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教科書の接続詞 : BCCWJ教科書データを用いた分析

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(1)Title. 教科書の接続詞 : BCCWJ教科書データを用いた分析. Author(s). 馬場, 俊臣. Citation. 札幌国語研究, 22: A1-A10. Issue Date. 2017. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/9595. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 教科書の接続詞 ―― BCCWJ教科書データを用いた分析 ―― 馬 場 俊 臣. 1.はじめに 日本語研究において、コーパスを利用した計量的研究が近年急速に進展している。 本稿では、コーパスを活用した接続詞に関する研究の一環として、教科書に使用 された接続詞の特徴に関する分析結果の一端を報告する。具体的には、国立国語研 究所『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(以下BCCWJ)の「特定目的・教科書」 データを用いて、学年段階別及び教科別の接続詞の使用の特徴(使用された語、連 接類型)を分析する。さらに、BCCWJコアデータを用いて、教科書以外の一般的 な文章の接続詞と比較して教科書の接続詞の特徴を分析する。. 2.先行研究 教科書に使用された接続詞に関する研究は、これまで国語教科書(主に小学校) を対象とした研究が殆どであり、国語教科書の接続詞の使用実態を学年別に明らか にしようとした研究が多い1。本稿では、国語以外の教科書も対象とする。 BCCWJを利用した研究としては、 「出版・書籍」データを利用した林愛美(2014) がある。林は中学校国語教科書2の接続詞の使用傾向を一般の文章(「出版・書籍」 データ)と比較して分析している。本稿5節で、林の結果を示しながら本稿の調査 結果との比較を行う。 3 を用いた教科書の語彙調査の報告として田中牧郎 (2015) なお、 「教科書コーパス」. がある。田中(2015:2)は、「教科書コーパス」によって各教科の教科書の日本語 の実態が把握できるようになり、国語教育の問題点や課題を見出して改善策を研究 することが可能になったと述べている。. 1.  2008年以前の研究は馬場俊臣(2010)参照。2009年以降の研究は、黒田耕司(2010) 、石. 黒由香里(2013) 、浅石卓真(2013) 、林愛美(2014) 、伊澤亮平・橋本修(2014)がある。 2. 「   平成23年度版中学校国語教科書(光村図書) 」. 3. 「   2005年度に使われていた、各教科・各科目・各学年1種ずつ計144冊の教科書の全文を対. 象」 (田中牧郎2015:4)として作成したコーパス。. -1-.

(3) 3.調査分析(1)――BCCWJ教科書データ 3.1 調査方法 BCCWJ「特定目的・教科書」から、接続詞(長単位)の全用例及び副詞(長単位) の「詰まり」「例えば」4の全用例を、検索ツール「中納言」5を用いて抽出した6。 3.2 接続詞の使用傾向の概観 まず、学年段階別・教科別の使用頻度及び高頻度の接続詞の比較を行い、全体的 な傾向を見る。 まず、表1に接続詞の延べ語数、異なり語数、相対頻度(1万語当たりの延べ語 数)を示す。学年段階別に見ると、全体としては、小中高と学年が上がるに連れて、 異なり語数、相対頻度ともに増加している。ただし、相対頻度に関しては、全学年 段階の全教科書が対象となっている国語、社会、数学、理科の間で違いが見られる。 社会、数学、理科は学年が進むに連れ増加しているが、国語は小4-6以降は大き な変化はなく、1万語当たり約50語の接続詞が用いられている。 以下の分析では、接続詞の延べ語数が少ない小1-3の全教科の教科書、及び全 学年段階が揃っていない(国社数理以外の)科目の教科書は分析対象から除外する。 次に、表2に、学年段階別・教科別に使用頻度上位5位までの接続詞を示す。学 年段階別と、学年段階別・教科別を見ると、全体的に、5位の語までの累積使用率 は学年が上がるにつれて僅かではあるが下がっており、学年段階が上がるとともに 多様な接続詞が使われることが分かる。また、教科別の表と学年段階別・教科別の 表の国語とそれ以外の3教科の5位の語までの累積使用率をみると、いずれの学年 段階でも、国語の累積使用率は低くなっており、国語は他の教科に比べ多様な接続 詞が用いられていることが分かる。 教科ごとに特徴的な接続詞を見ていくことも興味深いが、ここでは、一例として 数学を取り上げる。小4-6では「又」が多用されていることが目立つ。順接の接 続詞では、中学校では「従って」、高校では「従って」に加え「因って」及び「故に」 (延べ11語で8位)が多用されている。また、使用率が10%以上の接続詞を取り出 すと、小学校では1語(「又」)、中学校では3語(「又、従って、例えば」 ) 、高校で は5語(「又、即ち、従って、但し、因って」)であり、特に高校では多様な関係が 現れやすい。こうした多様な関係を表す接続詞を的確に使用できるようにすること は国語だけでなく数学など他の教科の学習にとって極めて重要である。 4. 「   詰まり」 「例えば」はBCCWJでは「副詞」として分類されているが、国語教科書などで. 接続詞として扱われることが一般的であるとみなし、本稿では接続詞として扱う。 5. 「   中納言 2.2.0」 (https://chunagon.ninjal.ac.jp/) 。2016年7~8月検索実施。. 6.  抽出した用例は接続詞4,214件、 「詰まり、例えば」計371件の合計4,585件である。接続詞. の検索結果の中から明らかに誤解析である計12件を除外した4,573件の用例を調査対象とし た。. -2-.

