富士’五湖の’責料整理
富士五湖の資料整理
箭
内
寛
治
STATISTICAL ADJUSTMENT OF
HYDROGRAPH OF THE FUJI LAKES
〔Synopsi〕 Some of the five lakes around Mt. Fuji, it is said, are connected with other. The au− thor made scatter diagram8, control charts and tilne serieg diagrams by means of the rate of amplitude with statistical method, and proved that the western three lakes and the other two make respective groups and between these two groups there is no connection but there is much correlation among the western three but there are few between the ea_ sten twO. These result8 coinci,de with the旋aditional legends.
1.要 旨
富士山の周わりにある5つの湖の中、幾つかがその 湖底で蓮絡していると云う事は古くから云われていた が、筆者は水位変化率を用いて、散布図、管理図、時 系列相関図等を作り統計的に処理する事に依り、その 中の西側の3湖(本栖湖、精進湖、西湖)はたがいに 比較的強よい相関を示めすが、東側の2湖(河口湖、 山中湖)及び此等の2湖と前3湖とは比較的相関の少 くない事を確しかめ得た。なおこの結果は從來の云い 傳えによく一致するものである。 第1.図 富 士 五 湖・附 近 2.前書き及び資料 ’ 富士5湖の相互位置は図の如くであり、各湖面の高 さは必ならずしも一致していない。現在(昭和28年3 月)西湖、河口湖にはそれぞれ発電所があり必要に応 じて放水を行なつており、叉昨年本栖湖に燧道を堀撃 し随時放水試験をしている。 資料は期間で云うと明治44年に始まり昭和28年現在 に至る迄、種類でわけると5湖の水位及び水位変化 率、西湖及び河口湖の放流量、河口湖畔船津測候所に 於ける雨量、蒸発量等があるが全期関に渉たるよりは 比較的完全で信頼度の高かい昭和 26年度、昭和27年度の各資料を用 いた。なおこの時期の前后に種々 の放水試験も行なわれているので それに近い方が感度も鋭るどいと 考えたからである。亥に相互め関 係を表わす爲の変数としては主と して水位変化率を用いた。その理 由の1ツは水位は放流量、雨量、 蒸発量等で当然変化するが、湖水 の蒸発量は毎日数m.m,高々10数 m・mであるからそれが羅著な水 図 位変化の原因になる事は少くない Kanji Yanai. Statistical Adjustment of Hydrograph of the Fuji Lakes一33一
昭和28年7月
山梨犬学主学部研究報告
第 4 号 考え從つてこれは省略し、水位変化率に対する雨量及 び放流量の偏相関係数を計算し吹め値を得たからであ る。 第1表 5湖水位変化i率に対する各種偏相関係数隠纏虞鵬流朧量
本栖湖水位変化率1α43・1−1α・65
精馴雄変化率[α4731一α148
西蹴位変化率1α54・1一α・7・{α・4・
河・蹴骸化率1α16glω161α1・・
山醐水峰化率}−1α1∋α49・
もう1つの理由は、放流量はしばしば10日以上も同一 放流を継続するから2亥的な相関の感はあるにしても 水位変化率相互の相関の方がその動きは繊細でおろう と考えたからである。 以上の諸値から判断すると 1.本栖、精進の2湖は西湖放流の影響を受けている らしく、しかもそれは雨量による影響よりもかなり 大きい。 2・西湖は自湖の放水による影響が大きく他の影響は 微少である。 3・河口湖は自己の放流量も含めて何れによる影響も 少くなく、この程度の数値では何も云えない。但し 河ロ湖 PL==PM・COS e は西湖㌶ 一普…i慧一(∴
にも拘 ’灘∴ぽ一弄Σ≒≡)}
は格段 以上は昭和26年度の資料による同日相関の値である が、亥いで水位変化奉の散布図、管理図、時系列相関 図を作くつて、その関蓮性を更に追求した。こXで散 布図は直感的な相関をみる爲であり、管理図、時系列 相関図は更にその時間的な探求を目指したものであ る03.散 布 図
