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学習回避動機としての「課題コスト」概念化の試み -課題価値理論および関連する心理学的知見をもとに-

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(1)Title. 学習回避動機としての「課題コスト」概念化の試み −課題価値理論およ び関連する心理学的知見をもとに−. Author(s). 伊田, 勝憲; 乾, 真希子. Citation. 釧路論集 : 北海道教育大学釧路校研究紀要, 第44号: 41-48. Issue Date. 2012-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6870. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 釧路論集 -北海道教育大学釧路校研究紀要-第44号(平成24年度) Kushiro Ronshu, - Journal of Hokkaido University of Education at Kushiro - No.44(2012):41-48. 学習回避動機としての「課題コスト」概念化の試み -課題価値理論および関連する心理学的知見をもとに- 伊 田 勝 憲1・乾 真希子2 北海道教育大学釧路校教育心理学研究室1・学校法人緑ヶ岡学園武修館中学校2. An attempt to conceptualize ''task-cost" as study-avoidance motive: Based on the subjective task value theory and related psychological findings. Katsunori IDA1, Makiko INUI2 Department of Educational Psychology, Kushiro Campus, Hokkaido University of Education1 Midorigaoka Gakuen Bushukan Junior High School2. 要旨:これまでの学習意欲(学習への動機づけ)に関する研究では, 「学習する理由」に焦点が当てられてきたが,近年は「学 習しない理由」すなわち学習回避動機に着目する研究が見られる。本稿では,テスト不安や成功恐怖といった古典的な学 習回避動機とは異なる新しい学習回避動機として,学習以外の活動との関係や友人関係の要因等に注目している研究を概 観し,学習回避に至るメカニズムについて自己の発達という側面から解釈を試みた。その上で,課題価値研究で取り上げ られていたコスト(負の価値)の考え方を敷衍し, パーソナリティ発達の視点から見た学習回避動機として「課題コスト」 の概念化可能性を検討した。加えて,学習回避動機研究の今後の課題として,学習しないことがもたらす幸福感とその解 釈上の問題点,学習領域への同一化という視点,経営学・経済学的視点から見た各種コスト概念の動機づけ研究への適用 可能性等について論じた。. 1.従来の学習回避動機に関する研究. 習不安が高い者は学習意欲も同時に高いことが指摘されて. 学習しようという意欲を「学習接近動機」と呼ぶなら. おり,動機づけが高いがゆえの緊張感に伴う不安と考えら. ば,学習しないという意欲は「学習回避動機」と呼ばれ. れる。その後,杉村・清水(1989)は,小学生を対象に「学. る。従来の動機づけ研究では前者に圧倒的な重点が置かれ. 習接近動機」(なぜ勉強するのか)と「学習回避動機」 (ど. ており,後者はあまり注目されてこなかったのが現状であ. んなときに勉強がいやになるか)の質問紙尺度を開発し,. るが,実際の学習場面では両者が共存・拮抗し, 「やるべ. さらに杉村・北村(1990)によって学習回避動機尺度の因. きだとわかっているが,何事も始めるのが億劫」 「やりた. 子分析が行われている。その結果,学年によって因子構造. い気持ちはあるけれど,本当に苦労してやるだけの価値が. は異なるものの,当てられて答えを間違えたとき,先生に. あることなのだろうか」といった葛藤として自覚されるこ. 叱られたとき,宿題を忘れたときなどに勉強がいやになる. とが多いだろう。そして近年,いわゆる「学力低下」「学. という「叱責とその予期」 ,先生の機嫌が悪いとき,手を. 習意欲低下」の議論に関連して,単に学習意欲が乏しいの. あげても当ててもらえなかったときなどに勉強がいやにな. ではなく, 「あえて学習しない」 「学習しない方がよい」と. るという「教師のあり方」,問題が難しいとき,宿題が多. いう積極的な理由が存在するのではないかという見方が提. いとき,授業がわからないときなどに勉強がいやになると. 起され,新たな視点から「学習回避動機」が注目されてき. いう「学習の困難性」といった内容が見られた。この学習. ている。. 回避動機尺度を用いた杉村・北村・鈴木・多喜(1990)の. 小方(2004)は,努力を最小限にし,困難な課題を回避. 調査結果では,学習回避動機と学習意欲の間に負の相関が. する傾向を指す「学習回避志向性」の概念に着目し,主に. 認められており,1970年代までに注目されていた高い学習. 1980年代以降の国外における目標志向性の研究を展望して. 意欲に伴うようなテスト不安や学習不安とは異なった文字. いる。関連する概念としては,杉村・藤田(1971)にある. 通りの「学習回避志向性」が捉えられるに至ったと言える。. 「学習不安」の概念が挙げられる。古くは「テスト不安」. 2.近年における学習回避動機研究の概観. と呼ばれていた内容を含んでいるもので,テストで悪い成. 「学習すべきだとわかってはいるが不安」という意味で. 績を取らないか,そのことで教師や親から叱られないかと. のテスト不安や学習不安, 「学習した方が良いだろうけれ. いった不安を指すものである。当然のことながら,この学. ども,正直なところ面倒くさい」 「必要最小限の努力で済. - 41 -.

