欧州連合(EU)概況
平成30年11月
外務省
• 経済・通貨統合については,国家主権の一部を委譲。域外に対する統一的な通商政策を実
施する世界最大の単一市場を形成。
• その他の分野についても,加盟国の権限を前提としつつ,最大限EUとしての共通の立場を
とることで「一つの声」で発言。
[概要]
加盟国:28か国(但し,英国は2016年6月の国民投票を受け,EUからの離脱に向けて交渉中)
総面積: 429万k㎡(日本の約11倍,米国の約0.47倍)
総人口: 5億1,246万人(日本の約4倍,米国の約1.6倍)(2017年)
GDP : 17兆3,000億ドル(日本の3.6倍,米国の0.9倍)(2017年)
欧州連合(EU:European Union)とは,
欧州連合条約に基づき,経済通貨統合,共通外交・安全保障政策,
警察・刑事司法協力等のより幅広い分野での協力を進めている政治・
経済統合体。
1
EU(欧州連合)
95
オーストリア, スウェーデン, フィンランド04
ポーランド,チェコ, ハンガリー,エストニア, ラトビア,リトアニア, マルタ,キプロス, スロバキア,スロベニア ブルガリア, ルーマニア99
93
EC(欧州共同体)
73
英, アイルランド, デンマーク81
ギリシャ86
スペイン, ポルトガル第1の柱
●単一市場
・関税同盟 ・共通通商政策 ・域内市場統合 ・共通農業政策●経済・通貨統合
・欧州中央銀行による金融政策 ・単一通貨ユーロ (99年導入・02年1月流通) ●共通外交・安全保障政策(CFSP) ●欧州安全保障・防衛政策(ESDP※) マーストリヒト条約67
独,仏, 伊,ベルギー, オランダ, ルクセンブルク(注) ニース条約03
(注)1952年に石炭鉄鋼共同体(ECSC) (パリ条約),58年に欧州経済共同体(EEC)及び 欧州原子力共同体(ユーラトム)(ローマ条約)が, いずれも6か国を加盟国として設立された。 67年にはこれら3つの共同体の理事会及び執行 機関が統合された。EUの深化と拡大
アムステルダム条約07
09
●警察・刑事司法協力 (アムステルダム条約以降) ●司法・内務協力柱
構
造
(
含
む
E C ) は 消 滅EC
EU
EU
第2の柱
第3の柱
E
U
リスボン条約2
統合の拡大
統
合
の
深
化
※ESDPはリスボン条約発効に伴い, 共通安全保障・防衛政策(CSDP)へと名称を変更。13
クロアチア2003年 2017年
3億2073万人(15か国)
5億1,246万人(28か国)
<出典 EU統計局 暫定値>EUの総人口
2004年までのEU加盟国(15か国)
フランス,ドイツ,イタリア,オランダ,ベルギー, ルクセンブルク(以上1958年からの原加盟国), 英国,アイルランド,デンマーク(以上1973年加盟), ギリシャ(1981年加盟), スペイン,ポルトガル(以上1986年加盟), オーストリア,スウェーデン,フィンランド(以上1995年加盟)2004年5月1日加盟国(10か国)
エストニア,ポーランド,チェコ,スロベニア,ハンガリー, キプロス,ラトビア,リトアニア,スロバキア,マルタ2007年1月1日加盟国(2か国)
ブルガリア,ルーマニア ポルトガル スペイン フランス イタリア ギリシャ ト ル コ ブルガリア ルーマニア キプロス スロベニア ハンガリー スロバキア チェコ ポーランド リトアニア ラトビア エストニア フィンランド スウェーデン 英国 アイルランド オーストリア ドイツ デンマーク オランダ ベルギー ルクセンブルク マルタ クロアチア加盟候補国(5か国)
トルコ,マケドニア,モンテネグロ, セルビア,アルバニア マケドニア潜在的加盟候補国(2か国)
ボスニア・ヘルツェゴビナ,コソボ アルバニア アイスランド モンテネグロ コソボ ボスニア・ヘル ツェゴビナEU拡大の現状
