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企業統治についての講義: 沖縄地域学リポジトリ

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(1)

Author(s)

新城, 将孝

Citation

沖縄大学法経学部紀要 = Okinawa University JOURNAL

OF LAW & ECONOMICS(5): 67-83

Issue Date

2005-03-31

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/5969

(2)

【研究ノート】

企業統治についての講義

新城将孝 1.はじめに 近年、コーポレート・ガバナンス(corporategovernance)という言葉がよく使われる。これ は20世紀末における世界的傾向といってよい。周知のところであるが、コーポレート・ガバナンス

ないしは企業統治、これは「企業(会社)は誰のものか」という問いかけから始まる。換言すると、

これは「企業(会社)を支配するのは誰か」という問題提起でもある。市場を重視し、株主価値の

最大化を図るアメリカ型の企業統治(corporategovernance)は、かつて、グローバル・スタン

ダードと理解されてきた。しかし今日では、必ずしも企業統治改革の到達目標とならなくなってき

ている。それは各国の市場構造、そして会社機関構造の相違等に起因するともいえるが、これとは

次元を異にする。なによりもステークホルダーの合意を得られるか否かにこれが帰着しているとこ

ろもあろうと思われる。 確かに、各国の企業間関係、行政との関係、従業員(または労働組合)との関係等、そして、人々 の価値観や企業観、それぞれには大きな違いがあるであろうし、これらが各国の企業統治に大きな 影響を与えること、これらはおそらく周知のところであろう。 加えて、会社は出資者のもの(所有)である。しかし、企業(会社)を取り巻く現状をみると、

株主以外のステークホルダーの利益の重視も重要になってきている。企業ないしは会社は法律に基

づいて設立され、法律や制度を通してその活動を認められている。この基本的事実からみて、この ことは当然な要請ともいえる。まずは株主のためにではあるが、企業が反社会的な行動ないしは社 会の利益に反する行動をとれば社会はそのルールを変えたり、企業の存在そのものをも認めなく なってしまう。時代は、多くのステークホルダーの利益重視をも求めているといえる。続発する企

業不祥事、懲りない企業や企業経営者達、例えば、雪印乳業や日本ハム事件以降における企業(経

営)改革は消費者重視のための組織改革が中心である。 企業統治に関しては市場おける競争やそこでの公正性、企業経営の透明性や信頼性、社会ないし は株主やステークホルダーによる経営(者)の監視、企業不祥事の防止や経営効率の向上等といっ た多方面からの検討を求められる。 言うに及ばず、コーポレート・ガバナンス論は論じる人によりそれぞれ異なる。とはいえ、集約 してみると、前述のようにどうも経営者支配の進んだ大規模会社ないしは大企業における効率的で 健全な経営の構築をその議論の中心においている。そして、それは、企業にとって今日的課題と指 摘される、株主、取引先、消費者、地域社会といったステークホールダーとの利益調整に対する配 慮をも当然にその内容として包含している。それ故、コーポレート・ガバナンス論は法律の分野に 限られることなく、経済、経営、会計学等の分野でも広く議論されている。 ともあれ、「企業(会社)は誰のものか」、大雑把に、貸借対照表からみたとき、自己資本、他人 -67-

(3)

資本、それの会社に対するその権利の源泉をみたとき、一方は物権であり、他方は債権である。両

音とも、自己の財産に対する管理は、いわば、直接管理から、間接管理となる。例えば、合名会社

の場合、商法上の法人として、独立した権利義務の主体であり、法人化に伴う統治の仕組みが導入

されているものの、その出資財産に対する所有権、すなわちそれの支配・管理は直接化されたもの

である。出資者による、直営事業である。他方で、株式会社は、基本的に資本(証券)市場におけ

る株式の売買を通した企業統治のメカニズムが想定されている。株式会社は出資者(株主)のもの

(所有)であるものの、会社を取り巻く現状をみると、株主以外のステークホルダーの利益の重視

も重要になってきている。それ故、前述のような企業統治に関する議論も生じてくることになる。 また、戦後おいて商法は、幾度となく改正されてきた。その中心は、株式会社法の改正といって よい。この中で、これまでの度重なる商法改正は経営の監視体制を充実させるためのものであると いって過言でない。まさに、コーポレート・ガバナンス(企業統治)関連の改正ともいいうる。

本稿では、前述の視点に立ちながら(1)企業形態と法規制、そして、(2)コーポレートガバナ

ンスと商法(会社法)改正について概観することとする。 2.企業形態と法規制 (1)総説 企業形態としては、個人企業、団体企業とがある。その中で、団体企業としては、民法上の組合、 匿名組合、権利能力なき社団、そして、会社とがある。これらの企業形態は、基本的に、制定法国 家として、制定法による固定的な企業形態の強制に基づくものといえる。これらは、新しい時代の 事業を営むための、わかりやすく、そして、普及のための法典化の結果といえる。しかし、それは、 西洋法に習ったもので、必然的であろうか。理念型のものとなっている。勿論、制定法が作られた ことによって法の完成が行われるものではない。そこには、社会的実体への適合ないしは社会的実 在が認知される必要性があり、また、それが求められることも必然といえる。少なくとも、団体企 業の中には、現行民法、商法の施行後において、制定法の狭間で、社会的実在として確立され、認 知されてきたものもある。 周知のところであるが、人は個人の能力を越えたところでの、自分一人で行えない事業について、

他人と組むことによりそれの実現を図ろうとする。そこでは、法律(制定法)の規定にもとずくこ

とのない、団体の自然的発生があるであろうし、また、その存在も認められている。 (2)企業と法的人格 法律学上、法的主体となりうる能力(資格)のことを権利能力ないしは法人格と称している。民 法は、権利能力ないしは法人格を有する者を自然人と法人とに分類する(第1編第1章、第2章)。 自然人は、生まれながらにしての権利能力者とされる(民法1条の3)。これに対して、法人は、法 人法定主義のもと、民法または他の法律の規定によらなければ成立しないものとされる(民法33 条)。結果、今日において、民法のほか、他のさまざまな法律により、その目的ごとの法人の設立が 行われている(1)。 企業の概念について、商法では、継続的かつ計画的な意図のもとに、営利行為を実現するところ -68-

(4)

の統一・組織された独立の経済単位であるとされる。これは、商法が経済上の商ないし固有の商と

いう伝統的な概念にとらわれることなく、経済的概念構成を補助として、商法の対象を説明するこ

とに由来する。しかし、商法上、「企業」という法主体概念が中心となっている訳でもない。商法は、

企業の主体、すなわち、商人につき商行為の概念を前提とし、その概念を導き出す(固有の商人)。

そして、他方で、擬制商人を認める。商法4条1項によれば、商法上、自己の名をもって商行為を

行う者を商人とする。これが本来の意味における商人、固有の商人である。ただ、商法は店舗その

他これに類似する設備によって物品の販売をなすを業とする者、鉱業を営む者、民事会社をも商人

とする(擬制商人、4条2項)(2)。 ここで、前記企業の概念から、企業の主体は営利行為を実現する者ということになる。それが自 然人であろうが、法人であろうが、商法4条1項または2項の要件を満たした者が商人となる。そ して、商人の営業上の行為には商法の適用がある(商501条、502条、503条)。

