特別支援学校の地域支援事業の立案に向けて : 小・中学校等へのアンケート調査の結果から 利用統計を見る
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(2) さらに,本校では平成17年度から「地域支援部」を校務分掌に位置づけ,特別支援教育 コーディネーターをおき,特別支援教育のセンター的機能の充実に取り組んできた。今年 度からは「総合支援部」と名称を変更し,様々な側面より本校としてのセンター的機能の 在り方(事業化)を追究している。その検討のための貴重な基礎資料を得たく,平成20年 の6月から7月上旬にかけて,由利本荘市及びにかほ市内のすべての小・中学校(44校), 幼稚園・保育所(40園・所)及び高等学校(7校:うち1校は定時制)(以下,「地域の学 校等」とする)を対象にアンケート調査を実施した。調査用紙の配布と回収では,由利本 荘市教育委員会及びにかほ市教育委員会より協力を得た。その協力などにより,地域の学 校等からのアンケート回収率は100%であった。 アンケートに回答したのは,幼稚園・保育所では,園(所)長(52.5%)や園(所)長 補佐(10%),主任(25%),小・中学校では,校長(9.1%),教頭(68.2%)や特別支 援教育コーディネーター(22.7%),高等学校では,教頭(28.6%)や特別支援教育コー ディネーター(42.8%)といった職の人であった。 本稿では,最初に調査結果の概要について報告する。次に,今回の調査目的である本校 のセンター的機能に関して,希望する支援内容及び支援希望の程度を分析し,本校が地域 の学校等のニーズに応えられる「地域支援事業」の立案に向けて,その内容を探る。. Ⅱ.アンケート結果の概要. 1.本校について 本校が主として知的障害や重複障害を対象とする特別支援学校であること,由利本荘市 水林の福祉エリアにあることは,地域の学校等のそれぞれにおいて100%に近い数値で知 られていた(知らなかったという回答は小・中学校の1校のみであった)。本校には小学 部,中学部,高等部の各学部があること及び高等部において毎年入学選考があることは, 幼稚園・保育所の32.5%,小・中学校の11.4%,高等学校の14.3%が知らなかった。 本校に寄宿舎があることについては,幼稚園・保育所の12.5%,小・中学校の9.1%, 高等学校の14.3%が,寄宿舎でサマーキャンプや読み聞かせを行っていることについては, 幼稚園・保育所の90%,小・中学校の29.5%が知らなかった。また,Y小学校内に相談ルー ムを設置していることについては,幼稚園・保育所の82.5%,小・中学校の34.1%,高等 学校の85.7%が知らなかった。 次に,本校についての質問の内容(自由記述)としては,本校の教育内容や職員数,入 学選考に関すること(選考方法,倍率)や卒業後の進路,寄宿舎の利用条件や諸経費,高 等部への編入が可能か,Y小学校内の相談ルームに関すること等があげられた。. 2.アンケートの協力を得た幼稚園・保育所,小・中学校,高等学校について 幼稚園・保育所で障害のある幼児の保育を行っている比率は75%であった。なお,その - 144 -.
