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付録付録付録付録 1111....今後今後今後今後のののの展開展開展開展開

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(1)付録. 付録 1.今後の 今後の展開 飛散性および非飛散性のアスベストを含むアスベスト廃棄物をサイクロン型灰溶融 炉(実用1号機)に投入し、溶融無害化処理できることを確認する。 さらにどちらも処理コストの低減が大きな課題となっているアスベスト廃棄物と低 濃度絶縁油との同時処理を行うことにより低コスト同時処理実現の可能性を模索する。 1.1 アスベスト無害化処理 アスベスト無害化処理について 無害化処理について 平成 17 年 6 月、民間企業によって、従業員や周辺住民等へのアスベストによる健 康被害が公表され、その深刻さが甚大であることが次々と明らかになってきた。アス ベストを肺に吸入すると、20~30 年の潜伏期間を経た後に肺がんや中皮種を発症す る確率が高いため、大きな問題となっている。 アスベスト(石綿)とは. 1.アスベストの種類 蛇紋石族・・・クリソタイル・・・Mg3Si2O5(OH)4 茶石綿 ・・・アモサイト・・・・・・(Mg,Fe2+)7Si8O22(OH)2 青石綿. ・・・クロシドライト・・・Na2Fe2+3Fe3+2Si8O22(OH)2. 2.アスベストの用途 (1)アスベスト保温材・・・石綿保温材、けいそう土保温材、他 (2)アスベスト含有成形板・・・波形スレート、平板(ボード) (3)アスベスト含有工業製品・・・パッキン類、ひも、摩擦材、他. 波形スレート 波形スレート. 付図 1 アスベスト( アスベスト(石綿)とは アスベスト(石綿)を付図 1 に示す。アスベストは、天然に産する繊維状結晶鉱物 であるクリソタイル(白石綿) 、アモサイト(茶石綿) 、クロシドライト(青石綿)等 の総称で、奇跡の鉱物と呼ばれ、人間が作れない極細繊維であり、腐らず、燃えず、 保温・断熱性に優れており、耐熱性、耐酸性、耐摩耗性にも優れるていることから、 極めて有用な工業材料や建築材料として重用され、住宅の吹付け材、壁天井、水道管 等の建材、発電所、化学プラント等の配管シ-ル材、自動車ブレ-キの磨耗材などの 工業製品に使用されてきた。アスベストは、昭和 25 年頃からカナダ、ブラジルなど からの輸入がスタ-トし、昭和 50 年頃から平成 2 年頃までに年間 35 万トン程度のピ -クを迎え、これまでに推計蓄積量 970 万トン が輸入されてきた。ところがアスベ. 付録- 1.

(2) 付録. スト粉じんを吸入し、20~30 年経過後、肺がんや中皮種を発生する危険性が高いこ とから、昭和 47 年 ILO、WHO がアスベストの癌原性を公表し、昭和 50 年に国内では 吹付け作業の禁止、平成 16 年から、建材、接着剤、ブレ-キパッドなどの製造、使 用が禁止された。現在では、一部のシ-ル材、絶縁材料を除いて使用、製造されてい るが、平成 20 年を目処に全面禁止を目指している。アスベストは優れた特性を有す ることから、さまざまな建材や工業製品の中に含まれている。しかしながら、その健 康被害が危惧されながらも使用され続けた理由は、アスベストの代替製品が開発され るまで長い時間を要したためであり、また、一部代替製品が未だ十分な性能を有して いないためでもある。付図 2 にこれまでの主な法規制等を示す。. • • • • • • • •. 1975 1980 1986 1992 1993 1995 2004 2005. 吹き付け作業禁止(労働安全衛生法) 石綿含有ロックウール吹き付け、耐火被覆板の製造禁止 ILO青石綿使用禁止 廃石綿等を特別管理産業廃棄物に指定、処分方法を定める 石綿けい酸カルシウム板第1種製造禁止 アモサイト、クロシドライトの製造、輸入の禁止 建材、摩擦材等の石綿含有製品の製造、輸入等の禁止. 7月アスベストによる健康被害等の報道. (. 22). 付図 2 主な法規制. 付録- 2.

