論 文
道路橋示方書の設計用土圧の荷重係数に関する一考察
杉山俊幸 望月誠(平成2年8月31日受理)
Determination of Load Factor for Earth Pressure in Highway Bridge
Design Code
ToshiyukiSUGIYAMA MakotoMOCHIZUKI Abstract Amethod to determine Ioad factor for earth pressure in highway bridge design code based on Monte−Carlo simulation is proposed. The effects of randomness of three varibles, i. e. bulk density of earth, shearing resistant angle of soil, and frictional angle between back of wall and soil, on the value of load factor are evaluated parametrically. The effects of both the accuracy of earth pressure formula and the randomness of erection on the value of load factor are also discussed.1.はじめに
1969年に安全性指標が提案された1)ことに端を発し た構造信頼性理論の研究は,1970年代に急速な進歩・ 発展を遂げた。そして,1970年代後半から1980年代に かけて,その研究成果に基づいて設計示方書を荷重係 数設計方式の限界状態設計法に移行していく試みが欧 米諸国で積極的になされた2)−4)。わが国でも,土木学会 発行のコンクリート標準示方書5)が昭和61年にこの方 式に改訂されている。また,日本道路協会においても, 7∼8年後を目途に道路橋示方書を,現行の許容応力 度設計法から荷重係数設計方式の限界状態設計法への 移行作業が進められている。そして,これまでに死荷 重・活荷重(衝撃を除く)・風の影響・温度変化の影響 等,橋梁上部構造の設計に主として用いられる荷重に 関しては,実態調査・観測データ等により,その確率 統計的特性を把握し,設計荷重の値や荷重係数の値を 算出するまでに至っている6)。これに対し,橋梁下部構 *土木環境工学科,Department of Civil and Environmental Euginearing 造の設計に関して重要な荷重の1つである土圧の設計 値あるいは荷重係数に関しては,土質定数など土の性 質を表わす変量の有するぼらつきの大きさや,現場で の土圧の精度良い測定そのものが極めて困難であるこ と等もあって,設計値や荷重係数をどのようにして設 定するのが妥当かについて現時点では明らかにされて おらず,示方書の策定に携わる関係者の間で議論・検 討されているのが実情である。 そこで本研究では,道路橋示方書で用いる土圧の設 計荷重や荷重係数の値を設定していくための第1段階 として,橋梁下部構造のうち橋台に作用する主働土圧 に着目し,①土圧の算出にはクーロンの公式を用いる, ②ク・一 Pンの土圧公式に含まれる土質定数は確率変量 である,③土質定数にその平均値を代入して算出され る土圧を設計値とする,④土圧の荷重係数はその確率 分布の10%超過確率値と設計値の比で定義することを 前提とした場合に,諸土質定数のばらつきが荷重係数 の値に及ぼす影響について,モンテカルロ・シミュレー ションを用いて検討する。さらに,土圧公式の不確実 度や施工精度のぼらつきなど土質定数のぼらつき以外 の要因が土圧の荷重係数値に及ぼす影響についても考察を加える。 2.クーロンの土圧公式と検討の対象とする橋台 クーロンの土圧公式は,マスとしてのくさび状の崩 壊土塊に作用する力のつり合いを考えたものであり, 他の土圧公式に対して壁面摩擦の有無はもちろんのこ と,一般にどのような境界条件に対しても適用できる という利点を持っている。土圧公式にはクーロンの他 にランキン,テルツァギーの公式など多くの式が提案 されているが,クーロンの土圧公式は室内および野外 での実験の結果比較的観測値に近い値を示すと言われ ている。この理由により,現行道路橋示方書では次式 で表されるクーロンの土圧公式を採用している7)・8)。 [常時] COS2φ ………(1)P=γ・H・ ・・sδ・[1+sln(φ認㎜φT [地震時] 島=γ・H・ COS2(φ一〇。) ・・sδ・…(・・+δ)・[1+c°s(φ慧謡ヂー°T …・・………・…………・……・・…・……・………窃…… i2) ただし,P:常時主働土圧強度[tf2] P,二地震時主働土圧強度(tf/m2) γ:土の単位体積重量(tf/m3) H:橋台の高さ(m) φ:裏込め土の内部摩擦角(度) δ:土圧作用面の壁面摩擦角(度) 0。 == tan−’kh:地震合成角(度) k,:設計水平震度(=0.2) 実際に設計される橋台としては,重力式橋台,逆T 式橋台,控え壁・支え式橋台の3種類があるが,どの タイプを検討の対象としても,また,橋台の高さを適 当に仮定しても確率統計論的には得られる結果に差異 は生じない。そこでここでは,最も多用されている高 さ10mの逆T式橋台(図1)を検討の対象としている。 現行の道路橋示方書においては,土質定数として表 1に示すような値を用いて逆T式橋台に作用する土圧 を算定するよう規定されている。ここで壁面摩擦角に 関しては,逆T式橋台の安定計算を行う場合には,土 圧作用面として仮想壁背面を仮定し(図1参照),壁面 摩擦角が土と土の摩擦角に等しいとしている。また, 逆T式橋台の壁の断面設計を行う場合には,実壁背面 を土圧作用面として,壁面摩擦角が土とコンクリート の摩擦角に等しいとしている。本研究では,図1に示 すように,逆T式橋台の安定計算を行う場合の土圧に ついて取り扱うことにする。 なお,表1からわかるように,単位体積重量γ,土の 内部摩擦角φ,および壁面摩擦角δは,互いに独立な 変量ではなく,特定の関係を有している。 3.モンテカルロ法に基づく土圧の荷重係数の算出 主働土圧強度は,式(1)および式(2)により算出される。 そこで本研究では,式(1),(2)に含まれる3個の土質定 数,すなわち,単位体積重量γ,土の内部摩擦角φ, および壁面摩擦角δがぼらつきを有する確率変数と 仮定し,以下のプロセスに従って,土圧の荷重係数を 算出することにする。 1)各々の変数に確率分布形とそのパラメータ値を 与え,モンテカルロ法により,3個の変数の実現 値を求める 2)3個の実現値を式(1)あるいは式(2)に代入して主 働土圧強度を算出する 3)1)と2)のプロセスを所定の回数(=N)だけ繰 り返す 4)3)で得られたN個のデータを用いて,主働土圧 強度に関する確率分布形とそのパラメータ値を最 尤法により9)推定し,10%超過確率値を算出する 5)4)で得られた10%超過確率値と,式(1)あるいは 式(2)にγ,φ,δの平均値を代入して得られる主働 土圧強度との比を算出し,これを土圧の荷重係数 とする モンテカルロ・シミュレーションに必要な3個の確 率変数の分布形およびパラメータの値として,文献10) を参照して表2に示すものを用いている。また,シミュ レーションを実行するケースを表3に示す。なおシ ミュレーションの繰り返し数Nに関しては,N≧400と
仮想壁背面
〆 図1 対象とした逆T式橋台表1 逆T式橋台の土圧算定に用いる土質定数
壁面摩擦角 土と土の摩擦角
常時:φ, 地震時:φ/2
δ 土とコンクリートの摩擦角
常時:φ/3,地震時:O
裏込め材の種類
単位体積重量 γ 土の内部摩擦角 φよく締固めた砂と砂利の混合物
2.O tf/m3
35°
よく締固めた砂および砂質土
1.9 tf/m3
30°
表2 シミュレーションに用いた確率分布形とパラメータ値確率分布形
平 均 値
変動係数
内部摩擦角 φ
正規分布
30,35[度] 0.10,0.15,0.20壁面摩擦角 δ
正規分布
30,35,15,17.5[度] 0,0.10,0●15,0.20単位体積重量 γ
正規分布
1.9,2.0[tf/孤3] 0.05,0.10 表3 シミュレーショソの実行ケース 壁 面 摩擦 角 δ 単位体積重量 γ鞠杣 3ぴ 1 3ぴ
3ぴ 13ぎ i 15°17.5烏 1.9[tf/m3]i2.0[tf/m3] [ 変動⇒1ω・1田51仕2・ 0・1010・15 0.20・同・同・・15{ω5
・・1・減・・1・1…5 一一”丁一一 @・1 膓堰E
奄堰Eli
・一 ●1 ・一…
u 「「
一三「=す一一
121山 一 」 ] 1 l l 怐@ i l{・一
同一・
l l
1
● 1 ●ケ1川 1
● } l l 戟怐@l戟@l
{ l戟@ l引 1
Lヨ_
11
P− 1●
・1
●l l
1・1{ ● ● 1 ●i・1
〔・川
● ’ l l@liI
●1
…11 8瞬1 ‖ ・引 1 ●lli{
1●P 1 iglil 《 ● l ip」
l l l 怩P 1 41
