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小・中学生の学校ストレスの日中比較研究

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Academic year: 2021

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(1)平成18年度. 小・中学生の学校ストレスの日中比較研究. 兵庫教育大学大学院修士課程.    学校教育専攻    学校心理コース.      特木熱.     MO5095G.

(2) 目次. 問題と目的・・・・・・・・・・・・…  6・・・・…  1∼10. 123。4. ストレス研究の歴史・・・・・・・・…  1∼5. 現代における発達の危機・・・・・・…  6∼8. ストレスの定義・・・・・・・・・・・…  9 目的・・・・・・・・・・・・・・・・…  10. 方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  11∼12 結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  13∼39 −n∠. 因子分析結果・・・・・・・・・…  一・13∼18. 目本および中国内モンゴル児童・生徒 の学校ストレス因子構造の比較・・・… 19∼20. 3.. ︵1︶. 分散分析結果・・・・・・・・・・・…  21∼39 ︵2︶ ︵3︶. ︵4︶ ︵5︶. 国別・学年差の比較・・・…  一21∼24 学年・性差の比較・・・・・・… 25∼29 小学生の国別・性差の比較・・… 30∼33 中学生の国別・性差の比較・・… 34∼37 男女別に見た児童・生徒  学校ストレスの比較・・・・… 38∼39. 考察・・・・・・・・・・・・・・…  ■・・・・…  40∼62. 1234. 授業中不安因子の考察・・・・・・…  40∼41 友人不安因子の考察・・・・・・・…  42∼45 テスト不安因子の考察・・・・・・…  46∼48. 学業不安因子の考察・・・・・・・…  4g∼50. 性差の文化心理学的考察・・・・・・・・・・・・・…  51∼55 総合考察および学校への提言・・・・・・・・・・・…  56∼60 今後の課題・・・・・・・・…  ’・●・。。●●●の’61∼62. 引用文献・・・・・・…  6・・・・・・・・・・… 63∼66 参考文献  ・・…  曜・・・・・…  8・・・・・…  67. 付録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 68∼73.

(3) 問題と目的 1.ストレス研究の歴史  「ストレス(stress)」という言葉は,その使い方が系統的,あるいは,科. 学的に検討されるより前から用いられてきた。14世紀には既に,辛苦,苦 境,逆境,苦悩などを意味する言葉として使われていたようである(LUlnsden,. 1981)。17世紀の後半には,物理科学の観点からストレスという語が用いら. れていた。しかし,その後,この語の使われ方が系統だてられないまま19 世紀初期まで,ストレスはカの加わる場所への内部からのカであり,「スト レイン(strain)」は,対象の変型や歪みである,と定義されていた(Hinkle, 1977)。.  その後,ストレスとストレインの概念が受け継がれ,19世紀の医学では, これらは不健康のもとになるものとして考えられていた。.  その後,Selye(1936)はストレスという語を,有害な刺激形態(心理的 脅威を含む)に対する身体的防衛の総集した形を意味する,非常に特殊で専 門的な語義で用いていた。それは彼が,「汎適応症候群」と呼んだ反応のこ. とである。ストレスは,実際に,環境から強要されたものではなく(Selye. がrストレッサー(stressor)」と呼んだもの),そういった強要によって作 り出される一連の,誰にでも起こり得る生理的反応(副腎の肥大,胸腺,リ. ンパ腺の萎縮,胃や十二指腸の潰瘍)やその過程のことであった。そして,. ストレスという用語を,生態に生じる生物学的変化(歪み)を表す概念とし. て医学の領域に導入したのがSelyeであった。.  ストレスは長い間,精神病理学の,特にFreudとぞの後の精神力動学派 の理論化の枠組として考えられてきたが,個人心理学の立場では,むしろス トレスよりも不安という用語の方が多く用いられていた。ストレスという語. は1944年までは『PsychologicaIAbstmct』の索引には載っていなかった。.  1955年のアメリカ心理学会でのSelyeの招待講演もまた,従来の生理学 の中だけでなく心理学や他の行動学においてストレスの概念をとらえるこ.                 1.

(4) とへの関心を広げていく役割を果たしたのである。Selyeの研究を起点とす. る,ストレス時のホルモンの分泌に関する膨大な研究における分析はその多 くが心理学に関連する内容を含んでいた。実際に心理学的過程まで踏み込ん でいないにせよ,Selyeと彼の影響を受けた一連の研究は,近年のストレス ヘの関心拡大に多大な役割を果たしたと言える。.  さらにその後,ストレスの問題が人体に影響するという報告を基盤にして, ストレスを客観的に測定しようとする研究が行われた。最初に行われたのは,. ストレスを引き起こす誘因としてのストレッサーを人生における事件(ライ. フイベント)として客観的に尺度化する試みであった(Holmes&R&he, 1967)。また,Lazams(1966)はストレスとは個人と環境の間のある特定 な種類の関係であると定義したストレス学説を発表した。さらに,人生の事. 件(ライフイベント)よりも目常生活のストレス(目常的精神的混乱,目常 的な問題,葛藤,欲求不満等の頻度)の方がより人体に悪い影響を及ぽすと する学説を発表した(:Lazarus&:Launier,1978)。.  1960年代以降,ストレスが人間にとって避けることのできないものであ り,対処こそが適応の結果に大きな差異をもたらすものであるという認識が 高まってきた。そして,社会・心理学的ストレスの研究が行われてきた。.  Lazarus&Folkman(1984)は,出来事の経験の有無というよりはむし ろ,経験した出来事の捉え方である「認知的評価(cognitive appra重sal)」,. あるいは,出来事に対して行われる対処である「コーピング(coping)」の. 重要性を指摘した。そして,個人の認知・行動過程に焦点を当てた心理学的 ストレス理論を提唱した。それは,ある出来事のストレス価や出来事によっ. て引き起こされるストレス反応の程度は,個人の価値観や信念,あるいは個 人を取り巻く社:会的,環境的背景に依存するというものであり,また,スト. レスを適応ための一連の心理的なプロセスとして包括的に捉えるものであ った。. 2.

(5) 情動的反応. 抑うつ・不安.  行動的反応. 認知的評価. いらいら・不嫌悪.   自信喪失. 繍撫,/.   怒り.   思考力低下.     ⇒.   無気力. 潜在的. ストレッサー. 認知的・.   引きこもり. 第二次的評価. 何とかできるか.  コーピング. 問題中心. 情動中心.   攻撃的行動. 身体的 反応. 図1ラザルスとフォルクマンの心理社会的ストレスモデル(岡安,1997より一部改変).  Lazarusはさらにその集大成を「ストレスの心理学」として,ストレスと. はある個人の資源(resources)に何か重荷を負わせるような,あるいはそ. れを超えるようなものとして評価(appraise)された欲求であり,ある個人 と環境の間のある特定な種類のシステムとして捉えまとめ上げた(Lazarus. &Folkman,19841Lazarus,1993)。近年のストレス研究は,多くがこの Lazarusのストレスモデルを中心に発展している。  おそらく,児童・生徒のストレス研究については,米国のPhillips(1978). が最も古い研究である。この質問紙はCSQ(Children’sSchool Questionnaire)(児童用学校質問紙)と呼ばれるもので,198項目で構成さ. れており,その内,26項目がSarason(1960)のTASC(児童用テスト不. 安テスト)から採られたものである。その後Eliasら(1985)によって米 国の中学生のストレッサーとサポートに関する研究が行われた。.  また,最近,目本の心理学関係の研究誌上でも,児童・生徒のストレスに 関する研究が登場してきた。例えば長根(1991)は小学生が日常の学校生活 において頻繁に経験する具体的な出来事を収集し「友人関係」,「授業中の発 表」,「学業成績」,「失敗」の4因子から成る児童用学校ストレッサー尺度を.                   3.

