正方形パッチとクロスダイポールで構成された
3
層型テラヘルツ周波
数選択板の
FDTD
解析
柴山
純
†a)尾崎
慎吾
†山内
潤治
†中野
久松
†FDTD Analysis of Three-Layered Terahertz Frequency Selective Surfaces
Composed of Square Patch and Crossed Dipole Elements
Jun SHIBAYAMA
†a), Shingo OZAKI
†, Junji YAMAUCHI
†, and Hisamatsu NAKANO
†あらまし 正方形パッチとクロスダイポールで構成されるTHz 帯での周波数選択版(FSS)を周期境界条件 を適用した有限差分時間領域(FDTD)法により解析し,材料の損失による影響と透過特性の広帯域化を議論す る.周波数依存型FDTD 法に触れた後,パッチ–ダイポール–パッチ(PDP)型 FSS の透過特性を評価する.金 属と誘電体基板の損失を考慮してもピーク周波数での透過率の低下は1%程度であり,損失の影響を無視した解 析が有効であることを明らかにする.また,正方形パッチの素子長を90 µm 以下に選び,クロスダイポールの素 子長を周期長と一致させ網状化することで,100%以上のバンドパス状の透過帯域が得られることを見出す.更 に,PDP 型 FSS を構成する 2 層正方形パッチ及びクロスダイポール単一素子を解析し,透過帯域の上限を正方 形パッチが,下限をクロスダイポールが決定していることを確認する.最後に,空隙を設けPDP 型 FSS を 2 枚使用したサンプルホルダを解析する.単体のPDP 型 FSS と同様に,サンプルホルダとして利用しても,良好 なバンドパス特性が維持されることを明らかにする. キーワード テラヘルツ波,周波数選択板(FSS),正方形パッチ,クロスダイポール,周期構造,有限差分時 間領域(FDTD)法
1.
ま え が き
マイクロ波・ミリ波帯において,周波数選択板(
FSS
)
の研究が盛んに行われている
[1]
∼
[10]
.例えば,アン
テナ地板
[5]
,電波吸収体
[6]
,マルチバンド伝送
[7]
,
レドーム
[8], [9]
,低姿勢メタサーフェス
[10]
などへの
応用が行われている.
他方,テラヘルツ(
THz
)帯では,生化学分野での
センサ
[11]
∼
[14]
,分光やイメージングなど種々の用
途に利用する周波数フィルタ
[15], [16]
への応用が進め
られている.近年,試料が粉末や液体などの場合に,
それらを保持するためのホルダとして
FSS
を利用す
ることが提案されている
[17], [18]
.その際,
THz
帯で
の限られた出力パワーを有効に利用するため,
FSS
は
低損失で広帯域な透過特性をもつことが望まれる.と
†法政大学理工学部,小金井市Faculty of Science and Engineering, Hosei University, 3–7–2 Kajino-cho, Koganei-shi, 184–8584 Japan
a) E-mail: [email protected]
ころが,従来の
1
層や
2
層構造の
FSS [11]
∼
[16]
で
は,広い透過帯域を得にくいという問題がある.これ
に対して,文献
[17]
の
3
層構造の
FSS
では,比較的
単純なパッチ
–
ダイポール
–
パッチ(
PDP
)の素子構成
で広帯域なバンドパス特性の得られる利点がある.し
かしながら,文献
[17]
では,分散性を伴う金属の損失
と基板材料の損失の影響は未検討であった.また,透
過帯域の構造依存性にも言及されていなかった.更に,
FSS
を
2
枚使用したサンプルホルダとしての応用につ
いても具体的な計算例は示されていなかった.
本論文の目的は,
THz
帯における
PDP
型
FSS
にお
いて,文献
[17]
で検討されていなかった損失の厳密な
考慮が透過特性に及ぼす影響を調査するとともに,広
帯域特性が得られる構造を見出すことにある
[19]
.ま
ず,分散性を伴う金属の損失を考慮するための周波数
依存型有限差分時間領域(
FDTD
)法の計算式を示す.
次に,材料の損失を厳密に考慮した場合と無視した場
合を比較しながら透過特性を議論する.材料の損失を
考慮しても透過率の低下は
1%
程度であり,
1 THz
よ
する.透過帯域の下限を正方形パッチが,上限をクロ
スダイポールが決定していることを示す.
