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音楽科における批判的思考力に関する考察(1) : “高次思考力-higher-order thinking skills”との関連を視点として

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(1)兵庫教育大学. 研究紀要. 第38巻. 2011年2月.  165−169. 音楽科における批判的思考力に関する考察(1) −“高次思考力−    .   

(2) 

(3)      ”との関連を視点として−. .  

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(13)      − 岡 本 信 一 !  

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(62)          "   キーワード:批判的思考力, 高次思考力,  ( 分類学 !  .  :  .     

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(65) 

(66)     $  (  )

(67) . Ⅰ. はじめに 学習指導要領に思考力という言葉が位置づけられて以 来、 日本でも様々な実践研究が行われてきた。 しかしな がら、 一方でそれらの研究の理論的基盤は決して体系的 ではなく音楽科においては思考力のとらえ方自体も未だ 不明確なままである。 本論では、 ユニース・ボードマン らの論に依拠しながら、 音楽科における批判的思考力育 䌍䌍 䌃 䌐 䉦 䊥 䉨 䊠 䊤 䊛✬ᚑ䈱ᣇᴺ ᐜ⒩࿦䌾ዊቇᩞ 䋲 ᐕ䉕ኻ⽎ 䈫 䈚 䈢 䉦 䊥 䉨 䊠 䊤 䊛✬ᚑ䈱ᣇᴺ 䋱 䋮 㖸ᭉតⓥᣇᴺ䈱⊒ዷ⊛♽೉ൻ The Developmental Phases of Musical Exploration 㸇 䋮 ⥄↱䈭តⓥ 䈘 䉁 䈙 䉁 䈭㖸⚛᧚䉕↪䈇䈩䈵䈶 䈐 䉕តⓥ䈜 䉎 䉴䉨䊦 䈵䈶 䈐䈱㘃ૃ 䈫 ⋧⇣䈮䈧䈇䈩⹺⍮ 㸈 䋮 ᜰዉ䈮 䉋 䉎តⓥ 㖸㗀䈱ᇦ੺ᄌᢙ 䋨 㖸⦡ 䊶 ᜬ⛯ 䊶 㖸㜞 䊶 㖸㊂ 䋩 䈮ὶὐ䉕ᒰ䈩 䈩 ᣂ 䈚 䈒 ⊒⷗ 䈚 䈢䈵䈶 䈐䈱ශ⽎䈱⼂೎ 㸉 䋮 តⓥ⊛䈭හ⥝ ⥄Ꮖ䈱䈵䈶 䈐䈱➅ 䉍 ㄰ 䈚 䉇ઁੱ䈱ᮨ୮䈱䉴䉨䊦 䈵䈶 䈐 䉕䊌 䉺 䊷䊮 䈮⚵❱ 㸊 䋮 ⸘↹⊛䈭හ⥝ ⚵❱ 䈚 䈢䈵䈶 䈐 䈱䊌 䉺 䊷 䊮 䉕ḩ⿷䈱䈇 䈒 䉋 䈉 䈮Ṷᄼ䈜 䉎 䈢䉄䈮䈵䈶 䈐 䈨 䈒 䉍 䈱䊁 䉪 䊆 䉾 䉪 䉕⊒㆐ 䈘 䈞䉎 䇯 㖸ᭉ⊛⌕ᗐ䈮ၮ䈨䈇䈩 䇮 䈵䈶 䈐 䉕⴫⃻⼾䈎䈮䊌 䉺 䊷䊮 䈮⚵❱䈜 䉎 䇯. 1 .䈵䈶 䈐䈏㈩೉ 䈘 䉏䈩䈇 䉎ᣇᴺ䉕⼂೎䈜䉎䋭ಽᨆ⊛ᕁ⠨ 䇯. 2 .䈵䈶 䈐䈏㈩೉ 䈘 䉏䈩䈇 䉎ᣇᴺ䈏ㆡಾ䈪䈅 䉎䈎䈮䈧䈇䈩᳿ቯ䈜䉎䋭ᛕ್⊛ᕁ⠨ 䇯. 3 .䈵䈶 䈐 䉕 䈘 䉌 䈮⴫⃻⼾䈎䈮㈩೉䈜 䉎ᣇᴺ䈮䈧䈇䈩⠨ኤ䈜䉎䋭ഃㅧ⊛ᕁ⠨ 䇯 㸋 䋮 ⵬ᒝ. 表1. MMCP-Interaction(MMCP-Final Report 1970より). 図1 MMCP-Synthesis (MMCP-Final Report 1970、 p.110より: 小学校3年生からを対象とした、 発達の螺旋図に基づいたカリキュ ラム編成の方法). *兵庫教育大学体育・芸術教育学系. 平成22年10月22日受理. .

