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長期避難を余儀なくされる療養者への看護支援者モデルの構築

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長期避難を余儀なくされる療養者への看護支援者モデルの構築

齋藤

正子

1) 要旨 本研究は,災害発生時から経時的な視点で,在宅療養を行いながら避難生活を送る療養者と介護者 のニーズに対応する看護支援者モデルの構築を目的とした.研究方法は,東日本大震災にて被災した訪 問看護ステーションの管理者の訪問看護師4人を対象とし,半構造化面接調査を行い, 収集したデー タを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて分析した.その結果,看護支援者 モデルは,【災害の教訓を活かした訪問看護師の危機回避の取り決め】,【震災関連死の低減に繋がる療 養者および介護者のセルフケア能力の向上】,【生活の場による療養者および介護者の意思決定による 災害時の看取りの支援】,【訪問看護師の災害サイクルを貫く継続的な行動】,【訪問看護師の災害時の 心理変化】から構成された.災害発生時から経時的な視点から考える看護支援者モデルは,平時から 災害時の危機回避の取り決めやセルフケア能力を向上することで療養者および介護者と訪問看護師の 安全と安心に繋がり,需要と供給のバランスの取れた持続可能なモデルになることが示唆された. キーワード:災害, 避難, 訪問看護, 看護支援者モデル, 療養者

Framework Establishment of Nursing Support Model toward the

Disaster Survivors who were evacuated in Shelters for a Long Period

Saito Masako

1)

Abstract

The purpose of this study was to establish Nursing Support Model to be associated with needs of the patients and caregivers who have been evacuated for a long period.Four research participants who were the survivors of the Great East Japan Earthquake as well as leaders of Home-Visit Nursing Station in Miyagi Prefecture were recruited. The data was collected from semi-structured interview, and analyzed using the Modified Grounded Theory Approach. The analysis generated five categories: 1) Home-Visiting Nurses’ arrangements to avoid disaster risk using the lessons learned from disasters, 2) enhancement of self-care ability for the patients and caregivers to decrease disaster related death, 3) supports to the end of life based on the decision of the patients and caregivers in daily life, 4) continuous behaviors of Home-Visit Nurses through all disaster cycle, and 5) psychological changes of Home-Visit Nurses in disaster. This Nursing Support Model suggests to be the sustainable and effective model for both patients and Home-Visit Nurses. Key words:Disaster, Shelter, Nursing model, Survivors, Home-Visit Nurses

Ⅰ. 緒 言 東 日 本 大 震 災 の 被 害 を 受 け た 訪 問 看 護 ス テー シ ョン の被 害 は ,岩 手県 が18%(13 ヶ所), 宮城 県 が 41%(36 ヶ所),福島県が 17%(18 ヶ 所 )だ った .特 に沿 岸 地域 は 被害 が甚 大 であ り ,岩 手県 と 宮城 県 に おい て は ,訪 問看 護 ス テ ー シ ョ ン の 事 業 所 の 半 数 以 上 が 使 用 不 可 能に な った . 1992 年に日本の訪問看護ステーションが 制度 化 され,災 害対 策 とし て 防災 訓練 や 避難 1)清泉女学院大学

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表 1 イ ン タビ ュ ーガ イド

5) 収集 し たデ ータ か ら 逐語 録 を作 成し た . 6) 逐 語 録 の デ ー タ を 修 正 版 グ ラ ウ ン デ ッ ド ・ セ オ リ ー ・ ア プ ロ ー チ(以下,M-GTA: Modified Grounded Theory Approach)を用 いた 分 析方 法を 用 いて「災害 時 の看 護 支援 者 モデ ル 」を 検 討し た .概念 の 生成 過程 を 以下 に述 べ る. (1) 分析テーマを【災害時の訪問看護師の支 援 者 モ デ ル と な る 行 動 】 に 焦 点 を あ て, 災害 時の 療 養者 と介 護 者の 両者 の ニー ズ,その ニ ー ズ に 対 す る 訪 問 看 護 師 の 支 援 活 動 と の 2 つに 設 定し た. (2) 分 析焦 点者 を 以下 に設 定 した . ・被災 を 受け た が,震 災後 早 期に 訪問 看 護を 再開 し たこ と,継続 し て震 災 の教 訓を 活 かし て防 災 ・減 災に 取 り組 んで い る 者 とし た . ・震災 前 から 現 在も 訪 問看 護 ステ ーシ ョ ンの リ ー ダ ー と し て 勤 務 す る 訪 問 看 護 師 で あ る こと を 設定 した . ・ 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の リ ー ダ ー(所長 / 管 理 者 ) と し た 理 由 は , 経 営 者 で あ る た め , 事 業 内 容 に 災 害 時 の 取 り 組 み を 実 践 で き る こ と や 訪 問 看 護 師 の 災 害 時 の モ デ ル の 実 践 者に な ると 考え た . (3) 分 析 焦 点 者 の 訪 問 看 護 師 の 語 り か ら そ の定 義 を検 討し ,概 念 を決 定 して 分析 ワ ーク シー ト を作 成し た .そ の際 に ,気 付 いた こ と や疑 問 点を 理論 メ モと して 記 載し た.その 後, そ の 概 念 に 該 当 す る 他 の 具 体 例(バリエーシ ョン )を集 め て ,概 念 や定 義 を見 直し な がら 分析 ワ ーク シー ト を作 成し,新 たな デ ータ を 順次 , 生成 した . (4) 1 概 念 1 分 析 ワ ー ク シ ー ト の 作 成 で 全 デー タ から 類似 性 を捜 索し て ,類 似 性 ,対 極 性 が 見 当 た ら な け れ ば 概 念 の 理 論 的 飽 和 と して , 判定 基準 と した . (5) 生 成 さ れ た 概 念 同 士 の 意 味 の 類 似 性 で 類 似 化 し, カテゴリーを生成した.カテゴリ ー ,ま たは ,概 念相 互 の関 係 から 複数 の 分析 結 果 を ま と め , そ の 結 果 を ク ラ ス タ ー 化 し , 「 概 念 と カ テ ゴ リ ー の リ ス ト 」,「 結 果 図 」, 「ス ト ーリ ーラ イ ン」 を作 成 した . Ⅲ. 倫 理的 配慮 東 京 家 政 大 学 倫 理 委 員 会 の 承 認 を 受 け て 実 施 し た .(東 京 家 政 大 学 研 究 倫 理 委 員 会 H27 年 4 月 15 日, 東京家政大学院 H28-15) 研究 協 力者 は支 援 者で はあ る が,被 災 者で も ある こ とを 留意 し た.面接 調 査の 際に 辛 い 状 況を 思 い出 され ,そ の 後も 回 復が 見ら れ ない よう な 場合 には 研 究協 力 者 ま たは,職 場の 上 司か ら 連絡 を頂 け るよ うに 依 頼し た. Ⅳ. 利 益相 反 本 研 究に おけ る 利益 相反 は 存在 しな い . Ⅴ. 結 果 1.研 究 協力 者 研究 協 力者 の概 要 は,年齢 は 災害 発生 当 時 40 歳~60 歳代,性別はすべて女性であり, 職種 は 看護 師だ っ た.職位 は 4 人ともに訪問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 所 長 ま た 管 理 者 で あ り , 訪問 看 護師 の経 験 年数 は 5~20 年だった. 研 究 協 力 者 の 勤 務 す る 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョン の 属性 は, 病 院併 設 型 2 か所,独立型 2 か所 だ った.訪 問看 護 ステ ー ショ ンの 規 模は , 看護 師 の常 勤換 算 が 3 人から 6 人だった.地 理的 位 置関 係は ,沿岸 部の 地 域 3 ヶ所,内陸 部 1 ヶ所だった.また,訪問ステーションの 被害 状 況は,津 波に よ る建 物 の全 壊し た 1 か 所,建物 は浸 水 した が 建物 は 使用 でき た 1 か 所,震 災 のた め にラ イ フラ イ ンの 断絶 の ため に影 響 を受 けた が 建物 には 被 害が なか っ た 1 か所 .研 究 協力 者の 概 要 を表2 に示す.また, 図1 に研究協力者の訪問看護ステーションの 所在 地 を示 す. 内容 質問 項 目 療養 者 と介 護 者の 災 害時 の ニー ズ ・避 難 を余 儀な く され た 状況 ・各 災 害サ イク ル にお け る震 災 後の 病状 や 身体 状 況の 変 化や 在宅 療 養に 至 った 経 過 ・避 難 生活 及び 「 住み 慣 れた 地 域へ 戻り た い」 へ の思 い や心 理的 変 化 訪問 看 護師 の 災害 時 の行 動 ・災 害 サイ クル や 生活 の 場の 変 化に よる 支 援活 動 の内 容 ・震 災 後に 変化 し た訪 問 看護 活 動や 現在 取 り組 ま れて い る災 害対 策 支援 に つい て取 り 組ま れて い るが,個 別の 避 難 支 援 計 画 の 作 成 に つ い て 茨 城 県 内 の 訪 問 看護 ス テー ショ ン の調 査で は,訪問 看 護ス テ ーシ ョ ンの 92.6%が作成していたが,要配慮 者 の 避 難 訓 練 を 実 施 し た と こ ろ は な か っ た (上岡,2012).一方,震災前から岡(2009)は, 避 難 移 送 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 取 り 組 み が 行 われ て いる こと 報 告し てい る こと から ,防 災 訓練 な どの 災害 対 策は ,地域 や 各ス テ ーシ ョ ンに よ り,規 模 や 訓 練 内容 も さま ざま で あ り , 各 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン に 委 ね ら れ て い る 現状 が ある . 災 害 発 生 時 に よ る ラ イ フ ラ イ ン 機 能 が 断 絶す る こと が想 定 され る環 境 では,療 養者 だ け で な く 訪 問 看 護 師 自 身 に 生 命 を 守 る た め の教 育 を行 うこ と,臨 機応 変 に対 応で き る看 護師 を 育て るこ と,地 域全 体 で協 力体 制 を構 築 し 連 携 し て 行 う 対 策 が 必 要 で あ る(2015). しか し なが ら,災害 発 生 時 か ら経 時的 な 視点 な 療 養 者 や 介 護 者 の ニ ー ズ に 対 応 し た 訪 問 看 護 師 の 研 究 や 災 害 時 の 在 宅 療 養 者 に 対 す る 訪 問 看 護 師 の 模 範 と な る モ デ ル の 研 究 は 見当 た らな かっ た . 本 研 究 に 至 っ た 経 緯 は, 研究者自身が在宅 看護 学 領域 の教 員 であ り,東 日 本大 震 災か ら 2 年後に福島県 I 市で看護支援活動中, 60 歳 の 女 性 に 出 会 っ た こ と に 始 ま る. この女性は, 震 災 前 は 同 県 内 A 町で自立した生活を送っ てい た が, 避難所での生活中に ADL が低下 し, 病気を発症したことから,要介護 3 の認 定 を 受 け, 娘の自宅で療養生活を送っていた. この 療 養者 から「先 の 見え な い不 安」や「何 に対 し ても 諦め て いる 」とい う 発言 が 聞か れ た. 研究者は, この療養者の不安や諦めの原 因 と な っ て い る こ こ ろ の 奥 に 潜 ん で い る 思 い は な に か. また, このような災害により避 難 を 余 儀 な く さ れ た 療 養 者 や 介 護 者 に 対 し て , 被 災 者 で も あ る 支 援 者 の 訪 問 看 護 師 は, 災 害 時 に は ど の よ う な 行 動 を と り 考 え, 支援 にあ た って いた の だろ うか. 震災から 5 年と い う 時 間 の 経 過 に よ り 行 動 や 支 援 の 変 化 が あ る の で は な い か と 疑 問 に 思 っ た. 災害時の 訪 問 看 護 師 の 支 援 行 動 の 改 善 に よ り, 療養者 の 病 状 の 悪 化 や 震 災 関 連 死 を 防 ぐ こ と が で きる の では ない か と考 え, 本研究に至った. 本 研 究 で は, 訪問看護ステーションの訪問 看 護 師 が 災 害 サ イ ク ル を 経 時 的 な 視 点 か ら, 避 難 生 活 を 余 儀 な く さ れ た 療 養 者 と 介 護 者 の ニ ー ズ に 対 応 し た 看 護 支 援 モ デ ル が ど の よう な もの かを 探 究し たい と 考え た. Ⅱ. 研 究方 法 1.目 的 災 害 に よ り 長 期 の 避 難 生 活 を 余 儀 な く さ れ た 在 宅 療 養 者 に 対 す る 看 護 支 援 者 に 焦 点 を 当 て, 災 害 発 生 時 か ら 経 時 的 な 視 点 か ら 療 養 者 と 介 護 者 の 両 者 の ニ ー ズ に 対 応 で き る 看護 支 援モ デル を 構築 する . 2.研 究 対象 者 研究 対 象者(以下:研究協力者)は, 東日本 大震 災 で被 災し た 岩手 県 ,宮 城県 ,福 島県 の 3 県の訪問看護ステーションのうち,一番被 害 が 多 か っ た 宮 城 県 の 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ンの リ ーダ ーと な る管 理者 を 選択 した . 3.具 体 的な 研究 方 法 具 体 的 な 研 究 手 法 に つ い て 以 下 に 述 べ る . 1) 震 災 後 に 支 援 活 動 を 行 っ た 被 災 地 域 の 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン や 保 健 セ ン タ ー の 保 健 師へ 研 究協 力者 の 紹介 につ い て ,文 書 を用 い て口 頭 で研 究の 趣 旨と 計画 を 説明 し ,研究 協 力を 依 頼し た. 2) 研 究 の 承 諾 を 得 ら れ た 被 災 地 の 訪 問 看 護 ステ ー ショ ンへ 訪 問し ,研究 協 力可 能 な研 究 対象 候 補者 の紹 介(看護師)を受け,研究協力 を依 頼 した .紹介 し て 頂く に あた り ,研 究 対 象 の 候 補 者 を 公 募 し て 頂 き, 強制権が働かな いよ う にし た. 3) 研究協力に同意の得られた研究対象の候 補者 に 研究 説明 を 口頭 と書 面 で行 い,同意 書 を 書 面 で 得 て か ら 半 構 造 化 面 接 調 査 を 実 施 した . 面 接 の手 法と し て,研究 協 力者 が被 災 者で あり , 支援 者で あ るこ とを 踏 まえ ,5 年前か ら経 時 的に 被災 体 験つ いて ,現 在の 訪 問看 護 の 状 況 や 災 害 時 の 教 訓 を ど の よ う に 活 か し てい る かな どを 聴 取し てか ら,災害 発 生時 か ら 経 時 的 に 体 験 を 想 起 で き る よ う に 導 い た . 4) 半構造化面接調査の内容はインタビュー ガイ ド を作 成し た .内 容を 表 1 に示す. 長期避難を余儀なくされる療養者への看護支援者モデルの構築

