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はじ め に
このハンドブックは、働く上で必要となる基本的な情報を紹介す
るものです。
実際に社会生活を送っていると、予想していなかった問題に直面
し、自分で解決しなくてはいけないことがでてきます。
「就職する前に聞いていた労働契約内容と違う」
「遅くまで残業
したのに時間外手当が支払われていない」
「調子が悪いのに休ませ
てくれない」など、働いているうちに疑問を感じることがあるかも
しれません。
このような問題に直面した時には、働く人を守る「労働法」の知
識が必要になります。
※法律の改正等により変更されることがありますので、最新の情報
や個々の詳細な事例に応じた相談については、各関係機関へ直接お
問い合わせください。
この冊子で紹介する 法令や制度等は、 平成29年10月時点 での情報です困ったときは、ご相談ください。
○川越市の労働相談(社会保険労務士との面談)
☎049-227-5776
○埼玉県労働相談センター(電話及び面談)
☎048-830-4522
※詳細は、P38を参照してください。
1
も
く
じ
1
労働法と労働条件
労働法とは
労働契約
就業規則
賃金
労働時間と休憩時間
休日と休暇
残業・休日出勤と割増賃金
公的保険制度(労働保険・社会保険)
労働組合の役割
男女雇用機会均等法
障害者雇用促進法
若者雇用促進法
さまざまな雇用形態
2
仕事と家庭の両立
ワーク・ライフ・バランス
育児・介護のための両立支援制度
3
トラブルと相談
会社でトラブルにあったとき
労働トラブル解決のための制度
4
会社を辞めるとき
退職するとき
解雇と雇止め
仕事を辞めた後の手続き
5
仕事を探すとき
就職に関する相談窓口
6
雇用・労働関係機関お問い合わせ先一覧
3
1
労働法と労働条件
1
労働法
とは
「労働法」は労働関係法令の総称で、ずばり「労働法」という名称の法
律はありません。
従業員(労働者)と会社(使用者)は対等の立場に立つという「労使対
等の原則」があり、働く上での条件は労働者と使用者が合意の上で労働契
約を結ぶこととなっています。しかし、個別の労働者と使用者との関係で
は、労働者の立場の方が弱いのが現実です。
労働条件をすべて自由に決められるとしたら、労働者は雇ってもらうた
めに、給料や働く時間に不満があっても、会社の提示した条件どおりに契
約を結ばなければいけないかもしれません。条件に文句を言う労働者は
「代わりはたくさんいるのだ」と、無理やり辞めさせられるかもしれませ
ん。
労働者にとって一方的に不利な労働契約にならないようにするために、
労働法が定められています。労働法についての知識を身に付けておくこと
が、労働者自身の権利を守ることにつながります。
「労働者」には雇われて働く人すべてが含まれますので、正社員だけで
なく、パートやアルバイトでも労働法の適用を受けます。
「労働法」には、労働三法と呼ばれる労働基準法、労働組合法、労働関
係調整法をはじめ、次のような関係法令があります。