法政大学情報メディア教育研究センター研究報告 Vol.35 (2020)
ベンジルオキシドアニオンの気相安定性に及ぼす置換基効果
Substituent Effects on Gas-Phase Stabilities of Benzyloxide Anions
中田 和秀1)2) Kazuhide Nakata
1)法政大学経営学部
2)法政大学自然科学センター
Substituent effects on gas-phase stabilities of benzyloxide anions having fixed dihedral angle φ between the C−O bond in the side chain and the benzene ring plane were computationally determined at the B3LYP/6-311+G (2d,p) level of theory, in addition to that of fully optimized anions that have the φ of 0.0°. The fixed φ was varied from 10° to 90° at the interval of 10°. All the obtained 10 series of substituent effects were analyzed by the extended Yukawa-Tsuno equation
(−∆EX =ρ σ( 0+r−∆σR−+s∆σS)). The saturation degree of the anion quantified by the resultant s value did not show a
significant change against the dihedral angle φ. The through-resonance degree quantified by the r− value decreased from 0.45 to 0.40 as the φ increased from 0° to 40°, and increased from 0.40 to 0.59 as the φ further increased from 40° to 90°. NBO analyses revealed that the sum of the donor-acceptor (DA) interactions from orbitals in the side chain to the π* orbitals in the benzene ring play an crucial role to induce the through-resonance effect. The detailed investigation showed that the DA interaction from the lone pair on the O atom and the σ orbital of C−O bond to the π* orbitals in the benzene ring are important when the φ is nearby 90°, and the DA interaction from the σ orbital of C−H bond in the side chain to the π* orbitals in the benzene ring are important when the φ is nearby 0°. Since the through-resonance effect appears at any φ through above-mentioned DA interactions, the present anion cannot become an ideal σ0-reference system.
Keywords : Substituent Effect, Benzyloxide Anion, Extended Yukawa-Tsuno Equation, DFT Calculation, NBO Analysis
1.はじめに
直線自由エネルギー関係則(LFER)は,遷移状態 や不安定化学種の構造の解明に有用な手段である [1].我々は,アニオン種の置換基効果を解析するた めの LFER を導出する目的で,種々のベンゼン誘導 体アニオンの気相安定性に及ぼす置換基効果を計算 化学的手法によって決定した.得られた置換基効果 を互いに比較したところ,アニオンの安定性は三種 類の電子効果に支配されており,その置換基効果は 三変数からなる拡張湯川−都野式(1)によって精度良 く解析できることを明らかにした[2][3]. −∆E = +r−∆ −+s∆ X ρ σ( 0 σR σS) (1) 三種類の電子効果に対応する基準置換基定数 (σ0),共鳴置換基定数(∆σ R −),および,サチュレー ション置換基定数(∆σS)が独立変数として式 1 に 含まれている.∆σR− および ∆σS は,それぞれ,パラ π電子求引性置換基(para+R 基)が有する付加的 な 直 接 共 鳴 安 定 化 の 能 力 お よ び 電 子 供 与 性 基 (EDGs)が有するサチュレーション安定化の能力を 表し,両置換基定数共に σ−−σ0 によって定義され ている.解析の結果得られる r– 値および s 値は,そ れぞれ,直接共鳴効果およびサチュレーション効果 の度合いを表す.これまで,多様なアニオン種につ いて気相安定性に及ぼす置換基効果を式(1)によって 精度良く解析できることを報告した[2]-[10]. 式(1)の実際の運用においては,適切な置換基定数 を使用することがより詳細で正確な解析を行う上で 必要となる.