最後に応用例として,空隙を設け
PDP
型
FSS
を
2
枚使用したサンプルホルダの透過特性を調査する.単
体の
PDP
型
FSS
と同様に,サンプルホルダとして利
用しても,良好なバンドパス特性が維持されることを
明らかにする.
2.
周波数依存型
FDTD
法
マイクロ波・ミリ波帯では,しばしば金属を完全導
体(
PEC
)で近似する.他方,光波帯では金属は分散
性を伴う損失媒質となる.
THz
帯はこれらの中間に存
在するため,金属を
PEC
として近似するか,分散性
媒質として扱うか注意が必要である.本章では,分散
性媒質を扱う際に使用する
Drude
モデルと周波数依
存型
FDTD
法
[20]
の概略についてまとめておく.
周波数依存型
FDTD
法を定式化するための代表
的な手法として,補助微分方程式(
Auxiliary
Differ-ential Equation
)を用いる方法
[21]
,帰納的畳み込
み積分(
Recursive Convolution
)を用いる方法(
RC
法)
[22]
,その改良版である
Piecewise Linear RC
法
(
PLRC
法)
[23]
,
Z
変換を用いる方法
[24]
などがあ
る
[20]
.筆者らは,
2
度の畳み込み積分を必要とする
PLRC
法と同等の精度を有しながら,
RC
法と同様に
1
度の畳み込み積分の計算で済む台形則に基づく
RC
法(
TRC
法)
[25]
を,
Drude
モデルが解析できるよ
うに拡張した
[26], [27]
.本論文では
TRC
法に基づく
FDTD
法を利用する.
分散性媒質を次式に示す
Drude
モデルで表現す
る
[28]
.
ε
r(ω) = 1 −
ω
2 pω (ω − jν)
(1)
ここで,
ω
,
ω
p,
ν
はそれぞれ角周波数,プラズマ周波
数,衝突周波数である.
Drude
モデルは,外部電場に
対する金属中の自由電子の応答を表しており,注目す
1 + χ
0/2
1 + χ
0/2
+
Δt
ε
0(1 + χ
0/2)
∇ × H
n+1/2(2)
となり,ここで,
ε
0は真空の誘電率,
χ
0=
ω
2 pν
Δt −
1
ν
(1
− e
−νΔt)
φ
n=
E
n+
E
n−12
Δχ
0+ e
−νΔtφ
n−1Δχ
0=
−
ω
2 pν
2(1
− e
−νΔt)
2である.磁界の算出には通常の
FDTD
法の計算式を
用いる.分散性媒質を扱うと計算時間とメモリ量は増
加する.本論文で扱う
FSS
では,計算時間とメモリ
量はそれぞれ約
2
倍,
1.2
倍になる.
分散性媒質を計算する際に注意すべき点は,誘電体
との境界の扱いである.本論文では,分散性媒質と誘
電体の境界が,それらの平均誘電率をもつ
Drude
モ
デルで表現できると仮定する.平均誘電率をもつプラ
ズマ周波数と衝突周波数を導出し,分散性媒質表面上
の電界接線成分を計算する際に用いる
[29], [30]
.
FSS
の計算には
FDTD
法に周期境界条件を適用し,
無限周期構造の
1
周期のみを取り扱う.解析に用いる
刻み幅を
Δx = Δy = Δz = 1.0 μm
に選ぶ.
なお,文献
[17]
の構造を再現し本章で示した
FDTD
法を用いて予備検討を行った.計算結果は文献で示され
た結果とよく一致し,本手法の妥当性を確認している.
3. PDP
型
FSS
3. 1
構
造
2
枚の正方形パッチ間にクロスダイポールを挿入し
た
PDP
型
FSS
を検討する.構造を図
1
に示す.誘電
体の材料としてポリエチレン(
PE
)を想定し屈折率を
n
s= 1.5
に選ぶ.
1
周期の長さを
Λ = 180 μm
とし,金
属膜厚を
t
m= 2 μm
とする(材料の損失は後述する)
.
