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JAIST Repository: 我が国の科学技術政策形成における審議会組織の機能

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Academic year: 2021

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JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

我が国の科学技術政策形成における審議会組織の機能

Author(s)

田中, 洋一; 平澤, 泠

Citation

年次学術大会講演要旨集, 5: 43-48

Issue Date

1990-10-27

Type

Conference Paper

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/5287

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

2C1

我が国の科学技術政策形成における 審議会

組織の機能

0

田中 洋一,平澤 冷 ( 東京大学 ) 上上Ⅱ延言 政策形成過程はその 国の政治風土、 政治文化の強 い 影響下にあ ると同時に 、 方で政策領域自体の 特殊性をも反映するものであ る。 殊に高度な専門知識を 必要 とする科学技術政策のような 領域においてば、 決定の権 限と必要な知識が 必ずし も相伴わないといった 組織的な矛盾が 現れ、 効果的な意思決定を 遵 く 為には、 何 らかの独自な 組織のメカニズムが 勘 かねばならない。 我々の研究はこうした 問題 意識のもとに 科学技術政策の 形成過程を 、 我が国の政府審議会機構の 役割に着目 して、 組織論的な視点から 考 寮を加えだものであ り、 本 発表はその一端を 述べた ものであ る。 2 .

研究の対象と 主せ

我が国の科学技術政策に 関わる政府審議会は、 その最も中心的存在だる 科学技 術会議を始めとして 多岐に渡る。 その中から特に 我々がその調査対象として 取り 扱ったものは、 各審議会における 基本計画、 長期ビジョンの 政策立案のプロセス、 であ る。 具体的には、 第 5 、 6 、 1 1 号答申 (

科学技術会議

) 、

原子力開発利用

長期計画

(

原子力委員会

) 、

宇宙開発政策大網

(

宇宙開発委員会

) 、 9 0 年代の 産業科学技術ビジョン (. 産業技術審議会、 産業構造審議会 ) 、 長期エネルギー 需

給見通し

(

総合エネルギ

一調査会 ) 、 9 0

年代の通信政策ビジョン

(

通信政策

想 談 会、 電波通信技術審議会 ) などであ る。 調査に際しては 各審議会の報告書、 議 事録 等の文書資料の 分析とともに、 関係者に対するインタビュ 一調査に主眼が 直 かれた。 3 .

審議会機構と 当庁内組織の

連岡 審議会機構 ( Advisory Group ) 内部の机 織 ( 本会談、 部会、 分科会、 小委 員 会、 作業グルーブ 等 ) と、 その担当省庁内部の 事務及び検討の 為の組織 ( ln- house Group ) との間には常に 密接な関係が 存在しており、 両者の共例のもとに 政策案の策定が 進められる。 当該官庁担当課と、 審議会機構末端の 作業部会で検

討された政策案の

素案は In-l1o け se b 「 ouP 内部での審議、

関係者の了承を

得たの ち、 ヒエラルキ一の 上層へと持ち 上げられる。 同様の絶え間ない 両者の Intera- cti0 Ⅱ によって、 原案は組織の 階層を上昇し 最終的な決定へと 導かれる ( 図 1 ) しかし実際のこうした 原案の持ち上げは、 単純な文書資料の 授受とそれに 伴う ,情 報 交換のみがその 手段とされるわけではない。 このプロセスには、 ほぼ例外なく

Advjsory Group, In- れ ouse Group 双方で関係者の 組織的な移動、 交流に基づく

階層間の伝達が 見られる。 これは Ad Ⅴ hory Group においては、 上部組織に所属

(3)

織 組 内 庁 省 原案 ) ( + ﹁ ム耳 ・ 丑 - 十 審 会 本

・ししココ﹁

l

,コ

ムぉ

ム %

-

省庁連絡 合音 省 ( 庁 ) きぬ 局離 課長会 詔 担当課 ミネⅠ / テ クルーフ シンクタンク ム ムム

く 図 1 1 Ⅱ -l@uuse Group と Advis0 「 y Group の通関 ノ

( AdV Ⅰ SOry G Ⅰ UUP Ⅰ ( In-house Group )

