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インプラント位置再現性を向上させる口腔内スキャナーサポートシステムの検討

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(1)<原著(基礎研究) >. インプラント位置再現性を向上させる 口腔内スキャナーサポートシステムの検討 村上 高宏1,2) 田中 眞治3) 菅野 岳志4) 坂倉美菜子3) 今田 裕也3) 木村 健二3) 田中 譲治1). 近年,口腔内スキャナーの適応症例は拡大しているが,インプラント体間の距離が大きくなるとインプラント位置再現性 は低下してしまうことが知られている.そこで本研究では,口腔内スキャナーサポートシステムの有用性を検証するため, 通法の光学印象法,口腔内スキャナーサポートシステムを用いた光学印象法,シリコーン印象法のスキャニングデータをそ れぞれ取得し,三次元解析ソフトにて比較検討を行った.まず,上顎無歯顎石膏模型に 6 本のインプラント体を埋入し,マ スターモデルを製作した.その後,インプラント体にスキャンボディを装着し,基本データの取得を行った.次に,口腔内 スキャナーを用い,通法の光学印象を行った場合(IOS)と口腔内スキャナーサポートシステムを併用し光学印象を行った 場合(IOS-SP)でマスターモデルのスキャニングデータを取得した.シリコーン印象法の作業模型を製作するため,ベリ フィケーションインデックスを利用して印象採得し,ストローを用いて二回法で石膏を注入した.その後,作業模型のデー タを取得した(IMP).取得したデータは基本データと IOS,IOS-SP,IMP それぞれを解析ソフトにて重ね合わせ,適合率 とカラーマッピングにて評価を行った.その結果,IOS-SP の適合率が最も高い値を示し,統計学的な有意差を認めた.以 上より,口腔内スキャナーサポートシステムを通法の光学印象法に応用すると,インプラント位置再現性は向上することが 明らかとなった. キーワード:口腔内スキャナー,フルアーチインプラントケース,光学印象,シリコーン印象,インプラント位置再現性. 障害を有する患者への適応,印象材や石膏の寸法変形に. 緒 言 現在,歯科医療のデジタル化は大きく進歩しており,. 口腔内スキャナー,フェイススキャナー,デジタルエッ クス線,電子カルテなどの機器が,日々の歯科臨床に貢 献している.そのなかでも,口腔内スキャナーの普及は 著しく,単冠や少数歯欠損症例などの固定性歯冠補綴装. よる補綴装置への影響などが課題となっていた.それら の課題を解決する印象法として,口腔内スキャナーを用 いた光学印象法が注目されているが,年を重ねるごとに 口腔内スキャナーは改良が施され,その適応範囲は近 年,急速に拡大している.. インプラント体と上部構造の適合は,インプラント治. 置に多く用いられている1~3).. 療の良好な予後を獲得するうえで重要な因子であるが4,5),. の印象法はシリコーン印象法が主流であったが,感染性. した無歯顎模型を用いて,口腔内スキャナーを用いた光. 従来,インプラント体の固定性歯冠補綴を製作する際. 医療廃棄物による医療従事者の感染リスクの増大,開口 1).  東・甲信越支部(日本インプラント臨床研究会,施 関 設長:田中譲治) 2) 日 本大学松戸歯学部クラウンブリッジ補綴学・口腔イ ンプラント学講座 3)  関東・甲信越支部 4)  東北・北海道支部(日本インプラント臨床研究会,施 設長:田中譲治) 2020 年 10 月 28 日受付. 数々の研究者らは,フルアーチインプラント症例を想定 学印象法と従来の印象法で比較検討したところ,インプ ラント位置再現性は同等であったと報告している6~8).. また,田中らは口腔内スキャナーと CAD/CAM システム, 3D プリンターを応用することで,フルアーチインプラ. ント症例の上部構造だけでなく,可撤性補綴装置の製作 も可能にしており,高い臨床結果が得られていることを. 明らかにしている9).しかしながら,インプラント体間 の距離が長くなると,口腔内スキャナーを用いた光学印. 61 ─ 61.

