色素性乾皮症と学校生活
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(2) . 平成4年2 .月 Februar y.丁992. 北海道教育大学紀要 (第2部C) 第4 2巻 第2号 i ion(Sec ion2 C) VOL42 ty ofEducat journalof H0kkaido Univers t .2 、 NO. 色素性乾皮症と学校生活 笹. 嶋. 由. 美. 北海道教育大学旭川分校看護学教室. Xeroderma Pig mentosum and SchooI. Li fe. Yumi SASA1IMA Depar ing ikawa Co l l tmentof Nur s ege . .Asah Asah ikawa 070 Abs t t rac. Xerodenna pi g ・nentosum(XP) i s a rare, autosomal recessive disease in which patients b develop extens ive damage due to solar exposure at an ear ly age including pig コ 〔 nentary , h k d l i i l i h t t d r t k i o changes a e r a o s e s a n ma n a c e s o n s n ‐ o e u g exp s s n p y, g , , .. XP was f i i t descr bedi i lby Kapos iin 1870. lnl968C1 rs ndeta eaverpresentedevidence ientshad defect thatsome XP pat iveexcls i iated DNA‐At present lo lonrepairof UV‐ rrad. i f i iantforms ed; A,B,C,D,E,F,G, H,1 en ident groups of XP have be . ,and Var XP patients have cutaneouslesions,ocularlesions, and neurologic abnormal i ies t . There i ly no known prevent ion or cure for XP. As soon as a diagnos s present ・ S 1s. γ i ient must be protected from sunl ight by every possible means establ shed the pat . W hen l ight i lothing outdoors in day br immedhat thc rski n wi ‐ s , XP patientsshould coverthe 、 , wide long ha i lude a l I UV 1 i 1skin surfaces, r ch exc ght should be worn ,and sunglasses whi ‐ AI ly those uncovered by c lothing especial d be covered Wi th a chemical sunscreen‐ And ,shoul. ldbeshe lded wi i bl i l window glassin class‐rooms and carsshou th UV‐ ockingf n ・ ‐ This. ior hi report describes a case of a 1 5‐year tudent who was ‐ old jun gh school s. iagnosed wi d ldren at school wasinvestigated. th XP‐C-Carefor XP chi. 1. は じ め に. 色素性乾皮症. i erodermap t osum gE nen. ,XP)は常染色体劣性の遺伝性疾患である. 本症は, 一 般的に乳幼児期から日光照射により容易に日焼けを起こしやすい強い日光過敏症と色素 沈着, その 後の乾燥, 萎縮, 毛細血管拡大などがみられる. そしてついには若年での主として基底細胞上皮腫. 有疎細胞癌などの悪性腫癌を生じる. これらの皮膚症 大のほか眼症状, 心身の発達障害, 種々の神 (23).
