1. 研究目的と・背景
2016年度の
研究目標
(1)土壌水分、気象情報の活用方法を探る。
KOSENネットワーク開発中のものを含め、簡易ウェザーステーションからのデータで、エダマ
メ栽培に活用すべき要点や組み合わせはどこなのか。成果につながる運用方法を絞り込んで
検証することが今年の目的になってきました。
(2) 画像ICT共有ツールの実用的な活用方法を探る。
これまでの研究で撮影画像の学びと画像に紐づいた議論が集まりやすい仕組みは実現しつ
つあります。どの部分が生産改善につながるのか、実効的な活用要点を探ることが今年の目的
になって参りました。
(3) 研究成果を実装する方法を探る。
画像と議論を活用するツールと土壌水分、気象情報を栽培に活用する研究成果を有価サー
ビスとして農業経営体に採用してもらい、成果をあげる有効な事業化プランの組立が必要に
なってきました。
研究の背景
エダマメ栽培のノウハウを導入
課題①
営農資源獲得
a. 栽培ノウハウ
b. 現場の教育
ICT画像記録、環境計測を提案
課題②
a. 成果定量化
b. 収益性は?
c. 裏作は?
導入シナリオ
課題③
a. 活用農家像
b. 産品販売先
エダマメ栽培が有効じゃないか?
課題①営農資源(人、ノウハウ)獲得
課題②成果の定量化、営農収益性
課題③どのように成果実装するのか
実装検討
2
0
1
7
年
4
月
~
2.研究実施体制‐1. (計画・補完研究の連携状況)
●中小農家が使いやすい栽培ナレッジコンソーシアム
ハンサムガーデン株式会社
■研究目標A. センサネットワークを圃場に導入、有効な運用手法の研究
■研究目標B. 栽培画像と環境データの共有・運用管理方法を研究
■研究目標C. エダマメ栽培で状況と環境データを記録・共有による実用性を検証し、
導入メリットの訴求から他作物への応用を検討する
国立大学法人東京大学
大学院情報理工学系研究科附
属ソーシャルICTセンター
・データ共有環境でのセキュリ
ティ機能方針立案
日本情報化農業研究所
・画像データベース提供
・計測指標開発と指導
ロート製薬株式会社
・知財アドバイス
三重大学
土壌水分センサー活用方法アドバイス
中部大学
土壌水分拾い出し方アドバイス
KOSENネットワーク
簡易気象ステーションの提供
名古屋大学
e-栽培暦 エダマメ版の構築
土壌水分センサーの運用方法アドバイス
▽連携研究機関
3. 研究期間全体の研究計画
【計画】
(5)モニタリングデータの校正、管理
(6)体験回数の差による有効性検証
C. エダマ メ栽培で 状況と環境データを記録・共有による実用性を検証し、導入メリットの整理
(2)農場の枝豆栽培の整備
(3)農場での計測設備設置
(1)農場の枝豆栽培の作付計画
(4)モニタリングの標準化(技術指導
B.栽培画像と環境データの共有・運用管理(栽培データ共有システム)方法を研究
(6) 共有システム 機能修正
(1)共有システム 要件定義
(2)システム セキュリティ導入
(3) 共有システム、アプリ設計・開発
(4) 共有システム、アプリ製造
(5) システム、アプリ運用指導要領立案、指導
(2)連携研究拠点開発機器の活用・導入効果の検証
(3)計測調整手順の標準化
(4)センサネットワークの機能評価、機能設計
平成28年度
(7) 協力農家にICT導入前後の評価リ
サーチ
(5)モニタリングデータの有効指標決定
(6)機器校正方法の標準化と指導要領
立案および現場指導
研究項目 平成26年度 平成27年度
A. センサネットワークを圃場に導入、有効な 運用手法の研究。
(1)センサネットワークの要件定義
HG
HG
HG
HG
HG・日本情報化農業研究所
HG・日本情報化農業研究所
HG HG
HG
東京大学大学院
HG
HG
HG・日本情報化農業研究所
HG
HG
HG
HG
HG・日本情報化農業研究所
