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慢性疾患のある児童生徒の学校生活を送るための効果的な支援のあり方

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Academic year: 2021

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(1)慢性疾患のある児童生徒が学校生活を送るための効果的な支援のあり方 教科・領域教育学専攻 生活・健康・総合内容系コース. M07230F 大倉幸子 I.目的 慢性疾患とは,急性疾患に比べて,症候が急激ではな. 調査内容:「子どもの現状」,「支援方法」,「連携方法」,. r理想的な支援方法」など全33項目。. いが,長期問の経過をたどる疾患の総称である1〕。近年,. 2)胆教員への質問紙. 糖尿病,腎疾患,心疾患など健康管理を必要とする慢性. 対象:T,T,H,K等各都府県の一般教員. 疾患をかかえながら通常学級に在籍する児童生徒の数は. 方法:郵送による質問紙法』. 増加の傾向にあるといわれている。こうした児童生徒に. 調査時期:平成20年9∼10月. とって,適切な療養行動を行いながら,充実した学校生. 調査内容:r子どもの現状」,r支援方法」,r授業への配. 活を送ることは,発育発達過程において重要な意義をも. 慮と評価方法」,「理想的な支援方法」など全32項目。. つ。しかしながら,慢性疾患のある児童生徒が学校生活. 皿.結果および考察. を送るにあたっては,様々な問題も指摘されており,現. 1)握竈教餉への質問紙調査. 状や課題に関する報告もある。.  林は,学校生活において,児童生徒は医療処置,運動 制限など多岐にわたる体調管理が必要であるとしている 2〕。関らは,1型糖尿病患児の5割が,周囲からの特別 視のために,療養行動が困難と感じていると報告したθ。. 鈴木らの調査では,担任教員は慢性疾患のある児童が クラスに在籍している時にはr他児への病気説明」,rク ラス運営」,「子どもの保護責任」などについて困難があ ると感じていた4。. 伊藤らの調査では,児童生徒の支援についてr本人も しくは保護者」r学校」r医療機関」,r学校と医療機関の. 連携」のそれぞれに課題があるとした上で,児童生徒と 保護者を中心とした各関係者の連携にかかわる問題にも ふれているθ。.  先行研究から,児童生徒が学校生活を送るにあたって いくつかの課題が指摘できる。その中でも,学校関係者,. 保護者,医療関係者相互の連携は大きな課題である。本 研究では,養護教諭と担任教員を中心とした一般教員に 対して質問紙調査を行い,学校内で慢性疾患のある子ど もに対して,効果的な支援方策について検討する。 1I.方法.  先行研究をもとに,養護教諭および担任教員を対象と した質問紙を作成し,調査を行った。. 対象疾患は小児特定慢性疾患の対象疾患を中心に,疾患 に関連した健康管理が必要な疾患とした。集計,解析に・. はEXC工1L2003,SPSS120J飴r wmaowsを使1周した 1)讐議教諭への買聞紙. 対象S市の養護教諭 方法:研修会参加者を対象とした質問紙法. 調査時期:平成20年3月. (1)回収状況.  回収数121。有効回答数98。有効回答率81%。 (2)回答者一の勤務校・経験について.  回答者の主な勤務校は,小学校66.1%,中学校30.5%で あった。38,1%の勤務校に慢性疾患による入院経験がある. 児童生徒が在籍していた。支援経験のある養護教諭は 48.3%であり,全体の21%(24人)が,現在も支援してい. た。現在も支援している養護教諭に対し,支援対象となっ ている児童生徒が複数在籍する可能性もあることから,そ. のうちの1人の児童生徒を任意に選び,支援内容について 質問した (3)回答対家の児童生徒について. ①回答対象の児童生徒の主な疾患は,糖尿病12.5%,慢性 腎疾患,呼吸器疾患,悪性新生物8.2%であった ②必要とする健康管理は,運動管理が58.3%と最も多く,. ついで,けがの防止,食事管理,感染予防,医療処置であ った。それらの健康管理の主な実施者は,担任教員,本人, 養護教諭であった。. ③養護教諭による支援では,行事の時の体調管理,担任教 員との連携が75%と最も多く,ほかに体調確認,保護者と の連携であった。. ④教員への周知は,95.8%が教員全員に行っていた。. ⑤子どもについての情報は,疾患名,生活上の制限・留意 点については全員が情報を得ていた。不足していた情報と して,体調不良時の対応,生活上の制限・留意点などがあ げられた。. ⑤58−3%が,子どもの支援にあたって困った点があり, 25%が体調不良時の対応をあげていた ⑥連携に関する質問では,全員が担任教員と連携しており,. 一464一.

