垂直ハード磁気ディスク装置を用いる超大容量スト
レージシステムの研究
著者
中村 慶久
垂直ハード磁気ディスク装置を用いる
超大容量ストレージシステムの研究
課題番号:09355012
平成9年度∼平成11年度
科学研究補助金(基盤研究(A) (2) )
研 究 成 果 報 告 書
平成12年3月
研究代表者 中村慶久
(東北大学・電気通信研究所・教授)
究課題名∴垂直ハード磁気ディスク装置を用いる超大容量ストレージシステムの研究 課題番号:09355012
研究期間:平成9年度∼平成11年度
研究種目名:科学研究補助金(基盤研究(A) (2)) 研究組織:研究代表者:中村 慶久(電気通信研究所・教授)
研究分担者:杉田 憤 (電気通信研究所・教授)研究分担者:村岡 裕明(電気通信研究所・助教授)
研究分担者:島津武仁(電気通信研究所・助手) (平成10年度∼平成11年度I※
研究分担者:丹 健二 (電気通信研究所・助手) (平成9年度1※ ※異動による研究経費
平成9年度 平成10年度 平成11年度 計 23,600千円 5,300千円 3,400千円 32,300千円研 究 成 果 (
はじめに
ネットワークの急速な普及と音声や動画などの情報など膨大なマルチメディア情報
を取り扱う大規模情報ストレージの大容量化が同時に進行してい る。この高度情報化社会
において、様々なインフラストラクチャの確立が緊急の課題になっている。このためには
演算と伝送、それに加えて情報蓄積の情報処理3要素のバランスの取れた発展が不可欠で
ある。情報蓄積の主体となるのがハードディスク装置である。強い 高密度化の要請を背景
に、その面記録密度は年率1 0 0%の急速な進歩が続いている。しかし最近になって、高
記録密度化の限界が現れ始めており、ネットワーク上でマルチメディア情報処理を破綻な
く発展させる上での懸念材料になりつつある。垂直磁気記録は新しい原理に基づく記録方式で、従来方式の限界を打破して記録密
度とデータ転送速度を飛躍的に向上させるポテンシャルがある。本研究課題は垂直磁気記
録技術をハードディスク装置に適用して、システム的な性能改善を行う ための研究である。
特に、本課題では高密度性と高速性の実現が目標であり、これを達成するためにヘッド
ディスク系に対して、高密度性に加えて、低インダクタンスヘッドによる高速化並びに高
線密度化による高速転送化を検討した上で、磁気ヘッドからの再生信号を 取り扱う信号処
理技術などを実験し、これをシステム的に構築してエラーレート特性などのデジタル性能
に関する研究を行った。研究のアプローチは以下の通りである。まず、高密度ヘッドディスク系の研究を行
い、大容量ストレージデバイスとしての完成度 を高めた。具体的には、磁気ヘッドについ
ては、薄膜導体で励磁する高効率高感度垂直ヘッド(単磁極ヘッド)について浮上スライ
ダに搭載した現実的なデバイス試作に成功し、優れた高密度記録特性と高周波 特性を達成
した。また、ヘッドディスク系の出力をデジタル 化する高速変復調信号系に関するシステ
ム的な研究においても、等化器の試作と実u;Ⅰを用いたヘッド再生信号を復調した高速デ
ジタルデータについてエラーレートなどの信号品質評価を行った。すなわち、試作単磁極
ヘッドに対応できるデュアルステージスピンスタンドに対して、実用性の高いPRML方式
によるビットエラーアナライザを立ち上げ、高密度記録領域でのエラーレートのデータを
得た。また、ヘッドディスク系のデバイス面でも更なる高性能化を図るために、これまで
明らかにできていない一部の垂直磁気記録の記録再生理論についても検討を深め、体 系的な学理を確立した。最後に、スーパーコンピュータを駆使した3次元シミュレーションに
よる超高面密度記録についての検証を行い、垂直磁気記録の高いポテンシャルを示した。
以下に本研究において得られた成果の要点を述べる。なお、詳細については、本報
告に添付した発表論文の別刷を参照されたい。
ー1-1.磁気ヘッドの研究 1.1広帯域浮上型単磁極ヘッドの試作 マルチメディアに代表される最近の高品 SJkJer 質動画情報ストレージなどの応用では、高密度 記録に加えて、高速転送レート化が必須で、動 作周波数は100MHzを越えて200MHzに達する。
垂直磁気記録では高い線記録密度が実現で
きるので、本来高転送レート化にも適した記録 方式であると言える。しかし、このためにはヘッ ド・ディスク系を高周波に適したものとしておくこ Main とが前提である。この要求に応えるため高分解 能単磁極ヘッドを実用性の高い浮上スライダに 実装し、高感度かつ低インダクタンスの垂直磁 気記録用記録ヘッドを試作した。本ヘッドは基 本構造から本研究において開発された独自構 pore Retumpa机 図1_1_1薄膜リターンを有する薄膜導体励磁型単 磁極へ、ソドの妬臨櫨冶 進を有する。 単磁極ヘッドはコイルで励磁された主磁極から 発生する記録磁束が記録層を垂直に貫いて情報を記録するが、この記録磁束は記録層裏面の軟磁性薄膜
(裏打ち層)を流れて、磁束の帰路に相当するリターン パスを経由して戻る。このような動作から、単磁極ヘッ ドは長芋磁界ベクトル成分が少なく、しかも急峻な磁 界勾配を持つ垂直記録磁界を発生できる。しかし記録 感度等の性能に優れた単磁極ヘッドには、高透磁率と高飽和磁束密度、低磁歪などの優れた軟磁気特性
を持つ主磁極と、これを効率よく励磁するコイルに加 えて、低磁気抵抗のリターンパスが必要である。 本ヘッドの概略構造を図1-1-1に示す。リターン パスに3pm厚のCoZrNbアモルファス膜を用い、主磁 極はcozrNbアモルファス膜として、十分な記録磁界 を発生させるために厚さは400nmとやや厚めにした。 導体層は密着性を向上させるためにcrで挟んだcuで、 この積層膜の全厚は200mm、絶縁層はsiO2膜で第 1層が300mmである以外は十分な絶縁を保つために -2-図1_1_2プロセスが完了した本試作ヘッド 図1_1_3浮上スライダに搭載した試作 ヘッドの外観500nmとしている。
本ヘッドは記録専用で
あり、再生用にはMRヘッドを 用いることを前提とする。試作 したヘッドのリソグラフイ完了 時点でのウェハ面から見た構 造写真を図1-1-2に、スライダ 加工プロセスおよびABS面の 浮上面加工が終了してジンパ ルに取り付けられた浮上スライ ダの写真を図1_1-3に示す。 本ヘッドの評価に当たり、 先ずその電気特性を調べた。 (Hu)缶u葛nPUI 0.I Frquency (QHz) I 図1-14本試作ヘッドのインダクタンスの周波数特性 本単磁極ヘッドは巻線数が少ないこと と単磁極ヘッドであるためにコイルが 周回するコア断面積が極めて小さい。 この結果、インダクタンスは極めて小さいと予測された。また、実動作状態で
は二層膜記録媒体の軟磁性裏打ち層
のためにインダクタンスが変化する可 能性もある。高精度のインダクタンス測 定を試みた結果を図1-1-4に示してい るが、インダクタンスはほぼlnHと極め て小さい値であることが示された。また、 このインダクタンスはヘッド磁極を飽和 させて状態でも低下量が小さい。これ Ej Ej m 叫 てNJJ)亨葛m王 20 40 CO や 100 120Wb qmt (hu