個人企業は、自然人が個人でもって企業(経済単位)を構成することである。そして、商法4条

の要件を満たすことによって、自らが商法上の商人となる。団体企業の場合は、人が団体(企業、

経済単位)を企画・設立(設置)したものである。その団体が商法4条の要件を満たしたとき、商

法上の商人となる。ただ、今日の通説的見解によれば、団体企業には契約で構成された組合と、合

同行為によって構成された社団とが認められるということになる。現行法上、組合は、法人格の取

得は予定されていないが、その目的とする共同事業は当事者において任意に決めることができる。 当然、営利を目的とすることもできる。それ故、商法4条の要件を満たすことによって商人となり うる。これに対して、社団は法人格の取得が予定され、法人格を取得している社団は権利能力者と なる。そして、法人格のない社団は権利能力なき社団ということになるが、これも商法4条の要件 を満たすことによって商人となる。 (3)団体企業の法的性質と組織上の性格 人の集合体としての団体には、組合と社団とがあるが、前述のように、組合は契約によって成立 する団体であり、社団は合同行為によって成立する団体である。その集合形態には、それぞれ基本 的相違をみることができる。 組合の法的性質ないし成立原因は、契約である(民法667条以下)。契約は当事者の合意によって 成立することとなるが、民法上の組合、そして、匿名組合は契約によって成立する。民法上の組合 の場合、契約の当事者が出資をし、共同して事業を営むことを約することになる(民法667条1項)。 これに対して、匿名組合の場合は当事者の一方が相手方のために出資をし、相手方はその営業から 生じる利益を分配することを約することになる(商法535条)。 民法上の組合の場合、共同して事業目的を決め、共同してないしは構成員の合意に基づいて事業 の執行をしていくことが団体の運営・維持の基本となる(民法667条1項、670条)。当然、当事者は 出資の無限責任を負うことになり、組合財産も当事者の共有にある(物権的持分を有する。民法668 条)。出資の無限責任性、財産の個人への帰属という点において、個人企業との類似性が認められ る。勿論、構成員の数に、いわゆる、団体性にそれとの相違は認められる。そして、団体事業継続 性の必要性からは、当事者に直接の物権的持分があるとはいうものの、それは組合の財.産関係を分 割できない共有、いわゆる、合有とされる(民法676条)。すなわち、民法上の組合は契約に基づく -69-

(5)

人の集合体であり、契約の主体は当事者にある。当事者は活動ないしは取引の主体としてみられ る。そして、直接に物権的持分をもち、同時に、債務も負担する(民法675条)。しかし、その集合 体は、目的の事業が継続されている間、それが対外的にないしは社会的に団体としての性格を現し てくる。この点に、その特徴を見いだすことができる(3)。 匿名組合の場合、両当事者である営業者と匿名組合員との共同営業である。匿名組合が営業者と 匿名組合員との共同営業から生じる利益分配を目的としている点、民法上の組合と同一の意味をも つ類似の企業形態に属するであろう。しかし、その法的性質ないし契約の内容は大いに異なる。匿 名組合は対外的には営業者の単独の営業であり、また、匿名組合員の出資は営業者の財産に帰属す る(商法536条)。また、匿名組合契約も、営業者がその営業のためにする契約であり、付属的商行 為とされる。匿名組合員に対する関係については、信託法上の信託行為として理解されているい)。 すなわち、匿名組合員は他人の営業に出資ないしは資金の供与をするものの、営業には関与するこ となく、営業成績に従い利益の分配を受けることになる。勿論、匿名組合員は営業者の行為につい て第三者に対する権利義務を有しない(商法536条2項)。また、匿名組合員は営業に参与してその 業務を執行する権利義務もないものの(商法542条、156条)、損益分配に影響のあるところから監督 権が認められる(商法542条、153条)。この点、合資会社の有限責任社員と類似するものの、損失の 分担は匿名組合においてその要素となるものでない(5)。いずれにせよ、匿名組合は法律上、組合 財産について固有の財産権がないことになる。ただ、営業者(被匿名組合人)が出資された財産を その営業のために使用するものの、会計上においては、匿名組合の財産は営業者の財産とは別個に 独立して計算される(商法541条)(6)。 これに対して、社団には、権利能力なき社団と法人格を取得した社団とが存在する。社団である が、社団は、前述のように、合同行為によって創設される。それは、人が団体設立という目的に向 けての意思表示によって行われる団体形成行為である。その行為は、当事者(加入希望者)と社団 との合意であると説明され、当事者はあらかじめ定められている定款の拘束を受けるものとされ る。社団の業務執行は、社団の機関によって行われ(出資と業務執行の分離、ないしは所有と経営 の分離)、社団財産は、当事者(社団構成員、社員)の個人財産から明確に区別される。すなわち、 社団は団体としての主体性をもち、社団の財産は社団に帰属し、その構成員である社員は細分化さ れた単位の地位に付帯する間接的な権利を持つこととなる。社員の共有的持分は潜在化ないしは否 定される。 社団の中で、権利能力なき社団は、法人格の取得が行われていない。この権利能力なき社団は、 法律(制定法)の規定にもとづくことのない、いわゆる、自然発生的な団体である。立法論的な立 場からいうのであれば、権利能力は自然人と法人とに認められるものであり、このような権利能力 のない団体は制定法の建前からいえば、民法上の組合であるということになる。しかし、今日にお いて、社会的実体において法人たる社団と非法人たる社団とを画然と区別することはできず、権利 能力なき社団に権利能力の一部が認められるに至っている(民事訴訟法29条)。いずれにせよ、権利 能力なき社団といいうるには、①「団体としての組織をそなえ」、②「多数決の原則が行われ」、③構 成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し」、④「その組織によって代表の方法、総会の運営、 財産の管理その他団体としての主要な点が確定」していることが必要となる(7)。この要件を満たし たとき、非法人たる社団(権利能力なき社団)として権利能力の一部が認められることになり、結 -70-

(6)

