• 検索結果がありません。

地域環境施設における汚泥処理機能統合ならびに焼却機能統合の設計とその評価

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "地域環境施設における汚泥処理機能統合ならびに焼却機能統合の設計とその評価"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

【連絡先】〒112-8610 東京都文京区大塚 2-1-1 お茶の水女子大学 総合研究棟 807

中久保豊彦 Tel: 03-5978-5746 FAX: 03-5978-2032 e-mail: [email protected] 【キーワード】下水汚泥、混合焼却、熱収支解析、エネルギー収支

地域環境施設における汚泥処理機能統合ならびに焼却機能統合の設計とその評価

○(正)中久保豊彦1)、(学)盧梓馨1)、(学)王柯樺1) 1) お茶の水女子大学 1.はじめに 中小規模の自治体に着目すると、排水処理は集合処理(下水道等)と個別処理(浄化槽)の分担で行われており、 廃棄物処理の視点ではし尿処理場(し尿・浄化槽汚泥の処理)、下水処理場(下水汚泥の処理)、ごみ焼却施設(生活 ごみの中間処理)の 3 施設が運用されている。本稿では、廃棄物処理分野における事業効率化に向けた地域環境施設 の連携型更新計画を論じる。具体的には、汚泥の処理体系の再編に向けた 2 つの機能統合策である、汚泥処理機能統 合(下水処理場による浄化槽汚泥の受入)、焼却機能統合(ごみ焼却施設による脱水汚泥の受入)を対象とした更新計 画を設計し、その導入効果をエネルギー収支に基づき評価した。特に本研究では焼却機能統合に焦点を当て、ごみ焼 却施設で脱水汚泥を直接混焼(乾燥させずに混焼)する方式を対象とした熱収支解析モデルの開発に取り組んだ。 2.解析手法 ボイラ・タービン発電付きごみ焼却施設を導入できる中規模自治体を想定し、計画処理人口を 10 万人と設定した。 汚水処理方式別人口比率は、該当する人口規模の自治体での整備状況を参考に、下水道を 65%、浄化槽を 35%とした。 機能統合が行われない基準ケースは、消化のなし/ありを踏まえ Base (nonDG)、Base (DG)とした。基準ケースでは し尿処理場で浄化槽汚泥の処理が行われ(高負荷脱窒素処理)、発生するし尿脱水汚泥は小型焼却炉で焼却される。 機能統合策の実施を想定した技術システムならびにケース設定を図 1 に示す。Case A は汚泥処理機能統合を実施す るケースであり、し尿処理場を廃止して浄化槽汚泥の処理機能を下水処理場に統合する。Case B は汚泥処理機能統合 と焼却機能統合の両方が行われるケースとした。本研究では消化の有無を踏まえて 2 つの機能統合策を分析する。消 化を行う場合、下水処理場で汚泥中有機物の一部を分解させることでバイオガス発電が可能となる一方、脱水汚泥の 固形物中有機分率の低下を招き、後段の焼却プロセスでのエネルギー収支を悪化させる要因となる。また、消化槽の ない条件下においては二液調質脱水機を導入することができ、脱水汚泥の含水率を 70%程度まで低下させることが可 能となる。焼却機能統合の高効率化に向け、消化なしでのケース設定として、通常の脱水機を導入する Case B1 (nonDG) と、二液調質脱水機を導入する Case B2 (nonDG)の 2 ケースを設けた。 図1 技術システムと評価バウンダリー 濃縮 脱水 生活排水 最初 沈殿池 消化 汚泥 生物反応槽 最終 沈殿池 初沈 汚泥 消化 濃縮 汚泥 余剰 汚泥 処理水 ごみ焼却施設 可燃ごみ 下水処理場 流動床 焼却炉 廃熱 ボイラ タービン 電力 過熱 蒸気 下水道 区域人口 浄化槽 区域人口 生活排水 収集 合併処理 浄化槽 収集 65,000人 35,000人 脱水 (nonDG) ガスエンジン 電力 浄化槽 汚泥 脱水 汚泥 汚泥焼却場 流動焼却炉 (高温焼却) ※1 ※2 二液調質脱水 脱水 汚泥 Case A   ※1 Case B1 ※2 Case A ※1 Case B ※2 Case B2 ※2 (DG) 脱水 汚泥 バイオガス 対象外 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会 講演原稿2020

B2-2

-93-

(2)