(6) 作成した。岡安・嶋田・丹羽・森・矢富(1992)の調査では,生徒が目常の 学校生活で経験するデイリーハッスルについて,「教師との関係」,「友人関 係」,「部活動」,「学業」,「規則」および「委員会」の6っの下位尺度を得た。. 岡安ら(1992)の尺度を縮小化した三浦・福田・坂野(1995)の中学生用 学校ストレッサー測定尺度では,「学業」,「教師との関係」,「友人との関係」,. 「部活動」の4因子が抽出された。塩見・高居(1997)は小学生用「学校ス トレス尺度」の作成の研究で,学校ストレスの50項目を「発表(10項目)」, 「学業達成(10項目)」,「対人関係(10項目)」,「成績評価(5項目)」,「他. 者からの期待(5項目)」の5つの下位尺度で小学生の学校ストレスを検討 している。.  金城・前原(1997)の研究では,中学入学前後における児童・生徒の「対 人関係」ストレスと「学業jストレスにおいて,有意な性差が認められ,い ずれも女子の得点が男子より高かったことが明らかになった。.  ストレス反応の測定を試みた代表的な研究として,小学生を対象とした嶋 田(1998),中学生を対象とした岡安・嶋田・坂野(1992),高校生を対象 とした坂野・嶋田ら(1994)の研究などが挙げられる。これらのストレス反. 応尺度は,抑うっや不安などの特定の反応を測定するものではなく,多様な ストレス反応を包括的に査定する総合的尺度である。下位尺度構成の際には 年齢や発達による差異は考慮せず,「不機嫌・怒り」,「抑うつ・不安」,「無. 気力」,「身体的反応」の大きく4種類が設けられた。.  学校場面における心理的ストレス研究においても,認知的評価,コーピン グ,あるいはソーシャルサポートを取り上げた検討が行われている。小中学 生の認知行動は,出来事の「重要性」,「影響性」などストレッサー自体に関. する評価とストレッサーに対する「コントロール可能性」の2種類に分類可 能であることが確認された(三浦・嶋田・坂野,1994)。また,認知的評価 とストレス反応の関係を検討した結果,ストレッサーを重要視し,また影響. 性を高く評価する児童・生徒の場合はストレス反応の表出程度が高く,逆に. コントロール感が高い場合にはストレス反応を表出しにくい傾向にあると 考えられた(坂野・三浦・嶋田1994)。また,森ら(1994)のストレスを認.                 4.

(7) 知する特性として5つの因子を抽出し,「不合理な信念測定尺度(JITB− 20)」の開発の試み」,さらに,嶋田(1998)は,小学生を対象として学校 ストーレスモデルを構成した。.  一方,コーピングを扱った研究では,コーピングの種類やストレス反応と. の関係を検討しているものが多い。例えば,小学生コーピングは「積極的対 処」,「消極的対処」,「回避的対処」の3種類が挙げられており(嶋田,1998),. 一方,中学生のコーピングは「積極的対処」,「サポート希求」,「思考の肯定. 的転換」,「あきらめ」(三浦・坂野,1996)などが報告されている。また,. 三浦・坂野・上里(1998)は中学生がストレッサーに対して行うコーピング の組み合わせに注目している。従来の研究では,回避,逃避的な対処を行う. とストレス反応の表出が高まるなど,特定のコーピング機能について検討す. るのが主流であった。これに対して,三浦らの調査では,複数のコーピング のバランス,あるいは組み合わせによるコーピング機能の違いに焦点を当て た点が特徴的である。.  心理的ストレス過程における媒介変数の他にも,個人の資源,パーソナリ. ティやソーシャルサポートに注目した研究もある。岡安ら(1993)の研究で は,学校ストレス緩衝要因としてソーシャルサポートの重要性を指摘してい. る。橋本(2005)は,対人関係が個人の心身の健康に対して及ぼす影響がプ ラスに働く場合,つまり対人関係がストレスの悪い影響を抑制・緩和し,心. 身の健康を維持・促進する可能性に関して考察し,プラスに働くソーシャ ル・サポートとストレスの関連について検討している。.  これらのことから児童生徒の心理的ストレスをストレッサーの経験から 反応表出までの一連のプロセスとして,包括的に理解することが可能になっ. ている。本研究は,ストレスプロセスの情動的反応に焦点を当てたものであ る。. 5.

(8) 2.現代における発達の危機.  近代社会の成立と社会の急激な変化  人類社会は,何万年もの間発展してきた中で,地域や生活スタイルに応じ て様々な文明や文化を生み出した。それが,根本的に大きく変わり始めるの. は,18世紀半ばの産業革命以降のことである(Leakey,1994)。とりわけ19. 世紀後半から,近代科学の発展と工業化社会の拡大とがあいまって,養育や 教育にも新しい大波が押し寄せてきた。そして,大きな変化の1つは近代的 な学校というものが誕生したことである。高度産業化社会の生き残り競争を. 勝ち抜くには,新しい産業技術やその前提となる科学的な知識を伝えるため の学校教育が不可欠なのである。.  目本は高度経済成長の中で,「都市化」「少子化」「家族化の変容」といっ た変化を遂げてきた。.  特に大きな変化は,地域社会や血縁社会から切り離された現在の核家族に っながるものが誕生したことである。その中で,人類が長い時間をかけて,. 作り上げた育児と養育の伝統的システムがしだいに機能不全に陥っていく。 そのため,地域と家族の教育力が低下していく (麻生,2002)。.  目本の社会構造,生産構造,政治体制は明治維新以降発展してきた。そし て,都会化・工業化・情報化が進んできた。また一方で,同じアジアの中国 も都市化・工業化・グローバルな情報化が進んでいるところである。内モン ゴルも同様である。とりわけ,伝統的な遊牧生活を営んでいたモンゴル族に. 対して,都市化・工業化・情報化の影響は大きい。内モンゴルにも,かつて の日本と同じく都市化,少子化,家族変容が起こり始めている。.  従来の養育・教育システムの崩壊  現在,目本の学校や家庭は,工業化・都市化・分業化した社会の急激な変 化に子どもたちを適応させるために,社会から絶えず変革を迫られている。. たとえば,コンピューター・リテラシイという言葉やグローバル・スタンダ ードという言葉は,そのような圧力を象徴している。しかしながら,現在の.                 6.