(2) 62 ─ 62. 日口腔インプラント誌. 第 34 巻 第 1 号. 4.1 mm. 10.4 mm. 1.0 mm. 図 1 マスターモデル. 象法の精確さは低下することが知られており10~12),イ. ンプラント位置再現性を向上させる手法についてはいま. 2.7 mm. だ不明な点が多い.. 3.1 mm. そこで本研究では,インプラント位置再現性を向上さ. 図 2 補助キットの設計図. せる口腔内スキャナーサポートシステムの検証を行うた. め,上顎無歯顎石膏模型にインプラント体を 6 本埋入 し,通法の口腔内スキャナーを用いた光学印象法とサ. ポートシステムを併用した光学印象法,ベリフィケー. ションインデックスを利用したシリコーン印象法でそれ ぞれスキャニングデータを取得し,インプラント位置再 現性に関する比較検討を行った.. 材料および方法 1.. マスターモデルの製作. 上顎無歯顎石膏模型に 6 本のインプラント体(Roxolid. Tissue Level Standard Implant z4.1 mm RN-SLActive. 図 3 製作した補 助キット. Loxim-8 mm,Straumann,Basel,Switzerland)を埋入し, マスターモデルを製作した.なお,一般的なヒト上顎無 歯顎顎骨の形態を参考とし13),16,14,24,26 相当部. のインプラント体は仮想咬合平面に垂直,12,22 相当. し,ソフトウェア上で補助キットの設計を行った.な. ント体の埋入角度の確認は,サベイヤーを用いて行っ. の円柱状とし,補助キット下部 4.1 mm はスキャンボ. 部のインプラント体は唇側傾斜とした.また,インプラ た.その後,リファレンスボディを 12,22 間,16,26 の後方にそれぞれ装着した(図 1) .. 2.. 基本データの取得. マスターモデルのインプラント体 6 本にスキャンボ. ディ(CARES Mono Scan body RN,Straumann)を装着. し,歯科用ラボスキャナー(D2000,3Shape,Copenha-. gen,Denmark)を用いて,基本データの取得を行った. なお,取得した基本データは Standard Triangulated. Language(STL)ファイルとして保存した.. 3.. 口腔内スキャナーサポートシステムの製作. スキャンボディのアクセスホールの直径と長さを測定. お,補助キットの設計は高さ 10.4 mm,最大直径 3.1 mm ディのアクセスホールに差し込める形態にし,補助キッ ト 上 部 6.3 mm は 矯 正 歯 科 用 パ ワ ー チ ェ ー ン(Power. chain,KAVO,California,USA)が固定しやすいようく びれを設け,先端に進むにつれ細くなる形状にした(図 2) .その後,設計したデータを 3D プリンター(CARES. P Series P30,Straumann)に送信し,サージカルガイド. 製作用レジン(P Pro ガイド用模型樹脂,Straumann) を用いて補助キットを製作した(図 3).. 4.. 口腔内スキャナーを用いた光学印象法. 口腔内スキャナー(Trios3,3Shape)を用いて,通法. の光学印象法と口腔内スキャナーサポートシステムを併 用した光学印象法をそれぞれ行った..

(3) 2021 年 3 月. IOS におけるスキャンサポートシステムの有効性. (A). 63 ─ 63. (B). 図 4 口腔内スキャナーのスキャニング順序 (A):顎堤およびリファレンスボディのスキャニング, (B) :スキャンボ ディのスキャニング. 通法の光学印象法はメーカー推奨に従い,マスターモ. デルの顎堤およびリファレンスボディを図 4A に示すよ うにスキャニングした.その後,スキャンボディをイン. プラント体に装着し,図 4B に示すようにスキャンボ ディ全体のスキャニングを行った(IOS,n=5).. なお,これらの取得したスキャニングデータも STL. ファイルとして保存した.. 6.. スキャニングデータの分析. ス キ ャ ニ ン グ デ ー タ の 分 析 は, 三 次 元 解 析ソ フ ト. 口腔内スキャナーサポートシステムを併用した光学印. (Gom inspect 2017,Gom,Braunschweig,Germany)を. びリファレンスボディをスキャニングし,インプラント. のデータを三次元解析ソフトに入力し,基本データと. 