特に,σ0 置換基定数は,直接共鳴効果およびサチュレーション効果が全く作用しないアニ オン種から決定することが理想的である.現在,σ0 値およびσ– 値は,それぞれ,ベンゾエートアニオン およびフェノキシドアニオンの計算化学によって決 定した気相安定性から導かれた値を使用している [10]. σ0 基準系であるベンゾエートアニオンの r–値およ び s 値は,定義により 0 である.Taft および Sawada らによって決定された従来のσ0 基準系はフェニル酢 酸の水中の酸性度であるが,対応するフェニルアセ テートアニオンの気相安定性に及ぼす置換基効果解 析では,r–=0.35 および s=0.48 を与えた[11][12]. この事実は,フェニルアセテートアニオンは,本質 的にサチュレーション効果を示すアニオン系であり, かつ,有意の直接共鳴効果が作用しているため,カ チオンおよびアニオン種のσ0 基準系として不適切で あることを示している[10].フェニルアニオンの気 相安定性に及ぼす置換基効果解析では,r–=0.01 お よび s=1.06 を与えた.本アニオンでは,アニオン 性 p 軌道がベンゼンπ電子系に対して直交している ためベンゾエートアニオンと同等の非常に小さい直 接共鳴効果を示す一方,そのアニオン性 p 軌道がベ ンゼン環に直接接続しているためサチュレーション 効果は非常に大きいことが示された[9].このよう に,現段階では,ベンゾエートアニオンは直接共鳴 効果およびサチュレーション効果が共に小さなアニ オン系であるため,σ0 基準系として使用されている. しかしながら,NBO 解析によって, かではあるが 側鎖の酸素原子の非共有電子対からベンゼンπ電子 系への電子供与に相当する NBO 軌道の相互作用 (0.3 kcal mol–1)が観測された.この事実は,ベンゾ エートアニオンにおいてさえ,直接共鳴効果が完全 に 0 ではないことを示している[13]. 三島らは,ベンジルアルコールの気相酸性度,す なわち,図 1 に示したベンジルオキシドアニオン (1a)の気相安定性に及ぼす置換基効果を ICR 法を 利用した実験によって決定した[14].そして 1a の気 相安定性がσ0置換基定数によって精度よく相関され ることを報告している.しかし,文献 14 に報告され ている置換基の種類や数は,1a が式(1)の理想的な σ0基準系として適切かを判断するという目的で十分 ではない.本研究では,σ0 基準系の候補として電子 的に多様な環置換基(X)を導入した 1a を選択し, 気相安定性に及ぼす置換基効果を計算化学によって 決定した.また,側鎖の C7–O13結合とベンゼン環平 面のなす二面角φ(=O13C7C1C2)を多様に固定した 1a(ϕ) についても置換基効果を同様に解析した.1a は,アニオン中心がベンゼンπ電子系と直接共鳴で きないβ位に位置しており,ベンゾエートアニオン と同様に小さい r–値および s 値が期待される.得ら れた置換基効果の拡張湯川−都野式による解析や NBO 解析を通して,本アニオンが理想的なσ0基準 系になりうるかを検討した.
2.方法
環置換ベンジルオキシドアニオン(1a(X)),およ び,側鎖の C7–O13結合とベンゼン環平面がなす二面 角φを固定した環置換ベンジルオキシドアニオン (1a(ϕ, X))の,対応する環無置換体(1a(H) および 1a(ϕ, H))に対する相対気相安定性は,等電子反応 (2)のエネルギー差(ΔEX)として決定した. (2) 本研究報告では,化学種を表す太字体の数字に 「a」を付加してアニオン種であることを示した.ま た,それに続く括弧内に側鎖とベンゼン環平面のな す二面角(ϕ)および環置換基の名称(X)を必要に 応じて加えた.式(2)において,E は各化学種のエネ ルギーを表す.エネルギー差(ΔEX)は,式(3)で与 えられる. ΔEX=EX (–) + EH (Ph) – EX (Ph) – EH (–) (3) C6 C5 C4 C3 C2 C1 C7 O13 1a(H) H14 H15 H8 H9 H10 H11 H12 図 1 原子の付番 Fig. 1 Atom Numbering各化学種の構造最適化計算は,全て Gaussian16 お よび Gaussian09 プログラムを用いて実行し,計算結 果の分子構造の表示には GaussView6 を用いた[15] [16].計算レベルとしては,種々のアニオンについ てデータが利用可能であり置換基効果の比較が可能 であること,および,気相実験の値を精度良く再現 することから,B3LYP/6-311+G (2d,p) レベルの密度 汎関数法を使用した[17]-[19].最適化計算で得られ た構造について,同レベルで振動計算を行って虚の 振動数を持たないことを確認して安定構造であるこ とを判断した.ある化学種について複数のコンホ メーションが得られた場合には,最も安定なコンホ メーションのエネルギー (E) を ΔEXの決定に使用し た.これらの計算は,法政大学情報メディア教育研 究センターのラボラトリに設置されたアプリケー ションサーバを利用して行われた. 環 置 換 基 (X) と し て,多 様 な 電 子 求 引 性 基 (EWGs) および電子供与性基(EDGs)を 1a(H) のパ
ラ位または(および)メタ位に導入し,合計 25 種類 の環置換体について相対気相安定性を決定した.二 面角φは 10°∼90° まで 10° 刻みで固定し,完全最適 化された 1a(X)(φ=0.0°)を含めて合計で 10 種類の 置換基効果を得た.得られた置換基効果は拡張湯川 −都野式(1)によって解析した.その際,置換基定数 は文献 10 に記載された値を使用した.アニオンの安 定性および置換基効果解析の結果得られた r–値に反 映される直接共鳴効果の作用機構にについて検討す るため NBO 解析を実行した[20]-[22].