約1.6倍3
セルビア2013年7月1日加盟国(1か国)
クロアチア欧州委:加盟準備の「意見書」
加盟条約署名
コ
ペ
ン
ハ
ー
ゲ
ン
基
準
等
に
基
づ
き
審
査
EU理事会:加盟交渉開始決定
(加盟国の全会一致の同意が必要)35章の分野別交渉 ※
欧州理事会:加盟の承認
(加盟国の全会一致の同意が必要)批准(全27か国+加盟国)
加盟申請
欧州議会の同意
EUへの加盟手続き
加 盟
※35章から成るEU法体系(アキ・コミュノテール) ・約2万6千の法規,約8万ページ。 ・加盟候補国はEU法体系を国内法に置き換え。同 右過程を通じて,コペンハーゲン基準(上記①~ ③)を担保。 ・EUは,交渉と平行して同置き換え状況をスクリー ニング。 <35章内訳>1モノの移動の自由,2労働者の移動の自由,3 起業・サービスの移動の自由,4資本の移動の自由,5公共調 達,6会社法,7知的財産権,8競争政策,9金融サービス,10情 報社会・メディア,11農業・地方開発,12食品安全・動植物検疫, 13漁業,14交通政策,15エネルギー,16税制,17経済・金融 政策,18統計,19社会政策・雇用,20企業・産業政策,21汎欧 州ネットワーク,22地域・構造政策,23裁判所制度・基本権,24 司法・自由・安全,25科学・研究,26教育・文化,27環境,28消 費者保護・保健,29関税同盟,30対外関係,31外務・安全保 障・防衛政策,32財務監督,33財務・予算,34機構,35その他EU加盟に関するコペンハーゲン基準
(1993年)
①政治的基準:民主主義,法の支配,人
権,少数者の尊重と保護を保証する安
定した機関を有すること。
②経済的基準:市場経済が機能し,EU
域内の競争圧力に対処できること。
③EU加盟国としての義務を完全に履行
する能力を有すること。
-
06年6月
07年10月
01年4月
08年6月
未定
08年12月
16年2月
87年4月
10年12月
99年12月
安定化・連合協定(SAA) 西バルカン諸国に対しEU加盟への展望を提供し,そ のための支援を行い,必要な改革を求める協定。一 般にEU加盟に向けた第一歩と見なされている。加盟 国候補となっていない西バルカン諸国は,潜在的加 盟候補国として,位置づけられる。 EU加盟プロセス ①一定の政治・経済的基準(コペンハーゲン基準)を 満たした国に加盟候補国の地位を与え,加盟交渉を 開始。 ②加盟交渉では,35の分野毎に,EU法体系の受容 につき交渉。 ③交渉終了後,加盟条約を締結し,候補国と全EU加 盟国により批准されれば加盟実現。 加盟申請 SAA署名 加盟候補国の 地位を獲得 加盟交渉開始 交渉を開始 した分野 交渉の現状 未解決のキプロス問題の他,人権(表現・宗教の自由等),司法 改革等の分野で多くの問題あり。2017年12月現在,交渉を開始 した16分野のうち1分野につき交渉暫定終了。 コソボとの関係正常化に合意したことを受け,13年6月,欧州理事 会は,セルビアとの加盟交渉開始を決定。14年1月から交渉が開 始され,これまで8分野につき交渉を行い,2分野(科学・研究,教 育・文化)につき交渉暫定終了。 司法及び行政改革及び議会手続きの改 訂への取組の必要性が指摘されている。 警察・行政改革,財政・経済改革への取組の必要性 が指摘されている。5
EU拡大の見通し
加
盟
候
補
国
潜
在
的
加
盟
候
補
国
モンテ ネグロ セルビア マケドニア コソボ ボスニア・ ヘルツェゴ ビナ08年4月
09年12月
12年3月
05年10月
04年3月
05年12月
未開始
トルコ12年6月
35分野中
27分野
35分野中
16分野
