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第 18 回日本分子脳神経外科学会の開催報告
昨年(2017 年),8 月 25 日,26 日,甲府富士屋ホテルにおいて,第 18 回日本分子脳神経外 科学会を開催させていただきました。山梨大学医学会におかれましては,本学会に対して多 大なご支援を賜りました。この場をお借りし,篤く御礼を申し上げます。 本会は「脳と免疫」研究会を母体として設立され,脳神経疾患の病態や治療についての分 子生物学的解明にむけた情報発信と意見交換の場として発展して参りました。今日,分子生 物学を基盤とした科学技術の急速な進歩により,病態の解明はタンパクから遺伝子へと深化 し,さらに転写調節,エピジェネティクス機構,マイクロ RNA 調節など多角的かつ複合的な 分子メカニズムの解析へと広がりました。また,診療においても,免疫チェックポイント阻 害剤に代表される画期的な薬剤の出現により治療戦略が大きく変貌しつつあります。これら の革新的な進歩は,今後,病態機序の概念を変え,さらに脳神経外科疾患の診断や治療にも パラダイムシフトをもたらすものと推測されます。このような現状に鑑み,病態の本質を正 確に理解することが極めて重要と考え本会のテーマを「中枢神経系疾患のロゴスに迫る」と しました。ロゴスとは,古代ギリシアにおいて物の本質としての「論理」や「真理」を表し ます。 本会では,海外から 2 名のエキス パートをお招きいたしました。カリ フォルニア大学 UC デービス校神 経内科教授の Frank Sharp 先生に は,脳室内出血後の神経細胞死にお ける Src family の役割について,ま た,ピッツバーグ大学神経内科教授 の Jun Chen 先生には,脳卒中と外 傷後の神経損傷の分子メカニズム についてご講演を頂きました。 さらに国内からも,3 名の先生に ご講演を賜りました。福井大学高 エネルギー医学研究センター セン ター長の岡沢秀彦先生には分子イ メージングについて,本学薬理学講 座教授の小泉修一先生にはアスト ロサイト ATP 受容体と虚血耐性に ついて,そして,生化学講座教授の 宮澤恵二先生にはグリオーマの悪 性化と TGF-β の役割について,ご 自身の最新の研究についてご教示 いただきました。どの御講演も大変 先進的で大いに勉強になりました。iii また,一般演題においても,脳血管障害,脳腫瘍,神経外傷,神経系幹細胞,神経再生など の幅広い分野から,94 演題と多くの研究成果をご応募頂き,とても実りあるプログラムを企 画できたと思っております。2 日間にわたり,これまでで最も多い 133 名の会員にご参加いた だき,熱い discussion が繰り広げられました。おかげさまで,学会は滞りなく,成功裡に終え ることができました。ここに謹んでご報告申し上げます。 最後になりましたが,本会の開催に尽力してくれた講座のスタッフ,関係者の皆様に心から 感謝します。 2018 年 5 月 16 日 山梨大学大学院総合研究部 脳神経外科学講座教授 第 18 回日本分子脳神経外科学会 会長 木内 博之