3.結果および考察
3.1 アニオンの安定性 式(3)によって求めた全てのアニオン 1a(ϕ, X) の相 対気相安定性(– ΔEX)を表 1 および表 2 にまとめ た.表中,数字が正に大きいほど安定である.また, 括弧内の数字は,各二面角φにおける環無置換体 1a(ϕ, H) の完全最適化された環無置換体(1a(H))に 対する安定性(–ΔEφ(H))を示す. –ΔEφ(H) の二面角φに伴う変化をプロットすると, 図 2 の白丸(○)を結ぶグラフが得られた.最安定 構造 1a(H) において,側鎖とベンゼン環平面のなす 二面角(φ=C13C7C1C2)は 0.0° であった.1a(H) の φ=0.0°から,二面角φが大きくなるとアニオン 1a(ϕ, H) は不安定化していき,φ=70° で最も不安定な構造 を与えた.1a(ϕ=70°, H) と 1a(H) のエネルギー差は 2.96 kcal mol−1であった.二面角φをさらに増加さ せると 1a(ϕ, H) はわずかに(0.08 kcal mol–1)安定化して直交構造(1a(ϕ=90°, H))を与えた. 図 2 には,NPA 計算によって得られた,1a(ϕ, H) のベンゼン環上の自然電荷(Natural Population)の 総和も二面角φに対して黒丸(●)でプロットして ある.自然電荷のグラフは,φ=50° 付近に極大値を 持つ, –ΔEφ(H) のグラフに類似した形状を示した. 電荷の非局在化の度合いは,イオンの安定性を示す 尺度として重要である.1a においてベンゼン環上の 電荷は,負電荷の非局在化の指標として使用できる と考えられる.無置換体の安定性およびベンゼン環 上の自然電荷が二面角φに対して類似の変化を示し 表 1 1a(ϕ,X) の相対気相安定性 (–ΔEX)a
Table 1 Relative Gas-phase Stabilities of 1a(ϕ,X) (–ΔEX)a
Substituentsb φ c/° 0.0d 10 20 30 40 p-Me2N −2.82 −2.88 −3.44 −2.78 −2.68 p-NH2 −3.05 −3.07 −3.02 −2.96 −2.90 m-Me2N −1.06 −1.17 −1.14 −1.20 −1.25 p-MeO −1.16 −1.17 −1.19 −1.23 −1.27 p,m-Me2 −1.43 −1.41 −1.38 −1.35 −1.32 p-MeO-m-Cl 3.51 3.50 3.45 3.37 3.30 p-t-Bu −0.37 −0.38 −0.37 −0.31 −0.24 p-Me −0.93 −0.93 −0.94 −0.92 −0.85 m-MeO 1.71 1.69 1.62 1.51 1.35 m-Me −0.39 −0.41 −0.43 −0.48 −0.52 He 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 (0) (−0.20)(−0.76)(−1.50)(−2.21) p-Cl 5.06 5.04 5.00 4.94 4.89 m-F 4.22 4.20 4.15 4.06 3.95 m-Cl 5.54 5.54 5.51 5.46 5.42 m-CF3 8.01 7.96 7.83 7.65 7.54 m-CHO 8.95 8.88 8.69 8.39 8.22 m-COMe 7.57 7.53 7.41 7.27 7.18 m-CN 11.09 11.04 10.88 10.66 10.45 m-NO2 13.00 12.92 12.66 12.27 11.87 p-CF3 8.59 8.56 8.46 8.34 8.29 p-CHO 10.24 10.19 10.06 9.87 9.65 p-COMe 8.03 8.01 7.93 7.81 7.69 p-CN 11.93 11.90 11.80 11.67 11.55 p-NO 14.50 14.44 14.26 13.97 13.79 p-NO2 14.56 14.54 14.45 14.32 14.17
a) Determined as the energy differences of the isodesmic reac-tions of φ°-fixed Ph-CH2O–+ Ar-H=Ph-H + φ°-fixed
Ar-CH2O– at the B3LYP/6-311+G (2d,p) level of theory in unit
of kcal mol−1.
b) Ring substituents (X). c) Dihedral angle C13C7C1C2.
d) Fully optimized 1a(H) has the φ of 0.0°.
e) Numbers in parentheses are the stabilities of 1a(ϕ, H)
たという事実は,アニオン 1a(ϕ, H) の安定性が負電 荷の非局在化の度合いによって支配されていること を示している. 側鎖とベンゼン環との共鳴効果がアニオンの構造 上発現しない,1a およびフェニルアセテートアニオ ンでは,環無置換体の安定性が負電荷の非局在化の 度合いに支配されていることが示されている.1a で はφ=0.0° の時に最安定構造を与え,フェニルアセ テートアニオンではφ=63.0° の時に最安定構造を与 えた.これらの事実は,側鎖の軌道から芳香環部位 の軌道へのドナー・アクセプター(DA)相互作用の 総和が,1a ではφ=0.0° の時に,フェニルアセテー トアニオンではφ=63.0° の時に,それぞれ,最も大 きいことに対応していると考えられる. 無置換体 1a(H) に電子求引性基を導入するとアニ オンは安定化していき,p-NO2体で 14.56 kcal mol–1 安定化した.反対に電子供与性基を導入するとアニ オンは不安定化していき,p-Me2N 体で 2.82 kcal mol−1不安定化した.二面角φの変化によって各置 換体の安定化の寄与の度合いは変化したが,その度 合いは大きくなく 1.5 kcal mol–1以内に留まった.三 島らの実験値は,p-MeO, p-Me, H, m-F, p-Cl, m-Cl, m-CF3, p-CF3, および,p-NO2各置換体のデータが今 回の計算値と比較可能である[14].今回得られた計 算値は,これらの実験値を精度良く再現した. 3.2 置換基効果解析 1a(ϕ, X) の相対気相安定性(–ΔEX)に及ぼす置換 基効果を拡張湯川−都野式(1)によって解析した.結 果を表 3 にまとめた.
