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~ はじめに ~NPO 法人の会計 NPO 法人は 現在の会員や寄附者のみならず将来の会員や寄附者そして認証や認定を行う所轄庁 事業を委託する自治体や民間団体 さらには融資を行う金融機関など社会の多くの人々によって支えられています これら社会に対して 正確な情報を提供することはNPO 法人の責務とい

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(1)

特定非営利活動法人(NPO法人)の会計

特定非営利活動法人 NPO支援の税理士ネットワーク

(2)

~はじめに~

NPO法人の会計

NPO法人は、現在の会員や寄附者のみならず将来の会員や寄附者そして認証 や認定を行う所轄庁、事業を委託する自治体や民間団体、さらには融資を行う 金融機関など社会の多くの人々によって支えられています。 これら社会に対して、正確な情報を提供することはNPO法人の責務といっ ても過言ではありません。 平成23年の特定非営利活動促進法(NPO法)の改正によって、NPO法 人が作成しなければならない財務書類について、従来の収支計算書が「活動計 算書」に改められました。この「活動計算書」は基本的に複式簿記の原理に基 づいて作成されなければなりません。 また、認定NPO法人の認定要件の一つに「青色申告法人」と同等の記帳等 を行っていること、が定められています。複式簿記は青色申告法人に求められ る記帳方法とされています。 NPO法人の運営に携わっている方の中には、経理経験や知識の乏しい方も いらっしゃることと思います。そこで、本編では、NPO法人の会計について そのポイントを解説するものです。

(3)

会計業務の流れ

NPO法人の会計の流れは、一般的に次のようになっています。

現金・預金等の日々取引の仕訳と記帳

総勘定元帳への転記

試算表の作成

決 算

財務諸表の作成

(4)

複式簿記の原理

複式簿記とは、一定の原理・原則に基づいた記帳方法です。 具体的には一取引ごとに、その取引について勘定科目を付し、(借方)と(貸方) に区分(これを「仕訳」といいます)して、記帳する方法をいいます。 仕訳は次に掲げる「取引の8要素」に基づいて処理されます。 なお、複式簿記で記帳した取引を勘定科目ごとに集計し、綴じ込んだものを「総勘 定元帳」といいます。 (借方) (貸方)

資産の増加 資産の減少

負債の減少 負債の増加

正味財産の減少 正味財産の増加

費用の発生 収益の発生

取引の8要素

(5)

仕訳例

(例1) 会費1,000円を現金で受け取った。 (借方) (貸方) 現金 1,000(資産の増加) 正会員受取会費 1,000(収益の発生) (例2) 寄付金5,000円を現金でもらった。 (借方) (貸方) 現金 5,000(資産の増加) 受取寄附金 5,000(収益の発生) (例3) 文房具500円を購入し現金で支払った。 (借方) (貸方) 消耗品費 500(費用の発生) 現金 500(資産の減少) (例4) ○○事業収入1,000円が普通預金に振り込まれた。 (借方) (貸方) 普通預金 1,000(資産の増加) ○○事業収入 1,000(収益の発生)

(6)

(例5) 電気代300円が、自動振替により普通預金から引き落とされた。 (借方) (貸方) 水道光熱費 300(費用の発生) 普通預金 300(資産の減少) (例6) 現金10,000円を普通預金に預け入れた。 (借方) (貸方) 普通預金 10,000(資産の増加) 現金 10,000(資産の減少) (例7) 現金7,000円を預金から引き出した。 (借方) (貸方) 現金 7,000(資産の増加) 普通預金 7,000(資産の減少) (例8) 現金150,000円でパソコンを一台購入した。 (借方) (貸方) 什器備品 150,000(資産の増加) 現金 150,000(資産の減少) (例9) 返済期限6ヶ月の借入をし、50,000円が普通預金に振り込まれた。 (借方) (貸方) 普通預金 50,000(資産の増加) 短期借入金 50,000(負債の増加)

