年齢推定を用いた顔画像における男女判別率の向上
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(2) 国際ICT利用研究学会論文誌 第3巻第1号 2019. 特定の動作を行っていることが要求される。そのた め,静止画像の分析のほうが適用範囲の広さという点 では優れている。 顔領域の分析は,人物属性情報の自動取得におい て注目を集めている研究分野の 1 つである。文献. [6] では,顔領域から輝度値を特徴量として抽出し,. 図 1 The PAL Aging Database の画像例. Adaboost を用いて男女の判別を行っている。文献 [7] では顔領域の離散コサイン変換によって特徴量を. 方法ではテストサンプルの年齢の違いに対応するこ. 算出した後にベイズ判別器を用いて画像中の人物の. とはできず,結果として判別精度が悪くなることが予. 男女判別を行っている。顔領域における男女判別分. 想される。そこで本研究では,新たな手法として年齢. 析の課題としては,年齢の違い,人種の違い,顔向き. 情報を用いて男女判別の判別率を向上させる方法を. 変化,表情変化,照明変化等の顔領域における特徴量. 提案する。まず教師サンプルを年齢 49 歳以下,50 歳. 変動に起因する判別精度の低下が挙げられる。顔領. 以上の 2 つのグループに分け,グループごとに判別学. 域における男女判別分析の研究ではこのような特徴. 習を行う。49 歳以下,50 歳以上というグループ分け. 量変動に起因する判別精度の低下を改善するものが. は,前述の文献 [9] で 50 以上の判別率が低下したと. 主となっている。文献 [8] では,照明条件の変化によ. いう事実を考慮している。判別分析の際は男女判別. る男女判別率の低下に対応するため,一様な照明変化. を行う前に年齢判別を行い,その結果に応じて事前に. に頑健な特徴量である Local Binary Pattern 特徴量. 学習した男女の判別器のうち最適なものを選択し、男. を用いて男女の判別を行っている。. 女の判別を行う。これにより,年齢の違いに対応した. 本研究において関心があるのは年齢の違いによる. 男女の判別を目指す。また,年齢判別を併用した男女. 特徴量の変動,またそれに伴う男女判別精度の低下で. 判別と同時に年齢判別を併用しない男女判別を行い,. ある。文献 [9] では,顔領域全体および顔の部分領域. 2 つの判別率を比較することによって年齢判別を併用. から輝度値特徴量を抽出し,男女の判別分析を行って. した男女判別手法の有効性を確認する。. いる。顔の部分領域を用いたときに顔全体を用いた. 2 実験方法. ときよりも高い判別精度が得られたという報告がな されているが,50 歳以上および 10 歳前後の男女の顔. 2.1 データセット. 画像において判別率が低下したということが報告さ. 本研究では The PAL Aging Database をデータ. れている。文献 [10] では,幅広い年齢の人物画像が. セットとして用いる [11]。The PAL Aging Database. 含まれたデータベースを用いて男女の判別分析を行. は年齢が 18 歳から 93 歳までの 580 名の被験者で構. い,男女判別に年齢が与える影響について調査されて. 成されるバストアップ画像のデータベースである。. おり,高齢者の画像において判別率が低下したことが. データベースの画像は固定された照明条件のもと,デ. 報告されている。これらの先行研究から,男女の判別. ジタルカメラによって撮影されおり,解像度は 640. 率に年齢が大きく影響していることは明らかである。. × 480pixel である。また,データベースには様々な. 年齢推定を男女判別の補助情報として用いている研. 表情(Neutral, Happy, Angry, Annoyed, Disgusted,. 究の報告は比較的少なく,年齢推定による影響を十分. Grumpy, Sad, Surprised)および横向きの顔画像が. に評価した論文は見られない。. 含まれている。画像のフォーマットは RGB カラーの. 顔領域を用いて男女の判別を行う際,学習に用いら. JPEG である。The PAL Aging Database の画像サ. れる男女の画像はあらゆる年齢に渡っており,判別器. ンプル例を図 1 に示す。. は 1 種類しか用意されない。したがって,このような. 本研究においてはデータセットを正面向きおよび. 4.