(3) 障害は,知的障害(60%),肢体不自由(33.3%),情緒障害(33.3%),発達障害(20%) 等であった。また,幼稚園・保育所のうち現在は在籍していないが,障害のある幼児を受 け入れる用意があると回答した幼稚園・保育所が10%あり,これらを含めると幼稚園・保 育所の85%が障害のある幼児の保育を行っているかその用意があることになる。 小・中学校の特別支援学級設置率は52.3%で,障害種は知的障害が82.6%,情緒障害が 39.1%,肢体不自由17.4%,聴覚障害8.7%等であった。 次に,行動面で課題がある子どもや,LDやADHD等いわゆる発達障害と思われる子どもた ち(以下, 「気になる子ども」とする)についてであるが,幼稚園・保育所で82.5%,小・ 中学校で75%,高等学校で57.1%が在籍していると回答している。特別支援学級に在籍し た方が良いと思われる子どもたち(以下「特別支援学級対象児」とする)については,小・ 中学校の63.6%が通常学級に在籍していると回答している。. 3.「気になる子ども」「特別支援学級対象児」の相談先について 気になる子どもや特別支援学級対象児については,80%以上の地域の学校等が相談して いると回答しており,何らかの相談先をもっている。相談先としては,幼稚園・保育所で は,医療機関が81.8%,市福祉事務所又は市保健センターが54.5%と高率であった。小・ 中学校では,県教育事務所の出張所が55.2%,医療機関が41.4%,本校が31%,由利本荘 市または,にかほ市教育委員会が24.1%と高率であった。高等学校では,病院が75%,ス クールカウンセラーが75%と高率であった。 特別支援学級対象児の相談先としては,県教育事務所の出張所が46.2%,医療機関・由 利本荘市または,にかほ市教育委員会及び本校が30.8%と高率であった。 どこにも相談していないという回答は少なかったが,その理由として「保護者の理解を 得ることが難しい」ことがあげられている。. 4.特別支援学校のセンター的機能による支援の有無について 本校から支援を受けたことがあると回答したのは,幼稚園・保育所で15%,小・中学校 で72.7%,高等学校で28.6%であった。本校の他に聾学校からも支援を受けたことがある と回答したのは,小・中学校で4.5%であった。. 5.本校に対する意見,要望等について 以下,各学校や保育所からの意見等を示す。 (1)幼稚園・保育所から ・ 職員が「気になる子」ととらえていても,親が認識しない,または認めたがらない場合の対処を知 りたい。 ・ 発達や行動の遅れが気になる子どもを見に来てもらい,保育の中でのアドバイスがあればうれしい。 気軽に電話や文書でお願いできればと思う。 ・ 就学先を普通学校と決めている保護者に対して,養護学校を勧めるのは難しい。教育委員会も保護. - 145 -.
(4) 者の希望を重視しているようなので,肢体不自由があってもほとんどが通常の学校に入学している。 ・ 特別支援教育に関する情報提供をお願いしたい。センター的機能についてもすぐに希望するわけで はないが,要望が高まった時に利用できることがわかり心強く思う。 ・ 気になる子の理解やアドバイスをお願いしたい。気になる子の家庭(外国人の母)と支援について の研修をお願いしたい。 ・ 集団生活の中で,話が聞けない,落ち着きがない,我慢できない,カッとなりやすい等の気になる 行動をする子どもが見られる。そのような子どもへの援助や指導のアドバイスをお願いしたい。言 葉の遅れ等が見られる子どもへの対応,保護者への働きかけ等もアドバイスをお願いしたい。. (2)小・中学校 ・ 高等部卒業後の進路や同窓会の様子などをゆり養のたよりに掲載し,特別支援学級の保護者にも配 付してもよければ啓発になると思う。 ・ 特別支援教育に関する情報提供や研修をお願いしたい。また,生徒の実態把握の方法や個別対応に ついてなどを教えてほしい。 ・ 特別支援学級のない小学校にとっては,具体的な支援方法について教えてほしい。 ・ 先日,第1回特別支援教育セミナー(県教育委員会の事業)を実施し,主に障害の理解と指導内容 や方法に関する助言を通して今後の見通しを立てることができた。今後も相談を継続していきたい。. (3)高等学校 ・ 一般の保護者や地域の人には,まだ特別支援について知らないことが多々あると思われる。「ゆり 養護たより」などで紹介・広報してほしい。 ・ 気になる子どもについて,気軽に相談したい。過去に,本来であれば特別支援教育を受けた方が望 ましいと思われる生徒がいた。その生徒の保護者へのアプローチ,助言などを教えていただければ と思う。 ・ ゆり養護学校がこの地域の特別支援学校として「センター的機能」を担っていることを,高校の一 般の教員には知られていない。本校でも特別支援というものがどういうものなのか,実際に動き出 したのは昨年度の後半であり,全体的に特別支援に対する意識が浸透していない状態にある。昨年 度,校内研修を実施したが,新年度になり職員が変わるとまた研修が必要になる。ゆり養護学校に は,一層の情報発信と特別支援教育の研修への協力を切に望む。 ・ 高等学校の職員は多忙で,特別支援を行うには物理的に困難。人的な配慮,または根本的なもの(制 度)が変わらないと,特別支援教育は難しいと思う。 ・ 学習障害的な課題よりも対人関係(特に同世代との関係)に問題があることが多く,その場合は既 に二次的に対人恐怖があり,コミュニケーションがうまくいかないので,対人関係を調整するのは 高校では困難なことが多い。. Ⅲ.本校のセンター的機能に関して,希望する支援内容及び支援希望の程度. 1.幼稚園・保育所 (1)「教育相談」について 結果を図2-1に示す。「就学や進路に関する相談」「心理検査,発達検査に関する相談」 へのニーズが高く,70%を超える希望があった。「障害の理解に関する相談」も50%を超 える希望がある。逆に「青年学級等,卒業後の生活に関する相談」と「福祉施設,就労等, 援護制度に関する相談」はニーズが低かったが,幼稚園・保育所からすると,現在受けもっ ている幼児にすぐにかかわる項目ではないことが要因の一つである。. - 146 -.
