センターから
岡山大学環境管理センターで
環:境マネジメントシステムISOI4001を認証取得
岡山大学環境管理センター加瀬野 悟
地球環境問題をはじめとする最近の環境問題においては,その問題の原因を特定の主体に特定すること は困難で,ありとあらゆる活動が原因となっており,このような問題の解決には,自らの行動が及ぼす影 響に気づき,自主的に環境に配慮した行動をとることが必要であり,組織に対して,その活動が生み出す 環境への負荷をあらゆる段階で削減することが求められている。 岡山大学環境管理センターでは,平成12年度教育研究特別経費により,「岡山大学における環境マネジ メントシステム形成に関する基礎的研究」(研究代表者:河原長美センター長)を行った。そして,この 研究によって得た知見を研究成果報告書「岡山大学における環境負荷の現状と環境マネジメントシステム の構築」にまとめた。これらの検討結果から,岡山大学の諸活動による環境負荷発生量がかなり大きいこ と,それらによる環境影響も決して小さなものでないことが明らかになってきた。ちなみに,岡山大学の 教育,研究,医療などの諸活動では,光熱水量費,廃棄物処理費などの費用が年間12億円程度支出されて おり,このことからも環境負荷の大きさが推察できよう。これらのことを岡山大学の構成員に周知しても らうために,パンフレット「岡山大学におけり環境マネジメントー自然と人問の共生をめざして一」を作 成し,全教職員に配布した(平成14年1月)。岡山大学の諸活動による環境負荷や環境影響を低減するに は,現在の岡山大学の体制,システムのままでの対策では大幅な低減は期待できず,岡山大学が組織とし て環境を重視する姿勢を示し,これに取り組んでいく必要を唱えた。 現在,自らの産み出す環境に対する影響や環境負荷を自主的かつ計画的に削減していくための手法とし て,環境マネジメントシステムが注目されており,多くの企業等で実施されている。既にいくつかの大学 においても,環境マネジメントシステムの国際規格ISOI4001の認証取得が行われている。大学における環 境マネジメントシステムの構築は,大学の活動による環境負荷低減に加えて,省エネなどコスト削減も期 待できる。また,学生に対して多大な教育効果が得られるものと考えられる。学生が自ら環境マネジメン トを実践することによって,学生の環境に対する意識が向上し,環境意識を身につけた学生を社会へと送 りだすことにもなる。さらに,環境マネジメントシステムを構築,運用しながら,さらによりよいマネジ メント方法を開発する研究することも期待でき,その研究成果を社会へ還元することも可能である。 以上のような状況から,環境管理センターに環境マネジメントシステムを導入・運用することが,平成 14年1月15日に開催された環境管理センター運営委員会で了承された。これを受け,センター長が,平成 14年2月27日,環境管理センターの環境マネジメントシステムの構築とISOI4001の認証取得を目指すこと を宣言する環境マネジメントシステム構築説明会(キックオフ)を開催した。 その後,環境影響の抽出などの初期レビュー,環境マニュアル等の作成・整備などの環境マネジメント システムの構築の作業を進めた。また,教育改善推進費(学長裁量経費)(2,000千円)により,ISO14001 認証取得の予算化の目処もたった。平成14年10月18日にセンター長による「岡山大学環境管理センター環 境方針」を発表し,環境管理センター環境マネジメントシステムの本格的な運用を開始した。 そして,平成15年3月14日に日本化学キューエイによる実地審査が行われ,3月24日にISO 14001を認証 取得した。 環境管理センターの環境マネジメントシステムは,省エネ,省資源,廃棄物削減,化学物質管理の徹底 一43一といった環境負荷を与えているマイナス面の改善に加えて,大学の特色である環境に関する教育,啓蒙活 動,研究開発の推進というプラス面に重点を置くことにより,企業とは異なる大学の特徴を生かしたシス テムとなっている。 環境管理センターの環境マネジメントシステムの構築,運用が,岡山大学における環境マネジメントシ ステムの基礎となり,全学的なシステム及び環境マネジメント体制の充実につながっていくものと考えて いる。 ●環境管理センター環境マネジメトシステム 活動内容 環境管理センターで行う業務及び教育研究活動 構成員.環境管理センター専任の教職員 サイ ト:岡山大学環境管理センター 平成14年2月27日 平成14年10月18日 平成14年10月25日 平成15年1月28日 平成15年2月14日 平成15年3月14日 平成15年3月24日 環境マネジメントシステム構築説明会(キックオフ) 「岡山大学環境管理センター環境方針」の発表 「環境マネジメントマニュアル第1版」の発行,運用開始 日本化学キューエイによる事前訪問調査の実施 「環境マネジメントマニュアル第2版」の改訂 日本化学キューエイによる実地審査 ISOI4001認証登録 岡山大学環境管理センター環境方針 理 念 岡山大学環境管理センターは,21世紀の人間の生存の保証は「自然と人間との共生」しかないとの 認識のもと,環境管理センターのあらゆる活動が環境と調和がとれるよう配慮する。 センター内のすべての教職員は,協力して環境の保全と改善に努め,21世紀の社会の持続可能な発 展に貢献する。 方 針 (1)環境管理センターの活動が環境に与える側面を常に認識して環境汚染を防止し,省資源・省エネ ルギー・廃棄物の適正処理・廃棄物削減・化学物質安全管理に取り組むことにより環境負荷低減を 推進する。 (2)環境管理センターの全ての活動に適用される環境関連の法律,規制,学内規則などを遵守し, さらに環境負荷低減を推進するための自主基準を設け,これを遵守する。 (3)岡山大学の教育研究活動が環境に及ぼす要因を認識し,岡山大学の教職員および学生に対する環 境に関する教育,啓発活動を積極的に展開する。 (4)環境保全にかかわる新技術の研究開発を積極的に推進する。 (5)教育研究活動および公開講演平等を通じ,岡山大学外への環境分野での貢献および啓発活動に努 める。 (6)この環境方針達成のために環境目的・目標を設定し,環境管理センターのすべての教職員をあげ てこれらの目的・目標の達成を図る。 (7)環境監査を実施して,環境マネジメントシステムを定期的に見直し,継続的改善を図る。 (8)この環境方針は文書化し,環境管理センターのすべての教職員に周知するとともに,大学内外の 全ての人にも文書またはインターネットを用いて開示する。 2002年10月18日 岡山大学環境管理センター センター長 河原 長美 一44一