図1-1-5 本試作単磁極ヘッドの飽和特性。 は磁性体によるインダクタンス寄与はまだ小さく、本ヘッドのインダクタンスはボンディングパッドに 至るリードパターンの影響の方が大きいことを意味している。これは同時に、今後巻線数増加など の記録起磁力の増加を行っても低インダクタンス性を保つことが可能なことを示唆している。さらに、 記録媒体を近接させた場合でもインダクタンスの増加量は小さいので、実動作状態でも低インダク タンス性が保たれていると言える。ただし詳細には、記録媒体を組み合わせた際に1GHz付近の 周波数でわずかなインダクタンスのディップが認められる。媒体の裏打ち層は金属磁性膜を使っ ておりヘッド磁束は面内に直交して侵入する。このための渦電流損失など、高周波動作に対する 材料的な制約の可能性もあると考えている。 図1_1_5には、本ヘッドとcoCtTa/CoZrNb二層膜媒体を組み合わせて測定した飽和特性を-3-長芋記録の一例とともに示す。長芋 記録とほぼ同等の30mAと極めて小
さい記録電流で再生出力が飽和し、
オーバーライトについても-30dB以下に達することを確認しており、媒
体を飽和磁化できることが示された。 本ヘッドではコイル巻き数が2ターン であることを考慮すると起磁力換算での記録感度は極めて高い高効率
ヘッドであると言える。 周1_1_6に記録密度特性を示 す。 D5。はltg5kFRPIであり、ここでの長芋記録に比べて優れた値を示し
た。また、ここでの測定全記録密度
額域で長芋記録の再生出力を上
回っており、長芋記録では必須で
ある再生ヘッドの高感度性を援和
できる利点がある。なお、再生出力波形を長芋記録と同等にするため
の微分等化処理を行った後の記録 密度特性はそのD5。が260kFRPIと 極めて大きな値を示す。また、最近の高面密度ヘッド
ディスクに重要なトラック端分解能 について、そのオフトラックオー バーライト時のトラックプロファイル を測定することで評価を行った。測 (a.d^∈)tndpopeqp.dLLrV 冊 Ej Ej 50 1 00 1 50 200 250 300 350 400 Linear den8秒(kFRPl) 図1_1_6 MRヘッドと組み合わせた際の、試作単磁極型記録 ヘッドの記録密度特性 (gp)La^a〓ndlnO -10Perpendicular doublか1ayered medium
Readtyp: 3・1 pm Write: 5.1 pm T川n f"m single-po一e head SIIur.. 3.3 JLm Optimum 100 kFRP1 25 nm Overwritten ll --0.5 -0.4 -0.3 -0.2 -0.1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 Off-track displacement (pm) 図1-1-7試作ヘッドのイレ-ズバンドの測定 定結果を図1-1-7に示すが、記録し たトラック幅は低密度では記録主磁極幅に等しく、記録にじみはサブサブミクロンq)分解能でも観 測されず、非常に小さい。さらに、狭トラック幅においても長芋記録でしばしば見られる記録トラック 幅の縮小が認められていない。さらに隣接トラック間で生じるイレ-ズバンドも25nmと従来方式の 数分の1以下であった。これらの結果は高いトラック密度を達成するために有利な性質である。 1.2単磁極ヘッドの高感度設証 さらに、この薄膜導体励磁型単磁極ヘッドをより高感度化・高磁界強度化するために、ヘッド
-4-構造因子の最適化に関するシミュ レーション解析も行った‥薄膜 1000 ( 導体励磁型の単磁極ヘッド構造 月
51 800
〉く cd についてリターンボール厚さやリ崇認諾雷雲慧芸鼻600
度との依存性を調べた。 図1_2_1に、リターンボール厚さが記録磁界強度に与える影
響を計算した結果を示す。 (図中、・main pole-と-retum path-はそれぞ
れの磁極直下の磁界強度である
ことを示す。 )現状の試作ヘッドの リターンボール厚さは3LAmである が、 lpn程度まで薄膜化しても磁界強度の低下は認められない。
従って、現状のマージ型MRヘッドのシールドの厚さがあれば十
分であり、単磁極ヘッドとのマージ化の際には現行再生ヘッドが
基本的には使用できることを示唆 している。 また、図1_2_2に示すように、 主磁極とリターンボール間隔を現 状の1.9Llmから4.9Llmまで大きく しても、記録感度,磁界強度とも にほとんど変化しない。これらは現状の薄膜導体励磁型単磁極
望oi 400
.日豊200
図1_2-1リターンボール厚さの違いによるヘッド磁界の記録起磁 力依存性。 (記録感度) 800 (8 600
iコ!■Ji さく cc邑400
EE] 200 図1_2_2主磁極とリターンボール間隔に対するヘッド磁界強 度の記録起磁力依存性 ヘッドの磁路構成において、リ ターンボールの磁気抵抗は相対的に小さいことと主磁極とリターンポール間での磁束漏洩も小さ いことを意味している。従って、記録感度の改善には磁路の全磁気抵抗に対して影響の大きい主 磁極と裏打ち層間の距離を短縮するのが効果的と推定される。またこれからの記録媒体の高保磁 力化に対して、単磁極ヘッドの記録磁界強度の改善は必須である。現状ではcozrNbアモルファ ス膜を主磁極に用いているために、飽和磁束密度は12kG程度である。最近のFe系の軟磁性材料 には20kG近い高飽和磁束密度が期待されるものがあるので、ヘッド主磁極と裏打ち層の高飽和-5-磁束密度化によるヘッド磁界強度
の改善効果を計算したところ、図
1-2-3に示すように、これらの軟磁性材料の高飽和磁束密度化はヘッド
磁界を大きくするのに効果があるこ とが示された。 1.3垂直磁気記録の再生滅磁に対 する単磁極ヘッドの影響 100Gbpsi、即ち0.065ドm2の超 小ビット面積を目指した議論ではしばしば熱磁気緩和現象による記録
ビットの熱安定性や高周波印加磁
(oo)xeF^H
0 100 図1-2-3主磁極と裏打ち層の飽和磁束密度に対する磁界 強度の変化 界下での保磁力の増大が議論され るようになってきた。現在の微粒子型の媒 体設計では十分なsN比を確保するには、 1ビット当たり1000個程度の粒子数が必要 なことが知られており、この条件を超高密 度で満たすには粒子直径を10mm程度以 下とすることが求められ、長芋記録媒体 の厚み制約では粒子体積が極めて小さく なるからである。そこで、垂直二層膜媒体を用いた垂直磁気記録における熟磁気
媛和について、シミュレーションと測定を 通じて調べた。垂直磁気記録では、磁化 モードの性質自体では記録分解能を規定 せず、 50mm∼ 100mm程度の厚みの垂直媒体でも高い記録再生分解能を示し、相
対的に厚い媒体が使用可能である。これは媒体の微粒子サイズを厚さ方向に大き
くできて粒子体積をある程度確保できるこ とであり、この意味で熟緩和には有利である。昨年度にはこの垂直磁気記録の熱磁
気緩和について、実敦とシミュレーションから高密度ほど減磁量は少ないこと、及