(68) 岡. 本. 信. 一. である     ".  (自立した学習者) を、 ある. 成に関して考察することを目的とする。. いは学習主体を育てることになると結論づけたのである。. Ⅱ. 音楽科における思考力育成に関する研究の先駆. マルザーノ達が考察した高次思考力とは、 次の3つの傾 向性 (#

(69)   

(70) 

(71) ) からとらえられている。. 音楽科において初めて作成された思考力育成に関する 研究は1970年に完成した創造的思考力育成に関するプロ グラムの である。. 「自己制御の傾向性. は小学校2年と3年生の間を境に2つの部分. 知的習慣の第1のカテゴリーは、 高いレベルの学習を. すなわち、 創造性の基礎としての能動的な探究活動自体. 強化し、 学習のプロセスを学習者の制御下におく傾向性. が目的とされる    . 

(72) (表1参照) と音楽概. を構成する。 それらの傾向性はふつう自己制御の傾向性. 念やスキルの系統的な発達を意図した    

(73) . として言及されている。 以下のようなものがそれに当た. (図1参照) と呼ばれる音楽概念の螺旋型発達モデルに. る。. 分けられる1) 折衷カリキュラムである。 は作成当時としては画期的なカリキュラムで. ・自分自身の思考に気づいている。. あったが、 教師の創造性欠如、 カリキュラムの肥大化、. ・計画をつくる。. 基盤となる心理学との論理矛盾や基礎的研究の不備が相. ・利用可能なりソースを用いている。. まって、 発展することはなかった。 (日本では80年代に. ・フィードバックに敏感である。. 概念学習が取り入れられた). 2). ・自分の思考の有効性を評価している。. しかし、 一方で音楽的自. 立 (

(74).   

(75)     ) というキーワードがその後 批判的思考の傾向性. の研究の中で継承され続けた。 この言葉は、 本論の中で. 高いレベルの学習の第2のカテゴリーは、 学習を本質. も非常に重要な概念であるが、 現在に至ってもとりわけ 我が国においては否定的にとらえられていると考えてい. 的により批評的なものにする傾向性である (

(76) 1985)。. る。. それらのうちのいくつかを示すと以下のようなものがあ る。. Ⅲ. 学力低下と高次思考力の育成 1980年代はじめ、 日本がバブル経済の絶頂期に向かい. ・正確であり、 正確さを求めている。. つつあった時、 アメリカでは深刻な学力低下が起こって. ・明晰であり、 明晰さを求めている。. いた。 ことの発端は (学力テストの国際比較) の. ・衝動を回避する。. 悲惨な結果である。 その結果を受けた後、. . 

(77) . . 

(78)  (危機に立つ国家) −日本教育への挑戦. ・ある立場を支持し、 ある立場を守る。 ・他人の知識のレベルと感情に敏感である。. (橋爪貞. ・偏見がない。. 雄訳) において、 はじめて複雑な問題に対応するための 

(79) .    

(80)   という言葉が用いられその育成が求 められた。 の報告書に連動して、 アメリカではス. 創造的思考の傾向性 最後のカテゴリーは、 学習を本質的により創造的なも. プートニクショック以来のふたたび国家の威信をかけた. のにする傾向性である (. $

(81)  1983;. 

