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5. 緩和ケア病棟における地域連携の実際―グループホームでの看取りの支援―(第18回群馬緩和医療研究会)

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Academic year: 2021

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て, 1例に口腔のあれを認めたため中止した. 呼吸抑制な ど重篤な有害事象はなかった. 在宅療養に移行できたの は 5例で, 死亡退院は 1例であった. 平 入院日数は 67 日であった. 【結 語】 NSAIDsや医療用麻薬で除痛 が困難な症例に, 痛みの増強なくケタラールを経口投与 にすることができた. また, 疼痛のコントロールに難渋 するため入院日数が長くなる傾向にあった. 目標が在宅 療養となれば, 患者の負担を減らす方向で (静脈 (皮下) 投与の点滴チューブから解放するなど) 可能な限り支援 していくことが必要と える. 3.当院における一般病棟でのオピオイドローテーショ ンの現状調査 眞中 章弘,小林 剛,奥澤 直美 (独立行政法人国立病院機構西群馬病院 疼痛緩和チーム) 【目 的】 これまで本邦のがん疼痛治療はモルヒネ偏重 とならざるをえない状況であったが, 近年, 経皮吸収型 フェンタニルパッチ (以下 FP)やオキシコドン徐放剤の 登場によりオピオイドローテーション (以下 OR) が可 能になった. しかしその反面, 選択肢の多さから同一患 者での OR も散見されるようになってきている. そこで 今回, 当院における一般病棟と緩和ケア病棟での OR の 現状調査を行った. 【方 法】 2006年 1月から 2007年 11月の間に当院入院中に行われた OR について retro-spectiveに調査した. 【結 果】 OR を行った患者は一 般病棟では 420人中 84人 (20%) 106件, 緩和ケア病棟 では 219 人中 69 人 (32%) 70件であった. OR の理由 として, 一般病棟ではコンプライアンスの上昇 (内服困 難など) 45件 (42%), 疼痛コントロール不良 23件 (22%),呼吸困難・咳嗽 20件 (19%),副作用対策 15件 (悪 心・嘔吐 7件,アレルギー症状 3件,せん妄 2件, 秘,腎 機能低下による傾眠, 眠気各 1件) (14%), 蠕動痛, 怠 感, 浮腫各 1件 (0.9%) であった. 緩和ケア病棟では OR の理由としてコンプライアンスの上昇 (内服困難など) 38件 (54%), 呼吸困難・咳嗽 15件 (21%), 副作用対策 9 件 (悪心・嘔吐, 腎機能低下による傾眠各 3件, せん妄 2 件, 秘 1件) (13%),疼痛コントロール不良 7件 (10%), 蠕動痛 1件 (1.4%) であった. 【 察】 一般病棟と緩 和ケア病棟の OR を比較すると, 一般病棟では一人あた りの OR の回数が多い傾向があった. これは, 治療に伴 う病態の変化などによって生じた差であると えられ た. また, OR の理由として一般病棟では二番目に疼痛コ ントロール不良により OR をしていた. これらの中には 経口徐放性製剤を鎮痛等量まで増量せずに OR してしま うケースもあり, 増量に見合った徐痛が得られず再び OR するケースもあった. 安易な OR を避け適切な OR を行う為にチームによる丁寧な痛みのアセスメントを行 い, 患者に安全かつ有効な疼痛治療を提供していくこと が重要と えられた. 4.当院『がん疼痛マネージメントマニュアル』の紹介 とその評価 深澤 一昭,神宮 彩子,関根菜光子 仁科 砂織,望月 裕子,吉田 長英 河合 弘進,平山 功 (済生会前橋病院 かんわケアチーム) 細内 康男 (同 外科) がん患者はがんの診断時および治療開始前後から様々 な身体的苦痛や精神的苦しみを体験する. さらに病状の 進行に伴いそれらの程度・種類・頻度が大幅に増すこと で日常生活も障害され, より緩和ケアの必要性が増大す る. 緩和ケアには全人的な痛み (Total pain) への多角的 なアプローチが必要とされるが, とりわけ身体的苦痛の マネージメントはその基盤となり, それにおける薬物療 法はその主軸となすものと思われる. 当院においても平 成 20年 4月に『かんわケアチーム』を立ち上げ,安全か つ有効な薬物療法を推進することを目的に『がん疼痛マ ネージメントマニュアル』の作成から活動を開始した. このマニュアルは最新のエビデンスを基に①痛みの 類, ②痛みの評価, ③治療目標の設定, ④痛みの治療, ⑤ 副作用対策のカテゴリーに 類した上で, 図や表, フ ローチャートを多用することによって医療現場で活用し やすいマニュアルとなるよう工夫して作成した. そこで 今回はこの『がん疼痛マネージメントマニュアル』の紹 介, さらに処方統計を基にしたオピオイド製剤 用状況 ならびに副作用対策実施状況の集計から, オピオイド導 入時における①オピオイド製剤 (ベース・レスキュー)の 適正 用, ② NSAIDs併用状況, ③ノバミンョ併用状況, ④下剤併用状況などをマニュアル運用前後で比較するこ とにより本マニュアルの有用性についての評価を行った ので合わせて報告したい. 5.緩和ケア病棟における地域連携の実際 ―グループ ホームでの看取りの支援― 津金澤理恵子,藤井 智代,石塚 裕子 橋本かよ子 ( 立富岡 合病院 PCU) 佐俣 雅和 (同 MSW) 佐藤 尚文,野田 大地 (同 外科) 【はじめに】 認知症ケアにおいて, 本人を取り巻く人と の関係, 馴染みのモノや場所との関係, 地域社会との関 係など, 関わりの継続を支援することは安心感と状態の 安定を生み出す. 認知症グループホーム (以下, GH) は, この関わりのケアを大切にしている. 利用者にとって 第 18回群馬緩和医療研究会 180