(3) 伊 田 勝 憲・乾 真希子 ませたい」という意味での学習回避志向性といった研究の. い状態を指すと言うことができよう。仮に学習すること自. 流れについて上述した。これらに加えて近年は,もっと積. 体にそれなりの価値が認められていても,それ以上に価値. 極的に学習を回避・拒否する態度,すなわち「学習しない. を持つ他の事柄があれば,より価値の高い事柄に時間とエ. 理由」に注目する研究が見られるようになってきた。. ネルギーを集中して投入すべきという判断になるだろう。. 倉住(2008)は,子どもたちが学習に対して意欲的にな. 『日経サイエンス』2004年7月号に掲載されたB.シュワル. れない原因は, 「学習する理由」がないからだけではなく,. ツ氏の「豊かさが招く不幸」と題したレポートが象徴的で. 「学習しない理由」が存在するからであるという視点を提. あるが,選択肢の数が増えるほど不幸になるという逆説も. 起し, 「あなたが5教科(国数英理社)の勉強や宿題をしな. 機会費用の観点から見れば納得できる。例えば,AとBの. い時,その理由は何ですか」という教示により,学習回避. 2つしか選択肢がない場合,Aを選んだ場合の機会費用は. 動機を尋ねた。因子分析の結果,勉強はおもしろくない. Bを選んでいた場合に得られる利益だけであり,とりあえ. からという「課題への否定的認知」 ,どのように勉強した. ずAで納得するしかないという諦めも容易である。これが. らよいのかわからないからという「学習法および能力の欠. ABCDE……XYZと選択肢が並んでいた場合,仮に同じA. 如」,授業だけで理解できるからという「優秀さ」 ,勉強よ. を選び取ったとしても,今度はB ~ Zのすべてが機会費用. りも楽しいことがあるからという「他の活動への没頭およ. として重くのしかかってくることになり,後悔の種は尽き. び誘惑」 ,勉強しなさいと言われるとつい反抗したくなる. ないという事態に至る。Aから得られる利益は同じであっ. からという「統制力に対する反発心」 ,周りと仲良くする. ても,そのありがたみが薄れてしまったり,Aではない方. ためには勉強しない方がよいから,がんばって勉強するの. が良かったのではないかという不安が高まったりするわけ. は恥ずかしいことだからという 「周囲の否定的評価認知」,. である。この見方を敷衍するならば,学習に打ち込む以外. 家の中が落ち着かず勉強できる環境にないからという「学. の様々な活動領域が選択肢として用意されている現在,学. 習環境の不全」 ,部活や習い事などがあるため勉強する時. 習活動を選択することの機会費用が大きく増大しているこ. 間がとれないからという「多忙」 ,勉強する時間が無駄に. とになる。. 感じるからという「学習に対する価値づけの低さ」の9因. 2つ目の共通点としては,倉住の「周囲の否定的評価認. 子が見出された。. 知」と松岡の「本質的価値否定」の中に見られる友人との. また,松岡(2009)は,大学生を対象として学習回避の. 関係性である。学習に取り組むことで友人から否定的に見. 動機づけに焦点を当て,否定的学習価値観尺度を作成し,. られ,関係が悪くなって友人を失うことが危惧される状態. 因子分析を行った。その結果,大学の勉強そのものに価値. と考えられるが,これは1つ目の「他の事柄」をより具体. はない,いっしょうけんめい勉強するのは孤独でさびしい. 的に示したものと見ることもできよう。すなわち,学習よ. 人だ,勉強したことは日常生活の役には立たない,勉強ば. りも友人関係の方が優先順位は高いということである。土. かりしていると頭が高くなる,あまり勉強しすぎると友達. 井(2008)の「友だち地獄」や斎藤(2009)の「友だちい. から嫌われてしまいそうだといった「本質的価値否定」 ,. ないと不安だ症候群」といった書名中の表現に象徴される. 勉強して人から認められない(逆転項目) ,勉強しておか. ような子どもたちの状況からすれば想像に難くない学習上. ないと将来いい仕事につけないと思う(逆転項目)といっ. のコストであると考えられるが,周囲からの評価を恐れて. た「社会的価値否定」 ,テストの成績が悪くても社会で成. 課題に取り組みにくくなる現象としては,「成功恐怖」 「成. 功することはできる,勉強しなくても見識のある人間には. 功回避動機」が思い起こされる。もともとは,女性特有の. なれる,学校での成績がいいからといって将来経済的によ. 動機として注目され,知的側面での成功によって社会的ス. い生活ができるとは限らない,今の自分には勉強のほかに. テレオタイプから逸脱し,社会から拒絶されるのではない. やるべきことがたくさんあるといった「価値の相対化」の. かという恐れや不安を指しているものである(岡島・桜井・. 3因子が見出された。そして,いずれの因子についても学. 勝倉,1983)。しかしながら,藤岡・高橋(1991)では,. 習時間との関連が見出され,学習時間の短い学生ほど否定. 日本の高校生と大学生を対象に調査した結果,成功回避動. 的学習価値観を強く持っていることが示唆された。. 機には性差が認められなかったことが報告されていること. . から,現代では性別に関わらず,学習に取り組む人を否定. 3.新たな学習回避動機の特徴. 的に評価する状況が広がっていることが背景として推測さ. 上述した倉住(2008)と松岡(2009)の研究には,いく. れ,その内容は松岡の「価値の相対化」に見られる学習以. つかの共通点が見られる。1つには,倉住の「他の活動へ. 外の事柄を人生の成功要因として重視する風潮に表れてい. の没頭および誘惑」と松岡の「価値の相対化」に見られる. ると考えることができる。さらに,岡本(1999)は,大学. ような学習以外の活動との関係性である。すなわち,生活. 生を対象とした調査結果から,男性は親友や恋人などの自. 全体における学習の優先度が低く,学習活動に時間とエネ. 分と親密な相手を負かして成功した場合に成功恐怖が高く. ルギーを費やすと他の事柄で得られるはずだった利益が犠. なり,女性は恋人を負かす場合に成功恐怖が高まること,. 牲になると感じられている状態が考えられるのである。こ. 加えて男性は失敗の恐れをもつ場合に成功に対して逃げ腰. れは,経済学における機会費用(opportunitycost)が高. になることなどを指摘している。すなわち,典型的な成功. - 42 -.