象法はメーカー推奨と同様,マスターモデルの顎堤およ 体にスキャンボディを装着した.その後,補助キットを スキャンボディのアクセスホールに装着し,パワー. チェーンの穴の空いた部位を補助キット上部のくびれ部 分に差し込み,固定した後で補助キット間の連結を緩ま. 用いて行った.まず,基本データ,IOS,IOS-SP,IMP IOS,基本データと IOS-SP,基本データと IMP それぞ れのデータの重ね合わせを行った.なお,重ね合わせの 基準点は 3 つのリファレンスボディの頂点とした.. その後,基本データを基とし,IOS,IOS-SP,IMP そ. ないように行った(図 5) .なお,その際にはスキャン. れぞれのスキャンボディにおける位置データの相違をカ. ワーチェーンを装着した.次に,スキャンボディならび. 50 nm 以内を適合していると仮定し15~18),スキャンボ. ボディに水平的な応力が過剰に生じないよう注意深くパ にパワーチェーンのスキャニングを行った(IOS-SP,n =5) .. なお,基本データと同様に,取得したスキャニング. データは STL ファイルとして保存した.. 5.. 従来のベリフィケーションインデックスを利 用したシリコーン印象法. マスターモデルの個人トレーを製作し,インプラント. 体 に 印 象 用 コ ー ピ ン グ(RN synOcta impression cap, Straumann)を装着した.その後,印象用コーピング間. をベリフィケーションインデックスにて固定し(図 6), シリコーン印象材(ImprintTM 4,3M,St Paul,USA)を. 用いて精密印象を行った.印象材撤去後,ストローを用. ラーマッピングにて視覚化した後,上部構造の誤差範囲 ディの表面積に対する適合率を求めた.. 7.. 統計処理. IOS,IOS-SP,IMP における 6 本のスキャンボディな. らびに各部位のスキャンボディの適合率から中央値なら. びに四分位範囲を求め,Kruskal-Wallis の検定後,SteelDwass の多重比較検定を用いて統計解析し,有意差判定 を行った.なお,危険率は 5 %に設定した.. 結 果 1.. 各印象法のスキャンボディの適合率. 各印象法の 6 本のスキャンボディの適合率を図 7 に. いて 2 回で石膏を注入する方法にて作業模型を製作し. 示 す. 中 央 値( 四 分 位 範 囲 ) を 求 め た 結 果,IOS は. キャンボディを装着し,歯科用ラボスキャナーにて,ス. (3.9)を示した.中央値は IOS-SP が最も高い値を示し,. た14).その後,作業模型のインプラントアナログにス. キャニングデータの取得を行った(IMP,n=5).. 66.3 %(6.6),IOS-SP は 77.7 %(8.1),IMP は 68.1 % IOS と IOS-SP,IOS-SP と IMP の間で統計学的な有意差.

(4) 64 ─ 64. 日口腔インプラント誌. 図 5 スキャンボディに装着し た口腔内スキャナーサ ポートシステム. 第 34 巻 第 1 号. 図 6 印象用コーピングに装着 したベリフィケーション インデックス. 100. 適合率(%). 90 b 80. a. 70. a. −100. 0 (μm). 100. (A) 60. 50. IOS. IOS-SP. IMP. 印象法. 図 7 各 印 象 法 の ス キ ャ ン ボ ディの適合率(n=5) 異なったアルファベットには 有意差を示した(p<0.05).. −100. 0 (μm). 100. (B). を認めた(p<0.05) .. なお,各印象法の中央値を示したスキャニングデータ. のカラーマッピングを図 8 に示す.IOS においてはス. キャンボディ頬側に正の誤差を認め,その誤差は前歯部 から臼歯部に移行するにつれ大きくなり,+50~+100. nm の誤差を認めた(図 8A) .IOS-SP においてはすべて のスキャンボディに同等の±20 nm 以内の誤差が多く認 められ,各部位のスキャンボディの誤差の相違は認めら れなかった(図 8B) .IMP では前歯部ならびに臼歯部 のスキャンボディに正の誤差と負の誤差をそれぞれ認 め,±100 nm の大きな誤差を認めた(図 8C) .. 2.. 各部位のスキャンボディの適合率. 各部位のスキャンボディの適合率を図 9 に示す.中央. −100. 0 (μm). 100. (C). 図 8 各印象法のカラーマッピ ング (A):IOS,(B):IOS-SP, (C) :IMP.