果、その団体』性が強調されることになる。具体的には、「『権利能力のない』社団でありながら、そ

の代表者によってその社団の名において構成員全体のために権利を取得し、義務を負担する」とい

うことになり(8)、そして、これが、民法上の組合との相違点ともなってくる。すなわち、それが法

人ではないところからは、その財産関係が社員の共有、いわゆる総有をもって説明されてくる(9)。

他方、社団の中で、法人格のある社団としては民法上の法人(公益法人)、商法上の法人(会社)、

特別法上の法人(中間法人)等がある。その中で、会社には、4種をみることができる。いわゆる、

人的会社といわれる合名会社と合資会社、そして、物的会社といわれる有限会社と株式会社である。

一般に、人的会社は組合的性質を有する社団として説明され、上記社団の原理を満たしているのは、

物的会社としての株式会社であるとされる。これら会社は、個人企業とは異なり、一定規模の組織

とより専門的な知識を有し営利を追求する団体企業として理解される。

株式会社は基本的に、大企業を対象とした企業形態であるとされる。社員(株主)の地位は、均

等に細分化された割合的単位である株式で表される。社員(株主)はその株式の引受価格を限度と

する出資義務(有限責任)を負うのみで(商法200条1項)、会社債権者に対しては直接の責任を負

わない。いわゆる間接有限責任を負うもので、かかる社員のみで構成される物的会社において、

会社債権者にとって、会社財産のみが唯一の担保となる。物的会社が資本を中心とする会社といえ

る故である。商法は、会社債権者を保護するため、会社が会社財産を確保するための一定の計算上

の基準額、いわゆる資本についての定めをおく(商法284条の2)。そして、資本の額を公示し(商

法188条2項6号)、会社はこの資本額に相当する財産を常に保有することを求められる(資本充実・

維持の原則)。そして、所有と経営は分離され、出資者である株主は経営者たることを予定されてい

ない(商法254条2項)。会社の機関としては、株主総会、取締役会、代表取締役、監査役(監査役

会)が設置される。勿論、株式会社はその設立手続、組織が複雑となっている。他方で、株主への

利益配当、残余財産の分配等は株式数に応じてなされ(商法293条、425条)、議決権は一株につき一

個とされている(商法241条1項)。また、株式は有価証券化され(商法225条、226条)、その譲渡も

自由である(商法204条、205条)。団体論理が強調され、株主の個性は民法上の組合のようには重視

されていないといえる。

ただ、株式会社の場合、一人会社の存在が認められる(商法165条、169条、404条1号)。この点、

株式会社の設立行為が合同行為といえるのかどうか注意を必要とするが、一人会社の設立は一般に

認められている。確かに、株式の譲渡については原則として自由であり、社団であるというところ

から、その社員は多人数となりうる(潜在的社団性の存在)。しかし、株式の譲渡についての制限も

あり(商法204条1項但書)、その閉鎖性・非公開性の企業をも株式会社法が予定している点は留意

を必要とするであろう。

次に、有限会社であるが、有限会社は一言で中小企業を対象とした企業形態であるといえる。有

限会社も株式会社と同様、有限責任社員のみで構成される一元組織の会社である。しかし、これま

で指摘してきたように、株式会社がその設立手続、組織が複雑となっているのに対して、有限会社

は設立手続きは簡単であり、その組織も複雑ではない。有限会社は、その企業形態として閉鎖性、

非公開性の性質を有しており、その設立は発起設立のみである。監査役は任意のものとされ(有23

条)、取締役は一人でもよく、さらに、その任期についても定めがない(有25条)。勿論、社員の数

も50名以下とされ、その持分の譲渡についても制限があり(有19条)、持分の有価証券化も認められ -71

(7)

ていない(有21条)。一人会社の設立、さらにはその存在も認められている。有限会社も社団であ り、のちに社員の増える余地のある点、株式会社の場合とほぼ同じといえるからと説明される。 (4)企業規模とその規制 周知のように、組合の規定は、任意規定であるといわれる。そこで、理論的には、当事者で団体 性を強化することもできるのかという課題もある('(1)。具体的に、団体』性の強化として、組合財産 に対する組合員の持分を否定ないしはどこまでその潜在化をさせることができるであろうか。 これについて、出資の機能という面からみていくと、出資は財産に対する所有権=支配・管理の 間接化を容易ならしめるものといえる。すなわち、自己資本は、企業の中核資本を形成し、本来的 に利潤目的資本である。そのことゆえに自己資本は、自ら価値的最高意思決定機能としての利潤 目的機能に従って支配機能を司るものとされる('1)。しかも、その役割も会社企業の監視ではなく、 もっぱら配当の蓄積にまたは投機に限定していくことも可能なものとなっている。そこで、ここ において、出資、その権利の源泉をみることにするが、それは物権であるといえる。すなわち、出 資に伴い生じてくる権利は所有権であるが、それは団体財産に対する持分を当然に確保することに なる。ここでは、支配権(所有権)のある者が、団体を支配・管理することになる。民法上の組合 にしろ、商法上の会社にしろ、その統治における基本的理念はここにあるといってよい。 民法上の組合の場合、前述もしたが、契約に基づく人の集合体であり、契約の主体は組合員にあ る。組合員は活動ないしは取引の主体としてみられ、かつ、直接に物権的持分をもち、同時に、債 務も負担する(民法675条)。ただ、団体事業継続性の必要性から、その直接の物権的持分は組合の 財産関係を分割できない共有、いわゆる、合有とされている(民法676条)。そして、目的の事業が 継続されている間、組合は対外的にないしは社会的に団体としての性格を現してくることになる。 権利なき団体の場合、前述のように、その財産の帰属形態については総有をもって説明され('2)、 取引債務の帰属については、社団の「構成員各自は、取引の相手方に対し、直接には個人的債務な いし責任を負わない」とし、その構成員が有限責任を負うことを認めている('3)。もっとも、商行為 を行うことを目的とする組合に関し、民法上の組合に比べ高度の団体性が認められるところから商 法80条を準用するものもある(卜')。 ここで、法人化された商法上の会社、合名会社、合資会社の場合をみるが、その財産に対する所 有権=支配・管理は出資者にあり、会社の支配・管理は直接化されている。いわゆる、商法上の法 人として、会社自身が独立して権利義務の主体となっているにもかかわらず、法人化に伴う統治の 仕組みは出資者(無限責任社員)の直営事業とされている。ただ、自己資本の結合形態としては、 合名会社がその範囲を同族的ないしは一定の狭い範囲に限定しているのに対して、合資会社は自己 資本の中に-部有限責任を有する出資者の存在を認め、その支配・管理機能の一部喪失を図ってい る。勿論、ここでは、株式会社におけるような、資本(証券)市場における株式の売買を通した企 業統治のメカニズムが想定されているわけではない。商法上の法人として、独立して権利義務の主 体となり、法人化に伴う統治の仕組みが導入されている点前述の通りである。 有限会社、株式会社の場合、出資者は間接有限責任を有する。そして、原則として、所有と経営 の分離が行われる。 有限会社の場合、前述もしたように、その組織も複雑ではなく、企業形態としても閉鎖性、非公 -72-

(8)

開性の性質を有している。社員の数は50名以下とされ、その持分の譲渡については制限があり(有

19条)、持分の有価証券化も認められていない(有21条)。監査役は任意のものとされ(有23条)、

取締役は一人でもよく、さらに、その任期についても定めがない(有25条)。

株式会社の場合、所有と経営は分離され、出資者である株主は経営者たることを予定されていな

い(商法254条2項)。会社の機関としては、株主総会、取締役会、代表取締役、監査役(監査役会)

が設置される。勿論、株式会社はその設立手続、組織が複雑となっている。他方で、株主への利益

配当、残余財産の分配等は株式数に応じてなされ(商法293条、425条)、議決権は一株につき一個と

されている(商法241条1項)。また、株式は有価証券化され(商法225条、226条)、原則として、そ

の譲渡も自由である(商法204条、205条)。会社の機関としては、株主総会、取締役会、代表取締

役、監査役(監査役会)が設置され、その組織が複雑となっている。しかし、株式の譲渡について

の制限もあり(商法204条1項但書)、その閉鎖性・非公開性の企業をも株式会社法が予定している

点、前述もしたように留意を必要とする。

ともあれ、今日、株式会社法が理念として想定する株式会社は、所有と経営が分離され、実質的

に株主を所有者とする(商法404条、425条参照)、社会的資本調達機能を全面的に発揮する公開会社

にあるといってよいと思われる。 (5)準則主義の採用と強行法規性 一般に、会社法は、会社をめぐる関係者の利害を調整する法的ルールであるといわれる。とはい うものの、会社法があらゆる利害関係を取り上げているわけではなく、会社構成員(出資者)と会