図 3 に お い て,para+R 置 換 基(p-NO2, p-NO, p-CN, p-CHO, p-CF3, および p-COMe)の σ–プロット は,○で表されており,重回帰によって得られた相 関線から右方向へ大きな片寄りを示した.対応する σ0プロットは,●で表されており,相関線からわず かな左方向への片寄りを示した.白い四角(□)で 表されたみかけのσプロットは,●の σ0と○の σ– を 0.20:0.80 に内分した点であり,このとき最も良 い相関線を与えている.また,電子供与性置換基 表 2 1a(ϕ,X) の相対気相安定性 (–ΔEX)a
Table 2 Relative Gas-phase Stabilities of 1a(ϕ,X) (–ΔEX)a
Substituentsb φ c/° 50 60 70 80 90d p-Me2N −2.61 −2.60 −2.64 −2.71 −2.80 p-NH2 −2.85 −2.84 −2.86 −2.89 −2.90 m-Me2N −1.35 −1.48 −1.63 −1.77 −1.80 p-MeO −1.20 −1.18 −1.21 −1.27 −1.32 p,m-Me2 −1.30 −1.31 −1.35 −1.40 −1.43 p-MeO-m-Cl 3.22 3.15 3.07 3.01 2.97 p-t-Bu −0.19 −0.19 −0.21 −0.24 −0.29 p-Me −0.81 −0.80 −0.82 −0.85 −0.87 m-MeO 1.15 0.92 0.69 0.51 0.37 m-Me −0.53 −0.50 −0.51 −0.53 −0.55 He 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 (−2.71)(−2.93)(−2.96)(−2.90)(−2.88) p-Cl 4.85 4.82 4.81 4.81 4.81 m-F 3.91 3.88 3.84 3.80 3.76 m-Cl 5.39 5.36 5.32 5.28 5.23 m-CF3 7.48 7.46 7.46 7.48 7.49 m-CHO 8.32 8.46 8.54 8.56 8.51 m-COMe 7.17 7.18 7.18 7.15 7.07 m-CN 10.36 10.37 10.43 10.48 10.46 m-NO2 11.68 11.80 11.99 12.11 12.11 p-CF3 8.28 8.30 8.35 8.39 8.39 p-CHO 9.59 9.75 9.98 10.17 10.22 p-COMe 7.62 7.66 7.80 7.95 8.00 p-CN 11.50 11.55 11.67 11.81 11.87 p-NO 13.94 14.32 14.77 15.11 15.15 p-NO2 14.14 14.36 14.74 15.08 15.22
a–e) See footnote in Table 1.
-0.23 -0.22 -0.21 -0.20 0 1 2 3 0 30 60 90 図2 1a(φ,H)の相対気相安定性 (ΔEφ) および ベンゼン環上の自然電荷の二面角φ依存性 Fig. 2 Dihedral Angle Dependency of Relative Stability
(ΔEφ) and Natural Charge on the Phenyl Ring in 1a(φ,H) dihedral angle φ /˚ Δ Eφ (H) / kcal mol -1 Natural char ge on Ph O H2C 1a( ,H) 図 2 1a(ϕ, H) の相対気相安定性(ΔEφ)およびベンゼン 環上の自然電荷の二面角φ依存性
Fig. 2 Dihedral Angle Dependency of Relative Stability (ΔEφ) and Natural Charge on the Phenyl Ring in 1a(ϕ, H)
(p-Me2N, p-NH2, p-MeO, p,m-Me2, m-Me2N, p-Me, m-Me, p-t-Bu, m-MeO, および p-MeO-m-Cl)について
は,□で表されたみかけのσプロットは,●の σ0と ○の σ–を 0.65:0.35 に内分した点であり,このとき 最も良い相関線を与えている.解析の結果,ρ=17.0, r–=0.20, s=0.65, R=0.998, SD=0.53 の直線相関が 得られた.相関精度については,これまで解析され たアニオンと比較して相関係数・標準偏差共にやや 劣っている.特に m-NO2, m-CHO, m-COMe, および , m-MeO 等のメタ置換体のプロットの相関線からの逸 脱が顕著である.これらのメタ置換基は,二面角φ が小さい場合にアニオン性の側鎖内の O 原子との距 離が小さくなり,顕著な静電相互作用を示すと考え られる.このことが相関精度の低下をもたらした原 因であると考えられる.実際に共平面構造を有する 1a(X) の相関精度が最も劣っている(表 3). そこで,得られた r– 値および s 値の二面角φに伴 う変化について,解析に使用する置換基のセットに よる違いが生じないかを検討し,表 3 および図 4 に 表 3 置換基効果解析の結果a
