中学校社会科における教科の目標達成ならびに情報活用能力育成をめざす教材開発および実践
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(2) 目次. 1−1 中学校における情報教育._,_。_... 1−1−1 情報教育と情報活用能力_。_.. 1−1・2 中学校における情報教育の扱い..._,_,. 1・2 中学校社会科と情報教育.._.._.。,. 1−2−1 中学校社会科の目標,_。._。_.. 1−2−2 これまでの地理的分野の目標と情報教育_。_._。. 1−2・3 平成10年度発表中学校学習指導要領社会科編と情報教育. 1−2−4 中学校社会科における情報教育の必要性と現状_。__, 1−3 本研究の目的と方法,_。_ 第2章 地理情報と情報活用能力の育成_,_._。.,,. 2・1 地理学と社会科教育_、_ 2−1−1 地理学の概要._。_,.... 2−1−2 地理教育と地理学_。,. 2−1−3 学習指導要領にみる社会科の変遷, 2−1−4 中学校地理的分野のあゆみ(1)..._。 2−1−5 中学校地理的分野のあゆみ(2),_、.,. 2−1−6 中学校地理的分野のあゆみ(3),_。 2−1−7 社会科地理的分野と地誌学_.,,. 2−2 地誌学の方法と地理的技能.。 2−2−1 静態地誌と動態地誌_。_,_._ 2−2−2 地誌学における方法_,_。_。... 2−2−3 学習指導要領と構成要素を見いだす方法や能力.. 2−2−4 地理的技能_...._。._,. 2−2−5 地理的技能と学習の過程.,,_,_,_._. 2・3 地理情報科学_, 2−3−1 地理情報科学と地理情報_,_.. 2−3−2 地理情報と情報教育の観点_。,,. 2−4 地理情報を活用する技能を身に付ける社会科地理的分野の授業, 2・4−1 地理情報の構造で捉えることによる効果._._..,,. 2・4−2 地理情報の構造を用いた学習と情報活用能力の育成_._,. 一a一. 。11111111122222222. 第1章問題の所在と研究の目的…・…・….….
(3) 第3章 社会科教育の理論。_. 3−1 社会科教育の目標_。_. 3−1−1 本論文における社会科教育の目標_,... 3−1−2 本論文における社会的な見方と考え方, 3−2 社会的な見方を育成する授業理論.__。_,.,, 3−2−1 社会的な見方を育成する授業(1)__。._,_,_。..,. 3−2−2 生徒が事実判断をする過程と知識_._._,_ 3−2−3 事実判断と仮説発想_,_。_。_。_. 3−2−4 生徒が事実判断にもとづいて推理・推測を行う過程と知識. 3−2−5 社会的な見方を育成する授業(2)._, 3−3 社会的な見方を育成する具体的な学習過程。_,,一.._、_,. 3・3−1 社会科の学習過程_. 3・3−2 野外科学,書斎科学,実験科学の過程._. 3−3・3 説明的知識を身につける基本的学習過程._,_,,. 第4章 地理的な見方および情報活用能力が育成される授業実践. 4−1 授業実践の期間とねらい,および対象生徒_。 4・1・1 授業実践の目的._,_. 4・1−2 授業実践の計画_.__,_. 4・1−3 対象とする生徒.._。_ 4−1・4 実践期間_,,,. 4−2 事前実践の授業とアンケート,およびその結果と考察._...。 4・2−1 単元計画について_、... 4−2・2 事前アンケートの作成_._,_, 4・2−3 事前アンケートの結果と考察,..◆.._。_. (ア)学習内容に関する質問の結果と考察_ (イ)情報活用能力に関する質問の結果と考察__、_.,. (ウ)アメリカ合衆国についての知識に関する質問の結果と考察,, 4・3 地理的な見方および情報活用能力を育成する授業実践.. 4・3−1 単元の設定_。_,_ 4−3−2 単元構想_,_、_,_._。_.,,. 4−3・3 授業の経過_。._,_、. (a) 第1回授業の経過,_._.._。..._,_。,,. (b) 第2回授業の経過と授業後の生徒の自己評価結果。 (c) 第3回授業の経過と授業後の生徒の自己評価結果.. 一b..
(4) (d) 第4回から第6回の授業の経過と授業後の生徒の自己評価結果. .63 (e) 第7回授業および第8回授業の経過_ ,64. 4−3−4 授業結果および学習評価結果の考察._,_。 ,65 (a) 第1時から第2時までの考察、....。_ ,65 (b) 第3時の考察_。。_.._,.。., .67 (c) 第4時から第6時までの考察_,_,__、..._。_._...__..._ ,70. (d) 第7時から第8時までの考察.,_、__..。。._,,,._ .77. 4−4. 事後アンケートの結果と考察, .77. 4−4−1 学習内容に関する質問の結果_, .77. 4−4・2 情報活用能力に関する質問の結果.._._._ ,80 4−4−3 事後アンケートの考察._ .81. 学習内容に関する調査結果からの考察_81. (a). (b) 情報活用能力に関する調査結果からの考察.. .85. 第5章 まとめと今後の課題_ ,91 謝辞.。._ひ.,,. .94. 引用・参考文献ならびに引用・参考URL. ,95. 一C曹.
(5) 第1章問題の所在と研究の目的 1−1 中学校における情報教育 1−1−1 情報教育と情報活用能力. 情報教育とは,新情報教育に関する手引き(以下,「手引き」とする). によれば,子どもたちの情報活用能力の育成を目的としている。また情 報活用能力については,「課題や目的に応じて情報手段を適切に活用す ることを含めて,必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造 し,受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力」,r情報活用の 基礎となる情報手段の特性の理解と,情報を適切に扱ったり,自らの情 報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解」,「社会生活. の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解 し,情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え,望ましい情 報社会の創造に参画しようとする態度」の3っと定めている。なお,情 報教育においては,この3つの内容をバランス良く育成することが求め られている[11。. 教育工学事典には,情報教育の目標は情報活用能力の育成である,と 述べられており,かつ情報活用能力は,これからの社会を生きていくす べての子どもたちに育成すべき能力,とも述べられている[2】。. っまり情報教育は,これからの学校教育に必要なことであり,そこで 目標とされている情報活用能力は,これからの社会を生きていく子ども たち全員が身につけるべき能力である。そして教職員はそのことを正確 に理解して日々の教育活動を実践していかなければならないのである。 1−1−2 中学校における情報教育の扱い. 中学校において情報教育を行う教科は,技術・家庭科という認識が強 い。それは平成元年度発表の中学校学習指導要領から,選択制ではあっ たが,「情報基礎」の領域を設け,「コンピュータの操作等を通して、そ の役割と機能について理解させ、情報を適切に活用する基礎的な能力を. 養う」ことを目標に指導にあたっていたからであろう圖。現行の中学校 学習指導要領においては,技術分野の目標に,「コンピュータ活用等に 関する基礎的な知識と技術を習得するとともに,(中略),それらを適切. に活用する能力と態度を育てるjと記され,r情報とコンピュータ」と いう内容が必修となっていることから,中学校において情報教育を行う 一1陶.
