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養護教諭養成課程の学生を対象にした『医療的ケア』の認識度及び専門性の検討

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Academic year: 2021

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(1)Title. 養護教諭養成課程の学生を対象にした『医療的ケア』の認識度及び専門 性の検討. Author(s). 福田, 道代; 山田, 玲子; 西川, 武志; 岡安, 多香子. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 57(2): 269-280. Issue Date. 2007-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/454. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第57巻 第2号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.57,No.2. 平成19年2月 February,2007. 養護教諭養成課程の学生を対象にした『医療的ケア』の認識度及び専門性の検討 福田 道代・山田 玲子・西川 武志・岡安多香子 北海道教育大学札幌枚養護教育研究室. ReviewingtheLevelofConsciousnessinMedicalCareand theSpecialtyofStudentsinSchooINursingTeacherCourses FUKUDAMichiyo,YAMADAReiko,NISHIKAWATakeshi,. and OKAYASU Takako DepartmentofClinicalScienceandNursing,SapporoCampus,HokkaidoUniversityofEducation. ABSTRACT. Inthisstudyconcerningthe“medicalcare’’whichmaybeprovidedbynursingteachers(Yogo teachers)intheschoolenvironment,WeeXtraCtedamedicalcareclustercomprising24itemsbystudy− ingpreviouslyavailableliterature.Usingaquestionnairemethod,WeCOnductedanattitudesurveytoin−. VeStigatethewaystudentsinnursingteachercoursesrecognizesuchmedicalcares.. Theanalysiswasperformedinrelationto“generalmedicalcareprovidedbymothersattimewhen theirchildrenaresick,’’havingdifferentiated“comparativelysimplemedicalcareservices’’from“compar−. ativelyadvancedmedicalcareservices.’’Next,Weanalyzedstudents’recognitionfromtheviewpointof “thecarewhichcanbeconductedbynursingteachers’’whenthelegalenvironmentfor“medicalcare hasbeenestablishedandethicalproblems,etC.havebeensoIved.Weexpectthatthestudyandexpan−. Sionofthedutylimitsofnursingteacherswillbeadvancedbydifferentiating“comparativelysimple medicalcareservices,’’andthatthisstudywi11contributetodatarelatingtothereviewof“medicalcare.. キーワード:養護教諭,比較的簡易な医療的ケア,介護福祉士. Keywords:Nursingteachers(Yogoteachers),Comparativelysimplemedicalservices,Certifiedcare workers. Ⅰ はじめに 養護学校在学者数は1979年の養護学校義務化の. 後,現在も漸増を続けている1).また近年の急速 な医学の進歩に伴って生命維持の技術が進み日常 的に医療的ケアを必要とする子どもが増加してい. 269.

(3) 福田 道代・山田 玲子・西川 武志・岡安多香子. る中で2),今後一般の小中学校においても日常生. 調査対象群とした.また,A福祉系大学「介護福. 活上で医療的生活援助を必要とする児童・生徒が. 祉学科」3∼4年生152人を対照群(K群)とした.. 増えてくることが推測される3). 『医療的ケア』という語は,学校保健において. 行政用語として概念化されており4∼8),具体的. Y群は卒業時資格として,養護教諭1種免許と 小学校教諭2種免許を取得し,K群は卒業時資格 として介護福祉士資格を取得する.. には疾の吸引,自己導尿介助,経菅栄養の管理ケ. アを指しているが,基本は医療行為という認識で ある.本論文では,日常生活上何らかの『医療的. 2.調査方法. Y群の調査ではYI群の調査を4年生の5月に. ケア』の支援を必要とする児童・生徒に対して,. 実施し,YⅢ群の調査を卒業直前の2月に実施し. 教育・福祉・医療のトータルケア・サポートの視. ており,9ケ月の時間差があった.Y群の調査は. 点から,少しでも良い教育的環境を整える可能性. 質問紙調査法を用いた集合調査とし,調査時間は. について模索し検討を試みた.子どもたちの学校. 約30分で回収率は100%であった.. 生括支援に必要とされている『医療的ケア』には,. K群は質問紙を集合場面で配布した後,2週間. どのようなものがあるのかについて先行文献調査. の留め置き調査とし,回収率は46.1%で有効回答. を行い,それらのケア内容について養護教諭養成. 者70人であった.調査期間は2004年2月5日から. 課程の学生がどのように認識しているのかの調査. 2004年5月7日までの93日間であった.. を行った.また教育背景は異なるが,非医療職と. 調査にあたっての倫理的配慮としては,回答学. して『医療的ケア』に関わることが多い介護福祉. 生が特定されないように無記名の任意調査とし,. 学科の学生に対しても同様の調査を実施し,同世. Y群では調査者が,記載中は教室を退出する配慮. 代の学生の認識に共通性がないか比較分析を試み. を行った.K群では回収箱を1週間設置すること. た.. で任意性を高めるよう配慮した.. 養護教諭や介護福祉士はパラ・メディカルな職 業であるが,『医療的ケア』との関わりが深い職. 3.データ処理・解析. 種である.それらの仕事に就くことが期待され,. SPSSを用いて「X2検定」を実施した.Y群. リーダーシップをとることが期待される学生たち. 学生がケアの技術の難易性について,どのように. の認識度を調査することは,『医療的ケア』を必. 認識をしているかに着眼し,K群学生の認識(対. 要としている病気の子どもたちのケアや教育環境. 照群)について比較検討し,p<0.05を有意水準. を整えることに対する社会的ニーズを計る上での. とした.. 参考となり,「一つの指標」となると考え調査対 照群に定めた.. 4.調査内容. 先行研究,谷口敏代等4)による「医療行為19項 Ⅰ 研究の対象と方法 1.調査対象群の属性 臨床実習及び養護実習(小学校)を終えている. 目」を基本に,佐藤ゆかり等5)による「医療的行 為の類型化」を参考にして「比較的高度な医療的 ケア」と「比較的簡易な医療的ケア」,18項目を. 抽出した6).更に福祉系A大学の訪問介護実習経. が,教育実習(中学校)は未修であるH大学「養. 験項目7)から在宅現場でヘルパーにより行なわれ. 護教諭養成課程」4年生21人をYI群とし,臨床. ていたケア6項目を追加し24項目を調査対象項目. 実習,養護実習,教育実習(中学校)の全てを修. とした.表1に示す24項目の医療的ケアに関する. 了したH大学「養護教諭養成課程」4年生23人を. 意識調査を行い,養護教諭養成課程の学生がどの. YⅢ群とし,YI群とYⅢ群を併せたY群44人を. 様に考えているかを分析し,比較的高度な医療的. 270.