(3) 付録. アスベスト関連の出荷量の累計を、付図 3 に示す。累計で、およそ、4,300 万トンと いわれているアスベスト廃棄物総重量のおよそ 8 割はスレートと呼ばれる建材関連の 廃棄物であり、その後には工業用材料などが続く。. ロックウール吸音天井板 1.5% スラグ石膏板 3.0%. パルプセメント板 けい酸カルシウム板第 二種 1.1% 0%. サイデイング 3.6% けい酸カルシウム板第 一種5%. スレート波板 33.1%. 押出成形品 7.6%. スレートボード 13.3% 住宅屋根用化粧スレー ト 31.3%. 出荷量の の累積 出荷量 およそ 4,300 万トン の石綿廃棄物の 石綿廃棄物の 80% は、スレート. 出典:石綿含有建築材料廃棄物量の予測調査結果報告書 (社)日本石綿協会. 付図 3 アスベスト廃棄物 アスベスト廃棄物の 廃棄物の内訳 23). 日本石綿協会 環境安全衛生委員会の石綿含有建築材料廃棄物量の予測量調査結果報 告書(平成 15 年 12 月 1 日)に掲載されている石綿含有建材の廃棄物予測を付図 4 に示 す。昭和 46 年から平成 13 年までの石綿含有建築材料の総計は、およそ 40 億 m2 、4,300 万トンと言われているが、これをもとに耐用年数を平均 30±2 年と仮定すると、今後、 毎年 100 万トン(1 億 m2)を上回る石綿含有建築材料が廃棄物として発生し、2020 年 をピ-クに減少し、2035 年頃までになくなると予測される。 このような状況下、図 5~7 に示す一連の法改正の動きがあり、アスベスト廃棄物の 高度無害化処理の方向が強く打ち出されることとなった。環境省報道発表資料 平成 16 年度の飛散性アスベスト(吹付けアスベスト等)の処理処分実態によれば、吹付けアス. 付録- 3.

(4) 付録. ベスト等の飛散性のアスベスト廃棄物については、廃棄物処理法で特別管理産業廃棄物 (廃石綿等)として、二重梱包等した上での埋立処分や溶融処理が求められている。平 成 16 年度の飛散性アスベスト廃棄物の処理量は、18,334 トンであった。このうち、二 重梱包または固化した上での埋立処分量は、17,019 トン(93%)、アスベストを無害化 する溶融処理は、1,315 トン(7%)であった。なお、飛散性アスベスト廃棄物の処理 に関する許可業者数は、全国で溶融処理が 15、最終処分が 60 である(平成 17 年 8 月 現在) 。 このように排出されたアスベスト廃棄物の大部分が埋め立てられているが、第1章 概要で述べた一般廃棄物の状況よりも産業廃棄物の最終処分場の残余年数は、さらに厳 しく、わずか 7.2 年である。年間 100 万トンを超えるアスベスト廃棄物を、毎年、埋 め立て続けるという選択肢はないが現実には安価な埋立に流れるケースも多い。 一方、現在、溶融処理を実施している許可業者は、他の廃棄物に対し、1~2%程度し かアスベスト廃棄物を混入させていない。 一刻も早い、アスベスト廃棄物の大量無害化処理開始が切望されている。. 図6.1 石綿含有建材の廃棄物予測. 14) (1). 付図 4 アスベスト含有建材 アスベスト含有建材の 含有建材の廃棄物予測 23) 付録- 4.

(5) 付録. 基本方針 『アスベスト廃棄物の高度技術による無害化処理』について、国が施設の安全性 を確認して認定することにより、促進・誘導する。 直接埋立. 溶融等の高度無害化処理. 法令改正 2006年2月・・・石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等 の一部を改正する法律公布 2006年6月・・・石綿を含む廃棄物に関する処理法施行令等の改正案 発表 ・処理基準の明確化 ・無害化処理認定制度 ・情報伝達(埋立状況の届出、廃止までの資料保管). 付図 5 法改正の 法改正の趣旨および 趣旨および内容 および内容 従来. アスベスト廃棄物. 直接埋立. 今後. 飛散防止のための基準の策定(政省令) 直接埋立. アスベスト廃棄物 溶融(無害・減量化). 年 100 万トン 以上. → 埋立 高度技術による無害化処理の認定 出典:アスベスト廃棄物対策の動向について. 付図 6 無害化処理認定制度の 無害化処理認定制度のイメージ. 付録- 5. 環境省.