社債権者の利害を中心にその規制を行っている。そして、留意すべきは、会社法の強行法規性であ

ろう。すなわち、団体の生成は社会的事実にあり、団体は個人の達成しえない社会的作用を担当す る。そして、その内部的統制を必要とし、かつ、その外部に対する関係においても法律関係の明瞭 性が当然に求められてくることにはなろう。法は団体の生成に抑制、放任、助長、強制を図ると ともに、内部的組織に干渉し、その代表の形式、財産の帰属の形式等について確定した基準を提供 し、団体と交渉する者の安全を図る(15)。当事者の合意を排除する強行法規は、取引法(契約法)に 存在するものの、組織法(会社法)において特に多くみられ(中でも、特に株式会社法)、会社法の 特色を示すものともなっている。むしろ、これらが法律上社団法人制度を設ける根拠ともなってい るであろう。ただ、民法は、社団が外部に対する関係で権利義務の主体となる点に重きを置き、そ の規制を行っている(16)。 この点、1867年のフランス会社法は、会社設立について従来の免許主義を廃止して、準則主義を 採用している。このとき、同法は、会社制度の濫用を防止するため、大陸法としては初めて、株式 会社法につき強行規定という立場をとると同時に、厳重な法規制を行うに至っている(、。 それでは、この準則主義の採用は、直ちに、強行法規性につながるのであろうか。すなわち、準 則主義の採用は、換言すれば、従来、特許ないしは免許によるお上からのお墨付きがなくなること となる。これは言い換えると、従来の免許主義等に基づく規制が緩和されることを意味することに なる。いわば、これは従来のお上による法人設立および運営管理規制に対する緩和につながるとこ ろ、準則化はその分厳重な法規制を必要とする。法も当然に強行法規性が好ましい、との論理を基 礎としているようにも思われる。 -73-

(9)

3.コーポレートガバナンスと商法改正 (1)商法(株式会社法)改正の概要 戦後、商法は何度も改正されてきている。なかでも、株式会社法については、重要な改正が相次 いでいる。ただ、これらの改正のその多くはアメリカの資本市場との関連おいて行われており、他 方で、社会のあり方の転換に対応したものでもある。また、ドイツ法系譜からアメリカ法系譜への 転換の過程・変遷をも示している。 まず、昭和23年改正法は、株式の払込について、分割払込制から全額払込制に転換をした。自己 資本充実を図る応急的なものである。その後、昭和25年改正法は、財閥解体と農地改革と、戦後日 本の資本主義体質の抜本的合理化に呼応した株式会社法の全面的改正である。一言で、それは社会 的資本調達と支配集中機構を有する現代株式会社制度の構築であった。具体的に、自己資本充実政 策手段としての授権資本制度と無額面株式制度の導入、取締役会・代表取締役の法定化(経営機構 の合理化と権限強化)、株主の経営監視権限の強化、株式合資会社の廃止等をその内容とする。 昭和37年には、企業会計の実務と法規定の矛盾を解決するために株式会社および有限会社を中心 とした計算規定の改正(財産法的立場から損益法的立場への移行)が行われた。昭和41年には株式 譲渡制限の許容、議決権不統一行使の許容、記名株式譲渡方法の簡易化および株券不所持制度の採 用が行われている。昭和37年改正法は当時の経済成長を反映したものであり、41年改正法は資本市 場開放に伴うもので、外国資本市場での資本の調達を可能とするための法整備であり(議決権の不 統一行使)、他方で、外資による乗っ取りを警戒したものである(株式譲渡制限の許容)。その他、 新株発行の手続、新株引受権の譲渡、転換社債の転換期間、定款による株式の譲渡制限、額面株式 と無額面株式の相互転換、株券の裏書廃止と株券の不所持制度等についての改正が行われている。 昭和49年には、監査制度の不備が指摘され、株式会社の監査制度を中心とした改正が行われたが、 商業帳簿に関する規定の改正により企業会計原則による会計|貫行の受け入れも行われた。その他、 累積投票、抱合せ増資、転換社債、中間配当、休眠会社の整理等に関する改正も行われた。取締役 の選任の累積投票については、会社支配権の防衛策として定款による排除を認めた。抱合せ増資、 転換社債に関する改正は、資本調達機能の機動化であり、内部留保促進のためのものである。中間 配当制度の導入は、決算業務の負担軽減にある。特に、監査制度の充実・強化については、商法特 例法(株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律)の制定があり、株式会社を大・中・小 の三つに区分している。原則として資本金額が5億円以上の大会社については、監査役による会計 監査・業務監査のほか、会計監査人による会計監査が導入された。中会社にあたる資本金額が’億 円を超える株式会社については監査役による会計監査のほか、監査役に業務監査権限が認められる に至った。資本金額が’億円以下の小会社は、従来通り監査役による会計監査が行われることと なった。 ところで、この昭和49年改正法には衆参両院法務委員会による付帯決議が行われている。付帯決 議は、これまでの企業不祥事を背景としたもので、「会社の社会的責任」と「大小会社区分」を内容 とする会社法改正の緊急性を促すものであった。その後のロッキード事件の発覚は、その緊急性に 拍車をかけたといえる。 法制審議会商法部会は、昭和50年に「会社法改正に関する問題点」を発表し、企業の社会的責任、 -74-

(10)