9 0. 1ndlnOPON!rt2uLION 100 101 102 1 03 Time (seconds) 104 105 図1- 3- 1記録用単磁極ヘッドの有無による再生電圧 の経時変化の違い ▼一一■ ● -● D○ns吋三110kFRPl Head:BulkSPT(read/wdte) ●:Hkコ4.00○ ○:Hk壬14.80e M○da:eME50nm(doubr○Iayer) ___一日■ 103 104 ¶mo (so00n由) 図11 3- 2単磁極ヘッドの主磁極膜の異方性磁界Hkに 対する再生電圧の経時変化の依存性-6-び媒体の粒子サイズ分散が大きな影響を 与えること、などを指摘した。しかしこの熱 磁気緩和による減磁量の測定は数%の精
度の議論であり、単磁極ヘッド自体が再
生減磁に与える影響も明らかにしておく
必要があったので、測定を行なった。 まず、単磁極ヘッドの影響を分離するために、書き込みを行なった後も接触
型のバルク単磁極ヘッドをロードしたままの測定と、書き込み後に単磁極ヘッドを
アンロードする場合とを比較した。この結 果を図1_3.1に示す。記録電流を印加していない状態の書き込み用単磁極ヘッ
ドが減磁を助長していることを示唆す る結果となった。この原因としては、主磁極の磁区構造が不安定で再生中
に磁壁が不規則に移動してこれが裏
打ち層との結合から主磁極直下のメ
ディア記録磁化に影響を与えることと、あるいは浮遊外部磁界をヘッドが集
束してわずかな滅磁を引き起こすこと、 などが考えられる。後者についてはコ イルをヘッド付近に配置して磁界を印加し出力減衰が改善される点を探し
たが、浮遊磁界がキャンセルされる様 pdpopqpwN o・ o o 1 .95 0.9 .88 0.8 1 ● -e佃吋:10OkFRPl Hod:叫tqkead) 0:ThJrt-flbTLSPT +:BuTkSPT MedA: 8cd'..50nJTt(血ubl○l叫叫 d)10110210310.108 ¶mo (Socond8) 図1_3_3浮上スライダに搭載した薄膜単磁極ヘッドにに よる再生電圧の経時変化 0. y)dtnopoN岩。uLtON 100kFRPl 1 9 8 ク 冷ラ( ク メx メx y ィ+ ,i)ィ 蕀? + + メ 5kFRPt Media: AA:ShgTelayer ●○:DoubIOlay○r Head:MR(read) Ring(forSingle-lay○redmedーum) SPT(fordouble-layeredmedium) I 1 *」 B Time (Second) 図1_3_4単層膜と二層膜の再生電圧経時変化の差異 子はなく,前者の影響が顕著であるこ とを示している。そこでこれまでに磁区安定化の効果が報告されている主砲櫨の兵方性磁界を大 きくした単磁極ヘッドと比較して同様の測定を行なった結果が図1-3-2である。磁区を安定化させ る異方性磁界が大きいものほど滅磁が小さい傾向を得ることができた。最近では萌み出しヘッドに MRヘッドが用いられ、単磁極ヘッドは再生感度を考える必要がなく書き込み特性だけで最適化 できるので、主磁極膜の其方性磁界を大きくすることは可能であろうと考えている。一方本実験は、 熱緩和による滅磁量の測定ではヘッドの影響についても十分に吟味しておかないとメディア固有 の特性を測定できないおそれがあることを意味している。 なお、浮上スライダに作製した薄膜型単磁極ヘッド(Hkは408程度)の場合を図1-3-3に示す。 上述のバルクのフェライトコアとコイルを有する単磁極ヘッドとの差違を調べたものであるが、改善-7-が認められる。薄膜単磁極は磁気回路がコンパクトであるので、ヘッドの構造的な要因の影響もあ ると考えている。
また、二層膜では軟磁性の裏打ち層があるために、信号記録時には記録層の減磁界が緩
和されることが期待される。これはKeepered Mediaでの効果と等価である。また、記録層の裏面が裏打ち層と交換結合して緩和を防ぐことも期待される。垂直二層膜と垂直単層膜を比較して、再
生電圧の経時変化を比較した結果が図1-3-4である。差違はあまり大きくはないが二層膜媒体の方に若干の優位性が見られた。ここで用いた二層膜では界面酸化等の影響から裏打ち層と記録
層の界面での交換結合が不十分であ
る可能性が高い。十分に成膜条件を
整えた二層膜では計算に近い効果が
期待できると考えている。 1.4外部磁界に対する単磁極ヘッドの宏塵盤
単磁極ヘッドは二層膜媒体が前
提であり、裏打ち層との強い磁気的な
相互作用によって高感度な記録を行う。これは主磁極先端の滅磁界が小さい
状態を実現できていることであるが、同時にこれは外部からの浮遊磁界が主
磁極に作用すると容易に強い直流磁
場が発生して媒体磁化を消磁するお
それがあることも意味している。上述した薄膜導体励磁型の浮上
単磁極ヘッドについて、先ず、シミュレーションで磁界集束効果のヘッドメ
ディアに関するパラメータ依存性を調 べた。薄膜型単磁極ヘッドの外部に置 いた仮想的なソレノイドコイルに電流を印加して浮遊磁界を発生させ、主磁極
直下に生じる磁界強度を計算した。浮
遊磁界強度はヘッドと媒体がない状態 で100eとなるよ剖こソレノイドコイルに起 磁力を印加した。図1-4-1にはヘッド構造に対する記録層中の垂直磁界強度
[ao]^H 0 4 Position 【FL m] 図141外部磁界によって誘導された媒体中の垂直磁界分 布の薄膜リターンパス高さ依存性oT 500
■ ▲ >ヽ 工 250 0 4 Position lFL m] 図1-4-2裏打層の透磁率と媒体内磁界集中の関係-8-分布の依存性を示す。リターンパス高さが 高く、しかも厚みが薄い場合には強い磁界
集中が記録層中に生じている。また、図
1_4_2には媒体ゐパラメータとして裏打ち層の透磁率を変化させた場合を示すが、透
磁率が低いほど磁界強度が急速に低下す
ることが示されている。ここで、裏打ち層の透磁率低下は記録再生感度の低下を引き
起こす恐れがあるが、図1-4-3及び図 1_4_4に示すように透磁率が10でも単磁極 ヘッドの記録感度で1/2程度であり、再生 感度についてはシールド型MRヘッドであればほとんど再生電圧が低下しない結果
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 MMF lAT]が得られた。なお,インダクテイブ単磁極
ヘッド再生では裏打ち層の透磁率の低下霊譜の透磁率に対する単磁極ヘッドの記録
のために大きく再生電圧が低下することを 確認している。測定では上述の薄膜型の単磁極
ヘッドを用いて、外部のソレノイドコイルで 磁界を発生させ1500秒後の再生電圧の低 下を測定した。その結果、従来型のバルク 単磁極ヘッドでは数oeで極めて大きな減 磁が観測されるのに対して、磁路がコンパ クトな薄膜単磁極ヘッドでは200e程度まで 10%未満の減磁量にとどまっており、著し い効果が確認できた。特にリターンパスに 断面積の大きいフェライトスライダを用いた ものは250eでも10%未満であり、磁路効率 の良い構造のヘッドでは外部磁界に対す る耐性が強いことが分かった。しかし、現 【oo]^HuO!tnqPtS!Ph!^!l!SuaS 0 0 0 ■i 1 耳耳爾 MRh○ad$○nSttlvlty Shi○ldS 妨 & Dヲ 粐貲 尾gV覃 カF 坊-225nmFtlt2000
/IHk100 ′10 /I/tb5 ′ヽ //て1/////"qbq.