(5) 2021 年 3 月. IOS におけるスキャンサポートシステムの有効性. 65 ─ 65. 80. 80. 80. 60. 40. 20. 0. 適合率(%). 100. 適合率(%). 100. 適合率(%). 100. 60. 40. 20. 0. 16 14 12 22 24 26 部位. 60. 40. 20. 16 14 12 22 24 26 部位. (A). (B). 0. 16 14 12 22 24 26 部位 (C). 図 9 各部位のスキャンボディの適合率(n=5) (A):IOS, (B) :IOS-SP, (C) :IMP. 値( 四 分 位 範 囲 ) を 求 め た 結 果,IOS の 16 は 60.0 %. きると報告していることから15~18),本研究では 50 nm. (32.0) ,14 は 69.9 %(33.2) ,12 は 84.8 %(3.8),22. 以内を適合していると仮定し,スキャンボディ表面積に. を示した.IOS-SP の 16 は 80.8%(41.1) ,14 は 87.8%. プラント体の販売が行われているが,DERKS らの報告. は 83.0%(5.5) ,24 は 70.2%(39) ,26 は 59.9%(15.6). (2.1) ,12 は 78.4%(2.3) ,22 は 83.0%(3.9),24 は 81.3%(1.2) ,26 は 72.1%(8.4)を示した.IMP の 16 は 41.8%(33.1),14 は 84.8%(4.7),12 は 48.4%. (24.6) ,22 は 67.2 %(5.5) ,24 は 81.9 %(22.2),26 は 77.1%(35.1)を示した.統計処理の結果,各部位の スキャンボディにおける適合率の有意差は認めなかった. (p>0.05) .. 対する適合率を求めた.現在,多くのメーカーからイン ではスウェーデン社会保険庁の患者登録データを用いて 各メーカーのインプラント喪失率を調査したところ,ス トローマン社のインプラント体が最も低い喪失率を示. し27),KIM らはソウル延世大学にてインプラント残存. 率に関する追跡調査を 10 年間行った結果,ティッシュ レベルインプラントの補綴学的合併症率は低いことを明 らかにし,インプラント残存率も高いことを報告し. た28).よって,本研究ではストローマン社のティッシュ レベルインプラントを用いて顎模型を製作し,各印象法. 考 察 従来,口腔内スキャナーはインレーやクラウンなどの. の比較検討を行った .. 各印象法の 6 本のスキャンボディの適合率は,IOS-. 単独歯への使用に限られていた .しかしながら,近年,. SP が最も高い中央値を示した(図 7) .IOS-SP が IOS. 向上し,少数歯欠損症例におけるブリッジからロングス. トシステムを光学印象時に応用することで,スキャンボ. 19). 口腔内スキャナーの開発が進むと同時に精確さは大きく パンブリッジへの適応の拡大が数々の報告で見受けられ. る20~22).そのなかでも Trios3 は良好な結果を示してお. り,高い臨床成績を示している. .今回,本研究に. 23~25). 使用したラボスキャナーの精確さは,精密工業用のス キャナーと比較した場合,統計学的な有意差は認めな. かったと NEDELCU らは報告している26).そこで本研. 究では,口腔内スキャナーは Trios3 を用い,ラボスキャ. ナーは D2000 を使用した.また,多くの研究者らは, インプラント体と上部構造における誤差は 50 nm 以内. であれば歯周病学的・補綴学的合併症のリスクを軽減で. よりも高い値を示した理由は,口腔内スキャナーサポー ディ間の距離がパワーチェーンを介して画像に反映さ. れ,スキャンデータの連続性を正確に保てたためと考え. た.また,IOS-SP は IMP と比較しても,有意に高いイ ンプラント位置再現性を示したため,フルアーチインプ ラント症例のようなロングスパンの固定性歯冠補綴装置 の製作において有効なシステムであることが明らかと. なった.一方,IOS と IMP の間では統計学的な有意差 が認められなかったことから,口腔内スキャナーを用い た通法の光学印象法とベリフィケーションインデックス を利用したシリコーン印象法のインプラント位置再現性.

