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3 実践事例

〈実践事例 1〉

第2学年 国語科学習指導案

平成19年 月 日( ) 指導者

1 単元名・教材名

ようすを考えて読もう 「お手紙」

2 読解力向上の視点

今回の「お手紙」では、読解力向上に関する指導資料に示されている改善の具体的方法の ア「テキストを理解・評価しながら読む力を高めること」(ァ)「目的に応じて理解し、解 釈する能力の育成」に焦点を当て、指導に当たることにする。 まず、地の文や会話文から「だれが どうした」という情景をとらえる活動、感情を表す 言葉、もしくはそれが想像できる言葉を抜き出す言葉を補足するといった活動を行う。 具体的な指導の手立てとして ① 登場人物の会話文を見やすく色分けすることで、場面の様子をとらえやすくする。その際、 根拠となる言葉や会話の流れをとらえ、作品の世界を一層明確にさせる。 ② 「何が」「どうして」といった言葉を自ら補足したり言い換えたりすることで、自分の中 の解釈を明確にする。また、「とび出す」「のぞく」などの動作についても同様にし、 行動の理由を考えることで、登場人物の心情を想像する。 ③ 登場人物の会話文について、その読み方を具体的に考え、その心情を想像するだけでなく、 表現方法についても工夫させる。 ④ 登場人物の行動や心情について、叙述から根拠を明らかにしながら、想像できる気持ちや 思いを言葉に表現させる。その上で挿絵について短く説明する活動を入れることで、場 面をより細かに捉え、深く考えさせる。 情報を的確に取り出すために、このように気持ちや行動を表す言葉を確実に読み取る。 さらに、言葉に表れていない気持ちを、言葉や行動の情報から想像する。これらの活動を 通し、物語における登場人物の行動や心情の変化をとらえ、筆者の表現意図を解釈する力 を高めることで、児童の読解力を育成する。 3 児童の思いや願いと本単元の意図 本学級は、男子12名女子13名 計25名である。自分の意見を聞いてもらおうと発 表に意欲的な児童も多く、積極的に授業へ参加しているが、思ったことや見つけたことを まとまりなく発言する子も多数見られる。場面や心情の読み取りについて、根拠を明らか にしながら考える経験が充分でなく、自分の言葉で表現する力に欠けている。また、発表 に対して消極的な児童は、考えや思いがあってもなかなか言葉に表せないでいる場合が多 く、表現することへの迷いがみられる。 これまで「ふきのとう」や「スイミー」で場面の様子を思い描き、想像を広げて読もう とする活動を経験してきており、叙述から天気や色、光、音などを感じたりする力を付け てきた。 本単元は、ちょっぴりわがままながまくんと、友達を想い一生懸命にやさしい言葉をかけ るかえるくんなど、ユーモラスなキャラクターで構成されている。二人の掛け合いがおもし ろく、楽しく読むことのできる資料である。地の文が少なく、会話文を中心として展開して いく作品の特徴を生かし、様々な言葉や表現から、豊かな心情の読み取りを図る事ができる。 文面通りではなく、会話の中から登場人物の本心を想像するなど、これまでにない活動も経 験することができる。また、「すぐやるぜ」「あきあきしたよ」など児童の心をくすぐる言 い回しも多く、声に出して読む喜びも味わうことのできる資料であり、様々な音読形式を用 いての読み取りもすることができる。 学習指導要領第1学年及び2学年の「読むこと」の目標は、「書かれている事柄の順序や

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場面の様子に気付きながら読むことができるようにするとともに、楽しんで読書しようとす る態度を育てる。」ことである。 この物語は5つの場面で構成されており、それぞれの場所・登場人物の行動や心情の変化 から、場面の移り変わりがとらえやすくなっている。物語の世界を味わい、楽しみながら、 情景を思い浮かべたり、登場人物の心情を想像し読み取る力を高めたい。

4 単元の目標

(1) 登場人物の特徴をつかみ、楽しく音読しようとしている。 (関心・意欲・態度) (2) 場面の様子や、がまくん・かえるくんの心情について、想像しながら読むことができる。 (読むこと) (3) がまくんやかえるくんの気持ちがよく表れるように、語や文のまとまり、声の大きさな どに注意して読むことができる。 (読むこと) (4)文中の主語と述語との関係を理解することができる。 (言語事項)