(3) . 142. 笹. 嶋. 由. 美. 経学的異常を伴う. 968年J iが記載して以来, 原因は不明とされていたが, 1 本症は, 1870年始めて M‐ Kapos ‐ ‐E 本症患者の細 を調べたところ し その後の修復 X P C 1 は 患者の細胞を培養して紫外線照射 r , eave , , 胞は正常人と異なり, 紫外線によって生じた DNA 損傷を修復できないことを発見した. 以来,本症 ) は高発癌性突然変異体であると同時に, 進行性神経変性疾患として把握されている1 . 現在,XP には A~ 1の遺伝的補正群と1つの バリアントの計10型あることが知られている. 我 ) 表1は現在 相補性テス トな どで属す 国では約300例の報告がある が,A 群とバリアントが多い2 , .. ) 表1 色素性乾皮症患者の相補性群別分布2. 相補性群. A. B. 日本. 35. 0. 世界. 55. 1 51 28. C 8. D 6. E. F. G. H. I. Variant. 計. 7 12. 1. 0. 0. 30. 99. 3. 2. 1. 2. 45. 190. 2. ) また 発症頻度は 新生児1 0万人に対して1人と推定 る群が確認された患者数である (表1)2 , , . されており, 欧米の25万人に1人, 韓国の1 8万人に1人3に 比してかなり高いとされている. 本疾患は, 遺伝病であること, 多くの患児はある年令に達すると日常生活に支障をき たす重複障 害児となること, しかし社会の受け入れ態勢が不十分であるなど, 他の疾患にはない特殊な面を持 っている. 特に患児が学齢期にある場合, 日常の大部分を占める学校生活において, 学校側に望ま れる配慮や基本姿勢は, 本質的には他の疾患と変わらないのであるが, 本症では生命維持と直接関 係している問題が多い点で, 極めて特殊といえるであろう. また, 本疾患の治療は, 現在においては残念ながら根本的な原因への治療 はできず, 対処療法に とどまっている. なかでも徹底 した遮光が発癌予防のため不可欠であるため, 実際に本症児を学校 で受け入れる場合, 登下校時や学校行事への参加, 学習指導等において, 種々の問題があると思わ れ る.. 今回, 本症の中学生の学校生活に対し, 学校, 家庭, 医療機関によってどのような配慮がなされ ているか, また, 問題点は何かなど, その実情を知る貴重な機会を得ることができた. 特に, 本症 児に対する精神面・身体面を含む学校側の管理・指導について検討した.. 1 1 . 対象および方法 平成元年1月.XP にて旭川医科大学附属病院皮膚科外来 で通院加療中の男子生徒と,その保護者 (母親) , 主治医, 学級担任, 養護教諭から, XP と学校生活について質問紙により回答を得た. ま た学級担任, 養護教諭からは質問紙とともに面接聞き取りで回答を得た. 主な質問内容は, 保護者 に対しては, ①. 日常生活, 特に学校生活における遮光の配慮について, ②. 学校行事参加につい て, であり, 主治医に対しては, ①. 治療内容, ②. 保護者への指導内容, ③. 学校側への要望, である. また, 学級担任および養護教諭に対しては①. 患児の学校生活に対する配慮について, ②. 学校行事参加について, である. (24).
(4) . 143. 色素性乾皮症と学校生活. m. 対象例について 1 5歳男子. T中学3年, 特殊養護学級 (病弱学級) に在籍 初診 昭和54年8月7日 (6歳時) 家族歴 既住歴 現病歴. 現症. 血族結婚なし. 弟に日光過敏症なし. 特記すべきことなし. 生後まもなく, 戸外に出ると紅斑, 水庖など顔面を中心に日光過敏症状が出現 上記症 . 状を繰り返すうちに色素沈着が強くなり, 昭和54年7月, W市市立病院皮膚科を受診, XPの疑いで旭川医大皮 膚科を紹介された.同年8月 7 日,旭川医大皮膚科受診し XP と 診断された. 遺伝的相補性群の検討では, XP ‐C群と同定された. 以後, 検査と治療のた め4回の入退院を繰り返し, 現在は定期的に同科外来 にて通院加療中である . 身長153‐ 3c m ,体重43‐5鯉と体格はやや標準以下. 皮膚症状-顔面に小豆大までの茶褐色~暗褐色の色素沈着が散在し,その他,基底細胞上 皮腫(BCE)様皮疹が十数個見られる. 眼症状-翼状片, 右乱視, 左遠視性乱視, 極軽度の右先天性白内障が認 められる. 精神・神経症状-両側感音性難聴, 軽度の知能障害が認められる . 治療-遮光フィ ルム, UVB 遮光用外用剤, 紫外線遮断レンズの眼鏡使用, 夏でも長袖長 ズボ ン着用, 運動制限等徹底 した遮光 BCE に対しては切除 液体窒素凍結療法 ビタ , . , ミ ン A 酸 剤 内 服.. IV. 結. 果. 1) 1日の生活 1日のおおよそその過 ごし方は表2 に示したように, 健常人とほとん ど変わらな い生活習慣であ る. (表2). 表2. 一日の過 ごし方. 平 日. 休. 日. 起床. AM 6:50. 7:lo. 朝食. 7:20. 8:00. 登校. 7:50. ほとん ど目. 8:30( v. 宅の室内で 過ごす. 授業. 校内で遇ご す 帰宅. PM 4:00. 夕食. 5:00. 就寝. lo;00. (25). 6:00. lo:00.