(82) 1984)。. 研究組織が発足する。. これらの傾向性には以下のようなものがある。. 研究初期の段階においては、 レズニックが既存の様々 な思考、 例えば、 創造的思考、 拡散的思考、 反省的思考、 分析的思考、 合理的思考などから高次思考力に相当する. ・答えや解決策が明らかでないときでさえも、 熱心に課. ものが考察された 。 一方マルザーノ(. .     1988). 題に取り組む。. 達はこうしたアカデミックな研究成果に加え学校現場で. ・自分の知識や能力の限界を推し進める。. 経験的に用いられてきた思考をも抽出してレズニック同. ・自分自身の評価基準を生成し、 それを守る。. 様に思考の 

(83)   

(84) 

(85) (傾向性、 性質) についての分析. ・これまでの慣習の境界を越えて状況の新しい見方を生. 検討した。. 成する。」4). 3). その結果、 マルザーノ達は、 人間の思考には創造的思 考・批判的思考そして自己調節 (メタ認知) の3つの傾. 批判的思考者というのは、 端的に言えば、 これは主張. 向性が高次思考力を形づくることを明らかにした。 そし. や解釈を検証 (評価) する。 創造的思考者というのは、. てボードマン (!. .    1989) 達と共に、 これら3. 端的に言えば、 新しく生成した評価を吟味する。 多かれ. つの思考の性質すべてを教室の中に解放することが. 少なかれこの2つはお互いに補いあいながら生起してい.  の理念と非常に密接な関わりのあるキーワード. るのである。. .

(86) 音楽科における批判的思考力に関する考察( )−“高次思考力−

(87)

(88)      

(89) . .      ”との関連を視点として−. そして上に述べた2つの思考を、 いいかえれば人間の. 目標としてきた子どもの主体性を回復させることへの契. 認知活動をもう一段上のレベルからコントロールする性. 機になると考えられる。 バーレットこのことに関して以. 質がメタ認知である。 たとえばもう一度曲を作り直して. 前から指摘していた。. みよう (創造的思考を促す) とか、 あるいは、 明日もう 「生徒が主体的に音楽“する”ことに関わっていると. 一度聞いてみよう (批判的思考を促す) という認知活動. き、 彼らはそれが音楽家達のように活動し考えることを. が典型的なメタ認知であるといえる。 しかしながらこれらの思考を教室で解放していくため. 意味するのだということを体験する。 音楽教育者として. にはいくつかの問題点がある。 高次思考力に関する研究. の我々の目的は、 (中略) 生徒らに音楽を学習する一個. は1980年代当時、 知識や技能の獲得としての学校教育の. 人として機能させるようにするのではなく、 かわりに演. あり方に行き詰まったアメリカの教育改革に端を発する. 奏や批評や創作に関わる音楽 (芸術) 家として機能させ. ものであったが、 一連の研究は我が国においてはほとん. るのである。」7). ど注目されていなかった。 その理由として高次思考力そ のものに対する一種の抵抗感や家元制度があげられる。. 高次思考力に関する研究は、 当時のアメリカの学力低. まず、 高次思考力そのものに対する抵抗感の視点で捉. 下に端を発したものであったが、 一連の大がかりなプロ. えるならば、 次のような事例が挙げられるであろう。. ジェクトを探ると、 単にそれだけに止まらずいじめや人. 「たとえば、 歴史家は特定の場所や人や時代の独自の. 権問題との関連に言及していることがわかる。 いいかえ. 