●1
ト、
o・・1l l
i ● →l ll●{
} } 1・閣
l l
●川・1
{●1 スほ2il l lI 1
● ii l●
● 1・31I
戟@l
1●1 {・
1・1
;・4… 1
{・ll}∋
一・
I
@l151. l ll l l
● 1゜l l
1 |P・1
細i・611!1
●1 」i l i
llG
〔4酬
一 日・
● 1 .、 奄P8‖l ll 1怐@i 戟@ | †一一一{ 堰@{ 1 ●l i i Ii・gli川 同
一 一 1・
l l●i
l l l i lc201 1 1 1 ●
i
堰@l l●
して得られる結果が,10万回繰り返して得られる結果 に対して誤差1%以下となることが確認できたため, ここではN=400としている。 3個の確率変数γ,φ,δは,2.でも述べたように 互いに独立な確率変数として扱うことはできない。確 率統計論的には各々の確率変数のパラメータ値(平均 値・変動係数等)についても何らかの相関関係が存在 すると考えられるが,その関係を導くのは容易ではな い。そこで本研究では,各変数の平均値の間には表1 に示したような関係があるものとし,変動係数に関し ては,表3に示したように各々独自にパラメトリック に変化させることにする。ただし,内部摩擦角φと壁 面摩擦角δの変動係数は,両者の関係(表1参照)か ら等しくしてある。 なお,最尤法を用いた確率分布形の推定に際して対 象とした理論分布形は,荷重の最大値分布として用い られることの多い正規分布・対数正規分布・極値1型 最大値分布の3種類である9)。また,10%超過確率値を 設計用荷重値として用いるのは,日本道路協会で進め られている限界状態設計法への移行作業において, 10%超過確率値が設計荷重値設定の目安とされている ためである6)。 4.数値実験結果および考察 数値実験を行った各ケースについて,得られた最適合 分布形と変動係数および荷重係数の値を示したのが表 4である。また,図2は,ケース1について得られた 相対頻度図であり,最適合分布である正規分布も図中 に描いてある。表4より,主働土圧強度の分布形は, 常時においてはほとんどのケースで正規分布が最適合 分布形となっているのに対し,地震時では対数正規分 布が最適合分布形となっていることがわかる。常時で 最適合分布形が対数正規分布となっている場合を調べ てみると,変動係数の値が0.25以上の場合であり,変 動係数が大きくなると正規分布から対数正規分布と なっていく傾向があることがわかる。地震時の変動係 数が常時と比較して小さいことも表4からわかるが, その理由については今後検討を加える必要がある。 表4 最適合分布形・変動係数・荷重係数 (土圧公式の不確実度,施工精度のぼらつきを考慮せず) CASE No.最適合分布
変動係数 荷重係数 1 正規分布 iO. 1 53 11. 195 2 正規分布O.・24巨・・59
正規分布 「一0. 198111. 254
正規分布lO.17711.
227一 墲k.至 1ホ数正規分布゜・25旦41・344
1 6 正規分布0,232
1. 298 7 正規分布 | O. 196 1. 252 8 正規分布 1. 225}9
正規分布O.17311,222
10
正規分布10. 148
1. 190時111
正規分布O.23211.
@ 十
298
12
正規分布己.・・41・.275
13
対数正規分布⊥旦297
1. 416 {14 対数正規分布{0.283
1. 396 ;15 正規分布10. 227
1. 292 1 16 正規分布lO,210
1. 269 地1・17「「ぎ 一一一−一一 一←一対数正規分布15
206
ホ数正規分布巴、2、
. 16719
対数正規分布io・163
1. 217 時1−一@‘20
1ホ数正規分布lO・13711・
1 180 図3は,荷重係数の値と土質定数の変動係数との関 係を示したもので,同図では,荷重係数の値を縦軸に, 土質定数の変動係数を横軸にとってある。これより, 土の内部摩擦角の変動係数γφ(=壁面摩擦角の変動 係数V6)の増大に伴って荷重係数αの値も大きく なっており,土の単位体積重量の変動係数γγが0.05の場合よりも0.10の場合の方が荷重係数として
0.03∼0.1程度大きくなっていることがわかる。また,γφの値が0.1から0.2に変化するとαの値は
0.15∼0.2程度大きくなっており,γφの推定精度が Vγの推定精度よりも荷重係数の値に大きく影響を及相対頻度
O.12
O.og
O.06
O.03
O 1. 3. 5. 7.9. 11.