(5) . 144. 笹. 嶋. 由. 美. 2) 学校生活 ①. 通学の登下校は母親が窓に遮光フィ ルムを装着した車で送迎しており, 遮光には十分気をつ 5分, 冬季は20分程度の距離である. けている. 所要時間は夏季は1 ②. 教科指導内容と学習形態について 体育以外は原則として親学級で, 普通学級の指導内容と同じ学習をしているが, 屋外での活動や 行事については参加していない. また, 道徳に関しては, 生きることへの意欲や感謝の心を育てることに重点がおかれ指導さ れて いる.. ・理的不適応, 情緒不安に対する 指導に重点がおかれ, 軽 養護訓練は病弱学級で行われており,ノじ ス ポ ー ツ や レク リ ェ ー シ ョ ン な ども 取 り 入 れ ら れ て い る.. 体育は, 病弱学級で受けており, 球技 (ボール遊 び程度) や簡単な身体運動 を行っている. 患児の授業参加態度の印象は, 学習時間中は教師の説明を静かに聞いていることが多く, グルー プ学習では, 他の生徒の援助を得て活動に参加することが多い.. ⑨. 学校行事への参加 長時間日光に曝されるため, 遠足, 運動会, スキー学習, 海の学校, 山の学校, 修学旅行などの 行事には, すべて不参加である が, 運動会だけはサンスクリーンを使用 し, 短時間保護者と見学し た. しかしサンスクリーンを使用しても遮光は完全ではない. 行事に参加しない場合は, 家庭学習をしたり, 調理実習やレクリエー ショ ン, 保護者との小旅行 な どを 行 っ て い る.. 3) 精神的側面における問題点 患児は, 外用剤の使用, 皮膚の状態, 聴力が低下していること, 学習成績などについて気にして おり, また交友関係ではいじめられるこ ともあり仲の良い友人もいないと母親は回答している. ま た, 学級担任は皮膚の状態, 学習成績, 運動能力が劣るなどにって気にしていると答えており, 養 護教諭も皮膚の状態について気にしていると答えている. 学級担任およ び養護教諭は休憩時間に患 児が2~3人の生徒とふざけあう様子も時々見ている が, ほとん どは1人でいることが多いと述べ ており, 母親の回答にも見られる ように, 学校では孤独であると思われる. 4) 保健室への来訪状況について 昭和6 4年4月から11月までの期間に2回訪れているが, いずれも頭痛, 吐き気など XP とは直 接関わりはないものであった. 5) 遮光について 登下校時 (外出時) は, 遮光フィ ルムを貼付した車で送迎している. 教室内での座席は廊下側の 日光が直接当たらない席が確保されており, 親学級でも同様の配慮がなされていた. また, 病弱学 級の全窓ガラスおよび親学級の1部の窓ガラスに遮光フィ ルムが貼付されており, 遮光には十分気 が配られている. しかし, 患児は, 皮膚が白っ ぽくみえるためサンスクリ ーン外用を嫌い, 登校の際にも学校にい る間も外用剤は一切使用 していない.. (26).
