期 につい て 具体 的 で 同 じような時期 を考 えて い る こ とや ,4月 期 と 10月 期 で 答 えが 一 貫 して い る点 にお い て ,一 人暮. た とえば ,希 望す る一 人暮 ら し像 ,必 要 な介助 時 間 ・. ら しに対 して よ く似 た構 え方 を呈 して い る。他 の三 人. 内容 や介助 者数 ,一 人暮 ら しに向 けて取 り組 んで い る. の メ ンバ ーが 「悩 んで い る」「2年 後 くらい 」 と,意. こ と,親 の 考 えや家 庭 生 活 の状 況 な どで あ る 。 職 員. 思不 明確 で あ った りもっ と先 の こ とと考 えた りして い. は,毎 回 の司会進行 を担 当 し トピ ックス を提供す るほ. るの とは ,対 照 的 で あ る。 もちろん ,こ う した. か ,各 メ ンバ ー 間 の話 し合 い や洞 察 を深 めた り,情 報. んの言葉 は彼女 自身 の思 い や必 要性 か ら表 出 されて い. 提 供や ,各 メ ンバ ーの状況把握 を行 な った りす る。. る ものの ,Bさ ん. 性 3名 ,男 性通所者 3名 ,そ して職員 2名 が 参加 して い た。週 1回 約 90分 の 開催 で ,一 人暮 ら しに関す る. この 取 り組 み で の メ ンバ ー 同士 の 相 互作 用 は ,A. 年 4月 か 5月. Aさ. cさ んの 発 言 が 彼 女 の対 抗 意識 を. 刺激 し,二 人 に遅 れ を とらな い よ うに と彼女 の行為 を. さん の対抗 意識 を刺激 し,一 人暮 ら しに向けて の思 い. 組織化 した部分 も否 め ない。. と行動 を加速 させ て い る。 z施 設 の 記録 を読 む と,A. 2)不 安 の 自己開示 とその未対処. さんが 一 人暮 らしを表 明後 ,そ の実現 に向け ての動 き. 取 り組 み 「ひ と りぐらし」 は,一 人暮 ら しに関 して. が急 に活発 になって い る様子 が見 られ たので ,そ の こ. 参加 メ ンバ ーがその時 々感 じて い た不安や心配や悩 み. とを尋 ね る と,次 の よ うに答 えて くれ た。. 事 を分 か ちあ い ,そ れ によって精 神 的 にサ ポ ー トしあ い ,互 い に助 言 しあ う場 と して も機能 して い た。 それ. A:み んな と負 けた くない とい う意識 もあ った。 *三 あ ― ,Bさ ん ,Cさ ん。 ライバ ル意識 み た い な. が可 能 だ ったの は ,参 加 メ ンバ ー や職員 らは 10年 か ら 20年 近 く z施 設 で 同 じ時 を過 ご して い るため ,互 い に気心 が知 れてお り,心 配や不安 を表現 しやすか っ. ところ ?. A:そ う。. た か らだ。 これ は ,後 に 紹 介 す る. xの 場 合 とは違. い ,Aさ んに とって ,z施 設 が 自己開示 しやす い場 と. Aさ んの 「み ん な と負 け た くな い」 とい う言 葉 に 対 し,私 が Bさ ん Cさ んの 名前 を出 して二 人 に対 す る対抗 意識 に言及 して い るの は ,先 述 した ように,A. 己 の 内面 的 な情報 を特 定 の他者 にあ りの ままに伝達す. さん の なかで 一 人暮 ら しとい う選択肢 を急浮上 させ た. Aさ. 他者 と して ,彼 女が 二 人 の 名前 をあげて い たか らであ. 安 を語 ってい る。. して機能 して い た こ とを意 味す る。 自己開示 とは,自 るこ とを指す (鎌 田 2006)。. この取 り組 み の なかで. ,. ん は 一 人暮 ら し開始 に まつ わ る 自信 の な さや不. る。 Aさ ん に とって ,Bさ ん. cさ んは ,長 年 z施 設 で 時 を共 に して きた友 達 で もあ り z施 設 の 仲 間 で あ. 私 も自信 ない よ。色 々,試 行錯誤 しなが ら。 自信 な. るが ,一 人暮 ら し実 現 に関 しては ライバ ルで あ った。. んてつ か ない と思 う。病気 が あ るぶ ん,そ れが ネ ッ. それ は,先 述 した よ うに,自 分 と同 じグ ループに所属. クになる。伸 びる可能性 が大 きい 。私 自身 ,胃 の病. す る二人が 自分 に若干先行 して 一 人暮 ら しを口に しだ. 気 もあ る し障害 の病気 もあ る し,出 て行 こ う と して. したため ,自 ず と二 人 の存在 や動 きを意識 したか らで. い るのは,自 分 で 自分 の生 活 を作 ろ う と して い る。. あ った 。 そ れ に ,Aさ んの 年 長 者 と して の プ ラ イ ド. うま く言 えない 。年 い くご とに身体 も弱 って くるか. Bさ ん よ り 1歳 年 上 ,Cさ と り 13歳 年 上 ,三 人 の なかで Aさ んが一 番年 上 であ. ら,早 く出た い と思 う。. る。 これ らに よって ,二 人 の動 きに引 き離 された くな. 以上 の発 言 は. も加 わ った。彼 女 は. んよ. い し負 けた くない とい う対抗意識 が働 き,一 人暮 ら し に向け ての. Aさ んの動 きが形成 されて い く。. た とえば次 の よ うなエ ピソー ドが ,施 設 の記録 に記. Aさ んの 自己 開示 の例 で あ るが ,そ. れ と と もに,体 調 や 障害 な ど身体 的健 康 面 の 理 由 か ら,彼 女 は一人 暮 ら し開始 に不安 を感 じて い た こ と. ,. そ してそ の不安が 一 人暮 ら し開始 にあたっての 自信 の.