(4) 表1 接続詞の延べ語数、異なり語数、相対頻度 延べ語数 教科. 小1-3. 小4-6. 異なり語数. 中. 高. 計. 小1-3. 小4-6. 中. 相対頻度(1万語当たりの延べ語数) 高. 計. 小1-3. 小4-6. 中. 高. 計. 国語. 27. 134. 150. 406. 717. 13. 28. 28. 40. 45. 34.4. 51.3. 53.9. 50.6. 50.5. 社会. 4. 75. 196. 942. 1217. 4. 10. 22. 31. 35. 9.4. 32.2. 41.0. 60.0. 52.4. 数学. 10. 48. 96. 244. 398. 3. 11. 10. 24. 10.6. 19.9. 理科. 3. 40. 130. 1266. 1439. 2. 8. 14. 30. 32. 7.7. 25.3. 14. 36. 50. 6. 15. 17. 外国語 芸術. 3. 技家. 9. 49. 103. 155. 87. 187. 283. 3 3. 21. 14. 14. 19. 17. 19. 25. 40.0. 7.5 11.0. 80.8. 45.4. 44.0. 61.5. 56.4. 19.3. 20.0. 19.8. 34.3. 29.6. 27.4. 30.9. 51.3. 38.9. 保体. 127. 127. 21. 21. 68.6. 68.6. 情報. 184. 184. 20. 20. 55.0. 55.0. 56.9. 49.4. 生活. 3. 計. 50. 306. 722. 3495. 3. 3. 4573. 19. 34. 36. 47. 3. 22.9. 50. 16.3. 22.9 30.3. 40.4. (注)空欄は対象データなし(調査対象外の教科書) 。. 表2 学年段階別・教科別の使用頻度上位5位の接続詞 学年段階別 語彙素 全体. 中. 高. 然し. 教科別. 例えば. そして 従って. 延べ語数. 1473. 531. 320. 250. 204. 累積使用率. 32.2%. 43.8%. 50.8%. 56.3%. 60.7%. 又. そして. 然し. でも. 例えば. 語彙素 小4-6. 又. 123. 34. 33. 25. 11. 累積使用率. 延べ語数. 40.2%. 51.3%. 62.1%. 70.3%. 73.9%. 語彙素. 又. 然し. 更に. そして. 例えば. 294. 71. 50. 45. 31. 累積使用率. 40.7%. 50.6%. 57.5%. 63.7%. 68.0%. 語彙素. 又. 然し. 及び. 延べ語数. 例えば. 従って. 延べ語数. 1042. 426. 262. 175. 165. 累積使用率. 29.8%. 42.0%. 49.5%. 54.5%. 59.2%. 計. 語彙素. 4573. 国語. 延べ語数 累積使用率. 計. 語彙素. 306. 社会. 計 722. 数学. 計 3495. 理科. 延べ語数. 小4-6・ 社会 小4-6・ 数学 小4-6・ 理科. 語彙素 延べ語数 累積使用率 語彙素. そして. でも. 又. 然し. 其れから. 21. 21. 8. 8. 17.9%. 33.6%. 49.3%. 55.2%. 61.2%. 又. 然し. そして. でも. 一方. 19. 4. 4. 3. 53.3%. 78.7%. 84.0%. 89.3%. 93.3%. 語彙素. 又. 然し. 例えば だから. 但し. 計 134. でも. 69. 