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「伝統文化を楽しむ『平家物語』」

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Academic year: 2021

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第2学年 国語科学習指導案

1 単元

伝統文化を楽しむ「平家物語」

(東京書籍)

~『平家物語』を小学生に紹介するために、オリジナルのリーフレットを作ろう~

2 指導観

学習指導要領の国語科の改訂の趣旨として「古典に親しむ態度を育成する指導を重視する」こと

が示され、

「論点整理」の次期改訂の具体的方向性には「古典を学習する楽しさや学習する意義の実

感」の更なる充実、

「現代の文化・社会の在り方や日本人の生き方等にもつながる古典の学習」の充

実が求められると記載された。グローバル化する我が国において、今後ますます自国の伝統・文化

を理解し継承することの重要性が高まることを見据え、古典の学習の充実と古典に親しむ態度の育

成が強く求められているのである。本単元は、中学校学習指導要領国語科第2学年の「ア 伝統的

な言語文化に関する事項」の「(イ)古典に表れたものの見方や考え方に触れ、登場人物や作者の思

いなどを想像すること」の指導を、主として「C 読むこと」の「(1)エ 文章に表れているもの

の見方や考え方について、知識や体験と関連付けて自分の考えをもつこと」の指導を通して行うも

のとして設定している。学習を通して、古典に表れたものの見方や考え方について、これまでに身

に付けた知識や様々な体験と関連付けながら、自分の考えを形成する力を身に付けさせたい。

本単元で扱う『平家物語』は、我が国の代表的な軍記物語である。平安の末期、武士の家から身

を起こして太政大臣にまで昇った平清盛を中心として、平家一門の興亡の有様を描いている。教科

書に取り上げられている「那須与一」

「弓流」に表れた武士の価値観や生き方の中には、長い年月を

隔ててもなお現代と共通するものもあれば、大きく異なるものもあるため、生徒は共感したり、新

たなものの見方や考え方に気付かされたりすることが予想される。古典の文章の叙述に基づいて武

士の価値観や生き方を捉えた上で、その価値観や生き方について、自分の知識や体験と関連付けて

自分の考えをもつことは、現代に生きる自分のものの見方や考え方を広げたり深めたりすること、

さらには自国の文化を理解し継承することにつながり、大変意義深いと考える。

意識調査を実施したところ、古典の学習に楽しさを感じる生徒は全体の 57%と半数以上であった。

それらの生徒に対し「どこに楽しさを感じるか(複数回答可)

」と問うたところ、多くは音読、朗読、

暗唱と回答し、昔の人のものの見方や考え方を捉えたり、昔と今を比較したりすることを挙げた生

徒は 10%程度であった。これまでに生徒は、第1学年において、

『竹取物語』と故事成語(矛盾)の

学習を通して、歴史的仮名遣いなどの文語のきまりや、漢文の訓読の仕方などを学んでいる。また、

第2学年において、随筆作品である『枕草子』、『徒然草』を読み、そこに表れた筆者の自然や人間

についてのものの見方や考え方を捉え、それについて自分の考えをもつ学習を行っている。その学

習を通して、自分のものの見方や考え方と比較しながら古典を読むことに楽しさを感じる生徒がい

る一方で、その内容、登場人物の心情や書き手の思い、そこに表れたものの見方や考え方を叙述に

基づいて捉えることや、自分の知識や体験と関連付けることに難しさを感じる生徒も多く見られた。

したがって、本単元の学習においては、古典の内容や登場人物の思い、そこに表れたものの見方や

考え方を捉えたり、それについて考えたりする必然性が生まれる活動を位置付ける必要がある。ま

(2)