(7) 三毛美予子 :一 人暮 らしへ の傾斜. 欠如 を もた らした こ とも示 して い る。彼女 は,逆 流性. る必 要性 を感 じて い た。 つ ま り,一 人暮 ら しにまつ わ. 食道炎 を発症 し,そ のため に病 院 の 入退 院 も経験 して. る不安 が彼女 の一 人暮 ら しへ の思 い を抑制す る こ とは. い る。 また,二 次 障害 の治療 のため病 院 に定期通 院 も. な く,そ れ以上 に,一 人暮 ら しへ と気持 ちが傾 いてい. して い た。親 の家 を出て一 人で暮 らす とは,こ れ まで. った。不安 は 自己開示 される ものの ,彼 女 自身 が不安. の よ うに親 の助 け を借 りず に,介 助者 に指示 しなが ら. の対処 の必 要性 を十分認識 して い なか ったため ,対 処. 病気 や障害 に 自分 で対処す る とい う こ となので ,そ こ. に努 め るこ ともなか った。 また ,施 設職員 も,後 の過. に不安 や 自信 の欠如 を感 じて い たのだ。. 程 の よ うに不安 の対処 に焦点 を定 めた支援 を行 な うわ. また,当 時 の施設 の記録 には書 かれて い ない が ,介. け で もなか った。 そ の背後 には,xの サ ー ビス を主 に. 助経験 が まった くなか った りあ ま りなか った りす るな. 利用 しなが ら Aさ んが一 人暮 ら しを開始 す る方針 を. ど介 助 の 新 人 が. Aさ. ん の 介 助 に入 る 場 合 ,そ の 人. 職員 らが尊 重 した こ と,さ らに ,当 時 の z施 設 で は. Dさ. ん以 外 には. に,自 分 の介助方法 を独力 で伝達す る こ とに,こ の 頃. 通所 者 の一 人暮 ら し実現 の支援例 が. か ら彼女 が不安 を感 じて い た こ とも,フ ィー ル ドワー. な く,一 人暮 らし支援 に関す る知識 や経験 が十分蓄積. クで 明 らか にな った 。 あ る職 員 は ,後 に紹 介 す る x. されて い なか った とい う事 1青 が あ った。. の 自立 生 活体 験 室 で の 宿 泊 の折 り,Aさ んが ,新 人. こ う してそ の ま ま放 置 され た不 安 を,翌 1999年. の介助者 に対 して 自分 の介助方法 を自分 で伝 え られ る. 月 か ら 1年 弱 の 間 に ,Aさ ん は単 な る認識 か ら実 体. か ど うか不安 なので ,介 助 方法 を伝達す るの を助 け て. 験 と して経験す る。 そ の なかで ,彼 女 の不安 は,一 人. 欲 しい と z施 設 に依 頼 し,施 設 で は そ れ に応 じ,あ. 暮 ら し実現 を抑制す る要 因 の一 つ と して作用 す る よ う. x派 遣 の新. にな り,そ の後 の彼女 の歩 み に大 き く影響 して い く。. 人介助 者 に よる Aさ んの介助場 面 に立 ち会 って 介助. この こ とは,一 人暮 らし開始 に先 立 って生 じる様 々 な. 方法 を教 えた , とい うエ ピソー ドを話 して くれ た 。A. 不安 に Aさ んが どの よ う に対 処 す るのか とい う こ と. さんに よれば ,自 分 の 身辺介助 につい て ,な かで も. が ,後 の彼女 の一 人暮 ら し実現 を左 右す る一 つ のポ イ. 抱 きかか え方 と トイ レ介助 の方法 につい ては,自 分 の. ン トであ った ことを意味 して い る。不安 の対処 は ,先. 語彙力 や 表現力 で は細 か い部分 まで説 明 で きない 。介. 行研 究 (北 野 2003;谷 口 2005:124)が 示 す 自立 生. 助 に慣 れた人 な らば,自 分 の言葉 だ けでの説明 で も. 活 に必 要 な基本 的 な 自立生活技術 の習得 に よつて可 能. コッをつ か んで うま く介助 して くれ るのだが ,新 人 は. とな るの だが ,Aさ んが それ に意 図 的 に取 り組 む の. そ の よ うには い か ない とい う こ とを,こ れ までの経験. は,後 の過程 に入 つてか らであ った。. る職員 が xの 自立生活体験 室 に出 向 い て. ,. ,. 3. んの 介助 に入. この よ う に ,1998年 度 ,z施 設 の 取 り組 み の なか. る場合 は,自 分 の介助 に慣 れた人が 介助場面 に実際 に. で通所者 同士 の相互作用 を通 じて ,一 人暮 ら しに向け. 立 ち会 って ,抱 きかか え方 と トイ レ介助 の 方法 を伝 え. て. て欲 しい の だ 。 だが xは ,介 助 サ ー ビス 利 用 者 は 介. らし開始 に先立 つ不安 を認識 して い た ものの ,他 の通. 助方法 を 自分 で介助者 に伝 えるべ きであ る とい う方針. 