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Microsoft Word 神経内科

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平成 21 年度 神経内科 卒業試験

問題1 Charcot-Marie-Tooth 病(CMT typeA・B)について正しい組み合わせを選べ。 1 常染色体優性遺伝である。 2 末梢神経の軸索が障害される。 3 下肢近位筋から症状が始まる。 4 主に中年以降に発症する。 5 神経生検で Onion bulb を認める。 a) 1, 2 b) 2, 3 c) 3, 4 d) 4, 5 e) 1, 5 正解 e 解説 ○1 常染色体優性遺伝である。 ×2 末梢神経の軸索が障害されるのは脱髄性疾患でみられる。 ×3 下肢遠位筋から症状が始まる(逆シャンペンボトル型)。 ×4 小児期~思春期で発症する。 ○5 神経生検で Onion bulb を認める。

問題2 CIDP(chronic inflammatory demyelinating polyvadiculoneuropathy)について誤っている組み 合わせを選べ。 1 脳神経領域も障害される。 2 治療は副腎皮質ステロイド、ガンマグロブリン大量静注療法などである。 3 半数以上で髄液蛋白上昇がみられる。 4 腱反射が亢進する。 5 しばしば脊髄レベルに沿った感覚障害を呈する。 a) 1, 2 b) 2, 3 c) 3, 4 d) 4, 5 e) 1, 5 正解 d 解説 ○1 ギランバレー症候群と同じ症状が起こり、脳神経領域も障害される。 ○2 治療は副腎皮質ステロイド、ガンマグロブリン大量静注療法などである。 ○3 半数以上で髄液蛋白上昇がみられる(蛋白細胞解離)。 ×4 二次運動ニューロンが障害されるので、腱反射が消失~低下する。 ×5 運動神経障害を呈する。

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2 問題 3 ギラン・バレー症候群で正しいものはどれか。 a 髄液蛋白上昇 b 髄液糖上昇 c 髄液細胞数上昇 d 髄液圧上昇 e 髄液赤血球数上昇 正解 a 解説:ギランバレー症候群は髄液の蛋白細胞解離(蛋白↑、細胞数→)が特徴。また糖→。 症例(問題4-5);42 歳男性。既往歴、家族歴に特記事項なし。 現病歴;2 週間くらいに感冒様症状あり、5 日くらい前から歩行時のふらつきを自覚していた。2 日前か ら複視が出現し、ふらつきも悪化したため当科受診した。診察では、意識は清明、脳神経系では眼球運 動が全方向で制限されていた。明らかな四肢筋力低下はなし。感覚障害なし。腱反射は全て消失してい た。病的反射はみられなかった。協調運動では鼻指試験、膝踵試験が両側で拙劣であった。 問題 4 この患者で優先して行うべき検査はどれか。正しい組み合わせを選びなさい。 1 針筋電図 2 脳血管造影検査 3 血中カリウム値測定 4 頭部 MRI 5 髄液検査 a) 1, 2 b) 2, 3 c) 3, 4 d) 4, 5 e) 1, 5 問題 5 最も考えられる疾患はどれか。 a Fisher 症候群 b 脳幹梗塞 c 甲状腺機能亢進症 d 重症筋無力症 e ギランバレー症候群 正解 問題 4 d 問題 5 a 解説 アプローチ;42 歳男性、2 週間くらいに感冒様症状 →先行する上気道感染の既往、ギランバレー症候群か 歩行時のふらつき →筋力低下?or 小脳失調?

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3 問題4 髄液検査は必須である。ギランバレー症候群では神経伝導速度を測定するが、筋力低下はないので、針 筋電図などは否定的。 小脳失調の鑑別として MRI 検査が妥当ではないだろうか。 1 × 2 × 3 × 4 ○ 5 ○ 問題 5 ギランバレー症候群を思わせる症例であるが、四肢筋力低下が無く、複視、小脳失調の症状が前景にき ている。これはギランバレー症候群の亜型である Fisher 症候群に特徴的な臨床症状である。治療はギラ ンバレー症候群に準じる。 a ○ b × c × d × e × 問題 6 糖尿病性ニューロパチーについて誤っているのはどれか。 a 動眼神経麻痺 b 起立性低血圧 c インポテンツ d 髄液蛋白細胞解離 e 腱反射低下 正解 e 解説 ○a 動眼神経麻痺などの脳神経障害もみられる(Ⅲ>Ⅳ、Ⅶ)。 ○b , c 起立性低血圧、インポテンツなどの自律神経系の調節障害も起こる。 ○d 髄液蛋白細胞解離はギランバレー症候群などに特徴的である。ただ、糖尿病性ニューロパチーでは 50%以上で髄液蛋白が上昇する。 ×e 腱反射低下ではなく、腱反射消失が末梢の感覚神経の障害により起こる。

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4 問題 7 下の図に関し、正しい組み合わせはどれか。 a 1-尺骨神経障害,2-正中神経障害,3-橈骨神経障害 b 1-正中神経障害,2-橈骨神経障害,3-尺骨神経障害 c 1-正中神経障害,2-尺骨神経障害,3-橈骨神経障害 d 1-橈骨神経障害,2-尺骨神経障害,3-正中神経障害 e 1-尺骨神経障害,2 -橈骨神経障害,3-正中神経障害 正解 c 解説 正中神経―猿手(親指が対立できない)、尺骨神経―鷲手(薬指と小指の障害)、橈骨神経―くま手(伸筋群 が全部障害された下垂手)。

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5 問題 8 反復刺激検査で以下のような波形を得る疾患で誤っているものはどれか。 a 朝より夕方に筋力低下が悪化することが多い b 抗アセチルコリン受容体抗体陽性 c テンシロン試験陽性 d 治療のひとつに胸腺摘出術がある e 球麻痺は起こさない。 正解 e 解説;反復刺激検査で waning を認めることより重症筋無力症と考えられる。 ○ a ○ b 全身型の 80~90%、眼筋型の 60~70%で陽性。 ○ c ○ d 難治性の眼筋型や全身型には胸腺腫の有無にかかわらず胸腺摘出術を施行。 × e 構音障害、嚥下障害など球麻痺症状を起こす場合もある。 問題 9.甲状腺機能低下症で見られる神経徴候として、間違っているものを一つ選べ。 a 無気力 b 頭痛 c 難聴 d 腱反射亢進 e 筋力低下 正解:d 解説:甲状腺機能低下症では、アキレス腱反射弛緩相が遅延する。(Lamberts 徴候)