I 啌ツヌG ツ ::;I(,''モ.J/._:--- ●ー■一 -0.4 蔦 紕 Position lFL m] 図1-4_4裏打層の透磁率に対するMRヘッドの再生感度 状の長芋記録では300e程度ではほとんど の依存性減磁が認められず、上記の外部磁界耐性
ではまだ不十分であるので、シミュレーションで得られたパラメータについてさらに改善を行う予定 である。ー9-2.磁気記録再生システム、信号処理方式の研究
( 2.1垂直磁化に対するMRヘッド再生応答の理論解の導出 今後の超高密度記録ではそのビット面積が極めて小さく、従って垂直磁気記録といえども再生 磁束が著しく小さいと想定しなくてはならない。この微少な再生磁束をsN良く読み出し十分なエ ラーレートを確保するには高い再生感度を持つヘッドが必須である。この要求に応えうるのは MRヘッド(AMRヘッドあるいはGMRヘッド)である。しかしながら、垂直磁気記録に対するこれら のMRヘッドの応答特性は必ずしも明らかでなく、設計論も十分に確立されていない。特に解析的 な解を導くこttまその簡便な設計法の基礎として有効である。ここでは裏打ち層とMRストライプ及 びMRのシールドの透磁率が無限に大きいとして、 Fanにより確立されたフーリエ変換法によるヘッ ドポテンシャルに関するラプラス方程式の解法を応用して、二層膜垂直媒体中の記録磁化に対す るMRヘツドの再生応答を導いた。 -昭吾ico-・句,-争叫号yvm(I-・箸写C:fkcoth剛"n(Ejyvm(E- (2-1-1, 0 vd'EJ'-石器訪・co仰・co榔・2y2'一一日n-dd (2-1-2a) vh'EJ'-&・血'kd2ysiqqL・2y2'--一一- (211-2b) ○● 叫3,-ilsin'kkSX2Lsi.nt3/2'・cospy血-此・詰C:!逮㌫・co<榊-此 (2-3-3, 導かれた再生感度関数の一般解を式2-1-1-2_1_3に 示す。同式は級数解の形であり、シールド ギャップ長とA8S面から裏打ち層までのスペーシング を、それぞれMRストライプ厚みの1/2で規格化したパ ラメータとしている。同式中、 C-は高次項の係数であ 表2-3-1係数の計算例 SG r C2- 2r 100nm 蔦 cィ ・.8.0481 坪峵 200nm 坪x -4.0541 辻モ sR 300nm 售B c3b -4.0611 蔦 #C" 400nm 綴 # R -.0.0694 蔦ゅ 3 b るが、この一例としてシールドギャップが200nm、磁気 スペーシングと媒体厚の和が100mmの場合を表 2.3.1に示す。図2-1-1はこの感度関数を図示したものである。この感度関数を相反定理に則り、記ー10-録磁化との畳み込み積分を実行すれば任意
の磁化分布こ対するヘッド応答が導出できも例えば、磁化分布が理想的なステップ状であれ
ば、ヘッド感度関数の積分がMRヘッドの応 答になる。特に上述の図2-1-1の感度関数は単峰性であり畳み込み積分の結果がステッ
プ状になることが容易に推察される。実験では垂直磁化のMRヘッド応答は磁化分布を
反映した矩形波状であるが、これは本解析解 と良く一致する結果である。さらに,この理想 ステップ磁化を仮定した場合の微分等化した 再生パルスの半値幅を図2-1-2に示す。 MRヘッドの狭ギャップ化に伴い、 150mm以 下の狭い半値幅が得られることが分かる。なお、同図中には長芋磁化の理想
ステップに対する半値幅もプロットするが、たとえ理想媒体磁化分布としても
垂直磁化から得られる半値幅に及ば
ないことが示されており、同一シールド 間隔のMRヘッドを垂直磁気記録では より狭ギャップヘッドであるかのように 使うことが可能であることを意味してい る。記録密度特性についても孤立再
生パルスの重ね合わせを仮定して
D5。を求めることができる。図2-1-3にそ の結果を示すが、 150mmギャップの =・ M 3 3 AHPZ]P2LLLIOtJ ●† ク 6 "ヤ ケ$ ''&ツ Jy.78rm W叩bbhbさOw 叫lqpS○nJTI 31Jt ● 宥'&テ コ 一 -tJpb +2 UptD 句 顎 FENcdJ _I_-_ 峰貞 奉 0.o O.1 0& 0.3 0.IX帥
図2_1_1二層膜垂直媒体に対するMRヘッドの感度関数 300 200 1 00 (∈u)osfnde^!tt2^盲P-00SJVtd 1 00 200 300 400 500shield gap length (nm)
図2-1-2微分等化した再生パルス半値幅のシールド間隔依 MRヘッドを20nmの低磁気スペ-シン 存性 グで用いると、 400kFRPIを越える非常に高いD5.が達成できることが予測される。なお、このDS。と半 値幅pw5。の間には長芋記録と同じ係数(37100kFRP的m)で反比例の関係が成りたっているので、 一方を知ることで他方を推定することができる。
-ll-(adtJLq)09凸 0 0 0 0 80 50 棚 3 0 1 00 200 3CO 400 500 shjeh] gap kngth (nm) 図2-1-3微分等化したD50のシールド間隔依存性 2.2垂直磁気記録システムのエラーレート評価
本課題の記録再生システ
ム系の研究では、エラーレート 2。 評価が可能な環境を整えた。 2ステージスピンスタンドを改造 ○ してエラーレートテスターを組み 込み、浮上型単磁極ヘッドで記 すー10 ヽ■lllll′ 線を行ない、それを録再分離系・喜一20 のヘッド構成のMRヘッドで読み O JO だした信号からエラ⊥レート測 ■○ 定を行なえるようにセットアップ ーS。 した。記録系には8/9変換と ■。 pR4プリコーダを通して記録データを上述の薄膜励磁型単
Pa 6庸VF鉾&W&V蹤 F " /一、\く竺/\
Phase →笥叫●"E脚9\
51け__\.