Table 3 Results of Substituent Effects Analysesa
subst. set cation ρ r– s Rb SDc nd
full sete 1a 17.0 0.20 0.65 0.998 0.53 25 1a (ϕ=10°) 16.9 0.20 0.64 0.998 0.51 25 1a (ϕ=20°) 16.7 0.21 0.55 0.998 0.50 25 1a (ϕ=30°) 16.3 0.23 0.63 0.998 0.43 25 1a (ϕ=40°) 16.0 0.24 0.63 0.999 0.39 25 1a (ϕ=50°) 15.9 0.26 0.64 0.999 0.38 25 1a (ϕ=60°) 15.9 0.29 0.63 0.999 0.40 25 1a (ϕ=70°) 16.0 0.34 0.61 0.999 0.42 25 1a (ϕ=80°) 16.1 0.37 0.58 0.998 0.43 25 1a (ϕ=90°) 16.0 0.39 0.56 0.999 0.43 25 para substituentsf 1a 15.3 0.45 0.58 1.000 0.22 13 1a (ϕ=10°) 15.2 0.45 0.57 1.000 0.22 13 1a (ϕ=20°) 15.1 0.45 0.46 1.000 0.27 13 1a (ϕ=30°) 15.0 0.42 0.58 1.000 0.19 13 1a (ϕ=40°) 14.9 0.40 0.60 1.000 0.20 13 1a (ϕ=50°) 14.8 0.43 0.62 1.000 0.25 13 1a (ϕ=60°) 14.7 0.48 0.62 0.999 0.29 13 1a (ϕ=70°) 14.7 0.54 0.61 0.999 0.32 13 1a (ϕ=80°) 14.8 0.58 0.59 0.999 0.34 13 1a (ϕ=90°) 14.8 0.59 0.57 0.999 0.34 13 a) Analyzed by measn of extended Yukawa-Tsuno Eq. 1. b) Correlation coefficient.
c) Standard deviation.
d) Number of substituents involved in the analysis. e) Twenty-five substituents listed in Tables 1 and 2. f) Para substituents were just involved in the analyses.
-5 0 5 10 15 -0.5 0 0.5 1 σ scale ρ = 17.02 r - = 0.20 s = 0.65 R = 0.998 SD = 0.53 : σ : σ− : σ0 -Δ E x / kcal mol -1 図3 ベンジルオキシドアニオンの–ΔEx に関する拡張湯川 - 都野(Y-T) プロット
Fig. 3 Extended Y-T Plots for -ΔEx of Benzyloxide Anions =0.0˚ 1a(X) O H2C X p-NO2 p-NO p-CN p-CHO p-CF3 p-COMe m-NO2 m-CN m-CHO m-CF3 m-COMe m-Cl p-Cl m-F p-MeO-m-Cl m-MeO H m-Mep-t-Bu p-Me p,m-Mep-MeO2 m-Me2N p-NHp-Me22N 図 3 ベンジルオキシドアニオンの –ΔExに関する拡張 湯川−都野(Y-T)プロット
Fig. 3 Extended Y-T Plots for –ΔEx of Benzyloxide Anions
図 4 r–値および s 値に及ぼす置換基セットの効果
Fig. 4 Effect of Substituent Sets on the r– and s Values 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0 30 60 90 図 4 r - 値および s 値に及ぼす置換基セットの効果
Fig. 4 Effect of Substituent Sets on the r - and s Values dihedral angle φ /˚ : full set : EWGs : para substituents s value r value O H2C X
纏めた.s 値については,今回使用した 25 種類の置 換体を使用した場合とパラ置換体のみ(13 種類)を 使用した場合とで相違は認められない.r– 値につい ては,25 種類の置換体を使用した場合と EWGs のみ (14 種類)を使用した場合とで同等の変化を示した. この事実は,サチュレーション置換基定数(∆σS) によって r– 値が影響を受けないことを意味してお り,三変数からなる式(1)の妥当性を支持している. パラ置換体のみを使用した場合,他の置換基セット を使用した場合と比較して,全二面角φで大きな r– 値が観測された.特に,共平面構造(φ=0.0°)近傍 で r– 値は顕著に増加した.前述のメタ置換基とアニ オン中心の静電相互作用が大きくなると,メタ置換 体が安定化し,みかけのρ値すなわち相関線の傾き が大きくなる.