5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準

ア国語への関心・意欲・態度

ェ 読むこと

オ言語についての知識・理解・技能 単 元 の 評 価 規 準 ・登場人物の特徴をつかみ 楽しく音読しようとして いる。 ・場面の様子や、がまくん・か えるくんの心情について、想 像しながら読み取っている。 ・がまくんやかえるくんに気持 ちがよく表れるように、語や 文のまとまり、声の大きさな どに注意して音読している。 ・文中の主語と述語との関係を理 解している。 学 習 活 動 に お け る 具 体 の 評 価 規 準 ①手紙について考え、「お 手紙」を読んで感じた事 を進んで発表しようとし ている。 ②登場人物の言動や気持ち を考え、楽しく音読して いる。 ③登場人物へ、自分の気持 ちを含めたお手紙を書い ている。 ①根拠となる言葉をあげ、だれ の会話文であるかを確認し ながら、音読している。 ①がまくんとかえるくんの言 動から、気持ちを想像しなが ら読んでいる。 ①かえるくんの行動を順序よ く読み取り、場面の様子を読 み取っている。 ①「だれが」が主語、「どうし た・どんなだ・なんだ」が述語 であることを知り、主語と述語 が整った文を書いている。

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6 指導と評価の計画(全17時間)

本時 8/ 17時間 時 主な学習活動 学習内容 評価規準・評価方法 1 ○単元への意欲付け ア-① 発言・発表

10 11 12 13 14 15 16 17

ェ-① ワークシート・発言 ェ-② ァ-② ワークシート 言葉の補足と、挿絵ふきだし 発言 ェ-③ ァ‐② ワークシート 言葉の補足 挿絵の説明 発言 ェ-② ァ‐② ワークシート 言葉の補足・音読の仕方 発言 ェ-② ァ-② ワークシート 言葉の補足 挿絵のふきだし 発言 ェ-② ァ-② 発表の様子を観察 ァ-③ 手紙の発表を観察 ォ-① 書いた文章の考察 ○様子を考えて読む ・だれの会話文であるかに注意しな がら、全文を読む。 ・登場人物の会話文を、根拠を明ら かにしながら確かめ合う。 ・「一の場面」を読み、手紙をもら えないがまくんの、言葉の裏にあ る期待とあきらめ、悲しみの気持 ちを想像する。 ・「二の場面」について、かえるく んの行動を順序良く読み取る。 ・がまくんを励ますかえるくんと、 手紙をあきらめたがまくんの気持 ちを、二人の言動を比べながら読 み取る。 ・こらえきれずにがまくんへ手紙を 送った事を告白したかえるくんの 気持ちを 読み取る。 ・かえるくんが手紙を書いてくれた ことを知ったがまくんの気持ちを 読み取り、気持ちが表れるように 音読する。 ・手紙を待つ二人の気持ちを読み取 る。 ○ 気持ちが表れるように音読する。 ・グループに分かれて場面や役割に ついて話し合う。 ・登場人物の気持ちが表れているか 話し合い、練習に活かす。 ・ 音読発表会を開く。 ○ 登場人物に手紙を書く。 ・だれに宛てて手紙を書くかきめ、 書く事柄を考えて手紙を書く。 ・ 書いた手紙を発表する。 ○ 主語と述語を理解する。 ・会話や行動の主体を考える活動に ついて振り返る。 ・主語と述語の意味と関係を理解し、 絵をもとにして文を書く。 ○会話文の明確化 ○根拠の抽出 ○心情の読み取り ○場面の読み取り ○二人の会話の対比によ る、それぞれの心情の 読み取り ○心情の読み取り ○ 心 情 の 動 き に 合 わ せ た、音読の工夫 ○手紙の書き方 心情の表し方 ○主語・述語の意味と関 係の理解 ○楽しく学習を始める ・題名を読み、今まで手紙を書いた りもらったりした経験を話し合 う。 ・「お手紙」を読み、おもしろいと 思ったところを発表しあう。