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5) 収集 し たデ ータ か ら 逐語 録 を作 成し た . 6) 逐 語 録 の デ ー タ を 修 正 版 グ ラ ウ ン デ ッ ド ・ セ オ リ ー ・ ア プ ロ ー チ(以下,M-GTA: Modified Grounded Theory Approach)を用 いた 分 析方 法を 用 いて「災害 時 の看 護 支援 者 モデ ル 」を 検 討し た .概念 の 生成 過程 を 以下 に述 べ る. (1) 分析テーマを【災害時の訪問看護師の支 援 者 モ デ ル と な る 行 動 】 に 焦 点 を あ て, 災害 時の 療 養者 と介 護 者の 両者 の ニー ズ,その ニ ー ズ に 対 す る 訪 問 看 護 師 の 支 援 活 動 と の 2 つに 設 定し た. (2) 分 析焦 点者 を 以下 に設 定 した . ・被災 を 受け た が,震 災後 早 期に 訪問 看 護を 再開 し たこ と,継続 し て震 災 の教 訓を 活 かし て防 災 ・減 災に 取 り組 んで い る 者 とし た . ・震災 前 から 現 在も 訪 問看 護 ステ ーシ ョ ンの リ ー ダ ー と し て 勤 務 す る 訪 問 看 護 師 で あ る こと を 設定 した . ・ 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の リ ー ダ ー(所長 / 管 理 者 ) と し た 理 由 は , 経 営 者 で あ る た め , 事 業 内 容 に 災 害 時 の 取 り 組 み を 実 践 で き る こ と や 訪 問 看 護 師 の 災 害 時 の モ デ ル の 実 践 者に な ると 考え た . (3) 分 析 焦 点 者 の 訪 問 看 護 師 の 語 り か ら そ の定 義 を検 討し ,概 念 を決 定 して 分析 ワ ーク シー ト を作 成し た .そ の際 に ,気 付 いた こ と や疑 問 点を 理論 メ モと して 記 載し た.その 後, そ の 概 念 に 該 当 す る 他 の 具 体 例(バリエーシ 順次 , 生成 した . (4) 1 概 念 1 分 析 ワ ー ク シ ー ト の 作 成 で 全 デー タ から 類似 性 を捜 索し て ,類 似 性 ,対 極 性 が 見 当 た ら な け れ ば 概 念 の 理 論 的 飽 和 と して , 判定 基準 と した . (5) 生 成 さ れ た 概 念 同 士 の 意 味 の 類 似 性 で 類 似 化 し, カテゴリーを生成した.カテゴリ ー ,ま たは ,概 念相 互 の関 係 から 複数 の 分析 結 果 を ま と め , そ の 結 果 を ク ラ ス タ ー 化 し , 「 概 念 と カ テ ゴ リ ー の リ ス ト 」,「 結 果 図 」, 「ス ト ーリ ーラ イ ン」 を作 成 した . Ⅲ. 倫 理的 配慮 東 京 家 政 大 学 倫 理 委 員 会 の 承 認 を 受 け て 実 施 し た .(東 京 家 政 大 学 研 究 倫 理 委 員 会 H27 年 4 月 15 日, 東京家政大学院 H28-15) 研究 協 力者 は支 援 者で はあ る が,被 災 者で も ある こ とを 留意 し た.面接 調 査の 際に 辛 い 状 況を 思 い出 され ,そ の 後も 回 復が 見ら れ ない よう な 場合 には 研 究協 力 者 ま たは,職 場の 上 司か ら 連絡 を頂 け るよ うに 依 頼し た. Ⅳ. 利 益相 反 本 研 究に おけ る 利益 相反 は 存在 しな い . Ⅴ. 結 果 1.研 究 協力 者 研究 協 力者 の概 要 は,年齢 は 災害 発生 当 時 40 歳~60 歳代,性別はすべて女性であり, 職種 は 看護 師だ っ た.職位 は 4 人ともに訪問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 所 長 ま た 管 理 者 で あ り , 訪問 看 護師 の経 験 年数 は 5~20 年だった. 研 究 協 力 者 の 勤 務 す る 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョン の 属性 は, 病 院併 設 型 2 か所,独立型 2 か所 だ った.訪 問看 護 ステ ー ショ ンの 規 模は , 看護 師 の常 勤換 算 が3 人から 6 人だった.地 理的 位 置関 係は ,沿岸 部の 地 域 3 ヶ所,内陸 部1 ヶ所だった.また,訪問ステーションの 被害 状 況は,津 波に よ る建 物 の全 壊し た 1 か 所,建物 は浸 水 した が 建物 は 使用 でき た 1 か 所,震 災 のた め にラ イ フラ イ ンの 断絶 の ため に影 響 を受 けた が 建物 には 被 害が なか っ た 1 か所 .研 究 協力 者の 概 要 を表2 に示す.また, 図1 に研究協力者の訪問看護ステーションの 所在 地 を示 す. 療養 者 と介 護 者の 災 害時 の ニー ズ ・避 難 を余 儀な く され た 状況 ・各 災 害サ イク ル にお け る震 災 後の 病状 や 身体 状 況の 変 化や 在宅 療 養に 至 った 経 過 ・避 難 生活 及び 「 住み 慣 れた 地 域へ 戻り た い」 へ の思 い や心 理的 変 化 訪問 看 護師 の 災害 時 の行 動 ・災 害 サイ クル や 生活 の 場の 変 化に よる 支 援活 動 の内 容 ・震 災 後に 変化 し た訪 問 看護 活 動や 現在 取 り組 ま れて い る災 害対 策