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6 問題 10.アルコールとの関連が特にないのはどれか。ひとつ選べ。 a てんかん発作 b 慢性硬膜下血腫 c 小脳変性症 d 多発筋炎 e とう骨神経麻痺 正解:d 解説: ○ a、アルコール性てんかんと呼ばれる病態が存在し、アルコール離脱症状のひとつである。 ○ b アルコール多飲者は脳萎縮があり、転倒しやすく慢性硬膜下血腫を生じやすい。 ○ c アルコール性小脳変性症では,持続性の下肢・体幹の小脳性失調失調がみられる。 × d.多発筋炎とは関連が特にないと思います。アルコール性ミオパチーは存在する(1、横紋筋融解 によるもの。2.下痢、嘔吐による低 K 血症によるもの。)が、全く病態が違う。 ○ e アルコール性ニューロパチーと呼ばれる病態が存在する。末梢神経障害を示し、感覚・運動障害が 四肢末端に強く、左右対称に起こるのが普通である。 問題11 誤っている組み合わせはどれか、一つ選べ。 a 側頭動脈炎‐‐‐‐視力障害 b リウマチ性多発筋炎‐‐‐‐手根幹症候群 c サルコイドーシス‐‐‐‐顔面神経麻痺 d 全身性エリテマトーデス‐‐‐‐精神症状 e 抗リン脂質抗体症候群‐‐‐‐脳梗塞 答え:b 解説:手根間症候群は、アクロメガリ(先端巨大症)の合併が多い。 a. 正しい。網膜中心動脈が傷害され、失明にいたる。50%にリウマチ性多発筋痛症の合併。 d. CNS ループスのこと。 e. 正しい。動静脈の血栓症が見られる。 問題12 周期性四肢麻痺について正しいものを一つ選べ。 a 呼吸障害を来たす b 嚥下障害を来たす c 麻痺は数分で回復する d 血清 CK が上昇する e 針筋電図では電気的安静となる

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7 答え:d 解説: 周期性四肢麻痺の特徴(低 K 性が一般的) ・弛緩性麻痺が両下肢から始まり、上行性に躯幹、上肢に広がる。 ・破壊性に血中 CK が上昇する。 ・甲状腺機能亢進症に伴うものは、眼筋、顔筋、球部筋、呼吸筋、括約筋は通常侵されない。 →これらが侵されていたら GBS の方が疑わしい。GBS の場合、四肢遠位に麻痺が強いが、周期性四肢麻 痺は、四肢近位に強いことが、鑑別ポイント。 ・意識障害(-)、感覚障害(-) 問題13 誤っている組み合わせはどれか。 a フェニトイン眼振 b n-ヘキサン遠位筋筋力低下 c ストレプトマイシンカロリックテスト異常 d 有機リン散瞳 e 有機水銀失調性歩行 答え:d 解説:d.有機リンは ChE を阻害。Ach↑↑だから、縮瞳。 a.フェニトインは、抗痙攣薬。作用が強く、すぐに中毒になるので、血中濃度のモニタリングが 必要。副作用は、眼振、小脳失調、意識障害。 b.n-ヘキサン…多発性神経炎、筋力低下(末端から求心性に進行) c.ストレプトマイシンの副作用は、Ⅷの障害(難聴、耳鳴り、めまい)。カロリックテストでは、 眼振が出れば正常なので、Ⅷに障害があれば、眼振は出ない。つまり異常。e.有機水銀(水俣 病)の症状…①四肢末梢、口囲の知覚異常 ②求心性視野狭窄(視神経萎縮)③小脳性失調症 問題14 52歳の男性。無職。30 年来の大酒家。3日前、飲み屋で痙攣発作を起こして救急外来受診。 痙攣は一回のみで来院時意識清明だったが、精査のため即時入院となった。今朝から手の振るえが目だ って、落ち着きがなくなってきた。夕方より手を空に振り回したり大声を上げたりするようになった。 制止しても言うことを聞かない。体温38.2 度。脈拍 114/分。全身の発汗著明。 適切な治療薬はどれか、2つ選べ。 a フェニトイン b ハロペリドール c レボドパ d 分枝アミノ酸製剤 e ジアゼパム

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8 解答:b・e 解説:アルコールてんかんでの救急受診、その後のアルコールの離脱症状が考えられる。 a 痙攣発作に有効であるが、現在は痙攣していない。 b アルコール性幻覚症がある場合には抗精神病薬を投与する。 c パーキンソン病の治療薬である。 d 肝性脳症に効果があるが、肝硬変は併発していない。 e 催眠作用、抗不安作用、抗痙攣作用を示し、アルコールの離脱症状に対して有 効である。 問題15 正しい記述を2つ選べ a 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は日和見感染症である。 b 進行性多巣性白質脳症(PML)の病変の主座は脳幹である。 c 亜急性硬化性全脳炎(SSPE)では、髄液麻疹抗体価が上昇する。 d 進行性多巣性白質脳症(PML)は、HIV 感染者に合併する頻度が高い。 e 進行性多巣性白質脳症(PML)は、潜伏感染していた EB ウイルスが活性化して発症する。 解答:c・d 解説:a.SSPE は麻疹ウイルス感染後に発症する、スローウイルス感染症である。 b.PML の病変は大脳白質の脱髄病変である。 c.SSPE では麻疹抗体価は髄液・血清ともに上昇する。 d.e.PML は JC ウイルスによるスローウイルス感染症で、 免疫不全患者などのcompromised host に発症する。 問題16 孤発性Creutzfeldt-Jakob 病について誤っているのはどれか。 a 病原因子は異常プリオン蛋白質である。 b 牛海綿状脳症(BSE)に罹患した肉の経口摂取によって感染する。 c 脳波検査すると、周期性同期性放電(PSD)という波形を呈する。 d 認知症、視野異常、歩行障害などで発症し、数か月で無言無動状態に進行する。 e 診断に有用なのは、脳波、頭部 MRI 拡散強調画像、脳脊髄液 14-3-3 蛋白検査である。 解答:b 解説:a.c.d.e.問題文の通り b.BSE 罹患牛肉の経口摂取によるものは孤発型ではなく新変種型 CJD に分類 される。