2017年12月現在,交渉開始した27分野のうち,3分野で交渉暫 定終了。司法の独立,腐敗対策,組織犯罪への取り組みの必要 性が指摘されている。 セルビアとコソボが関係正常化に合意したことを受け,13年6月,欧 州理事会は,コソボとのSAAの交渉開始決定。14年7月,第1回 SAA交渉を実施。 民主主義の効率的運営,司法改革,失 業対策等の課題が指摘され,加盟交渉 開始の目処は立っていない。隣国ギリ シャとの国名問題を解決する必要あり。 アルバニア09年4月
14年6月
未開始
14年1月
35分野中
8分野
EUのしくみ
欧州議会
議員:751名ユンカー欧州委員会委員長
(ルクセンブルク出身)
タヤーニ欧州議会議長
(イタリア出身)
欧州理事会
<首脳級>トゥスク欧州理事会議長
(ポーランド出身
)
欧州対外活動庁
<EU版「外務省」>
モゲリーニ外務・安全保障政策
上級代表(外相に相当)
(イタリア出身)
EU理事会
<閣僚級>
欧州委員会
<執行機関> 欧州委員:28名<共同決定機関>
欧州委員の任免権 欧州委員の提案権 ②意見の表明 ③承認又は立場の伝達 (必要な場合には調停) ③承認 指示 ①提案 ①提案 法案・予算・条約の承認権 法案・予算・条約の承認権-消費者・保健・農業・食品 -教育・視聴覚・文化 -欧州研究会議 -中小企業 -イノベーション・ネットワーク -研究 -農業・農村開発総局 -予算総局 -気候行動総局 -コミュニケーション総局 -通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局 -競争総局 -経済・金融総局 -教育・若者・スポーツ・文化総局 -雇用・社会問題・一体性総局 -エネルギー総局 -環境総局 -欧州市民保護・人道支援総局 -欧州近隣政策・拡大交渉総局 -統計局(ユーロスタット) -金融安定・金融サービス・資本市場 同盟総局 -保健・食品安全総局 -行政・給与局 -情報保護官 -欧州不正対策局 -欧州人事局 -欧州政治戦略センター -歴史資料部門 -インフラ・ロジスティックス局 (ブリュッセル,ルクセンブルク) -内部監査部門 -法務サービス -図書・電子資料センター -出版局 -官房 -外交政策ツール部門 -構造改革支援部門 -英国との第50条交渉タスク フォース
欧州委員会
-人事・保安総局 -情報総局 -域内市場・産業・起業・中 小企業総局 -国際協力・開発総局 -通訳総局 -共同研究センター -司法・消費者総局 -海事・漁業総局 -移民・内務総局 -移動・運輸総局 -地域・都市政策総局 -研究・イノベーション総局 -税制・関税同盟総局 -貿易総局 -翻訳総局 各加盟国から1人ずつ任命された28名の欧州委
員(閣僚相当)で構成。
委員の任期は5年。
各委員の下に,「省庁」に相当する各分野別の「総局」
等を配置。
7
欧州委員会の構成と機能
構 成
理事会と欧州議会に対する法案(規則,指令,決定)の
提案,EU基本条約及び右条約に従って諸機関が制定
する措置の適用,EU法の適用の監督等の機能を有す
る。
EU予算の歳出管理を行う。
機 能
総局 サービス 執行機関ジャン=クロード・ユンカー ルクセンブルク出身 委員長 フェデリカ・モゲリーニ イタリア出身 副委員長/外務・安全保障政策上級代表 アンドルス・アンシプ エストニア出身 副委員長/デジタル単一市場担当 バルディス・ドムブロウスキス ラトビア出身 副委員長/通貨、社会対話、金融安定、金融 サービス、資本市場同盟担当 フランス・ティマーマンス オランダ出身 筆頭副委員長/より良い規制、機構間関係、 法の支配、基本権憲章担当 ヨハンネス・ハーン オーストリア出身 欧州近隣政策、拡大交渉担当 ユルキ・カタイネン フィンランド出身 副委員長/職業、成長、投資、競争力担当 ネベン・ミミツァ クロアチア出身 国際協力、開発担当
8
欧州委員会メンバー(欧州委員)の担当職務