43. 31. 14.8%. 26.8%. 36.4%. 42.4%. 46.7%. 又. 然し. 更に. そして. 一方. 464. 234. 78. 76. 73. 57.4%. 63.8%. 70.0%. 76.0%. 語彙素. 又. 従って. 即ち. 例えば. 但し. 延べ語数. 123. 57. 43. 38. 32. 累積使用率. 30.9%. 45.2%. 56.0%. 65.6%. 73.6%. 語彙素. 又. 然し. 又は. 延べ語数. 語彙素 中・国語. 例えば. 従って. 493. 141. 131. 106. 99. 34.3%. 44.1%. 53.2%. 60.5%. 67.4%. そして 其れから. けれど. 75. 語彙素 中・社会. 4. 4. 2. 2. 累積使用率. 62.5%. 70.8%. 79.2%. 83.3%. 87.5%. 語彙素. 又. 又は. 然し. 例えば. そして. 26. 3. 3. 3. 2. 累積使用率. 65.0%. 72.5%. 80.0%. 87.5%. 92.5%. 語彙素. 然し. だが. 48. 中・数学. 計 40. 中・理科. 又. 延べ語数 累積使用率. 計. 30. 延べ語数. 其れから. 86. 38.1%. 累積使用率. 計. 40. 累積使用率 延べ語数. 然し. 106. 計 717 計 1217 計 398 計 1439. 学年段階別・教科別. 24. 延べ語数. そして. 累積使用率. 学年段階別・教科別 小4-6・ 国語. 又. 例えば. 29. 11. 10. 10. 8. 19.3%. 26.7%. 33.3%. 40.0%. 45.3%. 又. 然し. そして. 更に. 一方. 延べ語数. 32. 15. 13. 9. 48.5%. 64.8%. 72.4%. 79.1%. 83.7%. 語彙素. 又. 従って. 例えば. 即ち. 但し. 44. 25. 11. 8. 2. 累積使用率. 45.8%. 71.9%. 83.3%. 91.7%. 93.8%. 語彙素. 又. 然し. 例えば. 更に. 又は. 延べ語数 累積使用率. 150 計. 95. 累積使用率 延べ語数. 計. 196 計 96 計. 72. 16. 10. 7. 6. 55.4%. 67.7%. 75.4%. 80.8%. 85.4%. 130. 学年段階別・教科別 高・国語. 累積使用率 語彙素 高・社会. 高・数学. 高・理科. そして. 其れから. 52. 51. 44. 24. 21. 12.8%. 25.4%. 36.2%. 42.1%. 47.3%. 又. 然し. 更に. 一方. そして. 延べ語数. 延べ語数. 又. 328. 183. 64. 61. 56. 累積使用率. 34.8%. 54.2%. 61.0%. 67.5%. 73.5%. 語彙素. 又. 即ち. 従って. 但し. 因って. 延べ語数. 44. 35. 32. 28. 27. 累積使用率. 18.0%. 32.4%. 45.5%. 57.0%. 68.0%. 語彙素. 又. 然し. 延べ語数 累積使用率. 例えば 従って. 又は. 393. 123. 118. 106. 89. 31.0%. 40.8%. 50.1%. 58.5%. 65.5%. 計 406 計 942 計 244 計 1266. 3.3 対応分析 接続詞の使用の特徴を詳しく見るために、対応分析という統計分析を行った7。 7.  統計R(ver 3.3.1)のcorresp関数を利用した。. -3-.