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9 問題17 孤発性Creutzfeldt-Jakob 病は感染性があると考えられている。次のうち特に医原性感染に注 意すべきハイリスク手技はどれか、全て選べ。 a 輸血 b 胃全摘術 c 角膜移植 d 骨髄生検 e 開頭血腫除去術 解答:c・e(解答作成者の判断によるものです。) 解説: プリオン病感染予防ガイドラインが2008 年に出されており、編集責任者は黒岩教授です。ガイドライン によりますと、侵襲的医療行為は概ねリスクがあって、その中でもとくに以下のハイリスク手技が挙げ られています。 ◎脳外科手術・整形外科手術・・・硬膜の切開・穿刺する場合、松果体・下垂体・神経節自体に接触す る場合、髄液の漏出を伴う場合 ◎眼科手術・・・視神経・網膜に接触する場合 また、孤発性 CJD・遺伝性 CJD では脳・脊髄・網膜などが高感染性組織として挙げられており、 BSE による変異型 CJD では血液やリンパ組織についても感染性を有するとされています。このた め問題文にあるように孤発性CJD の感染ハイリスク手技には輸血は含まれないと考え、解答は c・e としました。 また、H19年度卒試の問題 13 は類題ですので参考にしてください。 問題18 次のうち運動障害を来たしにくい末梢神経障害はどれか。 a 鉛中毒 b サルコイドーシス c ビタミン B1欠乏症 d Charcot-Marie-Tooth 病 e 糖尿病性ポリニューロパチー 解答:b ? 解説:a 鉛中毒では運動神経優位のニューロパチーが中心となる。 b. 両側顔面神経麻痺をきたしうる。 c.Wernicke 脳症では小脳障害による失調性歩行となる。眼球運動障害も特徴である。 d.下肢遠位筋の筋力低下で発症する。下腿部中心の(逆シャンペンボトル型)筋萎 縮がみられ、下垂足をきたし鶏歩(steppage gait)となる。 e.末期では深部感覚障害により Romberg 試験陽性の運動失調をきたしうる。

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10 問題19 家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)の説明で正しいものを2つ選べ。 a 常染色体優性遺伝で、以前は長野や熊本に患者の集積があった。 b 起立性低血圧、下痢・便秘、腹痛、などの自律神経障害が著明である。 c 診断としては胃粘膜や神経生検を施行し、HE 染色でアミロイドを検出する。 d 末梢神経障害、下腿浮腫、剛毛、皮膚色素沈着、肝脾腫が本疾患の特徴である。 e 最も頻度が多いのは、変異トランスフェリンが脳や脊髄、末梢神経に沈着するタイプである。 解答:a・b 解説:a.b.問題分のとおり。自律神経障害以外は、はじめは下肢から上行する温痛覚障害で、進行すると 深部覚障害さらに進行すると運動神経障害も障害される。 c. コンゴーレッド染色でアミロイド物質を確認する。 d.FAP の特徴ではない。おそらく Crow-Fukasa 症候群(問題20参照)の特徴ではないでしょう か? e.変異トランスサイレチンが不溶性のアミロイドにどんどん代謝されていき末梢神経に沈着する。 問題20 a Wernicke 脳症 ――― ビタミン B12 補充 b Crow-Fukasa 症候群 ――― 拡大胸線摘出術 c Guillain-Barre 症候群 ――― 単純血漿交換療法 d Charcot-Marie-Tooth 病 ――― ステロイドパルス療法 e 家族性アミロイドポリニューロパチー ――― 自己末梢血幹細胞移植 解答:c 解説:a.Wernicke 脳症で不足しているのはビタミン B1 c.抗体・サイトカインの除去を目的として血漿交換を行う。 d.ステロイドパルス療法は行わない(教科書などにも、行うという記載はありませ んでした。) e.FAP の唯一の治療は肝移植である。 ◎Crow-Fukasa 症候群について(YN2010 j-165 より) 多彩な全身症候と免疫グロブリン異常を伴う多発神経炎である。本邦に圧倒的に多い。 Polyneuropathy(末梢優位で運動障害>感覚障害)、 organomegaly(肝脾腫) endocrinopathy(女性化乳房、陰萎、無月経)、 M protein(骨髄腫を認めるものもある)、 skin change(色素沈着、剛毛、浮腫) の頭文字をとってPOEMS 症候群とも呼ばれる。

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11 21.以下の数値のうち正常な髄液所見を2つ選べ。 a. 血糖値140mg/dl のときの髄液糖40mg/dl b. 性状は無色透明である c. 髄液圧14cmH2O d. 細胞数30/μl e. 蛋白48mg/dl 答え b,c 髄液の正常所見 外観:無色透明 圧:70~180mmH2O 細胞:0~5/mm3(/μl) 蛋白:15~45mg/dl 糖:50~80mg/dl a.髄液糖値は数時間前の血糖値のほぼ2/3である。 60代男性、発熱、頭痛が出現したものの普段通り仕事を続けていた。発熱から3日後に食欲低下、 異常な言動や失禁がみられ、ひきつけをきたして搬送された。意識は朦朧状態で JCS30、ひきつけは 止まっていた。舌根沈下が認められていた。同日施行の頭部MRI を図に示す。髄液検査では白血球25 /μl、赤血球50/μl、蛋白140mg/dl、糖60mg/dl(血糖98mg/dl)であった。 22.本疾患による症状について誤ったものはどれか。1つ選べ。 a. 異食症、性的異常行動、視覚失認などを呈する Kluver-Bucy Syndrome は両側側頭葉前部病変で生じ る。 b. 健忘、軽躁状態などが側頭葉・辺縁系病変で生じうる。 c. 本疾患による性的過活動は主に島回の障害でよる。 d. 失語や片麻痺などの巣症状を呈することがある。 e. 80%以上の患者に発熱を認める。 23.診断・鑑別診断のための検査について正しい記載を2つ選べ。 a. 髄液 PCR 検査は、治療開始前後でも同日であれば感度は低下しない。 b. 髄液/血清抗体比で髄液中のウイルス抗体産生を評価できる。 c. 髄液ミエリン塩基性蛋白の上昇は本疾患に特異的である。 d. 髄液ウイルス培養は PCR 検査に比べ感度が高い。 e. 脳波検査では病初期から PSD を認める。

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12 24.治療について正しい対応はどれか。2つ選べ。 a. 原疾患の治療のため第3世代セフェムの点滴静注を行った。 b. けいれん発作の予防のためフェニトインを投与した。 c. インターフェロンを再発予防に使用した。 d. 治療より先に脳 MRI 検査を優先した。 e. 気道保護のため気管内挿管した。 答え 22 c? 23 b,e 24 b,e 22c.扁桃体の障害による。