(4) 養護教諭養成課程の学生を対象にした『医療的ケア』の認識度及び専門性の検討. ケア」と「比較的簡易な医療的ケア」の識別を試 みた.. 3.Y群の認識度からみた『医療的ケア』の分類 Y群の70%以上の学生から,「比較的簡易な医. 質問紙調査票の質問項目は,次の9項目である.. 療的ケアだと感じている」と回答があったケア群. ①医療的ケアの語義の周知度 ②24項目の医療的. を【Ⅰ群】とし,Y群の70%以上の学生から「比. ケアの中で養護学校や特殊学級で養護教諭が実施. 較的高度な医療的ケアだと感じている」と回答が. してもよいと思うケアの選択 ③比較的高度な医. あったケア群を【Ⅲ群】とした(表1).また,. 療的ケアと比較的簡易な医療的ケアの識別傾向. Ⅰ群とⅢ群の中間に位置し,Y群学生が簡易と高. ④養護教諭として今後,研修が必要だと思うケア. 度の判断に迷いがあると思われるケア群をⅢ群と. 項目 ⑤子どもや家族から医療的ケアの実施を依. した.Ⅲ群では,「比較的高度であると思うか」. 頼された場合の対応についての考え方 ⑥母親が. の設問には,酸素吸入の29.5%を除き,40%∼70%. 病気の子どもの世話という範噂で,日常的に行っ. 未満の回答が得られた.. てきた一般的医療的ケアについての認識 ⑦学校 における医療的ケアのニーズがより高まった場合 に,学校に対する看護師派遣を望むか否か ⑧基 本情報(年齢・資格等) ⑨医療的ケアについて 日頃感じている事を自由記述. K群に対する質問項目は,上記Y群と共通する. 4.【Ⅰ群】の分析 (1)比較的簡易な医療的ケアの認識. Ⅰ群の回答について分布を見てみた.Y群では, 【爪きり,湿布の貼付】が簡易だとするものは, 93.2%∼95.5%であり【創傷のガーゼ交換,バイ. 3設問①②③を行い,④⑤⑥⑨については,「介. タルサインチェック,軟膏塗布】が簡易だとする. 護福祉士としてどう考えるか」という条件付けの. ものが,84.1%∼88.6%,【マッサージ,体位変換,. 下に同じ内容を質問したので,これらの設問につ. 耳掃除】が簡易だとするものが77.3%∼79.5%で. いてのY群とK群との比較検討は行わず,参考に. あった.. とどめた.. K群では,【爪切り,湿布の貼付】では,91.4% ∼94.3%のものが簡易だと回答していた.【創傷 のガーゼ交換,バイタルサインチェック,軟膏塗. Ⅱ 結 果 1.調査対象群に対する基本情報. 調査対象としたY群の学生44人は養護教諭養成. 布】では,71.4%∼88.6%のものが簡易だとして おり,Y群の傾向とほぼ同様であった.【マッサー ジ,体位変換,耳掃除】については銅.0%∼95.7%. 課程の4年生であり,全員女子学生で平均年齢は. となっており,Y群に比較して,これらのケア項. 21.7歳であった.比較対照群であるK群の学生70. 目が簡易だと認識してい. 人は,介護福祉学科の4年生であり,6人(8.6%). 位変換】が「比較的簡易なケアである」と回答し. が男子学生であった.平均年齢は22.1歳であった.. たものがK群で有意に多く,Y群学生はK群学生. るものが多かった.【体. より「簡易である」との認識が低いことがわかっ 2.医療的ケアの周知度. 医療的ケアの語義を知っていたY群の学生が37 人であり84.1%であったのに対し,K群では知っ. た.(ズ2検定 p<0.01) (2)比較的高度な医療的ケアの認識. Ⅰ群の8項目【湿布の貼付,爪切り,軟膏塗布,. ていた学生が48人であり68.6%であった.Y群−. バイタルサインチェック,創傷のガーゼ交換,体. K群間の『医療的ケア』の認識度には有意な差が. 位変換,耳掃除,マッサージ】の全てで,Y群と. 認められ,Y群の方がK群と比較し『医療的ケア』. K群の分布傾向が一致しており,Y群で4.5%∼. に対する周知度が高かった.(p<0.05 ズ2検定).. 18.2%,K群で4.3%∼22.9%であった.8項目. のうち【体位変換】ではY群とK群の認識に有意. 271.