昭和26年J月∼昭和27年3月に至る資料を用い、そ れぞれの2ツの湖から得られる同月同日の水位変化率 を図上にプロツトして作製したものである。かなり楕 園状に広うがるが試うみに回帰直線(最小二乗直線) を引いて入れてみた。その際この2湖共に同程度の観 測上の誤差があるとして簡易計算に便利な回帰係数の 求め方を考え た。 從來の夕側或 いはx側だけ に最小誤差が ある時の二乗法はΣPM2
,ΣPN2を
最小にするの 第2図 回帰直線の求め方 であるが物夕 共に同じ重みの誤差とすればΣPL2を最小にすれば よい。 笛 観割臭P
N
(宝・3)L
M
θ りcP7二蒜+β』)〕)
2 として に少量 であり 且つ放 流痔期 は水量 の関係 上よく鯉L=0
∂β =β2Σ(x−xプ(ツーツ)十β〔Σ(x−x)2一Σ(y−y)2〕一Σ(x−−x)(ツー),) β= k〔・(x−i)2 一一 2(y一み〕+4吉〔・(x−i)・一・(ッーか=姦・(・−i)2(y−一ラ); 2 − 一 万Σ(x−−x)(ターツ) 一致する事、叉この程度の違いは誤差の範囲内に入 この形は誤差が同じ重みの場合の近以計算に便利で る事をも考慮したじ・。 ’ 一 ある。 4.山中湖は河ロ湖放水の影響が少くなくむしろ雨量 さて之等の図から本栖ma−一精進湖、西湖一精進湖、 による影響が大きい。 西湖一本栖湖はこめ順にそれぞれかなりの相関がある 一一34一富士9五 湖 の‘責・料 整理
0 1∼205∼4
● 5巫上 本揃;胡 G O OO@ o oo。088 es°8§。8 8◎o
°6)、 第31図 本栖湖、西湖の水位変化率散布図面湖
§鍵
O◎ ◎OO⑥ ◎O◎◎ ⑳888
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o K)°精違1胡
第4図 西湖、精進湖の水位変化率散布図 oo °8。 。8。●8°88
本栖胡命
\・精違湖
第5図 本栖湖、精進湖の水位変化率散布図. 面’1舘1 o o◎08
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山中湖
08
第 6 図 西 湖 、 山 中 湖 の 水 位 変 化率
散 布 図 第 7 図 河 口 湖 西 嗣勢198i;。. 黍
゜・°°β㍉w 墨
・ 讃
可o湖
・3
o o⇔o山中湖
第 8 図 河 口 湖 、 山 中 湖 の 水 位 変 化 率 散 布 図35
昭和28年7月
山梨大学工学部研究報告
第 4 号
事を表わしている。また河口湖一山中湖s西湖一山中 湖は相関が小さく、西湖一河口湖は負の相関を示めす がこれについては後述する。4.管 理.図
昭和26年]月∼昭和27年3月に至る全フk位変化率を 5ケづXのグルー・プにしてその干均値x5を出し、時 に從つてプロットし管理図を作製した。その際各湖の 全卒均値は異なるが、便宜上xを一致させ叉散らば り線sは+25,一一2sのみをのせた。本栖湖、精進湖、 西湖を1ッの図に、西湖、河口湖、.山中湖を他の図に と別けた。更にこの散らばりの類以性をみる爲に分割 表を作くりx2−...tw定を行なつた。第2表
本栖湖、精進湖、西湖の分割表第6表 炉と己の比較
◎隆㌔讃閑。御雷翻齢翻
∋14・・617・S613・・6・1
・3・691 ,…7114・・7|擁でな十意で司有意已意
この結果から判断すると分散に関しては本栖湖一精 進湖一西湖の3湖、及び西湖一河口湖の間には類以性 があり、西湖一山中湖、河口湖山中湖の間には類以性 の少くない事がわかる。この場合図上には時の観念が 含くまれているが橡定は軍なる散らばりに対する穣定 に過ぎず時の観 念は入つていな1
一こ完i一弩1
一21−S∼訴∼、IS∼、、125∼
3、133∼..{ 計本栖剰5
(4)ド (5){8 (1・)1・4(・6)22(21)122(17)14 (6)卜 (・)1 91離司4
(4)1・ (5)11・ (1・)1・7(・6)1・6(2Dll4(17)1・ (6)1・ (・)[ 91西畔
(4)P (5)い1 (1・)127(・6)116(21)卜5(17)巨 (6)14 (・)1 911
131
14i
・9178{6415一
lgl
・1
273第3表
西湖、河口湖の分割表 oc rv −35 一35∼ −2s∼ −2S −S 一一刀`驛h∼、s∼、、25㌢3s∼..!計