(3) 年齢推定を用いた顔画像における男女判別率の向上. 図3. 年齢推定処理の流れ. み,判別対象領域をオブジェクト領域としてみなす。 上流の判別器では緩い基準によって疑わしい領域を 次々と排除していき,下流にいくほどオブジェクト の判断基準が厳しくなっていく。判断基準が緩いと は,すなわちカスケード序盤の判別器は変数の数が少. 図 2 Viola と Jones のカスケード構造を用いたオ. ないシンプルな判別器であるということを意味する。. ブジェクト検出アルゴリズム. 通常,検出窓においてはオブジェクト領域が見つか 無表情で撮影された画像に限定する。現状の男女判. るよりもオブジェクト以外が見つかる方がはるかに. 別アプリケーションはサイネージ前の顧客を対象と. 多い。このため,明らかな非オブジェクト領域をカス. したもの,すなわち顔の向きがある程度正面に限定さ. ケードの序盤の層で棄却することが高速にオブジェ. れている。そこで,正面向きおよび無表情の被験者を. クト領域を検出する鍵となっている。また,このアル. 対象とした問題設定にした。なお,正面向きおよび無. ゴリズムの高速化の要因としては,Integral Image と. 表情の顔画像を選択したところ,580 枚(女性 352 枚, いう画像処理を用いることで Haar-like 特徴量が高速 男性 228 枚)となった。実験において,顔領域検出・. に算出可能であることなどが挙げられる。. 年齢判別・男女判別は全て判別分析を用いる。このた. 2.3 年齢推定. め,データセットを教師サンプルとテストサンプル. 2.2 節で検出された顔領域を教師サンプル・テスト. に分けて用いる。ただし,顔領域検出に限り,データ. サンプルとして年齢判別実験を行う。なお,2.2 節の. セット内の全サンプルをテストサンプルとして扱う。. 実験結果より,顔領域の検出に成功した 576 枚(女. 2.2 顔領域検出. 性 349 枚,男性 227 枚)の画像からランダムに選ん だ 540 枚(49 歳以下 270 枚,50 歳以上 270)の画像. 顔領域の検出器は Viola と Jones のカスケード構 造を用いたオブジェクト検出アルゴリズム [12] に. を用いて年齢判別実験を行う。. よって作られている。アルゴリズムの概説図を図 2. 2.3.1 判別フロー 図 3 に年齢判別のフローを示す。図から分かるよ. に示す。 このアルゴリズムでは,Haar-like 特徴量(または. うに,教師あり判別分析の流れに従っている。本研究. 矩形特徴量)という画像特徴量によって学習された. では図に示すように 4 種類の特徴量,1 種類の判別器. Adaboost 判別器で,図 2 のようなカスケード構造. を組み合わせ,それぞれにおける判別性能を比較す. を作る。探索窓内の Haar-like 特徴量を入力後,カス. る。また,文献 [9] での 50 歳以上での男女判別率の. ケード中の Adaboost 群で順に判別を行い,全ての層. 低下を受けて,年齢推定の判別対象は 49 歳以下およ. で「オブジェクト領域である」と判別された場合にの. び 50 歳以上の 2 クラスとしている。. 5.