(5) 福田 道代・山田 玲子・西川 武志・岡安多香子 表1 医療的ケアの難易性に対する養護教諭養成課程の学生(Y群)と対照群介護福祉学科の学生(K群)との認識差. Y群 N=44 ケ ア 項 目 湿布の貼付. 実数 42. K群 N=70. Y群 N=44. K群 N=70. % 実数 % 実数 % 実数 % 95.5 66 94.3 2 4.5. Y群 N=44. 実数 3 4.3. 44. 34 77.3 56 80.0 8 18.2 12 17.1 25** 56.8 5 7.1 13** 29.5 61 87.1. 33 8. 爪切り 軟膏塗布 Ⅰ. 群. バイタルサインチェック. 創傷ガーゼ交換 体位変換 耳掃除 マッサージ. 酸素吸入 点眼 与薬. リハビリテーション介助 Ⅱ. 吸入 群 自己導尿介助 摘便. 6** 13.6 29 41.4 30 68.2 6 13.6 9 12.9 31 70.5. 妾完腸 心電図測定 Ⅲ. 群. 37 52.9 1 57 81.4 2. 口腔内吸引 疾の気管内吸引 人工月工門の管理ケア 点滴抜針. 導尿カテーテル管理ケア. 3. 6.8. 10. 14.3. 34. 77.3. 56. 80.0. 5. ズ2検定:Y群vsK群 *p<0.05 締p<0.01. Ⅰ群 Y群の70%以上の学生が簡易だと感じている Ⅱ群 Y群学生が簡易と高度の判断に迷いを感じている Ⅲ群 Y群の70%以上の学生が高度だと感じている. 差が見られ,Y群では【体位変換】が比較的高度. た【浣腸,摘便,自己導尿介助,経管栄養の管理. なケアであると回答したものが,K群に比較して. ケア】の4項目で,「比較的簡易である」と回答. 有意に多かった(ズ2検定,p<0.05).. したものは,13.6%∼18.2%であった. K群では【与薬,点眼】の2項目で簡易だと認. 5.【Ⅰ群】の分析 (1)比較的簡易な医療的ケアの認識. 識していた者が80.0%∼95.7%であり,Y群に較 べてK群で有意に多かった(ズ2検定:p<0.01).. Y群のⅢ群のケア項目では【リハビリテーショ. しかし【酸素吸入】でのK群回答は7.1%である. ン介助,与薬,点眼,酸素吸入】の4項目で,比. のに対しY群では56.8%となっており,Y群学生. 較的簡易だと考えている学生が40.9%∼56.8%お. の認識としては,K群学生より比較的簡易だと認. り,ほぼ半数近くを占めていた.【吸入,インス. 識されていることが分かった(ズ2検定:p<. リン注射介助】の2項目が「比較的簡易である」. 0.01).. と回答したものは,31.8%∼40.9%であった.ま. 272. 【リハビリテーション介助】では,K群の61.4%.

(6) 養護教諭養成課程の学生を対象にした『医療的ケア』の認識度及び専門性の検討. が簡易だと感じていたのに対し,Y群では40.9%. 吸引,人工肛門管理ケア,点滴抜針,導尿カテー. に止まり,K群の学生に簡易であるという認識が. テル管理ケア】の6項目において,Y群が70.5%. 有意に高かった(ズ2検定:p<0.05).反対に【イ. ∼77.3%,K群が72.9%∼87.1%という学生から. ンスリン注射介助】では,簡易だと感じている回. 比較的高度だという回答が得られた.K群におけ. 答がY群で31.8%,K群で10.0%という回答が得. る高度の認識がやや高めではあったが,両群には. られており,Y群ではK群より簡易であると思っ. 同様の傾向が認められ,両群認識に有意な差は見. ているものが有意に多かった(ズ2検定:p<. られなかったた(ズ2検定:p<0.05).. 0.01).【自己導尿介助,経管栄養の管理ケア,吸. 入】に対する認識についてはY群で15.9%∼ 25.0%,K群で15.7%∼18.7%であり有意な差は 見られなかった.【摘便,浣腸】の2項目につい. 7.Y群における『比較的簡易な医療的ケア』と 『養護教諭が実施する可能性』に関する認識. Ⅰ群の全8項目【マッサージ,耳掃除,体位変. ては,簡易だと回答したものがY群では13.6%で. 換,創傷ガーゼ交換,バイタルサインチェック,. あるのに対しK群では35.7%∼41.4%であり,Y. 軟膏塗布,爪切り,湿布の塗布】では,簡易であ. 群学生に較べてK群学生のほうが簡易だと考えて. る認識が77.3%∼95.5%であるのに対し,将来的. いることが分かった.(ズ2検定:p<0.01).. に環境が整ったときに養護教諭が行ってもよいと. Ⅲ群では,Y群とK群との認識差が多く現れて. 思うか否かの考え方について70.5%∼100%の学. いるが,これらのケア群に対する個々の学生の認. 生が「行ってもよいのではないか」と回答してい. 識の迷いが反映された結果とも考えられる.. た(表1C).特に【爪切り,湿布の塗布】の2. (2)比較的高度な医療的ケアの認識. 項目では100%の学生が「行ってもよいのではな. Ⅲ群のうちY群では,【酸素吸入】を除いて. いか」と回答しており,【創傷ガーゼ交換,バイ. 43.2%∼68.2%となっており,比較的高度である. タルサインチェック,軟膏塗布】の3項目でも,. かとの設問に対し,中間領域の割合が解答に現れ. 93.2%∼95.5%の学生が「行ってもよいのではな. ており,「判断のし難さ」があったと考えられる.. いか」と回答していた.. Y群での【酸素吸入】についての比較的高度で. あるとの回答は29.5%であったが,K群では. 8.今後,研修が必要だと感じているケア項目に. 87.1%との回答であった.また同様に【インスリ. ついての認識. ン注射介助】についても,Y群で54.5%,K群で. Y群では【インスリン介助,酸素吸入,気管内. 84.3%の回答があり,Y群学生がK群学生と較べ. 吸引】への関心を持つ学生が40.9%∼47.7%であ. て「高度だとの認識が低くいことが分かった(酸. り,また【導尿カテーテル管理介助,吸入,経管. 素吸入,インスリン注射介助 ズ2検定 p<. 栄養管理ケア,自己導尿介助,リハビリ介助】の. 0.01).Y群の【点眼,与薬】の2項目では,43.2%. 5項目を挙げている学生が,22.7%∼29.5%で. ∼45.5%であったが,K群では2.9%∼15.7%で. あった(表2).【疾の気管内吸引】は「比較的高. あり,この2項目が高度であるとの認識がY群に. 度な医療的ケア」だと認識している学生が47.7%. 多かった(ズ2検定 p<0.01).他の6項目では. で,研修意欲の第1位であり,「現状では養護教. Y群とK群の認識に有意差がなく,Y群で47.1%. 諭が行なうべきではない」としながらも,研修の. ∼68.2%,K群では35.7%∼78.6%の学生が,比. 必要性を感じているケア項目が存在することが分. 較的高度だと回答していた.. かった.K群では【経管栄養の管理ケア】で45.7% の学生が,研修していく必要があると回答してい. 6.【Ⅱ群】の分析 Ⅲ群の【心電図測定,口腔内吸引,疾の気管内. たが,Y群と比較して研修意欲を感じている学生 は少なかった.. 273.