(5) 強く希望. 希望する 0%. 14 .8. ④青年学級等、卒業後の生活の相談 1 1.1. 18.5. 14.8. 14.8 7.4. ⑥本校の見学、授業参観、体験授業 10.3. 100%. 15.6. 47.2. 6.3. 16.7 29.6. 2 2.3. 28.5. 25.7. 37.9. 5.5. 2 2.3. 44.4. 28 .6. ⑤障害の理解の相談. 80%. 46.9. 2 7.8. ②心理検査、発達検査の相談. 図2-1. 希望しない 不明 40% 60%. 2 5.0. ①就学や進路の相談. ③福祉施設、就労等、援護制度の相談. 少し希望 20%. 8.6 8.6. 34.5. 1 3.8. 「教育相談」についての結果(幼稚園・保育所). (2)教育実践相談 結果を図2-2に示す。「発達障害の理解や指導に関する相談」の希望が70%を超えた。 また,「指導内容・方法に関する相談」と「実態把握のしかたに関する相談」への希望が 65%を超えた。気になる子どもが全体の82.5%に在籍しており,これらのニーズが高くなっ た。「PTA等の研修会への本校教員の派遣」の希望が少なかった。園内・所内で対応でき る状況にあるとか,養護学校職員に対する保護者の心理的抵抗が予想される等の理由があ る。「本校教員による出前保育」については,希望すると希望しないとが分かれるととも に,わからないという回答も多かった。. 強く希望. 希望する. 少し希望. 0%. 20%. ①個別の教育支援計画の相談. ④園(所)内研究会への本校教員の派遣. 図2-2. 80%. 23.3. 39.5 29.1 31.3. 6.7. 15.8 25.8. 21.9. 9.1 14.3. 23.3. 36.8. 3.0. 21.2 31.4. 36.7. 15.6. 6.3 6 . 3 27.3. 37.1. 25.8. 100%. 31.2. 45.5. 14.3. ⑦PTA研修会への本校教員の派遣. 60%. 39.4. 21.2. ⑥発達障害の理解や指導の相談. 不明. 34.4. 27.3. ⑤教材・教具の借用や開発の相談 1 0 . 0. ⑧本校教員による出前保育. 40%. 21.9. ②指導内容・方法の相談 ③実態把握のしかたの相談. 希望しない. 15.6. 7.9. 16.1 15.6. 「教育実践相談」についての結果(幼稚園・保育所). (3)実践研修 結果を図2-3に示す。どの項目も希望が50%前後であった。研修の必要性を感じていて も,時間の確保が難しい現状も背景にある。「幼児教室の企画・運営」については,実施 した場合の利用希望が65%あったが,保護者の同意や職員の勤務体制,各市で行われてい る集団訓練との関連の明確化が課題として出されていた。 - 147 -.