株主総会の改善策、取締役・取締役会制度の改善策、株式会社の計算・公開、企業結合・合併・分

割、最低資本金制度、大小区分(会社規制の分化)と7項目につき、その意見照会が行われた。そ

して、改正試案の公表の後、昭和56年の商法改正が行われたが、同改正法は昭和25年改正以来の大

改正で、前記株式会社法全面改正の前半部分にあたる。

昭和56年改正法の主要点は、第1には、株式制度の合理化であり、第2には、会社運営機構の合

理化と監視機能の強化にある。そして、第3には、会社の業務および財務内容についての適正開示

の強化、第4には、利益供与の禁止、第5に、新株引受権付社債制度の新設、第6に、商法特例法

上の大会社の範囲の拡大である。

具体的に、第1の株式制度の合理化は、株式単位の引き上げとそれに伴う単位株制度の採用(改

正付則)、額面株式と無額面株式の調整、自己株式の質受け規制の緩和、子会社の親会社の株式取得

禁止、会社間の株式相互保有に関する規制等である。第2の運営機構の合理化と監視機能の強化

は、(1)株主総会につき、株主提案権の新設、取締役等の説明義務、総会議長の権限の法定、総会

決議の訴制度の改善等である。一言で、形骸化した総会の活性化を図ろうとする。(2)取締役・取

締役会につき、取締役の欠格事由の法定、競業取引等規制の合理化、取締役の責任の適正化、取締

役会の権限の強化、取締役会議事録の閲覧等である。取締役会によるチェック機能の充実をもくろ

んでいる。(3)監査役については、その欠格事由の法定、取締役会の招集権、報告請求権とその権

限拡大が図られた゜そして、監査役の独立性の保障のために、監査費用の確保、監査役の報酬に関

する規定の改正が行われた。第3の会社の業務および財務内容についての適正開示の強化は、営業

報告書および監査報告書の記載事項の充実ということになるが、具体的には、営業報告書の記載事

項の法定、付属明細書の提出期限の繰り上げ、計算書類の公告等に関する改正等である。第4の利

益供与の禁止は、総会屋の根絶を目指したもので、株主の権利の行使に関連して利益の供与を行う

ことを禁止し、取締役の責任および罰則に関する規定がおかれた。第5の新株引受権付社債制度の

新設、これは資金調達の多様化に対応するものであり、為替リスク・ヘッジ手段ともなりうるもの

である。第6の商法特例法上の大会社の範囲の拡大であるが、資本金が5億円以上または貸借対照

表の負債の総額が200億円以上の株式会社とされた。そして、特例法上における大会社については、

書面投票制度の導入、複数監査役制と常勤監査役制の導入、会計監査人に対する報告請求権の認容

とその権限の拡大強化、監査役監査の充実とともに、会計監査人に関する規定の改正も行われた(特

例法3条以下)。また、特例法上の大会社においては、一定の要件の下で貸借対照表、損益計算書

の取締役会での承認も可能となった。 その後の改正は、本来、基本的に昭和56年改正法で取り上げられなかった最低資本金制度、大小 会社の区分、企業結合、会社の合併および分割に関する事項がその課題となるべきであったであろ

う。しかしながら、会社法制への根本的変革への抵抗が強く、本格的な構想は先送りとなり、部分

的改正にとどまった。その主眼は、わが国の大多数を占める小規模で閉鎖的な会社(株式会社、有

限会社)に適合する法整備等に向けられたものといってよい。具体的に、設立手続き等に関するも

のとして、一人会社設立の認容、発起設立における検査役調査の廃止、出資金の払込取扱機関の強

制、現物出資・財産引受に関する規制の緩和、発起人・取締役の財産価額填補責任の導入等が行わ

れた。そして、株式譲渡制限会社における譲渡承認手続きの改善、閉鎖的会社における株主の新株 引受権の法定、最低資本金制度の導入と額の引き上げ、利益の資本組入、利益準備金の積立基準の -75-

(11)

修正、優先株発行手続きの緩和、転換株式発行手続きの緩和、社債発行枠の拡大、端株制度の改善、 組織変更に関する手続きの緩和、株式併合、株式分割等々に関する改正が行われた。 平成2年改正法も、今なお部分的改正となったが、この間、日米構造問題協議(昭和64年7月) において、アメリカから会社法改正に関する要望があり、さらに、わが国において、バブル経済の 崩壊をみるに至った。バブル経済の崩壊は、証券・金融をめぐる不祥事を明らかとした。一連のこ れら不祥事は、企業経営ないしは経営者のモラルハザードにつき厳しい指摘があり、株主の監視機 能や監査制度の強化は強く意識されるに至った。平成5年改正法は、これら社会的背景の下、代表 訴訟の容易化、会計帳簿閲覧権(持株要件の緩和)、監査制度の強化、社債制度に関する改正を行っ た。株主代表訴訟に関しては、訴額の算定につき財産上の請求ではない請求とし、かつ、会社が 負担できる訴訟費用の範囲を拡大し、訴えの提起を容易なものとした('8)。監査役制度については、 監査役の任期の伸長、特例法上の大会社の監査役の増員と社外監査役制度の導入、監査役会の法制 化が行われた('9)。社債制度については、発行限度規制の撤廃、社債管理会社の設置を原則強制等し たりし、実務との調整を図っている(2(1)。 平成6年改正法は、株式会社の株式および有限会社の持分につき自己株式(持分)取得制限に対 する緩和を行った。 自己株式の取得について、わが国の商法は原則禁止、例外許容の政策にあった。その理由は、① 実質的には出資の払い戻しとなる(資本充実の原則に反する)、②資本空洞化による担保価値の減少 (二重の損失)、③株価操作・内部者取引に利用される、④経営者支配の弊害(議決権行使の歪曲 化)等にある。しかし、わが国の経済界は、従来、取得規制の緩和を求めてきた。その理由は、① 比較法的にみても、原則自由という国もあり(アメリカ)、仮に原則禁止にあっても、わが国に比べ 例外的取得事由が広い(EC)、②株主への利益還元、③従業員持株制度の運営の円滑化、④人材確 保のためのストック・オプション制度の利用、⑤余剰金の円滑適用、⑥乗っ取りへの防衛策、⑦株 価の不当な低落への対応、⑧株式需要の適正化、⑨株式相互待合解消の受けm等々である(2')。そし て、バブル経済崩壊後の経済不況は、緊急経済対策の一環として、すなわち株式需要の適正化、株 価の不当な低落への対応策として、自己株式取得規制の緩和要望を強く後押しすることとなった。 平成6年改正法は、従来通り、自己株式の取得を原則禁止とし、例外的取得の範囲拡大の方向と なった。具体的に、自己株式取得禁止の例外として、(1)会社の規模に関係なくすべての会社につ き、①取締役または使用人に譲渡するための、②定時総会の決議に基づく利益償却のための、そし て、(2)株式譲渡制限会社につき、①株式の先買権者の指定請求が行われたときの、②株式の相続 人からの、それぞれ自己株式の取得についてその範囲拡大が行われた(型)。 平成9年改正は、議員立法を含む、大きな改正が行われた。議員立法によるものとして、ストッ ク・オプション制度の導入と取締役会による株式の任意消却の認容がある。ストック・オプション 制度は、取締役・使用人に対するインセンテイブ報酬、いわゆる業務執行を行ううえでの刺激策と しての導入にある。これは自己株式の取得緩和に関連する規定の付加、追加をもっての、株式買取 方式と、新株発行の-態様としての、新株引受権付方式とをもって行われた。 そして、従来からの懸案であった合併手続の簡素化・合理化のための改正、利益供与罪その他罰 則の整備が行われた。合併手続の簡素化・合理化は、合併報告総会・創立総会の廃止、簡易合併制 度の創設、開示制度の充実等である。また、相次ぐ総会屋に対する利益供与の再発防止のための罰 -76-

(12)