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7 本時の学習指導

(本時 8/17時間) (1) 目標 二人の気持ちを想像しながら、音読しようとしている。【関心・意欲・態度】 二人の言動を比較し、気持ちを読み取ることができる。【読むこと】 二人の気持ちを想像しながら、音読することができる。【読むこと】 だれが、どうしたかを考え読むことができる。 【言語についての知識・理解・技能】 (2)評価規準 ア 国語への関心・意欲・態度

ェ 読むこと

オ 言語についての知識・理解・技能 二人の気持ちを想像しながら 音読しようとしている。 二人の会話を比較しながら、が まくんを喜ばせたいかえるく んと、あきらめてすねているが まくんの心情を読み取ってい る。 だれが、どうしたかを考えながら 読んでいる。 (3)展開 前時の学習内容 ・がまくんを励ますかえるくんと、手紙をあきらめたがまくんの気持ちを、二人 の言動を比べながら読み取り、音読の仕方を考える。 学 習 活 動 ・ 学 習 内 容 指導・援助と評価の創意工夫 分 1本時の学習場面を知る。 音読・一人読み (P10 ℓ1~P12 ℓ5) 「自分のペースで読んでみよう」 2本時の学習課題を知る。 3二人の会話を比較しながら考える。 お手紙を書いたことをがまくんに教えない のはなぜかを考える。 【読解力 ア(ア)】 「かえるくんは、『だれが』お手紙をくれると 言っているのだろう?」 ・お手紙を待つことをあきらめて、すっか りすねてふて寝するがまくんと、お手紙 を出したことを内緒にしながらもどう にかがまくんを元気づけようとするか えるくんの様子・心情を振り返る。 ・楽しく物語に入るため、楽しく音読をす る。 ・授業はワークシートを中心とし、大切な 言葉の抜き出しや言い換えなど 情報 の取り出しを行い、その中での登場人物 の気持ちや考えを想像し解釈する形式 を用いる。 ・行動や言動の裏にある気持ちを読み取れ るよう、具体的な質問をする。 ・話や、登場人物の気持ちの流れをとらえ やすくすため、かえるくんとがまくんの 言葉を順序にそって取り上げていく。 ・「ひょっとしてだれかが~かもしれない だろう」 ・可能性の低さ・特定しない誰かをさす言 葉に注目させる。 3 5 がまくんとかえるくんの気持ちを読みとり、 音読のしかたを考えよう。

情報の取り出し

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「どうして、『ぼくがお手紙を出したから、も うすぐ届くよ』と教えてあげないのだろう?」 ・がまくんの「そんなこと、あるものかい」 「ぼくに お手紙をくれる人なんて、いるとは 思えないよ。」は、どんな風に音読したらい いかを考える。【読解力 ア(ア)】 「どんな様子で読むと、がまくんの気持ちが伝 わるかな?どんな気持ちでいるから、こんな言 い方をしたのかも考えよう。」 ・「でもね、がまくん。」など、がまくんに語 りかけるかえるくんの言葉はどんな風に音読 したらいいかを考える。 【読解力 ア(ア)】 ・がまくんの言葉はどんな風に音読したらいい かを考える。【読解力 ア(ア)】 「前のがまくんの言葉と比べてみよう。どんな 言い方をしているかな?どのように、読み方を かえると、がまくんの気持ちが伝わるだろう」 4二人の気持ちを想像しながら音読する。 「これまで学習した事に注意して、読み方を考 えてそれぞれ音読してみよう。」 ・三の場面での、がまくん、かえるくん、それ ぞれの気持ちを、これまでの活動をふまえて 考える。 【読解力 ア(ア)】 ・「だれか」とはだれだろう? かえるくん 手紙を出した事を言わないのはなぜだ ろう? 「おどろかせたい。」 「もらった時、知らない方が うれしいと思うから。」 ・「お手紙をくれる人なんているとは思え ないよ。」の言葉の意味と、読み方につ いて考えさせる。 ・すねたように、なげやりに、など、具体 的な様子などを考えさせる。