(4) 学習回避動機としての「課題コスト」概念化の試み 恐怖においては,成功したい気持ちと成功への恐れという. とへの意欲が高い)わけである。. アンビバレントな感情が伴うものだが,一方で,成功回避. こう考えると,学習回避をさらに加勢する要因が見えて. 動機に失敗回避動機が含まれうること,換言すれば,失敗. くる。それは,一度投入したら二度と回収できない類のコ. 回避動機を背景に成功への懐疑的な態度が生じ,学習の価. スト,つまり「埋没費用(sunk cost) 」の存在である。あ. 値の否定に至るケースもあることを考慮する必要があると. る対象に相当の時間や資金を投入してきた場合,仮にその. 言える。. 対象への投資が失敗であることが明白になり,すぐにでも 中止する決断をすべきであったとしても, 「これまでの投. 4.学習回避動機と自己との関係. 資が無駄になるからもったいない」 「今までこれだけやっ. 従来, 「成功恐怖」 「成功回避動機」そして学習の価値. てきたんだから,今さらやめられない」などと考えて事業. が否定される場面として注目されてきたのは,文化的な. 継続(投資継続)し,結果として新たな投資分がさらな. マイノリティに関する研究においてであった。Rodgers &. る損失となる(加えて,事業停止して他の新しい事業に投. Summers(2008)の展望では,アフリカ系アメリカ人の. 資していた場合に得られていたはずの機会費用まで増大す. 学生にとって,学業的成功が彼ら自身の民族的および人種. る)というケースは経済学で広く知られている。すでに投. 的グループへの同一化を犠牲にする可能性について言及さ. 資した時間や資金は,過去にさかのぼって取り戻すことが. れている。例えば,Cokley(2001)の調査によると,ア. できないので,埋没した費用(コスト)ということになり,. フリカ系アメリカ人の男性は,強い民族アイデンティティ. 文字通り「損失」として確定させた上で,新たな対象に投. を有するほど学業成績が低いという結果が得られている。. 資先を切り替えるのが合理的な判断ということになる。. 一方で,女性の場合には逆に強い民族アイデンティティが. これを積極的学習回避動機に当てはめてみるならば,今. 高い学業成績と相関することが見出されており,性別によ. まで学習以外の領域に時間とエネルギーを費やしてきたの. る交互作用が見られている。その後,学業的自己概念,白. で,仮に今からでも学習に取り組むことが自分にとって利. 人への態度,学生と教員との関係性を含めた研究が展開さ. 益をもたらす可能性が高いと薄々感づいたとしても,「今. れており(Cokley & Chapman, 2008) ,成績に直接的な. さら学習以外の対象から抜け出すわけにはいかない」「こ. 影響を及ぼすのは学業的自己概念と学業的成功への価値づ. れまで遊んできたことが無駄になる」 「友達とのコミュニ. けであること,そして民族的アイデンティティが学業的自. ケーションを第一にしてきたのだから裏切るなんてできな. 己概念に正の影響を与えると同時に,学業的成功への価値. い」といった形で,埋没費用に惑わされる事態が想定され. づけには負の影響を与えているという間接的な影響が指摘. るわけである。特に学習以外の特定の領域に深く同一化さ. されている。. れている場合,その思い入れの強さの分だけ埋没費用の効. ちなみに,教員養成課程の学生を対象に調査した伊田. 果が大きくなるだろう。マイノリティにとっての民族アイ. (2003)では,教職第一志望の群においてアイデンティ. デンティティと同様に,学業的成功が自分のアイデンティ. ティと教職科目への価値づけ(将来の職業実践に役立つと. ティを壊す(これまで学習以外の領域に投入してきた時間. いう「実践的利用価値」 )との間に正の相関が見られ,非. とエネルギーを否定する)ことになるならば,学習回避を. 第一志望の群では有意な相関が見られなかった。上記のア. 促進する効果をもたらすと考えられる。. フリカ系アメリカ人に関する知見と重ねるならば,アイデ ンティティの具体的な内容(生き方, 価値観, 将来目標等). 5.動機づけに関するコスト研究の概観. と現在の学習領域の内容が葛藤しない場合,両者は正の関. ここまで,学習回避に関わる研究の動向を概観してきた. 係になると考えられるが,逆に,アイデンティティと学習. が,いずれにしても学習に取り組むことに何らかのコスト. 内容が葛藤する場合,そのアイデンティティが明確である. が発生している状況として捉えることができるだろう。動. ほど価値づけの低下(脱価値化)もまた強くなると考えら. 機づけ研究の中で「コスト」の概念に注目してきた数少な. れる。. い枠組みが,Eccles & Wigfield(1995)の主観的課題価. こうした視点から現代の「学習回避動機」を解釈するな. 