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らい い では なく て ,停 電が あ った とき の 再確 認 す る た め に も チ ラ シ を ベ ッ ド に 付 け て も らう と か,そ う いう の も考 え てい こう と スタ ッフ と 話し 合っ て いま した .(A 氏) 理論 メ モ: ・訪問 看 護が 訪 問で き ない と きの ため に 家族 のセ ル フケ ア能 力 をあ げる 行 動は ,危 機管 理 につ な がる 行動 で はな いか . ・福祉 用 具の 指 導を 業 者に 任 せる ので は なく , 訪 問 看 護 師 も 療 養 者 が 使 用 し て い る 介 護 用 品 や 医 療 機 器 の ト ラ ブ ル シ ュ ー テ ン グ が で きる よ うに 自己 研 鑽 が 必要 . 概 念 24:訪問看護師が危機回避できる契約 定義:災害 時 には 避 難 は家 族 が行 い ,訪 問 看 護師 自 身の 安全 を 最優 先と し ,悪天 候 時の 緊 急 訪 問 看 護 の ス ト ッ プ す る こ と を 事 前 に 契 約す る 危機 管理 . バリ エ ーシ ョン(具体例): ・震災 前 は利 用 者さ ん を置 い て逃 げて い いか とか 決 まっ てい な くて ,そう い う体 制 が不 備 だっ た ので す .け れ ど も ,私 たち は 災害 時 に は 悪 い け れ ど 訪 問 し な い こ と や 訪 問 中 で も 逃げ な けれ ばな ら ない 時は,自 分の 安 全を 確 保 し て 申 し 訳 な い と い う そ の 了 解 を 得 る た め に , 利 用 者 さ ん の 訪 問 を 開 始 す る 時 に は , 契 約 書 に 追 加 し て 説 明 す る よ う に(スタッフ へ) 話 して いま す .(A 氏) 理論 メ モ: ・大災 害 を経 験 した 管 理 者 の 経験 値か ら スタ ッフ を 守る 行動 だ と思 う. ・契約 書 に災 害 時の 取 り決 め をし てお く こと は ,看 護師 の 命を 守 る 行動 で あ り ,訪問 看 護 師が サ バイ バー ズ ギル ドに な らず に ,安心 し て活 動 でき るの で はな いか . 5. 概 念 間の 類似 性 とカ テゴ リ ーの 生成 災 害 時 の 看 護 支 援 者 モ デ ル に 影 響 す る 要 因を 4 つ の カテ ゴ リー とし た.【 訪問 看護 ス テー シ ョン の被 災 から 復興 へ】,【療 養 者と 介 護者 の セル フケ ア 能力 の向 上】,【災 害 時の 教 訓を 活 かし た訪 問 看護 師の 行 動】,【 療 養者 と 寄り 添 う訪 問看 護 師の 心理】に 分け て 時間 経 過に よ り変 化を 分 析し た.概 念 とカ テ ゴリ ー のリ ス トを 表2 に示す. 表 2 概 念 とカ テ ゴリ ー の リ スト 6. 結果 図 研 究 結 果 か ら ,“ 災 害 時 に お け る 看 護 支 援 者モ デ ルの 構築 ”を 行 った .災害 サ イク ル の 時間 軸 によ る状 況 変化 や療 養 者・介 護 者も 生 活 環 境 に よ る 変 化 や ニ ー ズ に 対 応 す る 看 護 支援 者 モデ ルの 結 果図 を 図 2 災 害時 の 訪問 看 護師 の 行動 関連 モ デル に示 し た.カ テ ゴリ ー を【 】,概念 < >,詳 細は,ス トー リ ーラ イ ンと し て表 した . カテゴリー(5) 概念(27) 1 ステーションや療養者宅の被害が甚大 6 訪問看護ステーションの立て直し 11 新規の受け入れと継続支援 18 業務外の災害復興住宅・在宅支援 22 地域との連携体制 2 避難を余儀なくされる療養者 7 療養者の病状の悪化 12 避難生活が利用者の心身に影響 13 介護者の被災が利用者に影響 19 療養者や介護者のセルフケア能力の強化 17 看取りへの意思決定支援 20 療養者の復興期の課題 3 療養者の生命を守ろうとする行動 4 訪問看護師の生命の危機 8 療養者の安否確認 9 危険を回避した行動 14 訪問看護師の災害時の工夫 15 保健師の役割を担う地域支援 24 訪問看護師が危機回避できる契約 25 教訓を活かした体制 27 訪問看護の災害対策への課題 5 訪問看護師の不安や恐怖 10 訪問看護師と療養者の信頼関係 16 共通した思い 23 療養者や介護者の思いに寄り添う 26 震災5年目の思い 3.災害時の教訓を活かし た訪問看護師の行動 4.療養者に寄り添う訪問 看護師の心理 1.訪問看護ステーション の被災から復興 2.療養者と介護者のセル フケア能力の向上 表 2 研 究 協力 者 の概 要 図 1 研 究 協力 者 の訪 問看 護 ステ ーシ ョ ンの 所在 地 2.デ ー タ収 集の 期 間お よび 面 接調 査の 時 間 デー タ 収集 の期 間 は ,2015 年 5 月〜2016 年 3 月(東日本大震災発生後 4~5 年後), 面 接調 査 の時 間は , 1人 平均 105 分だった. 3.カ テ ゴリ ーの 概 念の 関連 東 日 本 大 震 災 を 経 験 し た 訪 問 看 護 ス テ ー ショ ン の管 理者 で ある 訪問 看 護師4 人を対象 とし て,被災 か ら 5 年間の災害サイクル別に 半 構 造 化 面 接 を 通 し て 得 ら れ た デ ー タ を M-GTA を用いて分析した. M-GTA による分析の結果,27 の概念が生 成さ れ,それ ら をカ テ ゴリ ー とし て分 類 した . まず,そ のカ テ ゴリ ー を震 災 発生 時か ら 現在 (5 年目)までの時間経過を明確するために災 害サ イ クル を【災 害 発 生時 】,【災 害 急性 期 か ら亜 急 性期 】,【慢 性 期 から 復 興期 】,【現 在(5 年目 )】,【 全災 害サ イ ク ル】 の 5 つの時間軸 とし て 分類 した. 次 に 概 念 か ら 災 害 時 の 看 護 支 援 者 モ デ ル に影 響 す る要 因 を 4 つのカテゴリーとした. カテ ゴ リー は【 訪問 看 護ス テ ーシ ョン の 被災 から 復 興へ 】,【 療養 者 と介 護 者の セル フ ケア 能力 の 向上 】,【 災害 時 の教 訓 を活 かし た 訪問 看護 師 の行 動】,【療 養 者と 共 有し た訪 問 看護 師の 心 理】と した .最 終的 に 概念 やカ テ ゴリ ー,プ ロ セス の 生成 や それ ぞ れの 関連 性 から 災害 時 の看 護支 援 者モ デル を 抽出 した .こ の 概念 や カテ ゴリ ー は,災害 看 護の 専門 家 にス ーパ ー バイ ズを 受 けて 修正 を 行い,妥 当性 を 高め た . 4. 概念 の 定義 とバ リ エ ーシ ョ ンの 具体 例 こ こ で は 概 念 の 定 義 と バ リ エ ー シ ョ ン の 具 体例 と して【 災 害発 生 時 】1例 ,【現 在(5 年)】 2例 , 合計 3例 の 事例 を以 下 に述 べる . 【災 害 発生 時】 場 :療 養者 宅 概 念 3:看護師が療養者の生命を守ろうとす る 行 動 定義:訪問 看 護師 は 災 害発 生 時に は ,療 養 者 の 生 命 を 守 ろ う と す る 行 動 を 起 こ す . 一 方 , 避難 し たく ても 避 難で きな い こと があ る . バリ エ ーシ ョン(具体例): ・(療養者が)結局 1 週間便秘でしたので, 浣 腸 し な い こ と に は そ の 方 も っ と 悪 く な る の で, 地震直後に浣腸をして, ケアを終えてか らス テ ーシ ョン に 戻っ て…(B 氏) 理論 メ モ: ・ 震 災 発 生 時 の 訪 問 看 護 師 は, 任務を遂行し て 逃 げ ず に 療 養 者 を 守 る 行 動 を と っ て い る. それ は 看護 師の 責 務か ,人道 か ,咄 嗟 の行 動 なの か ? 【現 在(5 年目)】 概 念 19:利用者や介護者へセルフケア能力 の 強 化 定義:平 時の 介 護者 の セル フ ケア 能力 の アッ プ 災害時の非常用持ち出し品の準備や医療 機器 の 取り 扱い の 自立 が必 要 . バリ エ ーシ ョン(具体例): ・看護 師 でな け れば で きな い ケア もあ る んで すが,看 護師 で なく て もで き る ケ アを し なく てい い よう に, 日 頃か らで す ね .(B 氏) ・福 祉 用具 の業 者 だけ でな く ,1 回教えたか A B D C 長期避難を余儀なくされる療養者への看護支援者モデルの構築