(6) . 色素性乾皮症と学校生活. 145. 6) 主治医による患児および母親に対する指導 母親に対しては, 悪性腫蕩の発生防止と早期除去が必要である こと 特に発生予防には徹底 した , 遮光が不可欠であり, そのためには裸露部に遮光クリームを塗布する 車の窓や教室の窓には遮光 , フィ ルムを貼付する こと, 日光に当たらぬよう に行動制限をする ことが指導されている さらに , . 悪性腫蕩発生 防止のためビタミンA酸内服, 悪性腫蕩早期除去 に対 しては液体窒素療法 あるいは除 去手術が必 要であるな どが説明きれている . 患 段こ対しては 「(悪性腫癌が) 大きくなると手術をしなければならないので早めに液体窒素で , 焼こう.」と説明されて いる. また. 日常生活の中での外用剤および遮光フィ ルムの必要性について 指導しさ れている. 7) 学校級=の配慮 学級担任は, 患児に対する身体的側面への配慮として, 風邪に催患しやす いので顔色や表情 に注 意を払 い, 体調の悪そうな場合は, 無理をさせず学習の予定変更 あるいは休養させる また養護 , , 教諭, 保護者との連絡を密にし早退などの措置を取っ ている . 精神的側面に対する配慮として, 患児は教師, 両親に依存しようとする傾向が強いので できる , だけ自分 でできることは自分で解決するよう に援助している また 自信を無くすことが多いので , . , 励ます機会あるいは褒める機会を多くするように努めている 交友関係で問題が生 じた場合は 関 . , 係生徒に対して個別指導を行ない, 改善している . 養護教諭の患児に対する配慮についてであるが, 身体的側面 については特に行なっ ていないが , 精神面に関してはどんなことでも声をか けるように心がけおり 他の生徒と変わ りなく接するよう , に努力していると述 べている. しかし交友関係で気懸りな様子が見受けられる場合 患児と養護教 , 諭の間で直接その ことについて触れられることはない . 8) 家庭, 学校 (担任・養護教諭) , 主治医との連携 担任と保 護者との間では十分な 懇談や情報交換が行 なわれており 特に両者との間で要望はなか , っ た. また, 養護教諭と担任とも十分協力がなさ れており, 両者の間で特に問題はみられなかった . しかし, 担任から主治医に対して, 症状の進行状態や予後について知りたいとの要望があっ た . 一方, 養護教諭は保護者に対する要望として 外用剤の使用 について知りたいとしており さら , , に主治医に対 しては XP の原因, 症状, 治療, または症状 に対する実際の対処 の仕方について知り た い と述 べ て い る .. 逆に, 主治医から養護教諭に対しては, 皮膚 の悪性腫癌について知識を持ち 早期発見に協力し , てほしい. 嚇下困難な どの神経症状にも注意し 少しでも進行を遅 らせることが できるように医師 , と協力してほしいと述べて いる また 担任に対する要望として 患 日が い じ め ら れ る こ と の な い . , , ように気 を付けてほしいと答えている . V. 考. 察. 1) XP 一C群の臨床症状 本 症 は世 界 で は A, B, C, D, E F G H 1 群 の 相 補 群 と XPvar iantl群の計1 0型が存 , , , ,. 在する. 各群の特長 は表3に示した (表3) 本症例は XP-C群と診断されており C群の臨床的 . , 特長としては, ①. 皮膚症状およ び眼症状を伴う場合が多 い ② 発症年齢は一般に低く 早期よ . . , (27).
(7) . . 笹 嶋 由 美. 146. ) 表3 XP相補性群の特徴7. 初期3時間 のU D S (%). 4 位消失率 ( 2 時間での%). 100. 100. 〈 5. 0 5. C. lo ~ 20. lo. 十. -. 2 ‐2 ~2 -4. 2. 中~軽. 60. L7. 3. 軽症. 0. 0 ‐6. 8. 重症. +. 0 ‐5. 10. 重症. +. 1 ‐4. 3. 重症. +. ~2. 中~軽. lo ~ 15. +. 2 ‐5 ‐4 ~4. 100. +. 70 ~100. +. 20. +. F. +. 重~軽. +. 0 ‐7. 40 ~ 60. Variant. +. ‐ (+). 40 ~ 60. l. 重症. 十 (一)*. 重~中. E. 30. 重症. 5. 0 ~ 15. H. 15. 7. 20 ~ 50. 〈 5. 5 ‐0 0 ‐5 ‐3 ~0. LO. D. G. 神経症状 皮膚癌. +. 3~ 7. 腰 蔓 』 皮膚症状. +. B. 纏致死. 2 Do ,J/m. +. A. T 4 エ ン ドヌ. ク レアーゼ部. +. 常. 