(4) 国際ICT利用研究学会論文誌 第3巻第1号 2019. ここで用いた各特徴量および判別器におけるパラ. 2.4.1 判別フロー. メータの決定法を下記に示す。. 年齢判別を併用せずに男女判別のみを行った場合の 判別フローおよび年齢判別を併用して男女判別を行っ. (1) 各種パラメータの特徴量を入力として判別器パ. た場合の判別フローを図 4,図 5 に示す。図 4 は年齢. ラメータの探索を行う。探索方法はグリッドサー. 判別の流れとほぼ同じだが,判別対象が性別である点. チ,評価値には 10-交差検証における平均判別率. が異なっている。男女判別には px 特徴量,LBP 特徴. とする。. 量,Gabor 特徴量,Gabor+LBP 特徴量の 4 種類の. (2) (1) における平均判別率が最も高かった,特徴. 特徴量を使用する。年齢判別処理では,Gabor+LBP. 量・判別器のパラメータの組み合わせを最終的な. を用いる。判別率算出の詳細を下記に示す。. パラメータとして採用する。. (3) Pixel intensity values 特徴量(px 特徴量),Local. (1) 320 枚の顔画像を 10 セットに等分し,1 つの. Binary Pattern 特徴量(LBP 特徴量),Gabor 特. セットをテストサンプルに,それ以外の 9 セット. 徴量,Gabor 特徴量と LBP 特徴量を組み合わせ. を教師サンプルに振り分ける。ここで,テストサ. た特徴量 (Gabor + LBP 特徴量) の計 4 種類で. ンプルと教師サンプルの振り分け方は,49 歳以. の判別精度を比較する。それぞれの特徴量は,px. 下男性,50 歳以上男性,49 歳以下女性,50 歳以. 特徴量が画像の輝度値(濃度値)をそのまま特徴. 上女性の比率が均等になるようにすること以外. 量としたものであり,LBP 特徴量がテクスチャ. にはランダムである。. 解析で用いられるパターンベースの特徴量であ. (2) (1) で振り分けた教師サンプル,テストサンプル. り,Gabor 特徴量が Gabor フィルタとの畳み込. を用いて男女判別を行い、判別率 A を算出する。. み演算によって得られる特徴量である。判別器. (3) (1) で振り分けたテストサンプル,教師サンプル. には非線形 Support Vector Machine (SVM) を. を用いて年齢判別を行う。. 用いており,判別対象は 49 歳以下および 50 歳以. (4) (1) で振り分けた教師サンプルのうち 49 歳以下. 上の 2 クラスとする。なお,SVM のカーネルと. の男女のみを用いて SVM を学習したものを男女. しては,Radial basis function カーネル(RFB. の判別器,50 歳以上の男女のみを用いて SVM. カーネル)を用いている。. を学習したものを男女の判別器とする。. (5) (3) の年齢判別の結果に応じて,49 歳以下と判. 2.4 男女判別. 別されたテストサンプルは男女の判別器で,50. 2.2 節で検出された顔領域を教師サンプル・テスト. 歳以上と判別されたテストサンプルは男女の判. サンプルとして年齢判別実験を行う。なお,2.2 節の. 別器でそれぞれ男女の判別を行い,テストサンプ. 実験結果より,顔領域の検出に成功した 576 枚(女. ル全体の男女の判別率 B を算出する。. 性 349 枚,男性 227 枚)の画像からランダムに選んだ. 320 枚(49 歳以下男性 80 枚,50 歳以上男性 80 枚,. 以上の方法で算出した「年齢判別を併用せずに男女. 49 歳以下女性 80 枚,50 歳以上女性 80 枚)の画像を. 判別のみを行った場合の男女判別の判別率」である判. 用いて年齢判別実験に臨むことになる。「年齢判別を. 別率 A と「年齢判別を併用した場合の男女判別の判. 併用せずに男女判別のみを行った場合の男女判別の. 別率」である判別率 B を比較・検討することで本研. 判別率」と「年齢判別を併用した場合の男女判別の判. 究の提案手法である年齢推定を併用した男女判別の. 別率」を比較することで提案手法の有効性を確認す. 有効性を確認する。. る。以下で判別処理の流れを説明する。. 年齢推定を併用した場合と併用しない場合とで男 女判別精度を比較する。なお,併用する年齢推定には. Gabor + LBP 特徴量,男女判別には年齢推定実験で. 6.
