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巻頭言 ─ 紀要第9号・本院創設10周年記念誌合併号の刊行にあたり ─

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Academic year: 2021

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(1)Title. 巻頭言 ─ 紀要第9号・本院創設10周年記念誌合併号の刊行にあたり ─. Author(s). 井門, 正美. Citation. 北海道教育大学大学院高度教職実践専攻研究紀要 : 教職大学院研究紀要 , 9. Issue Date. 2019-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/10421. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 巻頭言 ─ 紀要第9号・本院創設10周年記念誌合併号の刊行にあたり ─ 北海道教育大学教職大学院長 井 門 正 美 . この度、北海道教育大学教職大学院の紀要第9号・本院創設10周年記念誌合併号を発刊する運びと なりました。今回も、前号と同様、紀要と本院創設10周年記念誌との合併号となっています。10周年 記念式典は2017(平成29)年10月に開催されましたが、前合併号の記念誌部分では、速報性を要する 内容として「特集2:創設10周年 教職大学院のこれから」で記念講演「教職大学院のこれから」、記 念シンポジウム「教職大学院の役割と今後の方向性」を掲載しました。今回は、前号で未掲載の学長 挨拶、院長式辞、歴代院長・修了生代表からの祝辞・メッセージ等を掲載しました。ご挨拶いただい た学長始め祝辞等お寄せくださった歴代院長・修了生代表の皆様に、改めて御礼申し上げます。 本誌合併号の紀要部分は、特集論文と自由投稿論文で構成されています。特集テーマは「教職大学 院の可能性−これからの10年を見据えて−」とし、8本の論文が掲載されています。自由投稿論文は 11本が掲載されました。数多くの論文が寄せられたことは誠に喜ばしいことです。各論文については、 今回から本紀要の編集後記において、紀要編集委員長に書いていただくことにしました。 さて、2019(平成31)年度の学長年頭挨拶*1では、大学を取り巻く厳しい状況の中で、本学が置か れている状況と課題4点が示されました。要約しますと、1点目が急速な国立大学改革の中で、本学 がいかなる「強み・特色」の強化・発展を図り、地域・国・世界に貢献するかという点、2点目が教 員養成特別入試(平成31度)の開始と強い教員志望を持つ学生の育成について、3点目が教職大学院 への一本化と専門職を育成する大学・大学院としての組織的研究と大学教員資質能力の向上につい て、4点目が一法人一大学の現体制下で学科を設置している本学の地域貢献と教員養成について、で す。これら4点を一見すれば、教職大学院が重責を担っていることが分かります。私は学長の提示さ れた現状認識と課題を踏まえて、創設から11年が過ぎようとしている本院が組織としてどのような取 組みをなすべきか、について述べたいと思います。 本院では、組織的研究として「命の教育プロジェクト」と「Active e-Learning」を推進しています。 先の1点目及び3点目と密に関わります。前者は、児童生徒の自尊感情の低さ、いじめ、虐待・ DV、自殺など、社会基盤を揺るがす命に関わる問題が発生している状況に鑑み、教職大学院として 2016(平成28)年度から取り組んできました。 昨年(2018)8月31日付けで、文部科学省初等中等教育局児童生徒課と厚生労働省社会・援護局総 務課自殺対策推進室は、連名で「児童生徒の自殺予防に向けた困難な事態、強い心理的負担を受けた 場合等における対処の仕方を身に付ける等のための教育の教材例について」を全国の教育関係機関・ 諸学校並びに都道府県・指定都市自殺対策主幹部(局)に配布しました。このことからも、いわゆる 「SOSの出し方に関する教育」が学校や保健所等を中心にして本格的に推進されると考えられます。.

(3) 私どもはこうした動きを見据えて、自殺総合対策推進センターとの連携を図り、北海道のみならず全 国的な動向を捉えつつ教育研究と実践を推進してきました。すべての人々に、命の大切さ、生きるこ との意味・意義を伝えることを改めて教育の根幹と捉え、研究と実践を展開しています。 本誌紀要部分では、命の教育プロジェクトの一つとして「SOSの出し方を学ぼう」の実践論文が掲 載されていますので、ご一読いただき、論稿末に掲載された資料(スライド、指導案)を使って、多 くの先生方に実践していただければと期待しています。 私どもは3月6日に「命の教育シンポジウム2019−SOSの出し方・気づき方−」を開催します。こ ちらについては、次号にその成果を掲載できればと思います。 次に本院は「Active e-Learning」をテーマとして組織的研究を行っています。本院は、視点・音 声追尾型双方向遠隔授業システムと教職大学院パーソナルポートフォリオ作成システムにより、札 幌、旭川、釧路、函館の広大な範囲にある4校を結んで臨場的にリアルタイムで授業を実践していま す。今日、校種を超えてアクティブラーニングやICT教育が叫ばれていますが、本院は11年前の創設 当初から、このシステムを活用して講義のみならず討論や作業・体験、ワークショップ等による対話 的・協働的な学習を推進してきました。併せて、ポートフォリオシステムにより、教員による教材配 布や課題の提示、院生による質問やレポートの提出等のやり取りなどが、随時できるようになってい ます。 本院ではこうしたシステムを効果的に活用して授業を展開していますが、学級経営・学校経営分 野、生徒指導・教育相談分野、授業開発分野の3つの研究組織ごとに、システムの効果と課題につい ても議論し、課題を克服し、より良い効果的活用方法について報告してもらっています。現在、本院 の研究グループの一つが「教職大学院におけるActive e-Learningの理論と実践−視点音声追尾型双 方向遠隔授業システムの効果的活用方法の探究−」をテーマとして、学長戦略経費(共同研究)を得 て進めています。この研究成果についても、次年度に報告できればと思います。 最後になりますが、本院は、2020年度からコース再編を行います。現在の教職基礎力高度化コース、 教職実践力高度化コース、学校改善力高度化コースの3つのコースから、学校組織マネジメントコー ス、教職キャリア形成・研修デザインコース、子ども理解・学級経営コース、教科指導・授業開発コー スの4つのコースへと改変します。これまでの教職経験の有無や経験年数によるコース編成ではな く、入学者の今日的なニーズを見据えたコース編成となります。さらに、2021年度からは、修士課程 (学校臨床心理専攻を除く)が教職大学院に合流し、大規模化します。今日、教職大学院は合計54大 学(連合大学院も含む)となり、教職大学院が切磋琢磨して各々の個性を発揮する時代に入ったと捉 えられます。このような状況下において改革期・変動期にある本院は、より一層の特色ある質の高い 教育研究と実践を展開しなければなりません。これからさらに組織的研究を推進充実させて、本院の 特色を鮮明にする必要があると考えます。こうした取組が本学全体の「強み・特色」の一翼を担うも のになると確信しています。 (2019年2月14日 記). ───────────────────── *1. 北海道教育大学ホームページ http://www.hokkyodai.ac.jp/intro/h31-newyear.html.

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