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らう と か,そ う いう の も考 え てい こう と スタ ッフ と 話し 合っ て いま した .(A 氏) 理論 メ モ: ・訪問 看 護が 訪 問で き ない と きの ため に 家族 のセ ル フケ ア能 力 をあ げる 行 動は ,危 機管 理 につ な がる 行動 で はな いか . ・福祉 用 具の 指 導を 業 者に 任 せる ので は なく , 訪 問 看 護 師 も 療 養 者 が 使 用 し て い る 介 護 用 品 や 医 療 機 器 の ト ラ ブ ル シ ュ ー テ ン グ が で きる よ うに 自己 研 鑽 が 必要 . 概 念 24:訪問看護師が危機回避できる契約 定義:災害 時 には 避 難 は家 族 が行 い ,訪 問 看 護師 自 身の 安全 を 最優 先と し ,悪天 候 時の 緊 急 訪 問 看 護 の ス ト ッ プ す る こ と を 事 前 に 契 約す る 危機 管理 . バリ エ ーシ ョン(具体例): ・震災 前 は利 用 者さ ん を置 い て逃 げて い いか とか 決 まっ てい な くて ,そう い う体 制 が不 備 だっ た ので す .け れ ど も ,私 たち は 災害 時 に は 悪 い け れ ど 訪 問 し な い こ と や 訪 問 中 で も 逃げ な けれ ばな ら ない 時は,自 分の 安 全を 確 保 し て 申 し 訳 な い と い う そ の 了 解 を 得 る た め に , 利 用 者 さ ん の 訪 問 を 開 始 す る 時 に は , 契 約 書 に 追 加 し て 説 明 す る よ う に(スタッフ へ) 話 して いま す .(A 氏) 理論 メ モ: ・大災 害 を経 験 した 管 理 者 の 経験 値か ら スタ ッフ を 守る 行動 だ と思 う. ・契約 書 に災 害 時の 取 り決 め をし てお く こと は ,看 護師 の 命を 守 る 行動 で あ り ,訪問 看 護 師が サ バイ バー ズ ギル ドに な らず に ,安心 し て活 動 でき るの で はな いか . 5. 概 念 間の 類似 性 とカ テゴ リ ーの 生成 災 害 時 の 看 護 支 援 者 モ デ ル に 影 響 す る 要 因を 4 つ の カテ ゴ リー とし た.【 訪問 看護 ス テー シ ョン の被 災 から 復興 へ】,【療 養 者と 介 護者 の セル フケ ア 能力 の向 上】,【災 害 時の 教 訓を 活 かし た訪 問 看護 師の 行 動】,【 療 養者 と 寄り 添 う訪 問看 護 師の 心理】に 分け て 時間 経 過に よ り変 化を 分 析し た.概 念 とカ テ ゴリ ー のリ ス トを 表2 に示す. 6. 結果 図 研 究 結 果 か ら ,“ 災 害 時 に お け る 看 護 支 援 者モ デ ルの 構築 ”を 行 った .災害 サ イク ル の 時間 軸 によ る状 況 変化 や療 養 者・介 護 者も 生 活 環 境 に よ る 変 化 や ニ ー ズ に 対 応 す る 看 護 支援 者 モデ ルの 結 果図 を 図 2 災 害時 の 訪問 看 護師 の 行動 関連 モ デル に示 し た.カ テ ゴリ ー を【 】,概念 < >,詳 細は,ス トー リ ーラ イ ンと し て表 した . 1 ステーションや療養者宅の被害が甚大 6 訪問看護ステーションの立て直し 11 新規の受け入れと継続支援 18 業務外の災害復興住宅・在宅支援 22 地域との連携体制 2 避難を余儀なくされる療養者 7 療養者の病状の悪化 12 避難生活が利用者の心身に影響 13 介護者の被災が利用者に影響 19 療養者や介護者のセルフケア能力の強化 17 看取りへの意思決定支援 20 療養者の復興期の課題 3 療養者の生命を守ろうとする行動 4 訪問看護師の生命の危機 8 療養者の安否確認 9 危険を回避した行動 14 訪問看護師の災害時の工夫 15 保健師の役割を担う地域支援 24 訪問看護師が危機回避できる契約 25 教訓を活かした体制 27 訪問看護の災害対策への課題 5 訪問看護師の不安や恐怖 10 訪問看護師と療養者の信頼関係 16 共通した思い 23 療養者や介護者の思いに寄り添う 26 震災5年目の思い 3.災害時の教訓を活かし た訪問看護師の行動 4.療養者に寄り添う訪問 看護師の心理 1.訪問看護ステーション の被災から復興 2.療養者と介護者のセル フケア能力の向上

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がん の 終末 期の 療 養生 活が 難 しく,在 宅見 取 りが 減 少し てい た.こ のよ う に< 避難 生 活が 療養 者 の心 身に 影 響> して い た.さ らに ,介 護 者 が 震 災 で 死 亡 し た こ と で < 介 護 者 の 被 災が 療 養者 に影 響 >し た . 震災 5 年目 で は, 訪 問 看 護 師 が 災 害 時 に 訪 問 で き な い こ と を 想定 し て【療 養 者や 介 護者 へ セル フケ ア 力の 向上 】 に取 り組 ん でい ると 捉 えた . 3) 災 害 時 の 教 訓 を 活 か し た 訪 問 看 護 師 の 行 動 災 害 発生 時に は,訪 問先 で 被災 した 訪 問看 護師 は,<避 難 を余 儀 なく さ れる 療養 者 > に 対し て,<療 養 者の 生 命を 守 ろう とす る 行動 >を 行 って いた .一 方 では ,避難 で きな い こ と に よ る < 訪 問 看 護 師 の 生 命 の 危 機 > が 発 生し た .震 災 5 年 後 に は ,こ の教 訓 を活 か し て , 訪 問 を 中 止 や 看 護 師 も 避 難 す る こ と や , 療 養 者 の 避 難 行 動 を 家 族 が 行 う な ど の < 訪 問 看 護 師 が 危 機 回 避 で き る 契 約 > を 行 っ て いた .この 内 容か ら【 災害 時 の教 訓を 活 かし た訪 問 看護 師の 行 動】 と捉 え た. 4) 療養 者 に寄 り添 う 訪 問看 護 師の 心理 災害 発 生時 には ,訪 問 看護 師 が自 分も 死 ぬ か も し れ な い と い う 思 い や 自 身 の 家 族 の 安 否が 不 明で ある こ とか ら,< 訪 問看 護 師の 不 安や 恐 怖> を感 じ てい た.災 害 急性 期 から 亜 急性 期 には,訪 問看 護 師と 療 養者 がお 互 いに 助け あ い,身 を 案じ て いた こ とか ら< 訪 問看 護師 と 療養 者の 信 頼関 係> が 生じ てい た .慢 性期 か ら復 興期 に 入る と,み ん なで 乗 り越 え てい こ うと いう < 共通 した 思 い> があ り,現 在<5 年 目の 思 い> は ,柔 軟 に対 応し て ショ ック を 乗り 越え て きた こと か ら,年 々 冷静 に なっ て いた,災 害が 絶 対無 駄 では ない こ とや 災 害 を 忘 れ て ほ し く な い と い う 思 い が 芽 生 えて い た.こ のよ う に【 療養 者に 寄 り添 う 訪 問看 護 師の 心理 】は ,災害 サ イク ルの 時 期が 経過 す ると とも に 変化 した と 捉え た. Ⅵ. 考 察 1. 災 害 の 教 訓 を 活 か し た 訪 問 看 護 師 の 危 機 回避 の 取り 決め 災害 発 生時 に備 え て,訪問 看 護ス テー シ ョ ン の 管 理 者 で あ る 研 究 協 力 者 は ,【 災 害 時 の 教訓 を 活か した 訪 問看 護師 の 行動】と して 災 害対 策 を整 えて い た.<訪 問 看護 師の 生 命の 危機 > を回 避す る こと は,療 養 者の ケ アの 継 続に 繋 がる こと か ら,訪問 看 護師 自身 が 危機 回避 で きる 契約 に つい て,坂口(2013)は,災 害初 動 体制 には ,「危 機 回避 行 動」が 重要 であ るこ と や災 害時 に 自分 自身 の 生命 や健 康,安 寧を 守 り抜 き,維持 す るた め に本 人が で きる 行 動 を 災 害 サ バ イ バ ル ケ ア 行 動 と 定 義 し て いた .災害 発 生時 は ,訪問 看 護師 が療 養 者の 居 宅 で 活 動 す る 場 合 や 移 動 時 の 安 全 確 保 を い か に 担 保 す る か と い う 点 は 最 も 重 要 な 課 題で あ ると 考え る .し かし な がら ,当時 の 災 害対 策 マニ ュア ル では ,訪問 看 護師 が 居宅 に 訪問 中 の場 合に は ,療 養者 や 家族(介護者)の 安全 確 保と 明記 さ れて あり,順 守す る ため に 訪問 看 護師 は,災害 発 生時 に は< 療養 者 の生 命を 守 ろう とす る 行動 >を と り,そ の ため に < 訪 問 看 護 師 の 生 命 の 危 機 > に 遭 遇 し た と 考え ら れる.こ の危 機 回避 が でき る契 約 を 平 時 か ら 療 養 者 お よ び 介 護 者 と 相 談 す る こ と や 協 力 の 要 請 し て お く こ と が 災 害 対 策 に な って い た.訪 問 看護 師 にと っ ても 療養 者 およ び介 護 者に とっ て も 双 方の 安 心と なり ,満 足 に繋 が る対 策で あ る. 訪 問 看 護 師 は , 療 養 者 や 介 護 者 を“見捨て るわ け では ない”が,災害発生時や急性期に, 看 護 本 来 の 意 味で は ,“看て護る”ことには限 界が あ る.一 方 では 療 養者 を 助け られ な いこ