(7) 福田 道代・山田 玲子・西川 武志・岡安多香子. 表2 今後研修の必要があると感じている医療的ケ. 就労見込みの現場も異なる.しかし必要とされて. ア(複数回答可). いる医療的ケアがあるのであれば,「緊急性の高 い場合である」または「一般的なケアである」と. ケ ア 項 目. いう状況下で,行えるケアがあってもよいのでは. 実数 % 実数. 21 47.7 7. 疾の気管内吸引. ないかと考えている学生が多いようであった.. 酸素吸入 インスリン注射介助. 10.母親が病気の子どもの世話として実施してき. リハビリテーション介助. た一般的医療的ケアの認識. 自己導尿介助 経管栄養の管理ケア. Y群学生に,「母親が病気の子どもの世話とし. 吸入. て実施してきた一般的医療的ケアを日常生活の一. 導尿カテーテル管理ケア 10 22.7 2. 環として行うこと」について訊いたところ,【湿. 4 9.1 3. 摘便 点眼. 布の貼付,点眼,軟膏塗布,体位変換,バイタル. バイタルサインチェック. サインチェック】の5項目を95.5%∼97.5%の学. 董完腸 マッサージ 爪切り 耳掃除 0 .0 ロ. 生が支持していた(図2). ■Y群賛成(%) □K群賛成(%). 湿布の貼付 点 眼 軟膏塗布 体位変換 バイタルサインチェック 爪きり マッサー・ジ リハビリテーション介助 与 薬. 9.医療的ケアの依頼を受けた際の対応に関する 認識. 「日常的に医療的ケアを必要とする子どもや家. 0.0%. 族から医療的ケアを依頼された時の対応につい て」の設問で,「上司の指示に従う」と回答した 学生が,Y群では43.2%であったが,K群では 20.5%であった.. 20.0%. 40.0%. 60.0%. 80.0%. 図2 母親が病気の子どもの世話の範暗で行ってき た一般的医療的ケアを日常生活の一環として行 なうことについてどう思うか(Y群 N=44 K群 N=70). 「緊急性の高いときのみ援助する」と回答した. 者は,Y群で20.4%であったが,K群では60.0%. この5項目のうち,体位変換を除く4項目の【湿. を占めていた.「一般的なケアのみ行う」と回答. 布の貼付,点眼,軟膏塗布,バイタルサインチェッ. した学生はY群で14.3%であり,K群では18.2%. ク】で,93.5%∼100%の学生が,「養護教諭が行. であった.一方で「医療行為なので,一切行わな. なってもよいと思う」と回答していた(表1).. い」と回答した学生は,Y群で1.4%,K群で2.3%. しかし,体位変換については79.5%の支持に止. であった.. まった.【点眼】は,95.5%の学生が「母親が病. 気の子どもの世話として実施してきた医療的ケ. Y群とK群では教育環境や取得見込みの資格,. ア」だと捉えており,93.2%の学生が,「養護教. 調査対緋. 口上司の助言に従う ■弊急性の耳い ■のみ†子なう のみ行なう ■その他. ,。. ■一l更的なケア. 。. 一切行なわない. ■匡■憮l行為なので. 0.01. 20,Ot. 40,Ot. 60,(鵬. 80,Ot. 図1 日常的に医療的ケアを必要とする子どもや家 族から医療的ケアを依頼されたときの対応. l【札Ot. 諭が行なってもよいと思うケア」に識別していた が,「比較的簡易な医療的ケア」としての認識は 54.5%に止まり,「母親が病気の子供の世話とし て実施してきた一般的医療的ケア」と「比較的簡. 易な医療的ケア」の認識が一致しないものも見ら れた(図2,表1).. 274. 100.0%.