(6) 66 ─ 66. 日口腔インプラント誌. 第 34 巻 第 1 号. はほぼ同等であることが示唆された.. 必要性があることが考えられた.. 12,22,24,14,16,26 の順に高い中央値を示し,四. の光学印象法に応用することで,簡便にインプラント位. 9A).また,16,26 の中央値はほぼ同等の値を示した. 研究の結果から,スキャニングの開始点ならびに終了点. 各部位のスキャンボディの適合率において,IOS は. 分位範囲は前歯部よりも臼歯部で高い値を示した(図. のに対し,四分位範囲は 16 が 26 よりも大きな値を示. した.これは 16 がスキャニング順序の開始点と終止点 になる部位であり,スキャニングデータの積み重ねの誤. 差が影響したためと推察した.IOS-SP は 14,22,24, 16,12,26 の 順 に 高 い 中 央 値 を 示 し,14,12,22, 24,26 の四分位範囲は IOS よりも大きく減少している. ことが認められた(図 9B) .これはスキャンボディ間を パワーチェーンで連結することで,スキャニング時にパ ワーチェーンの凸凹部をランドマークとして読み取るこ. とが可能となり,スキャンボディ間の画像の積み重ねが 正確に行われ,スキャン移動時のデータの誤差を改善す ることが可能になったためと考えた.また,カラーマッ ピングを観察してみると,IOS の臼歯部のスキャンボ ディ頬側に正の誤差を認めたが,IOS-SP においては認. められなかった(図 8A,B) .このことから,通法の光. 以上より,口腔内スキャナーサポートシステムを通法. 置再現性の向上を行うことが可能となった.しかし,本 の部位の誤差の改善が認められなかった.また,本研究 ではティッシュレベルインプラントとベリフィケーショ ンインデックスを用いてシリコーン印象採得を行った. が,ボーンレベルインプラントにスクリュー固定用ア. バットメントを介在させたほうがより高いインプラント 位置再現性を示すことが推察された.そのため,今後の 研究においてはボーンレベルインプラントを埋入しスク リュー固定用アバットメントを装着した顎模型を用い. て,スキャニング順序や口腔内スキャナーサポートシス テムの改良を施すことが必要不可欠であることが示唆さ れた.. 結 論 本研究では,口腔内スキャナーサポートシステムの有. 学印象で生じていたスキャンボディ間の水平的な誤差は. 用性について検討した.. らかとなった.一方,16 部位のスキャンボディの誤差. の光学印象法に応用すると,インプラント位置再現性は. サポートシステムを応用することで改善できることが明 の改善は認められなかったが,これは光学印象時にサ. ポートシステムを応用しても,スキャニングデータの積 み重ね誤差は少なからずとも発生しており,スキャニン. その結果,口腔内スキャナーサポートシステムを通法. 向上することが明らかとなった.. 本論文において,開示すべき利益相反状態はない.. グ誤差の影響を最も受ける 16 部位での誤差が残存した. た め と 推 察 し た.IMP の 中 央 値 は 14,24,26,22, 12,16 の順に高い値を示し,四分位範囲においても各. 部位で大きく異なる値を示した(図 9C) .また,カラー マッピングを確認してみると,前歯部や臼歯部で誤差を. 認めた(図 8C).本研究ではベリフィケーションイン デックスを利用し,印象採得を行ったが,唇側傾斜して いる前歯部のインプラント体の影響もあり,印象材撤去 時に大きな応力が印象材に生じてしまい,永久歪みの発 生を助長させてしまったと考えた.平行性が良好ではな いインターナルタイプインプラントのオープントレー印 象法においては,印象材撤去時の永久歪みに細心の注意. が必要であることが知られているが29),本研究で使用し. たストローマン社のティッシュレベルインプラントはポ ジショニングスクリューの止まりが浅く,12,22 部位 の唇側傾斜においては問題がないと仮定し,本研究で使 用した.しかしながら,本研究の結果より,その影響は 大きいことが明らかとなったため,インターナルタイプ インプラントで平行性が不良な場合はアバットメントを 装着し,アバットメントレベルでの印象採得を検討する. 文 献 1) Flávio D, Célio J, Marcel S, et al. Micro-computed tomography evaluation of marginal fit of lithium disilicate crowns fabricated by using chairside CAD/CAM systems or the heat-pressing technique. J Prosthet Dent 2014;112:1134─1140. 2) Danush A, Hans CL, Martin A, et al. Evaluation of fit and efficiency of CAD/CAM fabricated all-ceramic restorations based on direct and indirect digitalization:a double-blinded, randomized clinical trial. Clin Oral Investig 2016;20:291─300. 3) Mohammed A, Marzieh A, Simindokht Z, et al. A clinical comparative study of 3-dimensional accuracy between digital and conventional implant impression techniques. J Prosthodont 2019;28:e902─e908. 4) Jemt T, Rubenstein JE, Carlsson L, et al. Measuring fit at the implant prosthodontic interface. J Prosthet Dent 1996;75: 314─325. 5) Papaspyridakos P, Chen CJ, Singh M, et al. Success criteria in implant dentistry:a systematic review. J Dent Res 2012; 91:242─248. 6) Sarah A, Hans PW, Matthew F, et al. Digital vs. conventional full-arch implant impressions:a comparative study. Clin Oral Implants Res 2017;28:1360─1367. 7) Paolo P, Francesco P, Paolo S, et al. Precision and accuracy of a digital impression scanner in full-arch implant rehabilitation..