(7)

帳簿組織

NPO法人といっても特殊な帳簿が求められるわけではありません。事業を行ってい れば当然必要な帳簿を整えることになりますが、一般的には次のようなものが必要と なります。

【主要簿】

法人の取引をすべて記帳する基本的帳簿です。 ・仕訳帳 ・現金出納帳 ・銀行預金出納帳 ・総勘定元帳

【補助簿】

主要簿を補完する帳簿です。 ・会費の管理台帳 ・寄付金の管理台帳 ・補助金等の管理台帳 ・事業費の管理台帳 ・その他事業内容によって必要な帳簿

(8)

記帳のポイント

現金出納帳

(1)毎日必ず記帳します。何日間かまとめて記帳しますと記帳漏れや記 憶間違いの原因になります。 (2)現金が動いた日が記帳の日となります。一般には領収書の日付と 現金の出金日は同じですが、例えば誰かが立て替えていて、後日精算 した場合には、その精算した日が記帳日です。領収書の日付に遡って はいけません。 (3)領収書の無いものでも、出金があれば記帳しなければなりません。 電車やバス代など領収書のないものも忘れずに記帳します。(この場合 領収書の代わりにメモで明細を残しておくといいでしょう) (4)銀行に預けた場合も出金です。銀行の預金も合わせて現金として 扱っている場合を見かけますが、現金はあくまでも手許にある現金だけ です。もちろん預金から現金をおろした場合も同じで現金の入金として 処理します。 (4)記帳の都度、帳簿の残高と実際の現金の残高が一致するか確認し て下さい。記帳漏れや間違いのないかぎり、帳簿の残高と実際の現金 の有り高は一致するはずです。もし一致しない場合は、原因を調べま す。原因が不明の場合は帳簿にその旨を書いて訂正します。実際の現 金を補充したり、差し引いたりすることは避けて下さい。

(9)

銀行預金出納帳

普通預金など銀行預金がある場合に記帳します。形式は「現金出納帳」と同 じです。また、普通預金の場合は通帳がありますから、預金取引が少ない場 合は、少々簡便な手法ですが、この通帳を出納帳代わりに利用してもいいで しょう。通帳の入金や引出の箇所にその内容を詳しくメモしておきます。

総勘定元帳

「総勘定元帳」とはすべての取引を勘定科目にごとに区分してまとめた帳 簿です。「総勘定元帳」を作成する場合には、「仕訳」という作業が必要にな りますが、現金預金取引しか無いような場合は「現金出納帳」や「銀行預金 出納帳」の記帳が「仕訳」を兼ねることになります。この「現金出納帳」や「銀 行帳」に記帳した内容を、「受取会費」「受取寄付金」とか「給料手当」「福利 厚生費」「消耗品費」「旅費交通費」などの勘定科目ごとに記帳します。「総 勘定元帳」を見れば、その一年間の取引がすべて分かる帳簿です。

(10)

決 算

決算とは、帳簿を締め切り、一年間の取引を確定させることをいいます。決算で確定 したものは、後で修正が難しくなりますので、慎重に行う必要があります。 ①現金や預金は実際の残高とあっていますか。 ②仮払金などで未精算のものはないですか。 ③立替金などで未精算のものはないですか。 ④備品購入などで資産に計上するものは適正に処理していますか。 ⑤借入金などの負債の残高は合っていますか。 ⑥勘定科目別に正しく処理されていますか。 ⑦その他、記帳もれや記帳誤りはないですか。

(11)

