崩れ行く家
著者 筒井 好雄
雑誌名 主流
号 2
ページ 49‑50
発行年 1937‑06‑01
権利 同志社英文學會
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000016549
家 〈 行 れ 忌
i山 別 れ 行 く 家
筒
井
好
武林無想曲畑氏の子イグオンヌが十六歳で
阪毒自殺をはかったことは私の何となしに 忘れられぬ事件であワた︒今度それに就て 武林氏が諮られてゐる言葉を譲み一層にそ の事件の印象に辞ほされてしまったが︑殊 に﹁およそ私有財農協皮の穣乎不放なる認
一枇舎にあってよ聖火よ聖夫の幸揺はたY
品 ︑
れ金銭をもってのみ践はれ
φ︒そうして私
右財串阻を失へる︑従ワて金銭なきよき引先よ
き夫は一戦にしで残酷なる父残酷なる夫と
化ナる︒但しこの定理は設もまた国民だから
たとへ馬券にせよ︑得議にせよ︑ともかく
も豆常時の震を獲得した残酷なる父︑残酷な
る夫は一舟ぴ又一郭にして上意尖土き夫の幸
臓を績ひ得られる身分となる﹂の告白を讃
むに歪つては︑たピ金なきために異同聞に捻
雄
て
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かへりみられぬ子に訴する父の国民曲闘を
知るのみならず︑それが如何に多く存して ゐる悲劇の性質を物語ってゐるか︒その恐
ろしきまでの事費に心の袋一きをおぼえるの
であワた@ ﹂とはこれからの私の文墜理解の麓皮の内に於で必ず離れきらずに上り溌反する一つのモラルだと信ピてゐる︒
ゴルキイの﹁どん底﹂がどんなに日本化
しでも何となしに呉簡の作品であるの感を
f止んはずに居る︒だからそれを出来るだけ日
母の逝ワてから後の僕はこれまで殆ど考本化せずに異図化した演出手法でおしす
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へもせなかった﹁家﹂と一式ふものを外商的める主案外に成幼ずるのは今度の村山知義
にも亦内面的にもひど︿注目する晶体になっ
た︒そのことは昨今私の書
i劇批評にも強
︿塊はれてゐて︑時には自分自身で﹁また
か﹂と日明白ふ位である︒かつて﹁臨時措﹂の批
評をするに際して抑制はこの劇から汲みとる
ものは種々の一位令的現愛であることに反設
せねが︑そうしたものミ内に於ても﹁何故
に委本主義一位舎では家が出朋接して行︿か︑ 民の渓出の場合に於て鏡店L︿私の認めたこ
とであるが︑とれは.プルキイと一石ふロシ
ア作家のもつ本質がやはり日本化出来心時
代的特質をもってゐることにもよるだらう
が︑私はそれを図民性の相達︑換生一一同ナると
或る隆史的段階に於ける日本の特殊な家族 制度から取扱はれてゐたい﹁どん底﹂の生
活であるみらだと信じる︒あの測では常に
その康凶を家そのものL内に︑郎ち家を裕﹁人間は零敬せな︿ではならぬ﹂と一千山言葉
ゃ﹁員一賞とは何ιごと一式った言葉︑が語られ成してゐる人間そのものL内に採ってほし
い﹂と強調したととがあったが︒とうしたしかもそれが村山知義氏によって際交に入手
・‑( 49)一一
, 墾〈 , 行 れ
j邸
商的にとりあげられて︑それが劇内容の一す
イトモチフにまで後展させられてゐるが︑
あれだけおちぶれしかも狗りぼっちになっ
た者が殆ど﹁家﹂を語らずそれを考へもせ
ないでゐるのは︑それが本山首の主命前のロ
シア作品であるからであらう︒私達がもL
あの劇︑または異図の文穆慈術に心をひか
μるとしたらそとに私達の考へてゐる悶民
性があるからであって︑それは即ち私
︐遣の
今の闘民性である家族制度に何か籾遺した
ι
のを無意識に求めてゐると考へるべきではみるまいか︒
私が日本︽般の閥民怜を﹁家から離れた
内容にまで器開反出来ぬその限界性﹂によっ
て限定せうとまで今のところ極端に考へて
ゐるのも︑交を一式ふとζうしたととのため
である
044
もそこに日本文阜の湖特な性質
があるのだら白 うが︑同時にそのものが餐本
主義の設反女るに及んで除々に出削れ行き岨棋 てはその園民性も無くなるととになるのを今ζの限の前にみるに至って付︑今日の私
遠の矯すべき文筆上の任務はとの尉援期の
家を肉来るだけリアルにとりあげるとと︑
即ち︑持展的要素と夜定的要
素を放みとり
えりわけるべき犯と諮らずには舟れぬov
の放にねは近代劇の批町内も亦必市首だと信じ
てゐるが︑−てのことも会て︑家の後反宏作
内容としてゐ
ろ資本主義の批列がそこに可
能だからであるといふためである︒
階が十六
段山武林
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ウオ
Yヌが﹁勉強ナ
るにも︑日本へ行︿にも︑お金が要町ます︑
とにかく︑わたし何になったらいふんでせ
う﹂と尖よりも比一者な7ランλ語で使りし
た子の手紙を談んだ父の心憶を私は此虎に
どう表現したらよいかわからぬ︒そうして
またその子供の心情にも||l
けれども︑たピ決定的に
一武 へる 言葉 は︑
とればとの父子の臨した不幸として拾てさ るととが出来ぬと一式ふととだ︒それは私はとれまで誇ったととろから導き出せるこいと
だらう︒
一ー( 50 )