解釈を得るために、 多くの一次資料を調査する。 この特. れば、 思考力の育成の真意は単なる学力の向上が目的で. 殊化された探究のモードは、 他の事柄の中でも、 非常に. はなく、 子ども一人ひとりの個性や人権を守るという民. 演繹的な思考、 問いの組織立て (     .  )、 高度な. 主主義の深い原理に根ざしていたと考えられる。. 推論的な力を含んでいる。 しかし、 (中略) 歴史を読ん. では、 これまで述べてきたような高次思考力育成の枠. でいる生徒には、 歴史家が用いたアプローチを推論する. 組みの中で、 批判的思考力をどのように捉えればよいの. ことは固く抑えられている。」5). か。. つまり、 高次思考力は専門家のみが扱える能力であっ. Ⅴ. 音楽科における批判的思考力育成の枠組み. て、 初等教育や中等教育の子ども達には、 制限されてい るのである。 音楽科においても、 音楽の意味内容や解釈. ハッジンズとエデルマンは、 よき批判的思考者を、 あ. の内容は指導書や教師の解釈に集約されてしまうことは. る人の結論を支持する際の証拠をもたらし、 他人の結論. 多々ある。. を受け入れる前に他人から証拠を要求する性質のある人、. 一方、 音楽科教育において制限されていることはそれ. と定義している。 音楽についてのよき批判的思考者とい. だけに止まらない。. うのは、 その人達の評価の基礎として概念的な音楽の証 拠に頼っている。 彼らは、 音楽と、 その部分と全体の価. Ⅳ. 音楽科における高次思考力育成の問題点. 値を理解することによって、 1つの作品を批判的に評価 する。 こうして評価は、 仲間の圧力や気まぐれやファッ. 「(日本の伝統音楽における) 家元制度は、 儒教的な 思想が大きな支えとなっている近代封建主義のもとに、. ションからと言うよりはむしろ音楽の証拠から引き出さ. (…略…) 権威に弱い日本人の国民性などが相まって、. れる8) という。. 日本にだけ展開した独自の制度である。 家元とは、 芸道. そのために必要な資質として3つが考えられた。 1つ. において正統を継ぎ流派を統率する本家のことであり、. めは、 音楽の概念的知識である−批判的思考者は音楽の. この家元を頂点としてピラミッド型の上下主従制の社会. 諸要素が理解できなくてはならない。 2つめは、 音楽を. が築かれている。 家元は、 その技・伝授・免許・破門な. 情意的にも認知的にも評価するために、 判断、 比較の尺. どすべての権利を独占している。 (…略…) この師弟関. 度となる音楽経験の宝庫である−批判的思考者は、 比較. 係は絶対的なものであり、 家元に対しては絶対服従であ. のために利用可能な高品質の資源を持っていなければな. るので、 個人の自由な音楽活動は一切認められていなかっ. らない。 3つめは、 音楽評価の基礎として、 音楽的証拠. た」。. 6). を探すためのメタ認知的方略なり性質である−批判的思 考者は、 見識のある意思決定をしようと思い、 またその 仕方を知らなくてはならない−。. この内容は、 伝統音楽に関しての記述ではある。 しか し、 同様な状況が学校教育においても影響しているので. こうした資質は授業の中での個人練習やグループ学習. はないか。 今日の音楽科教育において、 上述したような. や鑑賞で音楽を表面的に楽しむことから一歩踏みだすた. 音楽科教育の風土をのりこえて高次思考力や本論の主題. めに、 いいかえれば音楽的自立へ向かうために、 必要と. である批判的思考力を育成することは、 学校教育が長年. される。. .