(2) ついで保護者と連携していたヨ地域の関係機関とは37.5%. (4)理想的な支援方法について(回答者全員). が連携していた。. ①必要となる情報は,学校生活上の制限・留意点が最も多. (5)理想的な支援方法について(回答者全員). く,体調不良時の対応,症状とつづいた。. ①必要な情報は,回答が多い順に生活上の制限・留意点,. ②校内連携を進める上で必要なものとしては,学校と保護. 体調不良時の対応,病気の経過であった。. 者の相互理解が88.7%と最も多く,ついで担任の理解,他. ②枝肉連携等で特に必要なことは,保護者との相互理解が. 教員の理解であった. 78,1%で,ついで本人に対する理解であった. ③学校内での支援の中心となるのは,担任教員が47.4%で,. ③学校内で子どもの支援の中心となるのは,担任教員が.  ついで養護教諭であった。. 39%で最も多く,養護教諭は29.7%であった. ④養護教諭へ期待していることとしては,緊急時の対応が. ④養護教諭として期待されていることは,緊急時の対応と. 86.5%と最も多く,教職員と保護者との相談,保健室の環. 882%が回答しており,以下,子どもの健康管理,関係者. 境づくりであった。. との連絡・調整であった. ⑤慢性疾患児の支援経験の有無と理想的な支援方法につい. ⑤経験の有無及び枝種別と理想的な支援方法に関する質問. てX2検定を行ったところ,校内連携における担任の理解,. では有意差はみられなかった。. 支援の中心者に関して有意差がみられた(P〈O.05)。. 2)一眼教員への貫聞紙調査. 3)考察. (1)回収状況.  児童生徒の健康課題を解決するために,学校内の組織体. 回収数663。有効回答数629。有効回答率94.9%。. 制が充実していることが基本とされており,その中核的な. (2)回答者の勤務校・経験について. 役割を果たすのが養護教諭である。. 回答者の主な勤務校は,小学校40.7%,中学校36.4%,高. 今回の調査では,学校生活の中心となる教室の担任教員. 等学校22.6%であった。72.2%が通常学級,4.6%が特別. と養護教諭が,保護者と連携をとりながら,学校生活支援. 支援学級を担任しており,19.1%は学級担任をしていなか. を行っていると考えられる。しかし,そうした支援を行っ. った。慢性疾患による入院経験がある児童生徒の支援経験. ているものの,養護教諭の583%,一般教員の58%が児. については,32.6%(205人)が「ある」と回答した。. 童生徒の支援にあたって困った点があったと回答していた。. (3)回答対三の児童生徒について. その要因として,体調不良時の対応などの知識・技術的課. ①対象となる児童生徒205人の主な内訳は,神経疾患. 題,他の子どもへの説明困難,友達への対応困難などの人. 16.6%,腎疾患14.1%,糖尿病12.7%であった。. 的対応の課題,支援の時間がない,設備不足などの物理的. ②必要とする健康管理は,運動管理が56.6%で,食事管理,. 課題,他教員・保護者との連携といった協力体制への課題. けがの防止とつづいた。それらの健康管理の主な実施者は. があげられた。各教員の共通理解や役割分担を明確にした. 本人,保護者,担任教員であった。. 上で,児童生徒と身近に接する担任教員が直接の支援者と. ③担任教員が行っていた支援では,保護者との連携が. なり,そのサポートや緊急時の対応,連携に関するコーデ. 85.4%と最も多く,日常の体調確認,本人との相談とつづ. ィネートなどを養護教諭が行い,それらを統括する管理職. いた。養護教諭との連携は61.5%であった。. が連携した組織的な対応が必要である。. ④教員への説明は,74.6%が教員全員に行っていた。. く引用・参考文献>. ⑤生活面への配慮では,休める場所の確保が56.1%と最. 1)武田鉄郎:慢性疾患児の自己管理支援のための教育. も多く,日直・掃除・係活動等の配慮,室内環境の配慮. 的対応に関する研究:8−15,大月書店,東京,2006. とつづいた。. 2)林有香1小学校,中学校における慢性疾患をもつ児. ⑥学習への支援は,個別の支援言栖の作成が16.1%で,.  童生徒の体調管理一養護教諭を対象とした面接調査か. 個別の教材使用,人的支援とっつき,64.4%が特に行っ.  ら一,学校撤45:366’367.2003 3)関秀俊ほか:1型糖尿病児患児の学校における療養. ていなかった。. ⑦実技を伴う教科(体育等)への対応については,69.8%.  行動(1)療養行動に伴う困難感,小児保=健研究61:457. (143人)に参加制限があり,可能な範囲で参加61.5%,. 授業の見学心.1%,授業以外の場所で待機14%であっ.  −462.2002 4)鈴木遼子ほか:慢性疾患をもつ児童と級友の関係に. た。.  おいて学級担俄鞄える困難第36回日本看護学会論. また,教科の評価は,参加した内容に応じて評価48.7%,.  文集一小児看護一:268・270.2005. 5)伊藤龍子ほか 小児慢性特定疾患患者の療養環境の. 通常通り評価23.7%,課題に関して評価12.5%,評価 せず6.6%であった。.  現状と課題一小学校・中学校・高等学校の養護教諭の. ⑧聞いた情報の内容は,疾、患名,症状が84.4%と最も多く,.  面接調査一,第35回目本看護学会論文集一小児看護. ついで学校生活上の制限・留意点だった。不足していた情.  一:176−178. 2004. 報は,68.8%がなかったと回答しており,不足情報として.            主任指導教員  荒木地            指導教員    鬼頭英明. 治療内容,病気の経過があげられた。. 一465一.

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