と が PTSD(Post Traumatic Stress

Disorder:心的外傷後ストレス障害 )に連鎖 する 可 能性 があ る こと が予 測 され る.災害 時 に 訪 問 看 護 師 が 療 養 者 の 避 難 支 援 や 希 望 さ れ た ケ ア を せ ず に 避 難 し た 場 合 や 訪 問 で き なか っ た場 合に は,看 護師 に 生き 残り 罪 悪感 と呼 ば れる「 サバ イ バ ーズ ギ ルド 」が発 生 す るこ と が予 測さ れ る .遠藤(2014)は,本研究 の結 果 と同 様 に 利用 者(療養者)だけでなく, 自分 た ちの 命も 守 る 行 動と し て,訪 問 看護 ス テ ー シ ョ ン の ル ー ル を 震 災 後 に 見 直 し て い るこ と から,具 体的 な 行動 指 針が 訪問 看 護師 の「サ バイ バ ーズ ギ ル ド 」を 予防 す る対 策 に 繋が る と考 える . 療 養 者 の 避 難 行 動 を 家 族 が 行 う こ と を 説 明に 加 えて いる こ とは ,日 比野(2010)による と ,震 災前 の デー タ で は ,看 護師 は 災害 危 機 管理 へ の認 識 は 比較 的 高く , 利用 者(療養者) では 高 いと はい え ない こと に 加え,緊 急事 態 発 生 時 を 想 定 し た 介 護 者 と 訪 問 看 護 師 の 意 見交 換 がな され て いな いこ と は,介 護 者が 避 難 さ せ る 搬 送 の 協 力 は 得 ら れ に く い と 述 べ られ て いる.そ のた め 災害 時 に避 難誘 導 や支 援 を 誰 が 行 う か と い う 取 り 決 め が 課 題 と な る.療 養 者と 介 護者 の 個別 支 援計 画作 成 する 7.ス ト ーリ ーラ イ ン 1) 訪問 看 護ス テー シ ョ ンの 被 災か ら復 興 災 害 発生 時は ,< 訪 問看 護 ステ ーシ ョ ンや 療養 者 宅の 被害 が 甚大 >で あ り,亜 急 性期 に は,< 訪 問看 護 ステ ー ショ ン の立 て直 し >や , 利用 者 の< 新規 の 受け 入れ と 継続 支援 >,震 災か ら 5 年 後に は <業 務外 の 災害 復興 住 宅・ 在宅 支 援> を行 っ てい たこ と から【 訪 問看 護 ステ ー ショ ンの 被 災か ら復 興 】と 捉え た . 2) 療養 者 と介 護者 の セ ルフ ケ ア能 力の 向 上 災害 発 生時 には ,< 避 難を 余 儀な くさ れ る 療養 者 >が おり ,大 津 波警 報 が発 令さ れ たが ケア の 継続 を希 望 す る 介護 者 がい た.災害 急 性期 か ら亜 急性 期 には ,療養 者 に巨 大 褥瘡 や, 新 た に 病 気 が 発 症 し た こ と か ら < 療 養 者 の 病状 の 悪化 >し ,こ の 時期 か ら震 災関 連 死が 発生 し た.ま た ,特 に 応急 仮 設住 宅に お ける 図 2 災 害 時の 訪 問看 護師 の 行動 関連 モ デル 時間と場の変化 【訪問看護ステー ションの被災から 復興】 【療養者と介護者 のセルフケア能力 の向上】 【療養者と寄り添う 訪問看護師の心 理】 【災害発生時】 概念1:ステーションや 療養者宅の被害が甚 大 概念2:避難を余儀なく される療養者 概念3:訪問看護師が療 養者の生命を守ろうとす る行動 概念4:訪問看護師の生 命の危機 概念5:訪問看護師の不 安や恐怖 場:訪問看護ステーション 内・療養者宅 【災害急性期から 亜急性期】 概 念 6 : 訪 問 看 護 ス テーションの立て直し 概念7:療養者の病状 の悪化 概念8:療養者の安否確 認 概念9:危険を回避した 行動 概念10:訪問看護師と療 養者との信頼関係 場:避難所・療養者 【慢性期から復興期】 概念11:新規の受け入 れと継続支援 概念12:避難生活が療 養者の心身に影響 概念13:介護者の被災 が療養者に影響する 概念14:訪問看護師によ る災害時の工夫 概念15:保健師の役割を 担う地域支援 概念16:共有した思い 概念17:看取りへの意思 決定支援 場:避難所から応急仮設 住宅・療養者宅 【現在(5年目)】 概念18:業務外の災害 復興住宅・在宅支援 概念19:療養者や介護 者へセルフケア能力の 強化 概念20:療養者の復興 期の課題 概念24:訪問看護師が 危機回避できる契約 概念25:教訓を活かした 体制 概念27:訪問看護の災 害対策への課題 概念26:震災5年目の思 い 場:応急仮設住宅から 災害公営住宅・療養者宅 ※ カテゴリー【 】,概念< >を示す 【災害時の教訓を活かした訪問看護師の 行動】 概 念 2 1 : 療 養 者 の 安 心 に つ な が る 行 動 概 念 2 2 : 連 携 体 制 概 念 2 3 : 被 災 者 の 思 い に 寄 り 添 う 時間と場の変化 【訪問看護ステー ションの被災から 復興】 【療養者と介護者 のセルフケア能力 の向上】 【療養者と寄り添う訪 問看護師の心理】 【災害発生時】 概念1:ステーションや 療養者宅の被害が甚 大 概念2:避難を余儀なく される療養者 概念3:訪問看護師が療 養者の生命を守ろうとす る行動 概念4:訪問看護師の生 命の危機 概念5:訪問看護師の不 安や恐怖 場:訪問看護ステーション 内・療養者宅 【災害急性期から 亜急性期】 概 念 6 : 訪 問 看 護 ス テーションの立て直し 概念7:療養者の病状 の悪化 概念8:療養者の安否確 認 概念9:危険を回避した 行動 概念10:訪問看護師と療 養者との信頼関係 場:避難所・療養者 【慢性期から復興期】 概念11:新規の受け入れと継続支援 概念12:避難生活が療 養者の心身に影響 概念13:介護者の被災 が療養者に影響する 概念14:訪問看護師によ る災害時の工夫 概念15:保健師の役割 を担う地域支援 概念16:共有した思い 概念17:看取りへの意思 決定支援 場:避難所から応急仮設 住宅・療養者宅 【現在(5年目)】 概念18:業務外の災害復興住宅・在宅支援 概念19:療養者や介護 者へセルフケア能力の 強化 概念20:療養者の復興 期の課題 概念24:訪問看護師が 危機回避できる契約 概念25:教訓を活かした 体制 概念27:訪問看護の災 害対策への課題 概念26:震災5年目の思 い 場:応急仮設住宅から 災害公営住宅・療養者宅 ※ カテゴリー【 】,概念< >を示す 【災害時の教訓を活かした訪問看護師の 行動】 概 念 2 1 : 療 養 者 の 安 心 に つ な が る 行 動 概 念 2 2 : 連 携 体 制 概 念 2 3 : 被 災 者 の 思 い に 寄 り 添 う 長期避難を余儀なくされる療養者への看護支援者モデルの構築