事業費と管理費の区分

NPO法人は特定非営利活動を行う法人で、定款には20種類の特定非 営利活動から選んだ活動種類の他に、その活動のために行う事業の種 類を記載することになっています。 例えば、「社会教育の推進を図る活動」という特定非営利活動を行うこ ととし、事業として「NPO簿記会計の講座事業」を行うという場合を考え ます。 この「NPO簿記会計の講座事業」を行うにあたって、会場費、教材費、講 師料などが経費としてかかります。この事業を行うために直接必要な経 費が、その事業の「事業費」となります。 もちろん、複数の事業を行う場合には、それぞれの事業を行うために 必要な経費が、それぞれの「事業費」となるわけです。 これに対して、その法人の運営にかかった費用が「管理費」となりま す。例えば事務所の家賃や水道光熱費、理事の給与や事務担当者の 給与、さらに広告宣伝費、事務所の備品代などです。 ただし、この区分を厳密に考えすぎるとかなり細かいところまで話しが 及んでしまいます。 例えば、事務所で使おうと思って買ったボールペンを事業にも使用し た、というと、もうこれは判断できないことになります。 共通の支出については、決算の段階で使用割合によってあん分する という方法もよく使われていますので、それに該当する科目はマークす るなどしておくといいと思います。

(12)

内部管理文書

1.会議の議事録について NPO法人の機関には総会と理事会があります。そのいずれもが大事 な会議ですから、必ず議事録を作成して保存する必要があります。 2.諸規則、諸規程について NPO法人の規模によって様々な定めが必要になります。 給与の支払いがある場合・・・就業規則、給与・退職金規程、人事規程 など 旅費などの支払いがある場合・・旅費規程など その他・・・・・・・・・・・経理規程、固定資産管理規定など 3.仮払い精算書などについて 事業遂行にあたって旅費などを仮払いすることがあります。仮払いは 必ず後日、精算手続きが行われますから、これらの書類を前もって用意 しておく必要があります。 4.請求書、領収書等について 納品書、請求書、領収書などは当然保存しておかなければなりませ ん。同一の取引については納品書、請求書、領収書とひとまとめにして おくと便利です。 また、契約書などは対外的に重要な書類ですから、「契約書綴り」など 独立したファイルをつくり保存しておく必要があります。

(13)

資産に関する勘定科目

流動資産関係

・現金預金 ・未収金 (商品の販売によるものも含む。) ・棚卸資産 (商品、貯蔵品等として表示することもできる。) ・期貸付金 ・前払金 ・仮払金 ・立替金 ・○○特定資産 (目的が特定されている資産で流動資産に属するもの。目的 を明示する。) 以下に示すものは、一般によく使われると思われる科目のうち、主な ものを示したものです。したがって該当がない場合は使用する必要は ありませんし、利用者の理解に支障がなければまとめてもかまいませ ん。 また、適宜の科目を追加することができます。

(14)

固定資産関係

(1) 有形固定資産 ・建物 (建物付属設備を含む。) ・構築物 ・車両運搬具 ・什器備品 ・土地 ・建設仮勘定 (工事の前払金や手付金など、建設中又は制作中の固定資 産。) (2) 無形固定資産 ・ソフトウェア (購入あるいは制作したソフトの原価。) (3) 投資その他の資産 ・投資有価証券 (長期に保有する有価証券) ・敷金 (返還されない部分は含まない。) ・差入保証金 (返還されない部分は含まない。) ・長期貸付金

(15)

負債に関する勘定科目

流動負債関係

・短期借入金 (返済期限が事業年度末から1年以内の借入金。 未払金商品 の仕入れによるものも含む。) ・前受金 ・仮受金 ・預り金

固定負債関係

・長期借入金 (返済期限が1年を超える借入金。) ・退職給付引当金(退職給付見込額の期末残高。)

正味財産に関する勘定科目

正味財産関係

・前期繰越正味財産 ・当期正味財産増減額

(16)