(6) 教科は,技術・家庭科という認識がさらに強まっていると考えられる14]。. また松田(2000)は,教職員が情報教育に対して問違った認識,つまり. 勘違いをしていると指摘している。松田が指摘した教職員の情報教育に. 対する勘違いとは,「コンピュータ等の情報機器を使わせていれば,情 報活用能力は自然と身に付く」,「情報教育とは,情報機器の使い方を教 える(機器操作に習熟させる)こと」,「情報教育は情報処理教育の入門編. である」,「情報の収集,処理,伝達(発表)などの活動が含まれてさえ いれば情報教育である」の4点である【5]。. そのためか,「手引き」に「情報教育は,学校教育全体で取り組み実 現するものである」と定められ,各教科等の学習指導において「情報活 用能力の育成との関わりを意識し,計画的に情報教育に取り組む」こと を求められている161。中学校では,数学や理科,総合的な学習で情報教 育に関連した指導が行われている。しかし実際は,生徒に情報機器を使 わせただけの授業になっていたり,情報機器の使い方を指導する授業内 容になっている場合が多い。. 1−2 中学校社会科と情報教育 1−2・1 中学校社会科の目標. 社会科と情報教育の関わりについて見てみると,目標には,「社会認 識」と「公民的資質の育成」の2つがある。「社会認識」とは,社会的 な見方が育っことであり,「公民的資質」とは,社会的な見方をもとに して,つけられる社会的な考え方のことである(岩田1992[71)。この2つの目. 標を達成するために,第1・第2学年では,地理的分野,歴史的分野を,. 第3学年では公民的分野を学習することとなっている。 1−2−2 これまでの地理的分野の目標と情報教育. 中学校社会科地理的分野の目標と情報教育との関わりを見ると,情報. 教育に関係あると考えられる記述が,昭和33年度発表の中学校学習指 導要領(以下,「昭和33年度版」とする)には,「地図を読み,描き,これ. に親しませ,また,統計その他の資料を正しく取り扱わせて,いろいろ. な事象の実態,特色,傾向などを読み取る能力を育てる」といった育成 すべき能力と記載している181。 昭和44年度発表の学習指導要領(以下,r昭和44年度版」とする)には,. 「地図・統計その他の資料を適切に取り扱うこと,地図や図表を描くこ 一2一.
(7) と,報告をまとめることなどに必要な能力を育てる」[gl,昭和52年度 発表の学習指導要領(以下,「昭和52年度版」とする)には,「地理的事象. に直接触れてそれを正しく考察することに必要な能力と,地理的事象を. 適切な資料に基づいて多面的に考察し公正に判断しようとする態度を 育てる」というように育成すべき能力として記載されている[101。 平成元年度発表の学習指導要領(以下,「平成元年度版」とする)には,. 「様々な資料を適切に選択、活用して地理的事象を多面的に考察し公正 に判断する能力と態度を育てる」と記載されているllll。. 1971年(昭和46年)に朝倉は,情報処理の能力を学校教育活動の全領 域を通して育成すべきであると情報教育の必要性を述べている。加えて 社会認識のため,公民的資質を養うため,そして自ら考え正しく判断で きるカを持っ児童生徒を育成するために,情報処理能力の育成は欠くこ とはできないと,社会科において今目の情報活用能力に近いと考えられ る能力の育成,つまり社会科における情報教育の必要性も述べている[121。 朝倉がいう情報処理能力を表1−1にまとめた。 表1−1 朝倉の情報処理能力. No 1. 情報処理能力 情報の探索・収集・整理・分類・保存・廃棄という一連の行為が行える。. 2. 理論に基づく自分の判断が下せるとともに、自分のもつ価値観によって. 3. 表現・伝達・理解の確かめ・訂正という行為のサイクルが行える。. 決断が下せる。. 昭和33年度版および昭和44年度版の目標では,地図や統計などの資 料の取り扱い方とその資料等の読み取り方を育成することが,社会科に おける情報の取り扱いに関する能力と考えられる。. 昭和52年度版の目標では,地理的事象を正しく考察することに必要 な能力および地理的事象を適切な資料に基づいて多面的に考察し公正 に判断しようとする態度が,平成元年度版の目標では,様々な資料を適 切に選択、活用して地理的事象を多面的に考察し公正に判断する能力と 態度が社会科における情報の取り扱いに関する能力と考えられる。 情報の取り扱いに関する能力は,情報教育でいうところ情報活用能力 と近い。以上のことから社会科では,その時々の社会情勢に則した情報 の取り扱いに関する能力を,学習の中で育成する必要があると考えられ 一3一.
(8) ていたと見ることができる。. 1・2−3 平成10年度発表中学校学習指導要領社会科編と情報教育 平成10年度発表の学習指導要領(以下,「現行の学習指導要領」とする). には,「地理的な見方や考え方の基礎を培う」という基本的な目標がま. ず示され,その下に「地域的特色をとらえるための視点や方法を身に付 けさせる」,r諸地域の相互関連性や地方的特殊性,一般的共通性および 諸条件によるそれらの変容を理解させる」という地理的分野の具体的な ねらい,「様々な資料を適切に選択,活用する能力や,適切に表現する 能力や態度を育成する」という地理的分野の学習をより効果的に進める ための道具を活用する能力や,学習を通して育成する達成目標とされる 能力と態度が示されている[13]。. このことから現行の学習指導要領では,視点や方法を身にっけること 様々な資料を適切に選択,活用する能力,適切に表現する能力や態度が 社会科の学習を行う中で育成すべき情報の取り扱いに関する能力とさ れていると考えられる。. さらに現行の学習指導要領には,社会科の内容を取り扱う上で,情報 の収集・処理時にコンピュータや情報通信ネットワーク等の積極的な利 用をすすめる記載がある。この点にっいて,中学校学習指導要領解説社 会編(以下r解説」とする)では,インターネットは情報収集に,コンピ ュータは地図・グラフ作成等の情報処理に有効と示している。あわせて 解説には,コンピュータや情報通信ネットワークを利用して,地理学習. における国土認識の深化や,地理的技能の向上をはかること,情報や情 報手段を適切に活用する資質や能力を育成することを望む記述が見ら れる[141。. これは,社会科のねらいを達成するための具体的な方策として,社会. 科地理的分野でのコンピュータやインターネット利用をすすめている とともに,高度情報通信ネットワーク社会への変化に対応できる能力や 態度,いわゆる情報の取り扱いに関する能力を社会科地理的分野の学習 で育成することをすすめているといえる。 1−2−4 中学校社会科における情報教育の必要性と現状. 以上のことから,昭和33年度版のころより社:会科では,目標の中に 情報活用能力という語句は見られないが,育成すべき能力や態度は,情 一4..