所者 との対抗意識 もあ った し,自 分 も新 しい生 活 を望. で あ るので ,介 助者 へ の介助方法伝達 に関わる支援 は. んで い た こと もあ って ,そ の方 向 で進 んで い た。. 原則 的 に行 なわない 。 ゆえに,介 助方法伝 達 に不安 を. (2)自 立生活 セ ンター xと の関 わ り. か ら感 じて い る。 だか ら,新 人が. Aさ. Aさ. んの気持 ちは ます ます傾 い て い つた 。 一 人暮. ん は ,z施 設職 員 にそ の 支援 を頼 ん. z施 設 での活動 の一 方 で ,Aさ んは一人 暮 ら しに向. だの だ 。 しか し Aさ ん は ,一 人暮 ら しの ため の 介助 らの 派 遣 で も まか な う と想 定 して い た た. け ての準備 の ため に ,1998年 度 ,自 立生 活 セ ンター xと 積極 的 に 関 わ りは じめ る。 xは ,“ 一 人暮 ら しヘ. め ,新 人介助者 に独 力 で 介助方法 を伝 える こ とに不安. の傾斜 "以 降 の過程 で も,彼 女 の一 人暮 ら しへ の 歩 み. を持 ってい る とい う こ とは,一 人暮 ら し開始 の不安材. に大 きな影響 を与 えた環境 の一 つ で あ る。 この 頃 ,x. 料 や一 人暮 ら しを阻 む大 きな要 因 とな る恐 れ が あ っ. のサ ー ビス不U用 に よって. た 。 しか し当 時 ,Aさ ん も職 員 た ち も,上 記 の エ ピ. ての思 い や手応 えは高 ま った一 方 で ,xの ス タ ッフに. ソー ドが意味す る こ とを,そ れ ほ ど重 く受 け とめてい. 対 して彼 女 の不安 の 自己開示 は行 なわれ なか った。 こ. なか った。. れ は ,Aさ んが xに 対 して相 反 した意味 づ け を有 し. 持 って い た. 者を. xか. Aさ. Aさ. Aさ. んの一 人暮 ら しへ 向 け. ん は以 上 の よ うな不 安 を漠 然 と感 じて い なが. て い た こ とを表 して い る。す なわ ち ,“ xの サ ー ビス. らも,当 日 寺は「 自分 で も,で きそ うか な とい う ところ. はあ りが た い が ,x自 体 は苦手 "と い う もので あ る。. もあ った」 し,前 述 した諸 要 因 も影響 し,親 の家 を出. これ は,xの 組織特性 と も関連 して い るので ,xの 特.

(8) 甲南女子大学研究紀要第 43 号^人 間科学編 (2007年 3月. 64. ). 性 を紹 介後 ,Aさ ん と xと の 関 わ りにつ い て 記 して. 自己管 理 しつ つ 介助 者 の 介助 で生 活 す る 「 家庭 内 自. い く。. 立 」 とい う生活 の仕方 を望 んでいた。彼女 自身 は,10. 1)xの 特性 一一 人暮 ら しの集団規範化 xは 1989年 設立 の y市 にあ る 自立生 活 セ ン ター で. 代 の 頃 か らいつ か は一 人暮 ら しを した い と思 っていた. あ り,全 国 自立生活 セ ン ター協 議 会 (JIL)の 正 会 員. うにバ リアフ リー化 して再建 された手前 ,別 居 す る と. であ る。 自立生活 セ ン ター であ るが ゆえ,障 害者 が組. は言 えなか った。 そ の よ うな事情 か ら,家 庭 内 自立 を. 織運営者 ・サ ー ビス提供者 ・サ ー ビス利用者 であ る。. 考 えて い たのだが ,Bさ ん曰 く,こ の生 活 の仕方 は. そ して ,セ ンターの運営 には,脳 性麻痺 な どの先天 的. xで は賛 同 され なか った。xで は 自立生活 とは一 人暮. な障害者 よ りも,中 途 障害者 が 多 く関 わ ってい る。 こ. ら しの こ とであ り,そ れ以 外 の生 活形態 はた とえ 自己. う した特性 は ,z施 設 とは異 なる。 z施 設 は ,組 織 運. 管理 を強調 して も障 害者 の あ るべ き生活形態 と して. 営者 ・サ ー ビス提供者が非 障害者 の職員 で ,障 害者 は. 認 め られ なか ったか らだ。 また一 人暮 らしとい う生活. サ ー ビス利用者 で あ り, しか も脳性麻痺 を主 とす る先. 形態 を採 らない者 は,x内 で重 要 な位 置 を 占 め る障害. 天的 な障 害者 が主 な利用者 であ る。 こ う した組織 ・施. 当事者 として相応 しくない とい う雰 囲気 も感 じた。 こ. 設 に関係す る人 々の異 質性 に加 え,障 害者 の望 ま しい 生 活 の 仕 方 に つ い て の 考 え方 も,両 者 は 異 な る 。 x. Bさ んの経 験 は ,xで は一 人暮 ら しと しての 自立 生 活 が 集 団規範 と して存在 し,こ の規範 か らの逸 脱者. は,Л Lの 正 会員 であ るので ,自 立生活 を障 害者 の望. は,xに お い て承認 され ない とい う影響力 を持 った も. ま しい生活 の仕方 と して掲 げて い る。 