(90) 岡. 本. 信. 一. は幸福というのが違いである。」 ←音楽的概念が引き出. しかし他方、 批判的思考の結果が批評や鑑賞文として. されていない。. 言語化されたとき、 その批評自体をどのような視点で評 価するのかについて明確な指針が存在していなかった。    (1988 ) は  と

(91)

(92)  (1982)9) によって. 2. 単一構造的な批評 (.     .  ):こ. 開発された、 生徒の思考のプロセスを評定する . れは、 急いでたどりついたせいか洗練されてない結論を. 分類学という方法に注目し、 この問題を克服しようとし. 基礎とした、 1つの低いレベルの音楽的概念や事実 (単. た。 ポイントは、 評価されるのは、 思考の 「プロセス」. 純なリズム、 テンポ、 強弱、 あるいは表現の媒体) に頼っ. の正確さと洗練の度合いで、 あらゆる最後の結論の正確. ている。 例: 「最初の曲はとても重々しくて、 強いビー. さではないということである。. トがある…。 2つめの曲は、 ずっと積極的に軽いビート がある…。 私は一方が他方に比べてよいとは思えない。」. 批判的思考は、 よくあるような標準化された 「一問一. ←一つの音楽的概念が引き出されている (リズムの強調)。. 答」 形式では簡単には評価されない。 なぜならば、 一つの思考が評価において正答を得るこ とが、 生徒にとっての実際の課題ではないのである。 そ. 3. 多重構造的な批評 (  .     .  ):こ. の代わりに、 生徒達の目標は、 思考のプロセス示すこと. れは、 いくつかの音楽的概念や単一構造的な批評にある. であるべきである。 生徒達はこの目標に自分で書いた批. のと同じような事実を用いるがうまく統合されていない。. 評やインタビューを通して到達することができる。. 彼らは、 多様 (多重) の証拠を探すが、 一つの総合され. その意味で、 分類学は、 (オブジェクトではな. た議論を表せない。 例: 「最初の曲は大きな音で始まり、. く) プロセスそのものの評価をしようとしており、 当時. すぐに静かになる。 その中で歌っている人達がいる…。. としては非常に独創的な分類学といえる。 ハッジンズ. その響きからすると弦楽器で演奏されているようだ。 2. (1966 11) によれば、 多くの教師が生徒達にする 「あな. つめの曲は弦楽器によって大変ゆっくりとはじまる。 そ. たの取り組みを見せなさい」 や 「どうしてそっちの方を. れが進むにつれて次第に早くなりフルートが聞こえる...。. 選んだのか説明せよ」 という指導は、 うまく助言がなさ. どちらの曲も多くの異なった楽器がある。 最初の曲はお. れていると思われる。 そうした説明は、 生徒が“思考す. おむね大きいところから静かなところへ。 しかし、 2つ. るプロセス”を直接伝えるような情報を教師にもたらす。. めの曲はほとんど同様である。」 ←3つの音楽的概念が 引き出されている。 (強弱、 楽器の用い方、 テンポ). 上述したように、 教師の問いかけから生徒が自分の思 考のプロセスを示す手続きにしたがい、 聞こえたり演奏 されたりするある作品を音楽の用語で記述し分析し、 批. 4. 相関関係的な批評 (   .  ):これは、. 評を書くよう求められる。 音楽科の授業でよく用いられ. 高いレベルの概念 (形式や管弦楽法や様式) の把握を示. る自由筆記的な感想文では、 子ども達の国語的な文章表. し、 また統合された論議を示す。 その論議は、 いくつか. 現力が障壁となっているが、 分類学を用いた批評. の概念をもとに根拠を組み合わせて確信した答えに至る。. では比較と音楽概念についての記述が基本となっている。. その答えは、 課題に即して厳密に定義しようとしたもの. そしてこの批評は、 その内容と構造に基づいて5つの分. になる。 例: 「2つめの作品は最初の作品に比べてより. 類の中の1つに割り当てられる。 これらの分類は、 概念. 現代的である。 1つめの作品が合唱が先導するのに比較. 的な知識とその構造を反映しながら、 批判的思考の次第. して2つめの作品では一人の歌手だけが先導している。. に洗練されていくレベルを表している。 以下がその事例. 楽器の使い方でもそれら2曲は異なっている。 最初の曲. である。. ではオーケストラの響き以上の何かがある。 2曲目はジャ ズバンドの響き以上の何かがある…。 最初のは大きく荒々. Ⅵ.     . 

(93)       10) による音楽における批判的思考の 分類. しく始まる。 2曲目は暖かく流れるようにはじまる。 2. 1. 前構造的な批評 (      .  ):これは. つめの曲が好きなようだ。 なぜならより現代的な響きが. 主題についての構造化された学習を何も示さない。 また. するので。」 ←4つの低い音楽的概念 (管弦楽法、 媒体、. 特徴的なものとしては、 課題から逃避したり、 否定した. 強弱、 音色) と、 より高い音楽的概念 (形式、 歴史上の. りあるいは単に正確に答えられない。 (非音楽的概念に. 様式、 区分) が引き出されている。. 曲ともそれぞれ異なった部分なり、 形式がある。 私はそ れぞれの作品の質はとても優れていると考えた。 私は2. 基づいた評価は、 この分類の中に落ちてしまうことに注 5. 拡張された抽象的な批評 (   .   . 意せよ。) 例: 「最初の音楽作品は威圧的で、 勝ち誇っ たようで…。 2つめの曲は異国の島に行ったように楽し. .  ): 「最初の作品は3つの部分を持っている。 最. い気分にさせる…。 最初の曲の歌は悪で2つめの曲の歌. 初の部分はフルオーケストラの演奏が続く。 あらゆる和. .

(94) 音楽科における批判的思考力に関する考察(S)−“高次思考力−   

(95) .    !  !.  ”との関連を視点として−. %   

(96)  & '  

(97)  ( .  )     1987. 音があり、 それはまたフォルテで短調の響きである…2. 4)    

(98)  *          !  $    . つめの作品は2つの部分を持っている。 最初の方は穏や かで落ち着いており、 後の方はジャズ的でアップビート.    (   " '  

(99) 

(100)   

(101)      

(102). である。 サックスとベースとドラムは弾むような踊りの. $    1991## 62 63. ビートをもたらす…。 この2曲は異なる意図を持ってい. 5 )   

(103) . *    +

(104)

(105)       *  ,-) '. る。 それが理由で、 この2つは比較しにくい。 それぞれ.        ! . #

(106) .  