(8) 養護教諭養成課程の学生を対象にした『医療的ケア』の認識度及び専門性の検討. 【YI群−YⅢ群】では看護師派遣に関する認識. 11.学校への看護師派遣について,学生がどのよ. に有意な差(p<0.05 ズ2検定)が見られた.. うに考えているか. 学校に 「看護師が派遣された場合,養護教諭の. 調査対象群 ロ署僧蘭の派遣を希望する. Y群(%) N=44. 職務で何が最も重要だと考えるか」という設問を し,自由記載してもらった(表3).有効回答は25. ■看護師の派遣を希望しない。. 書Y】群(%) N=21. 件であったが,複数回答者が3人いたため回答者. ロわからない。. は22人であり,回答率は50%であった.また記述. YⅡ群(%) N=23. 0%. 20%. 40%. 60%. 8【)%. 式を採ったため,学生の表現を筆者が判読したも. 100%. のであり,回答数を母数として分析した.. ㌔検定 *P<0.05 YI群vsYⅡ群 図3 学校現場で医療的ニーズが高まった場合に,. Y群全体では【健康相談活動(心のケア)・ヘ. 看護師の派遣を希望するか(Y群 N=44 Y I群=21YⅡ群=23). ルスカウンセリング】が養護教諭の職務の中で, より重要であると回答した学生が40%,健康教育,. Y群に対し「将来,学校現場で医療的ケアのニー. 保健指導と回答した学生が,それぞれ20%,24%.. ズが高まった時,学校に看護師派遣を希望するか. であった.A群を【健康相談活動(心のケア). 否か」という設問を行った.Y群全体では,「希. ヘルスカウンセリングと健康教育・指導領域を合. 望する」という回答が47.7%,「希望しない」と. わせたもの】とすると,回答数の84%を占めてい. いう回答が6.8%,「わからない」という回答が. た.. 45.5%であった(図3).しかし調査対象群別に. また相談業務以外の業務をB群としたとき情報. みると異なる傾向がみられ,YI群では76.2%の. 交換・連携が8%,救急処置,記録・統計等の情. 学生が看護師の派遣を希望しており,「わからな. 報管理が8%,救急処置と回答したのは,0%で. い」と回答しているのは23.8%,また「希望しな. あった.看護師が学校に派遣された場合,B群【情. い」との回答は0%であった.それに対してYⅢ. 報管理・連携領域】が養護教諭にとってより重要. 群では,看護師派遣を希望する者が21.8%に止ま. だと感じていた学生は16%であった.. YI群とYⅢ群の傾向を比較すると,YI群で. り,「希望しない」と回答した学生も13.0%いた. 「わからない」と回答した学生が65.2%と多くなっ. は100%の学生がA群をより重要だと思っていた. ており,養護教諭養成課程の4年生であっても,. が,YⅢ群では,A群を支持する学生が75%でB. 表3 学校に看護師が派遣された仮定での養護教諭の職務の中で何が最も重要だと考えるか に関するYI群とYⅡ群の認識差(複数回答) 養護教諭の役割 職 務 内 容. (Y群 N=44). YI群. YⅡ群. (N=21). 回答数 % 回答数 %. (N=23). 回答数. 健康相談活動(心のケア) ・健【 指康A 教群. 導育】 小. 計. 情報交換・連携. 5 6 21 2. 20.0 3 33.3 2 24.0 2 22.2 4 84.0 9* 100.0 12 8.0 0 0.0 2. ・情【 連報B 管群. 携理. 】. 小. 計 計. 0 4 25. 0.0 0 16.0 0* 100.0. 9. 0.0 0 0.0 4 100.0. 16. ズ2検定 *p<0.05 vs YⅡ群. 275.

(9) 福田 道代・山田 玲子・西川 武志・岡安多香子. 群を支持する学生も25%という回答結果があり,. では,医師法や保健師助産師看護師法や社会福祉. YI群とYⅢ群の考え方には有意な差が認められ. 士及び介護福祉士法等の根拠法が,どのように. た.YI群では,A群【健康教育・指導領域】に. 謳っているかについて考え法を遵守する姿勢は不. 重要性(専門性)を感じ,YⅢ群はA群【健康教. 可欠である.その上で,日常生活援助の一環とし. 育・指導領域】の重要性を感じながらも,B群【情. ての『医療的ケア』を新たな概念の『医療的ケア』. 報管理・連携領域】の業務の重要性も感じている. として提案できるのではないかと考えた.. ことが分かった.. 同じ専門分野の学生群を対象とした認識比較 や,学年を経ての同一学生群の認識についての縦. 12.学校生活で「医療的ケア」について考えてい. 断的認識調査を行うことができれば,教育的な効. る事. 果についても言及できたと考える.この点は今後. Y群学生が日常の講義や実習経験などの学びか. の課題とし,本研究の根拠を『医療的ケア』につ. ら『医療的ケア』に関してどのように考えている. いて基本的な知識を有する大学生群の認識度の比. かを自由記述してもらった.回答率は93.2%で有. 較というところにおいて調査結果を分析した.. 効回答者は41人であった.法的整備を訴える者や (20.2%)学校内で起きたことには,できるだけ. 1.医療的ケアの周知度について. 援助していきたい(12.8%)養護教諭が行なえる. Y群・K群間で,『医療的ケア』の認識に有意. 医療的ケアの範囲の明確化を望む学生(11.7%). 差があった背景要因について考察した.Y群の認. など様々な意見があり,少数意見も加えると何ら. 識が高かった理由として、第一に,大学での授業. かの条件下で積極的に取り組みたいという意見が. 展開を通して教育と医療の視点の違いを十分に学. 回答者の72.3%を占めていた.. んでいたこと,第二に,平成10年から文部科学省・. 自由記述の中で,責任の問題や法や制度の問題. 厚生労働省の委嘱を受けた実践研究が進められて. を含め,今後についての「不安」を訴える意見が. きており,『医療的ケア』を巡って,養護学校へ. 84%に上っていた(自由記述,複数回答).. の看護師派遣が話題となっていること,第三に, 「特別支援学校」に関連する制度の改革に関連し. Ⅳ 考 察 本研究では,Y群を調査対象群とし,医療的ケ. て養護教諭の複数配置の問題が,学生等にとって 重要な課題だと認識されていることが挙げられる だろう.また学生等は養護実習等の機会に,現在. アについての認識を比較する上でK群を対照群と. 学校保健の現場で働く養護教諭の先輩等から,そ. 定めている.両群の学生等は【同年代の大学生で. れらの情報や知識を得てきている可能性もあるだ. ある】という点で共通している.それぞれの大学. ろう.. 生の専門分野は異なっているが,Y群は養護教諭. K群は,彼らが介護福祉士養成の専門科目の履. 養成の専門的カリキュラムの中で,K群は介護福. 修や介護実習を修了しており,高齢者や障害児. 祉士養成の専門的カリキュラムの中で,医療的ケ. (者)福祉施設の介護現場の業務に関わった経験. ア(医療的行為)について学ぶ機会があり、基本. から,生活支援の一般業務(日常的ケア)と『医. 的な医療的ケアについての知識を得ている.Y群. 療的ケア』の認識に混同が生じたために,『医療. の多くの学生は、卒業後には養護教諭として学校. 的ケア』であるという認識が低くなった可能性が. 保健の現場で就労するであろうし,K群の多くの. ある.. 学生は,高齢者や障害児(者)福祉施設や病院で. 救急処置は,養護教諭や介護福祉士などの非医. 介護福祉士または社会福祉士として働くことが期. 療職であっても行う責務がある.しかし,その回. 待されている.『医療的ケア』の認識を考える上. 数が増え日常業務に含まれるようなことがあれ. 276.