解釈、自分の考えの形成を確かなものにしていく必要がある。

そこで、本単元の指導に当たっては、まず『平家物語』の冒頭、「那須与一」「弓流」を読み、小

学校6年生に紹介するためのリーフレットを作成するという言語活動を設定し、生徒に読む目的と

学習の見通しをもたせる。また、このリーフレットは、単元の終末に作成させるのではなく、1単

位時間の学習を振り返って少しずつ作成させていくものとする。そうすることで、完成に向かう達

成感を味わわせるとともに、学習過程を振り返り、時代的背景や作品の概要等と結び付けたり、あ

らすじを確認したりしながら、登場人物の思い、武士の価値観や生き方を捉え、さらに自分の考え

をもたせることができると考える。次に、古典の登場人物の思い、ものの見方や考え方を様々な叙

述に基づいて捉え、知識や体験と関連付けて自分の考えをもつことができるようにするために、個

人で考え、ペア、グループ、全体で交流し、自分が考えたことを見直す場面を設ける。その際、自

分が考えたことを表出し、他者と比較して付加・修正することができるようにするために、付箋紙

を準備して自分が考えたことを記入し、それを模造紙やボード上で操作しながら交流することがで

きるようにする。また、「那須与一」

「弓流」には、中心人物である那須与一だけではなく、その姿

を見守る源氏や平家の武士たちの様子も描かれており、それぞれの思いを相互に結び付けることで

武士の価値観や生き方に迫ることができる。そこで、分担課題を設定し、自分が担当した登場人物

の思いを叙述に基づいて捉え、さらにそれを他者と伝え合わせるようにする。最後に、作成したリ

ーフレットを用いて互いの考えを伝え合わせる。その際、着目したものの見方や考え方に基づいて

教師が意図的にグループを編成することで、古典に表れたものの見方や考え方についての自分の考

えを広げたり深めたりすることができるようにする。また、リーフレットを使って単元の学習の振

り返りを行い、初発の感想からの変容を実感し、今後の古典の学習について考えることができるよ

うにする。

3 単元の目標

○ 作品のあらましや武士としての生き方・価値観に興味や関心をもち、他者との交流やリーフ

レットの作成に取り組んでいる。 (関心・意欲・態度)

○ 那須与一や周囲の人々の思い、武士の価値観や生き方を叙述に基づいて捉えることができる。

(読むこと①)

○ 那須与一や周囲の人々の思い、武士の価値観や生き方について、これまでに身につけてきた

知識や様々な体験と関連付けて、自分の考えをもつことができる。 (読むこと②)

○ 助詞をつけない表現や、七五調、対句、擬音語など表現の特徴に注意して朗読することがで

きる。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項)

(3)

4 単元計画(7時間)

次 時 主な学習活動・内容 指導上の留意点 評価規準・方法 第 一 次 ( つ か む ) 1 ① 1.学習の見通しをもつ。 ・表現物 ・交流活動 2.『平家物語』について知る。 ・成立時代 ・概要 3.『平家物語』冒頭を音読し、意味を理 解する。 ・『平家物語』冒頭 4.リーフレットに記入する。 ・作品について ・時代的背景 ○ 学習の見通しをもたせ、どのような 視点から読めばよいかをつかませるた めに、体験入学に来る小学校6年生に、 中学校で学習する『平家物語』を紹介 するオリジナルのリーフレットを作る という活動について説明し、小学校で の古典の学習を振り返らせる。 ◆『平家物語』の概要について、 ペアで伝え合ったことを基 にしてリーフレットの作成 に取り組んでいる。 《記述分析》関心・意欲・態度 ◆表現の特徴に注意して音読 することができる。 《様相観察》言語事項 2 ① 1.「那須与一」までの現代文を読み、場 面設定をつかむ。 ・場所、時 ・与一の行動 2.「那須与一」「弓流」を読んであらすじ をつかみ、初発の感想を交流する。 (個人→全体) ・印象に残ったところ、理由 3.リーフレットに記入する。 ・あらすじ ・初発の感想 ○ 単元の最後の自分の考えと比較でき るようにするために、「那須与一」「弓 流」のどの部分に関する感想かを明ら かにして書かせるようにする。 〇 次時以降の読みの視点をつくるため に、模造紙に付箋紙を貼りながら初発 の感想を伝え合い、似ているものをま とめて小見出しをつけ、それを全体で 交流する活動を仕組む。 ◆印象に残ったところとその 理由を書いている。 《記述分析》読むこと① ◆初発の感想を他者と交流し てリーフレットにまとめて いる。 《様相観察》関心・意欲・態度 第 二 次 ( つ く る ) 1 ① 1.原文を音読、朗読する。 ・歴史的仮名遣い ・表現の特徴 2.登場人物の思いが伝わってくる叙述に 線を引く。(ワークシート) 分担課題 A 那須与一 B 源氏の武士(与一以外) C 平家の武士 3.叙述から捉えた登場人物の思いを付箋 紙に記入する。 ( 個 人 → A 、 B 、 C の 各 グ ル ー プ ) 4.リーフレットに記入する。 ・登場人物の思い ○ 様々な叙述に着目して武士の価値観 や生き方に迫ることができるようにす るために、課題を分担して取り組ませ る。 ○ 根拠となる叙述を明らかにし、個人 で気付いたことや考えたことと、交流 を通して気付いたことや考えたことを 整理することができるようにするため に、①本文、②個人の気付きや考えを 書く部分(鉛筆)、③交流を踏まえた気 付きや考えを書く部分(青ペン)の三 つを含むワークシートを用いる。 ○ 異なるグループの生徒と交流する際 に自分が考えたことを表出し、互いが 捉えた登場人物の思いを比較しやすく するために、登場人物の思いを分担課 題ごとに色分けした付箋紙に記入し、 ワークシートに貼らせる。 ○ 異なるグループの生徒に説明できる ようにさせるために、整理しながらリ ーフレットにまとめさせる場を設定す る。 ◆表現の特徴に注意して朗読 することができる。 《様相観察》言語事項 ◆根拠となる叙述を抜き出す ことができる。 《記述分析》読むこと① ◆叙述を基に、登場人物の思い を捉えている。 《記述分析》読むこと① ◆グループでの交流を踏まえ、 登場人物の思いをリーフレ ットに記入している。 《記述分析》関心・意欲・態度 2 ① 1.ワークシート、付箋紙を用いて、自分 が担当した登場人物の思いを説明する。 (A、B、Cから1人ずつが集まった3 人のグループ) ・根拠となる叙述 ・登場人物の思い 2.付箋紙をボード上でグループ分けし、 小見出しを付ける。 小見出しの例 ○ 武士として…することが大切。 ○ …という覚悟をもっている。 ○ …することはできない。 など ○ 自分の考えを表出しやすくするため に、付箋紙を用いて交流させる。 ○ 根拠となる叙述を明らかにするた め、ワークシートの本文を指し示しな がら交流させる。 ○ 登場人物の思いの共通点や相違点に 気付かせ、古典に表れた武士の価値観 や生き方を捉えさせるために、付箋紙 をボード上で操作しながら交流する活 動を仕組む。 ◆登場人物の思いを交流する ことを通して、武士の価値観 や生き方を捉えようとして いる。 《様相分析》関心・意欲・態度 ◆登場人物の思いから、武士の 価値観や生き方を捉えるこ とができている。 《記述分析》読むこと①