誘電体層の厚さをそれぞれ
t
h1= 10 μm
,
t
h2= 20 μm
に選ぶ.クロスダイポール幅を
w
c= 16 μm
に固定す
図 1 PDP型 FSS: (a) フィルタの単位セル,(b) 単位 セル中心の x-z 断面図,(c) パッチの x-y 断面図, (d)クロスダイポールの x-y 断面図
Fig. 1 Configuration of a PDP-type FSS: (a) Unit cell of the filter, (b) cross sectional view of the unit cell in the x-z plane, (b) cross sec-tional view of the patch in the x-y plane, and (d) cross sectional view of the crossed dipole in the x-y plane.
る.構造の上部から,横方向に一様な振幅をもつ
E
x偏波のパルス波を垂直に入射する.構造の下部で透過
波を観測し,
0
次回折波のみを評価する.
3. 2
損失が透過特性に及ぼす影響
金 属 を
PEC
及 び 分 散 性 媒 質(
Ag
)と し て 扱 い
透 過 特 性 の 差 異 を 調 べ る .
Ag
の プ ラ ズ マ 周 波 数
と衝突周波数をそれぞれ
ω
p= 1.44 × 10
16rad/s
,
ν = 4.0 × 10
13rad/s [31]
とする.また,
PE
は
THz
帯においてわずかに損失性となる.そこで,誘電正接
を
tan δ = 0.001
に選び導電率に換算して
FDTD
法
に組み込んだ場合も検討する.
図
2
に
PDP
型
FSS
の透過率の周波数特性を示す.
w
s= 80 μm
,
d = 160 μm
に設定している.まず,金
属を
PEC
で近似し,金属の損失の影響を無視した場合
を検討する.
PE
も無損失とすると,当然のことながら
最も高い透過率が得られる.他方,
tan δ = 0.001
とし
て
PE
の損失を考慮すると,挿入図に示すようにピー
クの周波数(
0.81 THz
)での透過量は
0.5%
低下する.
次に,分散性を伴う金属の損失の影響を
Drude
モ
デルを用いて考慮する.金属の損失のみを考慮すると,
PEC
近似(実線)と比較して透過量は
0.5%
低下する.
加えて,
PE
の損失による影響も考慮すると,透過量
図 2 PDP型 FSS の透過特性Fig. 2 Transmission characteristics of the PDP-type FSS.
は更に
0.5%
低下する.
以上のように,
THz
帯での金属と誘電体の損失を
考慮しても,未考慮の場合と比較して透過量の差は
1%
程度であり,
1 THz
より低周波側では損失の影響
をほぼ無視できる.これは,金属グレーティングで
構成された共振器や金属メッシュの解析で得られた結
果
[32], [33]
と矛盾しない.加えて,分散性を考慮して
も,バンドパス特性の概略に大きな差異は生じないこ
とも図
2
から分かる.すなわち,
THz
帯の
FSS
の解
析において,計算負荷の少なくすむ
PEC
近似が有効
であると言える.そこで以降では,材料の損失を無視
した手法で得られた結果のみを示す.
3. 3
透過特性の構造依存性
広帯域特性の得られる構造を探るため,正方形パッ
チの素子長
w
s及びクロスダイポールの素子長
d
を変
化させて透過特性を評価する.
まず,パッチの素子長
w
sの変化に対する透過特性
を図
3
で議論する.
d = 160 μm
に固定する.図よ
り,
w
sを短くするにつれて,透過帯域を高周波側に
拡張できることが分かる.また,
w
sの変化に対して,
0.6 THz
付近の透過率が極小となる周波数の変化はわ
ずかである.このことから,透過帯域の上限は正方形
パッチが決定していると予想される.
クロスダイポールの長さ
d
の変化に対する透過特性
を図
4
で評価する.
w
s= 80 μm
に固定している.図
より,
d
を大きくしていくと,
0.6 THz
付近のクロス
ダイポールの共振周波数が低周波側へシフトし,高透
過率の得られる帯域幅を拡大できることが分かる.こ
のとき,
d = 180 μm
では,クロスダイポールの端部
が接触し網状化することで,
0.6 THz
付近での共振が
図 3 wsの変化に対する PDP 型 FSS の透過特性 Fig. 3 Transmission characteristics of the PDP-type
FSS for several wsvalues.