(9) 報活用能力と関わりが深いものであったといえる。言い換えると社会科 地理的分野の学習において情報活用能力の育成を行う必要が以前から あり,現在もあるといえる。特に現在は,高度情報通信ネットワーク社 会への変化が進んでいる。このような社会の変化に対応できる能力とし て情報活用能力を育成する必要がある。. 社会科の学習の中で情報活用能力を育成することが必要とされてい ることを述べたが,情報活用能力の育成を目的とした先行研究を見ると 堀田ら(2000)など,小学校の総合的な学習の時問における実践【15】が,多. く見られる。小学校社会科では,情報活用能力の関連はあるが,目的が 異なる吉田(1999)の,メディアリテラシー教育の実践[161が報告されてい. るに過ぎない。中学校社会科地理的分野においては,目標に「視点や方 法」, 「様々な資料を適切に選択,活用する能力」, 「適切に表現する. 能力や態度」という語句が示すように情報活用能力の育成が謳われてい ても,中学校社会科の実践を探してみると,100校プロジェクトの中で 報告された長野市立篠ノ井西中学校の実践117】や坂出市立白峰中学校の 実践118]のように,選択社会科での実践が報告されているほかは,1971 年に情報処理能力を育成する実践[19】が報告されているに過ぎない。. 図書館司書教諭が配置され,北海道札幌市立陵北中学校のように,学 校全体で年間計画を作成し,情報活用能力の育成を実践しているところ もあるが【201,司書教諭が配置されない学校があることや121],司書教諭. が配置されても学校経営組織の中に明確に位置づけられないなど,すべ ての学校において,北海道札幌市立陵北中学校のように司書教諭を中心 にした取り組みが行われているとはいい難いのである。. つまり,現実には情報活用能力の育成を意識した学習活動が行われて いるとはいい難いのである。. 1−3 本研究の目的と方法. 社会科は,教科の成立期から情報活用能力と関わりの深い能力や態度 を育成することを目標としてきた教科である。また,中学校社会科は, 地理的分野,歴史的分野の学習活動において,情報を収集・分類・整理・. 加工する活動を実践することができるとともに,情報収集する段階で, 著作権等を意識させることができる。そのような学習を2年間行ったう. えで,3年生の公民的分野において,人権学習を行えば情報社会に参画 する態度をも育成することができる教科である。技術・家庭科には,確 一5一.
(10) かに「情報とコンピュータ」の領域が設定され,情報教育を行う中心と なる教科といえるが,社会科も先に述べたように,3年間に渡って関わ りのある教科である。っまり中学校社会科においても情報教育いわゆる. 情報活用能力の育成を行う必要がある。情報活用能力の育成は,情報教 育にとって最重要課題であることは,1・1・1で簡単に述べた。社会科教 育において必要であることは,1・2(なかでも1・2−4)で述べてきた。しか. し,これまでの論は,情報教育の視点から述べたものであり,社会科教 育の視点が欠けている。社会科教育の側から考えると,近年の急速な学 習環境の変化がある。. 具体例として,コンピュータやネットワーク(インターネット)の利用. が容易になったこと,ネットワーク上に多種多様な学習用コンテンツが 設置されていることがある。このような新しい学習環境を利用すれば, これまでにできなかった学習活動(遠隔地からのリアルな情報収集,収. 集した情報をもとにした新たな発想,情報の加工,情報発信,情報の相 互評価など)を構成することも可能になり,児童生徒の社会認識が今ま での学習方法以上に深められると考えられる。社会認識が深められれば 公民的資質も深めることができるであろう。ここでいう社会認識,公民 的資質についての詳細は,第3章にて述べることとする。. そして現在「手引き」には,教員は,情報活用能力の育成と教科等の 目標達成を同時に意識した授業計画・実践・評価をすることが大切であ ると記されている[22]ことから,社会科の目標達成と情報活用能力の育成. を同時に行うことのできる授業計画を作成し,実践を行い,結果を検討 する必要がある。. そこで本研究は,社会科の目標である社会認識と公民的資質,つまり 社会的なものの見方・考え方を身に付けるとともに,情報活用能力の育. 成ができる社会科の教材を開発し,その教材の有効性を検討することを 目的とする。. ここでいう教材とは,中学校社会科地理的分野の1単元計画である。 研究の方法として,中学校地理的分野において,社会科の授業理論と 情報教育の観点を結びっける手段を用意する。その手段とは,地理情報. 科学の考えである。地理情報科学の考えを導入して単元計画の開発を行 う。地理情報科学にっいては第2章,社会科の授業理論については第3 章で詳しく述べる。. また第4章では,開発した単元計画をもとに,静岡市立A中学校にて 一6一.
(11) 実践を行い,社会的な見方・考え方ならびに情報活用能力が従来以上に 育成できたかについて検討する。. 一7一.
(12) 第2章地理情報と情報活用能力の育成 2・1 地理学と社会科教育 2−1−1 地理学の概要. 地理学とは,基本的な視点に地域や空間をおき,対象を現実の地表に 見られる諸事象とし,その地表における諸事象の空間的配列(空間的な 関係性)に関する考察を本質的な課題としている学問といえる。端的に いえば,地域的特色を明らかにすることをねらいとしてきた学問ともい うことができる。. また地理学を内容体系や研究方法からみると,大きく2つに分けるこ. とができる。一つは,地誌学あるいは地域地理学(regional geography)(以下,「地誌学」とする),もう一つは,系統地理学(systematic. geography)(以下,「系統地理学」とする)とされている。地誌学とは,地. 表における特定の地域を取り上げて,自然,人文の諸現象を総合的にと. らえ,その地域の特色を明らかにしようとする学問とされている。系統 地理学は,地球表面に生起する地形・気候・経済・社会・文化などのあ る現象を取り上げ,それを地球全体にわたって追究していく地理研究の 学問とされている。別の角度から見ると,系統地理学は,研究対象を細 分して,各部門ごとに研究する学問であり,地誌学は,特定地域の人文・. 自然すべての諸現象を総合的に把握して地域的特殊性を明らかにする 学問といえる。. 町田(1984)は,系統地理学と地誌学の関係について,「地誌学と系統地. 理学とは,地理学の分野ではきわめて重要な研究の立場であり,それら は車の両輪のような存在であると考えられている。」と述べている[23]。. 系統地理学は,対象の研究部門により,人文地理学か自然地理学に分 類することができる。地誌学は,人文・自然すべての諸事象を総合的に とらえるので,系統地理学のような分類にはならない。そのかわりに, 地域の特殊性を記述する方法で二つに分けることができる。一つは,地 域の特性を,地形や気候などの自然的要素,人口・民族・経済・交通・ 集落などの人文的要素などすべてを並列的に記述する静態地誌という 方法である。もう一つは,地域の特性を,その地域性を形成している最 大の要素から記述する動態地誌という方法である。 以上の概要を,図2−1に示す。. 一8騨.
(13) 人文地理学 系統地理学 自然地理学 地理学. …{籠慧 図2−1 地理学の分類 2−1−2 地理教育と地理学. 昭和26年度版中学校・高等学校学習指導要領社会編1中等社会科と その指導法(試案)改訂版の第1章社会科とその目標(以下,昭和26年度 版指導要領とする)を見ると,社会科と社会科学は,社会科学の発達が. あった上での社会科の成立という密接な関係をもっているということ が読み取れる【24】。. つまり社会科と社会科学が密接な関係を持っているということは,中 学校社会科の三分野(地理的分野・歴史的分野・公民的分野)もそれぞれ に密接な関係を持つ社会科学の一分野があるといえる。. 地理的分野と密接な関係を持つ科学とは,地理学に他ならない。した がって地理教育と地理学は密接な関係をもっているといえる。. また昭和26年度版指導要領から,社会科学はあくまで科学であり, 社会科は学校教育における一つの教科という大きな違いもあるという ことが読み取れる[25]。つまり社会科の内容は,社会科学の内容を含むが,. それがすべてではないということである。したがって地理教育の内容も 地理学の内容いわゆる地理学の研究成果を含むが,それがすべてではな いといえる。. 白井(1984)は,地理教育と地理学の関係について,地理教育の目的の. とらえ方の違いから,一っは社会科的地理教育の立場,もう一つを地理 学的地理教育の立場,と二っの立場に分けている[261。. 白井によれば,社会科的地理教育の立場とは,地理教育の目的を,地. 理学習を通して市民社会形成に必要な知識と意識を作り上げることと. 一9..