そ の 自立 生活 に. の と して ,こ の規範が機能 して い た こ とを示す。 こ う. つい て も, 日本 の 自立生 活 セ ンターはアメ リカの 障害. した xに お け る 自立 生 活 と しての 一 人暮 ら しの公 式. 者 自立生活運動 の影響 を受 けて設立 された とい う背景. の 集 団規 範化 と承 認 を背 景 と した影 響 力 は ,Aさ ん. か ら,障 害者 の 自己決定 を基盤 に した一 人暮 ら しと し. と xの 障害者 ス タ ッフの 相 互作 用 に ,以 下 の よ うな. ての 自立生活 を前提 と して い る と推 測 され る。 z施 設. 影響 を与 えるのであ る。. が ,阪 神大震災 で倒壊 した家が彼女 の暮 ら しやす い よ. ,. ,. の. 活形態 の うち どれが望 ま しい か とい う こ とは,問 うて. 2)サ ー ビスの享受 と自己開示 の 回避 Aさ んは,以 前 か ら x主 催 の イベ ン トに参加 し,B さん に勧 め られ て xの 介助 者利 用 の 登録 も して い た. い な いの とは対照 的 であ る。. が ,xに は あ ま り親 近 感 を抱 い て い なか っ た 。 そ れ. が 「住 み なれ た. y市 で そ の 人 ら し く暮 らす 」 こ とを. 理念 と して掲 げ ,共 同生活や 一 人暮 ら しな ど多様 な生. 自立生活 とは一 人暮 ら しで あ る"と い う. は,以 上 にあげた よ うに,xで 働 く障害者 の 多 くは 中. ことが ,xで は公式 の集 団規範 と して存 在 して い た と. 途 障害者 であ り, しか も自分 よ り障害 の軽 い 人が 多 い. 考 え られ る。規範 とは ,社 会科学 にお い て ,集 団 の個. とい った z施 設 と xの 特性 の 違 い の ほか ,xの 様 々. 人 に対 す る影響 を説 明す るの に用 い られ る概 念 で あ. な噂 を親や他 の通所者 か ら聞 き,良 い 印象 を持 ってい. り,「 社 会や集 団 の 成 員 に,そ れ を守 る よ うに,成 員. なか った こ とに起 因す る。 ゆ え に ,こ れ まで は xに. と して取 るべ き態度や行動 が期 待 され る標準 的 な行動. 対 しては物理 的 ・心理 的 に距離 をお くとい う態度 であ. を意 味 す る 。 xに お い. つた 。 しか し,一 人暮 ら しを思 い 立 った 今 ,自 ら x. そ して ,“. 様 式 (田 之 内 2006:93-94)」. Aさ. ん に とって ,一 大 決心 の もとで. て,一 人暮 ら しと して の 自立生活が公式 の集 団規範 と. に赴 く。 これ は. して機能 して い た こ とは,Bさ んの経験 か ら明 らかで. な され た。施 設 の 記録 には ,「 xに よ く行 った な あ と. Bさ んの経験 を,私 は フ イー ル ドワ ー クで参加 して い た取 り組 みの なかで ,何 度 か職員や Bさ んの 口か ら断片 的 に耳 に して い た 。 今 回 ,Aさ. 思 う」 とい う彼 女 の 言 葉 と,Aさ んが xに 行 った こ へ 向 か う強 い思 い と,彼 女 の 勢 いが プラス にな り,大. んの軌跡 を分 析 し執 筆 す るにあた つて ,そ こで 聞 い て. きな 自信 につ なが って い る」 とい う職員 の コメ ン トが. Bさ ん. 記 され て い る 。 これ らか ら も,距 離 をお い て い た x. の経験 と xに お け る 自立 生 活 に 関す る彼 女 の 考 え を. に 自ら接 近す るほ ど,彼 女 の一 人暮 ら しへ の思 い が 高. 尋 ねてみ た。. ま っていた こ とが うかが える。. あ る。次 に示 す. い た話 を確 認 す るため に,当 時 の xに お ける. とで 「 これ までの厚 い壁 を乗 り越 えた よ うに思 う。次. ,xの. Bさ んに よれば、彼女 は この 頃 ,z施 設 に通 所 しな が ら,ス タ ッフ と して週 1回 xで 活動 して い た 。 そ. て ,xか ら派遣 され た 介助 者 や. して 1997年 頃 に一 人暮 ら しを表 明す る前 は ,親 と同. 介助 者 な どの 介助 で ,7泊 8日 の 宿 泊体験 を行 な って. 居 しなが ら,介 助者 の管理 と介助指示 に よつて生 活 を. い る。施設 の記録 に よれば,そ れ を終 えての彼女 の感. そ して 1998年 9月. 自立 生 活 体 験 室 に お い. Aさ. んの 個 人契 約 の.