この事が,メタ置換基を含めた 25 種 類の置換体での置換基効果解析に於いて,特に共平 面構造近傍でみかけの r– 値の減少をもたらしたと考 えられる.このように,1a の式(1)による置換基効 果解析に於いては,メタ置換基を除いたパラ置換体 のみでの検討がより正確な r– 値を得る上で重要であ ることが明らかになった. 1a(X) および 1a(ϕ=90°, X) のパラ置換体のみでの 拡張湯川−都野プロットを図 5–6 に示した.共平面 構造(φ=0.0°)を有する 1a(X) の気相安定性に及ぼ す拡張湯川−都野解析では,ρ=15.27, r–=0.45, s= 0.58, R=1.000, SD=0.22 の優れた直線相関が得られ た.(図 5)直交構造(φ=90°)を有する 1a(ϕ=90°, X)の置換基効果解析では,ρ=14.80, r–=0.59, s= 0.57, R=0.999, SD=0.34 の優れた直線相関が得られ た.(図 6)結果として,全ての二面角φで,他の置 換基セットを使用したときよりも優れた相関精度 (相関係数・標準偏差)を示した.r– 値は,φ=40° のとき極小値(r–=0.40)を与えた.二面角φ=40° からφが減少しても増加しても,r– 値は単調に増大 し,φ=0.0° で r–=0.45,φ=90° で r–=0.59 を 与 え た. 3.3 NBO 解析 二面角φを 0° ∼ 90° まで変化させた 10 組の置換 基効果解析において,r– 値は二面角φ=40° のときに 極小値(r–=0.40)を与え,そこから二面角φを減 少させても増加させても r– 値は単調に増加した.そ して,共平面構造(φ=0°)において r– 値は 0.45, 直交構造(φ=90°)において r– 値は 0.59 をそれぞれ 与えた.(表 3)このような r– 値の変化は,二面角φ に伴う環無置換体の安定性(ΔEφ (H))の変化の傾向 (図 2)とは無関係である.直接共鳴効果の詳細な発 図 5 パラ置換−ベンジルオキシドアニオンの –ΔExに 関する拡張湯川−都野(Y-T)プロット Fig. 5 Extended Y-T Plots for –ΔEx of para-substituted
Benzyloxide Anions -5 0 5 10 15 -0.5 0 0.5 1 σ scale ρ = 15.27 r - = 0.45 s = 0.58 R = 1.000 SD = 0.22 : σ : σ− : σ0 -Δ E x / kcal mol -1 p-NO2 p-NO p-CN p-CHO p-CF3 p-COMe p-Cl H p-t-Bu p-Me p-MeO p-NHp-Me22N 図5 パラ置換 - ベンジルオキシドアニオンの –ΔEx に関する拡張湯川 - 都野 (Y-T) プロット Fig. 5 Extended Y-T Plots for -ΔEx of
para-substituted Benzyloxide Anions =0.0˚ 1a(X) O H2C X 図 6 パラ置換−90° 固定ベンジルオキシドアニオンの –ΔExに関する拡張湯川−都野(Y-T)プロット
Fig. 6 Extended Y-T Plots for –ΔEx of para-substituted
90°-fixed Benzyloxide Anions
0 5 10 15 -0.5 0 0.5 1 σ scale ρ = 14.80 r - = 0.59 s = 0.57 R = 0.999 SD = 0.34 : σ : σ− : σ0 -Δ E x / kcal mol -1 p-NO2 p-NO p-CN p-CHO p-CF3 p-COMe p-Cl H p-t-Bu p-Me p-MeO p-NHp-Me22N 図6 パラ置換 -90˚固定ベンジルオキシドアニオン の–ΔEx に関する拡張湯川 - 都野 (Y-T) プロット Fig. 6 Extended Y-T Plots for -ΔEx of
para-substituted 90˚-fixed Benzyloxide Anions
=90.0˚
1a( =90˚,X) O H2C
現機構を検討するため,1a(ϕ, X) について NBO 解析 を行った. NBO 解析によって,1a(ϕ, X) を構成する自然結合 軌道(NBO)間のドナー・アクセプター(DA)相 互作用のうち,0.1 kcal mol−1以上のものをリスト アップした.その結果,側鎖の CH2O– 部位に位置す る NBO か ら ベ ン ゼ ンπ電 子 系 に 関 連 す る NBO (π*C1–C2)への DA 相互作用として,以下の 3 種類が 観測された.すなわち,(1)Type A:直交構造に近い ときに発現する O13の非共有電子対(LP)からベン ゼンπ* 電子系への電子移動,(2)Type B:直交構造 に近いときに発現する C7– O13単結合のσ軌道から ベンゼンπ* 電子系への電子移動,および,(3)Type C:二面角φが小さな領域で発現する C7–H14および C7– H15単結合のσ軌道からベンゼンπ* 電子系への 電子移動の 3 種類の軌道相互作用である.1a(ϕ=90°, p-NO2) における Type A および B の DA 相互作用,お
よび,1a(ϕ=0°, p-NO2) における Type C の DA 相互