(14) している立場のことであり,地理学的地理教育の立場とは,地理教育の 目的を,地理学によって収集・蓄積・整理された知識や方法を,教育の. 場において正確に理解させ発展させることとしている立場のことであ る[27】。. この地理教育の目標から見れば,地理学的地理教育の立場とは,大 学・大学院における地理学の講義・演習を思い浮かべることができる。 つまり地理学的地理教育のねらいは,先人が収集・蓄積・整理してきた 地理学の知識や方法を用いて,新たな地域的特殊性を発見する,しよう とするもの,言い換えれば,地理学の研究者を育成することであると考 えられる。. 社会科的地理教育のねらいは,市民社会形成に必要な知識と意識を作 り上げるということから,市民形成であると考えられる。この市民形成 を目標に記しているのが,学習指導要領である。 昭和22年度版学習指導要領社会科編(試案)から,現行の学習指導要領 社会科編の目標における市民形成に関わる記述をまとめ,表2−1に示す。 表2・1から,当時の社会情勢によって記述されている語句の違いや変 更点等はあっても,中学校社会科の目標は,市民(公民)形成であること がわかる。したがって,中学校社会科の一分野である地理的分野の目標 も,突き詰めれば同じ市民(公民)形成であるといえる。前述の二つの立. 場にあてはめると,中学校社会科地理的分野は,社会科的地理教育の立 場であるといえる。. 一10・.
(15) 表2−1 学習指導要領社会編目標における市民形成に関わる記述 改訂年度 指導要領の記述 昭和22年度版 青少年に社会生活を理解させ,その進展に力を致す態 や能力を養成すること。. (試案). 昭和26年度版 (試案). 昭和30年度版. 最もたいせつなことの一つは民主的社会における正し 人間関係を理解させ,有能な民主的社会人として必 な態度・能力・技能等を身にっけさせること。 国家および社会の形成者として必要な資質を養うこと 自他の人格や個性を尊重することが社会生活の基本で ることについての理解をいっそう深め,また民主主 の諸原則を理解させ,これを目常の生活に正しく生 していく態度や能力を養う。 い視野に立って,郷土や国土に対する愛情を育てる。. い伝統の継承や社会生活の進歩に対する責任感を養. 昭和33年度版. 。社会生活に適応し,さらにこれを改善していこうとす. 積極的な態度や能力を養う。. 民としての自覚を高め,民主的で文化的な国家を建 して,世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする 度を養う。. 昭和44年度版. 社会生活についての理解と認識を養い,民主的,平和 な国家・社会の形成者として必要な資質の基礎をつ かう。. 昭和52年度版. 公民としての基礎的教養を培い,民主的,平和的な国 ・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養. 平成元年度版. 公民としての基礎的教養を培い、国際社会に生きる民 的、平和的な国家・社会の形成者として必要な公民. 。. 資質の基礎を養う。. 平成10年度版. 公民としての基礎的教養を培い,国際社会に生きる民 的,平和的な国家・社会の形成者として必要な公民 資質の基礎を養う。. 2−1−3 学習指導要領にみる社会科の変遷. 前項で,中学校社会科地理的分野は,社:会科的地理教育の立場にあり,. その目的を,地理学習を通して市民社会形成に必要な知識と意識を作り. 上げることとしていると述べた。言い換えれば,地理学習を行うことで 市民社会形成に必要な知識と意識(公民的資質の基礎)を身につけさせる ということになる。. ここでいう地理学習とは,地理学によって収集・蓄積・整理された知 識や方法を学習することと考えられる。そのようにとらえると,地理学 的地理教育の立場も関わってくることとなる。これが前項の冒頭で述べ. 一11一.
(16) た,地理学と地理教育が密接な関わりを持っているということであろう。. つまり地理学習とは,地理学によって収集・蓄積・整理された知識や 方法を学習することを含んでいると考えられる。そして地理学習によっ て市民社会形成に必要な知識と意識を作り上げることが,中学校社会科 地理的分野の目標ともいえると考えられる。. 社会科の学習指導要領は昭和22年に試案として出されたものから,7 度の改訂が行われてきた。昭和22年度告示の学習指導要領(以下,「昭 和22年度版」とする)には,「これまでは,社会科の内容となっている 歴史・地理・公民などは,いずれも別々の教科として扱われて来たので あるが,一般社会科としては,本書に示してあるように中学校あるいは 高等学校の生徒の経験を中心として,これらの学習内容を数箇の大きい 問題に総合してあるのであって,教科そのものの内容によって系統だて るようなことはやめることとした。」,昭和26年度告示の学習指導要領 (以下r昭和26年度版」とする)では,r終戦後のわが国の中学校におい ては,すべての教科について,まずそれぞれの教育目標を明確にし,こ れに到達することを主眼として,これまでの内部の小さな境にとらわれ ない教科制が採用された。. これはこれまでの科目の内容を単に関連づけたり,合わせたりする考 えとは,その出発点において違っている。そして社会科においても,一 般社会科が計画されるようになった。しかも生徒をりっぱな民主的社会 人として成長させることの必要性から,この一般社会科は高等学校第1 学年まで必修教科として課せられることになったのである。それにつけ ても一般社会科となってから,歴史教育・地理教育・公民(政治・経済・ 社会)教育がなくなったように考えることは大きな誤りである。一般社 会科では,これらを別々の科目として取り扱わないだけのことである。」 と記載されており,社会科は一般社会科と呼ばれていたことがわかる。. この一般社会科は,学習指導要領の記述にもあるように歴史・地理・ 公民の学習内容を総合して行う形式を取っていた。具体的には,中学生. においては,「学校は社会生活に対してどんな意味をもっているであろ うか。」や「社会や政府は生命財産の保護についてどういうことをして いるか。」,「職業の選択に際し,また職業生活の能率とあげるためにど. んな努力をしなくてはならないか。」という内容の単元で学習を行って. いた。設定された単元を見ると,昭和22年度版では,「目本列島はわれ われに,どんな生活の舞台を与えているか。」や「世界の農牧生産はど 一12一.