(7) 2021 年 3 月. IOS におけるスキャンサポートシステムの有効性. Int J Prosthodont 2018;31:171─175. 8) 村上高宏,田中譲治,小林 平,ほか.フルアーチインプラ ントケースにおける口腔内スキャナーを用いた光学印象法の 三次元的精度の検討.日口腔インプラント誌 2018;31: 338─345. 9) 田中譲治,村上高宏,菅野岳志,ほか.口腔内スキャナー使 用の光学印象による種々の臨床応用:フルアーチインプラン ト症例の光学印象からコピーデンチャーの製作まで.日口腔 インプラント誌 2019;32:71─79. 10) Fukazawa S, Odaira C, Kondo H. Investigation of accuracy and reproducibility of abutment position by intraoral scanners. J Prosthodont Res 2017;61:450─459. 11) Alexander S, Leona K, Bernd W, et al. Accuracy of digital and conventional full-arch impressions in patients:An update. J Clin Med 2020;9:688. 12) Ignacio G, Jorge C, Jaime J, et al. Precision and practical usefulness of intraoral scanners in implant dentistry:A systematic literature review. J Clin Exp Dent 2020;12:e784─e793. 13) Kuć J, Sierpińska T, Gołębiewska M. Alveolar ridge atrophy related to facial morphology in edentulous patients. Clin Interv Aging 2017;13:1481─1494. 14) 原 俊浩,飯島俊一,山田詠美,ほか.印象採得したインプ ラント作業模型の精度:3 種類の製作方法の比較.日口腔イ ンプラント誌 2009;22:309─315. 15) Raquel C, Andrés S, Manuel T, et al. In vitro vertical misfit evaluation of cast frameworks for cement-retained implantsupported partial prostheses. J Dent 2009;37:52─58. 16) Dimitris E, Ferruccio T, Luca C. Marginal discrepancies of Ni/ Cr crowns for a soft tissue-level, trans-mucosal implant system. Clin Oral Implants Res 2013;24:82─87. 17) Jalil G, Hossin D, Reza K, et al. Effect of tightening torque on the marginal adaptation of cement-retained implant-supported fixed dental prostheses. Dent Res J(Isfahan)2015;12:359─ 364. 18) Lorena P, Mariane B, Ricardo S, et al. Abutment misfit in implant-supported prostheses manufactured by casting technique:An integrative review. Eur J Dent 2017;11:553─ 558. 19) Inokoshi S, Meerbeek B, Willems G, et al. Marginal accuracy of CAD/CAM inlays made with the original and the updated. 67 ─ 67. software. J Dent 1992;20:171─177. 20) Wei-Shao L, Bryan T, Amirali Z, et al. Use of digital data acquisition and CAD/CAM technology for the fabrication of a fixed complete dental prosthesis on dental implants. J Prosthet Dent 2014;111:1─5. 21) Paolo C, Gianpaolo S, Margherita M, et al. Conventional versus digital impressions for full arch screw-retained maxillary rehabilitations:A randomized clinical trial. Int J Environ Res Public Health 2019;16:829. Miyoshi K, Tanaka S, Yokoyama S, et al. Effects of different 22) types of intraoral scanners and scanning ranges on the precision of digital implant impressions in edentulous maxilla:An in vitro study. Clin Oral Implants Res 2020;31:74─83. 23) Mangano FG, Hauschild U, Veronesi G, et al. Trueness and precision of 5 intraoral scanners in the impressions of single and multiple implants:a comparative in vitro study. BMC Oral Health 2019;19:101. 24) Imburgia M, Kois J, Marino E, et al. Continuous Scan Strategy (CSS):A novel technique to improve the accuracy of intraoral digital impressions. Eur J Prosthodont Restor Dent 2020;28:128─141. 25) Mangano FG, Admakin O, Bonacina M, et al. Trueness of 12 intraoral scanners in the full-arch implant impression:a comparative in vitro study. BMC Oral Health 2020;20:263. Nedelcu R, Olsson P, Nyström I, et al. Accuracy and precision 26) of 3 intraoral scanners and accuracy of conventional impressions:A novel in vivo analysis method. J Dent 2018;69: 110─118. 27) Derks J, Håkansson J, Wennström J, et al. Effectiveness of implant therapy analyzed in a Swedish population:early and late implant loss. J Dent Res 2015;94:44S─51S. 28) Kim S, Jung U, Cho K, et al. Retrospective radiographic observational study of 1692 Straumann tissue-level dental implants over 10 years:I. Implant survival and loss pattern. Clin Implant Dent Relat Res 2018;20:860─866. 29) Sorrentino R, Gherlone EF, Calesini G, et al. Effect of implant angulation, connection length, and impression material on the dimensional accuracy of implant impressions:an in vitro comparative study. Clin Implant Dent Relat Res 2010;12:e63─ e76..

