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生理的緊張パターンからとらえた催眠の意識状態の特性に関する研究

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Academic year: 2022

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(1)人間科学研究. Vo1.18,Supp1ement(2005). 博土論文要旨. 生理的緊張パターンからとらえた催眠の意識状態の特性に関する研究 The. Study ofthe Features ofthe Hypnotic States ofConsciousness from aViewpoint ofa Physio1ogica1Tension Pattem. 山極和佳(YamagiwaWaka) 本研究の目的は、覚醒とは顕著に異なる意識状態を用い. て、生理的緊張の次元における意識状態の違いが与える心. 指導. 門前. 進教授. という方法を用いる。認知的評価の内容としては課題達成 要求を取り上げる。. 理的特徴を検討することであった。覚醒とは顕著に異なる. 第4章では、第3章での問題提起を受けて、本研究の目. 意識状態として催眠の意識状態を形成し、意識状態の違い. 的と意義、さらに本研究の構成を述べた。. が与える心理的特徴として感情現象を取り上げた。. 第5章では、第3章の(2)(3)の問題意識に対応させ、. 第1章では、意識状態の定義と、催眠の意識状態の特性 に関する研究の概観を行った。意識状態に関する研究は、. 生理的緊張パターン及び感情反応過程における催眠の意識. 意識状態の特性を主観、行動、生理のどの側面から捉える. 状態の特性を検討した。. かにより大別される。先行研究を概観した結果、複数の側. 生理的緊張パターンについては、催眠の典型的な3つの. 面を同一研究内で検討することは、催眠の意識状態の特性. 暗示及びリラクセーション教示を用いて意識状態を形成し、. をより多面的に捉えることを可能にすることが示唆された。. 顔面表情筋活動を指標として比較を行った。その結果、実 験で形成した意識状態はそれぞれ異なる生理的緊張パター. 第2章では、感情の喚起を説明する認知的評価理論につ. ンを示すことが明らかとなった。違いとして、イメージ暗. いて述べた。認知的評価理論とは、感情反応は先行刺激に. 示、リラックス暗示によって生じる催眠とリラクセーショ. 対する認知的な評価によって規定されるとする理論である。. ン教示による意識状態は、弛緩的特性のみを示すという結. 認知的評価理論に関しては、特定の感情反応を規定する認. 果が得られた。これに対して、運動暗示によって生じる催. 知的評価の次元を抽出するための検討が行われてきている。. 眠の意識状態は、弛緩と緊張とを併せ持った特性を示すと いう結果が得られた。. 第3章では、第1章と第2章をふまえて、催眠の意識状. 感情反応過程については、覚醒の意識状態では感情喚起. 態の特性を捉えるための研究…こ関する次の4点の問題点に. 操作に対して変化が見出されたことに対して、運動暗示に. ついて論じた。. よって生じる催眠の意識状態では変化が見出されなかった。. (1)意識状態の違いを設定するために催眠の意識状態を. これらの結果は、運動暗示によって生じる催眠の、外的刺. 形成するなぜならば催眠の意識状態は、覚醒との違いが顕. 激に対する応答性における意識状態の特徴を示すのではな. 著であり、実験的操作による形成が可能であるからである。. いかと考察された。. (2). (I)の方法で設定した意識状態の違いは、生理的緊. 第6章では、第3章の(4)の問題意識に対応させ、先. 張の次元から検討する。先行研究では、生理的緊張の次元 における催眠の意識状態の特徴として矛盾した結果が示さ. 行刺激と感情反応との問に介在する認知的評価過程として. れている。この矛盾には、催眠の意識状態形成に用いられ. の課題達成要求における、催眠の意識状態の特性について. た操作方法の違いという点、及び、生理的緊張を量的分析. 検討した。その結果、運動暗示によって生じる催眠の意識. 方法のみで捉えているという点が関係すると考えられる。. 状態は、覚醒め意識状態と比べて、意欲的、義務的達成要. (3). (2)の意識状態の違いが与える心理的特徴としては. 求が低いことが明らかとなった。また、リラクセーション. 感情現象を取り上げる。その際、感情現象は、刺激と反応. 教示による意識状態との比較からは、意欲的達成要求と自. との関係だけでなく、その間に介在する認知も取り上げて、. 己効力感といった認知的評価の、課題遂行前後の変化が小.. 先行刺激、認知的評価、感情反応の一連の感情喚起過程と. さいことが明らかとなり、課題遂行という内的刺激に対す. して扱う。. る応答性が減少することが示唆された。. (4). (3)における認知的評価の検討には、実験に即して. 認知的評価の内容を操作した課題を先行刺激として与える 一1I1一.

(2) 人間科学研究. Vo1.18,Supp1ement(2005). 第7章では、第5章、第6章の実験的研究をふまえて、 本研究の目的に即して結果をまとめ、総括的な考察を行っ た。. 生理的緊張の次元における意識状態の違いが与える心理 的特徴という本研究の目的に即して結果をまとめると、生 理的に緊張的特性と弛緩的特性とを併せ持った意識状態は、. 感情喚起過程において心理的緊張が低下し、刺激に対する 応答性が減少するという特性を示すことが明らかとなった。 これに対して、生理的に弛緩的特性のみを持つ意識状態は、. 感情喚起過程において心理的緊張は低下するが、刺激に対 する応答性は保持されるという特性を示すことが明らかと なった。. これら意識状態問の、生理的緊張と感情喚起過程とのそ. れぞれにおける共通点と相違点に関する結果は、生理的側. 面と心理的側面との対応関係を示唆するのではないかと考 察された。. 一1I2一.

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