(6) 強く希望. 希望する. 少し希望. 0%. 希望しない. 不明. 40%. 60%. 20%. ①コーディネーターの合同研修会の開催. 21.4. 25.0. ②特別支援教育研修会の開催. 20.7. 27.6. ③保育改善のための研究会の開催. 21.9. ④今後の特別支援教育に関する情報発信 ⑤幼児教室の企画・運営. 図2-3. 25.0. 28.1. 26.6. 17.9. 10.7 13.8. 10.3. 25.0. 15.6. 9.4. 10.0 1 0 . 0. 26.7. 25.8. 100%. 27.6. 26.7. 16.1. 80%. 29.0. 9.7. 19.4. 「実践研修」についての結果(幼稚園・保育所). (4)全体をとおして 就学関係,心理・発達検査関係,発達障害関係のニーズが高かった。多様な幼児が在籍 しており,適切な対応を模索していると考える。保護者対応に課題を感じているケースが 多く,こじれない関係づくりを支援していく必要がある。 「センター的機能をよく理解できず,希望の程度を書けなかった」という記述があり, この点に関する説明不足があった。また,すべての項目において無回答が5-30%程度あっ た。幼稚園・保育所からすれば,回答しにくい面があったと考える。. 2.小・中学校 強く希望. 希望する. 少し希望. 0%. 20%. 18.2. 図3-1. 29.6. 100% 4.6. 29.5 25.0 25.0. 45.4 27.9. 80% 38.6. 34.1. 13.6. ⑤障害の理解の相談 ⑥本校の見学、授業参観、体験授業. 60%. 59.1. ②心理検査、発達検査の相談. ④青年学級等、卒業後の生活の相談. 40%. 不明. 54.5. ①就学や進路の相談. ③福祉施設、就労等、援護制度の相談. 希望しない. 11.4 11.4 1 1 . 3. 15.9 36.4. 41.9. 15.9 18.2. 25.6. 4.6. 「教育相談」についての結果(小・中学校). (1)教育相談 結果を図3-1に示す。幼稚園・保育所と同様,「就学や進路に関する相談」「心理検査, 発達検査に関する相談」へのニーズが高く,90%以上又は90%に近い希望があった。また, 「障害の理解に関する相談」は80%以上,「本校の見学,授業参観,体験授業」も70%近 い希望がある。「福祉施設,就労等,援護制度に関する相談」は50%以上の希望があり, 「本校の見学,授業参観,体験授業」とともに幼稚園・保育所の希望との若干の違いが見. - 148 -.
(7) られる。保護者の理解が得られれば,本校で教育相談を行いたいことが把握できる。 (2)教育実践相談 結果を図3-2に示す。「指導内容・方法に関する相談」の希望が90%を超えている。ま た,「発達障害の理解や指導に関する相談」と「実態把握のしかたに関する相談」への希 望が85%を超えた。「個別の教育支援計画に関する相談」は80%を,「校内研究会等への 本校教員の派遣」は75%を超える希望があった。気になる子どもが全体の75%に在籍して いる現状を反映しているとともに,特別支援教育の理解推進がこれらのニーズの高まりに つながったと考える。 「PTA等の研修会への本校教員の派遣」の希望が少なかった。幼稚園・保育所同様,校 内で対応できる状況にあるとか,養護学校職員に対する保護者の心理的抵抗が予想される 等の理由がある。「本校教員による出前授業」については,50%を超える希望があった。 養護学校教員の子どもへの対応や指導方法を見たいという希望があると考える。. 希望する. 希望する. 少し希望. 0%. 20%. ③実態把握のしかたの相談. ⑧本校教員による出前授業. 図3-2. 6.82 .3 9.1. 40.9. 20.9. 13.6. 48.9 40.9. 11.4. 13.6 2.3. 54.5. 36.4. ⑥発達障害の理解や指導の相談. 16.3. 31.8 43.2. 4 .6. 6.8 11.6. 45.5. 23.7. 9.1. 100%. 52.3. 29.5. ④校内研究会への本校教員の派遣. 80%. 47.7. 38.6. ②指導内容・方法の相談. ⑦PTA研修会への本校教員の派遣. 不明 60%. 34.1. ①個別の教育支援計画の相談. ⑤教材・教具の借用や開発の相談. 希望しない 40%. 13.6 13.6. 27.3. 2 0 .5. 11.3. 9 .1. 「教育実践相談」についての結果(小・中学校). (3)実践研修 結果を図3-3に示す。「今後の特別支援教育に関する情報発信」の希望が75%を超えた。 また,「特別支援教育コーディネーターの合同研修会の開催」「特別支援教育研修会の開 催」についても60%を超える希望があった。特別支援教育に関する動きは急激に進んでお り,タイムリーな情報を求めていると考える。 (4)全体をとおして 多くの項目において高い希望が見られる。小・中学校においても気になる子どもの在籍 が増えるとともに,その対応に悩んでいる現状を反映したものと考える。. - 149 -.