値(subjective task value)の理論である。課題価値とは,. らば,学習することへの同一化を妨げる状況が社会に広. 目の前にある学習課題に取り組むことにどのような価値が. がっていること,そして同時に,学習以外の領域に同一化. あると学習者が考えているのかに着目する概念である。 「主. がなされていると推察される。すなわち,単に学習するこ. 観的」というのは,あくまで学習者自身が価値を見出して. とが面倒くさいという「消極的学習回避動機」にとどまら. いるかに着目する視点を示すものであり,世間一般におい. ず,学習しないことが理想であるという「積極的学習回避. て価値あるとされているかどうかはいったん別問題と考え. 動機」とでも呼ぶべき状態が生じているのかもしれない。. るためである。見田(1996)によると,価値とは「主体の. あえて表現を単純化するならば,前者が「やる気満々」の. 欲求を満たす客体の性能」と定義されるが,課題価値に当. 対極にある「やる気がない」 「学習意欲が低い」状態だっ. てはめるならば,主体は学習者,客体は学習課題というこ. たのに対して,後者は「やらない気満々」の状態である。. とになり, 「学習者の欲求を満たす学習課題の性能」とな. 学習しないことへの意欲が高い(少なくとも学習以外のこ. る。したがって,学習者の側に何らかの欲求が存在しない. - 43 -.

(5) 伊 田 勝 憲・乾 真希子 限り,課題価値は生じないことになる。. には十分な注意が払われてきたとは言い難い。Eccles &. ちなみに,課題価値という表現を用いている研究は. Wigfield(1995)では,課題の困難度および必要な努力量. Eccleら以外にも見られる。例えば,Pintrich & De Groot. という側面から測定項目が作成され,それを参考として伊. (1990)が自己効力感やテスト不安と並べて内発的価値. 田(2001)が課題価値測定尺度開発の一環として項目化を. (intrinsic value) を 取 り 上 げ て い る ほ か,Wolters &. 試みている(TABLE 1) 。課題価値との関連は,価値の内. Pintrich(1998)においても9項目から成る課題価値とい. 容によって異なっており,楽しさやおもしろさを感じると. う名の下位尺度が構成され,有用性(instrumentality). いう興味価値とは負の相関を示す一方,将来の職業実践に. と興味(interest)から成ると述べられている。ただ,複. 役立てたいという利用価値とは正の相関を示すなど,単純. 数の構成要素があるとしながらも,操作的には価値を一次. に「負の価値」とも言い難い結果が得られていた。しか. 元的に測定している点に限界が見られる。その点,Eccles. し,逆に言えば,課題価値とコストが共存できる可能性を. らは,学習することの楽しさやおもしろさを意味する興味. 示しているとも考えられ,こうした課題価値とコストとの. 価値(interest value) ,当該課題における取り組みおよび. 葛藤に焦点を当てる研究が求められているのだろう。最近. 成功が望ましい自己スキーマの獲得につながるという認知. では,Chen & Liu(2009)が中国の大学生における体育. を指す獲得価値 (attainment value) , 将来のキャリア・ゴー. への課題価値とコストを検討し,カリキュラムに対する落. ルに関連する利用価値(utility value) ,そして負の価値. 胆や馴染みのない文脈,信頼できない教師といった要因を. とも言えるコスト(cost)の計4つの概念を挙げているの. コストとして捉えている。そして,コストの認知に関わら. が特徴である。. ず,興味価値以外の課題価値については有意差が見られて. その後の研究では,3つの価値に重点が置かれ,コスト. いない点が注目される。. TABLE 1 課題の困難度および必要努力量に関する項目(伊田,2001) 自分は、かなり一生懸命に学習しないと、この授業の内容を理解できないと思う。 この授業の内容を理解することは、自分にとって難しいことだと思う。 自分には、この授業で扱われている内容のレベルが高いものだと感じられる。 この授業科目の内容は、自分が受けている他の科目と比べて、難しい方に入ると思う。 この授業で、自分が100点満点中の80点以上の成績を取るには、かなりの努力が必要だと思う。 この授業では、他の授業の場合よりも、内容の理解に時間をかける必要があると思っている。. TABLE 2 課題コスト尺度項目(伊田,2011) 脱価値化 この授業の課題に取り組むのは,時間の無駄であるように感じる。 この授業の課題に全力で取り組むような人は,本当にくだらないと思う。 この授業の課題に取り組むのは,愚かなことだと思う。 この授業の課題に一生懸命取り組む人は,人間的に魅力がないと思う。 この授業の課題に取り組むことには,何の価値もないと思う。 この授業の課題には,時間とエネルギーを使うだけの意味を見出すことができない。 この授業の課題ができたところで,何もいいことはないように思う。 この授業の課題に取り組んでも,自分の力量は高まらないと思う。 知ることのおそれ この授業の課題に取り組むと,だんだん不安になってくることがある。 この授業の課題に取り組むと,自分の弱点が明らかになって落ち込む。 この授業の課題に取り組むと,自分の能力の限界を思い知らされるように感じる。 この授業の課題に取り組むと,自分の知りたくなかった真実を知ることがある。. - 44 -.