(9) 三毛 美予子 :一 人暮 ら しへ の傾斜. 65. 想 は ,「 悪 か った こ とは あ ま りなか った。 よか った こ. *:xに は,で きるで きる とい う雰囲気 で ,不 安. とは,結 構 ,い け た。 一 人暮 ら しや ってい けそ う。 そ. だ,心 配 だ とい うことが言 えなった ?そ れ とも,不. の代 わ り,お 金 の管 理 が た い へ んや な と思 った」「 自. 安 だ といって も,で きるで きるといわれたの ?. 立生活 体験室 の段取 りや生活が味 わえて よか った。 自. A:は. 由な生 活が で きて勉 強 になった。体力 や体調管理 に不. 囲気 で,不 安 だって言えなった。なんか,も や もや. 安 はあ るが ,何 とか な りそ う」 とい うものだった。 さ. したの もあ ったけ ど,自 分 でで きそ うかなとい うと. らに 10月 には ,xの 自立 生 活 プ ロ グ ラ ム を受 講 して. ころ もあ った。. じめのほ う。xに は,で きるで きるとい う雰. い る。彼 女 が それ を受講 して ,「 刺激 を受 け ,自 分 な りに消化 して い る」 とい う,職 員 の評価 が 記録 に書 か. 個人的 な語 りは,現 在 の時点 か らの語 り手 の解釈 で. れ て い る 。 この よ うに当時 の z施 設 の 記 録 を読 む限 り,Aさ ん 自身 も xの サ ー ビス 利 用 に よつて ,体 調. あ るため (桜 井 2005:50),Aさ んが ,上 記 の 内容 を,当 時 どれほど意識 していたかは定 かではない。 だ. 管理や金銭管理 な どの課題 は あ る もの の ,一 人暮 ら し. が ,別 の機会 にも 1998年 度 の xで の関 わ りについ て. へ の 手応 え を感 じ 自信 も高 まる な ど xの サ ー ビス が. 何度 か尋 ねたが ,xの 「 (一 人暮 らしが)で きるで き. 効果 的 に働 き,サ ー ビス をあ りが た く享受 して い る様. る」 とい う雰囲気 のなかでは,自 分 の不安 を話せなか. 子 が うかが える。 しか し一 方 で ,一 人暮 らしには 身体. った と語 る。当時 の xは. 的健康面 や 介助者 へ の介助伝達 で不安が あ る とい う こ. たい とい う思 いか らス タッフが 「ば りば りとやって」. とを,z施 設職員 や通 所 者 の前 で は表 明 で きて も,x. お り,障 害者 の 自立生活 を助けるとい う「勢 い」 や熱. のス タ ッフ らには,自 己開示す るこ とはなか った。. 意 に満 ちてい た。それが ,「 で きるで きる」 とい う励. 1998年 度 と 1999年 度 の z施 設 の記録 を読 む と,両 年度 にお け る Aさ んの. ,障 害者 の 自立 生 活 を助 け. ましにつ なが るのだが ,そ うした xで の,障 害者 の. xへ の 関 わ り方 ,さ らに,一. 自立生活 を助けたい とい う勢 いや熱意や励 ましの雰囲. 人暮 ら しに向け ての態度 は,ま った く異 なる こ とが 読. 気 に Aさ んは圧倒 され,「 お もいっ きり退 く」 とい う. み 取 れ る 。 双 方 と も 1998年 度 は 能 動 的 で 前 向 きだ. 退行 的な状態 にな った とい う。 だか ら Aさ んは,x. が ,翌 年度 は 回避 的 で 退行 して い く。 1999年 度 の 終. で 自分 の不安 を口にで きなか った し,日 に しようとも. わ りに一 人暮 らしを断念 した ときも,z施 設通所者 ・. 思わなか ったのだろ う。そ して,内 心 「xだ けで介護. 職員 にはそれ を表 明 して い るのだが ,xを 訪 れス タ ッ. 者 はち よっとつ らい な」 と思 っていたのだが,今 か ら. フに会 い話す こ とを避 け るな ど,xに 対 して は ,意 図. 考 える と,xで 言 われた「あなたな ら (一 人暮 ら し. 的 に物理 的 ・心理 的距離 を とる様子 が うかが える。一. が)で きる」 とい う言葉 に乗せ られる格好で,自 分 も. 方 ,1998年 度 の z施 設 の 記 録 には ,xの サ ー ビス に. 一人暮 らしがで きそ うだと思った とい うことも,話 し. 対 して ,先 述 した よ うな肯定 的 な言 葉 しか残 されて い. て くれた。. な い 。 こ う した こ とか ら私 は ,1998年 度 にお け る x. 以上 のエ ピソー ドが意 味す るのは,xの ス タッフ. と Aさ ん との 関 わ りに は ,記 録 に残 され て い る以上. は,障 害者 の ,そ して,Aさ んの 自立生活 開始 を助. の ものが あ ったので はない か と考 えて い た。そ こで あ. けたい とい う熱意か ら,自 分 たちや他 の 自立生活 を実. る とき,そ れ を彼 女 にぶ つ け た ところ,次 の よ うに答. 現 した障害者たちの体験 をもとに Aさ んを励 ま した. えて くれた。. のだが ,そ こに醸 しだ された雰囲気 は,Aさ ん にあ. A:あ のね え,な んか ,も や もや して い た。 *:本 当 の ことをい えなか った ? A:そ う。当事者 じゃない ほ うが よい。気持 ちが わ. る種 の効果 と逆効果 をもたらしたとい うことだ。すな わち,自 分 も一人暮 らしがで きそ うかなとい う一人暮 らしの実現可能性 を Aさ んに感 じさせ た点 では効果 的に働 いたのだが,一 人暮 らしに関する不安 の 自己開. も,気 持 ちが わか って もらえる こ と。 (一 人暮 ら し. 示 を回避 させ た点 で ,Aさ ん と xと の関 わ りに関 し て逆効果 をもた らした。そんな xに 比べ て,z施 設 は. が )で きるで きる っていわれて ,の み こ まれた。. 20年 近 く自分が活動 して きた場 で もあるので ,担 当. *:で きな い ,不 安 だ ってい う こ とが 言 え なか っ た ?(A:う なず く)で きな い とい う と,で きるで. 職員 に自分の不安 や本音 をもっと気楽 に表現 で きた。. しようとい われ る ?. 設職員 のほ うが 自分 の気持ち を理解 して もらえるか ら. A:担 当 の○○ さんには言 えたけ ど。. よい と,Aさ んは上 記 で語 っているので あ る。障害. か って もらえ る。 当事 者 で も,当 事 者 じゃ な くて. ゆえに,障 害当事者 よ りも,健 常者 の専門家 である施.