(9) 養育や教育のシステムは,それらの変化や圧力に,十分に対応し得ると言え ない。好むと好まざるとにかかわらず,社会構造の急激な変化によって,本 来急変しないはずの養育や教育のあり方に巨大な圧力を加え,養育と教育の あり方をねじ曲げつつある。現在の亀裂と矛盾は全てそこから生じていると 言えるだろう。.  学校教育の危機.   近年,目本に,不登校,いじめ,校内暴力,あるいは無気力などの問題 行動が学校現場だけでなく,社会的な問題として取り上げられている。文部. 科学省の平成16年度の調査によれば,平成16年度内に30日以上欠席した 国・公・私立の小・中学校の不登校児童生徒は123,317人〔前年度126,226人〕. (内訳=小学校23,310人〔前年度24,077人〕,中学校100,007人〔前年度 102,149人〕)であり,平成15年度に続き,3年連続で減少した。公立の小・中・高. 等学校及び特殊教育諸学校におけるいじめの発生件数は,21,671件〔前年度 23,351件〕(内訳:小学校5,551件〔前年度6,051件〕,中学校13,915件〔前年. 度15,159件〕,高等学校2,121件〔前年度2,070件〕,特殊教育諸学校84件〔前. 年度71件〕)であり,8年ぶりに増加した前年度より減少に転じた。しかし,. いずれにせよ,学校現場は依然として深刻な状況にあることを示している。.  一方,中国内モンゴル自治区教育庁の2005年の統計によると,モンゴル 語で授業を行なう学校が減っていることが示されている。小学校の児童募集 が2004年より33.52%減っている(%ble1−1)。モンゴル民族教育は厳し. い状況にある。そして,内モンゴル自治区で,義務教育段階にて学校に通え なくなる(主に経済的な原因で)児童・生徒は,小学生は0.22%,中学生は 3.04%である(内モンゴ統計,2005)。.

(10) Table1−1内モンゴルの民族言語(主にモンゴル輩)で授業畠けている学校教育状況 lable卜1囚モンコルの氏朕一謂喝王にモンコルー刮で撹栗愚けてい6字校…叡肯状滉. 2005年. 2004年. 増減値. 増減幅度 (%). 襲挙埜数1重). 一50.00. 5.56. .⊇詣. 招生摯(多2. 一765 −2288. 内モンゴル教育庁統計より作成.  目本における児童・生徒が疲れ,元気がないと言われることがあるが,も ちろん,それらの根底には,生徒の精神衛生っまりストレスの問題が存在し ているのではないかと推測される。.  その一因として学校の教育力が低下してきたことが言われている(塩見,. 2006)。学校は,子どもたちの学習を推し進め,また,クラス集団の中で子 どもたちに社会性を獲得(社会化)させ,個性を育んでいく場である。しか しながら,その機能を果たす教育力が不足してきたことがストレスの問題が. 起こっている理由の1つとも想像される。. 8.

(11) 3.ストレスの定義  Lazarus&Folkman(1984)は,ストレスをこのように定義している。 心理社会的ストレスとは,個人の資源に負荷をかけたり,それを超過して個. 人のwel1・beingを脅かすものとして評価された,個人と環境の特定関係で ある。:Lazarusはストレスを「個人と環境の関係」として捉え,それらの関. 係性についての「認知的評価」を重要視した。っまり,ストレッサーのイン パクトは,ストレッサーの性質や自身の対処可能性についての評価,そして. 実際にどのように対処するかによって左右されると考えたが,確かにそれが 現実であろう。.  ストレスは情動という大きな枠組みの中の一っの側面にすぎない。情動は 非常に大きな概念であり,その中の一部としてストレスが位置しているわけ である(Lazarus,1984)。ある個人の資源(reso皿ces)に何か負荷を負わ. せるような,あるいは,それを超えるようなものとして認知されるような情 動,換言すれば,ある人と環境との問のある特定な種類の情動であると言え る。そして,学校環境において受けるストレッサーは学校ストレッサーと言 われる。.  以上のような先行研究を踏まえて,本研究におけるストレスの定義を「個 人と環境との特定の関係の中で,well−beingがその平衡状態を喪失する時 の情動である」とし,学校ストレスの定義は,「学校生活という特定の場に. おける,個人と環境の特定の関係の中で,we11−beingがその平衡状態を喪. 失する時の情動であるjとする。. 9.

(12) 4.目的.  目本において,不登校や無気力に代表される学校不適応状態にある児童・ 生徒の増加は大きな社会問題になっている。また,いじめの問題が深刻化し ている。これらの問題に対して,その原因が,目常の学校生活において,誰 もが感じるであろう「学校ストレス」にあるという考え方が最近になって受 け入れられるようになってきた(岡安,1994)。.  一方,中国は漢族と55の少数民族から構成される「統一した民族国家」 である。中国において,ストレスの心理学的研究が盛んになってきているが,. 中国児童・生徒はストレスフルな学校生活を送っていることが報告されてい る(孫・松原,1991)。ところが,母語で授業を受けているモンゴル族児童・. 生徒を対象にした学校ストレス研究においては,まだ報告されていない分野 であると言わざるを得ない。また,目本の児童・生徒と内モンゴルの児童・生. 徒との比較研究はいまだなされていない。そこで,目本と中国内モンゴルの 比較研究を通して,モンゴル語で授業を受けている児童・生徒の学校生活に おけるストレスフルな状況を把握し,児童・生徒が快適な学校生活を送るた めの援助に必要な資料を提供することを研究目的とする。そして,日本人児. 童・生徒と中国内モンゴル族児童・生徒の学校ストレスについての比較研究 を行い,目本人児童・生徒とモンゴル族児童・生徒においての相違を目本の ストレス心理学理論に基づき,文化心理学的に検討していく。  本研究は塩見・高居(1997)の小学生用「学校ストレス尺度」を検討した上で. 調査項目を作成し,以下の具体的な内容についての研究を目的とする。. ①目本と中国内モンゴルにおいての学校ストレスの相違点. ②学校ストレス変化の比較検討  また以上のようなデータの分析を通して,比較的考察,総合的考察も併せ て行っていく。. 10.

(13) 方 法 調査.  本研究は塩見・高居(1997)の小学生用「学校ストレス尺度」を検討した上で. 調査項目31項目(授業中,先生から当てられるとどきどきします;友だち に無視されるのではないかと気になることがあります;テストを受けたあと どれぐらいできたか心配です1新しい勉強を教わるとき自分に分かるかどう. か,心配になりますなどの「学校ストレス尺度」の項目と学校において,成. 績はすべてなのでかなりしんぱいです1成績のこと考えると,大人になった. ときのことが心配になりますなどの内モンゴルの学校教育の現状に適用で きる項目の組合せ)の質問紙を用いて行なわれ,4段階評価(「非常に当て はまる」,「少し当てはまる」,「あまり当てはまらない」,「全く当てはまらな い」)による測定を行なった。.  目本語版「学校ストレス尺度」のモンゴル語への翻訳を,研究者は兵庫教. 育大学の大学院生1名,学部生1名の協力を得て3名で行なった。1週間後, 3人で翻訳したモンゴル語版「学校ストレス尺度」をもう一度目本語に翻訳 した結果,質問紙項目の内容が一致した。さらに,内モンゴルでデータを取 る前に小,中学校の教職経験者2名のアドバイスをもらい,最終的なチェッ. クをして,モンゴル語版の質問紙を完成した。こうして,尺度を翻訳する時. の言語的な問題と尺度の内容を内モンゴルの現場の状況に合わせることへ 配慮した。したがって,目本語版「学校ストレス尺度」とモンゴル語版「学 校ストレス尺度jの内容は一致していると言えよう。. 調査対象:目本においては,兵庫県の同一の地域でのC小学校とD中学校      内モンゴルにおいては,E地域の小学校と中学校;F地域の小      学校と中学校. 調査時期・2006年6月上旬(両方とも). 11.