(10) 養護教諭養成課程の学生を対象にした『医療的ケア』の認識度及び専門性の検討. ば,『医療的ケア』の認識が薄らいでいく危険性. 護教諭も行えるのではないか」との安直な思考回. も出てくるだろう.常に専門職として『医療的ケ. 路が動いていたかもしれない.簡易性と実施の可. ア』と意識的に関わる姿勢を学生に期待する上で. 能性には正の相関が見られていたが,ここにも同. は,教育者自身が,意識して『医療的ケア』の教. じ要因が関わっているかもしれない.. 育に当たっていく必要がある.. 3.Y群学生が,研修を必要だと考えていたケア 2.比較的簡易な医療的ケアについて 【湿布の貼付,爪切り,バイタルサインチェッ. 項目について. 回答数が少ないので論拠は薄いが,【インスリ. ク,軟膏塗布,創傷ガーゼの交換】の5項目では,. ン介助,酸素吸入,気管内吸引,自己導尿介助】. Y群の84.1%∼95.5%の学生が比較的簡易だと認. など,どちらかと言えば医療的技術として高度で. 識していた.K群では71.4%∼94.3%と,やや支. あるケア項目に対する研修ニーズが挙が. 持率は下回るが,これらの5項目を簡易だと認識. た.ここには,関わるケアの難易性ばかりではな. していることが分かった.. く,現在,多くの養護教諭が抱えている【看護師. 【体位変換】についてY群とK群の認識に有意. ってき. の資格を持った養護教諭】の採用にからむ論議,. な差があり,K群の方に簡易だとの認識が高かっ. 救急処置の対応技術の未熟さや経験不足に対する. た.この背景要因について考察してみた.従来,. 不安が影響したことが考えられるだろう.. Y群学生の教育の対象となる子どもたちは,生活 自立が大原則であったと考える.体位変換が必要. 4.医療的ケアを学校教育現場からみた今後の課. な状況とは,障害老人の日常生活自立度でいうな. 題. ら最重度の【ランクC】ということになり,学校. 学校保健現場で養護教諭は,医療と教育の接点. 保健の対象となる子どもには適応が少ない項目に. に位置すると考えられる.多くの先行研究者が障. なると推測できる.逆にK群では,体位変換にっ. 害者養護の視点から,ノーマライゼーションの考. いて基本となる介護技術として十分な学習がされ. え方は勿論,地域社会が障害を抱えた児童をどの. ているため簡易だとの認識が有意にたったと考え. ように支えていくか,その方策についての課題を. られる.. 提起し「社会環境や教育環境のあり方や保障実現. 【与薬,点眼】については,Y群で簡易だと回. 答した学生は,50%前後であったのに対し,K群. の可能性」について模索している1)∼3)・8)∼10). 杉本健郎氏11)は,学校内での『医療的ケア』. では80.0%∼95.7%と多かった.背景要因として,. についての論議は,在宅医療の責任体系とは異な. 自立した子どもの多くは,自分で薬を飲み自分で. り,国(政府)の義務教育内での公的責任を明確. 目薬を入れるというのは,コンタクトレンズの普. にした上で,学校教育責任から論じる必要がある. 及から見ても「よくある光景」だと予想できる.. と延べている.重度障害児の個別な病態などの医. しかし福祉施設や病院では,看護師の仕事として. 学面を理解し,『医療的ケア』も医師の指示に従っ. 定着しているという現状に関連した結果だと考え. て実施でき,重度障害児が安全に通学し学べる養. られる.. 護学校の新しい養護教諭像が求められているとも. 養護教諭が行ってもよいのではないかと考えら. 論評している.. れていた項目は,先に述べた5項目に【マッサー. 実際の社会の趨勢としては,医療的ケアのニー. ジ,耳掃除,創傷ガーゼ交換】を加えた8項目が. ズの高い養護学校には看護師が派遣され,医療的. 挙がってきた.これはいずれも比較的簡易な医療. ケアを実施する動きであり,医師や看護師の指導. 的ケアだと認識されていたものであり,学生の認. の基に教諭(担任,教科担任,養護教諭)が医療. 識の中では,「比較的簡易なケア」であれば「養. 的ケアを担っている学校が増加してきている.. 277.