マロシュ・シェフチョヴィチ スロバキア出身 副委員長/エネルギー連合担当 ギュンター・エッティンガー ドイツ出身 予算、人事担当 セシリア・マルムストローム スウェーデン出身 貿易担当 ミゲル・アリアス・カニェテ スペイン出身 気候行動、エネルギー担当 カルメヌ・ヴェッラ マルタ出身 環境、海事、漁業担当 ビテニス・アンドリュウカイティス リトアニア出身 保健、食品安全担当ピエール・モスコヴィッシ フランス出身 経済・財政問題、税制、関税担当 エルジビエタ・ビエンコフスカ ポーランド出身 域内市場、産業、企業、中小企業担当 ヴィェラ・ヨウロヴァー チェコ出身 司法、消費者、ジェンダー平等担当 カルロス・モエダス ポルトガル出身 研究、科学・イノベーション担当 マルグレーテ・ヴェステアー デンマーク出身 競争担当 <写真>欧州連合ホームページ ティボル・ナヴラチチ ハンガリー出身 教育、文化、青少年・スポーツ担当 マリアンヌ・ティッセン ベルギー出身 雇用、社会問題、スキル、労働移動担当
9
欧州委員会メンバー(欧州委員)の担当職務
コリーナ・クレツ ルーマニア出身 地域政策担当 ヴィオレタ・ブルツ スロベニア出身 運輸担当 フィル・ホーガン アイルランド出身 農業、農村開発担当 ディミトリス・アヴラモプロス ギリシャ出身 移民、内務、市民権担当 フリストス・スティリアニディス キプロス出身 人道支援、危機対応担当 ジュリアン・キング イギリス出身 安全保障連合担当 マリヤ・ガブリエル ブルガリア出身 デジタル経済・社会担当-総務理事会
-外務理事会
-経済・財政理事会
-司法・内務協力理事会
-雇用・社会政策・保健・消費者理事会
-競争理事会
-運輸・通信・エネルギー理事会
-農業・漁業理事会
-環境理事会
-教育・青少年・文化・スポーツ理事会
EUのそれぞれの理事会は,各加盟国の各分野を所掌する
閣僚(例えば,外務理事会であれば各国外相など)により構
成。
構 成
10
EU理事会の構成と機能
欧州議会と共に立法機関としての役割を果たしており,
欧州委員会から提案された法案や政策を検討・採択。
欧州議会とともに,予算案を審議・決定。
共通外交・安全保障政策については,欧州理事会が定めた
一般方針及び戦略的計画に基づいてEU理事会が共通外交・
安全保障政策を形成し,実施のため必要な決定を行う。
機 能
EU理事会
(閣僚レベル)欧州理事会
(首脳レベル)1.選挙制度・任期
欧州議会概要
●選挙制度:
各加盟国を選挙区とする直接選挙。比例代表制。
●選挙権:
18歳以上の全てのEU市民
(*オーストリアのみ16歳以上)●議席数:
各加盟国の人口比に基づき配分される。
●任期:
5年任期。現在の任期は2019年6月まで。
●活動:
原則月1回(4日間)ストラスブールにて本会議を開催。
欧州人民党グループ(EEP):中道右派 社会民主進歩同盟グループ(S&D):中道左派 欧州保守改革グループ(ECR):EU懐疑派 欧州自由民主連盟グループ(ALDE):中道リベラル 緑の党/欧州自由連盟グループ(Greens/ EFA):環境派 欧州統一左派/北方緑の左派グループ(GUE/NGL):左派 欧州自由直接民主グループ(EFDD):EU懐疑派 国家と自由の欧州グループ(ENF):EU懐疑派/ 右派 加盟国数の1/4(7か国)以上から選出された議員により構成され,かつ25名 以上の議員を擁する議会勢力が,政党グループを結成することができる。現在, 以下の8つの政党グループが存在し,無所属を除く議員が所属。2.欧州議会の政党