(10) 甲南女子大学研究紀要第 43号. 人間科学編 (2007年 3月. ). 者 自立生 活運動 や当事者学 や 障害者福祉 領域 で は,障 害 当事 者 が 障 害 者 を支 援 す る 有 効 性 (中 西 ・ 上 野. が あ るか らであ る。そ れは,そ の よ うに見 られた者 の. 2003)や ,自 立生 活 セ ンターは利用者 の エ ンパ ワー メ. 自尊心 を低下 させ る。 だか ら,自 立生 活 とは一 人暮 ら. ン トを助 け る と い う こ とが 語 ら れ て き た (北 野. しとい う集 団規 範 に抵 触 しそ うな 自分 の 不 安 の 表 現. 2002)が ,以 上 の Aさ んの 自立 生 活 セ ンター で の経. を,回 避 したのだ った。. 験 は,そ れ らのみで語 れ ない一 面 を示 して い る。. 以上をまとめると,Aさ んが一人暮 らしに関わる 不安を xで 自己開示 しなかったのは,① 障害者の自. 3)Aさ んが 自己開示 しなか った理 由 Aさ んが xで 自分 の 不 安 を 自己 開示 しなか った と. すれば ,そ の規範 か らの逸脱者 として見 な され る恐 れ. と動機づ けられているとき,② 自己開示 の機会がある. 立生活を助けるという熱意や勢いや励 ましに満ちた x の雰囲気に圧倒されたこと,② ① にも影響 している自 立生活 とは一人暮らしという xの 集団規範,③ これ までの x自 体への接触の薄さ,④ xに 対して元々良い. とき,③ 開示者が 自己開示す るスキルない し関係能力. 印象を持っていなかったこと,⑤ 不安の対処の必要性. を持 っているときに,人 は 自己開示 しやす くなる (Car―. につ い ての. は,自 己開示す る よう動機 づ け られて い なか ったか ら. である。 自己開示 の研究 によれば,① 自己開示 しよう. Aさ. ん 自身 の認識不足 ,こ れ らに基 づ い. この三つ の なかで ,自 己開示 の機会 に. て い た。 そ して ,こ の なかの① か ら④ は,Aさ んが x. つい ては,Aさ んは 自立 生活 プ ロ グラムや 自立 生 活. を “ 苦手 "な 存在 と意味 づ け て い た こ とを指 し示す。. 体験室利用 のため xに 赴 い て い たので ,そ の機会 は. つ ま り Aさ ん に とつて ,自 立生活 プ ロ グ ラ ム や 自立. あ った。 また,z施 設内では職員や他 の通所者 の前 で. 生 活 体 験 室 な どの. 不安 を口に していたのだか ら,自 己開示す るスキルや 関係能力 も有 していた と思われる。つ まり,三 つの 自. ス タ ッフ ら とあ ま り関 わ つた りしよ う とは思 わ な い. 己開示 の条件 の うち,動 機づ け とい う条件が満 たされ. “ 苦手 "な 存在 だ った。 だか ら xで は ,敢 えて 自分 の. ていなかったと考 えられる。そ して,自 己開示 の動機. こ とを 自己開示 しなか った し, しようとも思 わなか つ. づ けが低か ったのは,今 まで述べ て きたように,① 障. た 。 だが ,Aさ んが xで 自己 開示 で きるか とい う こ. 害者 の 自立生活 を助けるとい う熱意や勢 いや励 ましに. とは,自 立生 活実現 の行方 を左右す る一 つ の 要素 と し. 満ちた xの 雰囲気 に圧倒 されたため,② これまでの x 自体へ の接触 の薄 さ,③ xに 対 して元 々良い印象 を持. て ,こ の 後 ,立 ち現 れ て くる。 つ ま り,真 に xの 提 供す るサ ー ビスの恩恵 を享受す るため には ,苦 手意識. っていなかったなど,xや xの ス タッフたちとの関係. が た とえ消 え去 らな くて も,xに 心理 的 に も接 近 し. 性 に起 因す る部分があるだろう。 また,彼 女 自身が一. 彼女 が 自分 の不安 や心 配事 を自己 開示 す る必 要があ っ. 人暮 らしへ の不安 の対処 の必要性 を十分認識 してい な. た 。 しか しそ れが で きる よ うにな る には ,2002年 以. かったため敢 えて口に しなかったとい う,彼 女 自身 に. 生 の ひ きうけ"過 程 まで ,待 たねばな ら 降 に始 まる “. 起因する部分 もあるだろう。. なか った。. penter 1987)。. x提 供 の サ ー ビス は “あ りが た "が い ,こ の 4つ が影響 して ,x自 体 は,近 づ い た り. ,. これ らに加 えて ,自 立生活 とは一 人暮 ら しの こ とで あ る とい う xに お け る集 団規範 が xの ス タ ッフ と A. Ⅳ .結. 論. さん に影響 し,Aさ んの 自己 開示 の 動 機 づ け を低 下 させ た一 因 で もあ った と推 測 す る 。 xの ス タ ッフ ら. この研究 は,Aさ ん とい う人物 に焦点 をあて ,親. は,一 人暮 ら しと して の 自立生活 とい う集団規範が行 き渡 った組織 で働 き,社 会資源が乏 しい なかで 自 らの. の介助 で親 と同居す る脳性麻痺者が一 人暮 らしとして の 自立生活 を選 び実現す る過程 の解明 を意 図 して い. 