(8) 68 ─ 68. 日口腔インプラント誌. 第 34 巻 第 1 号. <Original Paper>. A Study of an Intraoral Scanner Support System That Improves Implant Position Reproducibility MURAKAMI Takahiro1,2), TANAKA Shinji3), KANNO Takeshi4), SAKAKURA Minako3), IMADA Yuya3), KIMURA Kenji3) and TANAKA Jyoji1) 1). Kanto-Koshinetsu Branch(Clinical Implant Society of Japan, Chief:TANAKA Jyoji) Department of Fixed Prosthodontics and Oral Implantology, Nihon University School of Dentistry at Matsudo 3) Kanto-Koshinetsu Branch 4) Tohoku-Hokkaido Branch(Clinical Implant Society of Japan, Chief:TANAKA Jyoji). 2). In recent years, the clinical application of intraoral scanners has expanded. However, it is known that the implant position reproducibility decreases as the distance between implant bodies increases. Therefore, since this study aimed to evaluate the effect of the intraoral scanner support system, the direct optical impression method recommended by the manufacturer, the direct optical impression method using the intraoral scanner support system, and the silicone impression method with the verification index were compared by three-dimensional analysis software. A maxillary edentulous jaw model with six implants implanted was fabricated(the master model) , the scan bodies were fixed to the implant bodies, and basic data was acquired by a lab scanner. Support kits were then fabricated by a 3D printer to fit the access hole of the scan body, and used together with a power chain as the intraoral scanner support system. Next, scanning data of the master model was obtained when using the optical impression recommended by the manufacturer and the intraoral scanner(IOS), and when using the optical impression together with the intraoral scanner support system(IOSSP). In order to fabricate the master cast of the master model, the impression coping was attached to the implant bodies of the master model, the impression coping was fixed using the verification index, and then the master cast data was obtained by the lab scanner(IMP). The obtained data was analyzed to superimpose the basic data and IOS, IOS-SP, and IMP by three-dimensional analysis software, and the adaptation rate and color mapping were evaluated. As a result, the adaptation rate of IOS-SP was higher than that of IOS and IMP, and a statistically significant difference was found. By observing the color mapping of IOS and IOS-SP, it became clear that the implant position reproducibility was improved by applying IOS. In addition, the interquartile range of IOS-SP showed lower values than IOS and IMP, proving that the impression method is highly reliable. Since IOS-SP showed significantly higher implant position reproducibility compared to the conventional impression method as IMP, it was clear that IOS-SP is an effective system for producing long-span fixed dental prosthesis devices. From the above, it was clarified that the implant position reproducibility was improved when the intraoral scanner support system was applied to the direct optical impression method recommended by the manufacturer. Key words:intraoral scanner, full arch implant, optical impression, silicone impression, implant position reproducibility.

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