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13 Kluver-Bucy 症候群 扁桃体は情動形成の中心であり、扁桃体の障害によりKluver-Bucy 症候群になる。 症状 精神盲、視覚性過敏障害、口唇傾向、性行動亢進、情動の変化 単純ヘルペス脳炎 病理 急性出血性壊死性脳炎: 片側の側頭葉、前頭葉下面(眼窩回)、島回、帯状回に強い出血・壊死 症状 脳炎一般症状 錐体路症状:対麻痺 側頭葉症状:Wernicke 失語、嗅覚異常、幻味、記憶障害、側頭葉てんかん、 Kluver-Bucy 症候群 髄液 赤血球、キサントクロミー(出血壊死病変による) 細胞↑、蛋白↑、IgG↑、糖→ 脳波 発症2病日~15病日は2~3Hz の周期性一側てんかん型放電 PLED HSV 抗体測定 HSV1抗体は健常人でもしばしば保有しており、他のウイルス抗体価の上昇がなく、 HSV に対する経時的変動、髄液系で次のような特異的局所生産を示す必要がある。 (1) 血清/髄液抗体価比20以下 (2) 抗体価指数 1.91以上 MRI 側頭葉の高信号 治療 一般療法: 気道の確保、栄養の維持 ペニシリン系、セフェム系抗生物質(二次感染の予防) 抗ウイルス薬の投与: アシクロビル、ビタラビン(ara-A) ※単純ヘルペス脳炎が疑われば、検査結果を待たずに、早期にアシクロビルを投与する 抗痙攣薬:フェニトイン 25.(古典的)多発性硬化症の臨床診断に不必要な項目を次のうちから2つ選べ。 a. 画像または電気生理学的検査により病変の多発性が示される。 b. 髄液 IgG の増加・オリゴグローナルバンド陽性 c. FDG-PET 検査での病変部の集積亢進 d. 抗ガングリオシド抗体陽性 e. 再発性の経過

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14 答え c,d 多発性硬化症 中枢神経の白質に多数の脱髄巣がみられる(末梢神経は通常障害されない)。 空間的・時間的多発性で、寛解・増悪を繰り返しながら次第に悪化する。 北方の寒冷地に頻度が高い。 発症年齢15~50歳(約30歳でピーク)。 症状 球後神経炎、MLF 症候群、Lhermitte 徴候、有痛性強直性痙攣、膀胱直腸障害 etc 髄液 IgG の増加、オリゴグローナルバンド陽性 MRI 多数の斑状の所見(脊髄でも) 治療 ステロイドパルス療法(急性増悪期の治療)、IFNβ(再発予防・進行防止) 26.神経ベーチェット病について誤った記載を1つ選べ。 a. 慢性に経過すると脳幹萎縮をきたし、錐体路障害、小脳障害をきたすことが多い。 b. 本疾患による頭痛の原因の1つとして脳静脈血栓症がある。 c. リンパ球優位の再発性無菌性髄膜炎の原因になる。 d. 口内炎などに先行して発症することはない。 e. 皮質化認知症の原因になる。 答え d Behcet 病 HLA-B51 の保有率が高い。 四大主症状 再発性口腔内アフタ性潰瘍(必発、ほとんどで初発症状) 皮膚症状(結節性紅斑、血栓性静脈炎) 眼症状(前房蓄膿を伴う虹彩毛様体炎、網膜ぶどう膜炎) 外陰部潰瘍 検査 針反応 神経Behcet 中枢神経症状が臨床的に前面に出るもの 27.Miller-Fisher 症候群について正しい記載を1つ選べ。 a. 眼球運動障害・腱反射亢進・小脳性運動失調が3徴である。 b. 発症期の血清で抗ガングリオシド抗体を高頻度に認める。 c. ステロイドパルス療法で早期に軽快する。 d. 保存的治療のみで軽快することが多い。 e. 眼球運動障害は核上性障害である。

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15 答え b か d Guillain-barre 症候群 症状 先行感染(Campylobacter jejuni など) 下肢から上行する弛緩性運動麻痺、脱力、四肢麻痺(下位ニューロン障害) ※ 急性に発症、発症後数日から2週間以内にピーク、数週~数ヶ月以内に治癒 感覚障害はglove&stocking type(軽度) 呼吸筋麻痺、顔面神経麻痺、外眼筋麻痺(複視)、球麻痺(嚥下障害、構音障害) 検査 蛋白細胞解離(発症直後はほとんど正常で、発症1~2週間後みられる。) 抗GM1ガングリオシド抗体 治療 軽症例は自然回復するので、経過観察 重症例では、免疫グロブリンの大量静注療法(IVIg 療法)、血漿交換 Fisher 症候群 Guillain-barre 症候群の亜型 特徴 3主徴:全外眼筋麻痺、運動失調、腱反射消失 抗GQ1b ガングリオシド IgG 抗体

28.進行性多巣性白質脳症(progressive mailtifocal leukoencephalopathy)について正しいのはどれ か。2つ選べ。 a. 悪性腫瘍の患者、維持透析中患者、免疫抑制剤内服中患者などに発症しやすい。 b. 高ナトリウム血症・低ナトリウム血症からの急激な補正で発症する。 c. Epstein-Barr ウイルス感染に関連して発症する脳症である。 d. 一般にヘルペスウイルス属の持続感染により発症する。 e. 一般に生命予後は悪い。 答え a,e

進行性多巣性白質脳症(PML:progressive mailtifocal leukoencephalopathy) 宿主の免疫機能低下(悪性腫瘍、自己免疫疾患、ステロイドの投与等)により

oligodendroglia 内の JC virus が増殖し発症する(JC virus には成人の70%以上が感染している)。 症状 白質に多巣性の脱髄病変

性格変化、認知症、錐体路徴候、視覚異常、感覚異常 予後 進行性で、数か月のうちに死亡

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16 29.多系統萎縮症に特徴的な頭部 MRI 所見はどれか。2つ選べ。 a. 海馬の萎縮 b. 第三脳室拡大 c. 被殻外側の低信号 d. 大脳皮質の高信号 e. 橋の横走線維の変性 答え d?,e(過去問で a,b は不正解になっていました。) 多系統萎縮症 オリーブ・橋・小脳萎縮症…小脳失調優位 Shy-Drager 症候群…自律神経症状優位 線条体黒質変性症…錐体路外路症状(パーキンソニズム)優位 MRI オリーブ・橋・小脳萎縮症:小脳・橋の萎縮、橋横走線維の変性、橋十字サイン 線条体黒質変性症:被殻外側にスリット状の高信号域 30.多系統萎縮症でみられる臨床徴候はどれか。2つ選べ。 a. 安静時振戦 b. 声門開大障害 c. 他人の手徴候 d. ミオクローヌス e. 垂直性眼球運動制限 答え a,b a. Parkinson 症状 b. Shy-Drager 症候群の進行例では、声門開大障害に伴う特徴的ないびきや睡眠時無呼吸が観察されるこ とが多く、突然死を起こすことがあり注意する必要がある。 c. 大脳皮質基底核変性症でみられる。 d. SSPE、CJD などでみられる。 e. 進行性核上性麻痺でみられる。 問題 31 遺伝性脊髄小脳変性症の中で原因遺伝子の CAG リピートが延長していないのは、どの 2 つか? a SCA1 b SCA2 c SCA3 d SCA4 e SCA5

