謙譲語の規範意識について(二〇〇六年度卒業論文要旨集)
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(2) 荒木田崖女﹃五葉﹄ 研究. 古典文学研究室 三一五八 大磯 裕司. −引歌を中心にー. 本研究の目的は、﹃五葉﹄ の引歌を中心として論じ、作品の. 日本語学研究童 三四一〇 北. 謙譲語の規範意識について. 晃奈. 本研究は、札幌市内の高校生の謙譲語使用に関する規範意識. 範意識﹂﹃言語行動における﹁配慮﹂ の諸相k ︵くろしお出版︶. 様の調査をしている吉岡泰夫︵二〇〇六︶ ﹁敬語についての規. 調査は市内の公立高校一校の全生徒を対象として行った。同. の実態を、アンケート調査に基づき明らかにしたものである。. のみちにいざなはまほしうおもふ物から、そのしるべに﹂と創. 特質を明らかにすることである。序文に﹁女子をば、やまと歌 作の趣旨が記されており、このことから、引歌は物語の中にお. カテゴリーの見直しを行った。また先行研究で明確にされてい. との比較を行い、この先行研究が提案している規範意識の地域. ない文系理系及び学年間での相通の有無についても分析を行っ. いて重要な役割を果たしていると考えられる。しかし、作中に かった。そこで本研究では、このたび探し得た四一首の引歌に、. 織り込まれた多くの引歌についてはこれまで考察されてこな. た。. その結果、個別の例文の判断に関しては、先行研究とほほ同. これまで明らかにされている三首の引歌を併せた計四四首を対. 様の規範意識が見られた。しかし、先行研究では、札幌は仙台. は仙台と類似しない結果が得られた例文もあり、敬語をより正. と同じく方言敬語簡素地域に含まれるとしているが、本調査で. ほとんどの引歌は、﹁∼と﹂﹁∼など﹂で受け、明示されてい. 象とし、それぞれに考察を加えた。 るため、初心者でも引歌を認識することができるようになって. しい形で使おうとする意識が窺え、同一の地域カテゴリーにま. いる。読者は、物語中に織り込まれた多くの引歌の解釈を通し、 古歌を学べるようになっているのである。その引歌の出典の傾. とめるには疑問が残ることを指摘した。. 本語ブームの影響もあると考えられる。. いることが推測される結果が得られた。この背景には近年の日. の比較も行い、敬語を正しい形で使おうという意識が高まって. なお、本研究では、十年前に札幌で行われた敬語意識調査と. に関しては二重敬語や身内尊敬用法などで有意差が見られた。. また、文系理系間の相違は見られなかったが、学年間の相違. 向を見ると、散文からの引用は ﹃伊勢物語﹄ やF源氏物語﹄ が 多く、歌集からの引用は ﹃万葉集﹄ や二十一代集からの出典が ほとんどであり、特に冒頭部分は百人一首の和歌の引用が目 立った。これは、﹃五葉L が和歌の手引きとなるよう配慮した 結果だと考えられる。 以上のことから、﹃五葉﹄ は、読者にとっての和歌の入門啓 であると同時に、和歌の啓蒙という趣旨もあったと考えられる。. 151.
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