作用を図 7 に示した. アニオン種における直接共鳴効果は,アニオン性 側鎖と para+R 基が接続したベンゼンπ電子系との 間に働く付加的な電子効果である.したがって,上 記 3 種類の DA 相互作用の p-NO2体と無置換体との 差異(diff_p-NO2)が,直接共鳴効果の度合い(r– 値)に関連する物理化学量であると考えられる. Type A∼Type C の diff_p-NO2の総和を r– 値に対して
プロットすると図 8 が得られた.diff_p-NO2の総和
は r– 値に対して良い直線相関を示しており,関連す
る上記 3 種類の DA 相互作用を通して 1a の直接共鳴 効果が発現していることが明らかになった. 図 9 に diff_p-NO2の二面角φに伴う変化を,n–π* 相互作用(Type A)とσ–π* 相互作用(Type B と Type C の合計)に分離してプロットした.○でプ ロットした n–π* 相互作用の diff_p-NO2は,二面角
図 7 NBO 軌道の相互作用 Fig. 7 NBO Interactions
LPO13 --> π*C1-C2 (7.52 kcal/mol)
図7 NBO 軌道の相互作用
1a(φ=90˚, p-NO2)
σC7-O13 --> π*C1-C2 (3.56 kcal/mol)
1a(φ=90˚, p-NO2)
Fig. 7 NBO Interactions
C
2C
7C
1O
13C
2C
7C
1O
13 σC7-H15 --> π*C1-C2 (5.73 kcal/mol) 1a(p-NO2)C
2C
7C
1H
15 図 8 側鎖からベンゼンπ電子系への電子移動の p-NO2 体と H 体の差の r–値に対するプロットFig. 8 Plot of the Difference of DA Interaction from the Side Chain to the Benzene Ring between p-NO2 and H Derivatives
against the r– Value 1 2 3 4 5 6 0.4 0.5 0.6 図8 側鎖からベンゼンπ電子系への電子移動の p-NO2 体と H 体の差の r – 値に対するプロット
Fig. 8 Plot of the Difference of DA Interaction from the Side Chain to the Benzene Ring between p-NO2 and H Derivatives against the r – Value
r - value sum of diff_ p-NO 2 (CH 2 O – -->Ph) / kcal mol -1 O H2C NO2
φが 0°∼40° ではほぼ一定の値を示すが,φ=40° を 超えると急激に増加し,φ=90°で最大の値を与えた. ●でプロットしたσ–π* 相互作用の diff_p-NO2は, 二面角φ=0° のとき最大の値を与え,二面角φ=60° に至るまで減少し極小値を与えた.二面角φがさら に大きくなるとφ=90° まで単調に増加した.これら n–π* およびσ–π* 相互作用の総和は,図 9 中の total の曲線であり,図 8 では縦軸(sum of diff_p-NO2)に 対応する.前述のとおり,この変化は r– 値の変化と 密接に関連している.図 9 の total の n–π* 相互作用 とσ–π* 相互作用への分離から,φ=40° で極小値を 与え,そこから二面角φを減少させても増加させて も単調に増加するという r– 値の変化は,φ=90° 近傍
では Type A および Type B が,φ=0° 近傍では Type C が,それぞれ重要な役割を果たしているためであ ることを示している. 図 10 に,図 9 の●でプロットされたσ–π* 相互作 用を,側鎖の 3 本の単結合に対応する 3 種類の軌道 相互作用に分離してプロットした.□でプロットし た C7–O13単結合のσ軌道からベンゼンπ* 電子系へ の DA 相互作用(Type B)は,二面角φの増加に伴っ て増大した.○および●でプロットした,C7–H14お よび C7–H15単結合のσ軌道からベンゼンπ* 電子系 への DA 相互作用(Type C)は,二面角φ=0° のと き,単結合 C7–H14および C7–H15のベンゼンπ電子 系に対する二面角が等しいため,同等の値を与えた. 二面角φの 0° から 90° への増加にともなって,C7– H15結合はφ=30° のときにベンゼンπ電子系と平行 になるため,対応する DA 相互作用はφ=30° で極大 値を与えた.一方,C7– H14結合は,二面角φが 0° から 90° まで変化する範囲でベンゼンπ電子系と平 行になるようなコンホメーションをとらないため, 極大値を与えないようなグラフを与えた.図 10 の解 析から,側鎖の 3 種類のσ軌道からベンゼンπ電子 系への DA 相互作用について,直交構造(φ=90°) 近傍では C7– O13結合のσ軌道が,また,共平面構 造(φ=0°)構造近傍では C7–H14および C7–H15結合 のσ軌道が,それぞれ重要な役割を果たしているこ とが明らかになった. 以上の NBO 解析から,共平面構造近傍の r– 値が 1a(ϕ=40°)よりも大きな値を示すのは,Type CのDA 相互作用が重要な役割を果たしているからであり, 直交構造近傍の r– 値が 1a(ϕ=40°) よりも大きな値を 示すのは,Type A および B の DA 相互作用が重要な 図 9 側鎖からベンゼンπ電子系への電子移動の p-NO2 体と H 体の差の内訳