1 10 Frequency (MHz) 磁極ヘッドに印加する。これを 図2-2_1測定に用いた微分等化器の周波数特性ー12-別ステージに装着されたMRヘッドで 読みだして増幅した後に、試作した 微分等化器により再生パルスを単峰 化する波形変換を施してから、 pR4ML復調系と8/9復号器を通して エラーレートを測定した。 垂直磁気記録のMRヘッドによ る孤立再生パルスは低域成分を多く
含む矩形波状を呈する。本検討の上
記のセットアップでは、長芋記録で一 般的に用いられているリードチャネル を使ったエラーレート評価を行ってい るので、この矩形波パルスを単峰性 の長芋記録の再生波形と類似のパ ルスに変換する必要がある。上述の 微分器はこの波形変換を行うために必要な垂直磁気記録特有の等化
器である。なお、この回路は低周波域では周波数に比例して利得が増
加する微分特性を示して不要雑音
を増加させるおそれがある。そこで 本検討では、カットオフ周波数より 高い高周波域ではノイズを抑圧するために利得を低下させた。用いた微
分器の周波数特性を図2-2-1に示 す。 50MHzにカットオフを設定し、それ以下では微分特性、それ以上で
は不要雑音を抑圧するためにtj-ルオフ特性としている。 図2_2_2には微分器のカットオ gj 冊 Eiq 八とoBqo^)ndqJO】芸1 P●rp○ndーcuJ8r raWheadcLJtPt D一向rBn仙8-%g*OeO.LpSB;T3T'n.m
一一一■\
匂一35NHz ANR叫bd'PW50q40nrn dhbJd一●叩仙一21〇一lJT) Ayhdbhtl-一〇.○○rLJTI V■7.62rrVS _1 ●.7 .知■ O bJ lトT lrbTte (3) 図2-2-2微分等化後の孤立再生波形 (J^∈)IndtnopeeLIP.duv ㈹ 40。 50 1 ∝1 1 50 200 250 300 350 400 Linear densj∼ (kFRPl) 図2-2-3微分等化を行った際の記轟密度特性 フ周波数をパラメータにして微分後の再生波形を示す。同図より、垂直二層膜媒体のMRヘッド再 生出力を微分することで、同一のMRヘッド再生での長手記録の例に比べて顕著に狭い130mmの-13-pw50が得られるこ出粉かる。この測定値を相反定理による理想掛ヒ転移に対する計算と比撃し たところ、ほぼ計算と実測は一致し・実測で得られるpw5。はMRヘッドの再生分解能で決まってい ることを示唆した。換言すれば・ここで示した130mmのPW5。に対して、記録磁化転移幅は無視でき るほど小さいと考えて良い。また、垂直記 録磁化を微分して得られるパルス幅の給 対値は、再生ヘッドのシールド間隔が同 一の場合には長芋記録で理想転移を仮 定した計算値より小さいことが分かる。垂 直磁気記録を用いることでシールド間隔 と浮上量が大きくとも等価的に高分解能 再生ヘッドであるかのような特性が得ら れることを示している。ここで、本年度で は十分な信号処理系のパラメータの最 適化が完了せずエラーレートの測定は 予備的な段階にとどまっているので、次 年度に詳細な検討を加える予定である。 ここでは基礎的な測定結果のみを示す。 図2-2-3には試作した微 分器を通した記録密度特性を、 ヘッド出力を直接観測した場 合及び長手ディスクと比較し て示す。ここでは微分器の カットオフが50MHzとやや低 いためにD5。の改善効果は小 さいものの長芋ディスクに比 べて2倍近い再生分解能を等 価的に実現できることが示さ れている。また、エラーレート
特性に大きな影響を及ぼす非
線形転移点シフトpLTS)につ いての測定結果を図2-2-4に 示す。垂直磁気記録では300 5 0 5 0 5 0 5 0 332211 (sLuJddgp)∝NSle10ト 却 相 川 さ (UAI)SJJ1N I q 1 q 180 か 220 紳 20 2如 30 320 Uw dertdty PdqPけ 図2-24非線型転移点シフトの記録密度依存性 0 50 1 00 1 50 200 250 300 350 400 Recording density (kFRPr) 図2-2-5垂直磁気記録のSN比の記録密度依存性ー14-kFRPI程度の高密度までNLTSは小さく、長さでみた場合にはむしろ減少する傾向を示す。これは 図中プロットしている長芋記録と対照的な性質を呈しており、高密度ほど減磁界が低下する垂直 磁気記録の性質が反映したものと考えられる。 図2-2-5は、各記録密度で測定された総合ノイズスペクトラムを直流から70MHz(約 460kFRPI)まで積分した結果を実効値ノイズとし、各記録密度の再生信号のpp値に対するsN比と して示している。低密度では35dB近い値であるが300kFRPIでは約20dBとなる。これを、信号を低 密度のpp値で固定して換算した場合には、約30dBとなる。ここでの実験で用いたMRヘッドのト ラック幅は1.叫mであり、垂直磁気記録が期待されている高面密度記録を達成するには、さらなる 狭トラック化が必要である。これを考慮すると30dB程度のSN比では不足で、改善の必要がある。 現状の二層膜媒体では未だノイズが大きく、これがエラーレート制限要因の一つとなると考えられ るので、メディアノイズの低減は重要である。 図2-2-6は、上述の微分器の入力端の間に接続してエラーレートを測定した結果である。同 図は、横軸をディスク上での磁化反転密度、縦軸をバイトエラーレートの対数値とし、長手ディスク を同一の再生ヘッドで試験した結果も併せて示している。記録補償については、長手ディスクで は各測定点で最適補償に調整したが、垂直ディスクでは無補償である。測定の結果、本ヘッド ディスクは10■のバイトエラーレートが約310kFRPIで得られており、ここでの長手ディスクに対して は優位性のある結果が得られた。 エラーレート特性は 磁気ディスク装置にとって は、最終的なシステム性 能評価に相当するもので あり、垂直磁気記録により 高密度エラーレート特性 を実証できたことは実用 上意味があると考えている。 今後は、ここでのエラー レート測定は、チャネルが pR4M止やや効率の低い ものであることや達成ビッ ト長とpw50の比も1.6程度 と低いことなどから。最新 のより高次のPRMLに対 (se貫q)qtuJeJ〇.uLJtPe601 t? Y 15 tP rT
D8ta何te throLJgh head (Mbps)
60 70 80 90 100 1 10 1 80 200 220 240 280 280 300 320 340 380 380 Transitions density (kFRPl) 図2-2-6 PR4MLチャネルに対して微分型等化回路を用いた際の垂直磁気 記録のエラーレート特性
-15-する垂直磁気記録特性の検討や低ノイズディスクの開発等により、さらに高い記録密度での実性
能が垂直磁気記録で達成できるものと言える。
ー16-3. 3次元シミュレーションによる超高密度記録の可能性検証 以上で示したように、垂直 磁気記録には実用システムとし
て十分な高密度記録能力があ
ることが示された。同時にこの 結果はストレージシステムとして 垂直磁気記録ヘッドディスクに pRMLチャネル(パーシャルレ スポンス・最尤復号)が適切で あることを実証できたと意味も持 つ。加えて、垂直磁気記録の