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17 解答:d,e 解説:現在11 の原因遺伝子が見つかっているそうです。SCA4 と SCA5 というのはないみたいです。 問題 32 アルツハイマー病の脳組織で認められる病変はどの 2 つか? a 老人斑 b レビー小体 c ブニナ小体 d 核内封入体 e 神経原線維変化 解答:a,e 解説:老人斑はβアミロイドからなり、神経原線維変化はタウタンパクからなる。 問題 33 筋委縮性側索硬化症の脳組織で認められる病変はどれか? a 老人斑 b レビー小体 c ブニナ小体 d 核内封入体 e 神経原線維変化 解答:c 解説:上位・下位運動ニューロンの残存細胞体内に好酸性のBunina 小体を認める。 問題34 神経病理の染色法で軸索を染めるものは次のどれか? a hemotoxylin-eosin 染色 b Nissl 染色 c KB 染色 d Bodian 染色 e Holzer 染色 解答:d 解説:Bodian 染色は軸索・神経細胞突起を黒褐色に染めるものです。 hemotoxylin-eosin 染色はいいとして、Nissl 染色は脳や脊髄の神経細胞を赤紫色に、KB 染色は 正常髄鞘を紺に、Holzer 染色はグリア線維を濃紫色に染めるものです。

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18 問題35 次の神経組織で加齢によっても決して現れないのはどの 2 つか? a 老人斑 b 平野小体 c Pick 小体 d レビー小体 e 神経原線維変化 解答:c,d 解説:平野小体は海馬中心に、神経原線維変化(neurofibrillary tangle; NFT)は海馬中心に、 老人斑(senile plaque)は新皮質中心に加齢とともに出現する。80 歳以上の人には高率 でみられるものである。 問題 36 錐体路徴候はどれか? a 球麻痺 b 痙性麻痺 c 深部反射亢進 d 著名な筋委縮 e ロンベルグ徴候 解答:b,c 解説:錐体路徴候としては深部腱反射亢進・病的反射出現(Babinski 反射や Chaddock 反射)・痙性麻 痺などがある。 錐体路障害は上位運動ニューロン障害なので、出るとすれば仮性球麻痺が出現する。麻痺によっ て長期間筋肉を使用しなかった場合は廃用症候群としての筋委縮もあるが、著名な委縮はすぐに は出現しないと思われる。ロンベルグ徴候は深部感覚の障害であり、脊髄後索の障害で出現する。 問題 37 二次運動ニューロン障害はどれか? a 仮性球麻痺 b 奇異性歩行 c 線維性攣縮 d 足クローヌス e 著名な筋委縮 解答:c,e

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19 解説:下位運動ニューロン障害の徴候としては、筋トーヌス低下・深部腱反射低下または消失・筋委縮・ 線維束性収縮(fasciculation)など。下位運動ニューロン障害では球麻痺が出現することもある。足クロ ーヌスはアキレス腱反射の亢進であるため上位運動ニューロン障害の徴候である。奇異性歩行はパーキ ンソン病で出現するもので、すくみ足で一歩が踏み出せない状態であったのに、眼前の障害物などの視 覚情報が入るとスムーズに一歩が踏み出せるようになること。 ☆ 球麻痺・偽性球麻痺 ☆ 球麻痺 仮性球麻痺 障害麻痺 延髄の運動性脳神経核の障害 (下位ニューロン障害) 両側の核上性の障害 (上位ニューロン障害) 筋萎縮(舌) (+) (-) 舌筋の線維束攣縮 (+) (-) 下顎反射 低下 亢進 咽頭または催吐反射 消失 亢進することが多い 代表的疾患 筋萎縮性側索硬化症 ギラン-バレー症候群 多発性硬化症 重症筋無力症 多発性脳血管障害(特に前頭葉ラクナ梗塞) 進行性核上性麻痺などの神経変性疾患 多発性硬化症 脳炎 梅毒 脳腫瘍 問題 38 ミトコンドリア・ミオパチーの筋病理学的特徴はどれか? 1 つ選べ。 a ragged-red fiber b rimmed-vacuole c central core d necrosis e nemaline body 解答:a 解説:日本語で「赤ぼろ線維」ともいう。障害された骨格筋を Gomori トリクローム変法染色で染める と、筋線維は不均一にぼろぼろした感じに染まる。

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20 問題 39 筋ジストロフィーの筋病理学的特徴はどれか? 1 つ選べ。 a chained nuclei b cell infiltration c necrotic fibers d ragged-red fibers e rimmed-vacuoles 解答:c 解説:基本は筋肉細胞の壊死と再生。壊死の速度が再生の速度より速いため筋細胞は徐々に消失してい く。 問題 40 先天性非進行性ミオパチーはどれか? a セントラルコア病 b 先天性筋線維タイプ不均等症 c ネマリンミオパチー d ミオチュブラーミオパチー e 福山型筋ジストロフィー 解答:a,b,c,d 解説:福山型筋ジストロフィーは進行性です。 先天性非進行性ミオパチーとは、乳児期からの筋力や筋緊張の低下があり、歩行は獲得するもの の筋力低下が持続する疾患である。ただ、長期間フォローすると緩徐ではあるが進行し呼吸不全 に陥りやすいことから「非進行性」の言葉は取り除かれる傾向にある、とのこと。 問題 41 ペラグラについて正しいのはどれか? 1 つ選べ。 a 頑固な便秘が特徴的である b ビタミン C 欠乏症である c ニコチン酸欠乏症である d ビタミン B1 欠乏症である e 出血傾向を示す 解答:c 解説:ペラグラはニコチン酸(ナイアシン)欠乏により生じ、3 徴は 3D(dementia:認知症、diarrhea: 下痢、dermatitis:皮膚炎)です。 出血傾向をきたすことはないようです