(14) 対象数:Table1−1−1に表している。           Tabie1−1−1調査対象数(名)   中2   学年   小5  小6   中1 別. 日本.  中国. モンゴル.   中3.  全体. 子男子. 子男子. 子男子. 子 男子. 6フ  フ2. 79  62. 113 102. 101  85. 139. 141. 215. 186. 68  88 156. 428 409. 130 110. 57  37 94. 266 224. 106  85. 117  95 212. 676 551. 子 男子. 240. 490. 191. 子 男子. 837. 1227. 実施手続き二各校で研究者が教師に教示し,学校教室において,同時期に,学級       単位で,集団調査を実施した。その際,被験者の児童・生徒は教師       による説明を受け(アンケートの目的と記入上の注意,回答内容は       秘密が守られること,成績に関係がないこと,自分の思ったまま答.       えること),教員により被験者の児童生徒一人ひとりに質問紙が配.       布された。.       実施時間は,およそ15分であった。        回収の際は,教師によって一斉回収された。. 12.

(15) 結 果 1. 因子分析結果.  31項目のストレスに関する質問項目を用いて,主因子法によるバリマッ クス回転を行った。因子負荷量が.40以上の項目を選定し,再度因子分析(主. 因子法・バリマックス回転)を行った結果,用意した31項目中17項目が選. 定され,4因子が抽出された。抽出された4因子の累積寄与率は40.14%で あった(Table1)。.  各因子の命名については,塩見・高居(1997),岡安ら(1992)の研究を 参考にした上,.  第1因子 授業中不安:この因子は,“発表するとき”,“みんなの前で何か.       するとき”など5項目からなり,授業活動への不安を表してお       り,「授業中不安因子」と命名した。  第2因子 友人不安:この因子は,“友人の無視”,“友人は自分をどう思う”.       など4項目からなり,友人への不安を表しており,「友人不安       因子」と命名した。  第3因子 テスト不安:この因子は,“テスト前”,“テスト中”,“テスト後”.       など4項目からなり,テストヘの不安を表しており,rテスト       不安因子」と命名した。.  第4因子 学業不安1この因子は,“成績のこと”,“新しい勉強を教わると.       き”など4項目からなり,学業への不安を表しており,「学業不       安因子」と命名した。.  そして,因子別の信頼性についてのα係数は,授業中不安因子は.75,友 人不安因子は.72,テスト不安因子は.71,学業不安因子は.69であった。学. 業不安因子はやや低い値となったが,かなりの内的整合性を持つことが確認 された。. 13.

(16) Tablo1日中ストレス尺度の因子分析結果(回転後の因子負荷量) 因子. 1. 2. 3. 4. 共通性. 0.701. 0.114. 0.130   0.080  0.528. 0.559. 0.282. 0.163. 0,154  0.443. O.551. 0.182. α112. 0.206  0.392. 0.541. 0.154. 0.122   −0.019  0.331. q14授業中、発表するとき、まちがえたらどうしようかと気に            なります。. 0.470. 0.186. 0.133. 0.240  0.331. q6友だちに無視されるのではないかと気になることがあり            ます。. 0.177. 0.654. 0.117. 0.147  0.494. q11友達からいやなことをされたり、言われたりするのでは        ないかと心配になります。. 0.197. 0.630. 0.107. 0.153  0.471. q7友だちとなにかトラブルがあったとき、自分のせいにされ      るのではないかと心配になります。. O.124. 0.545. 0.159   0.127  0.354. q13友だちが自分のことをどう思っているか、気になりま             す。. 0.266. 0.479. 0.081. 0.113  0.319. 0.119. 0、135. 0.641. 0.177  0、474. q4テストを返してもらうとき、悪い点ではないかと心配にな            ります。. 0.158. 0.096. 0.564. 0.205  0.394. q12 テストを受ける前に、とても気になります。. 0.165. 0.136. 0.515. 0.278  0.388. 0.222. 0.148. 0、441. 0.292  0.351. 0.234. 0.181. 0.199. 0.599. 0.487. 0.240. 0.202. 0.274. 0.507. 0.431. 0.141. 0.182. 0.313. 0.479. 0.381. 0.253. 0.428. 0.257.  q29授業中、先生から当てられると、どきどきします。.  q17発表するとき、間違えて、みんなに笑われるので        はないかと心配になります。. qlo授業中、答えがわからないのに、当てられるのではな         いか心配になります。. q22 授業中、みんなの前で何かするとき、どきどき            します。. q23 テストを受けたあと、どれぐらい出来たか心配            です。. q26テス陸受けている時、いつも間違った答えを書いてい       るのではないか心配になります。. q15新しい勉強を教わるとき自分にわかるかどうか、心配           になります。. q20学年が進むとき、新しい学年の勉強や授業についてい       けるかどうか、心配になります。. q16成績のことを考えると、大人になったときのことが心配           になります。. q1私が勉強を分かっているかどうかおやは心配です。. 一〇。025   0.097. 2.027   1.719   1.610   1.468  6.824. 因子寄与. 11.921  22.035  31.504  40.140. 累積寄与率. α係数. 0.751. 14. 0.716. O.705    0.694.

(17)  そして,目本と内モンゴルのストレス尺度の因子構造を明らかにするため に,国別に分けてストレス尺度の得点を用いて,主因子法バリマックス回転 による因子分析を行った。.  中国内モンゴルのストレス尺度の因子分析結果:因子負荷量が.40以上の 項目を選定し,再度因子分析(主因子法・バリマックス回転)を行った結果,. 用意した31項目中18項目が選定され,4因子が抽出された。抽出された4 因子の累積寄与率は35.49%であった(T&ble2)。        Tabb2内モンゴルストレス尺度の因子分析(回転後の因子負荷量) 因子. 2. 3. 0.602. 0.128. 0.230. 0.542. 0.157. 0.247. 0.522. 0.169. 0.188. q28学校において、成績はすべてなのでかなり心配です。. 0.465. 0.102. 0.343. q30授業の進む早さについていけるかどうか心配になります。. 0.447. 0。214. 0.050. q20学年が進むとき、新しい学年の勉強や授業についていける        かどうか、心配になります。. 0.440. 0.127. 0.315. q29授業中、先生から当てられると、どきどきします。. 0.672. 0.088. q27発表していると、自然に声が小さくなります。. 0.538. 0.064. q22授業中、みんなの前で何かするとき、どきどきします。. 0.514. 0.143. q17発表するとき、悶違えて、みんなに笑われるのではないか心           配になります。. 0.483. 0.214. 0.094. 0.568. q23テストを受けたあと、どれぐらい出来たか心配です。. 0.101. 0.556. q12テストを受ける前に、とても気になります。. 0.187. 0.488. q26テストを受けている時、いつも間違った答えを書いているの        ではないか心配になります。. 0.286. 0.405. q6友だちに無視されるのではないかと気になることがあります。. 0.176. 0.138. 0.517. 0.139. 0.121. 0.460. 0.078. 0.243. 0.450. 0.≦73. 0.0璽6. 0、444. q16成績のことを考えると、大人になったときのことが心配になり.             ます。 q15新しい勉強を教わるとき自分にわかるかどうか、心配になり             ます。. q4テストを返してもらうとき、悪い点ではないかと心配になりま.             す。. q11友違からいやなことをされたり、言われたりするのではない          かと心配になります。 q7友だちとなにかトラブルがあったとき、自分のせいにされるの        ではないかと心配になります。  q13友だちが自分のことをどう思っているか、気になります。. 因子寄与. 1,963   1.603   1.573. 0α00000000αααα. q18親の期待を考えると、成績のことが気になります。. 4. 1.250   6.388. 累積寄与率. 10.906  19.809  28.546 35.488.  α係数. 0.765   0.675   0.658. 15. 共通性. 僻輔鋼謝獅蹴棚鵬鵬獅謝蹴矧鵬鵬齢鋼窺 0000000000000α0ααα. 1. 0。603.