(6) 付録. 特別管理産業廃棄物 (飛散性のもの). 石綿含有産業廃棄物 (非飛散性のもの). ○工作物に用いられる材料から除去 された吹付けアスベスト ○建築物から除去された吹付けアス ベスト、アスベスト含む保温材、断熱材 および耐火被覆材 ストック量数十万トン 1.8万トン/年発生 特別管理産業廃棄物の処理基準 (廃棄物処理法施行令等) ○収集における梱包等 ○処分における溶融処理または耐水 性材料での二重梱包等. 石綿含有産業廃棄物の の溶融施設 石綿含有産業廃棄物 (許可施設として新設) ○1,500 ℃以上で溶融 ○飛散防止措置. 石綿含有一般廃棄物 (非飛散性). 石綿スレート等の外装材、床タイル等 【工作物の新築、改築または除去に 伴って生ずる産業廃棄物であって、石 綿をその重量の0.1% を超えて含有す るもの】. 日曜大工によって排出された石 綿スレート等の外装材等【工作物 の新築、改築または除去に伴っ て生ずる一般廃棄物であって、石 綿をその重量の 0.1 % を超えて 含有するもの】. ストック量4,000万トン. 年間数トン発生. 100万トン/年以上発生 産業廃棄物の処理基準(廃棄物処理 法施行令等) ○飛散防止措置をとること ○他の廃棄物と区分して収集、運搬、 積替え、保管を行うこと ○溶融、無害化処理による処分 ○中間処理としての破砕禁止 ○一定の場所で分散しないように埋 立処分し、覆土すること。. 一般廃棄物の処理基準(廃棄 物処理法施行令等) ○飛散防止措置をとること ○他の廃棄物と区分して収集、 運搬、積替え、保管を行うこと ○集じん設備により確実にダ スト除去する中間処理 ○一定の場所で分散しないよ うに埋立処分し、覆土すること ※石綿含有家庭用品については通 常の処理で飛散等の問題が生じな いことを確認. 無害化処理施設 ○内容、者、施設の基準 ○認定の手続き、廃止等の手続き. ごみ処理施設. 埋立処分・ 埋立処分・再生 出典:アスベスト廃棄物対策の動向について. 環境省. 付図 7 アスベストを アスベストを含む廃棄物の 廃棄物の類型と 類型と改正後の 改正後の対策. このような状況下、開発中のものも含め、アスベスト無害化処理技術を、付表 6.1 に 示す。 付表 1 アスベスト無害化処理 アスベスト無害化処理( 無害化処理(開発中含む 開発中含む) 処理方式. NO. 原理. 実施例. 1. 溶融. 高温により溶融する。. サイクロン型溶 融炉、シャフト 炉、電気抵抗式. 2. マイクロ波. マイクロ波を当てて結晶を壊す。. 未適用. 3. カルシウム添加低温分解. Ca を加えて加熱し、Mg と Si を化学的に分離す る。. 未適用. 4. 低温加熱分解. 600℃×2時間の加熱処理により容易に粉砕できる。 未適用. 第 5 章で述べたように処理困難物といわれるアスベストを実機サイクロン型灰溶融 炉が溶融無害化処理できたことから、4,000 万 t を越えるアスベスト廃棄物の溶融無害 化処理に向けて今後の展開が期待される。. 付録- 6.

(7) 付録. 1.2 低濃度 PCB 無害化処理について 無害化処理について PCB はポリ塩化ビフェニールの総称であり、塩素数や位置により、209 種類の異性体 が存在する。そして付図 8 に示す性質を持っている。 性質 ・水に溶けにくく、沸点が高い、主に油状物質。 ・熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高い。 ・現在は、製造、輸入ともに禁止。 毒性 ・脂肪に溶けやすく、慢性的摂取により体内に蓄積し様々な症状を引き起こす。 ・米ぬか油中に脱臭工程の熱媒体として用いられたPCB等が混入し、昭和43 年10月、西日本を中心にカネミ油症事件が発生し、患者数は約 13,000人に 上った。 PCBの発生源 ・ごみ焼却、製鋼用電気炉、たばこの煙、自動車排ガス ・トランス、コンデンサ内部のPCBの流出等 出典:平成18年度 環境白書. 付図 8 PCB の性質 平成 14 年 7 月、 (社)日本電機工業会から、①重電機器メ-カ-6 社が製造した変圧 器などの絶縁油(PCB を絶縁油として使用していないもの)から微量の PCB が検出され た事例があったこと、②変圧器などの絶縁油について微量の PCB が混入する可能性に ついて調査を行った結果、重電機器メ-カ-6 社が製造した変圧器の一部については、 微量の PCB の混入の可能性を完全には否定できないことについて、経済産業省から環 境省に情報提供された。 このことを受けて、平成 15 年 12 月、経済産業省及び環境省は、 「低濃度 PCB 汚染物 対策検討委員会」(委員長:永田勝也 早稲田大学理工学部教授)を設置し、原因の究 明と処理の基本的方向等について検討を進めた。 原因究明の調査結果については、平成 17 年 5 月に報告書が取りまとめられ、PCB の トランス等への混入については、絶縁油メ-カ-において PCB の混入防止が徹底され ていなかったこと、機器メ-カ-において新油絶縁油と再生絶縁油の使用設備の共用が あったことなど、絶縁油のライフサイクルの関係者である絶縁油メ-カ-、機器メ-カ -、電気機器ユ-ザ-等、それぞれが低濃度 PCB の混入及び汚染拡大に関わった可能 性があることが確認された。PCB が使用されていた代表的な電気機器類を付図 9 に, 混入問題の経緯を付図 10 に示す。. 付録- 7.