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療養 者 の心 身に 影 響> して い た.さ らに ,介 護 者 が 震 災 で 死 亡 し た こ と で < 介 護 者 の 被 災が 療 養者 に影 響 >し た . 震災 5 年目 で は, 訪 問 看 護 師 が 災 害 時 に 訪 問 で き な い こ と を 想定 し て【療 養 者や 介 護者 へ セル フケ ア 力の 向上 】 に取 り組 ん でい ると 捉 えた . 3) 災 害 時 の 教 訓 を 活 か し た 訪 問 看 護 師 の 行 動 災 害 発生 時に は,訪 問先 で 被災 した 訪 問看 護師 は,<避 難 を余 儀 なく さ れる 療養 者 > に 対し て,<療 養 者の 生 命を 守 ろう とす る 行動 >を 行 って いた .一 方 では ,避難 で きな い こ と に よ る < 訪 問 看 護 師 の 生 命 の 危 機 > が 発 生し た .震 災 5 年 後 に は ,こ の教 訓 を活 か し て , 訪 問 を 中 止 や 看 護 師 も 避 難 す る こ と や , 療 養 者 の 避 難 行 動 を 家 族 が 行 う な ど の < 訪 問 看 護 師 が 危 機 回 避 で き る 契 約 > を 行 っ て いた .この 内 容か ら【 災害 時 の教 訓を 活 かし た訪 問 看護 師の 行 動】 と捉 え た. 4) 療養 者 に寄 り添 う 訪 問看 護 師の 心理 災害 発 生時 には ,訪 問 看護 師 が自 分も 死 ぬ か も し れ な い と い う 思 い や 自 身 の 家 族 の 安 否が 不 明で ある こ とか ら,< 訪 問看 護 師の 不 安や 恐 怖> を感 じ てい た.災 害 急性 期 から 亜 急性 期 には,訪 問看 護 師と 療 養者 がお 互 いに 助け あ い,身 を 案じ て いた こ とか ら< 訪 問看 護師 と 療養 者の 信 頼関 係> が 生じ てい た .慢 性期 か ら復 興期 に 入る と,み ん なで 乗 り越 え てい こ うと いう < 共通 した 思 い> があ り,現 在<5 年 目の 思 い> は ,柔 軟 に対 応し て ショ ック を 乗り 越え て きた こと か ら,年 々 冷静 に なっ て いた,災 害が 絶 対無 駄 では ない こ とや 災 害 を 忘 れ て ほ し く な い と い う 思 い が 芽 生 えて い た.こ のよ う に【 療養 者に 寄 り添 う 訪 問看 護 師の 心理 】は ,災害 サ イク ルの 時 期が 経過 す ると とも に 変化 した と 捉え た. Ⅵ. 考 察 1. 災 害 の 教 訓 を 活 か し た 訪 問 看 護 師 の 危 機 回避 の 取り 決め 災害 発 生時 に備 え て,訪問 看 護ス テー シ ョ ン の 管 理 者 で あ る 研 究 協 力 者 は ,【 災 害 時 の 教訓 を 活か した 訪 問看 護師 の 行動】と して 災 害対 策 を整 えて い た.<訪 問 看護 師の 生 命の 危機 > を回 避す る こと は,療 養 者の ケ アの 継 続に 繋 がる こと か ら,訪問 看 護師 自身 が 危機 回避 で きる 契約 に つい て,坂口(2013)は,災 寧を 守 り抜 き,維持 す るた め に本 人が で きる 行 動 を 災 害 サ バ イ バ ル ケ ア 行 動 と 定 義 し て いた .災害 発 生時 は ,訪問 看 護師 が療 養 者の 居 宅 で 活 動 す る 場 合 や 移 動 時 の 安 全 確 保 を い か に 担 保 す る か と い う 点 は 最 も 重 要 な 課 題で あ ると 考え る .し かし な がら ,当時 の 災 害対 策 マニ ュア ル では ,訪問 看 護師 が 居宅 に 訪問 中 の場 合に は ,療 養者 や 家族(介護者)の 安全 確 保と 明記 さ れて あり,順 守す る ため に 訪問 看 護師 は,災害 発 生時 に は< 療養 者 の生 命を 守 ろう とす る 行動 >を と り,そ の ため に < 訪 問 看 護 師 の 生 命 の 危 機 > に 遭 遇 し た と 考え ら れる.こ の危 機 回避 が でき る契 約 を 平 時 か ら 療 養 者 お よ び 介 護 者 と 相 談 す る こ と や 協 力 の 要 請 し て お く こ と が 災 害 対 策 に な って い た.訪 問 看護 師 にと っ ても 療養 者 およ び介 護 者に とっ て も 双 方の 安 心と なり ,満 足 に繋 が る対 策で あ る. 訪 問 看 護 師 は , 療 養 者 や 介 護 者 を“見捨て るわ け では ない”が,災害発生時や急性期に, 看 護 本 来 の 意 味で は ,“看て護る”ことには限 界が あ る.一 方 では 療 養者 を 助け られ な いこ

と が PTSD(Post Traumatic Stress

Disorder:心的外傷後ストレス障害 )に連鎖 する 可 能性 があ る こと が予 測 され る.災害 時 に 訪 問 看 護 師 が 療 養 者 の 避 難 支 援 や 希 望 さ れ た ケ ア を せ ず に 避 難 し た 場 合 や 訪 問 で き なか っ た場 合に は,看 護師 に 生き 残り 罪 悪感 と呼 ば れる「 サバ イ バ ーズ ギ ルド 」が発 生 す るこ と が予 測さ れ る .遠藤(2014)は,本研究 の結 果 と同 様 に 利用 者(療養者)だけでなく, 自分 た ちの 命も 守 る 行 動と し て,訪 問 看護 ス テ ー シ ョ ン の ル ー ル を 震 災 後 に 見 直 し て い るこ と から,具 体的 な 行動 指 針が 訪問 看 護師 の「サ バイ バ ーズ ギ ル ド 」を 予防 す る対 策 に 繋が る と考 える . 療 養 者 の 避 難 行 動 を 家 族 が 行 う こ と を 説 明に 加 えて いる こ とは ,日 比野(2010)による と ,震 災前 の デー タ で は ,看 護師 は 災害 危 機 管理 へ の認 識 は 比較 的 高く , 利用 者(療養者) では 高 いと はい え ない こと に 加え,緊 急事 態 発 生 時 を 想 定 し た 介 護 者 と 訪 問 看 護 師 の 意 見交 換 がな され て いな いこ と は,介 護 者が 避 難 さ せ る 搬 送 の 協 力 は 得 ら れ に く い と 述 べ られ て いる.そ のた め 災害 時 に避 難誘 導 や支 援 を 誰 が 行 う か と い う 取 り 決 め が 課 題 と な る.療 養 者と 介 護者 の 個別 支 援計 画作 成 する