収益に関する勘定科目

1.受取会費 ・正会員受取会費 ・賛助会員受取会費 2.受取寄付金 ・受取寄付金 ・資産受贈益 (無償又は著しく低い価格で現物資産の提供を受けた場合の公正価値による 評価額。) ・施設等受入評価益 (無償又は著しく低い価格で施設の提供等の物的サービスを受けた 場合で、当該サービスを、合理的に算定し外部資料等によって客観的に把握 できる場合に、その他経費と同額計上する方法を選択した場合 ・ボランティア受入評価益 (ボランティアから役務の提供を受けた場合で、当該役務の金 額を、合理的に算定し外部資料等によって客観的に把握できる場合として、 人件費と同額計上する方法を選択した場合。) 3.受取助成金等 ・受取助成金 ・受取補助金 4.事業収益 (事業の種類ごとに区分して表示することができる。) 5.その他収益 ・受取利息 ・為替差益 (為替換算による差益 なお為替差損がある場合は相殺して表示する。) ・雑収益

(17)

費用に関する勘定科目

1.事業費

(1) 人件費 給料手当 臨時雇賃金 ボランティア評価費用 (活動の原価の算定に必要なボランティアの受入額。) 法定福利費 退職給付費用 (退職給付見込額のうち当期に発生した費用。) 通勤費 (給料手当、福利厚生費に含める場合もある。) 福利厚生費 (2) その他経費 売上原価 (販売用棚卸資産を販売した時の原価。) 業務委託費 諸謝金 (講師等に対する謝礼金。) 印刷製本費 会議費 旅費交通費 車両費 (車に関する費用をまとめる場合。内容により他の科目に表示することもできる。) 通信運搬費 (電話代や郵送物の送料など。) 消耗品費 修繕費 水道光熱費 (電気代、ガス代、水道代など。) 地代家賃 (事務所や駐車場代など。) 賃借料(事務機器のリース料など。不動産の使用料をここに入れることも可能。)

(18)

施設等評価費用 (無償でサービスの提供を受けた場合の費用相当額。) 減価償却費 保険料 諸会費 租税公課 (収益事業に対する法人税等は租税公課とは別に表示することが望ましい。なお、法人税等を別 表示する際には、活動計算書の末尾に表示し、税引前当期正味財産増減額から法人税等を差し 引いて当期正味財産増減額を表示することが望ましい。 研修費 支払手数料 支払助成金 支払寄付金 支払利息 (金融機関等からの借り入れに係る利子・利息) 為替差損 (為替換算による差損。なお為替差益がある場合は相殺して表示する。) 雑費

(19)

2.管理費 (1) 人件費 役員報酬 給料手当 法定福利費 退職給付費用 (退職給付見込額のうち当期に発生した費用。) 通勤費給料手当 (福利厚生費に含める場合もある。) 福利厚生費 (2) その他経費 印刷製本費 会議費 旅費交通費 車両費 (車に関する費用をまとめる場合。内容により他の科目に表示することもできる。) 通信運搬費 (電話代や郵送物の送料など。) 消耗品費 修繕費 水道光熱費 (電気代、ガス代、水道代など。) 地代家賃 (事務所や駐車場代など。) 賃借料(事務機器のリース料など。不動産の使用料をここに入れることも可能。) 減価償却費 保険料 諸会費 租税公課 (収益事業に対する法人税等は租税公課とは別に表示することが望ましい。なお、法人税 等を別表示する際には、活動計算書の末尾に表示し、税引前当期正味財産増減額から法人税 等を差し引いて当期正味財産増減額を表示することが望ましい。) 支払手数料 支払利息 (金融機関等からの借り入れに係る利子・利息) 雑費 固定資産売却益

(20)

経常外収益関係

・固定資産売却益 ・過年度損益修正益 (過年度に関わる項目を当期に一括して修正処理をした場合。)

経常外費用関係

・固定資産除・売却損 ・災害損失 ・過年度損益修正損(過年度に関わる項目を当期に一括して修正処理をした場合。)

経常外損益用に関する勘定科目

(21)