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21 問題 42 誤っている組み合わせはどれか? 1 つ選べ。 a vit B1 欠乏-beriberi b vit C 欠乏-壊血病 c vit B12 欠乏-亜急性硬化性全脳炎 d vit A 欠乏-夜盲症 e vit E 欠乏-小脳性運動失調 解答:c

解説:亜急性硬化性全脳炎(SSPE)は麻疹の slow virus infection です。Vit12 欠乏で生じるのは亜急性 連合性脊髄変性症です。 vitB1 は糖代謝補酵素、中枢・末梢神経の機能維持に関与しており、欠乏症は beriberi(高拍出性 心不全、浮腫、多発末梢神経炎)・Wernicke 脳症・赤血球トランスケトラーゼ低下・(血中)乳酸 やピルビン酸増加がある vitC はコラーゲン形成・cytochrome p450 活性の維持・カルニチン合成・コレステロール代謝な どに関与している。欠乏症は壊血病(血管壁脆弱化による)・歯肉出血・皮下出血など vitA はロドプシン形成・角膜などの膜安定化作用がある。欠乏症は夜盲(暗順応時間延長)・眼球 乾燥症(Bitot 斑)・角膜軟化症・毛孔性角化症など。 ちなみに過剰症としては、頭痛(頭蓋内圧亢進)・嘔吐・皮膚剥離・脱毛・発疹・肝腫大・骨関節 痛(骨膜肥厚)など vitE は生体膜の安定化・リン脂質の過酸化防止・リポタンパクの酸化防止などに関与。欠乏症と しては溶血性貧血(未熟児に多い)・脊髄後索障害・小脳性運動失調・腱反射消失・筋力低下・多 発性ニューロパチー・白内障・不妊・流産など。 問題 43 破傷風について適切な記載はどれか? 1 つ選べ。 a 日本では根絶した b 自律神経障害が生じる c 予防注射で終生免疫がつく d 病原体は解放創に繁殖する e 痙攣発作が続き、意識障害が強い 解答:b 解説:嫌気性菌なので空気と触れる解放創部分では繁殖しない(侵入経路は解放創である)のではない でしょうか(少し自信なし)。体内に侵入して増殖し菌体外毒素のテタノスパスミンを産生する。 センター病院の救急の実習を思い出していただければいいと思いますが、終生免疫がつかないか ら感染の危険性があるので破傷風トキソイドを受傷後に計3 回打ちます。 3 年の神内の座学でゆめ先生が破傷風の患者さんの症例のことを話していましたが、一か月以上血 圧が 200 をコンスタントに超えていたらしく、それは自律神経の終末にも作用したからと言って

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22 いました。 有名な症状は、横紋筋持続的緊張による開口障害(牙関緊急)・破傷風様願望顔貌(痙笑)・構語 障害や嚥下障害・後弓反張など 問題 44 症例問題 25 歳女性、意識障害をきたして緊急入院した。糖尿病歴があり、インスリン使用中。妊娠 7 カ月。妊 娠悪阻が続いていた。意識レベルはJCS で 20、眼球運動障害があり、深部腱反射は消失。四肢に明らか な麻痺はない。本人から正確に病歴を聴取できない。まず行うことはどれか? 1 つ選べ。 a サイアミン静脈注射 b カリウム製剤静脈注射 c インシュリン皮下注射 d 50%ブドウ糖の静脈注射 e ペニシリン系抗生剤静脈内注射 解答:a 解説:ズバリ、Wernicke 脳症であり、vitB1 であるサイアミンの静脈投与が必要となる。 治療が遅れた分だけ病変が不可逆的になるため、疑った段階で治療を開始する必要 がある。何らかの原因で食事摂取不良患者の意識障害はWernicke 脳症を第一に考え るべきであり、大酒家・妊娠悪阻・胃切除後・重症感染症・ホームレスの人などの 摂食不良の患者へカロリーを含んだ輸液をしたのち、眼球運動障害・失調性歩行・ 意識障害(これらが3 主徴)や脚気症状(浮腫・慢性下痢・腱反射消失)を発症す る。近年、妊娠悪阻に関連する本症が増加しているとの報告があり、注意したい。 問題 45 Parkinson 病の 4 大徴候として誤っているものを 2 つ選べ。 a 姿勢時振戦 b 筋強剛 c 小刻み歩行 d 無動・寡動 e 姿勢反射障害 解答:a,c 解説:パーキンソン病の4 大徴候は以下の通り。 安静時振戦→pill-rolling tremor 筋強剛(筋固縮)→歯車様固縮、鉛管様固縮 姿勢反射障害→前傾前屈姿勢、加速歩行、方向転換困難 無動・寡動→仮面様顔貌

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23 小刻み歩行も生じるが、その他の症状に含まれていたので4 大徴候には含まれない と思います(少し自信ないです)。 問題 46 筋委縮性側索硬化症の陰性徴候を 2 つ選べ。 a 偽性球麻痺 b 眼球運動障害 c 筋線維束性攣縮 d 四肢腱反射亢進 e 排尿障害 解答:b.e 解説:4 大陰性徴候は、眼球運動障害・膀胱直腸障害(仙髄の Onuf 核)・感覚障害・褥創の 4 つ 問題 47 筋委縮性側索硬化症(古典型)の電気生理学的所見として、典型的でないものはどれか? 2 つ選べ。 a 感覚神経伝導速度検査で電動速度が正常 b 運動神経伝導速度検査で伝導ブロックの存在 c 運動神経伝導速度検査で遠位潜時の明らかな延長 d 針筋電図検査で安静時に線維自発電位、線維束自発電位が出現

e 針筋電図検査で高振幅な運動単位電位(MUP:motor unit potential)