八万 ム君ム方 織 貝 強査 す 間組

乗地

調 庁絡 を 省迎 数 七 中中中人 答答答は 凄オ ◆ @ ● @ l.@ 申 号音骨 字 561 数 1( l* 牛 .l.l ● l.l.l@l,ll* 4 ホ f.l.1.l ・ 4 之や Ⅰ @l@ll@l@ や ﹁ 6 ヰ Ⅰ本手・ 1.l.1.l* るキ小人 ll@llI@l@ Ⅰ 小 流 の 人 み 申 答 本 基 4 ヰ @1ll1 ﹁ g1 ヰ Ⅰ 議 * Ⅰ 会 Ⅰ @ 11ll 求 ◆ l ◆Ⅰ t ネ l ◆ l@@.l.ll ◆ l@ Ⅰ * Ⅰ Ⅰナ @ ナ l@ll@ll 平 ◆ lil@1l ⅠやⅠ 術 @ Ⅰ Ⅰ す ● @@i.t 技 ":" つ - ィ吋 に市井 -- Ⅰ■ ム

耳金

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本剤

(4)

ルな StUdy G 「 o Ⅱ P

に屈ずる担当職員が 審議の進展に

伴って、

より上位の検討組織

に取り込まれて n8 勤してゆく、 といった状況に 示される ( 図 2 ) 0

そこでこうした

l Ⅱ teract れ e な プロセス、 において、

政策案の立案に 必要な当該

領域に対する 専門的知識がとのよ、

うに取り込ま

ォ しているか ( あ るいは取り込まれ ていないか ) といった実態へと 考察を進める。 4 . imG@ia<o@-g@

前述のようにこうした

政策形成のプロセスにおいては、

必要な情報の

伝達は ぞの情報を担う 人物を組織の 中に取り込み、 その組織内の 人の柊 動 、 交流といっ た

階層間の伝達によって 可能とされる

( 1l[@ma Ⅱ -%clusive Pr0cess ) 。

しかし現実の 人の移動、 交流はその 費 かれている状況によって 、 全く異なる 意

味を持ってくる。

一つにはその

移動、 交流の行われる 組織のヒエラルキー 的な位

置てあ り、 もう一つは時系列的な 審議の推移つまり 対象とされる 審議内容との 関

連 てあ る。

図 2

でも示されるよ

う に Advisory Group ど ln 目 louse Group との 間

てはその

人の流れにも 明確な差異が 見られ、 両者を同列に 論ずることはてきない。 そこ て とりあ えず Ad Ⅱ So 「 y G 「 OUP

内の移動に限定して

以下話を進めることとする。 実際の審議内容と 移動、 交流の実態を 各審議会則 ( 長期計画 別 ) に 示 したもの が 図 3 であ る。

この図から

ぱ 個別的な研究課題、 具体的テーマの 設定どいった 段 階における階層的には 下 ばの移動、 交流が顕著であ るという実態が 伺われる。 そこで更に、 こうした人の 移動、 交流に占める 専門家 ( 当該領域に必要な 専 -@,q 的 知識を持っ大学、 国研、 及ひ 企業等の研究者 ) の割合を、 移動、 交流の行われ た組織階層に 応じて見たものが 図 4 、 0 であ る。 図せにおいては、 各審議会 ( の 長期計画 ) ことに区別され、 図 5 では審議のプロセス、 を三つのステージに 分けて ( 注 ) 、 時系列的な推移を 見ている。 図 4 からは、 審議会により 多少の差異が 見られている。 宇宙開発委員会 ( 宇 宙開発計画 ) のような高度な 専門的知識が 必要とされる 領域での比率の 大きさは、 その審議会 ( あ るいはその長期計画 ) と、 対象とされる 内容の専門性どの 関連が 推察さ え @L6% 図 5 においては、 審議プロセスの 中間段階での 比率の高さは、 やはり審議が より具体的な 課題、 内容の検討に 入った段階ての 専門的知識の 有効 佳が 伺われる。 ( i 主 )