(5) 年齢推定を用いた顔画像における男女判別率の向上. 結果となった。LBP 特徴量を用いた場合は画素単位 での位置情報は失われてしまう。また,Gabor+LBP 特徴量を用いた場合は,Gabor 特徴量における画素 単位での位置情報の保存というメリットは消滅して しまう。本研究では,画像から顔領域を検出した後に 位置合わせを行わないため,最終的にヒストグラムで 特徴量を表現した LBP 特徴量が判別には有効であっ た可能性がある。 データ解析の結果,全ての特徴量において判別境 界付近(40 歳∼59 歳)での判別率は他に比べて低く 図4. なっている。今回の実験での判別対象が 49 歳以下あ. 男女判別処理の流れ. るいは 50 歳以上の 2 クラスであったことが大きく影 響している。40 歳∼49 歳のサンプルでは 10∼19 歳 のサンプルよりも 50 歳∼59 歳のサンプルのほうが年 齢が近い。そのため 49 歳のサンプルは 50 歳以上の クラスに誤判別されやすくなる。同様にして,50 歳 ∼59 歳のサンプルは 49 歳以下のクラスに誤判別さ れやすくなる。年齢は性別とは異なり連続的に変化 するものであるので,このようにしてある特定の年齢 を判別境界として設定すると,判別境界付近での判別 精度は低くなってしまう。 男女別の年齢判別実 験の結果では,女性の判別率は Gabor 特徴量を用い た時の判別率が最も低く Gabor+LBP 特徴量を用い た時の判別率が最も高く 95.1% という結果となった。 男性の判別率は px 特徴量を用いた時の判別率が最も 低く 88.7%,Gabor+LBP 特徴量を用いた時の判別 率が最も高く 97.6% という結果となった。男女別に 図 5 年齢推定を行った時の男女判別処理の流れ. 見ても Gabor+LBP 特徴量および LBP 特徴量を用 いたときの判別率が高い。このことからもヒストグ. 用いたものと同様の特徴量 4 種類,判別器には非線形. ラムで特徴量を表現したもののほうが判別には有効. SVM を用いる。. であったことがわかる。. 3 実験結果. 3.1.1 男女判別 ここでは男女判別実験の結果を評価・考察する。. 3.1 年齢推定. 3.1.2 判別率. 年齢判別実験における各特徴量の判別精度を図 6. 年齢判別を併用せずに男女判別のみを行った場合の. に示す。判別率は px 特徴量を用いると 91.1%,LBP. 判別率と年齢判別を併用した場合の男女判別の判別率. 特徴量を用いると 95.0%,Gabor 特徴量を用いると. を図 7 に示す。判別率は年齢判別無しの場合,px 特徴. 93.7%,Gabor+LBP 特徴量を用いると 96.1% となっ. 量を用いると 86.3%,LBP 特徴量を用いると 84.4%,. た。以上より,px 特徴量を用いた場合が最も低く,. Gabor 特徴量を用いると 91.3%,Gabor+LBP 特徴. Gabor+LBP 特徴量を用いた場合が最も高いという. 7.
(6) 国際ICT利用研究学会論文誌 第3巻第1号 2019. 図6. 年齢推定率. 図8. 年齢推定を行わずに男女判別を行った時の男. 女別の判別率. 図7. 年齢推定を使った時とつかわなかったときの. 図9. 男女判別率. 年齢推定を併用して男女判別を行った時の男. 女別の判別率. 量を用いると 90.6%,年齢判別有りの場合,px 特徴. 女性の判別率は px 特徴量を用いた時の判別率が最. 量を用いると 90.0%,LBP 特徴量を用いると 90.0%,. も低く 86.3%,Gabor+LBP 特徴量を用いた時の判. Gabor 特徴量を用いると 90.6%,Gabor+LBP 特徴. 別率が最も高く 91.3% という結果となった。男性の. 量を用いると 92.5% という結果となった。全体の判. 判別率は px 特徴量を用いた時の判別率が最も低く. 別率では,全ての特徴量において年齢判別を併用した. 83.1%,Gabor+LBP 特徴量を用いた時の判別率が最. ほうが男女判別単体で行ったときよりも判別率が高く. も高く 89.4% という結果となった。また特徴量別で. なるという結果となった。 次に,年齢判別を併用せず. は,Gabor+LBP 特徴量を用いたときにいちばん判. に男女判別のみを行った時の男女別の判別結果を図 8. 別率が向上していることがわかる。年齢判別を併用. に示す。女性を女性いと認識した判別率は px 特徴量. したことによって男女判別の判別精度がどのように. を用いた時の判別率が最も低く 83.8%,Gabor 特徴. 変化したかをわかりやすくするために,年齢判別を併. 量を用いた時の判別率が最も高く 87.5% という結果. 用した場合から年齢判別を併用しない場合を差し引. となった。男性を男性と認識した判別率は px 特徴量. いた男女判別率を図 10 に示す。図より,LBP 特徴量. を用いた時の判別率が最も低く 81.9%,Gabor+LBP. の男性における判別を除くすべての判別において年. 特徴量を用いた時の判別率が最も高く 87.5% とい. 齢判別を併用した場合に男女判別の判別精度が向上. う結果となった。 また,年齢判別を併用して男女. していることがわかる.さらに、年齢判別を併用した. 判別を行った時の男女別の判別結果を図 9 に示す。. 男女別では,女性のほうが男性よりも判別率が高いこ. 8.