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に繋 が ると 考え て いた .この よ うに 時 期や 療 養 の 場 に 応 じ て 変 化 す る 療 養 者 お よ び 介 護 者の ニ ーズ(需要側)に対して訪問看護師の活 動(供給側)が,臨機応変に対応していた. 在 宅 看取 りに つ いて は ,近 年 の在 宅 医療 の 取り 組 みと して 医 療ニ ーズ が 高い 方が ,終 末 期 を 住 み 慣 れ た 場 所 で 療 養 生 活 が 送 る こ と が で き る よ う 地 域 包 括 シ ス テ ム に て 推 進 さ れて き てい るが ,災 害 時に 地 域包 括シ ス テム がど の よう に活 用 され るか ま では ,具 体的 な 取 り 決 め が な い こ と か ら 今 後 の 課 題 で あ る と考 え る. 4. 訪 問 看 護 師 の 災 害 サ イ ク ル を 貫 く 継 続 的 な行 動 訪 問 看 護 師 が < 療 養 者 の 安 心 に つ な が る 行 動 > や < 療 養 者 や 介 護 者 の 思 い に 寄 り 添 う> 行 動は,被 災者 の ここ ろ のケ ア と も 考え られ る.いつ も の信 頼 のあ る 看護 師に よ る訪 問は ,療養 者 にと っ て 心強 い 行動 であ り ,安 心 に 繋 が る . し か し , 甚 大 な 被 災 地 域 で は , いつ も と同 じよ う に訪 問す る こと は ,不可 能 なこ と もあ るが ,被 災 の少 な い地 域に は ,有 効な 活 動で ある と 考え る . 災害 発 生時 は,平時 の ケア の 延長 線上 に あ り,専 門 職の サ ービ ス の質 の 担保 が必 要 であ る .往 診医 や ケア マ ネ ,サー ビス 担 当者 と の < 地 域 と の 連 携 体 制 > は 災 害 時 に は さ ら に 重要 と なる.平 時か ら サー ビ ス担 当者 会 議な どに て 情報 共有 や 連携 を推 進 して,避 難誘 導, 避 難 先 や 避 難 所 で の 生 活 な ど を 想 定 し て 対 策を 立 てて おく こ とが ,早期 の【訪 問 看護 ス テー シ ョン の被 災 から 復興】に なる こ とや 療 養者 の 病状 を悪 化 させ ず ,震 災 関連 死 の低 減 に繋 が ると 考え る . 5. 訪 問 看 護 師 の 災 害 時 の 時 間 軸 に よ る 心 理 変化 災害 急 性期 から 亜 急性 期に は ,訪問 看 護師 と 療 養 者 が お 互 い に 助 け あ い 乗 り こ え て き た 思 い は ,【 療 養 者 と 共 有 し た 訪 問 看 護 師 の 心理 】は ,災 害 サイ ク ルの 時 間軸 によ り 変化 し て い た . 慢性期から復興期に発生してい た み ん な で 乗 り 越 え て い こ う と い う 療 養 者 や介 護 者と の< 共 通し た思 い >は,あ る意 味 では 戦 友の よう な 信頼 関係 を 築い てい た .一 方,千葉(2017)によると被災した人としなか った 人 の“温 度 差”が あり ,被 災し な かっ た 人た ち は,被 災 状況 を 説明 し ても 理解 で きな かっ た 状況 があ っ たと 報告 さ れて いる .訪 問 看護 師 は,同 じ 地域 の 中で も 被災 が甚 大 な療 養 者 や 被 災 し な か っ た 療 養 者 が 対 象 と な る ため,両 者の 思 いに 寄 り添 う こと が求 め られ る. 研究 協 力者 の現 在 の思 いは ,震 災を 振 り返 る時 期 とな り,災害 の ショ ッ クを 乗り 越 えて きた こ とか ら,年々 冷 静に な って いる こ とや 災害 も 絶対 無駄 で はな いこ と ,災害 を 忘れ て ほし く ない とい う 思い があ っ た .坂 口(2013) によ る と,い つ 来る か も知 れ ない 災害 へ の備 えを 十 全に する こ とが 望ま れ る .し か しな が ら ,被 害に 関 する 限 り ,人間 は体 験 に学 ば な いと 述 べて いる こ とか ら,今 回 のよ う な大 規 模災 害 の教 訓を 語 り継 ぎ ,平 時 に活 か して い くこ と が被 災者 へ の追 悼の 思 いで あり ,い つ, 発 生 す る か わ か ら な い 災 害 時 の 教 訓 を 継 続 す る こ と が 災 害 を 乗 り き っ た 人 々 の 思 い に 添え る ので はな い か と 考え る . 6.災 害 時の 看護 支 援者 モデ ル の構 築 と 展 望 本研 究 では,東 日本 大 震災 を 経験 した 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 管 理 者 で あ る 訪 問 看 護 師 4 人を対象として,被災から 5 年間の災害 サ イ ク ル 別 に 半 構 造 化 面 接 を 通 し て 得 ら れ たデ ー タを M-GTA を用いて分析した.災害 時 の 看 護 支 援 者 モ デ ル は ,【 災 害 の 教 訓 を 活 かし た 訪問 看護 師 の危 機回 避 の取 り決 め】や, 【 震 災 関 連 死 の 低 減 に 繋 が る 療 養 者 お よ び 介護 者 のセ ルフ ケ ア能 力の 向 上】,【 生 活の 場 に よ る 療 養 者 お よ び 介 護 者 の 意 思 決 定 に よ る災 害 時の 看取 り の支 援】,【訪問看護師の災 害サ イ クル を貫 く 継続 的な 行 動】,【 訪 問看 護 師の 災 害時 の心 理 変化 】か ら 構成 され た . 特 に ,【 災 害 の 教 訓 を 活 か し た 訪 問 看 護 師 の危 機 回避 の取 り 決め 】を行 うこ と ,具体 的 に は 契 約 書 や お 願 い 文 に よ り , 災 害 時 に は , 訪 問 が で き な い こ と が あ る こ と や 避 難 す る こと の 同意 を得 て おく こと で,災害 時 に生 命 の危 機 を事 前に 回 避で きる こ とに 繋が り,倫 理 的 問 題 や 社 会 的 葛 藤 が あ る 中 で も 自 身 の 身 を 守 る 行 動 が 遂 行 で き る と 考 え る . ま た , 平 時 か ら 震 災 関 連 死 の 低 減 に 繋 が る 療 養 者 お よ び 介 護 者 の セ ル フ ケ ア 能 力 の 向 上 す る こと に より,ケ アの 自 立が で きる と予 測 され る. これ ら のこ とか ら,療 養者 お よび 介護 者 の ニー ズ(需 要側 )と訪 問 看護 師 のニ ーズ:活動 (供 給側 )との 間 に相 互 作用 が あり ,体験 から 際に は,介護 者 を含 む 地域 包 括シ ステ ム の担 当者 で 策定 して お くな ど,地 域 全体 で 行う こ とが 必 要で ある . 災害 時 の看 護支 援 者モ デル は ,個々 の 利用 者 お よ び 介 護 者 を ア セ ス メ ン ト す る こ と が 必須 で ある.そ の上 で 震災 の 教訓 を活 か し つ つ,ど の よう に 対策 を 講じ た ら改 善に つ なが り ,療 養生 活 を持 続 で きる か を考 え ,行 動 を 実践 で きる 能力 を 持つ こと が 必要 であ る.ま た,地 域 にお け る連 携 のコ ー ディ ネー タ ーの 役 割 を 担 う 必 要 が あ る の で は な い か と 考 え る. 2. 震 災 関 連 死 の 低 減 に 繋 が る 療 養 者 お よ び 介護 者 のセ ルフ ケ ア能 力の 向 上 災 害 時 に は 訪 問 看 護 師 が 訪 問 で き な い こ とを 予 測し て介 護 者が 対処 で きる よう に【 療 養者 や 介護 者の セ ルフ ケア 能 力の 向上 】に 取 り組 ん でい たこ と は,震災 関 連死 の低 減 に繋 がる 対 策で ある と 考え る. 震 災 前 の 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 災 害 対 策は,医 療依 存 度の 高 い療 養 者の セル フ ケア 能力 の 向上 を策 定 して いた .しか し ,東日 本 大震 災 では,停 電な ど のラ イ フラ イン の 復旧 が長 期 に遅 れ,医療 機 器や 資 材が 不足 し ても 入手 の 見通 しが 立 たな い実 態 があ った .医 療 依存 度 の高 い療 養 者 は 優先 さ れる が,医療 依 存 度 の 低 い 療 養 者 へ の 対 策 も 必 要 が あ る こ とか ら ,現 在 は,医 療依 存度 の 程度 では な く , 停 電 の 対 策 を 療 養 者 全 員 に 指 導 で き る こ と が望 ま しい と研 究 協力 者は 考 えて いた . また ,災発 直 後の 状 況 によ り ,訪 問 看護 師 が 療 養 者 の 自 宅 を 訪 問 で き な い こ と が 予 測 され る.その た め,震 災前 は,介護 者 の介 護 負 担 を 軽 減 す る た め に 訪 問 看 護 師 の 訪 問 時 には ,家族 に 休憩 し て 頂く 時 間と して「 レ ス パイ ト ケア」を 行っ て いた .し かし ,震 災後 は,療 養 者の 疾 患か ら 予測 さ れる 症状 の 対処 法 や 看 護 技 術 な ど の < 療 養 者 や 介 護 者 の セ ルフ ケ ア能 力の(を)強化>する関わりに変化 して い た. 災 害 時 の セ ル フ ケ ア 能 力 に つ い て , 加 藤 (2017)は,障害のある子どもたちに対して, 「子 ど もは 守る 存 在 」と認 識 して いた が ,震 災後 に は,「災 害 発生 時 には ,子ど も がで きる こと が ある ため ,子 ど も自 身 がセ ルフ ケ ア能 力を 高 める こと ,子 ど もの セ ルフ ケア 能 力を わか っ た上 で関 わ るこ とが 重 要」で あ ると 変 化し た こと を述 べ てい る .こ のこ と は ,障 害 のあ る 子ど もた ち のみ でな く,要配 慮 者に 含 ま れ る 療 養 者 す べ て に 適 用 で き る と 考 え ら れる.い つ発 生 する か わか ら ない 災害 に 備え て,療 養 者お よ び介 護 者自 身 の能 力を 高 める こと が 重要 であ る .訪 問看 護 師は ,療養 者 の 疾病 や 障害 ,特性 ,被 災後 の 環境 など か らア セス メ ント し,個人 の セル フ ケア 能力 を 把握 し た 上 で 日 々 の ケ ア を 行 う こ と が 震 災 関 連 死の 低 減に 繋が る と考 える . 震災 関 連死 につ い ては ,上田(2017)よると, 震災 関 連死 の高 リ スク 者は,避 難所 よ り車 中 や在 宅 避難 を選 択 する「 自宅 の要 配 慮者 」で ある .在宅 で 生活 す る 療養 者 自身 が ,肺 塞 栓 予防 を 行う セル フ ケア 能力 を 高め,訪 問看 護 師は ,高リ ス クの 療 養 者の 早 期に 把握 し ,予 防す る こと や発 生 した 場合 に は,早 期 に発 見 し て 医 療 へ つ な げ る こ と が 震 災 関 連 死 の 低 減す る 対策 にな る と考 える . 3. 生 活 の 場 に よ る 療 養 者 お よ び 介 護 者 の 意 思決 定 によ る災 害 時の 看取 り の支 援 東 日 本 大 震 災 の よ う な 大 規 模 災 害 が 発 生 する と「最 後 まで 自 宅 で過 ご した い 」と 希 望 され て も,避 難 所や 仮 設住 宅 での 終末 期 の療 養や 在 宅看 取り は 難し く ,病 院 や施 設 で最 期 を迎 え てい る現 状 が あ った .作 山(2012)によ ると,災 害発 生 時に は 療養 者 が一 時的 に 医療 機関 に 入院 する こ とが 多い 中 ,東日 本 大震 災 の 1 ヶ 月 後 に 医 療 依 存 度 が 高 い 独 居 高 齢 者 が,尊 厳 ある 人 生を 希 望す る 場所 で完 結 して いた と 報告 して い る .この よ うに ,災害 時 に も 療 養 者 や 介 護 者 の 意 思 に よ る 療 養 の 場 が 選べ る こと が望 ま しい が ,在 宅 では 療 養環 境 が 整 わ な い と 療 養 生 活 の 継 続 が 難 し い 現 状 があ る こと が明 ら かに なっ た . 慢 性 期に 入り ,療 養 者は 避 難所 から 仮 設住 宅へ 移 転し てい た .こ の時 期 は,災 害急 性 期 を乗 り きっ た 高 齢者 が 弱る 時 期で あ る(上田, 2017).療養者の希望があれば,応急仮設住 宅 で の < 看 取 り へ の 意 思 決 定 支 援 > を 行 い , 終 末 期 を 病 院 ま た は 施 設 に 入 所 で き る よ う に調 整 を行 って い た .これ は 介護 者か ら 自宅 (仮設住宅)で療養者の最期を看取りたいとい う 希 望 が あ っ て も 仮 設 住 宅 の 構 造 や 家 族 の 介 護 力 を 考 え る と 在 宅 で の 看 取 り は 難 し く なる 要 因と なっ て いた .そこ で 訪問 看 護師 は, 療 養 者 の 生 活 環 境 や 介 護 力 を 踏 ま え ,【 療 養 者や 介 護者 へセ ル フケ ア力 の 向上】を 行う こ とで,療 養者 や 介護 者 の意 思 に沿 った 看 取り 長期避難を余儀なくされる療養者への看護支援者モデルの構築