審議当初段階

基本的方

釦 、 目標の設定、

政策の概念的な

枠組みの形成。

審議中間段階

具体的研究課題、

研究テーマ等の

決定。 審議末期段階 : 関係者の了承、 取りまとめ、 予算化。

5 .@ In-house@ Group@ 。 c@fe@ 。 -@@ @@ A@CD@?jK@@l

In-house Ⅰ roup 内における担当者の 移動は、 図 2 ても示されるよ う に省庁内の インフス ー マル な StUdy G 「 OUP

及び調査班といった

段階から、 よ ') 上位の検討会、 委員会といった

組織へと審議のプロセスに

従って持ち上がっていくケース、 が多い。 通常は担当課員、 担当課長等が 政策立案の最終段階まで、 こうした階層間の 伝達 の役目を果たす。

これが我が国の 政策決定が

In- Ⅱ ouse Ⅲ a

Ⅲ㎎なものてあ

るど か われる所以であ る。 しかしながら 政策案の専門性が 極度に高 い 場合、 当該ずる

(5)

本金親 部会 分科会 検討 会 バネル 作業グルーフ

ⅡⅠ ホ ⅠⅠ化 や @ ほ舟 ll ほ り 政策の具体的 政策の基本的 研究課題の 枠組みの設定 理念の形成 決定 ( 注 ) 数字は % 。 同定できないものもあ るため正確には 各ス 、 テージごとの 和は 100 にならない。 く 図 3 審 諫 内容と人の流れ ノ Ⅰ 0 り 専門家の占める 比率 ( % ) 80

6U

4U 20 作業グループ + 分科会 部会 り 分科会 偉 部会 0 本会議 1 : 5 号答申 2 : 6 号答申 3 : 1 1 号 答申 4 : 原子力 5 : 宇宙 6 : 産業科学 7 : エネルギー 8 : 通信 +: パネル、 小委員会を く 図 4 長期計画と人の 流れ シ ムむ目 。

(6)

100 専門家の占める 比率 ( % ) 80 0 0 0 G 4 物 間 期 ぎ中 末 l 八ヤノイ Ⅰ 俺 り T 申 Ⅰ T

作業グルーブ

+ り 分科会 く 図 5

審議の推移と 人の流れ

ノ 分科会 部会 0 部会 ㊤ 本会議 +: バ ネル、

小委員会

を含む 1l 1 Ⅰ 1G く 図 6 Advisory Group

Advisory Group と ln- Ⅱ ouse GroW の移動、

併任の頻度

+ の 関係 ノ

注 1 * は 各長期計画ごと。

(7)

In-ho Ⅱ se 内の担当者が 十方にその伝達の 機能を果たし 得ない場合が 想定される。 そうした場合に、 前掲の図 4 、 5 からも伺えるように、 それを補完する 機能とし て

Advisory

Group 内の専門の研究者の 移動、 併任といった 手段の有効 牲が 考えら れる。 実際、 In- № use 内に専門的知識を 十分持った人物が 担当者として 存在した 場合、 Advisory Group 内の研究者の 移動、 交流が相対的に 少なかったケース、 ( e ㌻科学技術会議第 1 1 号 答申 ) や、 逆に Advisory Group 内の研究者がより 豊か な専門的知識に

基づいて積極的なリーダーシッブを

発 拷し、 結果的に組織的な 移 動 が多く見られたケース、 ( eg. 原子力開発利用長期計画 ) などがあ り、 各バルー ブ の人の移動、 併任の頻度にはやや 弱 いながらも多少の 息の柚関さえ 見られる ( 図 6 ) 。 6 . 老安 現実に、 具体的研究課題に 十分精通し ぅる 程の専門的知識と、 その政策案の 社 会的政治的文脈に 対する調和の 取れた見識を 兼ね備えた人物というのは、 極めて まれであ ろう。 また一方日本の 政策決定は情報を 記録として受け 渡すよりも、 人 に 体化されたものとして、 決定システムの 中にその「 人 」を取り込んでゆく プ ロ セス であ る。 従ってその政策案の 審議のレベルや 内容に応じて、 取り込まれるⅠ 人 」は変わってくるし、 変わらねばならない。 故にあ る程度正当な 政策決定が行 われる為には、 こうしたメカニズムが 十分有効に機能する 必要があ るし、 その 前 提 としての組織の 柔軟 佳が 保証されねばならない。 我が国の科学技術政策において、 政府審議会機構と 省庁内検討組織との 間に見 られる lndlusive-interactive な 連関はその好例と い えるかもしれないが、 より 更なる実態の 解明には、 諸外国の政策決定システム や 、 同様に高度の 専門的知識 が必要とされる 企業の研究開発組織における 意思決定の仕組みとの 比較研究が有 効 であ ろう。

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