(5) 表3 教科ごとの連接類型別使用頻度 連接類型 順接型 逆接型 添加型 対比型 転換型 同列型 補足型 計. 国語 61 174 285 33 38 56 43 690. 延べ語数 社会 数学 23 100 268 12 687 137 113 21 16 5 75 80 31 33 1213 388. 理科 131 157 652 210 17 213 56 1436. 計 315 611 1761 377 76 424 163 3727. 連接類型 順接型 逆接型 添加型 対比型 転換型 同列型 補足型 計. 使用率(教科別) 国語 社会 数学 9% 2% 26% 25% 22% 3% 41% 57% 35% 5% 9% 5% 6% 1% 1% 8% 6% 21% 6% 3% 9% 100% 100% 100%. 理科 9% 11% 45% 15% 1% 15% 4% 100%. 計 8% 16% 47% 10% 2% 11% 4% 100%. 8 、教科別(語彙素)9、学年段階別(連接類型)10、教科別(連 学年段階別(語彙素) 11 の分析結果の散布図を図1~4に示す。なお、教科ごとの連接類型別の 接類型). 使用頻度を表3に示す。 まず、図1の学年段階別(語彙素)の対応分析である12が、第一次元の軸解釈を 行うと、マイナスからプラスにかけて小4-6、中、高と並んでおり、学年段階に 対応している軸と考えられる。(1)に第一次元の得点の低い順に語彙素を並べて 示す13。より難易度の低い日常的・話し言葉的な接続詞から、より難易度の高い固 い文体の書き言葉・文語的な接続詞の順に並んでいる。 (1) [と、なのに]、じゃあ、でも、だって、ですから、で、其れで、が、 扠、だから、其れから、だけれど、そうして、そして、じゃ、すると、 其れとも、けれど、又、唯、其れでも、其れでは、詰まり、では、然し、 例えば、所が、更に、然も、一方、但し、又は、従って、並びに、所で、 或いは、だが、猶、[且つ、即ち]、及び、 [されど、されば、因って、 故に、若しくは、尤も、要するに] 次に、図2の教科別(語彙素)の対応分析である14が、軸解釈を行うと、第一次 元は国語がマイナスに大きく偏っているのに対し、数学、理科、社会はプラス側に ある。国語の部分に重なっている接続詞は「けれど、されど、されば、じゃ、じゃ 8.  第1アイテムは学年段階(小4-6、中、高) 、第2アイテムは接続詞(各語彙素) 。. 9.  第1アイテムは教科(国語、社会、数学、理科) 、第2アイテムは接続詞(各語彙素) 。. 10.  第1アイテムは学年段階(小4-6、中、高) 、第2アイテムは連接類型(順接型、逆接型、. 添加型、対比型、転換型、同列型、補足型) 。連接類型は市川孝(1978)に基づいており、 各語彙素を連接類型に分類した。 11.  第1アイテムは教科(国語、社会、数学、理科) 、第2アイテムは連接類型(順接型、逆. 接型、添加型、対比型、転換型、同列型、補足型) 。 12.  第一次元の寄与率82.08%、第二次元の寄与率17.92%。. 13.  得点の値は省略する。同じ得点の語彙素は[]で括って示す。. 14.  第一次元の寄与率63.66%、第二次元の寄与率29.68%。. -4-.

(6) あ、だけれど、だって、と、なのに、其れから、其れで」であり、さらに比較的話 し言葉的な接続詞(「そうして、唯、だから、でも、扠、で、其れでも、が、だが」 など)がマイナスに偏っている。プラスには「故に、因って、従って、即ち、又は、 但し」のようなより書き言葉的な接続詞が現れている。第一次元は話し言葉的―書. 又は、但し」のようなより書き言葉的な接続詞が現れている。第一次元は話し言葉 き言葉的という区分を表す軸と考えられる。第二次元はマイナスに社会、プラスに 的―書き言葉的という区分を表す軸と考えられる。第二次元はマイナスに社会、プ 数学が現れている。マイナスに現れる接続詞は「尤も、要するに、其れでは、然し、 ラスに数学が現れている。マイナスに現れる接続詞は「尤も、要するに、其れでは、 並びに、更に、一方、猶」などであり、書き手の論の運び方を示す言わば叙述的な 然し、並びに、更に、一方、猶」などであり、書き手の論の運び方を示す言わば叙 接続詞であるのに対し、プラスに現れる接続詞は「故に、因って、但し、が、従っ 述的な接続詞であるのに対し、プラスに現れる接続詞は「故に、因って、但し、が、 て、即ち」などであり、内容自体に存在する因果的な論理関係を表す接続詞である。 従って、即ち」などであり、内容自体に存在する因果的な論理関係を表す接続詞で ある。第二次元は叙述的―因果関係的な区分を表す軸と考えておく。 第二次元は叙述的―因果関係的な区分を表す軸と考えておく。 