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中学校数学における代表値に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)中学校数学における代表値に関する研究. 教科・領域教育学専攻 自然系コース(数学) M  0 8 1 7 6 C 宮   本   昌  範 情報が表現されることも少なくない。我々は. 1.研究の目的  現在,情報化社会が到来している。テレビを. それを見抜くことができるようになる必要が. つければ,日本にいても,アメリカの大リー. あろう。. グやNBA,NFLの試合などを生放送で見るこ.  これらのことから,統計教育が重要視されて. とができ,ニュースでも海外の情報が流れて. いることが分かる。そして,統計教材のうち,. いる。また,テレビだけでなく,パソコンや. 平均値,中央値,最頻値といった代表値は,資. 携帯電話を通してインターネットを利用する. 料を1つの数字で簡潔に表すことができる反面、. ことで,いつでも必要な情報を手に入れるこ. 分布などの情報を見えなくしてしまう。その為、. とができる時代である。そして,その情報は,. それぞれの代表値の特徴を理解しいていなけれ. 表,グラフ,代表値などの統計図表で表現さ. ば誤った判断をすることに繋がると考えられる。. れることが多い。現代を生きる我々は,この. 従って,本研究では,中学校数学における統計. ような表現を適切に読み取ることが必要とな. 教育の中の代表値を研究の対象とする。そして,. ってくるであろう。. 本研究の目的は,中学校学習指導要領解説・数.  このような情報化社会の到来を背景に,中学. 学編(2008)において述べられている,外れ値. 校新学習指導要領において「資料の活用」と. がある時や,分布が非対称である時は代表値と. いう領域が新設された。椙元は,新中学校学. して平均値が適切ではない場面があり,そのよ. 習指導要領に「資料の活用」が新設され,統. うな時には,最頻値や中央値を用いるというこ. 計教育が強調される背景の1つとして,情報. とを生徒に指導するための教材や指導法につい. 化社会が到来し,小学生や中学生でも簡単に. て考察することである。. 情報にアクセスできる時代になったことをあ げており,統計教育の目的として,加工され. 2.論文の概要. た資料の価値を見抜く目を養うことと述べて.  第1章では,第1節で統計教育が求められ. いる。確かに,現実において,意図されてか. る背景とその目的について述べた。その後,. されずにかは分からないが,不適切な方法で. 第2節で本研究の目的を述べ,本論文の構成. 一344一.

(2) 中央値を用いるということを,多くの大学生. を示した。.  第2章では,第1節で戦後の中学校学習指. が理解できていないことがわかった。. 導要領から平成20年に告示された中学校学習.  第4章では,第3章で得た示唆から,資料の. 指導要領における統計教材の目標,学習内容,. 比較を行わせる教材案と,認知的葛藤を取り入. 用語・記号を表にまとめ,当時の中学校指導. れた教材案について述べた。第1節では,資料. 書・数学編などを参照しながら統計教材の変. の比較を用いた教材の有用性について述べた後. 遷について述べた。. 海外の先行研究において見られる,オールスタ.  第2節では,統計教材の中でも代表値に焦. ートーナメントに出場させる選手を決定するた. 点を当て,それを学習する目標,学習内容,. めにバスケットボール選手2人の得点のデータ. 用語・記号について触れながら,中学校指導. を比較することと,修学旅行に行く時期を決定. 書・数学編,中学校学習指導要領解説・数学. するために気温のデータを比較するという授業. 編などを参考に,代表値の教材としての変遷. 実践を紹介した。その後,それらを参考に,資. について述べた。また,学問的な観点と教育. 料を比較させる教材の例として,「鮎釣り」とい. 的な観点から代表値を学習することに,どの. う文脈を用いて,2つの川で去年釣れた鮎の数. ような意義があるかにっいて述べた。. をヒストグラムで示した資料を比較するという.  第3章の,第1節では,先行研究における,. 教材提案を行った。. オーストラリアの生徒の代表値(aVerage)の.  第2節では,まず,認知的葛藤の有用性につ. 理解に関する調査について述べた。その調査. いて考察し,生徒に認知的葛藤を体験させると. 結果から,オーストラリアの生徒は,平均値. いう研究実践を紹介した。その後,それらを参. を関係的に理解できていないこと,また,中. 考に,認知的葛藤を生徒に引き起こすことが可. 央値を学習した生徒であっても,それの定義. 能であると思われる,2つの資料のそれぞれの. を理解できていないことから,代表値の理解. 最頻値を生徒に与え,その2つの資料を合わせ. は生徒にとって難しいのではないかという示. て1つの資料としたときの最頻値を予測すると. 唆を得た。. いう教材を提案した。.  第2節では,第1節で述べた調査をもとに.  第5章第1節では,本論文の各章の内容をま. 本研究で行った,大学生を対象とした調査に. とめた後,全体的なまとめを行った。第2節で. ついて述べた。調査問題では,外れ値があり,. は,今後の課題を述べた。. 中央が左にずれ,右方向に伸びている分布資 料を学生に提示し,学生がどのような代表値 を選択するかを調査した。調査結果から,単. 主任指導教員   崎 谷 眞 也. 純に平均値を求める学生が6割を超えている. 指導教員  崎谷眞也. こと,また,中学校学習指導要領解説・数学 編(2008)において生徒に理解させることが 求められている,外れ値がある場合や分布の 形が非対称の場合は平均値ではなく最頻値や. _345一.

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