国別議席配分 現議席数 英離脱後 現議席数 英離脱後 ドイツ 96 96 オーストリア 18 19 フランス 74 79 ブルガリア 17 17 イタリア 73 76 デンマーク 13 14 英国 73 スロバキア 13 14 スペイン 54 59 フィンランド 13 14 ポーランド 51 52 アイルランド 11 13 ルーマニア 32 33 リトアニア 11 11 オランダ 26 29 クロアチア 11 12 ベルギー 21 21 ラトビア 8 8 チェコ 21 21 スロベニア 8 8 ギリシャ 21 21 エストニア 6 7 ハンガリー 21 21 キプロス 6 6 ポルトガル 21 21 ルクセンブルク 6 6 スウェーデ ン 20 21 マルタ 6 6 計 751 705 注:46議席は新規加盟国のために保留 欧州人民党グループ (EPP): 219 社会民主進歩同盟グ ループ(S&D): 187 欧州保守改革グループ (ECR):73 欧州自由民主連盟グ ループ(ALDE):68 緑の党グループ/欧州自 由 連盟(Greens/EFA):52 欧州統一左派連合グ ループ/北方緑の左派 (GUE/NGL):51 欧州自由直接民主グ ループ(EFDD):43 国家と自由の欧州グルー プ(ENF):34 無所属(NI):2411
出典:EUホームページ
2017年予算の総額は約1,579億ユーロ。
EU予算は,中期財政見通し
(注)に基づき,各暦年毎(1月~12月)に作成。
(注)中期財政見通し:7年毎に作成(現在の中期財政見通しは2014-2020年)。 EUの中期的な歳入・歳出の見通しを基に,対象期間における各年の歳入・歳出の上限並びに各政策分野の歳出に対する政治的な優先度を示している。EU予算
14% 34% 37% 3% 6% 6%予算の分野別割り当て
(2017年)
成長のための競争力効果・雇用創出 経済・社会・領域の一体性強化 持続的成長・天然資源の活用 セキュリティ・移民関連 対外関係予算 事務管理費EUの予算は,加盟国から徴収する関税・砂糖税及び各国分担金が主な財源。
6か月交替の議長国首脳に代わって,常任(任期2年半)の欧州理事会議長を創設。
外務大臣相当の外務・安全保障政策上級代表,外務省相当の対外活動庁を創設。
EU理事会の意思決定で,多数決制の適用分野拡大(基本的に外交政策以外全て)。
欧州議会の権限が強化。
気候変動,人道支援等の分野につき,EUも権限を持つことを明示。
EUの基本条約を改訂するもの(2007年12月署名,2009年12月1日発効)。
急速なEU拡大
1958年 6か国(発足時) 1995~2004年 15か国 2004~2006年 25か国 2007~2013年 27か国 2013年7月~ 28か国 欧州債務危機(2009年~) コソボ紛争(1999年)13
リスボン条約
一つの声で発言
機構の効率化
民主的統制強化
EUの政策領域明確化
背 景
発 効 後
EUの結束が
必要とされる課題の増加
EUの共通外交・安全保障政策(CFSP)
対イラン制裁,中東和平,ウクライナ・対露制裁,大量破壊兵器の不拡散など。
経 緯
主要政策
バルカン紛争等により露呈した欧州としての外交・安全保障政策の不在を改めるべく, 93年のマーストリヒト条約(欧州
連合条約)に共通外交・安全保障政策の設立を規定。
99年のアムステルダム条約により,CFSPの恒常的な「顔」として外相理事会に上級代表ポストを設置。
09年のリスボン条約により権限強化が図られ,外務・安全保障政策上級代表が外相理事会常任議長及び欧州委員会
副委員長を兼務するポストとなった。貿易担当欧州委員等の経歴を有するキャサリン・アシュトン氏(英国出身)が就任。
同時に,外務省に相当する欧州対外活動庁(EEAS)を設置。14年、上級代表はモゲリーニ氏(伊出身)に交代。
EUの共通安全保障・防衛政策(CSDP)
90年代後半のボスニア紛争等を受け,99年6月の欧州理事会において,CFSPの枠組みの下,紛争地域等に対する平和