解答:b, c 解説:針筋電図にて高振幅電位・多相性電位、神経伝導検査にて運動・感覚神経伝導速度 は原則正常・複合筋活動電位の低下を認める。ALS では運動・感覚神経とも伝導速度は正常なので、a が 典型的で b,c が典型的でない。また、下位運動ニューロン障害なので線維束性収縮があることから d は 正しく、電位の振幅が大きくなり多相性電位が出現するので e も正しい。 問題 48 家族性筋委縮性側索硬化症の原因となる遺伝子異常が見つかっているものはどれか? 3 つ選 べ。 a FUS/TLS 遺伝子 b a-synuclein 遺伝子 c TDP43 遺伝子

d APP(Amyloid precursor protein)遺伝子 e RDP-43(TAR DNA-binding protein 43)遺伝子

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24 解答:a,c,e

解説:a-synuclein 遺伝子はパーキンソン病に関与する。APP(Amyloid precursor protein) 遺伝子はアルツハイマー病に関与する 問題 49 球脊髄性筋委縮症について誤っているのはどれか? 2 つ選べ。 a 認知症が目立つ b 手指振戦が認められる c 女性化乳房がみられる d 上位運動ニューロン障害が目立つ e アンドロゲン受容体遺伝子の CAG リピートの延長がみられる 解答:a,d 解説:別名Kennedy-Alter-Sung 症候群と呼ばれている。伴性劣性遺伝のトリプレットリ ピート病で、アンドロゲン受容体遺伝子においてCAG リピートの異常伸長が見られ る。また、脊髄前角細胞の変性により下位運動ニューロンのみ障害される。症状と しては球症状(舌委縮や線維束性収縮・構音障害・嚥下障害)、下位運動ニューロン 症状(顔面や四肢筋に近位筋優位の筋委縮・筋力低下筋収縮時の著名な線維束性収 縮)、手指振戦、腱反射低下、アンドロゲン不全徴候(女性化乳房・睾丸委縮・女性 様皮膚変化)など。 問題 50 C3/4 および C4/5 の椎間板ヘルニア(頸椎症性脊髄症)と筋委縮性側索硬化症(ALS)の合併 が疑われる患者を見た場合、頸椎症の所見ではなく ALS による可能性が強いと考えられる所見はどれ か? 2 つ選べ。 a 上腕二頭筋の筋委縮・線維束性収縮 b 上腕三頭筋の筋委縮・線維束性収縮 c 上腕二頭筋の腱反射亢進 d 上腕二頭筋の腱反射亢進 e 大腿四頭筋の腱反射亢進 解答:b,e 解説:a,b は下位運動ニューロン障害であり c,d,e は上位運動ニューロン障害である。上腕 二頭筋はC5~C6、上腕三頭筋は C7~C8 の支配を受けている。今回の頸椎症では C4 と C5 が障 害を受けている。その神経根は下位運動ニューロン障害を受けるので、上腕二頭筋は下位運動ニ ューロン障害の徴候である筋委縮と線維束性収縮をきたすと考えられる。また、ALS の場合、下 肢は上位運動ニューロン障害が多く上肢は下位運動ニューロン障害が多いため、上肢は筋委縮・ 線維束性収縮をきたし、下肢は腱反射亢進を呈する可能性が高いと思われる。以上から、c,d は考

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25 えにくい症状で、a は頸椎症・ALS 両方によるものと考えられる。(などと考えましたが、自信な いです。ご意見ございましたら連絡ください。) 問題 51 Parkinson 病の特徴として正しいものを 2 つ選べ。 a 日本における有病率は人口 10 万人当たり 10-15 人程度である b 約 50%が遺伝性である c 病理学的には黒質緻密部の神経細胞内にレビー小体が認められる d 非運動症状として便秘が高頻度に認められる e wearing-off 現象とは L-Dopa の服用時間に関係なく急激に症状が良くなったり悪くなったりするも のである 解答:c,d 解説:本邦の有病率は人口10 万人当たり 100~150 人ほどであり、孤発例がほとんどであ る。Wearing-off 現象とは L-Dopa の薬効時間が短くなり、時間がたつと効果がなく なり症状が悪化する現象で、患者自身も薬が切れるのを自覚する。 病理所見としては、中脳の黒質とよばれる部分や大脳基底核の神経細胞に変性が認 められ、神経細胞の数の減少と、残った神経細胞の中にレビー小体といわれる異常 な物質が見られる。 4 大徴候の他に自律神経障害も認められ、慢性便秘・排尿障害・起立性低血圧・脂漏 性皮膚なども高頻度で認められる。 問題 52 Parkinson 病と類似の症状(Parkinsonism)をきたす原因となるのはどれか? 3 つ選べ。 a 多発性脳梗塞 b スルピリド内服 c Alzheimer 病初期 d 皮質性小脳委縮症初期 e レビー小体病初期 解答:a,b,e 解説:原因は大きく分かれるが、根底には大脳基底核などの錐体外路系の障害により生じ るので、大脳皮質の委縮をきたすアルツハイマー病や小脳の委縮をきたす皮質性小脳委縮症では パーキンソン症状は呈さない。 パーキンソン症候群の原因としては、脳血管障害性・薬剤性(ドーパミン拮抗作用のある抗精神 病薬や抗うつ薬・カルシウム拮抗薬・高圧薬など)・脳炎後・中毒性(一酸化炭素・マンガン・水 銀など)がある。

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26 問題 53 進行性核上性麻痺について正しいのはどれか? 3 つ選べ。 a 小脳性運動失調が初発症状になることが多い b 核上性眼球運動障害が認められる c 病理学的にオリゴデンドログリア内に三角形・鎌状・半月状・卵型・円錐形などと形容される glial cytoplasmic inclusion d MRI で橋被蓋部の委縮、第 3 脳室の拡大が認められる e 抗 Parkinson 病薬の効果が乏しい 解答:b, c, e 解説:脳内のタウ蛋白の蓄積によりパーキンソン症状をきたす疾患。核上性眼球運動障害 (上下方注視麻痺)、頸部ジストニー、仮性球麻痺、痴呆を主徴とする。発症早期には姿勢の不安定さや 易転倒性が目立つ(小脳性運動失調症状)。画像所見では中脳被蓋部の委縮(Hummingbird sign)、第 3 脳室の拡大、前頭葉委縮など。抗パーキンソン病に対する反応が不良で、予後はパーキンソン病より悪 い。小脳性運動失調という記述はいろんな文献を見ても無く、頸部ジストニアや眼球運動障害によって 転びやすいと考えられます。また、c にある病理の所見に関しては微妙ですが、多系統の変性をきたすと きに生じるとの記載があり、正しいかと。 問題 54 大脳皮質基底核変性症について正しいものはどれか? 2 つ選べ。 a 臨床症状はほとんどの例で左右対称である b 失行・失語など多彩な大脳症状がみられる

c 病理学的にはリン酸化 tau タンパクの蓄積である astrocytic plaque が認められる d MRI 所見として小脳・脳幹の委縮が特徴的である e Parkinson 病と比較し、予後良好である 解答:b,c 解説:大脳皮質と皮質下神経核(特に黒質と淡蒼球)の神経細胞が左右差を持って脱落し、 神経細胞およびグリア細胞に異常リン酸化タウタンパクが蓄積する疾患。症状としては、大脳皮 質症状(四節運動失行・観念運動失効など)、その他の認知機能障害(認知症・異常行動・注意障 害・失語など)、錐体外路障害(パーキンソニズム・ジストニーなど)を認める。症状には基本的 に左右差があり、それを示すように頭部MRI などで非対称性の大脳皮質の委縮がみられる。薬剤 に対する反応性が悪くパーキンソン病より早く寝たきりに移行し(5~10 年ほどで)、予後はあま り良くない。