(7) 年齢推定を用いた顔画像における男女判別率の向上. 4 おわりに 本研究では,自動検出した顔領域を用いて年齢判別 の各特徴表現における年齢判別率の比較検討,および 男女の判別率を向上させる方法として年齢判別を併 用した男女判別手法の提案を行った。 既存の手法を用いて行った顔領域検出では 576 枚 の顔画像において顔領域の検出に成功した。検出率 は誤検出率 0.0%,未検出率 0.7%,検出率 99.3% と 図 10 年齢推定を併用した場合から併用しない場. いう結果となった。判別に失敗したサンプルの傾向. 合を差し引いた男女判別率. から,顔領域を検出する際にコントラストの改善を行 う前処理および顔領域全体が検出できなかった際に. とがわかる。. 顔の部分領域を検出・分析する手法の必要性が示唆さ. 3.1.3 判別失敗サンプルの定性的傾向. れた。 年齢判別実験においては,px 特徴量,LBP 特徴量,. 年齢判別を併用した場合に Gabor+LBP 特徴量を 用いて男女判別を行った際,判別に失敗したサンプル. Gabor 特徴量,Gabor+LBP 特徴量の合計 4 種類の. の内訳は,女性が 14 サンプル,男性が 17 サンプル. 特徴量を用いて年齢判別を行った。判別器には非線. であった。ラベリングされていない情報に関しては,. 形 Support Vector Machine を用いた。判別の結果,. 顔領域を検出して適当な大きさに切り出す際,画像に. Gabor+LBP 特徴量を用いた時の判別率がいちばん. 顔領域だけでなく背景領域が含まれてしまっている. 高く 96.1% という結果であった。年齢別の判別率で. もの,左右の目の位置が水平になっていないもの,髪. は全ての特徴量において判別境界付近での判別率が. の毛により眉毛が隠れてしまっているもの,剃毛など. 低くなった。このことから今後は年代を判別するの. により眉毛が薄くなっているものなどの傾向が読み. ではなく,年齢を直接推定する方法を検討していく. 取れた。判別画像に顔領域だけでなく背景領域が含. 必要があると考えられる。また,Gabor+LBP 特徴. まれてしまっているものでは、画像から顔領域を検出. 量および LBP 特徴量を用いたときに高い判別率を確. し,適当な大きさに切り出す際に背景領域を除去する. 認した。このことから,本研究のような位置合わせを. こと,または背景領域が入らないような大きさで画像. 行っていない場合ではヒストグラムで特徴量を表現. を切り出すことなどが対策として必要である。また,. したもののほうが年齢判別には有効であったことが. 左右の目の位置が水平になっていないものでは,顔領. 確認された。. 域の検出後に左右の目の位置情報を取得し,左右の目. 男女判別実験においては,年齢判別実験に用いたも. の位置が水平になるように回転させるなどの前処理. のと同じ 4 種類の特徴量を用いて男女判別を行った。. が必要である。文献 [13] では顔認識において眉毛が. なお,併用する年齢判別には,年齢判別実験において. 与える影響が大きいと主張されている。よって髪の. 最も高い判別率となった Gabor+LBP 特徴量を,判. 毛により眉毛が隠れてしまっているものおよび剃毛. 別器には非線形 Support Vector Machine を用いた。. により眉毛が薄くなっているものでは,髪の毛や眉毛. 判別の結果,全ての特徴量において年齢判別を併用し. に影響されない特徴量の検討または顔全体を用いる. た場合の男女判別の判別率が年齢判別を併用せずに. のではなく,顔の部分領域(目,鼻,口)を用いて判. 男女判別のみを行った場合の男女判別の判別率を上. 別を行うことで髪の毛および眉毛を判別領域から除. 回った。このことから,提案手法である年齢判別を併. 外することが必要である。. 用した男女判別法の有効性が確認された。従来の判. 9.
