ある.精巣機能温存目的に精巣腫瘍部 切除の報告もさ
れているが,本例は適応基準を満たさず,また機能温存
希望がなかったことから両側とも摘除とした.若干の文
献的 察を加え,これを報告する.
セッション >
座長:宮澤 慶行(群馬大院・医・泌尿器科学)
ビ デ オ
8.当院における腹腔鏡トレーニングシステムに関して
∼研修医の視点から∼
岡 大祐,牧野 武朗,宮尾 武士
村 和道,悦永 徹,齋藤 佳隆
竹澤 豊,小林 幹男(伊勢崎市民病院)
当院では腹腔鏡手術を腎・前立腺を中心として施行し
ている.しかし,泌尿器腹腔鏡 野では若手医師や腹腔
鏡を始めたばかりの医師が系統だったトレーニングを行
うのに確立されたものは無い.当院ではドライボックス
を 用した結紮トレーニング等を行っている.今回,私
が泌尿器研修を行うにあたり,上級医とともにドライ
ボックスを 用した腹腔鏡トレーニングに参加し,評価
を行ったので報告する.
9.完全埋没型小径腎腫瘍に対する腹腔鏡下腎部 切除
術
宮尾 武士,村 和道,牧野 武朗
悦永 徹,齋藤 佳隆,竹澤 豊
小林 幹男 (伊勢崎市民病院)
繁田 正信
(呉医療センター中国癌センター)
完全埋没型小径腎腫瘍に対する腹腔鏡下腎部 切除術
を行った.症例は,60歳男性,近医通院中にエコーで左腎
腫 瘍 を 認 め 当 科 紹 介 受 診 し た. CTで 左 腎 中 部 に
10mm×11mm大の造影される腫瘤を認めた.左腎細胞癌
cT1aN0M0と診断し,平成 26年 1月 7日,腹腔鏡下左腎
部 切除術 (後腹膜アプローチ)を施行した.術中,ラパ
ロ用エコープローベを 用して腫瘍位置を同定した後に
部 切除した.手術時間は 3時間 50 ,出血量少量,温
阻血 47 であった.病理は clear cell carcinoma,pT1aで
あった.当日は,手術所見を動画にて供覧しつつ,若干の
文献 察を加えて報告する.
臨床的研究
10.当科で発見された多発性骨髄腫による腎障害症例の
検討
藤塚 雄司,田中 俊之,富澤 秀人
塩野 昭彦,町田 昌巳,牧野 武雄
柴山勝太郎( 立富岡 合病院 泌尿器科)
泌尿器科における日常診療において,腎障害を主訴に
受診される患者は少なくない.腎障害の原因となる疾患
を鑑別,正しく診断することは,治療に影響するととも
にその予後にも影響するため重要である. 今回我々は,
2011年から 2013年までの 3年間で,蛋白尿,腎機能低下
などを主訴に当科受診された症例のうち,原疾患が多発
性骨髄腫であった 6症例について,その臨床的特徴を検
討した.
症例は全て男性.年齢は 60から 76歳,中央値 68歳.
腎機能低下が 4例,蛋白尿が 3例, 血が 3例,浮腫が 2
例に認められた.アルブミン/グロブリン比 (A/G)異常
は 5例に,高 Ca血症は 5例に認めた.電気泳動は全 6例
施行し,M 蛋白を同定できた.その中から基礎疾患に糖
尿病があり腎不全 (Cr 8.32mg/dl)で紹介された症例,お
よび前立腺癌の加療開始後に 血 (Hb6.1g/dl),腎障害
(Cr 2.25mg/dl),高 Ca血症 (Ca 12.2mg/dl)をきたした
症例の 2症例を提示する.
腎障害の患者において, 蛋白とアルブミンの乖離,
すなわち A/G比の異常, 血,高 Ca血症がある場合に
は,多発性骨髄腫も鑑別にいれ精査をすることが重要で
あると思われた.
11.群馬大学における精巣腫瘍の疫学的変化について
西井 昌弘,中里 晴樹,大山 祐亮
冨田 介,宮澤 慶行,加藤 春雄
周東 孝浩,新井 誠二,新田 貴士
古谷 洋介,野村 昌 ,関根 芳岳
小池 秀和, 井 博,柴田 康博
伊藤 一人,鈴木 和浩
(群馬大院・医・泌尿器科学)
岡村 桂吾,真下 透 (善衆会病院)
【対 象】 1984年から 2013年まで群馬大学で加療した
精 巣 腫 瘍 337例.【方 法】 対 象 を 10年 ご と に 3群
(前期 1984-93年,中期 1994-2003年,後期 2004-2013年)
に け,症例数,年齢,組織型 (S:セミノーマ,NS:非セ
ミノーマ),転移の有無を検討した.【結 果】 前期と
比較し後期では,症例数は 91例から 137例に増加して
いた. 年齢は Sは 40.4歳から 39.9歳と不変であったが,
NSは 28.3歳から 33.4歳と上昇傾向を認めた.組織別で
は Sと NSとの割合に変化 (Sの割合が 59%から 54%)
261