主働土圧強度[tf/m2] 図2 主働土圧強度のヒストグラム(CASE 1) 土圧の荷重係数 ユ.401.30
1.20
OVγ=O.10
Vγ=O.05
φ=δ=30° γ=1.9[tf/m3]O.10 0.15 0.20
内部摩擦角の変動係数 図3 荷重係数と土質定数のぼらつきとの関係 ぽすことがわかる。 表4および図3より,安全側の設計という観点から 土圧の荷重係数を決定すると,常時に対し1.40,地震 時に対し1.20となる。また,裏込め土の種類によって 荷重係数の値を別々に設定するならぽ,裏込め土がよ く締固めた砂と砂利の混合物の場合1.16∼1.34,よく 締固めた砂および砂質土場合1.19∼1.42となっている ことから,両者の間に0.05の差を設けてもよいといえ る。 5.土圧公式の推定精度・施工精度のばらつきを考慮 した荷重係数 これまでは,土質定数のぱらつきのみに着目して, 式(1)あるいは式(2)より算出される主働土圧強度を対象 としてきた。しかし,実際に橋台に作用する土圧の確 率統計的特性の把握に際しては,土質定数のばらつき 以外に土圧公式の不確実度や施工精度のぼらつきも考 慮する必要があろう。その理由として以下の4つが挙 げられる。 ①土圧測定の技術上の問題もあって信頼できる実測 データが少なく,土圧公式の妥当性の検証とこれ に伴う推定精度の向上が十分になされていないの が実情である。 ②構造物に作用する土圧は,構造物・裏込め土・基 礎地盤の3者からなる静的相互作用の結果であ り,本来複雑な挙動を示す土圧問題を理想化・単 純化して取り扱う場合には当然誤差が含まれてく る。 ③設計の段階で実際に使用される裏込め材料の種類 や物性値を正確に把握することは難しく,設計時 に予測される土圧は,既往の実績や経験に基づい た半経験的なものということができる。 ④施工はある一定レベルの品質管理がなされること を前提としているものの,施工時にそのレベルに 到達していたかどうかは必ずしも定かではないρ そこでここでは,主働土圧強度P。あるいはP。EがP。=E・F・P
あるいは P。E=E・.F・P, ただし,E:土圧公式の不確実度, F:施工精度のぼらつき P,P,:式(1),(2)より算出される主働 土圧強度 で表されるものと仮定し11),E, Fの変動性の大小が荷 重係数の値に及ぼす影響をパラメトリックに調べてみ る。なお,文献11)を参照して,E, Fは平均値1.0の 正規分布に従うものとし,その変動係数はE,F共に 0.05∼0.3の範囲で変化するものと仮定して,表5に示 すようなケースについて数値実験を実施した。数値実 験により得られた最適合分布形,変動係数,および荷 重係数の値を示したのが表6である。土圧公式の不確 実度や施工精度のぱらつきを考慮すると,主働土圧強 度の最適合分布形として,分布の右裾部分が広がる対 数正規分布や極値1型最大値分布が選択されてきてい表5 土圧公式の不確実度,施工精度のぱらつきを考慮した場合 のシミ=レーションの実行ケース (di = 30°, Vφ=0.15,δ=30°, Vδ=0.15, γ=1.9[tf/m3], Vγ=・O.05) i}土圧公式の不確実度 E 施工精度のばらつき F 平均値 1 1.o LO
一一一
マ動Q斗讐゜’1°[°’2°}°’3° 0.05 [ 0.10 i O.20 } 0.30 一…一上一==→===一m21巴⊥ [ 1
一.怐@ 1 [ i li22il司 l i
1● i l l∼ :跡「「一†^「一 }††訂
表6 最適合分布形・変動係数・荷重係数 (土圧公式の不確実度,施工精度のばらつきを考慮) 24 ● ●ケ欝一「:+一÷寸+一
ス 12711 ;●! l l● !i→ i281、 !● ’ 1 } ●一 ‘{29L I i● i ●†「↓一____」_ ‘30‖ 1131
トコ゜i
1L ・
「321 、 {●_L⊥1・
1331
i } i● ● l l , iP } 「1●ト
、・] 1
i351
・ T ! ● ]㎜丁.一寸一} 136{1 1 , 戟@ l 1● l i l 1● ることがわかる。また,予想したように,荷重係数の 値も,表4と比較して0.15∼0.2程度大きくなっている ことカミわかる。 図4は,土圧公式の不確実度Eに関する変動係数と 荷重係数の関係を,施工精度のばらつきFに関する変 動係数をパラメータとして描いたものである。E, F の変動係数がともに0.3と大きい値をとる場合には,荷 重係数は約1.6となり,これらの要因を考慮しない場合 と比べて0.2程度大きくなっている。このことは,土圧 の荷重係数を設定する場合には,土質定数の確率統計 的特性の把握と同時に,土圧公式の不確実度・施工精 度のぱらつきに関しても十分配慮する必要があること を示唆している。 CASE No.最適合分布
