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<動向> 不況の中での外国人家族への支援

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<動向> 不況の中での外国人家族への支援

著者 辻本 久夫

雑誌名 関西学院大学人権研究= Kwansei Gakuin

University journal of human rights studies

号 13

ページ 55‑56

発行年 2009‑03‑31

URL http://hdl.handle.net/10236/3677

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が退学している。退学後に公立小中学校へ編入した 者は数名で、多くが自宅で過ごすという報道を読ん だ。公立学校編入を希望する声もあるが、子どもの 日本語能力に応じた指導面などで、学校側に受け入 れ態勢が整っていない実態があるため、親や子ども は不安を持つ。

国内にはブラジル人学校は約90校、ペルー人学校 が3校あり、1万人以上が学んでいる。朝鮮学校や韓 国学校、中華学校をあわせて100校で、ほぼ同数で ある。政府の私学助成は「一条校」でないため、上 記の学校に行わない。県・市の行政の助成対象とな る各種学校の認可を受けたのは計5校。他は無認可 校で「私塾」扱いである。これらの外国人学校は授 業料が運営資金となるため、学校経営そのものが危 機となる。

このような状況から、愛知県のあるブラジル人学 校は新年から、失業した親の就職支援のため、無償 で履歴書作成の補助や日本語指導を行い、求人情報 提供、面接での手助けのほか、日本語教材を提供し、

希望する親には無料授業などを始めた。

南米系外国人が多い全国26市町でつくる「外国人 集住都市会議」は外国人の雇用対策と生活支援を求 める緊急要望書を文部科学省等に提出した(12月17 日朝日新聞)。浜松市国際交流協会は外国人への緊 急物資援助品を全国に募集した。神奈川県教育委員 会は、全県立高校に4ヶ国語の授業料免除・奨学 2008年12月から正月のテレビ新聞報道は、派遣労

働者の解雇、社宅明け渡しなどを大きく取り上げた。

例年なら大阪の釜崎、東京の山谷での炊き出し、臨時 宿舎が取り上げられたが、今年はそれだけではなかっ た。日本の雇用制度の再検討を迫るものとなった。

日本経済はバブル崩壊後、不況そしてデフレ、高 い失業率が続いているが、外国人は全ての都道府県 で毎年増加し、政府発表の外国人登録者数は毎年過 去最高を更新している(2007年末現在)。増加して いるのは1991年の入管法改正で自由に入国できるこ とになった「日系人労働者とその家族」、それと 1993年新設のアジア諸国の若者を対象とした「研修 生」である。(「研修生制度」は安上がりの労働力と して、この制度を悪用する企業が多く、新聞やテレ ビ報道で実態が告発された)

年末に出た南米系外国人が多く居住する地域の新 聞は、日本人の若者だけでなく、家族とともに生活 する外国人の失業と子どもにまで深刻な影響が出て いることを取り上げた。この地域にはブラジル人学 校や、ペルー人学校など設立10年も経たない外国人 学校が多くある。親たちが母国から連れてきた子ど もが日本の学校へ通わないことから設立された。し かし、12月ごろから不況の波がこれらの学校にも襲 ってきた。親が授業料を払えないため登校しない子 どもが続出し、浜松のある学校はブラジル人の子ど も約400人が通っていたが激減し、12月に100人以上

〈動向〉

不況の中での外国人家族への支援

辻 本 久 夫

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関西学院大学 人権研究, 第13号 2009.3

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金・就学援助案内を配布した。三重県が県営住宅の 臨時募集を多言語で始めたところ外国人が応募者の 8割を占めた。多くの自治体で緊急支援が始まって いる。このような状況のため、政府も動き始めた。

文部科学省は子どもが教育を受ける機会を失わない よう、公的施設での学習スペース開設など緊急支援 策をまとめる方針を固めた(2009年1月10日中日新 聞)。

兵庫県には、「ニューカマー」の外国人学校が今 のところ、設置されていないため、上記のような状 況は起こっていないが、経済不況は確実に兵庫にも 浸透している。ごく最近、姫路市内の公立高校に通 うベトナム人、日系人の子ども数人が退学、転校し たと外国人支援団体から聞いた。他地域から兵庫県 内への転入・編入が増えるかもしれない。上記のよ うな緊急支援の準備が進められているだろうか。

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