運動 に よって資源 を獲 得 し一人暮 ら しと して の 自立 生. た。本稿 では,Aさ んの一人暮 らし実現過程 の二 つ. 活 を達成 した とい う背景 か ら,一 人暮 ら しが 自立生活. 一 人暮 ら し めの “一 人暮 ら しの選択 "の 最初 で ある “. であ りそれが障害者 に とつて最善 の生 活 の仕方 だ とい. へ の傾斜 "過 程 につ い て記 した。本稿 の結果 と考察 か. う前提 の もとで ,そ れ に沿 った言動 を とる。障害者 の. ら導 き出 され る結論 は,次 の通 りであ る。. 自立 生 活 を助 け る とい う xの 雰 囲気 に Aさ んが圧 倒. 第 一 に ,Aさ んが 親 との 同居 生 活 か ら一 人暮 ら し. された こ とを先 に述 べ たが ,こ れ な ど,そ の端 的 な例. を考 えるにあた っては,先 行研 究 で提 示 されて い る親. Aさ. ん は ,xで 支 配 的 な集 団規. と脳 性 麻 痺 者 の 関 係 性 の 不 調 和 と い う要 素 (三 毛. 範 を感 じて い たため ,xの ス タッフた ちに 自分 の 不安. 2007)以 外 に,① z施 設内外の障害者,② Aさ んと両. をわ ざわ ざ口にす るこ とはなか った。 も しそれ を口に. 親の加齢 と身体機能低下や時間の有限性の認識が,影. と言 え よ う。 そ して.

(11) 三毛美 予子 :一 人暮 ら しへ の傾斜. 響 を与 えてい たことを,新 たに見 出 した。 この なか で,② に関連 して,人 が感 じる将来 についての主観的. 67. 社会福祉学 の立場 では見落 としてはならないことを Aさ んの経験 は示唆 してい よう°。. ,. な時間の感覚 は,人 間の動機づ けのほか,認 知 ,情 緒 を含 めた人 間の基本的な過程 に影響す るとされてい る. 注. が (Carstensen 2006),Aさ んの場合 は正 にそ うであ. 1)z施 設 は支援 費制度 の もとで は身体 障害者通所授 産施 設 で あ ったが ,障 害 者 自立 支援 法 下 の新 た な障 害 者福 祉 サ ー ビス 体 系 で は ,生 活 介 護 事 業 を中心 に ,今 後 の 地域 生活 支 援 発 展 の ため に ,居 宅 介 護事 業 ,重 度 障 害. った。そ して,Aさ んの感 じた将来 の時間の有 限性 一 人暮 らしの再決断"“ 生のひきうけ"過 は,後 の “ 程 での彼女 の歩みにも影響 してい る点か ら,脳 性麻痺 者 の 自立生活実現過程やその支援 を考 えるにあた つて は,年 齢やそ こか ら起算 される将来の時間について ,. その人が どのように思 つているのか,つ まり本人の主 観的 な受け とめ方 に留意す る必要があるだろ う。 第二 に,Aさ んが一人暮 らしを実現す るための課 題 として,拙 稿 で示 した Aさ ん と母 との力関係 の逆 転 のほか に,本 稿 では,① Aさ んの不安 の対処 ,② 自立生活 セ ンターのスタッフヘ の 自己開示が,一 人暮 らし実現 の課題 として示 された。 この なかで不安の対 処 は,先 行研究で もすでに示 されてい る 自立生活技術 の習得 に関連するが,② の障害当事者団体 ,あ るい は 障害当事者 の支援者 と,支 援 される障害者 との関係性 に関わる問題 は,先 行研究 ではこれまで十分議論 され てい なか った点である。 そ して第二の結論 に関連 した最後 の結論 として,A. 者等包括支援事業 ,相 談支援事 業 を展 開 して い る。 2)z施 設 で は,通 所者 は活動 内容 に応 じて幾 つ か の グル ー プ に分 か れ て ,活 動 して い る。各 グル ー プ には 4∼. 3)z施 設 で は,各 通所者 に対 し 1名 の職員 が担 当職 員 と して支援 して い る。担 当職 員 は 自分 が担 当す る通 所 者 の 施 設 で の 活 動 状 況 ,健 康 状 態 ,家 庭 を含 め た生 活 全 般 をア セ ス メ ン ト 0モ ニ タ リ ン グ し,親 や 関係 機 関 と 連携 を取 りなが ら,通 所 者 の 施 設 内活動 や生 活 全 般 に かかわ る主 たる支援 者 として機 能す る。. 4)自 立生 活 セ ン タ ー にお け る対 人援 助 場 面 を社 会福 祉 実践 の枠 組 み で 考 察 す る こ とに つ い て は ,議 論 が あ る か も しれ な い が ,① 障害 者福 祉 関係 の 教 科 書 に 自立 生 活 セ ンターが 記 載 され ,② 障 害 者福 祉 制 度 にお い て も 重要 な役 割 を担 う (小 出 2005)な ど,自 立 生 活 セ ン タ ー は今 日の 障害 者福 祉 領域 にお け る重 要 な機 関 と位 置 づ け られ て い る こ とか ら,こ こで は ,社 会福 祉 実 践 の 枠 組 みで考 察 して い る。. さんの経験 は,脳 性麻痺者 の 自立生活支援 にお い て は,障 害当事者団体や障害当事者 の支援者 と支援 を受 ける障害者 との関係性 を丁寧 に見 てい く必要性 を示 し てい る。