今後のさらなる可能性を検証し ておくことも必要である。特に、 長芋記録では実現が困難とさ れている超100Gbits血血2の可 [ssnd9]^gh!suopxn一芯Ot2PnS 50 100 150 200 250 Thickness of recording layer lnm]図3-1-1記録媒体の保磁力と保磁力分散に対する400kFRPIの媒 体表面漏洩磁界強度の変化 能性を検証しておくことは国際 的にも強く望まれている。しかし、残念なことに、現状のヘッド系ではこの領域の線密度、トラック密 度に対してはまだ分解能が不充分なために、実験だけによって検証することは困難である。また、 現在考えられる最も高分解能な微細磁気情報観測手段であるMFM等によっても必ずしも記録機 構に結びつく情報が直接得られないこともある。本研究では、コンピュータシミュレーションによる 高密度磁気記録機構の解析を試みた。すなわち、垂直磁気記録媒体解析アルゴリズムとしての 定量性に優れたカーリング磁化モデルを用いた有限要素法計算による検討を重ねてきており、本 研究課題ではトラック方向の挙動を明らかにするためにこれを3次元化した検討も行った。 図3_1_1は、垂直磁気記録の特長である高密度時の十分な信号強度をさらに改良する 目的で、 2次元計算を用いて高線密度における高出力媒体の条件を探索した結果で、垂直記録 媒体の保磁力と保磁力分散を変化させた際の、 400kfciにおける外部漏洩磁界を媒体表面で計 算した結果である。高保磁力化、低保磁力分散化により著しい高出力化が期待できることが示さ れている。 一方、垂直媒体の裏打ち層は従来lLAm程度の厚みがあり、記録層表面粗さやディスク量産 性などの観点からは薄膜化が望ましい。図3-1-2は裏打ち層の飽和磁束密度をパラメータにして 1171
裏打ち層膜厚がヘッド記録磁 界強度に与える影響を計算した ものである。現状の6kGでは 500mm程度から磁界強度が低 下するが、 18kGの高飽和磁束 密度では300mm程度までヘッド 磁界強度を一定にでき、裏打ち 層の薄膜化が可能なことが予 測された。この結果は今後の二 層膜媒体の設計指針として有 用であると考えている。 さらに、 3次元シミュレー ションにより、超高面密度記録 のシミュレーションを行った結果 が図3_1-3である。同図は 203kTPI (75mmトラック幅)で、 508kfciと406kfciの線密度でオフト ラックオーバーライトした100Gbits/ inch2記録の3次元記録ビットパ ターンである。隣接トラック干渉が 小さく十分な分解能が達成できる ことが示されている。ここでのシミュ レーションを通じて、垂直記録層 膜厚と単磁極ヘッドの記録磁界勾 配が記録プロセスでは分解能を 決める重要な因子であり、記録層 膜厚を薄くして裏打ち層と主磁極 間の距離を狭めることで、急峻な
磁界分布を実現できる可能性が
示された。垂直磁気記録による 100Gbits/inchZ以上の高面密度記 録のためには今後もヘッド媒体系 Thickness of underlayer lnm] _ 図3_1_2媒体裏打ち層膜厚に対する記録ヘッド磁界強度依存性。 記録ヘッドは薄膜励磁型単磁極ヘッド 100GbitgIELCh2 508k406kFRPI 203∽TIrhckwiddl=75nJn)ニf. iliTrl:fTI -r,:
図3_1_3 100Gbits伽ch2のオフトラックオーバーライト記録ビットパ ターン。-18-の改良が必要ではあるが、上記の結果はその設計指針となるものである。
-19-4高密度垂直磁気記録のキャラクタリゼ-ション 長芋記録の進捗から考えると、
垂直磁気記録の目標記録密度は
100Gbits/incb2 (100Gbpsi)以上と するのが妥当であろう。この際に、 どのようなヘッドディスク系が要求 されるか、その具体的なキャラクタ リゼ-ションはまだ終わっていない。 本研究では、これまでの研究蓄積 を活用して100Gbpsi及び 200Gbpsiに必要な830kbpi/ 120ktpiあるいは1.26Mbpi/ 160ktpiなる記録密度を満たす単 磁極/MRヘッド・二層膜ディスク系 封 切 油 謝 佃 00 如 00 叩 00 鮒 仙 湘 1 1 1/1 1 1 (LLJU).,MJ F打一ed 冲町叩 唐繝3V 趙 烹 HOM 儡ym 柳#「 25n ネ ツ dI .一■● 趙粐粐" 〇一10爪 7 " r m.br 817 J3rtm 20 40 80 80 1 00 1 20 140 1 60 1 80 200 220 Shkdd gap toqth (rm) 図4-1-1種々のパラメータに対する再生パルス半値幅の シールドギャップ依存性 の目標仕様を明らかにすることを試みた。 将来の信号処理技術の進展が前提ではあるが、規格化記録密度を100Gbpsiと200Gbpsiの それぞれで、 2.4あるいは2.7と仮定すると、必要な微分パルス幅は70nmあるいは54nmとなる。この 再生パルス幅を実現できるMRヘッドの仕様を、垂直磁化に対する再生応答理論により推測した。 図4-1-1は、上述の再生理論からシールドギャップ長に対するパルス幅pw50を様々なパラメータ に対して求めた結果である。同図より、 70mmを満たすには、シールドギャップで95mm、磁気スペー スが15nm、記録層厚さが 25mmで磁化転移幅は7mmが必 衰4-I-1狭シールドギャップ、狭トラック化による信号sN比の 要である。一方、 200Gbpsiには、変化 同じく順に70mm, 15mm, 25mm, 3mmとなった。これらは容易な値ではないものの、実現の可
能性のあるものであると考えら れる。 以上のように、 MRヘッドと媒体の仕様が決定 できれば、現在の測定値をもと Ctmnt exJmPle 粐トト D" & 「 # NF Et 紲 ATealdenSity v' 6停 200GbpSiN…wer8hield 蔦2纐D" 没襭 モ2綏D" 踐没2 -7.3dJ3(siplal) -2.3dJ3(noise)
伊p
hckwidth reduction 蔦 D" -ll.5dB 蔦6D&㎎
Highcr止near density 蔦fD" -6dB
Total 滅6D" lldB
ー20-に信号sN比を決めるための信号振幅と再生ノイズ電圧を計算できる。垂直磁化記録媒体からの ( 再生磁束は媒体表面の漏洩磁界をシールドギャップにわたって積分したものであるから、 MRヘッ ドのシールドギャップに比例して再生電圧が低下する。さらに現在の垂直磁気記録媒体の媒体ノ イズは微細な磁気揺らぎが起源であるために「磁気的に」白色ノイズであり、ヘッド再生出力でのノ イズは再生ヘッドの伝達関数に依存して決定される。従って、狭シールドギャップヘッドほど再生 ヘッドが高密度まで感度を有するようになるた めに、再生帯域で積分した実効値媒体ノイズは om 増加する。以上の2つの影響のため、同一の媒
体に対しては、再生用MRヘッドが狭シールド
ギャップの場合ほど再生信号のSN比が劣化す る結果となる。さらに狭トラック化により、トラック 幅の平方根に比例してSN比の劣化が生じる。 本計算では、 100Gbpsiと200Gbpsiでそれぞれ 表4_1_1に示すような結果となり、現状のヘッド ディスク系でのSN比である38dBはここでの目標 面記録密度に応じて大きく低下する。 このSN比を向上させるには、媒体ノイズの 低下が必須であり、一般的には媒体ノイズが主 となっている二層膜媒体には効果的である。垂 直磁気記録の媒体ノイズは上述のように磁気的 な揺らぎであるので、これをポロノイセルで表現し た媒体モデルを使ってシミュレーションを行った。 ここで、再生プロセスは上記のパラメータを有する再生ヘッドを想定した相反定理に基づく計算に
よった。この結果を図4-1-2に示す。磁気揺らぎサ イズを微細化するにつれてほぼ直線的に媒体ノイ ズが低下していることが分かる。この性質から、表 4_1_1に示した再生信号sN比の劣化を補うように 媒体での磁気揺らぎサイズを低下させれば、必要 なsN比を確保できるはずである。図4-1-3は媒体 の揺らぎ(ここではクラスタと呼んでいる。 )サイズと 媒体sN比の関係を示したもので、 12mmサイズで 0.08 8 加 瓜 此 朋 00000 (.qJfF)08qoAoqouSutJ 0.00 0 loo 200 300 一ooAyerage CltJ8ter dlarneter (nm)