(8) 強く希望. 希望する. 少し希望. 0% ①コーディネーターの合同研修会の開催. 40%. 60%. 100%. 29.6. 50.0. 11.6. ④今後の特別支援教育に関する情報発信. 80%. 47.7. 18.2. ③授業改善のための研究会の開催. 図3-3. 不明. 20%. 13.6. ②特別支援教育研修会の開催. 希望しない. 6.8. 25.0. 44.2. 27.9. 29.5. 4.5 11.6. 56.8. 9.1. 「実践研修」についての結果(小・中学校). 3.高等学校 (1)教育相談 結果を図4-1に示す。他の地域の学校等に比べ,強く希望する割合が減少している。「福 祉施設,就学等,援護制度に関する相談」「青年学級等,卒業後の生活に関する相談」を 希望する割合が増加しており,70%を超えている。また,「障害の理解に関する相談」の 希望が最も多く85%を超えている。自校で適切に対応するために必要な情報を望んでいる ことが把握できる。小・中学校で希望が多かった「本校の見学,授業参観,体験授業」は 希望が少なかった。すでに高等学校に在籍している生徒が対象であり,本校での教育相談 に関するニーズは低いものと考える。 強く希望. 希望する 0%. 少し希望 20%. 希望しない 40%. 不明. 60%. 80%. 100%. ①就学や進路の相談. 14.3. 42.8. 28.6. 14.3. ②心理検査、発達検査の相談. 14.3. 42.8. 28.6. 14.3. ③福祉施設、就労等、援護制度の相談. 28.6. ⑥本校の見学、授業参観、体験授業. 図4-1. 14.3. 71.4. ④青年学級等、卒業後の生活の相談 ⑤障害の理解の相談. 42.8. 14.3. 28.6. 71.4 42.9. 14.3. 14.3 42.9. 14.3. 「教育相談」に関する結果(高等学校). (2)教育実践相談 結果を図4-2に示す。「個別の教育支援計画に関する相談」「指導内容・方法に関する相 談」「実態把握のしかたに関する相談」への希望が85%を超えた。また「発達障害の理解 や指導に関する相談」も70%を超える希望があった。高等学校においても57.1%の学校に 気になる子どもが在籍しており,その現状を反映している。「PTA等の研修会への本校教 員の派遣」「本校教員による出前授業」については,希望しない旨が示されている。「教 - 150 -.
(9) 材・教具の借用や開発に関する相談」も希望が少なかった。高等学校では,気になる子ど もの相談先としてスクールカウンセラーがあげられており,自校で対応できる状況にある と考える。 強く希望. 希望する. 少し希望. 希望しない. 0%. 20%. 40%. 60%. 28.6. ①個別の教育支援計画の相談. 不明 80%. 57.1. 14.3. 85.7. ②指導内容・方法の相談 ③実態把握のしかたの相談. 42.9. ④校内研究会への本校教員の派遣. 42.8. 100%. 14.3 42.9 14.3. 14.3. 14.3. 28.6. ⑤教材・教具の借用や開発の相談. 28.6. 42.8. 14.3. 14.3. ⑥発達障害の理解や指導の相談. 28.6. 42.8. 14.3. 14.3. ⑦PTA研修会への本校教員の派遣. 14.3. 71.4. 14.3. ⑧本校教員による出前授業. 14.3. 71.4. 14.3. 図4-2. 「教育実践相談」に関する結果(高等学校). 強く希望. 希望する. 少し希望. 0% ①コーディネーターの合同研修会の開催 ②特別支援教育研修会の開催. 20%. 希望しない. 不明. 40%. 60%. 28.6 21.9. 28.6 40.6. 80% 28.6. 31.2. 100% 14.2 28.6. ③授業改善のための研究会の開催. 42.9. 42.9. 1 4 .3. ④今後の特別支援教育に関する情報発信. 42.9. 42.9. 14.3. 図4-3. 「実践研修」に関する結果(高等学校). (3)実践研修 結果を図4-3に示す。「今後の特別支援教育に関する情報発信」の希望が85%を超えた。 また「特別支援教育研修会の開催」についても60%を超える希望があった。高等学校にお ける特別支援教育の推進の動きが進んでおり,タイムリーな情報を求めていると考える。 「授業改善のための研究会の開催」は希望があまりないが,高等学校に特別支援学級が設 置されていないことも一因にある。 (4)全体をとおして 他の地域の学校等に比べ,希望する項目と希望しない項目が明確に分かれている。高等 学校においても気になる子どもの在籍があり,その対応を求めている。. - 151 -.