正. 臨床表現型. UV生存曲線. DNA修復. ( ) 内はまれ. り悪性腫癌の発 生をみる場合がある. ③. 神経症状を伴わない場合が多い, などがあ げられる. 本 例の場合も1才 頃から発症し,10才前後から顔面の悪性腫癌(BCE)がみられている. 眼症状として は右乱視, 左遠視性乱視, 右先天性白内障などがみられ, 紫外線 を遮断するレンズの眼鏡を使用し ている. しかし, 眼結膜等に悪性腫癌は現在のところ発症はない. 一般 にC群は神経症状を伴わな いとされており,本例は両側感音性難聴 と軽度の知能障害がみられる.XPの神経学的異常を表 鱈こ ) 表4 色素性乾皮症における神経学的異常8. 小. 頭. 症. 上位皮質障害 大脳基底核および小脳障害 錐体路および錐体外路障害 脳神経障害 下位運動性ニューロン障害. 害が知能障害という 表現になると 示したが(表4) , 低知能に関して佐藤は, 乳幼児期からの聴力障 } 述 べ て い る4 .. m g下回 XP 患児は一般に発育が悪く小さい. 本例も全国, 全道の平均より 身長で15c ,体重で15k っ て い る・. 2) 生活習慣 )があげら ‐れている が, 患児は就学期にある 遮光のための具体的手段 として, 夜間活動型生活習慣5 6 ) ため, 生活習慣は健常児同様の昼型である. 佐藤は , 紫外線含有量のもっ とも多い午前11時から (28).
(8) . 色 素 性乾 皮 症 と学 校 生 活. 147. 2時を含む午前9時から午後4時までの間は外出禁止としているが, この時間帯はほとん ど校 ないしは自宅内で過 ごしているので, 長時間屋外で日光にさらされることはない.. 3) 遮光に関する配慮 外出時には長袖, 長ズボン, 帽子を着用しており, 髪形もできるだけ長く し, 額, 耳介, 項部を い 隠す よ う に し て い る. そ の う え に, サ ン ス ク リ ー ン, カ バ ー マ ー ク な どの 外 用 剤 を 使 用 す る の 望 ま しい. しか し, 現 在 あ る 外 用 剤 は 塗 布 す る と 白 っ ぽく な り, ま た カ バ ー マ ー ク は ドー ラ ン の. うに厚化粧になるので, 他人の眼が気になるな どの理由から, 患児はほどんと使用していない. 護者は, 患児が思春期にあるため, 外用剤の必要性は理解していても使用させるのに困難を感じ おり, 透明で, 紫外線を完全にカ ッ トできるクリーム基剤があれば, 患児の悩みもずいぶん軽減 れるものと思われた. 登下校時 (外出時) に使用している車の窓及 び教室の窓 ガラス には遮光フィ ルムが貼られており, 席も日光の当たりにくい廊下側などの場所が確保されている. また, 授業や学校行事の参加にお ても, 屋外で行われるものには, 参加しなくても良いように考慮されており, 環境面での配慮は な り 行 き届 い て い る.. 4) 対. 策. ) XP における医療対策として表5があ げられて いるが6 (表5) , その中で③の社会に対するものと ) 表5 色素性乾皮症における医療対策6. 1‐ 患者自身に対するもの 2‐ 家庭に対するもの. 母親教育、 家庭協力. ③- 社会に対するもの. 交遊 (戸外活動) 就学問題 経済的負担. など. て, 交遊, 就学問題がある. 本症児の, 色素異常があっ て陽に当たれない, すぐに転ぶ, 耳が遠 1 , 知能も遅れているなどの特長が, 子供にとっ て必要な戸外における生活学習や作業学習を不能 し, 必然的に家庭内に閉じこもりがちになり, その結果, 社会性, 適応性に欠け, 警戒心の強い ) 本例も教師 母親に依存する傾向がみられ 格となり, 過保護がさらに助長すると言われている6 , . が, 教師はできるだけ自立できるよう指導している. また, 体育な ど教科によっ ては病弱学級で 導を受けている場合があるが, 原則的に授業は普通学級 (親学級) で受けており, 担任, 養護教 り , 友人らの励ましや援助を得て, 健常人と同じ学校生活が送れるよう配慮されて いた. 本疾患は, 直接生命にかかわる聴下困難などの神経症状, あるいは悪性腫癌が高頻度で発生する め, 主治医は養護教諭に対する要望として, ×P についての知識を持ち, 皮膚癌 の早期発見と神経 状の進行防止のために日常的な患児の観察な ど医療機関 への協力をあ げている. しかし, 本症は 較的稀な疾患であるため, 今回は学校側の正確な知識と情報が不足 している様子がみられた. こ 点を解決するために, 佐藤は, 関係者に疾患をよく理解してもらうためと家族と就学先の責任を } 確にした 「お願い」 を就学先に提出する方法を試みており成果を上 げていると述べている6 . (29).