(4)

5 本時

平成28年11月9日(水曜日) 第1校時(5/7) 於 多目的ホール

○ 本時の主眼

「那須与一」

「弓流」の叙述に基づいて、武士の生き方や価値観を捉えることができる。

○ 準備

・教科書 ・リーフレットの用紙(A3) ・ワークシート

○ 評価規準

・グループでの交流を基に、武士の価値観や生き方をリーフレットにまとめている。

(関心・意欲・態度)

「那須与一」

「弓流」に表れた武士の価値観や生き方を捉えることができる。 (読むこと①)

3.根拠となる叙述と捉えた武士の価値観 や生き方をワークシートに整理する。 ・根拠となる叙述(線を引く) ・武士の価値観や生き方(鉛筆) ○ 根拠となる叙述を明らかにし、A、 B、Cから1人ずつが集まったグルー プで気付いたことや考えたことと、同 じ分担課題のグループでの交流や全体 交流を通して気付いたことや考えたこ とを整理することができるようにする ために、①本文、②第4時の気付きや 考えを書く部分(鉛筆)、③第5時の気 付きや考えを書く部分(青ペン)の三 つを含むワークシートを用いる。 3 ① 1.第3時のグループに戻り、文章から捉 えた武士の価値観や生き方を伝え合い、 付加・修正を行う。 ・根拠となる叙述(線を引く) ・武士の価値観や生き方(青ペン) 2.全体で交流して、付加・修正する。 ・根拠となる叙述(線を引く) ・武士の価値観や生き方(青ペン) 3.リーフレットに記入する。 ○ 他者との交流を基に、文章から様々 な武士の価値観や生き方を捉えること ができるようにするために、交流の仕 方について説明する。 ○ グループ、全体での交流の内容を振 り返り、次時の活動へとつなげること ができるようにするために、個人でリ ーフレットにまとめる時間を十分に確 保する。 ◆叙述に基づいて、文章に表れ た武士の生き方や価値観を 捉えることができている。 《記述分析》読むこと① ◆グループでの交流を基に、武 士の価値観や生き方をリー フレットにまとめている。 《記述分析》関心・意欲・態度 第 三 次 ( 深 め る ) 1 ① 1.武士の価値観や生き方について考え、 ワークシートに記入する。 ・一番印象に残ったもの ・理由(自分の知識や体験) 2.互いの考えを交流し、自分の考えを見 直す。 3.リーフレットに記入する。 ・武士の価値観や生き方につ いての自分の考え ○ 交流を通して自分の考えを見直すこ とができるようにするために、ワーク シートをグループで回覧する場を設定 するとともに、自分の知識や体験と結 びつけることができているかという点 を中心として「なるほどと思ったとこ ろ」「書きなおした方がいいところ」 を青ペンで書き込み合わせる。 ◆武士の価値観や生き方につ いて、知識や体験と関連付け て、自分の考えをもつことが できている。 《記述分析》読むこと② ◆グループでの交流を基に、自 分の考えを見直してまとめ ようとしている。 《様相観察》関心・意欲・態度 2 ① 1.リーフレットを用いて、それぞれの考 えを交流する。 ・武士の価値観や生き方についての自分 の考え 2.リーフレットを仕上げる。 3.単元の学習を振り返る。 ・初発の感想からの変容 ・今後の古典の学習に向けて ○ 古典に表れたものの見方や考え方に ついての自分の考えを広げたり深めた りできるようにするために、着目した 部分をもとに教師が意図的にグループ を編成する。 ○ 他者と交流しながら、叙述に着目し たり、自分と関連付けたりして読んだ ことにより、自分の考えが変容したこ とに気付かせるために、自分が作成し たリーフレットを読んで単元の学習を 振り返らせる。 ◆他者との交流を通して、武士 の価値観や生き方について の自分の考えを広げたり深 めたりしている。 《記述分析》読むこと② ◆リーフレットの記述を読み、 初発の感想からの変容に気 付き、まとめている。 《記述分析》関心・意欲・態度 本 時 5 / 7