(10) Ⅳ.「地域支援事業」の内容の検討. 秋田県においては,県教育委員会が中心となった事業が積極的に推進されており,本校 の「センター的機能」は,それらの事業への協力を中心に行ってきた。今回のアンケート 結果から,地域の学校等が本校に何を期待しているのかが見えてきた。それらは次のよう にまとめることができる。 【地域の学校等に共通する項目】 ① 「障害の理解」「指導内容・方法」「実態把握のしかた」に関する相談支援 ② 発達障害の理解や指導に関する相談支援 ③ 今後の特別支援教育に関する情報発信 【幼稚園・保育所にかかわる項目】 ① 就学や進路に関する相談支援 ② 心理検査・発達検査に関する相談支援 ③ 幼児教室の企画・運営 【小・中学校にかかわる項目】 ① 上記「幼稚園・保育所にかかわる項目」の①及び② ② 個別の教育支援計画に関する相談支援 ③ 校内研究会等への本校教員の派遣 ④ 特別支援教育研修会の開催 【高等学校にかかわる項目】 ① 上記「小・中学校にかかわる項目」の③及び福祉施設,援護制度,青年学級等に関する情報提供. 現在,本校において取り組んでいる地域支援事業は,県教委の事業である「みんなで創 る特別支援教育推進事業」への協力の他,知能検査の実施と結果報告,日常的な教育相談 活動及び年2回の教育相談会の実施,地域支援だよりの定期発行,年2回(長期休業期間中) の特別支援教育研修会の開催,各市主催の集団訓練への協力等である。 今回のアンケート調査に基づいて,これまでの取組を充実させながら継続するとともに, 新規の取組を開始したいと考えている。また,事業評価を適宜実施し,事業内容の充実に 努めていきたい。. 【継続・充実する取組】 ① 特別支援教育に関する情報発信(地域支援だより及びホームページの内容充実) ② 年2回の特別支援教育研修会の内容充実及び回数増の検討 ③ 年2回の教育相談会の開催 ④ 知能検査等の実施と結果報告 ⑤ 各市主催の集団訓練への協力 【新規に検討する取組】 ① 校内に相談支援室を設置し,適任者による幼・保,小,中,高(子どもへの支援,保護者への支 援,担任への支援等)への各種相談等の実施 ② 幼児教室や青年学級の検討 ③ 校内研修会,特別支援学級の授業研究会等への職員の派遣. - 152 -.
(11) Ⅴ.おわりに. 今回の調査では,地域の学校等が本校に対して,その程度は様々ながら,多様な支援を 期待していることが把握できた。前項(「地域支援事業」の内容の検討)で述べたように, すべての地域の学校等に共通して高い比率で希望があった項目や,それぞれにおいて高い 比率で希望があった項目の支援の具体化・実現に努めることが重要な課題である。同時に, 地域の学校等からは,本校の教職員も教育実践に資する多くのことを学ぶことが必要であ る。 アンケートへの協力に心から感謝申し上げる。. 文献 1)特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議(2003)今後の特別支援教育の在 り方について(最終報告).文部科学省. 2)中央教育審議会(2005)特別支援教育を推進するための制度の在り方について(最終 答申).文部科学省. 3)秋田県教育委員会(2008)平成20年度秋田県学校教育の指針.秋田県教育委員会.. - 153 -.
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