図4_1_2 ポロノイセルモデルによるクラスタサイ ズと信号sN比の計算結果 PuJrJdqp)tJNSqPeM 沸 滋 加 .B 4 0 8 101216 20 30 1060 70 100 Cluster dlametOr (nrTl) 図4_1_3クラスタサイズと信号sN比
-21-100Gbpsi条件に対して30d臥10mmサイズで200Gbpsi条件に対して28dB程度のSN比とできること ( が示されている。 図4_1-4は回路ノイズやヘッドノイズも含めて考えた100Gbpsi条件でのSN比のリードトラック 幅依存性である。やはり媒体ノイズが主であるが、要求トラック密度に対応するリードトラック幅であ る140mmでも29dBの総合sN比を確保できることが示された。なお、 200Gbpsi条件ではこの値は リードトラック幅が100mmで27dBとなる。こ のSN比であれば容易ではないもののエ 32 ラーレートは確保できるものと考えられる。 ただし、いかに優れた信号sN比が
得られてさ十分な記録ビット安定性を
保っていなくては意味がない。このために記録媒体に対して、必要にして十分な
異方性を持たせる必要がある。この熱緩 和耐性について近似的な計算を行った。孤立磁性粒子を想定して、熟緩和に対
する指標であるKuV/kT値が60あるいは 100以上となるための異方性を持たせた場合の異方性磁界Hkを粒子径に対して
プロットしたのが図4-1-5である。サイズが 12mmであれば異方性磁界は14kOeとな り、 10mmに対しては19kOeの異方性磁界 となる。単磁極ヘッドではディープギャップ磁界を発生できるので、おおむね現実
加 翁 別 Cud.gp)tlNS 40 60 80 1CO 120 110 100 110 200 220Ro8d tJddth (rlm)
l.bwy●岬1S nb Hd叫hVM叫Ln LJdbJll SNRt 38.S dBbJTl (PPITHI) NWm■此d ■np. nobp O.$ lNqd(lセ) Hd叫1S【=NR岬d7∝lllmI 図4-1-4総合sN比のリードトラック幅依存性(100Gbpsi) 的な記録磁界強度と同等の異方性磁界 星..oo.に抑えるられることが分かった。
KuV/kTが60程度で長ければ・前者で 8kOe、後者で12kOeとより飽和記録が容 易なものとなる。なお、ここではノイズ起 源となっている磁気揺らぎサイズと熱緩 和を決める粒子サイズが等しいとしたが、 これは一般的には成り立つとは限らない。いくつかの磁性粒子が結びついて集団
8 8 10 12 14 1e Partido dねmeter (nm) 図4_1_5異方性磁界Hkの粒子サイズ依存性 -22-曾PSJ○)nN的に振舞うクラスタリングは許されないことに注意を要する。 以上の計算から・垂直磁気記録による100Gbpsiあるいは200Gbpsiのヘッドディス91系 の実現には、ヘッド浮上量や媒体の微細化、さらにはクラスタリングのない媒体構造、強ヘッド磁 界強度、狭トラックヘッドコア加工法の確立など、多くの困難な課題はあるものの、原理的あるいは 物理的な制約なく信号sN比と熱緩和耐性を両立できることが示された。
-23-研究発表 (1)学会誌等(発表者:テーマ名、学会誌名、巻号、年月) 妾文紅,村岡裕明,田河育也,中村慶久: 川垂直磁気記録メディアにおける熱磁気緩和の記録寧度依存性・I, 日本応用磁気学会蕗, vol.21, No.4-2, pp. 293-295 (1997) 清水幸也,中村慶久: 一一三次元シミュレータによる垂直記録媒体のノイズ解析一㌧ 日本応用磁気学会誌, vol・21, No.4-2, pp. 305・308 (1997) 山田洋,村岡裕明,中村慶久,阿部岩男,矢沢健児: 一一垂直磁気記録におけるMRヘッド再生記録の高分解能化一一, 日本応用磁気学会誌, vol.21, No.4-2, pp. 309-312 (1997) 村岡裕明,中村慶久: -■MRヘッドを用いた二層膜垂直磁気記録の高密度化とその展望日, 日本応用磁気学会誌, vol.21, No.6, pp. 966-971 (1997) H. MtlraOkn, H. Yamada, Y. Nakamura, Ⅰ. Abeand K. Yazawa:
lIResolution Enhancement of Shielded MR Heads for Perpendicular Magnetic RecordingM,
IEEE TranS・ Magn・, Vol・33, No・5, pp・2929-2931 (September 1997)
H. Muraokaand Y. Nakamura:
'lExperimentalStudy of Nonlinear Transition Shift in Perpendicular Magnetic Recording with
Single-Pole Head'',
IEICE TranS・ Elec・, Vol・E80-C, No・9, pp・1187-1193 (September 1997)
Y. Nakamura:
l'TechnicalIssues for Realization of Perpendicular Magnetic Recordinglr,
J・ Mag礼 Soc・ Jpn, Vol・21, Supplement No・S2, pp.1251134 (1997)
H.Muraoka and Y. Nakamura:
■■Quantification of Perpendicular Magnetic Recordingwith Double hyer Media'',
J・ Magn・ Soc・ Jpn, Vol・21, Supplement No・S2, pp.157-162 (1997) H. Yamada, H. Muraoka and Y. Nakamura:
.rSide-Writing of Merged Type Head for Perpendicular Double-layered Media.',
J・ Magn・ Soc・ Jpn, Vol・21, Supplement No.S2, pp.2331236 (1997) W. H. Jiang, H. Mtmoka, Y. Sugita and Y. Nakamura:
''ThernalRelaxation in Perpendicuhr RecordingwithSingle Pole Headand MR Head",
J・ Magn・ Soc・ Jpn, Vol・21, Supplement No・S2, pp.317-320 (1997) H. Yamada, H. Muraoka and Y. Nakamura:
''A study ofperpendicular magnetic recording characteristicswith nagnetoresistive head" , J. Magn. Magn. Mat., Vol.176, pp.56-60 (1997)
-1-K. Takano, H. Muraokaand Y. Nakamtlra:
・'Resolution of unshieldedand shielded MR heads for perpendicular magnetic recordingII , J. Magn. Magn. Mat・, Vol・176, pp・61-65 (1997)
H. Muraoka, Y. Sitohand Y. Nakamura:
・IMulti-track recording utilizing nulti-level partialresponseM ,
J. Magn. Magn. Mat・, Vol・176, pp・73-77 (1997)
佐々木保,村岡裕明,中村慶久 ・・二層膜媒体を用いた垂直磁気記録における媒体厚みの影響川, 日本応用磁気学会誌, Ⅵ)1. 22, No.4-2, pp.237-240 (1998)・ 佐藤-樹,村岡裕明,中村慶久,片倉亨,佐藤仁,矢沢健児 ・薄膜導体励磁型単磁極浮上ヘッドの試作とその記録特性叩, 日本応用磁気学会誌 Ⅵ)1.22, No.4-2, pp.273-276 (1998)・
H. MtlraOka, K. Sato and Y. Nakamura
-■Extremely IJOW hductance nin-FilmSingle-Pole Head on Flying Slider'-,
IEEE Transactions on Magnetics,
Ⅵ)1.34, No.4, pp.1474-1476 (Jdy 1998)・ 妻文紅,村岡裕明,杉田憶,中村慶久 一・垂直二層膜媒体における再生滅磁に対する単磁極ヘッドの影響-I, 日本応用磁気学会誌, Ⅵ)1.22, No.4-2, pp.277-280 (1998)・ 山田洋,村岡裕明,杉田値,中村慶久 ・薄膜導体励磁型単磁極浮上ヘッドのオフトラックオーバーライト特性-I, 日本応用磁気学会蕗, Ⅵ)1.22, No.4-2, pp.293-296 (1998)・ 村岡裕明,三浦健司,杉田憶,中村慶久 ・・単磁極記録ヘッド・微分型波形変換による二層膜垂直磁気記録のディジタル 特性評価…, 日本応用磁気学会蕗,
vol.22, Supplement No・S3, pp・47-52 (1998)・
村岡裕明,中村慶久
・垂直磁気記録における非線形転移点シフトの記録密度依存性一一, 映像情報メディア学会誌,
Ⅶ1.52, No.10, pp.1480-1484 (1998年10月号)・
IL Yamada, H. Muraoka, Y. Sugita and Y・ Nakamura
・・off_Track Performance of Thin FilmSingle Pole Hcadfor Perpendicular
Double-layered Median ,
-2-mEE Transactions on Magnetics,
Ⅵ)1.34, No.4, pp.1468・1470 (J山y 1998).
W. H. Jiang, H. Muraoka, Y. Sugita and Y. Nakamura
一一Themal良elaxation in Perpendicular Double-hyered Media" ,
mEE Transactions on Magnetics,
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S. I. Greaves, H. Muraoka, Y. Sugita, Y. Nakanura
f.htergranular exchange plnnlng effects in perpendicular recording media" ,
正EE Trams. Magn.,
Vol. 35, No. 5, pp.3772-3774, 1999・
村岡裕明・佐藤靖夫・杉田憶・中村慶久
川単磁極ヘッドの外部磁界安定性に関するシミュレーション解析t-日本応用磁気学会誌,
Vol. 23, No. 4-2, pp.985・988, 1999.
S. J. Greaves, H. Muraoka, Y. Sugita, Y・ Nakamura
"Effect if Exchange hteraction on Written Bit Stability in Perpendicular Media", J. Magn. Soc. Jpn・
Vol. 23, No. 4-2, pp.993-996, 1999・
H. Muraoka, K. Sato, Y. Sugita, Y. Nakamura
"Lew Inductanccand HighEfficiency Single-Pole Writing Head for Perpendicular Double hyer
Recording Media'',
正EE Trams. Magn.
Vol. 35, No. 2, pp.643-648, 1999・
妾文紅・村岡裕明・杉田悼・中村慶久
一■垂直二層膜磁気記録媒体の再生減磁に与える外部磁界の影響-I, 日本応用磁気学会誌,
-3-Vol. 23, No. 4-2, pp.1001-1004, 1999. 村岡裕明・三浦健司・杉田憶・中村慶久 ■-単磁極ヘッド・二層膜垂直媒体におけるエラーレート特性評価一㌧ 日本応用磁気学会蕗, Vol. 23, No. 4-2, pp.1065-1068, 1999. 村岡裕明・三浦健司・杉田憧・中村慶久 一一二層膜垂直磁気記録のキャラクタl′ゼ-ションと高密度記録性能", 日本応用磁気学会誌,
Vol. 23, supplinent No. S2, pp.3540, 1999.
中村慶久
一働画ディスクカメラ用ストレージメディアの動向と展望■-, ・映像情報メディア学会誌
Vol. 53, No. 10, pp.1344-1346, 1999・
-4-(2)口頭発表 (発表者:テーマ名、学会等名、年月) 佐藤-樹、村岡裕明、中村慶久、片倉亨、佐藤仁、矢沢健児:
1'薄膜導体励磁型単磁極浮上ヘッドの試作とその記録特性・・ 平成9年度スどこクス研究会【97-6-19], December 1997) H. Muraoka, Y. Sugita and Y. Nakamura
"Lew-hductance Single-Pole Head on Flying Slider",
The 194thElectrochemiCalSociety Meeting Abstracts, No. 448, (1998).
中村慶久 ■■磁気ストレージの高密度化の課題と将来日, 電子情報通信学会技術研究報告, lMR98-6】, pp.3744 (1998-06). 村岡裕明,三浦健司,中村慶久 一-エラーテスタによる垂直磁気記録評価川, 電子情報通信学会技術研究報告, 【MR98-23】, pp.1-6 (1998-10). Yoshihisa. Nakamura
''RECENT PROGRESS AND ISSUES IN PERPENDICULAR MAGNETIC RECORDING'',
1999 Digests of mRMAG 99, GB-01, 1999.
三浦健司・村岡裕明・杉田憧・中村慶久 一-時間軸測定手法を用いた垂直磁気記録媒体ノイズの測定一㌧ 電子情報通信学会技術研究報告 【MR99-2】, pp.7-14, 1999. 村岡裕明・三浦健司・杉田憧・中村慶久 "シールド型MRヘッドの二層膜垂直磁化応答とノイズスペクトラム一㌧ 電子情報通信学会技術研究報告 【MR99-61】, pp.17-22, 1999. 中川健・村岡裕明・杉田憶・中村慶久 一-最尤復号における垂直磁気記録のノイズ相関一一, 電子情報通信学会技術研究報告 【MR99-62】, pp.23-28, 1999.-5-TOUR : Tohoku University Repository コメント・シート 本報告書収録の学術雑誌等発表論文は本ファイルに登録しておりません。なお、このうち東北大学 在籍の研究者の論文で、かつ、出版社等から著作権の許諾が得られた論文は、個別にTOUR に登録 しております。 TOUR http://ir.library.tohoku.ac.jp/