NPO法人会計基準の目的

NPO法人会計基準は、以下の目的を達成するため、NPO法人の財務諸表及び財 産目録(以下、「財務諸表等」という)の作成並びに表示の基準を定めたものです。

NPO法人の会計報告の質を高め、NPO法人の健全な運営に資すること

財務の視点から、NPO法人の活動を適正に把握し、NPO法人の継続可能性 を示すこと

NPO法人を運営する者が、受託した責任を適切に果たしたか否かを明らかに すること

NPO法人の財務諸表等の信頼性を高め、比較可能にし、理解を容易にするこ と

NPO法人の財務諸表等の作成責任者に会計の指針を提供すること 本基準は、NPO法人が行うすべての活動分野に適用することがで きますが、法令等によって別の会計基準が定められている事業を行 う場合には、当該法令等に留意する必要があります。

(22)

NPO法人会計基準の一般原則

【真実性・明瞭性の原則】 NPO法人の財務諸表等は、NPO法人の真実の実態を表示し、かつ明瞭に表示するものでなけれ ばなりません。 【適時性・正確性の原則】 NPO法人の財務諸表等は、NPO法人の真実の実態を表示し、かつ明瞭に表示するものでなけれ ばなりません。. 【継続性の原則】 会計処理の原則及び手続並びに財務諸表等の表示方法は、毎事業年度継続して適用し、みだりに変 更してはなりません。. 【単一性原則】 情報公開のため、社員総会への提出のため、助成金等の申請目的のため、租税目的のためなど、 種々の目的のために異なる形式の財務諸表等を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼 しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、NPO法人の判断によって、事実の真実な 表示をゆがめてはなりません。 . .【重要性】 重要性の乏しいものについては、会計処理の原則及び手続並びに財務諸表等の表示について簡便な 方法を用いることができる。重要性の高いものはより厳密な方法を用いて処理しなければならな い。

(23)

財務諸

表等

活動計算書

貸借対照表

財産目録

財務諸表等の体型と構成

【活動計算書】 活動計算書は、当該事業年度に発生した収益、費用及び損失を計上することにより、 NPO法人のすべての正味財産の増減の状況を明瞭に表示し、NPO法人の活動の 状況を表すものでなければなりません。 【貸借対照表】 貸借対照表は、当該事業年度末現在におけるすべての資産、負債及び正味財産の状態 を明瞭に表示するものでなければなりません。 【財産目録】 財産目録は、当該事業年度末現在におけるすべての資産及び負債につき、その名称、 数量、価額等を詳細に表示するものでなければなりません。

(24)

収益の把握

受取会費

受取会費は、確実に入金されることが明らかな 場合を除き、実際に入金したときに収益として 計上する。

受取寄附金

受取寄付金は、実際に入金したときに収益とし て計上する。

事業収益

棚卸資産の販売又はサービスを提供して対価 を得る場合は、販売又はサービスを提供したと きに収益として計上し、対価の額をもって収益 の額とする。

(25)

費用の把握

費用の区分

NPO法人の通常の活動に要する費用は、事業 費及び管理費に区分し、かつそれぞれを人件費 及びその他経費に区分して表示する。.

少額の資産

消耗品の購入等で少額のものは、実際に支払っ たときに費用として計上することができる。

定期的費用

電話代、電気代、家賃等定期的に支払う費用は、 実際に支払ったときに費用として計上するこ とができる。

(26)

その他取引の把握

棚卸資産

販売して対価を得るための棚卸資産は、購入又 は製造した時点では費用とせず、実際に販売し た時に費用とする。事業年度末において販売し ていない棚卸資産は貸借対照表に流動資産と して計上する。

固定資産

. 購入した固定資産は、原則として当該資産の取 得価額を基礎として計上しなければならない。

減価償却費.

貸借対照表に計上した固定資産のうち、時の経 過等により価値が減少するものは、減価償却の 方法に基づき取得価額を減価償却費として各 事業年度に配分しなければならない。

外貨建取引の換算

方法.