(18)  各因子の命名にっいては,塩見・高居(1997),岡安ら(1992)の研究を 参考にした上,.  第1因子 学業不安:この因子は,“成績のこと”,“新しい勉強を教わると.       き”など6項目からなり,学業への不安を表しており,「学業不       安因子」と命名した。  第2因子 授業中不安:この因子は,{‘発表するとき”,“みんなの前で何か.       するとき”など4因子からなり,授業活動への不安を表してお       り,「授業中不安因子」と命名した。  第3因子 テスト不安:この因子は,“テスト前”,“テスト中”,“テスト後”.       など4項目からなり,テストヘの不安を表しており,「テスト       不安因子」と命名した。  第4因子 友人不安=この因子は,“友人の無視”,“友人は自分をどう思う”.       など4項目からなり,友人への不安を表しており,「友人不安       因子」と命名した。.  そして,因子別の信頼性についてのα係数は,学業不安因子は.77,授業 中不安因子は.68,テスト不安因子は.66,友人不安因子は、60であった。友. 人不安因子はやや低い値となったが,ある程度の内的整合性を持っことが確 認された。.  目本のストレス尺度の因子分析結果:因子負荷量が.55以上の項目を選定 し,再度因子分析(主因子法・バリマックス回転)を行った結果,用意した31. 項目中20項目が選定され,5因子が抽出された。抽出された5因子の累積 寄与率は63.21%でした(Table3)。.  各因子の命名については,塩見・高居(1997),岡安ら(1992)の研究を 参考にした上,.  第1因子 授業中不安=この因子は,“発表するとき”,“みんなの前で何か.       するとき”など5因子からなり,授業活動への不安を表してお       り,「授業中不安因子」と命名した。  第2因子友人不安:この因子は,“友人の無視”,“友人は自分をどう思う”.                 16.

(19)       など4項目からなり,友人への不安を表しており,「友人不安       因子」と命名した。  第3因子テスト不安1この因子は,“テスト前”,“テスト中”,“テスト後”.       など4項目からなり,テストヘの不安を表しており,「テスト       不安因子」と命名した。  第4因子 学業不安:この因子は,“成績のこと”,“新しい勉強を教わると.       き”など3項目からなり,学業への不安を表しており,「学業不       安因子」と命名した。.  第5因子他者からの期待:この因子は,“おやの期待”“勉強のことで,お.       やが心配”など3項目からなり,他者からの期待に応じ得る       ための自信不足を表しており,「他者からの期待」と命名した。.  そして,因子別の信頼性についてのα係数は,授業中不安因子は.87,友 人不安因子は.84,テスト不安因子は.73,学業不安因子は.78,他者からの期. 待因子は.64であった。他者からの期待因子はやや低い値となったが,かな りの内的整合性を持つことが確認された。. 17.

(20) Table3日本ストレス尺度の因子分析結果(回転後の因子負荷量).  4. 因3 子. 共通性. 5. 0.184. 0.761. 0.125. 0.113. q29授業中、先生から当てられると、どきどきし          ます。. 0.750. 0.142. 0.127. qlo授業中、答えがわからないのに、当てられる. 0.696. 0.116. 0.001. 0.688. 0.356. 0.117. 0.651. 0.183. 0.117. 0.824. 0,050. 0.823. 0.076. 0.775. 0.055. 0.698. 0.186. 0.102. 0.789. 0.084. 0.758. 0.045. 0.593. 0.156. 0.556. 0.155. 0.肇98. 0.771. 0.098. 0,134. 0.749. 0.196. 0.234. 0.696. 0.038. 0.038. 0.072. 0.790. −0.017. 0.072. 0.157. 0.725. 0.121. 0.360. 0.145. 0.655. q22授業中、みんなの前で何かするとき、どきど         きします。 q6 友だちに無視されるのではないかと気になる. q11友達からいやなことをされたり、言われたり.          する q7友だちとなにかトラブルがあったとき、自分の          せいに q13 友だちが自分のことをどう思っているか、. q23 テストを受けたあと、どれぐらい出来たか心.         配です。 q12 テストを受ける前に、とても気になります。. q4 テストを返してもらうとき、悪い点ではないか.           と q26 テストを受けている時、いつも間違った答え          を書いて q15新しい勉強を教わるとき自分にわかるかどう.          か、  q30授業の進む早さについていけるかどうか q20 学年が進むとき、新しい学年の勉強や授業に.          ついて  q9親が期待するような通知表をもらうのは、 q1私が勉強を分かっているかどうかおやは心配です. q18親の期待を考えると、成績のことが気になり          ます。. 門鈎60⑩05四585772⑩5529. q17発表するとき、間違えて、みんなに笑われる.           の. 脳470726100361σ09餌餌23仔76086568.    で、手が挙げられない事があります。. 62. 因子寄与. 3.548  2.812  2.243  2.145. 累積寄与率. 17.740 31.802 43。016 53.739. 63.207. 0.865  0.838  0.734  0、778. 0.641.  α整数. 18. 脳㎝㎝晒㈱姻窩襯棚研㎝㎜肌枷布鯉α檜朧朧鵬. 0.167.          ようか q2答えをがかっていても、間違えていないか心配. αααααααα00α0αα0αα. 0.774. q14授業中、発表するとき、まちがえたらどうし. αααααααα00α00α. 2. η22嘗創0712餌19別2520㎝0706 α αααααααααα心αα. 1. 1.894  12.461.