Fig. 9 Breakdown of the Difference of DA Interaction from the Side Chain to the Benzene Ring between p-NO2 and
H Derivatives 0 1 2 3 4 5 0 30 60 90 図9 側鎖からベンゼンπ電子系への電子移動の p-NO2体とH 体の差の内訳
Fig. 9 Breakdown of the Difference of DA Interaction from the Side Chain to the Benzene Ring
between p-NO2 and H Derivatives dihedral angle φ /˚ total σ --> π*C1–C2 n --> π*C1–C2 diff_ p-NO 2 (CH 2 O – -->Ph) / kcal mol -1 O H2C NO2 図 10 側鎖からσ軌道からベンゼンπ電子系への電子 移動の p-NO2体と H 体の差の内訳
Fig. 10 Breakdown of the Difference of DA Interaction from
σ Orbitals in the Side Chain to the Benzene π-electron System between p-NO2 and H Derivatives
O H2C NO2 0 1 2 0 30 60 90 図 10 側鎖の σ 軌道からベンゼン π 電子系への 電子移動のp-ΝΟ2体と Η 体の差の内訳
Fig. 10 Breakdown of the Difference of DA Interaction from σ Orbitals in the Side Chain to the Benzene π-electron
System between p-NO2 and H Derivatives dihedral angle φ /˚ σC7–O13--> π*C1–C2 σC7–H15--> π*C1–C2 σC7–H14--> π*C1–C2 diff_ p-NO 2 (CH 2 O – -->Ph) / kcal mol -1
役割を果たしているからであることが明らかになっ た.また,本アニオンはこれらの DA 相互作用を通 して全ての二面角φで直接共鳴効果を発現するため, 理想的なσ0基準系にはなり得ないことが示された.
4.結論
側鎖の C– O 単結合とベンゼン環平面のなす二面 角φを 10° から 90° まで 10° 刻みで固定した 9 種類の ベンジルオキシドアニオン,および,二面角φ=0.0° を示す完全最適化したベンジルオキシドアニオンに ついて,気相安定性に及ぼす置換基効果を B3LYP/ 6-311+G(2d,p) レベルの計算化学によって決定し,拡 張湯川−都野式 (−∆EX =ρ σ( 0+r−∆σR−+s∆σS) を用 いて解析した.環無置換アニオンの安定性はベンゼ ン環上の負電荷の総和と良い相関を示し,負電荷の 非局在化の度合いが本アニオンの安定性を決定して いることが明らかになった.置換基効果解析の結果, サチュレーション効果の度合い(s 値)は,二面角φ の変化によらずほぼ一定の値を示した.また,直接 共鳴効果の度合い(r– 値)に関しては,二面角φが 0° から 40° へ増加するとともに r– 値は減少し,φ= 40° で極小値を与えた.二面角がさらに 40° から 90° まで増加すると r– 値は単調に増大した.このような r– 値の二面角φに伴う変化は,無置換体の安定性と は無関係であることが明らかになった.NBO 解析の 結果,側鎖の非共有電子対(LP)およびσ結合から ベンゼンπ電子系へのドナー・アクセプター(DA) 相互作用の総和は r– 値と良い相関を示し,そのよう な DA 相互作用が直接共鳴効果の発現に重要な役割 を果たしていることが明らかになった.その中で, O 原子上の LP および C–O 結合のσ軌道からベンゼ ンπ電子系への DA 相互作用が,直交構造(φ=90°) 近傍における直接共鳴効果の発現に重要な役割を果 たしていることが明らかになった.また,側鎖の二 本の C– H 結合のσ軌道からベンゼンπ電子系への DA 相互作用は,共平面構造(φ=0°)近傍における 直接共鳴効果の発現に重要な役割を果たしているこ とが明らかになった.本アニオンはこれらの DA 相 互作用のために全ての二面角φで直接共鳴効果を発 現するため,理想的なσ0基準系にはなり得ないこと が示された.謝辞
計算機およびソフトウェアの使用に関して,多く のサポートをしていただきました法政大学情報メ ディア教育研究センターの上田浩先生,畠山久先生, 常盤祐司先生,森幹彦先生に感謝申し上げます. 置換基効果解析に関して,多くの助言をいただき ました九州大学先導物質化学研究所の藤尾瑞枝先生, 三島正章先生に感謝申し上げます.参考文献
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