西湖14(3)17(6)1・,(15)127(・6)1・6(18)1・5(12)17(5)14(6)191 河⇒・(3)15(6)118(15)・6(・6)・・(18)1・(12)14(5)1・(6)191 6 12 29 53 36 23 ll 12 182第4表
河口湖、山中湖の分割表 一〇c∼ 一一3s∼ −25∼ −s∼_ −3s __2s _S i;∼、s∼
Asl2s∼3、i5s∼..i計 河⇒・(3)15(3)[18(12)・6(・6)1・・(33)1・(・)i4(・)1・(4)191 山醐14(3)1・(3)16(,・),1・6(・6)14・(33)17(・)ti(・)}・(4)i 9・ 6 5 24 52 67 15 5 8 182第5表
西湖、山中湖の分割表 、已完「警劃一2芸1−s㌃1二∼,1
醐14(4)17(3)1“(9)1・7(26)116(3・)li5(11)17(4)「4(・)l L・⇒4(4)1・(3)i6(951・6(・6)i4・(32)17(11)1i(4)1・(・)[・17117153163|
上の分割表からx2の値をもとめ、これとそれぞれ の自由度を持つ遠の値とを比較すれば s∼A、i2s∼3、13Sr∋
計 15 (11)レ(4)「4(・)1 91 7 (11)11(4)1・(・)1 91221・14i
182 いから、曲線の 類以挫を検定し ている事にはな らない。例えば 本栖湖、精進湖 、西湖の3湖は 時に関してもよ く一致し同傾向 の散らばりを示 めし、すなわち 3曲線は類以し ているが西湖、 河口湖はかなり 異つた変動をし ているのボうか ㊦われる。 從つて上のx2 一機定だけでは 確定的な事は云 えず図を併読し なければならな いoこの事実を より・一暦明白に する爲に家節の 如き時系列の相 関を調らべてみ た。 亥いでこの図 について蓮2)考察をしてみよう。干均値xを境にとり それより上にある値をa,それより下にある値をbと一36一
富士E湖の.費料整理
o .、 o o ● ●●● ●本緬湖 o鑓逸』覇 o西 湖 O o oo o2s o o ● e °° oo °◎8。 o o o◎ o oo o o o o第9図
本栖湖、精進湖、西湖の水位変化率管理図
o o oo o ● o㊦ 三胡 ●河d湖 ⑧山中…胡 o O o o脆一一一一一一◎一一一● ・・…‥一’鴨一ご一”←’斑6… ・一” ぷ☆’.一’㌢Q“㊤…竿“一
帆 禔Qぴ一9−_.−9.e;.._19..皇毎,鯉一二..._や一…竺熟_..鰭一一… _cL__ 。。。 一r°’a°一 。 o Oo o o o o fi 第10図・ 西湖、河口湖、 ’ して符号づけ、この5湖の水位変化率の系列の無作爲 性を調らべると何れも全て無作爲とは云えないが、山第7表
蓮による置き換え
山中湖の水位変化率管理図
中湖のみはほとんど無作爲に近かく長さ7の蓮が1ツ ギリギリの所で引つかXつている。この期間は雨量が ・ 異常に少くなく、35 H間 ■ 本栖湖 bbbbbbbbbb, bbbaabbaaaa, aaaaaaaaaa, aaaaaaaaaa, aaabbbbaab, bbbbbbb≠baC aaaabbbbbb, bbbbbbbaaa, aabbbbbaaa, b 精進湖 aabbbbbbbb, bbabbbbaaa, aababaaaaa, aaaaaaaaaa, aaaaaaaaab,bb≠bbbb≠baEbabb坤bbbb, bbbbbbbbbb, bbbbbbaaaa, a / φシ湖
abbbbbbbbb,、bbaaaabbaa, aaaaaaaaaa, aaaaaaaaaaうaabbbbbaab,bbbbbbb≠≠=C aaabbb abbb, bbbabbaaaa, aaaaabbbaa, b 河口湖 菅 ≠≠bbbbbbb=C aaabbbaaaa, abbabbaabb, bbbabbabaa, bbbabbabbb, b≠≠≠≠bb≠b=C aaaaaabbaa, bbbbbaaaaa, aaabbabbab, a ,山中湖 babbbbbbba, aaabbbbaba, abbabbbabb, bbb註bbabaa」bbbabbabbb, . b≠≠≠≠bb≠b=C baba乞abbab, bbbbbabaaa, ababbabbab, aに3mmの雨量が2度あ
ったのみである。從って この分をゆるやかに考え ると山中湖の系列のみは 無作爲としてもよく、こ の事は山中湖の独立性を 裏書ぎしていると云えよ う。・ 5.時系列相闘図、 昭和26年1月から昭和 26年12月一杯の各2湖間37
昭和28年7月