HG
HG
HG HG
HG HG
A. センサネットワークを圃場に導入、有効な運用手法
の研究。
●目標
-1.) Kosenネットワーク様の気象ステーションの試験運用
-2.) 試験ハウスを4区画に灌水ルールを分け生育比較
-3.) エダマメ農家のメリット整理
協力農家を含め3
箇所の圃場に設置。
雨量、気温を記録す
るもの。
KOSEN気象センサー
• a.)適宜潅水
• b.) pF値2.7以上潅水
• c.)その5日後に潅水
• d.) 水はやらない
• この4区画に区切って、
収穫量を比較するもの
潅水条件別生育比較
• 画像データベース利用と、
圃場センサネットワークか
らの情報を頼みに栽培未
経験な学生13名が7aの
試験区画で枝豆栽培。シ
ステムを活用するメリット
を整理。
• 未経験学生による、エダ
マメ栽培、販売トライアル
未経験者栽培取組
Arduino+太陽光パ
ネル+カーバッテ
リーとTDRセンサー
の組み合わせ。
土壌水分センシング
• 太陽光パネル使わない、
低消費電力+920MHz通
信+小型バッテリー駆動
モデルの試験運用。
• ROHM社:ラズライト
+WiSun(920MHz通信)提
供
• SHARP社:GW装置提供
低消費電力モデル
実施内容
その2.B.栽培画像と環境データの共有・運用管理
(栽培データ共有システム)方法を研究
●目標
-1) 現場判断に使える画像情報を記録する手段獲得
-2) 生産効率向上につながる栽培要点を栽培スタッフに記
録してもらう方法整理
-3) エダマメ栽培の改善に結びついた要点の整理
●実施した取組み
・ 確認チェックポイントや作業の要点を確認できて、漏れなく、
無駄なく作業成果をあげる学びの仕組として、現場で閲覧を
目的としたエダマメ栽培フレームワーク「栽培虎の巻」を整備。
・ 栽培スタッフが確認チェックポイントの参考画像(過去画
像)を見て、現場スタッフが現状や違和感のある圃場の画像
を記録。オンラインで議論を持つ仕組みを整理した。
・ 記録写真の基本的撮影フレームワークをルール化。半逆
行、撮影ポイント決め、定点観測フレームワークを整理してい
る。
・圃場整備、育苗管理、粗放と管理栽培での収穫量比較を実
施中。
●栽培虎の巻の作成、共有
もれなく、ダブりなく、栽培
の要点を確認できる画像マ
ニュアルを作成。作業指図と
作業「虎の巻」パーマリンクを
スタッフスマートフォンに送付
する作業支援を仕組み化。
●栽培画像、記録ルール
栽培課題の安定多収につ
ながる要点とそうでないポイ
ントを過去データを整理。記
録すべき栽培要点を撮影記
録してもらうルールを決めて、
栽培スタッフが運用。
●粗放と管理栽培の比較
安定多収につながる要素を粗放と管理栽培両方を行
い、収穫量の比較を実施中。
品種:丹波黒 収穫 10/10予定
▼粗放 ▼管理
実施内容
評議委員コメント対応2‐1
収量の増加等にどの様な作業等が有効であったのか、その因果関係を定量
的に明らかにすること。
▽
-1.『育苗』『灌水』『土寄』の収穫量比較
露地栽培、品種タンクロウ、7/3播種、9/2収穫したグループで灌水と土寄を定期的に管理した管理
区と粗放区の収穫量を比較した。収穫の比較項目は、主茎長(cm)、主茎節数、莢数(1粒、2粒、3粒、
規格外)、莢総重量とした。5株、2か所の平均値を表に示す。管理区が莢重量、可販率ともに粗放区
を上回った。
品種 タンクロウ 圃場HG6 エダマメシーズン9収穫調査
播種 収穫 主茎長 節数 莢1粒 莢2粒 莢3粒 規格外 莢重量
粗放区 6/15 9/2 31.3cm 12 12 14 2 75 141g
管理区 6/15 9/2 33.6cm 12 19 21 8 64 202g
ア) 管理区 イ) 粗放区
実施内容
▼水分適切苗
▼過水分苗
4.4 研究期間全体の研究成果(2)‐2.