「でもね、がまくん。」の言葉の意味 と、読み方について考えさせる。

やさしく、ゆっくりと、など、音読の 具体的な様子などを考えさせる。

理由も考えさせ、なんとか励まそうと するかえるくんの気持ちにせまる。 ・ 前時までの学習から、助言し、がまく んに元気になってもらいたいかえる くんの心情を確認する。 ・「ばからしいこと、言うなよ。」の言葉 の意味と、読み方について考えさせる。 ・おこったように、強く、など、具体的な 様子なども考えさせる。 ・「~思えないよ。」との言い方の違いを 考えさせ、徐々に苛立ち、すねていくが まくんの気持ちにせまる。 ◎二人の会話を比較し、かえるくんの優し さや、がまくんの苛立ちをとらえている (ワークシート・発言) ・それぞれが考えた読み方や解釈に注意し て、一人読みをする。 ・一連の、心情を考えた読み方について、 役割演技を行う。 ◎二人の気持ちを想像しながら、音読しよ うとしている。 (音読の様子) ・ がまくんを気づかうかえるくんのやさ しさに着目させ、かたつむりくんを待つ かえるくんの気持ちを読み取らせる。 5 5 5 10

心情の読みとり

心情を想像した読み方

心情を想像した読み方

心情を想像した読み方

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「かえるくんの言葉は、どう変わっていってい るかな?かえるくんのどんな気持ちが見えてく るだろう?」 「がまくんは、最初の場面とずいぶん様子が変 わっていますね。どんな気持ちになっていっ ているのが分かりますか?」 5本時の学習の中で、思ったことを発表する。 【読解力 ウ(ウ)】 「今日の学習で、思った事を書いてみよう。」 ・何度も外をのぞくかえるくんの心情の変 化を、言葉の変化から想像する。 「~いいと思うな。」 「ひょっとして~かもしれないだろう?」 「今日は~ かもしれないよ。」 の、言葉の違いに注目させる。 ・かえるくんの、がまくんにお手紙を早く 届けてあげたいという気持ちにせまる。 一の場面と三の場面でのがまくんの行動、 言動の違いに気付かせる。 「うん、そうなんだ。」 「とてもふしあわせな気持ちになるん だよ。」・・悲しみ、落ち込む気持ち →「あきあきしたよ。」・・・あきらめ 「そんなことあるものかい。」 ・・・なげやり 「ばからしいこと言うなよ。」 ・・・いらだち ◎かえるくんとがまくんの心情にせまり、 自分の言葉で表現・補うことができる。 (ワークシート・発表) ◎三の場面での、かえるくんとがまくんの 行動・気持ちを知り、自分なりの考えをも つことができる。(ワークシート・発表) 2 10 次時の学習内容 ・こらえきれずにがまくんへ手紙を送った事を告白したかえるくんの気持 ちを読み取る。

8 成果と課題

(1) 成果 ・今回の単元を通し、児童は叙述から根拠を明らかにしながら読み深める活動に取り組んだ。今 回はワークシートを中心としたが、大事な言葉を抜き出す部分のみでなく、どんな場面でどう考 えたのかが存分に書き込める形をとった。しかし自分で文章から読み深めたい表現を抜き出す事 は実態として難しかったため、考えてもらいたい部分に線を引いたり、ある程度の質問を入れた シートを用意した。今回の成果を、読解力向上の視点から考える。 ① 登場人物の会話文を見やすく色分けすることで、場面の様子をとらえやすくする。 「だれが何を言ったのか。」を考えさせる第2時では、「一つ前の行に『かえるくんが言いま した。』と書いてあるからかえるくんが言った言葉です。」と言葉を落とさずに読むことだけで なく、「たずねたのはかえるくんだから、それに答えているこの文はがまくんが言った言葉です。」 「手紙をまっているのはがまくんなんだから、『まってみたらいいと思うな。』という言葉はか えるくんの言葉です。」など、それぞれの根拠を明確にしながらその場面の状況やそれまでの流 れを読み取ることができた。