(21) 2. 日本および中国内モンゴル児童・生徒の学校ストレス因子構造の比較.  因子分析結果のTable2とTable3によると,中国内モンゴルの児童・生徒 の学校ストレス尺度に4因子(学業不安,授業中不安,テスト不安,友人不 安)が抽出されたが,目本の側では5因子(授業中不安,友人不安,テスト 不安,学業不安,他者からの期待)が抽出された。.  目本児童・生徒のテスト不安因子の項目構造(4項目)は内モンゴルのテ. スト不安因子の項目構造(4項目)と一致し,友人不安因子の項目構造(4 項目)とも一致した。.  授業中不安因子の項目構造は異なっていた。内モンゴルの児童・生徒の授. 業中不安は4項目(Q29.先生から当てられると;Q27.自然に声が小さく. なるlQ22.皆の前で何かすると;Q17,間違って皆に笑われること)から 構成されているが,目本の場合,6項目(Q14.発表するとき,まちがえた ら;Q2.間違っていないか心配で,手が挙げられない;Q29。先生から当て. られると;Qlo.答えが分からないのに,当てられるlQ17.間違って皆に 笑われることl Q22.みんなの前で何かするとき)から構成される。.  目本の児童・生徒の授業中不安因子の項目構造に3つ(発表する時,間違 えたらどうしよう1答えを分かっても,間違えていないか心配で,手が挙げ られない;答えが分からないのに,当てられる)の項目が増えている。言い. 換えると,発表の間違いへの不安と自分に分からないときの不安を表わす項 目が増えていることになる。自分に他者の視線が集中する授業場面,児童・. 生徒にとって失敗を回避したいという思いと自我に関与する課題を回避し たい思いの項目が増えている。.  学業不安因子の項目構造も異なっていた。目本の児童・生徒の学業不安は. 3つ項目(Q15.新しい勉強が自分に分かるか;Q30.授業の進む早さにつ いていけるかlQ20.学年が進む時の勉強と授業についていけるか)から構. 成されるが,内モンゴルの方は6つの項目(Q15.新しい勉強が自分に分か                 19.

(22) るか;Q30,授業の進む早さについていけるかl Q20.学年が進む時の勉強. と授業にっいていけるかIQ18.親の期待を考えると成績のことが気にな る;Q16。成績のことを考えると,大人になったときのことが心配;Q28. 成績はすべてなので心配)から構成され,内モンゴルの学業不安因子構造の 項目が増えた。.  目本の児童・生徒の学業不安は授業の難度に自分の理解がついていけるか という内容の項目から構成されるが,内モンゴルの方は目本と同じ項目に加. えて,親からの期待,成績への不安,未来への願望など現実的内容を含む項 目から構成されていた。内モンゴルの児童・生徒にとって,学校においては. 学業成績が全てであり,その後の人生と直接につながっているという考え方 が学校生活に持ち込まれているということが言える。.  他者からの期待因子は目本の児童・生徒についてのみ学校ストレス尺度の 因子分析によって抽出された因子である。これは内モンゴルの児童・生徒の 学校ストレス尺度の因子分析からは独立した因子として抽出されなかった。. この因子は3つの項目(Q9.親が期待する通知表をもらうことlQ1.私の 勉強に親は心配;Q18,親の期待を考えると成績のことが気になる)から構 成されていた。他者からの期待因子は塩見・高居(1997)の研究においても 見出されている。.  目本の児童・生徒の学校ストレス尺度においての5因子の累積寄与率は 63.21%であり,かなりの高い整合性が得られた。目本と比べて,内モンゴ ルの学校ストレス尺度においての4因子の累積寄与率は低くて35.49%であ. り,各因子の内的整合性はやや低くて,ある程度の内的整合が得られた (Table2,Table3)。.  内モンゴルにおいて,因子の累積寄与率と因子の内的整合性が目本よりも. 低かったのは,目本人を対象として作った学校ストレス尺度を内モンゴルの 児童・生徒に用いたことが原因であると考えられる。. 20.

(23) 3.分散分析結果.  因子分析により抽出した各因子における負荷量が.40以上項目の得点合計 を算出し,各因子の得点としている。そして,各因子の平均値と標準偏差を 算出している。. (1) 国別・学年差の比較.  各因子において,国別・学年別の平均値・(標準偏差)・国別×学年の分散. 分析の結果(国別と学年の主効果,交互作用のF値とp値)を表したものが Table4である。        側e4各因子の国別・学年別・総和の平均値(標髄と国別x学年の分散分析の皓果.  小5     ’1も     中1     中2     中3     F値 日本 中国 総和 日本 中国 総和 日本 中国 総和 日本 中国 総和 日本 中国 総和 匡剛 学年交酬調 授桑ヰ1 13刀  1214 1275 1aフ2 11.菊  1286 1327 1a73 1a59 1257 1&73 1a14  129  1且麗  1291       a〔泌P 割.498. 鞍  (449) (357) (405) (4も魂8) (a34) (4㎎) (406) (356) (a72) (371) (3図) (351) (a34) (3.59) (a4B)         *   ***                                aα昭*. 友人不 1α82 998 103 1α68 917 1Q1 967 1Q8 1α44 941 1096 1Q17 908 1α28 a76     躍5 1a537. 安   (346) (295) (3・18) (351) (259) (327)  (32)  (284)  (3)  (281) (2駿) (278) (288) (Z鯉)  (28)          *   ***                                454*. テtヌ杯 1068  1221  11.63  994  11』7  1α62  11.43 12聞  1241 11.53 1221  1187 11.45  11.フ2  11£  71.606 霊α5174釧*. 安(&08)(aσ7)(a16)(泌)(aO1)(a25)(282〉(231)(2$)(263)(271)(269)(233)(2銘)(265)********. 学業不9811α961α52騒92a81a田1QO112671184105312671161α19128411』9165615無6051a896. 安に91)(a18)(313)(298)(a39)(a14)(286)(2砺)(29ア)(261)(251)(2刀)(231)(236)(268)*********.     ()丙蠣*Pく億**P〈01***P〈001.  13 得12 点.  11 小6     中1.    学年.  Fig1−1授業中不安得点比較.  学年間の授業中不安得点の変化を見るため,国別(2)×学年(5〉の2要因分 散分析を行ったところ,国別×学年の交互作用が有意(F(4,1987)=11.498,. p〈.001)であったので,単純主効果の検定を行い,その後の多重比較には                   21.

(24) Bonferroni法を用いた。その結果を以下に示す。  国別において,学年の単純主効果が有意(目本=F(4,1987)ニ3.083, .ρ<.051内モンゴル:F(4,1987)=12.777,.ρ<.001)であった。目本の小. 学5年生の授業中不安得点は中学2年生より高く,内モンゴルにおいては,. 小学5,6年生の授業中不安得点は中学1,2年生より低い。また,小学6 年生の得点は中学3年生より低いことが明らかになった(Fig1−1)。.  学年において,国別の単純主効果が有意(小5:F(1,1987)=16.472, p<.001;小6:F(1,1987)=19.656,p<.001;中2:F(1,1987)=8.889,. .ρ<.01)であった。目本の小学5,6年生の授業中不安得点は内モンゴルより. 高く,内モンゴルの中学2年生の得点は日本より高いことが明らかになった (Fig1−1)。.    中1 学年 Fig1−2友人不安得点比較.  学年問の友人不安得点の変化を見るため,国別(2)×学年(5)×の2友人不安 得点において,国別(2)×学年(5)の2要因分散分析を行ったところ,国別×学 年に交互作用が有意(F(4,1966)=16.537,.ρ<.001)であったので,単純. 主効果の検定を行い,その後の多重比較にはBon£erroni法用いた。その結 果を以下に示す。.  国別において,学年の単純主効果が有意(日本:F(4,1966〉=10.413, .ρ<.0011内モンゴル=F(4,1966)=8.798,,ρ<.001)であった。目本の小. 学5,6年生の得点は中学1,2,3年生より高く,内モンゴルにおいては,                 22.