(17) のように行われているか。」といった,地理的分野に関わる内容と取る. ことができる学習問題が示されている。昭和22年度版では,社会科教 育といえば,地理教育を指すといえるほど地理的分野の内容が多かった と考えられる。. 昭和26年度版では,第1学年「われわれの生活圏」,第2学年「近代 産業時代の生活」,第3学年「民主主義の発展」という学年別の主題を 設定し,学年ごとに系統立てられた,地理,歴史,政治・経済・社会の三. 分野の内容を主体とした単元を設定することとしている。つまり,昭和 22年度版に比べて,地理的分野の内容が減ったと考えられる。また「こ の学習指導要領では,一般社会科と目本史とが別に計画されているが, 各学校の実際指導計画では,両者を合わせたものを作ってさしつかえな い。もっともこの場合,一般社会科の各単元は,歴史・地理・公民の内. 容が均等に融合されたものでなければならないように狭く考える必要 はない。」と記載されていることから,地理・歴史・公民と分化した社 会科へ移行する様子を示しつつも,総合された一般社会科の形を取って いることがわかる。. 昭和30年度告示の学習指導要領(以下「昭和30年度版」)には,改訂. の要点が5点示されており,そのうちの3と4には,「3.従来は「一般 社会」と「目本史」との指導計画を別個に立ててもよいことになってい たのを,社会科の指導計画を一本化し,日本史も社会科の指導計画の中 に織りこんで計画するようにした。」,「4.従来のような学年別の単元組. 織を示すことなく,地理的分野,歴史的分野,政治・経済・社会的分野 に分けて示し,各学校において,いろいろの指導計画が立てられるよう に幅をもたせた。」と記されている1281。この2文から社会科は分化した 社会科,つまり地理・歴史・公民(政治・経済・社会的)各分野の専門的 な内容を学習教材として扱う内容教科となったと考えられる12gl。この時 期の地理教育を岩田(2003)は「内容主義社会科地理」と呼んでいる【30]。. また川合(1984)は,昭和30年度版以降,社会科は内容教科となったと 述べている[31】。. 2・1・4 中学校地理的分野のあゆみ(1). 川合(1984)の論をもとにすれば,現在の学習指導要領における中学校. 社会科は,内容教科であるといえる。昭和30年度版には,「各地域の生 産活動その他の生活様式の特色がよく理解でき,各地域相互問の関連や 一13一.
(18) 比較がよくできるように,その内容の組織・配列を考えることが望まし い。」,「各地域の内容として次のようなものがあげられる。(1)位置と歴 史的背景,(2)資源・産業,(3)自然環境の特色,(4)交通・集落・人 口,(5)他地域との関係,(6)地図・統計・資料」とある[321。この文. 章から学習内容は,特定の地域における特殊性を,自然条件や人の作り. 出したものなどすべての現象から追究および総合的に把握する地誌学 に関わると判断できる。. 昭和33年度告示の学習指導要領(以下「昭和33年度版」とする)は, 地域が「(1)郷土」,「(2)目本の諸地域」,「(3)全体としての目本」,「(4)世. 界の諸地域」,「(5)全体としての世界」の5つに分かれているが,それぞ. れの内容は,「自然環境に関するもの」,「位置と歴史的背景に関するこ と」,「人口と生活に関すること」,「産業に関すること」,「他地域とのか. かわりに関すること」になっていることから,昭和30年度版と同様, 地誌学に関わるといえる[33】。. 川合(1984)は,昭和33年度版の特徴として,指導上の留意事項が設 置されたことをあげている[341。その指導上の留意事項には,「(5)地理. 的分野の学習が列挙的,平板的な知識の習得に終ることのないようにす るため,指導する事項を精選し,適切な指導法をくふうして,地理的思 考力を養うことがたいせつである。」とある[35】。自然に関する要素,人. の営みや文化に関する要素すべてを並列的に記述するのは,地誌学の中. でも静態地誌であることは,2−1・1で述べた。つまり昭和30年度版,昭. 和33年度版の中学校社会科地理的分野は静態地誌に関わる内容であっ たと考えられる。これについて岩田(2003)も,「中学校社会科における. 地理的分野は,昭和30年度版,昭和33年度版の学習指導要領の改訂で, 静態地誌学習の典型を示した。」と述べている[36]。 2−1・5 中学校地理的分野のあゆみ(2). 昭和44年度告示の学習指導要領(以下「昭和44年度版」とする)は取 り扱う地域を,「(1)身近な地域」,「(2)目本とその諸地域」,「(3)世界. とその諸地域」,「(4)世界の中の目本」の4地域とし,その内容を, 「生活舞台」,「位置と歴史的背景」,「自然の特色」,「資源・産業・交通」,. 「人口・居住」,「諸地域の結びつき」等にしていることから,改訂前と 同様,静態地誌に関わる内容といえる[37】。. 昭和52年度告示の学習指導要領(以下「昭和52年度版」とする)に記 一14一.
(19) 載されている地域は,「(1)世界とその諸地域」,「(2)日本とその諸地域」. 「(3)世界の中の日本」の3地域となっている。その内容は,「生活舞台」,. 「位置と歴史的背景」,「自然の特色」,「資源・産業・交通」,「人口・居. 住」,「他地域の結びつき」等となっている[38】。このことから昭和52年. 度版も静態地誌に関わる内容といえる。 上記2つの学習指導要領についても岩田(2003)は,「中学校社会科は,. 前回の学習指導要領の静態的地誌学習を基本においた内容を踏襲し た。」,「内容的には,世界地誌および日本地誌とも静態的地誌学習を踏 襲した。」と述べている[39]。このことからも中学校社会科は地誌学に関. わる内容を扱っているといえる。. また,昭和33年度版までは,社会事象について生徒に「理解させる」 という語句が見られ,多くの知識を注入することがねらいのようにうか がえる。2−1・3で,この時期を「内容主義社会科地理」と示した。. その後,昭和44年度版および昭和52年度版なると,社会事象につい て「深い関係を持っているものを取り上げる」,「適したものを重点的に. 取り上げる」という語句が見られる。このことから昭和44年度版およ び昭和52年度版の頃は,社会事象の特徴ある事例を取り上げることも 取り入れ始めた時期と見ることができる。この時期を岩田(2003)は,先 の「内容主義社会科地理」に対して「内容主義+事例主義の社会科地理」 と呼んでいる【40]。. 2−1・6 中学校地理的分野のあゆみ(3). 平成元年度告示の学習指導要領(以下「平成元年度版」とする)は,「(1). 世界とその諸地域」,「(2)日本とその諸地域」,「(3)国際社会における. 日本」の地域が設定されている。そしてその内容は,その地域全体の「概 要」,特定の諸地域の「自然」,「産業」,「生活」,「他地域との関わり」 となっている。. 内容については,これまでの昭和30年度版以降と似ていることから, 静態地誌学習を基本とした内容と見ることができる。. しかし,この学習指導要領の大きな改訂点は,「内容の取り扱い」に ある。内容の取り扱い(3)ウには,「内容のイについては、世界の州や大. 陸を幾つかに区分して設定したまとまりのある地域又は国のうちから 三つ程度を選んで取り上げること。」と記されている1411。この記述は, これまでの世界地誌学習とは全く違ったねらいを,「(1)世界とその諸地 一15。.