(11) 福田 道代・山田 玲子・西川 武志・岡安多香子. 栗谷氏19)は『医療的ケア』の問題点として,. 括の一環として必要なケアを受けることができる. 論点を次の3つの基本的な視点から捉えている.. ように検討される必要があるのではないだろう. 1:「教育」と「医療的ケア」との関係をどう考. か.. えるか.2:児童・生徒に対する学習権の保障を どう考えるか.3:重度の子どもを受け容れた時, 現実に起こってくる具体的な問題に学校として,. どう対処するのか.この3つの論点は,先行研究 者等の視点を集約していると考える. 茨木養護学校では,『医療的ケア等検討委員会』. Ⅴ 結 論 近年,学校生括においても医療的ケアの必要性 について論議されることが多くなっていることに 鑑み,先行研究から『24項目の医療的ケア項目』. で更なる検討を進めていると報告されているが,. を抽出し,『比較的簡易な医療的ケア』と『母親. 我々が掲げた24ケア項目のうち,茨木養護学校医. が病気の子どもの世話の範噂で行ってきた一般的. 療的ケア検討委員会で児童・生徒が学校生括を送. 医療的ケア』について,養護教諭養成課程の学生. るために必要なケアとしてあげている12項目のう. の認識調査を実施した.. ち,8項目が内容的に一致していた.8項目は, ①与薬,②経管栄養管理ケア,③自己導尿の介助, ④口腔内吸引,⑤吸入,⑥導尿カテーテル介助,. ⑦酸素吸入,⑧気管内吸引,であった.【養護教. 1.Y群ではK群と比較して『医療的ケア』の周 知度が高かった.(p<0.05 ズ2検定).. 2.Y群の70%以上の学生から『比較的簡易な医. 諭が行ってもよいケア項目】としての支持率は,. 療的ケアだと思う』と回答があったケアは,湿. 10.0%∼58.6%であり,一致しなかった他のケア. 布の貼付,爪切り,軟膏塗布,バイタルサイン. 項目としては,①緊急時の投薬,②人工膜朕の管. チェック,創傷ガーゼ交換,体位変換,耳掃除,. 理介助,③蒸留水吸入,④鼻もしくは咽頭から下. マッサージの8項目であった.. 咽頭にかけての吸入,の4項目が含まれていた.. 養護学校において日常的に『医療的ケア』と表. 3.現在は医療的ケアといわれているケアを,実 施できる環境が整った時,爪切り,湿布の貼付. 現され,認識されているケアの範囲は,一般学校. を『養護教諭が行ってもよいと思うケア』であ. で言われる『医療的ケア』の領域と比較すると,. ると,100%の学生が認識しており,創傷ガー. 比較的高度と認識される『医療的ケア』が多く含. ゼ交換,バイタルサインチェック,軟膏塗布に. まれる現状から,別の視点での検討が望まれてい. ついては学生の90%以上が同様に認識してい. ると考える.. た.. 急病や事故などが発生した場合,一般教諭は勿. 4.湿布の貼付,点眼,軟膏塗布,体位変換,バ. 論,養護教諭が救急処置に対応する21)・24)場合が. イタルサインチェックの5項目は,90%以上の. 多い.一方,家庭では,家族や母親が日常的医療. 学生から従来母親が行ってきた子どもの世話の. 的ケアを代行していることが殆どである.しかし. 範噂であり一般的ケアであると回答があった.. 子供の生活・行動圏は家庭内にとどまらず,子ど. また,点眼を除いた4項目は比較的簡易な医療. もが就学年齢に達した場合には,彼らは地域に戻. 的ケアに一致していた.. り,叶能な限り学校生括に戻っていくのが普通で ある.生きるために何らかの医療的ケアが日常的. 潜在する医療的ケアのニーズに閲し,上記の4. に必要な子どもにも,教育を受ける権利が保障さ. つの知見が得られた.また今回の調査結果から,. れている.医療的ケアを「救急処置」の範囲で支. Y群学生諸子は養護教諭として社会に出るにあた. 援している現状もあるだろう.救急時という理解. り,医療的ケアについて様々な不安を持っている. ではなく,子どもの日常を理解した上で,日常生. ことが分かった.医療的ケアであっても,実際に. 278.