(8) 付録. 推定汚染油量を、表 6.1 に示す。 付図 9 PCB 使用の 使用の電気機器. 1968年 カネミ油症事件発生 1972年 通産省の行政指導によりPCB製造中止、回収等を指示 1976年 廃棄物処理法の処理基準として高温焼却法(1100℃以上での焼却)を規定 1989年 再生絶縁油を使用した柱上変圧器にPCBが混入していることが判明 1998年 廃棄物処理法に化学分解法を追加 1999年 PCB特別措置法を制定(平成28年度までの処理を義務付け) 2002年 本来、PCBが含まれないはずの一般ユーザが保有する変圧器等の重電機 器に低濃度のPCBに汚染された絶縁油を含むものが存在することが判明 2005年 調査の結果、絶縁油メーカー、機器メーカー、機器ユーザー等それぞれが低 濃度PCBの混入および汚染拡大に係った可能性がある旨の報告書を公表。 もれなく、適正かつ合理的な処理方策の構築に向けた検討を開始 出典:(社)日本経済団体連合会資料. 付図 10 低濃度 PCB 混入問題の 混入問題の経緯. 付録- 8.

(9) 付録. 付表 2 推定汚染油量 推定汚染台数(万台). 種類. 推定汚染油量(万kl). トランス等電機機器. 119. 31.5. 柱上トランス等. 331. 24.6. 1400km(ケーブル長). 0.36. OFケーブル. 約 66 万kl. 合計. 推定汚染油量を付表 2 に、現在、普及している PCB 処理を付表 3 に示す。. 付表 3 PCB 化学処理法 23) 出典:PCBの処理技術について 国立環境研究所. 対象. 大分類. 中分類. 小分類 化学分解. 化学抽出分解法 有機アルカリ金属分解法 アルカリ触媒分解法 金属ナトリウム法. 化学分解 脱塩素化重合. 金属ナトリウム分散体法. 触媒分解. 触媒水素化脱塩素化法. 水熱酸化分解法. 超臨界水酸化 水熱分解. 超臨界水酸化法 水熱分解法. 還元熱化学分解法. 溶融触媒抽出 気相水素還元. 溶融触媒抽出法 気相水素還元法. 光分解法. 触媒分解併用 生物分解併用. UV触媒分解法 紫外線分解・生物処理法. 水熱酸化分解法. 超臨界水酸化 水熱分解. 超臨界水酸化法 水熱分解法. 還元熱化学分解法. 気相水素還元. 気相水素還元法. 分離. 真空加熱法. 真空加熱分離法. 洗浄. 溶剤洗浄. S-DEC法 SED法 Sdmayer法 Decontakslvプロセス法. 水系洗浄. MHI化洗法. 脱塩素化分解法 廃PCB等. 分解. 分解. PCB汚染物 除去. 名称. このような処理方法は高濃度 PCB の場合では良いかも知れないが、低濃度 PCB 汚 染物の PCB 濃度は平均数十 ppm(PCB 使用トランス等の PCB 濃度の数万分の1の濃 度レベル)であり、極めて低濃度であることから、技術的に確実で、費用も合理的で、 かつ国民の合意が得られる処理方法等について検討を進めていくこととなった。 PCB 等の熱分解データを、付図 11 に示す。1,100℃以上での焼却の根拠である。. 付録- 9.

(10) 付録. 出典. 付図 11 PCB 等の熱分解データ 熱分解データ 25). 高温焼却(1,100 ℃以上)は、PCB 廃棄物(高濃度)の処理方法として廃棄物処理 法でも認められ技術的に確立していると考えられ、過去に PCB 焼却施設建設計画があ ったが住民の同意が得られず、計画中止となった経緯がある。 PCB 処理技術を付図 12 に示す。いずれも未だ実操業を開始していない。. 1100 ℃ 以上の 廃棄物( 以上の高温焼却は 高温焼却は廃棄物処理法で 廃棄物処理法で認められているPCB廃棄物 められている 廃棄物(高濃度) 高濃度)処理法. 環境省 低濃度PCB汚染物の焼却実証試験 平成18年3月 実施 サイクロン型灰 サイクロン型灰溶融炉 型灰溶融炉 ・・・・・・・・・・・ (株)カムテックス ロータリーキルン式焼却炉 ・・・ 光和精鉱(株) ロータリーキルン式溶融炉 ・・・ (財)愛媛県廃棄物処理センター 東伊予事業所. PCBを を含む絶縁油の 絶縁油の焼却実証試験を 焼却実証試験を実施し 実施し、確実、 確実、かつ、 かつ、周辺環境へ 周辺環境へ影 響を及ぼすことなく安全 ぼすことなく安全に 安全に分解されることが 分解されることが確認 されることが確認された 確認された 出典:環境省 ホームページ. 付図 12 PCB 処理技術 付録- 10.