則上限の引上、利益供与要求罪、威迫を伴う利益受供与罪等の新設が行われた。同時に、銀行法、

保険業法、証券取引法等の罰則整備も行われた。

平成11年の改正においては、株式式交換・株式移転の制度の創設、子会社の業務内容の開示等に

関する整備、資産の時価評価制度の導入が行われた。平成12年の改正においては、会社分割法制の

創設、簡易な営業全部の譲受、ストック・オプション制度の改善、子会社の計算による利益供与の

禁止が行われた。 平成13年改正は、6月(議員立法)、11月、12月(議員立法)の3度にわたって行われている。6

月には、自己株式法制の抜本的改正(いわゆる金庫株の解禁)、株式の大きさ(額面株式の廃止・単

元株式制度新設等)、法定準備金制度、公募増資手続きの緩和等についての改正が行われた。11月に

は、新株発行規制、種類株式制度についての見直し、新株予約権制度の整備(転換社債、新株引受

権付社債等)、会社の各種書類の電子化についての法整備等が行われた。12月には、監査役の機能の

強化(任期の伸長、社外監査役の資格要件の厳格化等)、取締役等の責任軽減制度の導入、株主訴訟

制度の合理化等が行われた。そして、平成14年にも大幅な改正が行われた。株式関係では、種類株

主による取締役等の選任・解任権(株式譲渡制限会社)、株券失効制度、所在不明株主の株式の売却

制度、端株等の買増制度等の創設が行われた。機関関係では、特別決議の定足数の緩和、株主総会

召集手続きの簡素化、さらには、大会社における委員会等設置会社、みなし大会社(大会社以外の

株式会社における会計監査人による監査)の導入等が行われた。計算関係においては、計算関係規

定の省令への委任、連結計算書類制度の導入が行われた。その他、資本減少・法定準備金減少の手

続き、外国会社規制の合理化等が行われた。

平成15年には、議員立法により、取締役会決議に基づく自己株式の買受、中間配当に関する規制

等についての改正が行われた。また、民事訴訟費用等に関する法律の改正が行われ、株主代表訴訟 の提起時の手数料は、13,000円となった。 平成16年には、電子公告制度の導入のための改正が行われ、会社債権者保護手続きの簡素化、- 部公告義務の廃止等が行われた。また、株券不発行制度が認められ、定款で株券の不発行を定める ことができ(振替制度利用会社は定款で株券不発行を定めなければならない)、かつ、株式譲渡制限

会社は株主の請求がない限り株券の発行しなくてもよいこととなった。その他、株主名簿の閉鎖制

度の廃止も行われた。 (2)コーポレートガバナンスと会社法改正 このように商法の改正が繰り返されている。昭和25年改正は前述のように会社法の根本改正であ り、アメリカ法の制度を導入し、授権資本制度の創設、会社機関の再編、経営機構の合理化を図っ た゜戦後の株式会社法の基盤を作った。具体的に、会社経営を経営の専門家に委ね、監査役は会計 監査の任にあたることとし、株主の地位の強化を図った゜勿論、能率的な経営に資することが意図 されたものである。そして、続発する企業不祥事からは、昭和40年後半のころからの会社法の根本 改正の声が聞こえるようになって来た。すなわち、企業の社会的責任を含む会社法の改正要望であ る。昭和50年以降、会社法改正は、企業のあり方についての対処をその内容とするものであった。 大企業の反社会的投機行動、地域住民や消費者加害行動といった企業の反社会的行動に対する社会 からの批判に対し、会社法がどう対処すべきか、企業のあり方についての対処をその内容とするも -77-

(13)

のであった。それ故、株式会社法の全面的改正への着手となり、昭和50年6月「会社法改正に関す る問題点」(法務省民事局参事官室)が発表された。昭和56年改正法は、その前半部分に相当するも のであった。そして、最低資本金制度、大小会社の区分については平成2年改正法において行われ、 企業結合については平成9年、平成11年の改正法、そして、会社分割については平成12年改正法で 行われた。ここで、昭和50年以来の会社法制の全般的な見直し作業は一応の一区切りをつけること となった。 ところが、バブル経済の崩壊、不況の長期化、雇用不安と、経済の再建ないしは復活が緊急の課 題となってきた。会社法制は、構造改革の一環としてその再度の見直しを余儀なくされ、平成12年 以降、新たな会社法制の全面的見直しの作業が進められることとなった。 ただ、この間の改正作業の中で留意しておくべきは、わが国における企業の社会的責任に関する 議論にあるように思われる。 わが国において、企業の社会的責任(CorporateSocialResponsibility)の用語が使用され始め たのは約半世紀前の昭和30年頃といわれる。昭和31年11月、経済同友会全国大会での「経営者の社 会的責任の自覚と実践」に決議、昭和48年3月、経済同友会の「社会と企業の相互信頼を求めて」、昭 和48年9月、経団連の「企業の社会的責任に関するアンケート結果」等々をみることができる。そ して、昭和49年改正商法の際において、今後の商法の改正課題の一つとして企業の社会的責任を盛 り込んだ、衆参両院議員での付帯決議が行われた。 昭和50年6月、法務省民局参事官室は、「会社法改正に関する問題点」をだし、意見照会を行った。 注目すべきは、その中に、取締役は社会的責任に対薑応して行動すべき義務を負わすべきか否かにつ いての意見照会をが行なわれていた点である。結局、これに関する規定の追加はなされなかったも のの、社会的責任の一環としての個別的検討課題とされていた、株主提案権の創設、利益供与の禁 止、取締役・監査役の説明義務、社外取締役の導入等、株主総会制度の改善、取締役会制度の改善、 そして、開示制度の充実等はそのご改正作業の中でその実現をみている。これらの個別検討課題 は、社会的責任の一環としてあげられていた課題であったが、その後においては、企業統治の問題 として意識されるに至り、具体的改正の段においてはその認識も含意・意識した作業が進められて きている。 具体的に、平成6年、日本私法学会は「コーポレート・ガバナンスー大会社の役割とその運営・ 管理機構を考える」とのテーマの下、シンポジュウムを開催した鰹別)。そして、自由民主党は、平成 9年9月に「コーポレート・ガバナンスに関する商法等改正試案骨子」を公表し(21)、翌98年には改 正案骨子を出している。経団連も、平成9年9月、「コーポレート・ガバナンスのあり方に関する緊 急提言」を行い、同年11月には、上記自由民主党から出された商法等改正思案骨子に対する意見を 出している(25)。また、日本コーポレート・ガバナンス・フォーラムは、「コーポレート・ガバナン ス原則」の提出を行っている(26)。 いずれにせよ、新たな商法改正(会社法改正)のポイントは、第1に、企業統治であり、第2に、 企業資金調達手段の改善と整備、第3に、高度情報化社会への対応、第4に、企業活動の国際化 (グローバル経済)への対応である(27)。 周知のように、これまでの改正は一応のコンセンサスがとれたものであった。景気の回復が最重 要課題であり、企業活動の活性化等にその重点が置かれてきたといえる。特に議員立法はその色 -78-

(14)

彩が濃いものといえる。平成に入っての、短期間での数度にわたる恐るべき速さでの改正は、会社

法の根幹に関わるものである。ただ、急ぎすぎた改正は、経済政策一辺倒からか実務偏重と思われ、

必ずしも理論とのすり合わせ、そして、企業統治とのかかわり等については必ずしも詰めた議論が

行われたもののようには思えない。

従来、「所有、支配のあるところに責任」があり、「権限あるところに責任」があると理解されて

きた。企業統治についての議論が、「会社はだれのものか」という問いかけから始まるのもここに由

来するといってよい。わが国において、企業統治に関する議論が行われるようになったのは90年代

後半である。その歴史は、極めて浅い。日本の企業の所有構造は株式の相互待合いにあり、安定株 主の高所有比率等に特徴づけられる。経営は、それを基礎とした経営者支配となっている。 今日の大規模株式会社の多くは、すでに経営者支配に立ち至っているといわれる。そこには、必