(6) 学習回避動機としての「課題コスト」概念化の試み 6.パーソナリティ発達から見た課題コスト概念. (5下位尺度)との間には,脱価値化が概ね負の相関が認. コストの概念は,課題価値に対置される負の価値という. められ負の価値としての側面が捉えられていると思われる. 側面と同時に,共存可能性も想定されるものである。単に. のに対し,知ることのおそれは一部の価値で正の相関が認. 課題の難しさや必要な努力量といった内容にとどまらず,. められ,成長への志向性に伴う「適応的な不安」とでも呼. 先に述べてきたような学習以外の領域との関係性によって. ぶことができる側面を捉えている可能性も示唆された。今. 発生する現象を見通した概念化が必要である。ここでパー. 後,コストが小さければ良いと言えるのかどうか,受容可. ソナリティ発達に関わる概念を整理しておきたい。. 能なコストと学習回避につながりやすいコストの内容があ. 1つは,Erikson(1959)が述べている「選択の回避」. るのか,あるいは同じ内容のコストでも学習者の目標と学. (avoidance of choices)である。心理社会的発達の漸成. 習内容との関係性によって受容できるか否かが異なる可能. 図式において青年期に露呈すると考えられている同一性拡. 性など,詳細な検討が必要である。. 散の部分症候のうち,第Ⅳ段階(学童期)の「勤勉性対劣 等感」の心理社会的危機に由来する「労働麻痺」ないしは. 7.学習回避動機研究の現在と今後の方向性. 「勤勉性の拡散」に対応するものである。職業レディネス. 学習回避の研究は最近さらに広がりを見せている。倉. 尺度(下村・堀,1994)に見られる「非選択性」はまさに. 住・櫻井(2011)では,親および教師との親密性の高低,. 職業選択を回避している状態として描かれていると言える. 親および教師の価値観が中学生の学習意欲に及ぼす影響に. だろう。大学生の学業遅延傾向について取り上げている谷. ついて検討し,親との関係が親密な場合は親の価値観が子. (2008)は,選択を回避することで自分自身の可能性を保. どもにそのまま反映される傾向にあるが,親との関係が親. 持しておこうという心理を指摘している。何もしない(自. 密ではない場合,たとえ親の価値観が学習を志向していて. 分が変わらない)ことによって,いわゆる幼児的万能感を. も,生徒は学習の価値を否定することが見出されている。. 維持するかのような現象として解釈できるかもしれない。. また,教師との関係についても同様のことが言えるが,特. こうした万能感を失う苦痛(コスト)を回避することは,. に教師との関係が親密でない場合には,教師が学習への価. 結果として進路実現に必要な学習課題に取り組むことの回. 値を強調すればするほど生徒は反発するという交互作用が. 避(何を学ぶかという選択の回避)を伴い,長期的に見れ. 見出されている。こうした対人関係上の要因は,親や教師. ば大きな痛手となることが考えられる。. と並んで(あるいはそれ以上に)友人にも当てはまる部分. 2つめは,Maslow(1968)の「知ることのおそれ」である。. があるのかもしれない。友人からネガティブな評価を受け. 本来,知ることを欲することが自己実現につながると考え. る懸念が学習回避につながる心理的なコストとしてどのく. られるが,真実を知ることによって自尊心が傷つけられる. らい大きなものなのか,実証的な研究を含めて今後の展開. ような場合や新たな責任が発生することで義務感が生じる. が期待される。. ような場合など,成長それ自体を避けようとする側面もあ. また,倉住(2011)では,幸福追求的well-beingと学習. ることが指摘されている。Maslowによると,知ろうとす. 回避動機との関連が検討され, 「他の活動への傾倒」が正. る欲求には「不安解消のための知識と成長のための知識」. の関連を持つこと,すなわち,学習よりも大事なことがあ. の獲得という両方があると考えられるが,知識の獲得が不. るという理由で学習を回避している者は,主観的な幸福感. 安を招く場合には学習が回避されると考えられる。. が高い傾向にあることが示されている。教育者側の視点か. 3つめは,Kernberg(1976)によって境界性人格障害と. ら見た場合,学習回避ということ自体が問題視される現象. の関連から注目されている原始的防衛機制である「脱価値. と考えられるが,子ども自身から見た場合には何ら問題と. 化」が挙げられる。社会学の視点からは,上野(2005)に. は感じられておらず,むしろ肯定的な現象として自己評価. おいて述べられているアイデンティティ管理の発想やその. がなされていると読むこともできる。. 中に登場する「補償努力」や「価値剥奪」も概念的に重な. ただし,果たして本人が適応的であると感じていればそ. る。価値剥奪は,自らを変えないまま,より相対的に弱者. れでよいのか,高すぎる自己愛が病的であるのと同様に,. である社会的カテゴリーの人々の価値を奪うことによって. 学習回避によって得られる幸福感も単に高いということを. 自らの社会的アイデンティティを相対的に高める「差別」. もって望ましいと考えるわけにはいかない問題を含んでい. 化戦略である。また,速水(2006)の提唱する仮想的有能. るように思われる。Erikson(1959)における第Ⅳ段階(児. 