(11) 付録. 高濃度 PCB の処理は JESCO が全国 5 箇所で化学処理を採用しているが、高コスト で手間がかかる。これを低濃度 PCB 汚染廃棄物 約 66 万 kl の処理に用いることはコ スト的な負担を考えても現実的ではない。従って、低濃度 PCB の処理は JESCO 方式 でなく、低コストで高温焼却処理できる無害化処理技術が必要となる。 第 5 章で述べたように実機サイクロン型灰溶融炉が無害化処理できたことから今後 の展開が期待される。 2.アスベスト廃棄物 アスベスト廃棄物と 廃棄物と低濃度 PCB 汚染絶縁油の 汚染絶縁油の同時低コスト 同時低コスト処理 コスト処理 以上のようにアスベストおよび低濃度 PCB の無害化処理が急務となっている状況に おいて、サイクロン型溶融炉の適用性を検討する必要があり、これが今後の展開につな がっていく。そのためには特にアスベストの物性や分析方法等の事前検討が必要となる。 2.1 アスベストの アスベストの諸特性 最近、被害が顕在化し、処理困難物として話題になっているアスベスト廃棄物の溶 融無害化処理への適応の可能性について検討を行った。 クリソタイルを含むアスベストの主な成分について、物理的・化学的特性を、表 4 に示す。. 表 4 アスベストの アスベストの物理的・ 物理的・化学的特性 26) 湯だめ温度 1740~1760k より高い. クリソタイル. クロシドライト. アモサイト. アンソフィライト. トレモライト. アクチノラ イト. 硬度. 2.5 ~ 4.0. 4. 5.5 ~ 6.0. 5.5 ~ 6.0. 5.5. 6. 比重. 2.55. 3.37. 3.43. 2.85 ~ 3.1. 2.9 ~ 3.2. 3.0 ~ 3.2. 融点 ℃. 1,521(1,794K). 1,193. 1,399. 1,468. 1,316. 1,393. 比熱 kcal/g/℃. 0.266. 0.201. 0.193. 0.210. 0.212. 0.217. 抗張力 kg/cm2. 31,000. 35,000. 25,000. 24,000. 5,000未満. 5,000未満. 比抵抗 MΩcm. 0.003 ~ 0.15. 0.2 ~ 0.5. 500未満. 2.5 ~ 7.5. -. -. 優. 優. 良. 良. 良 ~ 不良. 良 ~ 不良. 柔軟性 表面電荷. +. -. -. -. -. -. 耐酸性. 劣. 優. 良. 優. 優. 良. 耐アルカリ性. 優. 優. 優. 優. 優. 優. 550 ~ 700. 400 ~ 600. 600 ~ 800. 600 ~ 850. 950 ~1,040. 450 ~ 1,080. 良 450℃くらいからも ろくなる. 同左. クリソタイル よりやや良. アモサイトと同様. クリソタイルより良. 不良. 脱構造水温度 ℃ 耐熱性. 出典:建築物の解体等に係るアスベスト飛散防止 対策マニュアル 東京都環境局. 付録- 11.

(12) 付録. アスベストの主な成分であるクリソタイルは、1,521℃. というきわめて高い融点を. 持っており、この高融点がアスベストの高温溶融無害化処理の普及を阻んでいた。サ イクロン型灰溶融炉の溶融温度が、1,400℃台であるため、このままでは溶融は困難 である。この場合の対応として、付図 13 にアスベスト廃棄物と焼却灰を混合した場 合の状態図を示す。. アスベスト 7.5% %. Al2O3. 付図 13 アスベスト廃棄物 アスベスト廃棄物と 廃棄物と灰との混合 との混合による 混合による融点降下 による融点降下. 実操業中に採取した焼却灰(主灰および飛灰)に対して、重量割合 7.5 % 混合し た場合、その混合状態は状態図において、中央付近のアノルタイトという低融点領域 付近に集中した。この部分では、融点が、1,300℃ 付近まで低下するため、サイクロ ン型灰溶融炉による溶融は可能となる。 溶けることと同様にアスベストがバグフイルタ側に飛ばないことも重要である。バ グフイルタにて捕集された溶融飛灰中にアスベストが含まれているとその後の処理 が問題となる。 ホットモデルテストの段階で計算を行った炉内粒子濃度分布(計算結果:図 3.18) によれば炉内空間に吹き上げられ、排ガスとともに旋回する微粒子の多くは、バ-ナ. 付録- 12.