15 が、第一次元の軸解釈 次に、図3の学年段階別(連接類型)の対応分析である 次に、図3の学年段階別(連接類型)の対応分析である15が、第一次元の軸解釈 を行うと、プラスからマイナスにかけて小 4-6、中、高と並んでおり、学年段階に を行うと、プラスからマイナスにかけて小4-6、中、高と並んでおり、学年段階 対応している軸と考えられる。高校では、対比型、補足型、同列型、順接型が相対 に対応している軸と考えられる。高校では、対比型、補足型、同列型、順接型が相 的に小 4-6、中に比べて現れやすい。 対的に小4-6、中に比べて現れやすい。 最後に、図4の教科別(連接類型)の対応分析である1616が、大まかにみると、国 最後に、図4の教科別(連接類型)の対応分析である が、大まかにみると、国 語は転換型と逆接型、社会は添加型、理科は対比型と同列型、数学は順接型と補足 語は転換型と逆接型、社会は添加型、理科は対比型と同列型、数学は順接型と補足 型が、それぞれ相対的に他の教科に比べて現れやすい。 型が、それぞれ相対的に他の教科に比べて現れやすい。. 図1 学年段階別(語彙素)の対応分析の散布図 図1 学年段階別(語彙素)の対応分析の散布図 15.  第一次元の寄与率80.48%、第二次元の寄与率19.52%。. 16. 15 16.  第一次元の寄与率69.39%、第二次元の寄与率26.26%。軸解釈は省略する。 第一次元の寄与率 80.48%、第二次元の寄与率 19.52%。 第一次元の寄与率 69.39%、第二次元の寄与率 26.26%。軸解釈は省略する。. -5-. - 5 -.

(7) 図2 教科別(語彙素)の対応分析の散布図 図2 教科別(語彙素)の対応分析の散布図 図2 教科別(語彙素)の対応分析の散布図. 図3 学年段階別(連接類型)の対応分析の散布図 図3 学年段階別(連接類型)の対応分析の散布図 図3 学年段階別(連接類型)の対応分析の散布図. - 6 - 6 -6-.

(8) 図4 教科別(連接類型)の対応分析の散布図 図4 教科別(連接類型)の対応分析の散布図. 4. 4.調査分析(2)――BCCWJ教科書データ及びコアデータ 調査分析(2)――BCCWJ 教科書データ及びコアデータ 4.14.1 調査方法 調査方法 教科書の接続詞の使用状況が、社会一般の文章と比べた場合、どのような位置付 教科書の接続詞の使用状況が、社会一般の文章と比べた場合、どのような位置付 けにあるのかを見るために、BCCWJ のコアデータ1717の接続詞も含めて、調査を行う。 けにあるのかを見るために、BCCWJのコアデータ の接続詞も含めて、調査を行 BCCWJ コアデータには「出版・書籍」「出版・雑誌」「出版・新聞」「特定目的・白書」 う。BCCWJコアデータには「出版・書籍」 「出版・雑誌」 「出版・新聞」 「特定目的・ 「特定目的・知恵袋」「特定目的・ブログ」の 6 種のレジスター(ジャンル)がある。 白書」 「特定目的・知恵袋」 「特定目的・ブログ」の6種のレジスター(ジャンル) 4.2 対応分析 がある。 18 の対応分析を行った19。図5に散布図を示す。 教科別・レジスター別(語彙素) 4.2 対応分析 コアデータのうち「白書」は極めて堅い文体の書き言葉であり、「知恵袋」「ブ 18 の対応分析を行った19。図5に散布図を示す。 教科別・レジスター別(語彙素) ログ」は Web 上の文章であり話し言葉的な要素を含む書き言葉である。これらに対 コアデータのうち「白書」は極めて堅い文体の書き言葉であり、 「知恵袋」 「ブロ し、「書籍」「雑誌」「新聞」はより一般的な文章であると言える。図5のそれぞ グ」はWeb上の文章であり話し言葉的な要素を含む書き言葉である。これらに対し、 17. 「書籍」「雑誌」「新聞」はより一般的な文章であると言える。図5のそれぞれの位. 計算機による形態素解析後に、人手による修正を行った高精度のデータ。 置を見ると、「書籍」「雑誌」「新聞」は近い位置に固まっており、国語は「書籍」 18 第 1 アイテムは教科・レジスター(国語、社会、数学、理科、出版・書籍、出版・雑誌、 17 出版・新聞、特定目的・白書、特定目的・知恵袋、特定目的・ブログ)、第  計算機による形態素解析後に、人手による修正を行った高精度のデータ。 2 アイテムは接 続詞(語彙素)。 18 19  第1アイテムは教科・レジスター(国語、社会、数学、理科、出版・書籍、出版・雑誌、 第一次元の寄与率 39.41%、第二次元の寄与率 20.83%、第三次元の寄与率 13.98%。 出版・新聞、特定目的・白書、特定目的・知恵袋、特定目的・ブログ) 、第2アイテムは接 続詞(語彙素) 。. - 7 -. 19.  第一次元の寄与率39.41%、第二次元の寄与率20.83%、第三次元の寄与率13.98%。. -7-.