(20) 域」では持っている,ということを意味している。そのねらいについて 岩田(2003)は,「中学校社会科地理は,事例主義が一層強調され,そこ に方法が入ってきた学習指導要領の内容になった。事例主義の強調の典 型は,世界とその諸地域の中のさまざまな地域の扱いに見られる。」,「学. 習対象になる地域の事象を知ることに目的があるというのではなく,諸. 地域学習の方法能力を形成することに目的をおくという考え方であ る。」と述べている142]。. 平成10年度告示の学習指導要領は,「(1)世界と日本の地域構成」, 「(2)地域の規模に応じた調査」,「(3)世界と比べて見た日本」という. 大きな内容のまとまりが設定され,その中に「地域構成」,「位置関係」, 「地域区分」,「具体的な諸地域のようす」,「多面的に見た目本の特色」. という小さな内容を含めている。この学習指導要領の特徴は,内容のま とまりの一つとして「調査」を設定したことである。この「調査」の小. 内容には,r地域的特色をとらえる視点や方法,地理的なまとめ方や発 表の方法の基礎を身に付けさせる。」,「47都道府県の中から幾つかの都 道府県を取り上げ(中略)地域的特色をとらえさせるとともに,都道府県. 規模の地域的特色をとらえる視点や方法を身に付けさせる。」,r世界の 国々の中から幾つかの国を取り上げ(中略)地域的特色をとらえさせる とともに,国家規模の地域的特色をとらえる視点や方法を身に付けさせ る。」と記されている143】。このことは,先記の岩田(2003)の言葉が示す. とおり諸地域学習の方法能力を形成することに目的をおいていること に他ならない。. つまり平成元年度版から現行の学習指導要領にかけて,地域学習の方 法や能力を身につけることが,はっきりと社会科地理的分野のねらいに 加わってきたということである。この変化を岩田(2003)は,「内容主義+ 事例主義+方法主義の社会科地理」と呼んでいる144}。. 2−1−7 社会科地理的分野と地誌学. これまでのことから,中学校地理的分野では,地誌学習を基本とした 学習が行われてきたことがわかった。. まとめると,中学校社会科地理的分野の目標は,地誌学によって収 集・蓄積・整理された知識や方法を学習することによって,市民(公民). 社会形成に必要な知識と意識を作り上げることといえる。. したがって現行の学習指導要領のねらいの一つにある,r地域学習の 一16一.
(21) 方法や能力を身にっけること」とは,地誌学の方法を身につけることと 考えられる。. 2−2 地誌学の方法と地理的技能 2−2−1 静態地誌と動態地誌 2−1−1で,地誌学は,地域の特性を,自然的要素,人文的要素などす. べてを並列的に記述する静態地誌という方法と,地域の特性を,その地 域性を形成している最大の要素から記述する動態地誌という方法に分 けられると述べた。. 静態地誌とは,地域の特性を構成するすべての要素の複雑な関係を明. らかにし,その構成要素ごとに書き記す方法であり,動態地誌とは,地 域の特性を構成するすべての要素の中から,中心となる要素から記述し それに関連する要素をも書き記していく方法である。 中西(2003)は静態地誌の特色を,現在の地域の様子を解明することと. し,動態地誌の特色を,地域の過去から現在までの発達,衰退などの変 化の様子も含めていることとしている[剣。これらの内容をまとめて図 2−2に示す。. つまり静態地誌とは,現在の地域の特色を自然的要素,人文的要素等 すべての要素から明らかにし,それらすべてを並列,総合的に記述して いく方法といえる。動態地誌とは,地域の特色を構成する中心的要素を 明らかにし,中心要素と関連ある要素をも追究し,そのような関連がい つから起こりうるのか,あるいはどのような変化を経て現在の特色を構. 成しているのかを明らかにする方法といえる。言い換えると,どちらも 現在の地域の特色を記す方法ではあるが,静態地誌は特色を構成するす べての要素をすべて記す方法であり,動態地誌は構成する要素の中心と それに関連する要素との関係性の過程を記す方法ともいえる。. 一17一.
(22) ∼. 実際の地域 相互関係. 劃雛. 甑ロ. / 噌. . . ロロ〔コ. 中心. 天文ヨ的_. 過去の地域性の積み重ね. 過去. 『地理』第29巻. 第3号 1984. 古今書院を参考に作成. 図2・2 静態地誌と動態地誌 2−2・2 地誌学における方法. 静態地誌,動態地誌の2つの方法を身にっけることが,現行の学習指 導要領のねらいの一つにある,「地域学習の方法や能力を身につけるこ と」になると考えられる。. どちらの方法においても必要になるのは,地域的特色を構成する要素 である。この構成要素を見出せなければ,地域的特色を見出すことも記 述することもできない。「地域学習の方法や能力を身につける」には,. 地域的特色を構成する要素を見出す方法や能力を身につけなければな らないのである。方法とは,手段・やり方であり,能力とは,成し遂げ るカである。つまり手段・やり方を学ぶことによって,やり方を用いて 課題を成し遂げるカが身につくのである。. したがって地理的分野の学習では,初めに生徒に地域的特色を構成す る要素を見出す手段を身につけさせ,その手段を使えるカを育成する必. 一18一.
(23) 要がある。それなくしては,地域学習の方法や能力は身につかないと考 えられる。. 2・2−3 学習指導要領と構成要素を見いだす方法や能力 現行の学習指導要領の解説(以下,「解説」とする)には,「地理的な見. 方と考え方は相互に関係があり,本来は地理的な見方や考え方として一 体的にとらえるものである。しかし,あえて学習の過程を考慮して整理 すれば,地理的な見方とは,目本や世界に見られる諸事象を位置や空問 的な広がりとのかかわりで地理的事象として見いだすことであり,地理 的な考え方とは,それらの事象を地域という枠組みの中で考察すること であるということができる。」と書かれている146]。っまり,地域的特色. を構成する要素を見出す方法や能力とは,地理的な見方に関わるカと考 えることができる。. また解説では,地理的な見方・考え方として表2−2の5点を示し,1 が地理的な見方の基本,2が地理的考え方の基本,3から5が地理的考 え方を構成する柱としている[47]。. 表2−2 学習指導要領の解説. No 記述内容. 1. どこに,どのようなものが,どのように広がっているのか,諸事象 を位置や空間的な広がりとのかかわりでとらえ,地理的事象として 見いだすこと。また,そうした地理的事象にはどのような空間的な 規則性や傾向性がみられるのか,地理的事象を距離や空間的な配置 に留意してとらえること。. 2. 3 4. そうした地理的事象がなぜそこでそのようにみられるのか,また, なぜそのように分布したり移り変わったりするのか,地理的事象や その空間的な配置,秩序などを成り立たせている背景や要因を,地 域という枠組みの中で,地域の環境条件や他地域との結び付きなど と人間とのかかわりに着目して追及し,とらえること。 そうした地理的事象は,そこでしかみられないのか,他の地域にも みられるのか,諸地域を比較検討し関連付けて,地域的特色を一般 共通性と地方的特殊性視点から追究し,とらえること。 そうした地理的事象がみられるところは,どのようなより大きな地 域に属し含まれているのか,逆にどのようなより小さな地域から構 成されているのか,大小様々な地域が部分と全体とを構成する関係 で重層的になっていることを踏まえて地域的特色をとらえ,考える こと。. 5. そのような地理的事象はその地域でいつ頃からみられたのか,これ から先もみられるのか,地域の変容をとらえ,地域の課題や将来像 について考えること。. 一19一.