(13) 付録. 間の炉壁に衝突し、壁表面にて付着・溶融する。図 3.19 の炉壁耐火材浸透状況から も、バ-ナ間の炉壁耐火材への浸透が著しく、この部分で多くの飛灰が溶融していた ものと思われる。このような特性により排ガスとともにバグフイルタ側へ飛散するア スベストの量はかなり軽減されるものと思われる。 2.2 分析方法 大気中および排ガスなどの採取方法を付図 14 および付図 15 に示す。. 敷地境界 ・・・ 環境省告示第93号(平成元年12月27日)に準拠 発じん状況 ・・・ 作業環境測定基準 労働省告示第46号(昭和51年4月) および作業環境測定ガイドブック1(厚生労働省安全衛生 部環境改善室編)に準拠 排ガス. ・・・ インピンジャ- + メンブランフイルター(インピンジャー法). 採取管. 連結管 等速吸引. メンブランフィルタ. 排ガスダクト. 排ガスを冷却し、かつ水分を除去 することにより、メンブランフィ ルタへのダメ-ジを防止する. インピンジャ(無じん水入り) 氷水. ガスメ-タ- 排気. ポンプ. インピンジャ-設置の目的. 分析対象試料 採取管、インピンジャ-、(無じ ん水含む、連結管、メンブランフ イルタ). 燃焼排ガスにおけるサンプリング概念図. スラグ、溶融飛灰等 ・・・ 数百g または 数百 mL を複数回採取し、混合して 1検体. 付図 14 排ガス等採取方法 ガス等採取方法. 付録- 13.

(14) 付録. アスベスト気中濃度測定方法 アスベスト気中濃度測定方法 1.位相差顕微鏡法・・・位相差板有無による繊維数計数値の差をアスベストと認識 ↓ クリソタイル以外のアモサイト繊維等の計数も必要 2.分散染色位相差顕微鏡法・・・特定の分散色を示す繊維のみ計数 ↓ 繊維幅が、0.3~0.4μm 以下の細い繊維の計数も必要 3.電子顕微鏡法・・・走査電子顕微鏡法と透過電子顕微鏡法 1)走査電子顕微鏡法 容易にアスベスト繊維の形態等がわかる 2)透過電子顕微鏡法 範囲を絞り、高精度で把握できる. 含有率の 建材等バルク アスベスト含有率 含有率の分析方法 建材等バルク試料中 バルク試料中の 試料中のアスベスト 1.X線回折分析法・・・試料粉末とアスベストのX線回折パターン比較から有無判断 2.分散染色顕微鏡法・・・アスベストの屈折率に対応する浸液に浸し分散色観察 3.走査型、透過型電子顕微鏡法・・・繊維の形態、電子回折パターン、EDXスペクトル によりアスベストか否かを判定する。 JIS A 1481 では分散染色顕微鏡法とX線回折法による定性分析を併用することとしている。 付図 15 アスベスト測定法 アスベスト測定法の 測定法の例. 当初、クリソタイルのみを念頭においた位相差顕微鏡法が主流であったが、クリソタ イル以外のアスベスト成分も視野に入れ、分析方法も多様化した。 アスベスト分析方法の考え方を、付表 5 に示す。敷地境界、発じん状況は計数法であ り、排ガス、溶融飛灰、溶融飛灰処理物、溶融スラグは、原則、水分散法である。. 付録- 14.