(9) . 148. 笹. 嶋. 由. 美. また,XP であることによる劣等感や交遊関係上のトラ ブルな ど精神的な問題点について,的確に 把握するためにも, 担任, 養護教諭は患児との人間関係を作り上 げる努力が必要である. -. VI . ま. と. め. 就学期にある XPの生徒に対し, 担任, 養護教諭を含む学校側 が保護者や主治医と協力し合い, 患児がより安全に学校生活を送るために, 遮光のための配慮と環境整備, 日常的な身体的観察と精 神面への支えなどが必要である. 本例においては, 登下校時 (外出時) の移動は, 窓に遮光フィ ルムを貼った車を使用 し, 教室の 窓にも遮光フィ ルムが貼られ, 座席は日光が直接当たらない場所が確保されている. また, 授業については, 体育は病弱学級で能力に応じた内容で行 なっており, 他の授業は, 原則 的に親学級で普通学級と同じ内容の指導を受けている. また, 屋外で行なわれる授業, 行事には参 加せず, かわりに独自の内容の授業やリクリエーショ ンを行なっている. 養護教諭・担任は患児の体調に注意を払い, また, いじめられないように, あるいは孤独になら ないように交友関係に気を配っている. さらに, 自信を持たせるため誉める, 励ますなど精神的側 面への配慮に努めている. 担任・養護教諭は積極的に保護者と連絡をとりあい日常 生活管理を行なっ ており, 特に問題点は ない. しかし, 本症に対する理解と正確な知識の習得について, 医療機関から学校側への働きかけ は必ずしも十分ではなく, 主治医との密接な連携が必要と思われた. 稿を終えるにあたり, 貴重な症例をご紹介いただき, ご協力くださいました大熊崇憲先生 (旭川 医科大学皮膚科学教室) はじめ, お話を伺う機会を与えて下さっ た保護者の方, またT中学校校長, 学級担任, 養護教諭の皆様に厚くお礼申し上 げます.. 参考文献 2 983 347~35 )患者における神経障害, 皮膚科の臨床, 25 1) 御藤良格:A群色素性乾皮症 (×P , ,1 ~ 2 1 9 8 8 0(1) 2 2 7 2) 佐藤吉昭:わが国の色素性乾皮症の現況, 皮膚病診療, 1 , , 3) Kim,Y‐P tosesamong Koreans :Genoderma . ,日皮 会 誌, 96 (4), 318,1986. 9~84 88 4) 佐藤吉昭他:色素性乾皮症患者の取り扱い, 皮膚病診療, 10(1) ,6 ,19 65 6 1 1 3~4 5) 小嶋理一他:色素性乾皮症, 基本皮膚科学1 , 46 ,医歯薬出版, 197 80 1981 1 9 7 1~1 6) 佐藤吉昭:色素性乾皮症と対策, 小児科 MOOK, No . ,1 , 5~2 1 9 88 7) 藤原美定:色素性乾皮症の今日の基礎的問題, 皮膚病診療, 10(1) ,1 ,1 I 9 74 A l M d 8 2 2 ins l × i 0 d L 8) Robb t t r ta J L r n n r l e e : e r o e r r n a e n o s u n p g m . . . ‐ ・ , , ,.. 0) (3.
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