(25) 小学5,6年生の得点は中学1,2年生より低い。また,小学6年生の得点は 中学3年生より低いことが明らかになった(Fig1・2)。.  学年において,国別の単純主効果が有意(小5:F(1,1966)ニ6.851, pく.011小6:F(1,1966)=14.497,p<.0011中1=F(1,1966)ニ21.639, p<.0011中2=F(1,1966)=24.993,p<.0011中3:F(1,1966)=14.791,. p<.001)であった。日本の小学5,小学6年生の得点は内モンゴルより高い。. また,内モンゴルの中学1,2,3年生の得点は目本より高いことが明らかに なった。. 小6     中1.    学年.  Fig1−3テスト不安得点比較.  学年間のテスト不安得点の変化を見るため,国別(2)×学年(5)の2要因分散 分析を行ったところ,国別と学年の主効果が有意(国別=F(1,1996)ニ71.606, .ρ<.001;学年:F(4,1996)ニ10.517,.ρ<.001)であり,国別×学年に交互. 作用が有意(F(4,1996)ニ4.371,p<.05)であったので,単純主効果の検. 定を行い,その後の多重比較にはBonferroni法を用いた。その結果を以下 に示す。.  国別において,学年の単純主効果が有意(目本=F(4,1996)=9.573, p<.0011内モンゴル:F(4,1996)=8.156,.ρ<.001)であった。目本の小. 学6年生の得点は中学1,2,3年生より低い;内モンゴルにおいて,小学5, 6年,中学3年生の得点は中学1年生より低いことが明らかになった(Fig1・3)。.  学年において,国別の単純主効果が有意(小5:F(1,1996)ニ26.531,.                 23.

(26) p<.001;小6:F(1,1996)ニ22.099,p<.001;中1:F(1,1996)ニ39.059,. 、ρ〈.001;中2:F(1,1996)=5.657,.ρ<.05)であった。目本の小学5,6. 年生,中学1,2年生の得点は内モンゴルより低いことが明らかになった (Fig1・3)。.    中1  学年 Fig1−4学業不安得点比較.  学年間の学業不安得点の変化を見るため,国別(2)×学年(5)の2要因分散分 析を行ったところ,国別と学年の主効果が有意(国別:F(1,1983)ニ165.615, .ρ<.001;学年:F(4,1983)=23.605,p<.001)であり,国別x学年に交互. 作用が有意(F(4,1983)=13.896,.ρ<.001)であったので,単純主効果の. 検定を行い,その後の多重比較にはBonferroni法を用いた。その結果を以 下に示す。.  国別において,学年の単純主効果が有意(内モンゴル:F(4,1983)=36.846,. p<.001)であった。内モンゴルにおいて,小学5,6年生の得点は中学1,2,. 3年生より低く,小学6年生の得点は小学5年生より低いことが明らかにな った(Fig1−4)。.  学年において,国別の単純主効果が有意(小5:F(1,1983)ニ15.216, ρ<.0011中.1:F(1,1983)=142.236,p<.001;中2:F(1,1983)ニ56、438,. p<.001;中3:F(1,1983)ニ83.829,.ρ<.001)であった。目本の小学5年. 生,中学1,2,3年生の得点は内モンゴルより低いことが明らかになった (Fig1・4)。. 24.

(27) (2) 学年・性差の比較.  目本の児童・生徒の学年ごとの性差の変化を見るため,学年(5)×性別(2) の分散分析を行った。.  各因子において,学年・性別の平均値(標準偏差)と学年×性別の分散分. 析の結果(学年,性別,交互作用のF値とp値)を表したのがTable5であ る。. 犠.  小5     小6     中1    中2     中3. 女子 男子 女子 男子 女子 男子 女子 男子 女子 男子                         学年.  用  作  互  交.     Tabb5日本児童・生徒の各因子学年・性別の平均値(標準傭差)と学年x性別の分散分析の結果. 授業中  16・39  ”26  ,5,46   115   15,1  ”24  132重  ”81  1375  1224.                         3.01*    155.03*** 823*** 不安 (359)(401)(鍛)(生26)(352)(3.63)(376)(a52)(a44)(312) 友人不 1Z32 94 11.92 9.1 1α55 &69 10.01 8.7  駄7  a6.                        9.15***  89.14***  2.934*  安(281)(3.42)(337)(3.03)(327)(2.82)(2,89)(255)(aO6)(Z66) テスト不”46 駄91 1α7 8,97 ”£6 1α96 11.64 1139 1哺  ”.33                        1027***  22.81***    2,36  安(2.69)(327)(3D4)(322)(a67)(291)(27)(Z57)(215)(2.47) 学業不 1α85 8.83 1α52 田6 1α66 929 1α86 1α13 1α15 1α22.                         1.78     32.43** *   3.26*  安(Z4冨)(3,02)(Z92)(之89)(272)(2.86)(2.57)(Z62)(2,37)(228)     ()内1ま榛準偏差。ホp〈O&**p<.01***pく.00馨. 雲女子、士塁量」、 .i−,﹁−. 」!. 一. ⋮一. 1   1   1   噴匿   −. 8  6  4  2 . 授業中不安得点.  ど      ヘコ  じヤ       コニコ. 0 小5    小6    中1    中2    中3.          学年    Fig2−1日本の児童・生徒の性差の推移.  授業中不安得点において,学年(5)×性別(2)の2要因分散分析を行っ たところ,学年と性別の主効果が有意(学年:F(4,817)ニ3.013,.ρ〈.051. 性別:F(1,817)ニ155.026,p<.001)であり,学年×性別に交互作用が有 意(F(4,817)=8.226,、ρ<.001)であったので,単純主効果の検定を行い,. その後の多重比較にはBonferroni法を用いた。その結果を以下に示す。  女子において,学年の単純主効果が有意(F(4,817)=10.425,、ρく.001). であった。小学5,6年生の得点は中学2,3年生より高く,中学1年生の得 点は中学2年生より高いことが明らかになった(Fig2・1)。.                  25.

(28)

(29)

(30)

(31) 意(F(4,1170)=4.243,.ρ<.005)であったので,単純主効果の検定(Bonferroni. 法)を行った。その結果を以下に示す。  女子において,学年の単純主効果が有意(F(4,1170)ニ5.746,、ρ<.001). であった。中学1年生の得点は小学5,6年生より高いことが明らかになっ た  (Fig2・5)。.  男子において,学年の単純主効果が有意(F(4,1170)=7.593,.ρ<.001). であった(Fig2・5)。中学3年生の得点は小学5,中学1,2年生より低いこ とが明らかになった。.  学年において,性別の単純主効果が有意(中1:F(1,1170)=11.637, .ρ<.011中3:F(1,1170)=26.963,.ρ<.001)であった。中学1,中学3. 年の女子の得点は男子より高いことが明らかになった(Fig2・5)。. 29.