(12) 養護教諭養成課程の学生を対象にした『医療的ケア』の認識度及び専門性の検討. は救急処置として,実施しなければならないこと もあるだろう.学生等は医療的ケアに対する研修 の必要性を感じており,今後,継続学習していく 機会が得られることを期待したい.. 10)磯辺啓二郎:学校における医療的ケアの基本理念, 学校保健研究,43:361−365,2001 11)杉本健郎:養護学校での医療的ケア,学校保健研究, 44:101−105,2002. 12)柳修平,津島ひろえ,仁宮真紀等:難病児の学校に おける医療的ケアと在宅支援に関する研究,平成10年 慶一平成11年度科学研究費補助金 基礎研究(C)(2). 謝 辞. 研究課題番号067226,2000 13)鈴木英子,阪井哲男,松田博雄等:在宅人工換気療. 本調査にあたり,アンケートにご協力下さいま. 法(HVC)の子どもが,地域の小学校に入学するまで. したH大学養護教諭養成課程の学生諸子,並びに. 一医療的ケアを巡る諸問題∼小児保健研究,59(4):. A大学人間福祉学部介護福祉学科の学生諸子の皆. 500−507,2000. 様に感謝いたします.また,浅井学園大学の藤原. 素子教授には,医療的ケア24項目を抽出する上で 基礎データを提供頂き,ご指導下さいましたこと. 14)林隆:小児科の観点から見た学校数育と医療的ケア, 学校保健研究,43:366−372,2001 15)山本昌邦:障害児教育における医療的ケアの現状と. 課題,学校保健研究,43:380−387,2001 16)船戸正久:息児と家族を中心とした地域の支援シス. に感謝申し上げます.. テムの構築が必要,HomeCareMedicineFebruary, 12−14,2002. 文 献 1)白石大介,佐々木勝一:障害をもつ児童・生徒の教. 育権保障についての考察医療的ケアの現状と課題 −,武庫川女子大学紀要,35−49,武庫川女子大学大学 院・「臨床教育学研究」編集委員会,2002 2)津島ひろえ:医療的ケアを要する子どものトータル. ケアとサポートに関する研究一過常学級在籍児の実態 を中心に−,小児保健研究,59:9−16,2000 3)特別支援教育のあり方に関する調査研究協力者会議 :今後の特別支援教育のあり方について(最終報告;. 2003.3.28答申) 4)谷口敏代,迫明仁,橋本祥恵等:医療依存度の高い 高齢者と看護職の協働認識,介護福祉学,9:51−58, 2002 5)佐藤ゆかり,神宝誠子:介護福祉士が利用者に求め られる医療的行為の類型化,介護福祉学,9:93−100, 2002 6)篠崎良勝:介護士の医療行為に関する今後の提言, 民間病院研究所編,介護現場の医療行為−その実態と. 方策を探る−,321−330,日本医療企画,東京都,2000 7)藤原素了一:地域福祉における介護福祉の役割に関す る研究,平成12年度一平成14年度科学研究費補助金基. 礎研究(C)(2)研究課題番号,12610190,2003 8)阿部伊織(全国養護教諭連絡協議会):医療的ケア に関する調査の概要一医療的ケアに関する調査報告書, 1−41,全国養護教諭連絡協議会,2003.7 9)日本教育大学協会全国養護部門:文部科学大臣に対 する要望書∼養護教諭が「学校における比較的簡単な 医療行為」を行なうことについて∼,2月17日提出,2003. 17)古屋義博,林信治:養護学校における医療的ケアの 取扱いについての大学生の意見,山梨大学教育人間科. 学部紀要,3,305−312,2001 18)林信治,古屋義博:医療的ケアを要する人々がより. 豊かに生きるために一非医療専門職による医療的ケア について−,山梨大学教育人間科学部紀要,2,149−156, 2001 19)栗谷玲子:肢体不自由養護学校における医療的ケア,. 脳と発達,28:220−224,1996 20)篠崎良勝:介護士のQWLの検証,民間病院研究所 編,介護現場の医療行為−その実態と方策を探る−,. 311−317,日本医療企画,東京都,2000 21)森田光子:養護教諭からみた学校での医療的ケア, 学校保健研究,43:373−379,2001 22)小澤温:社会福祉用語辞典,山願文治等編,352,ミ ネルヴァ書房,京都市,2001 23)渡辺晴子:社会福祉用語辞典,山願文治,相女霊峰編, 17−18,ミネルヴァ書房,京都市,2001 24)梶原洋生:介護と裁判,井上千津子監修,新版・福 祉と医療の法律学!,113−126,インデックス社,東京 都,2002 25)梶原洋生:医療行為と福祉行為,井上千津子監修, 新版・福祉と医療の法律学!,55−76,インデックス社, 東京都,2002 26)全国養護教諭連絡協議会:執務の実際から養護教諭. の職務の明確化を図る;瑞星,第3号,7−52,2003 27)三木とみ子等:養護教諭の職務の基本と実際,改定 養護概説,㈱ぎょうせい,東京都,2002 28)福田博美,天野敦子,岡田加奈子等,教育学部養護 教諭養成の看護系科目に対する卒業生の学習ニーズ,. 279.

(13) 福田 道代・山田 玲子・西川 武志・岡安多香子 学校保健研究,45:331−342,2003 29)篠崎良勝:どこまで許される?ホームヘルパーの医. 療行為,一橋出版,東京都,2002 30)高木剛:介護福祉専門職の『医療行為』に関する研 究と今後の専門職養成の考察,第11回日本介護福祉学 会大会発表要旨集,274−275,2003 31)杉下知子:介護職を理解する−よりよい協働をめざ して,日本看護協会出版会,2002 32)図説高齢者白書2002年度版:全国社会福祉協議会, 東京都,2002 33)宮原伸二:特別養護老人ホームにおける介護職が行 なう「医療と介護の接点と思われる行為」の現状と課題, Jpn.J.Prim.Care,24,26−33,2001 34)田家英二:介護職員の医療行為の実態,第11回日本 介護福祉学会大会発表集,260−261,2003 35)最近の社会福祉の動向と介護福祉士の課題:厚生労 働省・社会援護局福祉基盤課,福祉人材確保対策室, 平成14年度 社団法人日本介護福祉士養成施設協会北 海道ブロック教員研修会報告29−98,2003. 36)厚生労働省医政局長通知(平成17年7月26日付医政 発0726005号). (福田 道代 浅井学園大学講師) (山田 玲子 札幌校講師) (西川 武志 札幌校教授) (岡安多香子 札幌校教授). 280.

(14)

参照

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