図 4 d の変化に対する PDP 型 FSS の透過特性 Fig. 4 Transmission characteristics of the PDP-type
FSS for several d values.
消滅する.結果として,透過量が
50%
以上となる周波
数は
0.32
∼
0.96 THz
となり,帯域幅
100%
のバンドパ
ス特性の得られることが見出せる.ここで,クロスダ
イポールの素子長の変化によらず,
1.1 THz
付近では
同等の透過特性の得られることが分かる.つまり,ク
ロスダイポールは透過帯域の下限を決定していると考
えられる.
以上のことから,
PDP
型
FSS
において透過帯域の
上限を正方形パッチが,下限をクロスダイポールが決
定していると予想される.そこで,
3
層構造を分離し
た,
2
層正方形パッチ及びクロスダイポールの素子特
性を評価し,
PDP
型
FSS
においてバンドパス特性が
得られる理由を明らかにする.
4. 2
層正方形パッチ及びクロスダイポール
の透過特性
本章では,前章で議論した
PDP
型
FSS
を構成する
図 5 2層正方形パッチFig. 5 Configuration of a double-layered square patch.
図 6 wsの変化に対する 2 層正方形パッチの透過特性 Fig. 6 Transmission characteristics of the
double-layered square patch for several wsvalues.
2
層正方形パッチ,及びクロスダイポール単一素子に
ついて議論する.
はじめに,正方形パッチを積層した構造について検
討する.解析する構造を図
5
に示す.このとき,誘電
体内部におけるパッチの位置,及び層の厚さを
PDP
型
FSS
(図
1
)と同様に設定している.
図
6
は
w
sを変化させたときの透過率の周波数特性
を示している.
w
s= 70
,
80
,
90 μm
のとき,それぞ
れ
0.8
,
0.88
,
0.98 THz
において透過率の極大値が得
られる.
w
sを短くするにつれて,透過ピークが高周波
側に変化するが,透過率が極大値となる周波数は図
3
の
PDP
型
FSS
における透過帯域の上限となる周波数
とほぼ一致している.以上の結果から,
PDP
型
FSS
において透過帯域の上限を正方形パッチが決定してい
るといえる.
図
7
に
w
s= 80 μm
における,主偏波の界分布を
示す.
x-z
断面において界の振る舞いを確認しやすい
磁界(
H
y)成分を選んでおり,入射磁界強度で正規化
されている.図の白線は構造中心の
x-z
断面での金属
の位置を表している.図
7 (a)
に示すように,高い透
図 7 2層正方形パッチ断面の正規化界分布(ws= 80 μm, Hy成分)
Fig. 7 Normalized field distributions in the cross sec-tion of the double-layered square patch (ws= 80 μm, Hy component).
図 8 クロスダイポール Fig. 8 Configuration of a crossed dipole.
過率の得られる
0.88 THz
では,入射波は反射を生じ
ることなく透過している.他方,図
7 (b)
で示す透過
率の小さくなる
1.15 THz
では,界の反射している様
子が確認できる.このとき,パッチでは共振が起こっ
ているが,誘電体に覆われたパッチの実効的な共振波
長を算出すると
174 μm
となる.したがって,パッチ
は
w
sの長さに対しておおよそ半波長で共振している.
この共振波長は単一パッチの場合とほとんど同じであ
ることを確認している.
次に,クロスダイポールの単一構造を解析し,
d
の
変化に対する特性を評価する.構造を図
8
に示す.構
造パラメータは図
1
と同様である.
図
9
に,
d
を変化させた場合の透過特性を示す.
d = 150
,
160
,
170 μm
に選択した場合,それぞれ
0.57
,
0.63
,
0.68 THz
で透過率は極小となる.このと
き,
d = 160 μm
では,誘電体に覆われたクロスダイ
ポールの実効的な共振波長は
317 μm
である.つまり,
クロスダイポールは
d
の長さに対しておおよそ半波長
で共振する.他方,
d = 180 μm
とし網状化した場合,
0.6 THz
付近での共振が消滅し,透過帯域は低周波側
へ拡大する.ここで,
d
の長さに応じた単一素子の特
図 9 d の変化に対するクロスダイポールの透過特性 Fig. 9 Transmission characteristics of the crosseddipole for several d values.