感(他者軽視)の概念も類似の文脈で解釈することが可能. 童期) 「勤勉性対劣等感」の記述の冒頭に出てくる「私は. である。. 学ぶ存在である (I am what I learn.) 」 という表現からも,. こうした関連概念を参考に,伊田(2011)は,大学生を. 特に青年期以降のアイデンティティ確立の土台として,. 対象として「課題コスト尺度」の作成を試み, 「脱価値化」. 学ぶことを抜きにはできないだろう。伊田(2008,2009). と「知ることのおそれ」の2因子を抽出した(TABLE 2) 。. が論じているように,速水(2006)の指摘する仮想的有. あくまで課題価値研究の一環としての課題コスト概念を想. 能感の背景要因として,Eriksonの第Ⅳ段階における勤勉. 定したため,負の価値として捉えやすい脱価値化に偏った. 性の獲得失敗,すなわち劣等感の増大が考えられ,Adler. 内容となっている点は否めない。課題価値測定尺度30項目. (1929,1930)の指摘する劣等コンプレックスさらには優. - 45 -.

(7) 伊 田 勝 憲・乾 真希子 越コンプレックス(人の上に立たないと気が済まない)に. 択肢の方を好む) ,損失回避性(利得よりも損失により大. 至ることが考えられる。これが学業領域の脱価値化をもた. きく反応する) ,選考の逆転(時間的展望の長短による影. らしているとするならば,学習回避を伴っているような幸. 響),最適化コスト(最適解を求めるための計算コスト) ,. 福感や適応感もまた「仮想的適応感」である可能性を考え. 利己的・利他的な動機といった視点が紹介されており,学. ないわけにはいかない。. 習行動への動機づけ研究にも応用可能性のあるものとして. ここであらためて,学習者としてのアイデンティティを. 注目される。. いかに確立するか,学業領域への同一化を促進する条件は. 曖昧さへの態度に着目した西村(2007)によると,見捨. 何か,課題価値を高める要因は何かといった問題に焦点を. てられ不安と親密性回避の強い愛着スタイルである「とら. 当てる必要があるだろう。Osborne & Jones(2011)は,. われ型」において曖昧さへの不安が高いことが見出されて. 学業領域への同一化の促進要因として,学業領域において. おり,乳児期からの発達や対人関係が課題価値やコスト受. 生徒をエンパワメントすること,学業領域の有用性を示す. 容に関連する可能性も考えられる。また,Eriksonの第Ⅴ. こと,学業における成功を支援すること,学業における生. 段階(青年期)における部分症候である「時間展望対時間. 徒の興味を喚起し支えること,そして学業領域における帰. 拡散」が第Ⅰ段階(乳児期)における「基本的信頼感対不. 属意識を促進することの5点を挙げている。この知見を学. 信」の心理社会的危機に由来する形で図式化されており,. 習回避動機の文脈から読み直すならば,学業の脱価値化が. 時間的展望の長短による選考の逆転についても発達課題と. 著しい状況というのは,エンパワメントされておらず,学. の関連から検討しうるテーマであるように思われる。最適. 業の有用性が示されておらず,成功が支援されず,興味も. 化コストもまた,最適な学習方略にこだわること自体がリ. 喚起されず,帰属意識が大切にされていない環境であるこ. スクになりうるという点で,学習を躊躇あるいは回避する. とが推測される。この同一化,アイデンティティ,特に学. 理由の1つになりうるだろう。利他的動機の可能性は苅谷. 習者としての「私は学ぶ存在である」というアイデンティ. (2005)によっても示されており,学習のコストを自ら引. ティ確立を軸とすることによって,学習者とその周囲・環. き受けて他者の利益を追求する(学習の成果を他者に還元. 境との関係性を含めた形で,課題価値と課題コストの両面. する)こと,それを自らの喜びとすることの条件を探るこ. を統合的に捉える研究の枠組みが構築できるのではないか. ともテーマの1つになりうる。. と考えられる。. さて,本稿のテーマは「学習回避動機」 「課題コスト」 であり,いわば「学びからの逃走」を動機づけの視点から. 8.周辺領域の知見を見通した課題コスト研究へ. 捉えるための概念的枠組みの構想であった。そして,学習. 関連して,本稿では十分に取り上げることができなかっ. 領域からの逃走を考える場合には,その逃走先である学習. た研究動向として,経営学的視点からの動機づけ研究,特. 以外の領域を視野に入れることが求められているわけであ. に「動機づけコスト」の概念が注目される。松村(2006,. る。一方で,コストの視点は双方向的なものであり,一般. 2012)は, エージェントの動機づけ(特に内発的動機づけ). に「学習意欲が高い」 「やる気満々」と言われるような状. を高めるためのコストを「動機づけコスト」と呼び,従来. 態の中には,他の領域におけるコストが大きすぎて,まだ. の外発的動機づけに対応する金銭的報酬というコストとは. 学習領域の方が良いと感じて「学びへの逃走」に至ってい. 別に,内発的動機づけのコストという発想からモデルを構. るケースもあるのかもしれない。議論の範囲が大きく広が. 築している。学校教育の文脈に置き換えるならば,児童・. り過ぎたが,今後の実証的研究において焦点を絞りながら. 生徒の動機づけをいかに高めるか,外発的動機づけを高め. 