(15) 付録. 付表 5 アスベスト分析方法 スベスト分析方法 分析方法 分析対象物 分散染色法1). 気体. 固体. 計数法2). 敷地境界. ○. 発じん状況. ○. 水分散法3) →計数法3). X線回折法1) (定量法). △. 排ガス. ○. 溶融飛灰. ○. ▲. 溶融飛灰処理 物. ○. ▲. 溶融スラグ. ○. ▲. 焼却灰. 液体. 電子顕微鏡法 (SEM→EDX). ▲. 焼却灰冷却水 原水. ○. ■. 焼却灰冷却水. ○. -. 記号 ○ : 実施 △ : ○による分析が困難な場合にのみ実施 ▲ : 分散染色法による分析の結果、4f/3000粒子以上or石綿繊維or針状物質等が認められたとき実施 ■ : 計数法による分析の結果、4f/3000粒子針状物質等が認められたとき実施 分析方法 1)JIS A 1481 に準拠 2)敷地境界・排ガス:環境省告示93号に準拠、発じん状況:作業環境測定ハンドブック1に準拠 3)試料→無じん水による超音波分散→抽出液分取→無じん水添加→振とう→吸引ろ過→低温灰化→計数法 4)EDX分析により繊維状粒子の種類を確認(加速電圧:15kVor20kV、倍率:2000or3000倍). 環境庁告示 93 号によれば、 石綿に係る特定粉じんの濃度の測定法は、 付図 16 となる。 1.位相差顕微鏡によりアスベストを測定する。 2.鏡下の繊維はアスベストと見なして計数する。 3.総合倍率 400 倍。 4.測定対象の繊維 ・長さ 5 μm 以上、幅 3 μm 以下、長さと幅の比 3 以上の粒子 5.最小の繊維幅は、0.4 ~ 0.5 μm 程度 6.大気中に浮遊しているアスベストは、ほとんどクリソタイルであるという 前提である。 7.位相差顕微鏡で計数 → 位相差板はずす → 再度計数 計数値の差 = 見えなくなった繊維 = クリソタイル. 付図16 石綿に 石綿に係る特定粉じんの 特定粉じんの濃度 じんの濃度の 濃度の測定法( 測定法(環境庁告示93 環境庁告示93号 93号). 付録- 15.

(16) 付録. 分散染色法の原理を、付図 17 に示す。液浸物体による光の分散の違いを利用して いる。あわせて分散染色液を付図 18 に示す。. 付図 17 分散染色法の 分散染色法の原理. 付図 18 分散染色液. 分散染色対応位相差顕微鏡を、付図 19 に示す。. 付録- 16.

(17) 付録. 付図 19 分散染色対応位相差顕微鏡 この顕微鏡によりアスベストを計測した場合の写真を、付図 20 に示す。これに対 し、アスベストが検出されない溶融スラグおよび溶融飛灰を、付図 21、付図 22 に示 す。また、X線回折装置を付図 23 図に、これによりアスベストを含まない溶融スラ グおよび溶融飛灰のX線回折結果を、付図 24、および付図 25 に示す。. 付 図 20. アスベストありの アスベストありの場合 ありの場合の 場合の計測 付録- 17.

(18) 付録. 溶融スラグ. 溶融スラグ. 溶融飛灰. 浸液屈折率 1.55. 溶融飛灰. 浸液屈折率 1.68. 溶融飛灰. 溶融スラグ. 付図 21. 浸液屈折率 1.55. 浸液屈折率 1.68. 浸液屈折率 1.70. 浸液屈折率 1.70. 溶融スラグ 溶融スラグ分析結果 スラグ分析結果. 付図 22. 溶融飛灰分析結果例 クリソタイル クリソタイル. アモサイト. ア モ サ イ ト クロシドライト クロシドライト. アスベスト X線回折. 溶融スラグ X線回折. 分散染色法の原理 550nm(緑色). 付図 24. 溶融スラグ 溶融スラグ分析結果 スラグ分析結果 クリソタイル. クリソタイル. アモサイト. アモサイト クロシドライト. クロシドライト. アスベスト. X線回折. 付図 23 X線回折装置. 溶融飛灰 X線回折. 付図 25. 付録- 18. 溶融飛灰分析結果例.

(19) 付録. 2.3 アスベスト廃棄物 アスベスト廃棄物と 廃棄物と低濃度 PCB 汚染絶縁油の 汚染絶縁油の同時低 同時低コスト処 コスト処理 平成 18 年 3 月に(株)カムテックスにおいて環境省立会いのもと実施したアスベス ト廃棄物および低濃度 PCB 無害化処理試験結果の例を、付表 6 に示す。アスベスト については全て定量下限以下であったためデ-タは省略する。PCB 濃度 24 ppm の 低濃度の絶縁油を改良した酸素バ-ナの助燃油ラインから、平均 134 L/h のペース で供給した。PCBおよびダイオキシン分析結果から、PCB を処理しない通常運転時 に比べ、特に悪化した状況は認められず、PCB の無害化処理を確認した。 なお、この際、溶融炉出口排ガス温度を、1,673 K 一定に保つ必要から、絶縁油と ほぼ同量の助燃油(A 重油)を絞ることができた。. 付表 6 アスベスト廃棄物 アスベスト廃棄物および 廃棄物および低濃度 および低濃度 PCB 無害化処理試験結果 PCB ng/m 3N. アスベスト廃棄物 + 絶縁油. ※1. (基準値:100,000ng/m 3). 運転状況. 通常運転時. 排ガス中濃度. 本試験時 <10. 44. 施設敷地境界. 0.32~1.1. 施設周辺. ダイオキシン類 ※2 ng-TEQ/m3N 3N) (基準値:0.1 ng-TEQ/m ※2 通常運転時. 本試験時. 0.00045. 0.00016. -. 0.29~0.67. -. -. 試料PCB濃度. 0.074. - 0.072~0.097. 24 ppm. L 2.5 キロリットル(平均 134 リットル/h) KL. 試料の量. ※1:PCB等を焼却処分する場合における排ガス中のPCBの暫定排出許容限界 について(昭和47年環大企第141号)で定める濃度 ※2:ダイオキシン類対策特別措置法(平成11年法律第105号)で定める基準値. 付表 7 絶縁油と 絶縁油と A 重油の 重油の性状比較. 項. 目. A重油. 絶縁油. 密度 g/cm3. 0.884. 0.873. 発熱量 kJ/kg. 45,370. 45,710. 引火点 K. 386. 421. 流動点 K. 305.9. 245.5. 動粘度 cst 50℃. 8.8. 6.9. 付録- 19.