(107)  &      

(108) .   

(109)   " /01 2 3 4 567 8 9 4 :;< ;=3 8 > ?@A1986## 1078 1089. がそのもくろみを達成している。」 ←3つの低い音楽的. 6) 増田圭子. 概念が引き出されている (媒体、 強弱、 テンポ)。 3つ. 考察. のより高い音楽的概念が引き出されている (形式、 調性、. 日本伝統音楽の系統的学習についての一. 兵庫教育大学修士論文受理1984、 ## 52 53. 7 )       *   

(110)    !  !.      . 音楽の機能)。 音楽の目的 (機能) についての討議は課. B3 01 68 3 ;68;CDE 8 3 4 5<F:3 6G 3 6=$' 1989. 題の範囲を超えている。 (※ビッグスとコリスによれば、. 8) H     . $ .              . 様々な教科において 分類学の信頼度は極めて高 いと認められている ( .

(111) .    187 89)。 中高生.   !   !. 

(112)

(113)   .    .    

(114) . によって書かれた音楽についての279の批判的評論は3.       . .  . 

(115) #.      

(116)   "  I ; E2 65< ;C JKE4 5> 3 ;65<L1 8 1 52 4 :MN& 1986## 333 342. 人の異なる採点者によって評定がなされた。 信頼度は 0 89であったという). 9)   *  ,

(117) .   O P  $.     Q.   )

(118). Ⅶ. おわりに. 10) 

(119)  .  $ .     

(120) 

(121)         .        R

(122)

(123) )"( .       1982 本論で批判的思考力に関して考察した結果、 知識や技. .     "  (     O.

(124)    

(125)

(126)  ,. 能の獲得に重点を置くことにどのような視点が十分でな. $' 2002、 及び 

(127)  .  $ .     

(128) 

(129). かったのかが明らかになってくる。 それは、 音楽の“学.      ! " $' 1989. 習”ではなく音楽の“学び”そのもの、 すなわち、 音楽 の考え方や捉え方といった、 プロセスについて学ぶとい う視点であった。 現在でこそこの視点に斬新さはないに せよ、 ボードマンらの最初の研究が完成した1989年当時 は行動主義心理学が衰退し、 それまでブラックボックス の中に追いやられていた学習のプロセスという未知の領 域に関して認知心理学が次々と成果をあげていた頃であ る。 それから20年経過した今、 我が国においてようやく 学習指導要領に思考力育成が位置づけられたことに対し て、 これからも賛否両論があることだろう。 なぜなら今 の日本の教育レベルは高度経済成長時代に始まった、 知 識や技能の獲得至上主義が支えてきたという思いが根強 いからであると考えるからである。 しかし、 学校教育が 様々な面で行き詰まりを見せている現在、 子ども一人一 人が他人と違った音楽の学びのプロセスを、 思考力育成 と共に個性として教室の中に位置づけるという発想はこ れからの音楽科教育においても重要性を増すと思われる。 批判的思考力の授業論への展開が今後の課題である。. 【註及び参考文献】 1 ) 小 島 律 子 「       .           

(130)   の教育的意義−音楽的思考への着目−」 − 大阪教育大学紀要、 第29券第2・3号 2) 岡本信一. 1980. 音楽科における思考力育成カリキュラム. の展開−    

(131)

(132)     

(133) 

(134)  ! "を中 心に−. カリキュラム研究第10号、 2001、 # 128. 3 )     !    $    

(135) .     

(136)  !. .

(137)

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式目おいて「清十即ついぜん」は伝統的な流れの中にあり、その ㈲

を高値で売り抜けたいというAの思惑に合致するものであり、B社にとって

共通点が多い 2 。そのようなことを考えあわせ ると、リードの因果論は結局、・ヒュームの因果

エッジワースの単純化は次のよう な仮定だった。すなわち「すべて の人間は快楽機械である」という

 今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