(5)

【第5時】

(5/7)

〇主眼

「那須与一」や「弓流」の叙述に基づいて、武士の生き方や価値観を捉えることができる。

〇展開

学習活動・内容 形 態 指導上の留意点 評価 配 時 導 入 展 開 ま と め 1 学習の見通しをもつ。 (1) 暗唱する。 ・『平家物語』冒頭 (2) めあてを確認する。 ・単元のめあて ・本時のめあて 2 叙述に基づいて、武士の価値観や生き方 を捉える。 (1) 交流の仕方を確認する。 ・発言のルール ・交流の視点 (2) グループ(第3時と同じ)で交流し、 付加・修正する。 ・根拠となる叙述 ・武士の価値観や生き方 (3) 全体で交流し、付加・修正する。 ・根拠となる叙述 ・武士の価値観や生き方 3 「那須与一」「弓流」に表れた武士の価値 観や生き方をリーフレットにまとめる。 ・根拠となる叙述 ・武士の価値観や生き方 4 次時の学習について確認する。 全 全 グループ 全 個 グループ 個 全 ○ 古典特有のリズムを味わいながら 暗唱することができるようにするた めに、全体・ペア・個人と形態を変え ながらテンポよく読ませる。 ○ 他者との交流を基に、文章から様々 な武士の価値観や生き方を捉えるこ とができるようにするために、交流の 仕方について説明する。 ○ 根拠となる叙述を明らかにし、A、 B、Cから1人ずつが集まったグルー プで気付いたことや考えたことと、同 じ分担課題のグループでの交流や全 体での交流を通して気付いたことや 考えたことを整理することができる ようにするために、①本文、②第4時 の気付きや考えを書く部分(鉛筆)、 ③第5時の気付きや考えを書く部分 (青ペン)の三つを含むワークシート を用いる。 ○ 「那須与一」「弓流」に表れた様々 な武士の価値観や生き方に気付き、付 加・修正することができるようにする ために、抽出したグループに全体の前 で発表させる。 ○ グループ、全体での交流の内容を振 り返り、次時の活動へとつなげること ができるようにするために、個人でリ ーフレットにまとめさせる。 ○ ○ 関心・意欲・態度

読むこと①

3 35 (5) (20) (10) 10 2

「那須与一」「弓流」に表れた武士の価値観や生き方を捉えよう。

叙述→武士の価値観や生き方 ・「射損ねれば、長く味方の不名誉となりましょう。」 ・しかし、義経の命令に背くことは許されず ・陸には源氏、くつばみを並べてこれを見る。 ・与一、目をふさいで、「南無八幡大菩薩……この矢外させたまふな。」 ・「御定ぞ、つかまつれ。」 →主従関係が絶対で、命令に逆らうことはできず、名誉をまもるために命を懸ける覚悟をもっている。 ・沖には平家、舟端をたたいて感じたり。 ・陸には源氏、箙をたたいてどよめきけり。 ・あまりのおもしろさに、感に堪へざるにや……舞ひしめたり。 →敵味方関係なく、武芸の優れたものへの賞賛を惜しまない。 ・平家の方には音もせず。 ・「情けなし。」と言ふ者もあり。 →戦いの場ではあっても、情けはもつべきだ。

(6)

参照

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