(20) 付録. 付表 7 によれば絶縁油と A 重油の性状は大差なく、発熱量もほぼ等しいため、ほぼ 同量の A 重油を削減することができたものと思われる。 以上の結果を踏まえ、絶縁油の燃料代替による経済効果の検討を試みた。(付表 8). 付表 8 項. PCB汚染絶縁油 汚染絶縁油による による燃費低減 の見通 PCB 汚染絶縁油 による燃費低減の 燃費低減 従来の運転 アスベスト+絶縁油 アスベスト+絶縁油. 目. (実績). 項 目. 従来の運転. 溶融対象物. 溶 焼却灰(主灰+飛灰) トン/ 融 h 対 焼却灰(主灰+飛灰)t/h アスベスト廃棄物トン/h 象 物 アスベスト廃棄物 t/h 合計 トン/h. 合計. t/h. 助燃油. 助 助燃油量 燃 助燃油量(A重油) (A重油) L/h L/h 油 絶縁油 L/h. 2.5. 2.5. 0. 0. 2.5. 2.5. 395 0. L/h. 酸素量 m3/h 酸素量. m3/h 520520. 溶融燃費 円/トン-対象物 溶融燃費 円/t-対象物. アスベスト+絶縁油 アスベスト+絶縁油 (実績) 2.25 2.25(推定) 0.25 2.5 253. 395. 絶縁油. 0. 8,8808,880. (推定). 2.25 0.25 2.5. 0.25 2.5 0. 253. 2.25 0.25 2.5 0. 134. 134. 395. 395. 520. 520. 520. 520. 980. 980. 6,040 6,040. 計算条件 1.A重油単価: 50円/l 2.電力単価 : 11円/kW 3.酸素発生装置変換効率 :0.43 kW/m3. 通常の灰溶融運転の場合、溶融燃費が、灰 1 トンあたり 1万円近いのに対し、アス ベスト. +. 絶縁油. の試験結果では絶縁油の燃料油代替による助燃油削減効果によ. り溶融燃費は低減される。仮に絶縁油により A 重油すべてを代替した場合、溶融燃費 の大幅低減が期待できる。この低コスト化を処理価格に反映し、合理的な処理コストを 実現できれば、低濃度 PCB およびアスベストの無害化処理は加速するものと思われる。 3.まとめ 角型灰溶融炉およびサイクロン型灰溶融炉の開発を行い、これらを中核とする直結型焼 却溶融システムの実機一号機を納入し、技術面で完成させることができた。そしてサイク ロン型灰溶融炉を中核とする直結型焼却溶融システムの実機運転等を通じて、当初、掲げ た目的の達成度を検証し、すべて達成できたことを確認した。. 付録- 20.

(21) 付録. さらに今後の展開に向けて、サイクロン型灰溶融炉に関し、以下を確認することができ た。. (1)サイクロン型溶融炉は、アスベスト廃棄物とともに、低濃度 PCB に汚染された 絶縁油を無害化処理できることができる。 (2)低濃度 PCB に汚染された絶縁油が、助燃油である A 重油の代替燃料として使用 でき、溶融燃費を低減できる。 今後の展開として、現在、大量無害化処理が急務となっているアスベスト廃棄物およ び低濃度 PCB に関し、低コスト同時無害化処理技術を構築していく。さらに、今後、絶 縁油のみでなく、コンデンサ等の固形汚染物の無害化処理も試みる。. 付録- 21.

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