(8) 国際ICT利用研究学会論文誌 第3巻第1号 2019. 別手法では,機械学習の教師データとして大量のデー. search Methods, Instruments, & Computers, Vol. 36, No. 4, pp. 630-633, 2004 [12] Paul Viola, Michael J. Jones, “Robust real-time face detection”, International Journal of Computer Vision, Vol. 57, No. 2, pp. 137-154, 2004 [13] Javid Sadr, Izzat Jarudi, Pawan Sinha, “The role of eyebrows in face recognition”, Perception, Vol. 32, pp. 285-293, 2003. タを必要としているが,本手法を用いることによって. 500 点余りの教師データで実用に耐えられる精度が実 現できることが示された。. 参考文献 [1] Choon Boon Ng, Yong Haur Tay, Bok Min Goi, “Vision-based human gender recognition: a survey”, arXiv preprint arXiv, 1204.1611, 2012 [2] 株 式 会 社 FocusWEB, “CACLOUD”, http://focusweb.co.jp/solution/cacloud/ (2016 年 1 月 31 日) [3] “Vending machines recommend based on face recognition”, Biometric Technology Today, Vol. 2011, No. 1, pp. 12, 2011 [4] Erno Mkinen, Roope Raisamo,“Evaluation of gender classification methods with automatically detected and aligned faces”, IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, Vol. 30, No. 3, pp. 541-547, 2008 [5] Bo Wu, Haizhou Ai, Chang Huang, “LUTBased Adaboost for Gender Classification”, Audioand Video-Based Biometric Person Authentication, Vol. 2688, pp. 104-110. 2003 [6] Guochang Huang, Yunhong Wang, “Gender classification based on fusion of multi-view gait sequences”, Computer Vision ACCV 2007, Vol. 4843, pp. 462-471, 2007 [7] Muhammad Usman KhanHafiz Adnan HabibNasir Saleem, “A hybrid approach for gender classification of web images”, International Journal of Computer Applications, Vol. 54, No. 7, pp. 11-16, 2012 [8] Caifeng Shan, “Gender classification on real-life faces”, Advanced Concepts for Intelligent Vision Systems, Vol. 6475, pp. 323-331, 2010 [9] Chiraz BenAbdelkader, Paul Griffin, “A local region-based approach to gender classi.cation from face images”, Proceedings of the 2005 IEEE Computer Society Conference on Computer Vision and Pattern Recognition, pp. 52-57, 2005 [10] Guodong Guo, Charles R. Dyer, Yun Fu, Thomas S. Huang,“Is gender recognition affected by age?”, 2009 IEEE 12th International Conference on Computer Vision Workshops, pp. 2032-2039, 2009 [11] Meredith Minear, Denise C. Park, “A lifespan database of adult facial stimuli”, Behavior Re-. 著者紹介 須藤健. 2016 年慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。 2018 年同大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻修 了。同年、日本 IBM 入社。現在に至る。在学中,画 像解析による顔の特徴量解析の研究に従事。. 田中敏幸. 1982 年 ,慶 應 義 塾 大 学 工学部計測工学科卒業。89 年,同大学大学院博士課程 修了(工学博士) 。同年同大 理工学部助手。93 年同大専 任講師。95,96 年ドイツ・ アーヘン工科大学客員研究 員。97 年同大物理情報工学 科専任講師。2003 年助教授(2007 年より准教授)。. 2009 年より教授。現在に至る。医用画像処理,GPS とその応用,信号処理,非破壊検査などの研究に従事。 計測自動制御学会,国際 ICT 利用研究学会,パーソ ナルコンピュータ利用技術学会等の会員。. 10.
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