変動係数 荷重係数 一 21 対数正規分布 O. 1921,260
22
対数正規分布 O. 211 1. 28323
対数正規分布 0. 2721,363
24
対数正規分布iO,349
1,483
常25
対数正規分布 O.2091,284
26
対数正規分布一
I。.227
1,305
27
対数正規分布{O.284
1,381
28
極値1型最大値分布O,358
1,459
29
正規分布 0. 2661,340
1、。 対数正規分布 O. 280 1. 389 時,31 対数正規分布 0. 3281,450
32
極値1型最大値分布lO.395←
1,507
i33
正規分布 O.338 ト1,433
ト134 正規分布 O.34911.448@ 一
135
…一
狽R9・じ・…
i36
極値1型最大値分布 0.451 .578 6.ま と め 道路橋示方書を現行の許容応力度設計法から荷重係 数設計方式の限界状態設計法へ移行していく際に荷重 係数の規定のしかたが問題となっている土圧に関し, モンテカルロ法を用いて荷重係数を算出することを試 み,諸土質定数のぱらつきが荷重係数の値に及ぼす影 響について検討を加えた。さらに,土圧公式の不確実 度や施工精度のぼらつきが土圧の荷重係数値に及ぼす 土圧公式の不確実度の 土圧の荷重係数 変動係数=O.30、.5。 /≧二・・2・
r””..・・r’4・NP o.、o・,4・ ,〆’.漫…
ノ げ ,・’ ,・’ O.05 1.30 ,.n’ o. oO↑O・100・150・20
0.05
施工精度のばらつきの変動係数 図4 荷重係数と施工精度のぼらつきとの関係 影響についても考究した。その結果,・ 1)土の内部摩擦角の変動の大小の方が土の単位体 積重量の変動の大小よりも荷重係数の値に大きく 影響を及ぼす 2)安全側の設計という観点から土圧の荷重係数を 決定すると,常時に対し1.40,地震時に対し1.20 の値を設定しておけぽよい 3)裏込め土の種類によって荷重係数の値を別々に 設定するならば,裏込め土がよく締固めた砂と砂 利の混合物の場合には,裏込め土がよく締固めた 砂および砂質土の場合よりも荷重係数の値を0.05 小さくしてもよい 4)土圧の荷重係数を設定する場合には,土質定数の確率統計的特性の把握と同時に,土圧公式の不 確実度・施工精度のぱらつきに関しても十分配慮 する必要がある ことが明らかになった。 なお,土圧に関しては,本研究で取り扱った主働土 圧だけでなく,受働土圧や静止土圧に関しても考慮す る必要があり,また,裏込め土の締固め程度の問題等 施工に起因する要因も関与してくるため,今後はこれ らのことも考慮にいれた取扱いを試みていくことが必 要である。 参 考 文 献 1)Cornell, C. A.:Structural Safety Specifications Based on Second Moment Reliability Analysis, IABSE Sympo. on Concepts of Safety and Methods of Design, Final Report, pp.235・245, London, England, Sept.1969. 2)British Standards Institution:BS 5400 Steel, concrete and composite bridges,1978. 3)Ontario Highway Bridge Design Code,1979. 4)The American Association of State Highway and Trans・ portation Officials : STANDARD SPECIFICATIONS for HIGHWAY BRIDGES,13 th Edition,1983. 5)土木学会:コンクリート標準示方書(昭和61年制定),昭和61 年10月。 6)日本道路協会橋梁委員会限界状態設計法分科会荷重検討班 第2次報告書(案),平成元年3月。 7)日本道路協会:道路橋示方書 1.共通編 II.鋼橋編,昭 和55年2月。 8)日本道路協会:道路橋示方書 V.耐震設計編,昭和55年2 月。 9)杉山,藤野,伊藤:統計データからの分布形・特性値の決定, 構造工学論文集,Vol.31 A, pp.287・300,昭和60年3月。 10)土質工学会:土質データーのぽらつきと設計,昭和63年9 月。 11)杉山,藤野,伊藤:材料強度分布形の裾切りが構造物の信頼 性に及ぼす影響,構造工学論文集,Vol.32 A, pp.495・507, 昭和61年3月。