(32) (3) 小学生の国別・性差の比較.  小学5・6年生の段階で,各因子の性差の変化を見るため,小学生全体を 対象として,国別(2)×性別(2)の2要因分散分析を行った。  各因子において,平均値(標準偏差)と国別×性別の分散分析の結果(国. 別,性別,交互作用のF値とp値)を表したのがTable7である。       Table7小学生の各因子の平均値(標準偏差)と国別x性別の分散分析の結果    日本女子   圓本男子  内モンゴル女子内モンゴル男子 国別F値  性別F値 交互作用F値 授業中 不安 友人不.    15.88(3.41)    11.37(4.11)    11.66(3.42)    12.34(3.61)  29。58***  41.05***  75.16***    12.1(3.13)    9.26(3.24)     9。56(2。88)     9.98(2.86)   13.24**ホ  23.28* **  42.34* * *.  安. テスト不.    11.05(2.9)     9,5(3.27〉     12.06(2.89)     12.08(3.27)   50.5* 零*    9.33* *    9、88**. 安. 学業不.    10.67(2.7)     8.99(2.96)     10.42(3.25)     10.9(3、32)    10.72零 *     5、56宰    18n2* * *. 安.      ()内は標準儂差。*p<.05.**p〈。01.***p〈.001.  授業中不安得点において,国別(2)×性別(2)の2要因分散分析を行っ たところ,国別と性別の主効果が有意(国別:F(1,590)=29.58,.ρく.001;. 性別:F(1,590)=41.051,、ρ<.001)であり,国別×性別に交互作用が有意. (F(1,590)ニ75.159,pく.001)であったので,単純主効果の検定を行い,. その後の多重比較にはBonferroni法を用いた。その結果を以下に示す。  女子において,国別の単純主効果が有意(F(1,590)ニ108.562,p<.001). であった。目本女子児童の得点は内モンゴルより高いことが明らかになった (Fig3・1)。.  男子において,国別の単純主効果が有意(F(1,590)ニ4.817,、ρ<.05). であった(Fig3−1)。内モンゴル男子児童の得点は日本より高いことが明ら                  30.

(33) かになった。.  日本において,性別の単純主効果が有意(F(1,590)ニ107.422,.ρ<.001). であった。女子児童の得点は男子より高いことが明らかになった(Fig3・1)。. ΩU6. 得点.  日本          内モンゴル. Fig3−2小学校全体の友人不安の比較.  友人不安得点において,国別(2)×性別(2)の2要因分散分析を行った ところ,国別と性別の主効果に有意(国別:F(1,580)=13.238,.ρ<.001;. 性別:F(1,580)=23.279,p<.001)であり,国別×性別に交互作用が有意 (F(1,580)ニ42.337,.ρ<.001)であったので,単純主効果の検定を行い,. その後の多重比較にはBonferroni法を行った。その結果を以下に示す。  女子において,国別の単純主効果が有意(F(1,580)ニ55.871,.ρ<.001). であった。日本女子児童の得点は内モンゴルより高いことが明らかになった (Fig3・2)。.  日本において,性別の単純主効果が有意(F(1,580)ニ61.382,.ρ<。001). であった。女子児童の得点は男子より高いことが明らかになった(Fig3・2)。. 31.

(34)  日本         内モンゴル Fig3−3小学校全体のテスト不安の比較.  テスト不安得点において,国別(2)×性別(2)の2要因分散分析を行っ たところ,国別と性別の主効果が有意(国別:F(1,585)ニ50.501,.ρ<.001;. 性別=F(1,585)ニ9.334,.ρ<.01)であり,国別×性別に交互作用が有意(F (1,585)ニ9.883,.ρ<.01)であったので,単純主効果の検定を行い,その. 後の多重比較にはBonferroni法を行った。その結果を以下に示す。  女子において,国別の単純主効果が有意(F(1,585)=8.593,.ρ<。01). であった。目本女子児童の得点は内モンゴルより低いことが明らかになった (Fig3・3)。.  男子において,国別の単純主効果が有意(F(1,585)ニ48.357,.ρ<.001). であった(Fig3−3)。内モンゴル男子児童の得点は目本より高いことが明ら かになった。.  日本において,性別の単純主効果が有意(F(1,585)ニ18.169,p<.001) であった。女子児童の得点は男子より高いことが明らかになった(Fig3・3)。.  日本          内モンコル Fig3−4小学校全体の学業不安の比較. 32.

(35)  学業不安得点において,国別(2)×性別(2)の2要因分散分析を行った ところ,国別と性別の主効果が有意(国別:F(1,585)=10.724,.ρ<.011 性別:F(1,585)=5.556,.ρ<.05)であり,国別×性別に交互作用が有意(F (1,585)ニ18.024,、ρく.001)であったので,単純主効果の検定を行い,そ. の後の多重比較にはBonferroni法を用いた。その結果を以下に示す。  男子において,国別の単純主効果が有意(F(1,585)ニ25.904,.ρ<.001). であった(Fig3・4)。内モンゴル男子児童の得点は目本より高いことが明ら かになった。.  日本において,性別の単純主効果が有意(F(1,585)=20.75,.ρ<.001). であった。女子児童の得点は男子より高いことが明らかになった(Fig3−4)。. 33.

(36) (4) 中学生の国別・性差の比較.  中学生の段階で,各因子の性差と国による違いを見るため,中学生全体を. 対象として,国別(2)×性別(2)の2要因分散分析を行った。  各因子において,平均値(標準偏差)と国別×性別の分散分析の結果(国. 別,性別,交互作用のF値とp値)を表したのがTable8である。       Table8中学生の各因子の平均値(標準偏差)と国別x性別の分散分析の結果 日本女子   臼本男子  内モンゴル女子内モンゴル男子 国別F値  性別F値 交互作用F値 授業中 不安 友人不.  安 テスト不.  安 学業不 安. 13.6(3.62)     13、46(3.37). 14.09(3.67). 11.74(3.45). 10.15(3.1). 8.67(2.68). 11.72(2.56). 11.21(2.67). 12.9(2、41)     11.9(2。68). 10.61(2.59). 9.84(2.64). 12.86(2.44)     12.53(2.44). 10.71(2.77)     10.72(2.7). 10.14**  41.13***  32.54*** 71.68* * *  23.17* * *  23.67* ホ 富. 44.31* * 宰  28.34* * *     3.01. 321.72* * *  15,9* * *      2.45. 0内は標準偏差。*p〈.05.**pく.01.***p〈ρ01.  授業中不安得点において,国別(2)×性別(2)の2要因分散分析を行っ たところ,国別と性別の主効果が有意(国別:F(1,1399)ニ10.141,ρ<.011. 性別:F(1,1399)ニ41.128,p<.001)であり,国別x性別に交互作用が有 意(F(1,1399)=32.541,p<.001)であったので,単純主効果の検定を行. い,その後の多重比較にはBonfermni法を用いた。その結果を以下に示す。  男子において,国別の単純主効果が有意(F(1,1399)=37.707,、ρ<.001). であった。内モンゴル男子児童の得点は目本より高いことが明らかになった (Fig4・1)。.  日本において,性別の単純主効果が有意(F(1,1399)=60.521,.ρ<。001).                  34.

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