(9) 図5 教科・レジスター別(語彙素)の対応分析の散布図 図5 教科・レジスター別(語彙素)の対応分析の散布図. とほぼ重なっている。国語は一般的な文章に近い接続詞を用いていると言える。一 れの位置を見ると、「書籍」「雑誌」「新聞」は近い位置に固まっており、国語は 方、数学、理科、社会の教科書は、国語や「書籍」「雑誌」 「新聞」に比べて特徴的 「書籍」とほぼ重なっている。国語は一般的な文章に近い接続詞を用いていると言 える。一方、数学、理科、社会の教科書は、国語や「書籍」「雑誌」「新聞」に比 な接続詞を用いている。特に数学は「因って」「故に」などが多用されていること べて特徴的な接続詞を用いている。特に数学は「因って」「故に」などが多用され が特徴的である。 ていることが特徴的である。. 5.先行研究の結果との比較 5. 先行研究の結果との比較 林愛美(2014)の調査結果と本稿の調査結果との比較を行う。林は、主に(2) 林愛美(2014)の調査結果と本稿の調査結果との比較を行う。林は、主に(2)の の諸点を指摘している。 諸点を指摘している。 (2)① 国語教科書は、添加型次いで逆接型の接続詞の出現数が多い。 (2)① 国語教科書は、添加型次いで逆接型の接続詞の出現数が多い。 ② 国語教科書とBCCWJ(「出版・書籍」)は、順位は異なるが、 「しか ② 国語教科書と BCCWJ(「出版・書籍」)は、順位は異なるが、「しか し」「また」「そして」が上位3位に入る。 し」「また」「そして」が上位3位に入る。 ③ 国語教科書は、BCCWJ(「出版・書籍」 )に比べ「それから」 「とこ ③ 国語教科書は、BCCWJ(「出版・書籍」)に比べ「それから」「とこ ろが」が多用されている。 ろが」が多用されている。 ④ 国語教科書は、BCCWJ(「出版・書籍」)に比べ「したがって」の ④ 国語教科書は、BCCWJ(「出版・書籍」)に比べ「したがって」の使 使用が極めて少ない。 用が極めて少ない。 ①については、本稿の調査では、延べ語数では国語は確かに添加型、逆接型の順 ①については、本稿の調査では、延べ語数では国語は確かに添加型、逆接型の順 で多いが、使用率を見ると添加型は他教科(特に社会)でも多く使用されており、 で多いが、使用率を見ると添加型は他教科(特に社会)でも多く使用されており、 国語は他教科に比べて転換型、逆接型が多いという特徴を指摘することができる 国語は他教科に比べて転換型、逆接型が多いという特徴を指摘することができる (表 3参照)。②については、本稿の調査でも同じである。ただし、他教科も含めると、 理科で「例えば」が多用されているため、教科書全体では「又、然し、例えば」が - 8 -8-.