ごみ焼却施設での熱収支解析モデルの開発について、本研究では流動床焼却炉を対象とした。ごみ焼却施設では燃 焼するごみ組成が変動するため、投入するごみの低位発熱量も変動する。低質ごみが入る時間帯には燃焼ガス温度が 低下するため、脱水汚泥を直接混焼する場合、低質ごみとの焼却時に燃焼ガス温度が低下することが懸念される。一 方、ごみ焼却炉内で確保できる熱エネルギーは十分にあり、ボイラでの水冷壁収熱量を適切に下げて設計することに より、汚泥混焼に対応することができる。このような焼却炉内における熱環境の制御を扱うため、熱収支解析モデル にモンテカルロシミュレーションを組み込むこととした。ごみ焼却負荷率と汚泥焼却負荷率の和を全体焼却負荷率と 定義し、全体焼却負荷率のベース値を 90%、操作範囲を [70%, 100%] と設定した。設計段階から汚泥混焼を想定する 場合、汚泥はポンプで焼却炉に投入できるため、汚泥焼却負荷率は一定値とした。標準ごみ組成かつ全体焼却負荷率 90%の条件下で、燃焼ガス温度が 920℃となるように水冷壁収熱量を設計した。設計条件を表 1 に、燃焼ガス温度の 制御結果を図 2 に示す。制御結果に基づき、燃焼ガス温度が 870℃を下回る場合に助燃剤を消費するとした。 3.評価結果 地域環境施設全体でのエネルギー収支の評価結果を図 3 に示す(電力は一次エネルギー換算値:1 kWh=9.76 MJ)。 消化なし/ありのそれぞれの技術システムについて、汚泥処理機能統合、焼却機能統合に伴うエネルギー収支の改 善効果が示された。消化なしの条件においては、Case B1 (nonDG)と Case B2 (nonDG)の差が 18,319 GJ と大きく、二液 調質脱水機の導入による脱水汚泥の含水率の低下が、焼却機能統合の効率に大きく影響することが明らかとなった。 消化ありの条件では、Base (DG)と Case A (DG)の差が 16,310 GJ、Case A (DG)と Case B (DG)の差が 12,389 GJ であり、 汚泥処理機能統合による改善効果が焼却機能統合による効果よりも大きく生じた。 消化の有無を踏まえて比較すると、2 つの機能統合計画を実施する場合、エネルギー収支は Case B2 (nonDG)で 92,243 GJ、Case B (DG)で 91,433 GJ となり、Case B2 (nonDG)が Case B (DG)を上回る結果となった。二液調質脱水 機の導入等により、今後、直接脱水汚泥の含水率の低下が促 進される可能性を踏まえると、消化槽を撤退し、焼却機能統 合によりごみ焼却施設側での電力増強を優先することが優位 となる点が指摘される。 図2 ごみ焼却施設での燃焼ガス温度の制御結果 図3 エネルギー収支の評価結果 表1 汚泥混焼を想定した設計値 汚泥焼却負荷率 (一定値) 水冷壁収熱量 [MJ/h] 混焼なし - 10,890 Case B1 (nonDG) 26.0% 8,882 Case B2 (nonDG) 20.7% 10,624 Case B (DG) 20.1% 8,869 全体焼却負荷率のベース値:90% 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 690~720 720~750 750~780 780~810 810~840 840~870 870~900 900~930 930~960 960~990 990~1020 1020~1050 1050~1080 1080~1110 1110~1140 出現回数 燃焼ガス温度 [℃] 混焼なし Case B1(nonDG)

Case B2(nonDG) Case B(DG)

45,255  60,490  73,924  92,243  62,734  79,044  91,433  ‐60,000 ‐40,000 ‐20,000 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 Base (nonDG) Case A (nonDG) Case B1 (nonDG) Case B2 (nonDG) Base (DG) Case A (DG) Case B (DG) 消化なし 消化あり ごみ焼却施設(電力) ごみ焼却施設(燃料) 汚泥焼却場(燃料) 汚泥焼却場(電力) 下水処理場 消化ガス発電 下水処理場(電力) し尿処理場(燃料) し尿処理場(電力) 収支 [GJ/年] 供給量 消費 量 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会 講演原稿2020

-94-

参照

関連したドキュメント

現在、電力広域的運営推進機関 *1 (以下、広域機関) において、系統混雑 *2 が発生

汚染水の構外への漏えいおよび漏えいの可能性が ある場合・湯気によるモニタリングポストへの影

回収数 総合満足度 管理状況 接遇 サービス 107 100.0 98.1 100 98.1 4

解体の対象となる 施設(以下「解体対象施設」という。)は,表4-1 に示す廃止措置対 象 施設のうち,放射性

上水道施設 水道事業の用に供する施設 下水道施設 公共下水道の用に供する施設 廃棄物処理施設 ごみ焼却場と他の処理施設. 【区分Ⅱ】

竣工予定 2020 年度 処理方法 焼却処理 炉型 キルンストーカ式 処理容量 95t/日(24 時間運転).

汚染水処理設備,貯留設備及び関連設備を構成する機器は, 「実用発電用原子炉及びその

・ごみの焼却により発生する熱は、ボイラ設備 により回収し、発電に利用するとともに、場