維持及び人道支援活動を実施するESDPの設置を決定。08年12月の欧州理事会でも,「ESDPの強化に関する宣言」を
採択。09年12月のリスボン条約発効を機に共通安全保障・防衛政策(CSDP)に名称を変更。
ソマリア沖「アタランタ」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・海賊対処のための軍事ミッション
サヘル地域テロ・組織犯罪対処能力構築ミッション・・・・司法・治安分野の能力強化のための文民ミッション
経 緯
主要政策
①ミッション開始年 ②派遣人数(国際ス タッフ)
③主な派遣分野
ジョージアEU監視ミッション (EUMM GEORGIA) ① 2008 ② 200人 ③ 停戦状況監視のための文民ミッション 文民ミッション 軍事ミッション ソマリアEU能力構築支援ミッション
(EUCAP Somalia ) (旧EUCAP NESTOR) ① 2012
② 125人
③ 海賊対策に向けた文民ミッション
(出典:欧州対外活動庁ホームページ等) パレスチナEU警察ミッション
(EUPOL COPPS Palestinian Territories) ① 2006 ② 72人 ③ 司法・警察分野への文民ミッション ボスニア・ヘルツェゴビナEU部隊 「アルテア作戦」(EUFOR ALTHEA) ① 2004 ② 約600人 ③ 軍の能力構築,訓練,停戦監視等のため の軍事ミッション
ソマリアEU訓練ミッション (EUTM SOMALIA) ① 2010 ② 193人 ③ 治安部隊の訓練のための軍事ミッション 中央アフリカEU訓練ミッション (EUTM RCA) ① 2016 ② 187人 ③ 軍事訓練,教育,戦略的助言 南スーダン マリEU訓練ミッション (EUTM Mali) ① 2013 ② 593人 ③ 軍事訓練,助言 リビアEU国境管理支援ミッション (EUBAM LIBYA) ① 2013 ② 17人 ③ 国境管理への文民ミッション
EU共通安全保障防衛政策(CSDP)ミッションの派遣状況(2018年10月現在)
ウクライナEU助言ミッション (EUAM Ukraine) ① 2014年 ② 153人 ③ 治安・警察分野への文民ミッション ニジェールEU能力構築ミッション (EUCAP Sahel Niger) ① 2012② 131人
③ 治安分野への文民ミッション マリEU能力構築ミッション
(EUCAP Sahel Mali) ① 2015年1月 ② 100人 ③ 治安分野への文民ミッション
15
地中海EU海軍部隊「ソフィア作戦」 (EUNAVFOR MED) ① 2015 ② (不明) ③ 密航・人身売買対策のための 軍事 ミッション モルドバ・ウクライナEU国境管理支援ミッション (EUBAM Moldova and Ukraine) ① 2005 ② 80人 ③ 税関・国境管理への文民ミッション 日本による連携 汚職対策セ ミナー開催 パトロール車 両提供・司令 室設置・機材 整備支援 国立警察学校 改修・機材供 与・人材育成 コソボEU法の支配ミッション (EULEX KOSOVO) ① 2008 ② 503人 ③ 司法・治安分野への 文民ミッションガザ・ラファEU国境管理支援 (EU BAM Rafah) ① 2005
② 8人
③ 国境管理への文民ミッション
ソマリアEU海軍部隊「アタランタ作戦」 (EU NAVFOR ATALANTA Somalia )
① 2008 ② 1000人 ③ 海賊対策のための軍事ミッション 現場での情 報交換・共 同訓練実施 (12回) イラクEU助言ミッション(EUAM Iraq) ①2017 ②36人 ③治安部門への文民ミッション
司法内務分野(難民,移民,民事司法協力,刑事司法協力, 警察協力等)における政府間協力を,EUの政策分野として導入。