がまくんの心情の読み取り

かえるくんの心情の読み取り

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②「何が」「どうして」といった言葉を自ら補足したり言い換えたりすることで、自分の中の解釈を 明確にする。 第3時では、がまくんが「かなしい時」と言った理由を、後の叙述から導き出した。第5時で は、「かえるくんの『しなくちゃいけないこと』は何か」を考える時に、P 7のℓ4からℓ9の四 つの文を根拠として「お手紙を書くこと」ということを見いだすことができた。P 12のℓ2の「か えるくんは、まどからのぞきました。」という所では、かえるくんがのぞいたのはゆうびんうけ であると考えたり、かたつむりくんが来るはずの道であると考えたり、いろんな方向の遠くを探 すようにのぞいていると答えた児童もいた。P13のℓ8のかえるくんの、手紙を出したという告白 を聞いてがまくんが「きみが。」と驚きをあらわす場面では、「お手紙を出してくれたの?」と いう続きが当てはまると考えた。さらに「びっくりして、短い言葉になったのだと思う。」と答 えた児童もいた。登場人物の行動や言葉を自分なりの言葉で表現することで、それぞれの根拠を 見直し、自分の解釈を明確にすることができた。 ③登場人物の会話文について、その読み方を具体的に考え、その心情を想像するだけでなく、表現方 法についても工夫させる。 具体的な「音読の仕方」を考えさせることで、自然とその場面の登場人物の気持ちを想像し、 豊かな表現のための工夫をすることができた。かえるくんが、がまくんにもう少しお手紙を待つ よう語りかける場面では、「やさしく・言い聞かせるように」と考える児童もいれば、「やさし いけど、少し怒ったように」と考えた児童もいた。その児童は「せっかくお手紙が届くのに、あ きらめてなかなか起きようとしないがまくんに、ちょっとイライラしている。」という理由を付 け加えた。本資料の文章からは、当てはまる読み取りとは言えない解釈かもしれないが、児童が 物語の世界へ入り込み、自分の生活に置き換える事ができたのではないだろうか。児童は児童な りに、それまでのお話の流れを根拠とし、その子だけのかえるくん像を作り上げることができた と考える。さらに、「『もう少し』という所をゆっくりと、最後の所をのばすように」など、細 かな読み方なども考える事ができ、それぞれに表現の工夫をすることができた。 ④登場人物の行動や心情について、叙述から根拠を明らかにしながら、想像できる気持ちや思いを言 葉に表現させる。 挿絵について考えるとき、それまで読み深め た材料をもとに、「期待・不安・切望・焦り・苛 立ち」など、様々な心情をより細かに想像するこ とができた。例えば、第3時・第4時でお手紙を 待つがまくんについて、「だれもぼくにお手紙を くれたことがないんだ。」という叙述からお手紙 を欲しがっている心情に触れ、玄関に座っている 挿絵の表情から、「だれもお手紙くれないのかな ぁ」という不安や「お手紙一つでもいいから欲し いなぁ」というあきらめきれない気持ちにせまる ことができた。かえるくんが大急ぎで帰ったり、

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家をとびだしたりした理由について、早くがま くんにお手紙を出してあげたい。早くがまくん に元気になってほしいという願いを読み取っ た。また、がまくんがベットでお昼寝をしてい るということが、がまくんのあきらめてしまっ た心情を表わしていることや、かえるくんの行 動や言葉から、どうにかがまくんに元気になっ て欲しいという気持ちに気付くなど、文章には ない「行動の理由」や、「心の動き」について も考えることができた。 学級全体で、言葉一つ一つの意味や根拠をはっきりさせながら読み進めていく中で、普段は読 みの気付きが困難な児童や、言葉での表現に自信のない児童も、活発に書き込む活動ができ、積 極的に発表することができた。また、二人がかなしい気分で玄関に腰をおろしている場面では、 かえるくんの心の中を「がまくんはいつもこうしてお手紙をまっていたんだね。」と、悲しむが まくんの立場に立つかえるくんになりきった言葉で、表した児童がいた。読み手として、少し離 れた立場からこのお話を読むだけでは、出てこない言葉である。一つ一つの言葉を大切に読み深 める事が、児童と物語の世界との距離を縮め、より豊かな捉え方を導き、様々な広がりにつなげ る事ができた。何より子どもたちが楽しく、活発に物語と触れる事ができたということが、大き な成果であると考える。 (2)課題 今回の学習では、場面ごとの情景・登場人物の心情を読み取ったが、説明文となると全体の流 れや段落の要点などを捉えることはまだ難しく、要約する経験はまだ十分ではない。今後の課題 として、説明文の要点を捉えたり、短い言葉で説明したりすることについて、ヒントとなる言葉 さがしの経験を積ませたい。今回のようなワークシートを使った活動を通し、自分で大切と思う 言葉にしるしをしたり、メモをするなどの力を付けていきたいと考える。

参照

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