(24) したがって,地域的特色を構成する要素を見出す能力とは,解説の言 葉を借りれば,「どこに,どのようなものが,どのように広がっている のか,諸事象を位置や空間的な広がりとのかかわりでとらえ」るカであ り,地域的特色を構成する要素を見出す方法とは,どこに,どのような ものが,どのように広がっているのか,諸事象を位置や空間的な広がり をとらえる視点と考えられる。つまり地域的特色を構成する要素を見出 す方法とは,位置や分布,場所,自然環境,生活の様子,産業,資源な どをとらえる視点といえる。 2−2−4 地理的技能. 位置や分布,場所,自然環境,生活の様子,産業,資源などをとらえ る視点を身につけることが,地域的特色を構成する要素を見出す能力を 身につけることにつながり,地理的な見方の基本に関わる。このことか ら,地域的特色を構成する要素を見出す方法や能力は,地理的な見方と 密接な関わりのある技能,言い換えると地理的技能といえる。 地理的技能について現行の学習指導要領では,「地図の読図や作図, 景観写真の読み取りなど」とし,解説では,地理情報の活用に関する技 能と地図の活用に関する技能に分け,それぞれの具体的な内容を整理, 例示している。加えて「地図の活用に関する技能も地理情報の活用に関 する技能に含まれる。」とも記している1481。したがって,地理的技能は 地理情報の活用に関する技能ともいうことができる。解説で分けられた 地理的技能について,図2・3にまとめ,具体的な内容については,表2−3 にまとめ,示す。. 一20一.
(25) 地理的技能. 地理情報(地域に関する情報のことであり,地理的. 事象が読み取れたり,地域的特色に結びつく事象 を見出したりすることができる資料のことをいう) の活用に関する技能 地図の活用に関する技能. 図2・3 地理的技能. 表2−3 地理的技能に関する具体的な内容 具体的な記述内容. No. 技能 理 情 報 の関活す用るに技能. 地. 1. 地域に関する情報である地理情報にはどのようなものがあるか,諸 報の中から地理情報を選別し,また,地理情報の性格,種類など とらえること。. 2. 3 4 1. 地図の活用に関する技能. 2. そうした地理情報はどこで,どのようにすれば入手できるのか,地 情報の所在,収集に関する知識や方法を身に付けること。 テレビや新聞など,特に地理情報として提供されたものでない情報 ,どのように加工,処理すれば地理情報として活用が可能となる ,情報の地理情報化の視点や方法を身に付けること。 地理情報を使って地域的特色をどう説明,紹介するか,地理情報の 理や表現に関する技能を身に付けること。 地形図や市街図,道路地図,案内書の地図などに慣れ親しみ,どこ どのように行けばよいのか,見知らぬ地域を地図を頼りにして訪 歩く技能を身に付けること。 地図や地図帳に慣れ親しんで,この地名は日本のどこにあるのか, の人は世界のどの付近を訪ね歩いたのかなど,学習や目常生活の で出てくる地名に関心をもち,その位置を確かめるようになるこ 。. 3. ここにはどのような地理的事象がみられるのか,この地理的事象が ぜこの地域にみられるのか,既存の地図から地理的事象を読み取 たり,地理的事象を地図を通して追究しとらえたりする技能を身 付けること。. 4. 5. この調査結果やこの統計は地図に表すことが可能かどうか,地図に すとすればどう工夫すれぱよいか,地域の諸事象や情報の地図化 適否を判断し,適切に地図化する技能を身に付けること。 略地図を描く技能を身に付け,略地図で位置を示したり,略地図を って目本や世界にみられる諸事象をとらえ,説明したりするよう なること。. 一21一.
(26) 2−2−5 地理的技能と学習の過程. 現行の学習指導要領の内容の取り扱いには,「(前略),地域の規模に応. じた調べ方,学び方を身に付けさせるようにすること。」記されている1剣。. この記述について,解説は,「この大項目では自らの調査を通して,① 地理的事象を見いだし,課題を設定する,②課題をできるだけ多面的・. 多角的に追究,考察する,③地図を有効に活用する,④調査結果を地域 的特色と結び付けて分析,整理するといった活動を展開し,地理的な見 方や考え方と地理的技能を漸次身に付け,地域の規模に応じた調べ方や 学び方を身に付けさせるようにすることが主なねらいとなっている。」 と記している励1。このことから,現在の中学校社会科は,調べ方,学び 方を学ぶ学習が設定されているといえる。調べ方,学び方は,学習の過 程とも言い換えることができる。調べ方,学び方に関わる技能が地理的 技能であろう。したがって地理的技能は,学習の過程とかかわりが深い 技能といえる。. 井田(2003)は,地理学習で重視される学習の過程を,資料の収集,整. 理,分析,解釈,発表,合理的判断,意思決定,活動という流れで示し ている[51】。この過程に,地理的技能が関連すると考えられる。この内容 を図2−4に示す。. 一22。.
(27) 学習の過程. 霧. 雑. 襲. A音口羅. 資料収集. 鐘. 覇. 関連. 地理的技能. 地理情報に関する技能. 地図の活用に関する技能. 21世紀の地理新しい地理教育 2003 朝倉書店を参考に作成 図2−4 学習の過程と地理的技能. 2−3 地理情報科学 2−3−1 地理情報科学と地理情報. 2−2−4から2−2−5にかけて,現行の学習指導要領では,生徒が学習を進. める過程で,地理的技能,いわゆる地理情報の活用に関する技能を身に 付けることをねらいとしていることを述べた。それでは,地理情報とは どのようなものだろうか。. 表2・3から,地理情報とは「地域に関する情報」としていることが分 かる。この地域とは,位置や場所ととらえることができる。また情報と は,分布,自然環境,生活の様子,産業,資源などと考えられる。つま り,ある地点や場所に関する分布,自然環境,生活の様子,産業,資源 などを表したもの,すべてを地理情報ととらえることができる。 地理情報科学事典(以下,「事典」とする)によれば,地理情報とは,. 地理空間にある対物事象に関し,その位置や範囲と属性情報が対になっ ている情報を指すと定義し,具体例として「地図」,「国勢調査によって 一23..
(28) 提供される情報」,「電話帳」,「場所が明示されたビデオ画像」をあげて いる【52]。なお,情報科学では必要に応じて,みかん=色は黄色,形は丸,. 重さは約100gというように,より厳密に属性の種類や属性値が定義さ れる。地理情報科学においても例えば「国勢調査によって提供される情 報」では人口,「電話帳」では,そば屋といったように定義される。. また地理情報に関連した用語に「地理データ」という用語がある。「地. 理データ」とは,主に対象事物の内容や意味を形式化,コード化したも のを指す。そのほかに「空問情報」や「空間データ」という用語も使わ れている。「空間情報」とは地表面の情報だけでなく地層や気象,宇宙 のような3次元空間の情報とされ,「空間データ」はその内容や意味を 形式化,コード化したものとなる[531。中学校地理的分野の学習で扱う地. 理情報は,例えば「アメリカ合衆国の人口」のように数値化された地理 データや,「アメリカ合衆国の気候図」のように気候といった空間情報 または雨量・気温を数値化した空間データなど,前述した「地理情報」, 「地理データ」,「空問情報」,「空間データ」すべてを含んでいる。した. がって,本論文で使用する「地理情報」とは,地理情報科学における「地 理情報」,r地理データ」,r空問情報」,r空間データ」すべてを含めたも のを指すとする。. また井田(2001)は,地理情報をさまざまなメディアから読み取れる情. 報だけでなく,資料収集,資料整理・加工・分析,情報蓄積・表現・発 信といった一連の作業過程も含むとしている[541。この一連の作業過程は, 「処理」という言葉で表現することも可能である。 事典が定義する「処理」を図2・5に示す。この定義は,先出の井田(2001). の作業過程と一致するものである。. 1234四D. 地理情報を取得・構築するこ.と. 地理情報を保存・管理すること. 地理情報を使って分析すること 地理情報を総合すること 地理情報を表示・伝達すること. 図2・5 地理情報科学の示すr処理」 したがって,井田(2001)の論も含めれば,地理情報とは,「地図」や「国. 勢調査によって提供される情報」,「電話帳」,「場所が明示されたビデオ 一24..