取り上げたい。. るための目に見える報酬とも言える成績評価以外の,内発 的動機づけを高めるためのコスト (教材の工夫, 言葉かけ, キャリア的視点からの有用性の強調等)という考え方にな. 引用文献. るだろう。これは上述したOsborneらの同一化促進要因が. Adler, A. (1929).The Science of Living .(岸見一郎(訳) ・. 内容的に重なるだろう。さらに,近年注目されている自己. 野田俊作(監訳)(1996).個人心理学講義―生きるこ. 調整学習(Self-Regulated Learning)の発想から松村の. との科学― 一光社). 概念を敷衍するならば,自分自身の動機づけを高めるため. Adler, A. (1930). The Education of Children . Gateway.. の「動機づけコスト」すなわち「動機づけ自己調整コスト」. (岸見一郎(訳)(1998).子どもの教育 一光社) Chen, A., & Liu, X. (2009). Task values, cost, and choice. といった切り口も考えられるかもしれない。. decisions in college physical education. Journal of. 同時に,非合理的な人間行動に目を向け,心理学との融. Teaching in Physical Education , 28, 192-213.. 合が志向されている行動経済学においても,コスト回避 の視点で示唆に富む視点が多数見られる。例えば,多田. Cokley, K. O. (2001). Gender differences among African. (2003)では,曖昧性の回避(ambiguity aversion:効用. American students in the impact of racial identity. が無限大であるがその確率が不明である選択肢よりも,低 い効用ながら一定の確率で得られることが判明している選. - 46 -. on academic psychosocial development. Journal of. College Student Development , 42, 480-487..

(8) 学習回避動機としての「課題コスト」概念化の試み Cokley. K. O., &Chapman, C. (2008). The roles of ethnic. Maslow, A. H. (1968). Toward a psychology of being .(2nd. identity, anti-white attitudes,and academic self-. ed.). Princeton, N.J. : Van Nostrand.(上田吉一(訳). concept in African Americanstudent achievement.. (1998). 完全なる人間―魂のめざすもの― 第2版 . 土井隆義 (2008).友だち地獄: 「空気を読む」世代のサバ. 松村良平 (2006). 内発的動機付けと動機付けコスト概念. Social Psychology of Education , 11, 349-365.. 誠信書房) について 経営論集(東洋大学経営学部), 68, 17-. イバル筑摩書房 Eccles, J. &Wigfield, A. (1995). In the mind of the actor: The structure of adolescents' achievement task. values and expectancy-related beliefs. Personality and Social Psychology Bulletin , 21, 215-225. Erikson, E. H. (1959). Identity and the Life Cycle . New York : Norton.(小此木啓吾(訳編)(1973). 自我同 一性 誠信書房) 藤岡秀樹・高橋久美子 (1991). 成功回避動機についての 研究 岩手大学教育学部附属教育実践研究指導セン ター研究紀要, 1, 145-164. 速水敏彦 (2006).他人を見下す若者たち 講談社 伊田勝憲 (2001). 課題価値評定尺度作成の試み名古屋大 学大学院教育発達科学研究科紀要 (心理発達科学), 48, 83-95. 伊田勝憲 (2003). 教員養成課程学生における自律的な学 習動機づけ像―自我同一性,達成動機,職業レディ ネスと課題価値評定との関連から―教育心理学研究, 51, 367-377. 伊田勝憲 (2008). エリクソンの第Ⅳ段階「勤勉性」と第 Ⅴ段階「アイデンティティ」―児童期から青年期への 移行と仮想的有能感― 心理科学, 28(2), 28-41. 伊田勝憲 (2009). エリクソンの第Ⅳ段階“industry”再 考―劣等感と仮想的有能感の関係から― 心理科学, 30(1), 31-43. 伊田勝憲 (2011). 課題コスト尺度作成の試み―学習を回 避する負の価値づけと課題価値との関連― 日本パー ソナリティ心理学会第20回大会発表論文集, 54. 苅谷剛彦 (2005).