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GH は馴染みの場所, 住みなれた我が家となる. GH の利 用者ががんを患い終末期を迎えたとき, 住みなれた場所, 馴染みのある人・モノに囲まれて安心して暮らすにはど うすればいいだろうか. 緩和ケア病棟はどのような役割 を担うだろうか. がん患者を看取った GH との連携を振 り返り, えてみたい. 【目 的】 GH における看取り を支援する緩和ケア地域連携のシステム化を目指し, 連 携の実際・課題・緩和ケア病棟の役割を明らかにする. 【倫理的配慮】 院内の臨床看護研究倫理委員会の審査を 受けている. 【結果・事例紹介】 事例A:83歳 男性 胃がん肝転移 訪問看護ステーション A と連携 緩和 ケア病棟看護師が GH の他利用者を訪問した際, GH ス タッフ よ り 相 談 を 受 け て 介 入 事 例 B:87歳 女 性 胆管細胞がん 訪問看護ステーション Bと連携 群馬 県西毛地域緩和ケアネットワークにて GH 看護師より 相談を受けて介入 事例C:76歳 男性 膵頭部がん 訪問看護ステーション C と連携 C 氏が受診した際, 主 治医からの依頼にて介入. 【 察】 在宅支援と同様 に, ①利用者・家族が GH で暮らすことを希望している, ②利用者・家族, GH スタッフ, 訪問診療医師, 訪問看護 ステーション, ケアマネージャー, 緩和ケア病棟等によ るカンファレンス, ③簡 な方法での身体症状の緩和, ④医療者による 24時間対応可能な体制などが必要であ る. その上で, 介護職と看護職 (医療職) の認知症ケアの 理念の共有化が大切である.また,GH スタッフの大きな ストレスは「夜勤時に何が起こるかわからない不安」で あった. 夜勤を一人体制にしている GH も多く, これら のストレスがどう対応していくか えることが必要であ る. 【おわりに】 GH における看取りを支援するため に, 地域全体で支えるシステムが必要である. 群馬県西 毛地域緩和ケアネットワークをさらに充実させていくこ とが求められる. 6.がん療養者を支える在宅緩和ケア―MSW の役割― 小池 由美,三宅 貴子 (群馬県立がんセンター MSW) MSW とは, 医療ソーシャルワーカー (Medical Social Worker) の略称で,相談者 (患者・家族等)が抱え る社会的, 経済的, 心理的問題について, 相談者とともに えながらその問題の調整・解決を図っていくことを業 務としている. 当センターでは, 平成 19 年のがん対策推 進基本計画が施行されたのを受け, 合相談支援セン ター」を開設した.医療費や転・退院支援,告知の問題,心 理的なサポート等, 相談は多岐にわたる. 平成 19 年度の 相談件数は べ約 4,000件であった. 当センターで在宅 支援を行うにあたっての大きなポイントは「退院のタイ ミング」だと感じている. そのタイミングは突然やって くることもあり, 多くの場合が短期間である. このタイ ミングを逃すと, 退院が遠のいてしまうことが多い. 退 院のタイミング」に,いかに退院準備が整うかが,その後 を左右する. 今回は, 事例を通して, 退院のタイミング」 や MSW がどのような視点でどのように在宅支援を行っ ているかを報告し, 患者さん・ご家族へより良い在宅ケ アが提供できるよう, みなさんと一緒に えたい. 7.退院前病院訪問の検討 萬田 緑平,福田 元子,津久井利恵 小笠原一夫 (緩和ケア診療所いっぽ) 緩和ケア診療所いっぽでは 4月から 8月までの 5ヶ月 で 18例の退院前病院訪問を行いました. いっぽでの癌 患者の経路は, 紹介あり約 6割 (うち入院 5割 外来 5 割), 紹介なし約 4割です. 入院中に紹介のあった患者ほ ぼ全例に退院前病院訪問 (約 3割) をしています. 退院前病院訪問の効果としては, 家に帰る前に在宅の 主治医が決まることで安心度が高いことです. 退院を強 く希望している患者様には訪問するだけで感謝されま す. 一方, 不安のまま退院するケースもあります. 入院患者紹介の連絡方法は主治医, 看護師, 家族, MSW からなどさまざまで, 電話かメールでの問い合わ せがほとんどです. 病院より打診があってから数日以内 に病院訪問をしており, 病院訪問から退院までも数日以 内です. 退院前には介護保険の申請をして, 主治医と看護師, 家族, ケアマネージャーの都合をつけて退院前カンファ レンスを開いてもらうことがありますが, すべてそろっ たのは 2例のみです. 予後の短い患者様の場合は, 本人 の意志を確認できれば, ある程度の情報さえあれば早い ほうが良いと思われます. 実際はほとんどが数人での ベットサイドでの面談です. 退院が決まってから帰れず に亡くなる人もいます. 自宅で過ごせるならもっと早く 退院したかったという声も多いのが現状です. 患者様の 帰りたい (家族の帰したい) という気持ちが強ければ強 いほど,どんな状態 (余命数日でも数時間でも)でも退院 させることが出来ます. 自宅にどうしたら帰してあげられるか. これらの症例 の検討でその課題を探りたい. 181

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