然の論理が内在しているともいえる。ただ、経営者支配へと移っていくに、その移行過程に関する

論理については未だ必ずしも充分には解明されていないといわれている(28)。それは所有と支配が

私的性格から社会的性格へと移行するその過程の論理にもかかわっているように思われる。株式会 社では利害の対立が複雑、多面的であり、尖鋭であり、私法の基礎とする私的自治の範囲を超える 側面を有するからである。それが、企業にとっての今日的課題であるステークホールダーとの利益 調整に対する配慮という場面ないしは舞台の出現にあるといえる。 ただ、ここで言えるのは、これまでの商法改正の背後には、自由主義経済や市場中心主義の思想 の強まりがあるように思われる。例えば、アメリカにおけるような市場および司法制度を中心とす る社会的仕組みへの変化を意識した姿勢があるように思われる。言い換えれば、これまでのヨー ロッパ大陸的な、官僚の主導する、組織と組織の結びつきを中心とした系列社会からの転換である。 この経済・社会のあり方の変化、これは企業活動のグローバル化、外国資本に対する魅力あるシス テムの確立という時代的要請をその背景とするものであろう。 会社法の規制の仕方そのものからみると、事前規制型からの事後規制型への転換を意味するもの のように思われる。具体的には、会社法上の債権者保護や株主保護に対する規制緩和である。法と 経済学に基づく理解からは、株主の保護、債権者等の保護は会社との契約において実現すべきこと となる(29)。これは、経営者の裁量を大きく認めるシステムへの移行を示唆しているように思われ る。 確かに、資本市場は、企業にとっての資金調達の場であり、投資者(株主)が新しい企業にまた は新しいプロジェクトに参加する場である。投資者(株主)にとっての資産形成の場であり、投下 資本の回収の場でもある。市場原理の下で株式価格が決定され、資源の効率的配分が行われる。投 資者(株主)に支持されえないプロジェクトは、株価低迷の原因ともなる。株価は企業価値を示す -指標とされ、株式は市場で売られ、株価は低下し、経営者は経営能力を問われ解任される。さら には、T○Bや最悪の場合には会社倒産等もあり得る。この脅威が経営者を利潤最大化に駆り立て る。市場は経営者を監督する機能を持ち、企業活動をコントロールする機能を持つとされる。 結果、今日、市場による企業統治メカニズムは株主にとって主要なものとなるが、勿論、この市 場を通しての企業統治にも限界があるのはいうまでもない。効率的な市場は当該企業に関する情報 を基礎とするが、企業内部情報は大方のところ経営者側に偏りがちとなる。経営者が利潤の最大化 を図っているかにつき、その判断を困難とする要因ともなる。情報量の格差は、効率的な市場の形 -79-

(15)

成や市場による企業統治メカニズムの作動に大きな影響を与えるいってよいように思われる。この 場合において、法的制度、会計制度等が充実し、株主や債権者等が自衛しやすいシステムの確立が 必要不可欠のものといえる。開示制度の充実、詐害行為等の防止策、自衛困難な債権者の保護策等 そのメカニズムが効率的に機能するシステムの構築を必要とするものといえる。ここでは、強力な 開示・取引規制を伴う証券規制、その実効性確保のための行政組織や司法システム、競争的で創造 性あふれる経済システムの確立等ということが求められているといってよいように思われる。 現在、「会社法制の現代化に伴う要綱案」が明らにされている(3'1)。これまでの記述の多くが盛り 込まれているようにも思われるが、それによると、まず、(1)これまでの商法第2編、有限会社 法、商法特例法等の各規定について、平仮名口語体等を行い、しかも、一つの法典(会社法(仮称)) として再編しようとしている。片仮名文語体で表記されている現在の商法(会社法)の条文も読み やすくなる。また、(2)株式会社・有限会社については、統合して-つの会社類型(株式会社)と するものとする。さらに、(3)株式会社の設立に際して出資すべき額については、下限額を設けな いものとし、最低資本金制度の廃止を盛り込んでいる。 要綱案は、第1部から第4部までで構成され、第1部では基本方針が、第2部以下では実質的な 改正に係る具体的事項が取り上げられている。要綱案でも示されているように、一言で、それは「会 社法制の現代化の作業に合わせ、会社に係る諸制度間の規律の不均衡の是正等を行うとともに、最 近の社会経済情勢の変化に対応するための各種制度の見直し等、『会社法制の現代化』にふさわしい 内容の実質的改正」となっているとされるいI)。 4.むすびにかえて コーポレート・ガバナンス論ないしは企業統治に関する議論において、これが「企業(会社)は 誰のものか」という問いかけから始まることは前記したところである。ただ、これは単に主権論に 止まることなく、会社運営に関するモニタリング・システム論を考慮したものになければならない であろうと思われる。確かに企業不祥事、経営者の違法、不当な行為は会社の利益に直接、間接 に影響を与えるものであり、株主の長期的利益とも関わり、かつ、市場競争のルールに関する問題 でもある。株主重視の経営は、株主が会社の所有者であるという視点からは至極当然のことであ る(32)。 ただ、他方において、株主の所有者的、主権的性格をよりあらわにすると、「昭和25年改正前の亡 霊」との椰楡を受けざるをえなくなる(331。今日、会社経営に問題ありとみたとき、株主のそのほと んどはおそらく迅速に株式の売却を行い、損失を抑える途を選択ように思われる。株主権の積極的 行使のないところにおいて、株主総会の形骸化・無機能化ないし儀式化は常態であるといっても言 い過ぎとはいえないであろう。少なくとも、このような現状を認識しながら、株主の意思決定権限 の実質化を図りつつ、個々の監督是正権の充実を図っていく必要性があるように思われる。情報開 示による経営の透明'性の確保、説明義務の強化、さらには、株主による違法行為差止や株主代表訴 訟制度等の充実である。また、崩れつつあるとはいうものの、株式の相互保有は、これまで、会社 経営の自立を確保し、効率性を提供するものとされてきた。しかし、これ自体も、経営者に対する モニタリングを不能としている点、資本の空洞化につながっている点等、そこに改善の必要性があ -80-

(16)