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27 問題 55 Wallenberg 症候群の症候ではないものはどれか? 1 つ選べ。 a 眼振 b 散瞳 c 嚥下障害 d 顔面感覚障害 e 小脳性運動失調 解答:b

解説:延髄外側部障害のWallenberg syndrome では交感神経障害のため Horner 症候群を きたし縮瞳を呈する。 その他の特徴は、病側顔面の顔面と反対側頸部以下の温痛覚障害(三叉神経脊髄路・ 核と外側脊髄視床路障害)、小脳失調(下小脳脚障害)、嚥下困難や嗄声(舌咽・迷 走神経核障害)、回転性めまい・頭痛・悪心・嘔吐(前庭神経核障害)などがある。 問題 56 我が国において 80 歳以上の年齢層で最も多い脳卒中の病型はどれか? a ラクナ梗塞 b くも膜下出血 c 心原性脳塞栓症 d 高血圧性脳出血 e アテローム血栓性脳梗塞 解答:a 解説:日本では現在ラクナ梗塞が半分近くを占めるとされている。ラクナ梗塞や脳出血の危険因子は高 血圧で、アテローム血栓性脳梗塞の危険因子は糖尿病や高脂血症である。近年食生活の欧米化や 高血圧治療の向上により、アテローム血栓性脳梗塞や加齢に伴う心原生脳梗塞の頻度が増加して いる。 問題 57 単独で出現した場合、一過性脳虚血発作の特徴的な症状でないものはどれか? 1 つ選べ。 a 同名半盲 b 意識消失 c 運動麻痺 d 感覚障害 e 一過性黒内障 解答:b

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28 解説:複視・めまい・構音障害が単独で場合は脳局所症状かどうか明確ではなくTIA とは言わない。ま た、TIA では一過性意識消失や失神は起こり得ない。 一過性黒内症は内頸動脈系の虚血、同名半盲は内頸動脈・椎骨動脈どちらの虚血でも生じる。ま た、内頸動脈系の虚血の場合、感覚障害や運動麻痺は片側性に生じる。 問題 58 脳梗塞の発症要因とならないのはどれか? 1 つ選べ。 a 血管炎 b 動脈解離 c 悪性腫瘍 d バセドウ病 e 感染性心内膜炎 解答:c 解説:A 型解離、悪性腫瘍による腫瘍塞栓、感染性心内膜炎は血管の閉塞や塞栓により脳梗 塞になると思います。バセドウ病により心臓に負荷がかかって心房細動を生じた場 合にも心原性脳梗塞をきたすと思います。血管炎に関しても結節性多発動脈炎などで脳の血管に 障害が生じれば脳梗塞をきたすとありました。悪性腫瘍ですが、左房粘液腫のように明らかな腫 瘤が血管内にあれば塞栓となることもあるがまれであり、その前に肺にトラップされることが多 いようです。 問題 59 脳卒中について正しいものはどれか? 1 つ選べ。 a 被殻出血では血腫除去術の有効性が確立している b 頸動脈狭窄や脳卒中の既往は脳梗塞再発の危険因子になる c 心原性脳塞栓症では血小板血栓が原因のため再発予防にアスピリンを投与する d 脳卒中急性期では安静が重要であり、急性期のリハビリテーションは予後を悪化させる e 顔面を含む左片麻痺・左半側空間無視を認めた場合、予想される病変部位は右内包後脚である 解答:a or b? 解説:心房細動などによる脳梗塞予防にはワーファリンを予防的に内服します。急性期にリハビリを行 ったほうが予後がいいというエビデンスがあります。右内包後脚(錐体路の通り道)だけでは左の半側 空間無視は生じません。右の頭頂葉障害で左の半側空間無視が出現します。頸動脈狭窄や脳卒中の既往 は脳梗塞再発の危険因子だと思います。被殻出血に関しては、「神経学的所見が中等症、血腫量が31mL 以上でかつ血腫による圧迫所見が高度な被殻出血では手術の適応を考慮しても良い(グレード C1)。特 に、JCS でⅡ-20~30 程度の意識障害を伴う場合は、定位的脳内血腫除去手術が勧められる」とありま すが、「重症例の救命を目的にする時にのみ有効である」、という記述があり、これが治療の有効性を示 しているかどうかははっきりしないので、はっきり解答できませんでした。この問題に関しても、「答え

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29 わかるよ」という人は教えてください。 問題 60 血栓溶解療法について正しいものはどれか? 1 つ選べ。 a 発症 6 時間以内の脳梗塞に適応がある b 頭蓋内出血の既往のある場合は血圧を下げて慎重に投与する c 頭部 CT で早期虚血性変化が広範囲に見られても禁忌にはならない d ワルファリン内服中であっても PT-INR が 2.0 以下であれば適応である e 血流の再開通に成功しても出血性梗塞によって病状が悪化することがある 解答:e 解説:適応と禁忌は以下のようになっているそうです(引用:三菱ウェルファーマ株式 会社 rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法の手引き) ・適応の要点 ・発症より3 時間以内。 ・症状の急速な改善がない。 ・軽症(失調、感覚障害、構音障害、軽度の麻痺のみを呈する)ではない。 ・禁忌事項 ・頭蓋内、消化管、尿路の出血性疾患既往 ・3 ヶ月以内の脳梗塞既往 ・CT で出血が否定できないサインがある。 ・痙攣 ・頭蓋内腫瘍、動脈瘤、AVM、もやもや病 ・適切な降圧療法後も、sBP>185Torr dBP>110

・Early CT sign で、広範な梗塞(=MCA 領域の 1/3 以上)が示唆される(→症候性頭蓋内出血との関連が示 唆されている) ・BS<50 or BS>400 ・Plt.<10 万 ・ヘパリン、ワーファリン投与中 なにかありましたら、1~10は加茂川、11~20は亀田、21~30は菊地進之介、30~は菊地 章友までどうぞ!

参照

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