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者の ニ ーズ(需要側)に対して訪問看護師の活 動(供給側)が,臨機応変に対応していた. 在 宅 看取 りに つ いて は ,近 年 の在 宅 医療 の 取り 組 みと して 医 療ニ ーズ が 高い 方が ,終 末 期 を 住 み 慣 れ た 場 所 で 療 養 生 活 が 送 る こ と が で き る よ う 地 域 包 括 シ ス テ ム に て 推 進 さ れて き てい るが ,災 害 時に 地 域包 括シ ス テム がど の よう に活 用 され るか ま では ,具 体的 な 取 り 決 め が な い こ と か ら 今 後 の 課 題 で あ る と考 え る. 4. 訪 問 看 護 師 の 災 害 サ イ ク ル を 貫 く 継 続 的 な行 動 訪 問 看 護 師 が < 療 養 者 の 安 心 に つ な が る 行 動 > や < 療 養 者 や 介 護 者 の 思 い に 寄 り 添 う> 行 動は,被 災者 の ここ ろ のケ ア と も 考え られ る.いつ も の信 頼 のあ る 看護 師に よ る訪 問は ,療養 者 にと っ て 心強 い 行動 であ り ,安 心 に 繋 が る . し か し , 甚 大 な 被 災 地 域 で は , いつ も と同 じよ う に訪 問す る こと は ,不可 能 なこ と もあ るが ,被 災 の少 な い地 域に は ,有 効な 活 動で ある と 考え る . 災害 発 生時 は,平時 の ケア の 延長 線上 に あ り,専 門 職の サ ービ ス の質 の 担保 が必 要 であ る .往 診医 や ケア マ ネ ,サー ビス 担 当者 と の < 地 域 と の 連 携 体 制 > は 災 害 時 に は さ ら に 重要 と なる.平 時か ら サー ビ ス担 当者 会 議な どに て 情報 共有 や 連携 を推 進 して,避 難誘 導, 避 難 先 や 避 難 所 で の 生 活 な ど を 想 定 し て 対 策を 立 てて おく こ とが ,早期 の【訪 問 看護 ス テー シ ョン の被 災 から 復興】に なる こ とや 療 養者 の 病状 を悪 化 させ ず ,震 災 関連 死 の低 減 に繋 が ると 考え る . 5. 訪 問 看 護 師 の 災 害 時 の 時 間 軸 に よ る 心 理 変化 災害 急 性期 から 亜 急性 期に は ,訪問 看 護師 と 療 養 者 が お 互 い に 助 け あ い 乗 り こ え て き た 思 い は ,【 療 養 者 と 共 有 し た 訪 問 看 護 師 の 心理 】は ,災 害 サイ ク ルの 時 間軸 によ り 変化 し て い た . 慢性期から復興期に発生してい た み ん な で 乗 り 越 え て い こ う と い う 療 養 者 や介 護 者と の< 共 通し た思 い >は,あ る意 味 では 戦 友の よう な 信頼 関係 を 築い てい た .一 方,千葉(2017)によると被災した人としなか った 人 の“温 度 差”が あり ,被 災し な かっ た 人た ち は,被 災 状況 を 説明 し ても 理解 で きな 養 者 や 被 災 し な か っ た 療 養 者 が 対 象 と な る ため,両 者の 思 いに 寄 り添 う こと が求 め られ る. 研究 協 力者 の現 在 の思 いは ,震 災を 振 り返 る時 期 とな り,災害 の ショ ッ クを 乗り 越 えて きた こ とか ら,年々 冷 静に な って いる こ とや 災害 も 絶対 無駄 で はな いこ と ,災害 を 忘れ て ほし く ない とい う 思い があ っ た .坂 口(2013) によ る と,い つ 来る か も知 れ ない 災害 へ の備 えを 十 全に する こ とが 望ま れ る .し か しな が ら ,被 害に 関 する 限 り ,人間 は体 験 に学 ば な いと 述 べて いる こ とか ら,今 回 のよ う な大 規 模災 害 の教 訓を 語 り継 ぎ ,平 時 に活 か して い くこ と が被 災者 へ の追 悼の 思 いで あり ,い つ, 発 生 す る か わ か ら な い 災 害 時 の 教 訓 を 継 続 す る こ と が 災 害 を 乗 り き っ た 人 々 の 思 い に 添え る ので はな い か と 考え る . 6.災 害 時の 看護 支 援者 モデ ル の構 築 と 展 望 本研 究 では,東 日本 大 震災 を 経験 した 訪 問 看 護 ス テ ー シ ョ ン の 管 理 者 で あ る 訪 問 看 護 師 4 人を対象として,被災から 5 年間の災害 サ イ ク ル 別 に 半 構 造 化 面 接 を 通 し て 得 ら れ たデ ー タを M-GTA を用いて分析した.災害 時 の 看 護 支 援 者 モ デ ル は ,【 災 害 の 教 訓 を 活 かし た 訪問 看護 師 の危 機回 避 の取 り決 め】や, 【 震 災 関 連 死 の 低 減 に 繋 が る 療 養 者 お よ び 介護 者 のセ ルフ ケ ア能 力の 向 上】,【 生 活の 場 に よ る 療 養 者 お よ び 介 護 者 の 意 思 決 定 に よ る災 害 時の 看取 り の支 援】,【訪問看護師の災 害サ イ クル を貫 く 継続 的な 行 動】,【 訪 問看 護 師の 災 害時 の心 理 変化 】か ら 構成 され た . 特 に ,【 災 害 の 教 訓 を 活 か し た 訪 問 看 護 師 の危 機 回避 の取 り 決め 】を行 うこ と ,具体 的 に は 契 約 書 や お 願 い 文 に よ り , 災 害 時 に は , 訪 問 が で き な い こ と が あ る こ と や 避 難 す る こと の 同意 を得 て おく こと で,災害 時 に生 命 の危 機 を事 前に 回 避で きる こ とに 繋が り,倫 理 的 問 題 や 社 会 的 葛 藤 が あ る 中 で も 自 身 の 身 を 守 る 行 動 が 遂 行 で き る と 考 え る . ま た , 平 時 か ら 震 災 関 連 死 の 低 減 に 繋 が る 療 養 者 お よ び 介 護 者 の セ ル フ ケ ア 能 力 の 向 上 す る こと に より,ケ アの 自 立が で きる と予 測 され る. これ ら のこ とか ら,療 養者 お よび 介護 者 の ニー ズ(需 要側 )と訪 問 看護 師 のニ ーズ:活動 (供 給側 )との 間 に相 互 作用 が あり ,体験 から

参照

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