当事者学や障害者 自立生活運動 では,「 当事. 8. 名程度 の職員が割 り振 られて い る。. 献. 文 Bertaux D.(1997)。. θ. jθ Jθ gjク. タ. ′ ι正 シ われθsθ ―. 力 なD`Ⅵ ι′P`rJρ Lι s Rι ε. Nathan(=2003,小. jソ. `θ. 林 多寿子訳 『 ライ フス ト. `。. ー リー :エ ス ノ社会学的パ ースペ クテ イヴ』 ミネルヴ ァ書房。 ). 者 でな くてはわか らないこと,当 事者 だか らこそわか る ことがある (中 西 ・上野 2003:16)」 とい う立場 か. Carpenter,Bo N。. (1987)。 The relationship betwecn psychopa―. thology and self― disclosure :. An interference/competence. ら,当 事者 による当事者支援 の有効性 が主張 され,障. model.In Vo J.Derlega&Jo H.Berg(Eds.), Self_. 害者福祉領域で も自立生活 センターなど当事者主導 の 団体 は利用者 のエ ンパ ワーメン トを助けるとい うこと. disclosure: Theory,Rescarch,and Therapy(pp.203-228)。. が述べ られて きた (北 野 2002)。. しか し,こ の頃の A. さんの 自立生活 セ ンターでの経験 はそれ らのみで語れ ない こと,さ まざまな要因によつて Aさ んが 自立生 活 セ ンターでは 自己開示 で きなか ったことを本文で記 した。 このことを,社 会福祉実践 における援助者 ・サ ービス提供者 とサ ービス利用者 の援助関係 とい う観点 か ら検討す る と,援 助 関係 の基盤であ る信頼 関係 が. Aさ ん と xの 人 々の 間に樹 立 されてい なか った とい うことが言 えよう。つ まり,自 立生活 セ ンターの持 つ エ ンパ ワーメン ト機能や当事者団体 ・当事者に よる当. Plenum. Carstensen,L.D。. (2006)。 The lniuence of a Sense of Time. on human Developmcnt.Sθ んθι,312(30), 1913-1915。 jι. 鎌 田晶子 (2006)「 第 2章 社会的行動 の基礎」 田之内厚 三ほか共著 『ガイ ド 社会心理学』北樹出版,23-58. 木村知香子 (2002)「 自立生活運動」佐藤久夫 ・北野誠 一 。三田優子編著 『障害者 と地域生活』中央法規,12-13. 北野誠一 (2002)「 第 2章 障害者支援 の諸理念 とソー シ ャルワー ク」小澤温 ・北野誠 一 編著 『障害者福祉論』 ミネルヴア書房 ,34-58。 一――一 (2003)「 2章 障害者 の 自立 生活 と自立生活支 援」定藤丈弘 ・佐藤久夫 0北 野誠 一編 『現代 の 障害者. 事者支援 の有効性 が発揮 されるためには,当 事者団体. 改訂版』有斐閣,49-83. 一 小出享 (2005)「 障害者 自立生活 セ ンターの位置 づ け と 『 課題」 桃山大学社会学論集』40(1),59-93.. や当事者 の支援者 と利用者 の間 に援助 関係 の構築や信. 三毛美予子 (2007)「 母 との 闘い一親 と暮 してい たある脳. 頼関係 の樹立が前提 として必要であるとい うことを. ,. 福祉. 性麻痺者 が一人暮 らしとして の 自立 生活 を実 現す る一.

(12) 甲南女子大学研究紀要第 43号. 68. 過程」『社会福祉学』47巻 2号 掲載予定 中西正司 。上野千鶴子 (2003)『 当事者主権』岩波新書 . 岡本祐子 (1990)「 第Ⅷ-2章 自己実現 をめ ぐって」月ヽ 川捷之 ・斉藤久美子 ・鑢幹八郎編 『臨床心理学大系 第 3巻. ライフサ イクル』金子書房 ,193-214.. 定藤丈弘 (2003)「 序章 障害者福祉 の基本的思想」定藤 丈弘 ・佐藤久夫 ・北野誠 一編 『現代 の 障害者福祉 改 訂版』有斐閣,卜 27。 桜井 厚 (2005)「 第 1章 ライフス トー リー・ イ ンタビ ュー をは じめる」桜井厚 。小林 多寿 子編著 『ライフス トー リー ・ イ ンタビュー 三質的研 究 入門』 せ りか書. 人間科学編 (2007年 3月. ). 房 ,H-52. 佐藤郁哉 (2002)『 フ イール ドワー クの技法 :問 い を育て る,仮 説をきたえる』新曜社. .. 谷日明広 (2005)『 障害 をもつ 人たちの 自立生活 とケアマ ネジメ ン ト三IL概 念 とエ ンパ ワー メン トの視点か ら』 ミネルヴァ書房. .. 田之内厚三 (2006)「 第 4章 小集団行動」 田之内厚三ほ か共著 『ガイ ド 社会心理学』北樹出版 ,87-105。 立岩真也 (1995)「 第 2章 〈出て暮す 〉生活」安積純子 ・ 岡原正幸 ・尾 中文哉 0立 岩真也著 『生の技法 (増 補改 訂版 )』 藤原書店,57-74..

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