「学ぶ意味」をどう再生するか 苅谷剛 彦・西 研(著)考えあう技術―教育と社会を哲学す る― 第四章 ちくま新書 pp.249-266. Kernberg, O.F. (1976). Object relations theory and clinical psychoanalysis . N.Y.: Jason Aronson.(前田 重治(監訳)(1983). 対象関係論とその臨床 岩崎学 術出版社) 倉住友恵 (2008).学習への動機づけに対する新たな視点の 提案―中学生における学習回避動機(学習しない理 由)にプロセス検討― 日本パーソナリティ心理学会 第17回大会発表論文集, 220-221. 倉住友恵・櫻井茂男 (2011). 親・教師・友人との親密さ とその他者が有する価値観が学習動機に及ぼす影響: 学習する理由・学習しない理由の2視点からの検討 日本教育心理学会第52回総会発表論文集, 529. 小方涼子 (2004).学習回避志向性に関する研究の動向につ いて 学習院大学文学部研究年報, 51, 207-219.. 33. 松村良平 (2012). 一般関数モデルによる動機付けコスト 問題の分析 経営論集(東洋大学経営学部), 79, 113-123. 松岡陽子 (2009). 大学生の学習回避と否定的学習価値観 日本パーソナリティ心理学会第18回大会発表論文 集, 74-75. 見田宗介 (1996). 価値意識の理論―欲望と道徳の社会学 ― 弘文堂 西村佐彩子 (2007). 曖昧さへの態度の多次元構造の検 討:曖昧性体制との比較を通して パーソナリティ研 究, 15, 183-194. 岡島京子・桜井茂男・勝倉孝治 (1983). 成功恐怖概念の 検討と測定尺度の作成 筑波大学心理学研究, 5, 5965. 岡本直子 (1999). 親密な他者の存在と成功恐怖の関係に ついて 教育心理学研究, 47, 199-208. Osborne, J. W., & Jones, B. D. (2011). Identification with academics and motivation to achieve in school: how. the structure of the self influences. Educational Psychology Review , 23, 131-158. Pintrich, P. R., & De Groot, E. V. (1990). Motivational and self-regulated learning components of classroom academic performance. Journal of Educational Psychology , 82, 33-40. Rodgers, K. A., & Summers, J. J. (2008). African American students at predominantly white institutions: a motivational and self-systems approach to understanding retention. Educational Psychology Review , 20, 171-190. 齋藤 孝 (2009). 友だちいないと不安だ症候群に効く授 業。朝日文庫 Schwartz, B. (2004). 豊かさが招く不幸 日経サイエン ス 2004年7月号 pp.57-63. 下村英雄・堀 洋道 (1994). 大学生の職業選択におけ る情報収集行動の検討 筑波大学心理学研究, 16, 209-220. 杉村 健・藤田 正 (1971). 児童の学習不安と学習動機 奈良教育大学教育研究所紀要, 7, 101-107. 杉村 健・北村 隆 (1990). 学習回避動機尺度の作成と 妥当性の検討 奈良教育大学教育研究所紀要, 26, 35-41. 杉村 健・北村 隆・鈴木常葉・多喜裕美 (1990). 小学 生における学習回避動機と学習意欲の研究 奈良教育. - 47 -.

(9) 伊 田 勝 憲・乾 真希子 大学教育研究所紀要, 26, 43-53. 杉村 健・清水益治 (1989). 小学生における学習動機の 分析 奈良教育大学教育研究所紀要, 25, 69-77. 多田洋介 (2003). 行動経済学入門 日本経済新聞社 谷 冬彦 (2000).大学生における同一性危機と学業的遅延 傾向 日本教育心理学会第42回総会発表論文集, 665. 谷 冬彦 (2008). 自我同一性の人格発達心理学 ナカニ シヤ出版 上野千鶴子 (2005). 脱アイデンティティの理論 上野千 鶴子(編)脱アイデンティティ 序章 勁草書房 pp.1-41. Wolters, C. A., & Pintrich, P. R. (1998). Contextual differences in student motivation and self-regulated learning in mathematics, English, and social studies classrooms. Instructional Science , 26, 27-47. 追記 本稿の一部は,科学研究費補助金(22730499)の助成を 受けたものである。. - 48 -.

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