外貨建取引は、取引発生時の為替相場に基づく 円換算額で計上しなければならない。

(27)

区分経理

複数の事業を行っている場合、事業費は、事業別に区分して注記することができる。 その場合収益も事業別に区分して表示することを妨げない。

特定非営利活動に係る事業の他に、その他の事業を実施している場合には、活動計算 書において当該その他の事業を区分して表示しなければならない。

(28)

NPO法人に特有の取引等

現物寄附の取扱

受贈等によって取得した資産の取得価額は、取 得時における公正な評価額とする。 無償又は著しく 低 い 価 格 で 施 設 の 提 供 等 を 受 け た 場 合の取扱い 無償又は著しく低い価格で施設の提供等の物 的サービスを受けた場合で、提供を受けた部分 の金額を合理的に算定できる場合には、その内 容を注記することができる。 なお、当該金額を外部資料等により客観的に把 握できる場合には、注記に加えて活動計算書に 計上することができる。 ボ ラ ン テ ィ ア に よ る 役 務 の 提 供 の 取 扱い 無償又は著しく低い価格で活動の原価の算定 に必要なボランティアによる役務の提供を受 けた場合で、提供を受けた部分の金額を合理 的に算定できる場合には、その内容を注記す ることができる。 なお、当該金額を外部資料等により客観的に 把握できる場合には、注記に加えて活動計算 書に計上することができる。 使 途 等 が 制 約 さ れ た 寄 付 金 等 の 取 扱 い 寄付等によって受入れた資産で、寄付者等の意 思により当該受入資産の使途等について制約 が課されている場合には、当該事業年度の収益 として計上するとともに、その使途ごとに受入 金額、減少額及び事業年度末の残高を注記す る。

(29)

返 還 義 務 の あ る 助 成金、補助金等の未 使用額の取扱い 対象事業及び実施期間が定められ、未使用額の 返還義務が規定されている助成金、補助金等に ついて、実施期間の途中で事業年度末が到来し た場合の未使用額は、当期の収益には計上せ ず、前受助成金等として処理しなければならな い。 後払いの助成金、補 助金等の取扱い 対象事業及び実施期間が定められている助成 金、補助金等のうち、実施期間満了後又は一定 期間ごとに交付されるもので、事業年度末に未 収の金額がある場合、対象事業の実施に伴って 当期に計上した費用に対応する金額を、未収助 成金等として計上する。

(30)

財務諸表の注記

財務諸表には、次の事項を注記します。. (1)重要な会計方針 資産の評価基準及び評価方法、固定資産の減価償却方法、引当金の計上基準、施設の 提供等の物的サービスを受けた場合の会計処理方法、ボランティアによる役務の提供 を受けた場合の会計処理の取扱い等、財務諸表の作成に関する重要な会計方針 (2)重要な会計方針を変更したときは、その旨、変更の理由及び当該 変更による影響額 (3)事業費の内訳又は事業別損益の状況を注記する場合には、その内 容 (4)施設の提供等の物的サービスを受けたことを財務諸表に記載する 場合には、受入れたサービスの明細及び計算方法 (5)ボランティアとして、活動に必要な役務の提供を受けたことを財 務諸表に記載する場合には、受入れたボランティアの明細及び計 算方法 (6)使途等が制約された寄付等の内訳 (7)固定資産の増減の内訳 (8)借入金の増減の内訳 (9)役員及びその近親者との取引の内容 (10)その他NPO法人の資産、負債及び正味財産の状態並びに正味財 産の増減の状況を明らかにするために必要な事項 対象事業及び実施期間が定められている助成金、補助金等の注記 対象事業及び実施期間が定められている助成金、補助金等で、当期に受取助成金又は受取補助金 として活動計算書に計上したものは、使途等が制約された寄付金等に該当するので、その助成金 や補助金等ごとに受入金額、減少額及び事業年度末の残高を注記する。

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