(29) 画像」等のような,地理空間にある対物事象に関し,その位置や範囲と. 属性情報が対になっている情報と,それらの情報を処理することの両方 であるといえる。そして事典には,地理情報を系統的に「処理」する方. 法,方法論,およびその適用方法を研究する学問のことを地理情報科学 と定義している。この地理情報科学は,1990年代に学問として形成さ れてきた新しい学問である。したがって地理情報科学とは何かについて は多様な論があり,未だ定説といえるものがない[55】。したがってここで. は,地理情報科学事典の先出の一説「地理情報とは,地理空間にある対. 物事象に関し,その位置や範囲と属性情報が対になっている情報を指 す」を定義として用い情報教育と社会科教育との関連を考えていくこと とする。. 2・3−2 地理情報と情報教育の観点. 前項から,地理情報は,図や文字,記号,映像など様々な形態で表示・. 伝達されているものであり,その構造は,「位置や範囲」と属性情報が 対の形をしているものであるといえる。また,これらの情報を処理する ことも含む.この地理情報を,社会科の授業理論と情報教育の観点を結 び付ける手立てとする。. 表2−3から,地理情報の活用に関する技能とは, (1)諸情報から地理情報を選別する技能. (2)地理情報の種類・性格をとらえる技能. (3)地理情報の所在,収集に関する知識や方法 (4)諸情報の地理情報化の視点や方法 (5)地理情報の処理や表現に関する技能. 以上の5つと読み取れる。この5つは,情報教育の3つの観点のうち, 「情報活用の実践力」に関わる技能と考えられる。また,(3)から(5)は. 「情報社会に参画する態度」にも関わる技能と考えられる。したがって. 地理情報を活用する技能を身に付けるためには,社会科地理的分野の学 習において情報教育を行わなければならないということになる。しかし, 新情報教育の手引きに記されているように,情報活用能力の育成と教科 等の目標達成を同時に意識しなければならないのであって,情報教育が 主になるような授業であってはならない。. 情報教育が主にならず,教科等の目標達成を同時に意識するための具 体的な方法として,r位置や範囲」と属性情報が対の形をしているとい 一25一.
(30) う,地理情報の構造を用いることとする。. 2−4 地理情報を活用する技能を身に付ける社会科地理的分野の授業 2−4−1 地理情報の構造で捉えることによる効果. 中学校社会科地理的分野の教科書を開くと,さまざまな地理情報を見 つけることができる。教科書から見つけられる地理情報は,文字で構成 された本文と,その本文を補説するための写真やグラフである。本文は,. A4見開きで840文字前後で記載され,その中に,量の多少は教科書会 社による違いはあるものの,図2・6のような文章が必ず記載されている。. アメリカ合衆国といえば,ニューヨークの高層ビル街や,雄大なロッキー 山脈を思い浮かべる人もいるでしょう。 図2・6教科書の文章に見る地理情報の例【56】. 図2−6の文章を地理情報の構造の視点で見ると,位置として,まず「ア. メリカ合衆国」が抽出できる。そして属性情報として,「ニューヨーク の高層ビル街や,雄大なロッキー山脈」を抽出することができる。ある いは,同じように「アメリカ合衆国」を位置とするが,前出の属性情報 を「ニューヨークの高層ビル街」と「雄大なロッキー山脈」の2つに分 けて抽出することもできる。このようにさまざまな抽出をした結果を表 2・4に示す。. 表2−4地理情報の抽出例 位置. アメリカ合衆国 位置とした場 アメリカ合衆国 ニューヨークを 置とした場合 ロッキー山脈を 置とした場合. 属性情報 ・ニューヨークの高層ビル街や雄大な ロッキー山脈。・ニューヨークの高層ビル街。・雄大なロッキー山脈。. ニユーヨーク. ・高層ビル街。. ロッキー山脈. ・雄大(雄大である)。. この結果から図2−6の文章は,複数の地理情報が結合されて記載され ていることが分かる。そしてこのような文章は,教科書にある記載文で は珍しいものではなく,むしろあたり前の文である。つまり,教科書の. 一26隔.
(31) 記載文は,複数の地理情報をまとめた文章で構成されているのである。 生徒は授業中,教科書に掲載された,このような複数の地理情報が結 合された文章から,自分が必要とする情報を収集している。しかし,生. 徒の収集の仕方は,自分が必要な情報が記載されていれば,必要な部分 を抜き出して記述するのではなく,情報が含まれている文章すべてを記 述する,つまり自分に必要のない情報も同時に記述するという姿が多く 見られる。. 生徒が,自分に必要のない情報も同時に記述する原因は何であろうか。 考えられるのは,これまでの中学校社会科の授業の中で,情報教育が意. 識されてこなかったことであろう。または,中学校社会科の授業では,. 地理的技能が身についていない生徒に対し,複数の地理情報がまとまっ た形,つまり教科書にある文章のような形で,教師が情報を提示(板書) したり,教師と生徒,生徒同士で,情報交換・情報伝達(発表)されてい たといえるかもしれない。. 生徒は授業中,主として情報を受け取る立場にある。情報を受け取り,. 受け取った情報をもとに様々な活動を行い地理的事象について認識を 深め,地理的な見方を身に付けていく。情報を受け取る側の生徒に情報 の受け取り方である地理的技能が身についていなくては,先述のような 自分に必要のない情報も同時に記述するという姿が見られても仕方が ないことである。. したがって生徒に地理的技能を身に付けるために授業を改善する必 要がある。授業改善の手立てとして,地理情報の構造を用いて,授業を 計画することを提案する。その理由は,地理情報の構造を用いれば,生 徒は教科書等に記載されている文字で表された情報に限定はされるが, 表2−4のように地理情報を細かな単位で見たり,記録したりすることが できるようになる。生徒が細かな単位で見たり,記録したりすることが できるということは,様々な社:会事象の存在を認識することができるよ うになる可能性がうかがえるということである。. また細かな単位で見たり,記録した地理情報を,似た語句を含む地理 情報同士で集め,まとめることにより,社:会事象間の関係を認識するき っかけにもなる。. 2−4−2 地理情報の構造を用いた学習と情報活用能力の育成. 生徒が,複数の地理情報が結合された文章を,細かな地理情報に見直 一27一.
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