栽培要点を整理したエダマメ栽培の指図書を作成・配布
■オンラインで参照できる指図書
エダマメ栽培の(指図書)として配布。これらの
共有と作業スタッフへのノウハウ定着成果を確
認した。
研究成果
▽(指図書1)硝酸態窒素簡易測定手順(RQフレックス編)
https://houren.so/groups/92/reports/Rwr2GkqbUMc/detail
▽(指図書2)畝たて作業機、畝幅調整手順
https://houren.so/groups/92/reports/inr4zxafgm/detail
▽(指図書3)エダマメ播種(育苗用)手順
https://houren.so/groups/92/reports/wol‐1tba180/detail
▽(指図書4)エダマメ・ダイズ育苗潅水手順
https://houren.so/groups/92/reports/PJOXYRTUb9s/detail
▽(指図書5)エダマメ・ダイズ苗定植手順
https://houren.so/groups/92/reports/0oGOOTM97DM/det
ail
▽(指図書6)手動移植機によるエダマメ苗定植
https://houren.so/groups/92/reports/fUd_koyu6Xw/detail
▽(指図書7)枝付エダマメ調整手順(早生編)
https://houren.so/groups/92/reports/eqRz7jwfpAw/detail
4.6 研究期間全体の研究成果(4)
エダマメ栽培の経営指標..本システムのパッケージ化検討
サービスとして本研究成
果を農業経営体が実施する
場合の目安として10アール
生産時の経営指標作成にと
りくんだ。春夏作でエダマメ
を栽培する場合の、生産原
価を実作業記録から整理し
た。種苗や消耗資材、生産
機械の償却、そして地代等
を生産原価としてまとめた。
売上、そして。販売価格は大
阪市中央卸売市場の過去3
年の取引価格平均額の80%
を想定単価として見込み売
上を算出。ここから経費、営
農収益を明確にしました。
枝豆栽培 費用と収支
10a換算 9,000株 220g/株 可販率40% 792 kg
●粗売上
収穫量 792 kg (可販量)
販売単価 @731/ kg ※過去3ヶ年、大阪市中央卸売市場 平均価格*80%
売上 ¥579,110
●経費
種 ¥3,800 1.4%
育苗培土 ¥4,340 1.6%
肥料 ¥18,900 6.9%
被覆資材 ¥7,200 2.6%
灌水資材 ¥5,100 1.9%
圃場整備 ¥6,100 2.2%
施肥作業 ¥1,600 0.6%
播種作業 ¥20,500 7.5% 2016/平均 19分/128トレイ
育苗管理 ¥3,800 1.4% 2016/平均 3.8時間/70トレイ10日
定植作業 ¥11,600 4.3% 2016/Aug 11.6時間(ハンドプランター)
収穫 ¥24,000 8.8% 2016/Oct 24時間
調整 ¥86,000 31.6% 2016/Oct 86時間/9000株
農薬資材 ¥23,000 8.4%
燃油費 ¥4,320 1.6%
償却引当 ¥28,570 10.5% 装置 600万5年償却/1.4ha ・3作/年
地代家賃 ¥23,500 8.6% 農地+調整場
生産費用計 ¥272,330 47.0% ←生産費/売上
1kg生産費 ¥344
a.) 営農粗収益
¥306,780
10a労作時間(2016記録)154時間
研究成果
5. 社会実装の状況及び、今後の社会実装に向けた対応
新たな栽培作物提案。教育システムと要点を指導するサービスを事業化。
農業参入される、もしくは中小規模の農業経営体が新たに栽培作物を増やしてゆく、それらを対象
顧客として想定。本年度、見込み顧客との交流からエダマメ栽培の提案をしても、営農資源(人、ノウハ
ウ)の獲得が課題になっているところが判ってきました。あわせて、どのくらいの営農収益があがるのか、
栽培技術課題と参入シナリオが研究成果の実装に必要であることが判ってきました。ここから、営農サ
ポート事業の内容を①産品の販売、②新作物導入にあたり現場が「つまづきがち」な課題の共有と解決
指導、③栽培環境を把握・共有できるICTツールの提供に分けて構築中です。
事業方針
• 提供サービスの整理
• ①栽培ナレッジ共有「つまづきどころ」がわかる栽培画像記録システムの提供
• ②開発した土壌水分の共有ができるセンサーネットワークの提供
• ③共同出荷グループ”ハンサムガーデン”による産品流通体制の構築
継続課題
• より有効な安定多収技術支援の仕組み
• エダマメと他作物へ本システムの応用と成果があがる手段をノウハウ展開する。
• 安定多収につながるICT技術の研究開発。
実装状況
• 奈良県宇陀市で初契約獲得。2017年4月1日より仕組を実装
• ノウハウと研究人員とサービス実施をNPO法人ジオライフ協会として担当して、事業化。