ることはいうまでもない。

かつて、わが国では、会社は従業員のものであるとする従業員主権論も主張されていた。好景気

を維持し、ジャパンイズナンバーワンともてはやされもした頃である。日本流の従業員中心

主義の、そして、経営者支配は経営者の内部昇進や労使信頼関係の重視の従業員共同体的性格をも

つ経営システムといえる。また、市場型とは異なる、企業内、企業間における情報の共有による協

調を基礎においたネットワーク型経営システムともいえる。しかしそこでは、儒教思想等の影響を

受けた徳治主義への傾斜も加わった、人事権の独占等からは救いがたい病を内包しているといって

よいように思われる。この間における数多くのわが国での企業不祥事、官庁の不祥事は、組織が社

会に対して虚偽や欺臓等の不正隠蔽の画策と、その共通点をみせている。そもそも、現在の会社法

システムでは、日本流の従業員中心主義ないし従業員主権を支える根拠を見出すことさえできない

のにである。

本稿校正中に、ニッボン放送株争奪戦がマスコミを賑わした。あるIT産業が時間外取引におい

てニッポン放送株を大量に取得し、系列企業の支配権をめぐるその防衛策の展開に関わるものであ

る。報道をみる限り、とりわけ会社乗っ取りとの位置づけが優勢のようにみえた。従来のネット

ワーク型経営システムの下で、大株主は取引関係も深く相互に株を持ち合い、安定株主として振る

舞うのが常識との感覚をそのベースにおいているようにみえる。ただ、今回の株買収劇は、従来の

日本的企業経営のあり方に警鐘を鳴らしたといえる。企業経営者を震憾させ、伝統的な企業経営観

に対する再考を迫られているといっても過言ではないであろう。一例として、フジテレビ側が対抗

策として、株式配当額を約4倍も引き上げたことはそのことを示唆しているものと思える。これ

は、業績が不振であれば経営者が責任を取る、株主が経営者の責任を追及するという企業統治の基

本についての再認識でもある。

ただ、企業経営での利害関係者は経営者を含め、従業員、取引先、消費者、そして地域社会まで

広がる。残念ながら、現在のわが国の会社法システムは多様な利害関係者から評価され、客観的判

断のできる企業統治の充分な確立、企業防衛策の法的裏付けの法規定を完備してなく、現在、その

法的整備の遅れは否めないところにあるように思われる。 >王 (')民法は公益法人、商法は営禾I法人、農業協同組合法は農業協同組合、労働組合法は労働組合、 保険業法は相互会社等といった具合である。 (2)勿論、企業を、生産、販売、サービス等の事業を営む経営体とし、営利事業を営む者(ないし は経済単位)に限定することなく、それを広義に使用するときのあることは言うに及ばない。 (3)企業は継続性がその要件となっており、ここでは団体としての側面をとらえることになる。し かし、周知のように、民法は組合を典型契約の一つとしており、契約の側面を基礎としている。 組合契約による人の集合は、もともとその構成員の個性の尊重にあるといわれる。そこで、組 合(団体)それ自体が事業主体として社会に受け入れられているような現象等から、どこまで 団体の論理の強調をしていくべきかについては困難を伴う。団体の論理の強調は構成員の個性 の喪失を導くことになってくる点注意を要するといえる。 (4)田中誠二『四全訂商法1(総則商行為)』有信堂全書200-203頁。 -81-

(17)

内的組合との相違・・・内的組合は、匿名組合と同様、複数人が出資をし、対外的法律行為も その数人の中の一人で行い、財産も単独所有の形態をとる。しかし、その事業は、共同事業で あり、組合員は出資額以外に営業に関する支出負担も負う、一種の民法上の組合とされる(大 判大6年5月23日民録23輯917頁)。 田中誠二『四全訂商法1(総則商行為)』有信堂全書200-203頁。 最判昭和39年10月15日民集18巻8号1671頁。 最判昭和39年10月15日民集18巻8号1671頁。 権利能力なき社団としての設立中の会社と発起人組合の関係)最高裁は、営利、非営利の別な く、団体一般を対象としている。社会において、非法人の団体も、法人と全く同様に取り扱わ れている例が多いといえる。その中で、会社を見分けるには、商法17条、18条、そして、57条 がある。それだけで、他の組織体と見分ける基準ないし特性は示されていない。また、裁判所 も特に示してはいない。団体観、法人観について必ずしも明確でないところがあるように思わ れる。法人と、非法人との相違は、国家によって権利主体となるにふさわしいことを公認され ているところに求めるのか(杉本泰治『法律の翻訳』勁草書房47頁)。 鍛冶良堅『民法講義l総則(改訂版)』有斐閣大学双書81頁。 貞松茂『株式会社の支配の研究』ミネルヴァ書房1頁。 最判昭和32年11月14日民集11巻12号M2頁、同昭和39年10月15日民集18巻8号1671頁、同昭和 55年2月8日判時961号69頁、同平成6年5月31日民集48巻4号1065頁。 最判昭和48年10月9日民集27巻9号1129頁、東京高判昭和34年10月31日下民集10巻10号2324 頁、神戸地州本支判昭和36年12月20日下民集12巻12号3075頁。 東京地判昭和29年12月25日判夕47号60頁。ただ、本判決の場合、団体類型としては民法上の組 合と理解しつつ、事件の弾力的な処理のため商法80条準用のように思われる。 我妻栄『新訂民法総則(民法講義l)』岩波書店115頁。 我妻栄『新訂民法総則(民法講義1)』岩波書店116頁。組合については、その内部関係に重 きを置いている。 ドイツにおいては、1870年の改正法において準則主義を採用している。イギリスは、1844年の 登記法による。大隅健一郎『新版株式会社法変遷論』56頁、66頁、79頁。 訴訟の目的の価額を95万円とし、結果、代表訴訟を提起する手数料は請求額にかかわらず、一 律8,200円とされる。 監査機能の強化のためのもので、従来2年であった監査役の任期を3年とし、かつ、大会社の 監査役は3名以上とした。 その他、社債管理会社の権限・義務の法定、社債権者集会に関する規定の整備、担保附社債信 託法に関する改正等、社債法の全面的改正を行っている。特に、社債制度については、昭和13 年改正以来ほとんど手が加えられていなかったため、実務と法制との間に大きなギャップが指 摘されていた。本間輝雄・古瀬村邦夫編『会社法第6版』法律文化社31頁。 本間輝男・古瀬村邦夫編『会社法第6版』法律文化社32頁。 株価操作および内部者取引の防止等については、証券取引法の運用および改正で対処する。 旬刊商事法務1364号参照。同年、ジュリストは特集号を出す。ジュリスト1050号。 (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (15) 06) (17) (18) (19) (20) (21) (22) (23) -82-

(18)

(24) (25) (Z6) ジユリスト1121号71頁。 ジュリスト1121号73頁。

平成9年10月「コーポレート・ガバナンス原則-新しい日本型企業統治を考える-(中間報

告)」、平成10年5月「コーポレート・ガバナンス原則_新しい日本型企業統治を考える-(最

終報告)」を提出した。別冊商事法務212号「コーポレート・ガバナンスの新局面」を参照。

浜辺陽一郎『図解わかる商法改正」ダイヤモンド社186頁。 後藤泰二『現代日本の株式会社」1頁。

法と経済学の考えでは、会社法は会社関係者の間で結ばれるであろう契約内容のルールを予め

法律で用意したもので、任意法規とする。 「会社法制の現代化に関する要綱案」旬刊商事法務1717号参照。 「会社法制の現代化に関する要綱案」旬刊商事法務1717号参照。 わが国は私有財産性を採り、会社を社団と理解する(社団論)。そして、その下で、会社の最高 機関である株主総会の構成員とされている。また、利益配当請求権は利益が生じたときのみの ものとされ、残余財産分配請求権を有し、最終的リスクテイカーとされている。

江頭憲治郎「自民党の商法等改正試案骨子と監査役・取締役会」旬刊商事法務1470号21頁以下。

1 1 J 79 鉛ゆ】 ワ】 く く I (30) (31) (32) (鍋) -83-

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熱が異品である場合(?)それの働きがあるから展体性にとっては遅充の破壊があることに基づいて妥当とさ  

その目的は,洛中各所にある寺社,武家,公家などの土地所有権を調査したうえ

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