図 10 クロスダイポール断面の正規化界分布 (d = 160 μm,Hy 成分)
Fig. 10 Normalized field distributions in the cross section of the crossed dipole (d = 160 μm, Hycomponent).
性は,図
4
の
0.6 THz
付近における
PDP
型
FSS
の
結果の変動と類似している.すなわち,
PDP
型
FSS
において透過帯域の下限をクロスダイポールの素子長
が決定している.なお,図
9
から分かるように,クロ
スダイポールの単一構造では,多少の透過率の低下を
伴うものの高周波側に広帯域な透過特性が得られる.
透過率が極大,及び極小となる界分布の一例として,
d = 160 μm
での主偏波(
H
y成分)を図
10
に示す.
図
10 (a)
より,透過率が極小となる
0.63 THz
では,
クロスダイポール上に励振される界が共振し,界の反
射する様子が観察される.図示しないが,計算による
とクロスダイポール表面に電流の強く流れることを確
認できる.これに対し,図
10 (b)
では,クロスダイ
ポール上で界が共振しておらず,界のほとんど全てが
透過している.
5.
サンプルホルダへの応用
最後に,
FSS
を
2
枚使用したサンプルホルダの透
図 11 サンプルホルダ
Fig. 11 Configuration of a sample holder.
図 12 サンプルホルダの透過特性 Fig. 12 Transmission characteristics of the sample
holder for several L values.
過特性を検討する.図
11
に示すように,サンプル挿
入部として自由空間を設け,その間隔
L
を変化させ
て透過特性へ及ぼす効果を調査する.各々の
FSS
は
3.2
で用いた構造と同じに選んでいる(
w
s= 80 μm
,
w
c= 16 μm
,
d = 160 μm
).
図
12
に,
L
を変化させた場合の透過率の周波数特
性を示す.比較のため,
FSS
単体の結果を併記してい
る.サンプルホルダの結果は,
FSS
単体と同等の透過
帯域を維持しながら,より急しゅんな周波数特性を示
すことを見出せる.図示しないが,
3.3
で議論した単
体素子と同様に,正方形パッチの素子長を短く選び,
クロスダイポールの素子長を周期長と一致させること
で,透過帯域を広くできる.以上のように,
PDP
型
FSS
をサンプルホルダとして利用しても,良好なバン
ドパス特性の得られることが明らかになった.
6.
む す び
正方形パッチとクロスダイポールで構成された
THz
スダイポールの各々の素子長に応じて,バンドパス特
性の帯域幅を調節できることを明示した.特に,正方
形パッチの素子長を
90 μm
以下に選び,クロスダイ
ポールの素子長を周期長と一致させ網状化することで,
100%
以上の透過帯域が得られることを見出した.
次に,
PDP
型
FSS
のバンドパス状の特性が得られ
る理由を調べるため,
2
層正方形パッチ,及びクロス
ダイポール単一素子の特性を明らかにした.
PDP
型
FSS
における透過帯域の上限を正方形パッチが,下限
をクロスダイポールが決定していることを確認した.
最後に,
PDP
型
FSS
を空隙を設け
2
枚使用したサ
ンプルホルダを解析した.単体の
PDP
型
FSS
と同様
に,サンプルホルダとして利用しても,良好なバンド
パス特性が維持されることを明らかにした.
本論文では垂直入射のみを検討した.傾斜入射では
透過特性の悪化が懸念されるため,検討を進めていく
予定である.また,等価回路を用いた設計や実験的検
証についても今後の課題としたい.
謝辞 付録の
DPD
型
FSS
を検討する動機を頂いた
東京都市大学の柴田随道教授にお礼申し上げます.計
算に協力された本学大学院生の梅澤涼君に感謝します.
文
献
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DPD
型
FSS
を検討する.構造を図
A
· 1
図 A· 1 DPD 型 FSS
Fig. A· 1 Configuration of a DPD-type FSS.
図 A· 2 wsの変化に対する DPD 型 FSS の透過特性 Fig. A· 2 Transmission characteristics of the
DPD-type FSS for several wsvalues.
図 A· 3 d の変化に対する DPD 型 FSS の透過特性 Fig. A· 3 Transmission characteristics of the
DPD-type FSS for several d values.