(10) 上位3位となる。③については、国語で「其れから」が多用されるという指摘は本 「従って」 稿の調査でも同じである20。④については、本稿の調査でも同じである。 は教科書では数学、理科で多く使われており、特に中学校数学で多用されている。. 6.おわりに 本稿では、教科書の接続詞の使用傾向として、概略、次の諸点を明らかにした。 ① 全体としては、小中高と学年が上がるに連れて、異なり語数、相対頻度と もに増加している。ただし、相対頻度に関しては、国語は小4-6以降は大 きな変化はなく、1万語当たり約50語の接続詞が用いられている。 ② 学年段階が上がるとともに多様な接続詞が使われる。教科別では、国語が 他の教科に比べ極めて多様な接続詞が用いられている。 ③ 国語(特に小4-6)は他教科に比べて話し言葉的な接続詞が多く使われる。 ④ 社会は、書き手の論の運び方を示す言わば叙述的な接続詞(「尤も、要す るに、其れでは、然し、並びに、更に、一方、猶」など)が使われやすい。 ⑤ 数学は、内容自体に存在する因果的な論理関係を表す接続詞( 「故に、因っ て、但し、が、従って、即ち」など)が使われやすい。 ⑥ 連接類型別では、大まかにみると、高校では、対比型、補足型、同列型、 順接型が相対的に小4-6、中に比べて現れやすい。また、国語は転換型と 逆接型、社会は添加型、理科は対比型と同列型、数学は順接型と補足型が相 対的に他の教科に比べて現れやすい。 ⑦ 国語は、一般的な文章(書籍、雑誌、新聞)に近い接続詞を用いている。 一方、数学、理科、社会は一般的な文章に比べて特徴的な接続詞を用いてい る。特に高校数学では「因って」「故に」などが多用されている。 教科書の接続詞に関する研究は、これまで、国語教科書を対象とした調査が殆ど であった。国語以外の教科の教科書も含めて調査分析することにより、教科書の接 続詞の使用の全体的な使用実態を明らかにすることも重要である。そうした全体的 な使用実態と照らし合わせることにより、国語教科書の接続詞の特徴もより明らか となる。 本稿では、そうした全体的な使用実態を明らかにすることを目指したが、データ 量が少ないことや教科書の出版者の違いを考慮していないこと、国社数理以外の教 科書については詳しい分析を行えなかったことなど、問題点や課題も残されている。. 20. 「   所が」に関しては、BCCWJ教科書データでは延べ語数41語であり、高校で多用されて. いる。高校国語10語、高校社会7語、高校数学0語、高校理科12語であり、高校の各教科 での使用率は、それぞれ2.5%、0.7%、0%、0.9%である。小、中は、データ量が少ないため、 明確な傾向を指摘することができない。. -9-.

(11) 参照文献 浅石卓真(2013) 「中学・高校における地学教科書の文体比較―学年の進行に伴う 文体的特徴の変化―」『第3回コーパス日本語学ワークショップ予稿集』 、国立国 語研究所言語資源研究系・コーパス開発センター、pp.393-400. 伊澤亮平・橋本修(2014)「生活作文における段落と接続詞の分布」 『全国大学国語 教育学会発表要旨集』127、全国大学国語教育学会、pp.317-320. 石黒由香里(2013) 「説明文教材の系統性―文章構造の検討を中心に―」 『表現研究』 (98)、表現学会、pp.61-69. 市川孝(1978)『国語教育のための文章論概説』教育出版. 黒田耕司(2010)「児童生徒の接続詞についての教育学的考察」 『北九州市立大学文 学部紀要(人間関係学科)』17、北九州市立大学文学部、pp.27-40. 田中牧郎(2015) 「第1章 国語教育の基盤としてのコーパス―語彙の視点から―」 田中牧郎(編)『講座日本語コーパス 4.コーパスと国語教育』朝倉書店、 pp.1-29. 馬場俊臣(2010) 『現代日本語接続詞研究―文献目録・概要及び研究概観―』おう ふう. 林愛美(2014)「中学校国語教科書の接続詞使用に関する一考察―学校外で出会う 様々なテキストとの比較から―」『信大国語教育』(23) 、 信州大学国語教育学会、 pp.13-27. 付記 本研究は、JSPS 科研費16K02715の助成を受けたものである。  本稿は、「教科書の接続詞の特徴―BCCWJを用いた教科による違いの統計的 分析―」 (北海道教育大学語学文学会平成28年度学術研究発表会、2016年8月 30日開催、北海道教育大学札幌駅前サテライト)の内容の一部を加筆修正した ものである。. - 10 -.

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