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欧州における社会の変容と財団活動の新たな展開

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(1)

欧州における社会の変容と財団活動の新たな展開

(1)

Societal Changes in Europe and the Response of European Foundations

青尾 謙

AOO Ken

1. はじめに

近年世界各地で先進国・途上国を問わず、グローバル化の進展や高齢化等によって、

国家および公共セクター単独による社会福祉やサービスの提供に限界が生じてきてい る。政府・企業・市民社会等の協働による対応が模索される中で、政府から独立した 目的と財源を持つ財団(フィランソロピー)の果たしうる役割への関心が欧米やアジ アを含め、各地で高まっている。しかし、近年において日本と海外の財団関係者の人 的ネットワークが細っていることもあり、そうした海外での動向が日本国内で紹介さ れる機会は少ない。

本論文は、立教大学社会デザイン研究所における研究プロジェクト「米欧アジアと 日本の助成財団の現状・課題・展望について」(2)の一環として、近年の欧州における 社会・経済・政治状況の変化と、それに対する英国を中心とする欧州財団の新たな動 きについて文献調査並びに、2017

2

12

日から

25

日にかけて英国・ベルギー・フ ランスの

3

国で財団関係者に対して行ったインタビューの結果をあわせ、分析するも のである。

本論文はまず

2.

で分析の理論的視座として「社会的起源理論」を中心に財団の位置 づけについて紹介し、次いで

3.

として欧州の財団の歴史的展開と現状について述べ、

続いて

4.

で近年の欧州の変化について、2000年代末以降の欧州債務危機(European

Debt Crises)と難民危機(Refugee Crisis)を例として説明する。5.

ではその変化を 受け、財団に対する社会の見方を表す一事例として、2015年に英国の財団が、ムスリ ム過激派につながるとされた組織への助成について批判を受けたジョゼフ・ラウント リー・チャリタブル・トラスト(JRCT)事件について紹介する。6.では欧州財団によ る新たな対応の例を紹介し、最後に

7.

結論としてこれらの変化が意味することの分析、

および日本に与える示唆について論じる。

2. 理論的視座 ─ 財団と非営利セクター、国家との関係性

財団は理論的に市民社会/非営利セクターの一部として位置づけられ、しかしその 財源や活動内容等の性質ゆえに特異な機能を持つとされる。

Prewitt(2006:356 359)では、財団を含めた非営利セクターは市場の失敗に対処

(2)

し、公共財を提供する意味で(国家の持つ強制力はないとしても)「疑似国家(quasi

state)」的役割を持つと規定する。その上で財団の存在意義として、非営利セクターを

強化することを通じて、富の再分配、(政府より効果的な)サービスの提供、社会にお ける自由と多様性の確保、社会変革の推進等を行うことをあげている。

Salamon and Anheier(1998)は「社会的起源理論(Social Origins Theory)」を用い

て、非営利セクターの位置づけについて、以下の

4

類型に分けて説明している(3)(表

1)。

このうち、政府の社会福祉支出が相対的に小さく、かつ非営利セクターの規模が大 きい「リベラル」モデル(米国、英国)では他のモデルに比して、非営利セクターの 収入における財団を含めた「私的フィランソロピー」の占める割合が高く、全モデル

平均の

189%となる(同:243 244)。同論文では「リベラル」モデルについて、中産

階級が地主や労働運動に優越した結果として、社会福祉についても国家による提供で はなく、ボランタリーなアプローチを取ったことによるものと説明されており、財団 がこれらの国における教育・保健・社会サービス等の社会福祉を、非営利セクターを 通じて提供するための資金源となっていることがうかがわれる(4)。Anheier and Daly

(2006:14

20)ではこのモデルに基づいて更に各国財団のモデルを区別しており、こ

のうち、「リベラル」モデルでは財団は市民社会に資金を提供する「助成財団」として の活動を通じて国家と併行するシステムを築くが、他の

3

モデルにおいて財団は多く、

自ら活動する「事業財団」として国家による福祉サービスを補完するものとされる。

3. 欧州の財団の成立経緯と概要

(1)財団の定義

「財団」(foundation / philanthropy / trust)はそれぞれの国によって、制度も異なれ ば社会的な文脈も異なる(5)。先行文献では以下を満たすものを「財団」と定義してお り(European Commission 2009:51;Anheier and Daly 2006:3)本論文でもそれに従 うものとする。

i.

独立した法人格を持つ非営利の民間組織であり、

ii.

設立者によって提供された財産を持ち(基金を持ちその運用を活動原資とする

表 1 非営利セクターについての社会的起源モデル 政府による

社会福祉支出

非営利セクターの規模

国家主義(Statist)

・日本 リベラル(Liberal)

・米国、英国

社会民主主義(Social Democratic)

・スウェーデン、イタリア コーポラティスト(Corporatist)

・ドイツ、フランス 出典:Salamon and Anheier(1998:240)より

(3)

ものが多いが、継続的な寄付等によって活動するものも存在する)、

iii.

特定の目的(慈善、調査研究、文化、保健医療、人道支援ほか)に従って、

iv.

活動を行う(他の非営利組織や個人を資金的に支援(助成)することが多いが、

自身でサービス提供等の活動を行うこともある)。

(2)欧州財団の経緯

欧州の財団は国によっても異なるが、大まかに分ければ以下のような経緯を経て成 立している(Anheier and Daly 2006)(6)

i.

中世以降の教会や貴族、裕福な町人等による医療・教育・救貧事業に起源を持 つ財団(例:修道院による病院・救貧院や豪商フッガー家による貧困層向け住 宅の「フッガー長屋」(図 1)等。田中實(1980:57

58))

(7)

ii.

近代、特に

19

世紀の産業革命期以降の事業家・中産階級等によって設立された 財団(例:イギリスのトラスト(公益信託)・財団等。金澤(2008))(8)

iii.

2

次世界大戦後、国家や企業等によって成立した財団(例:独フォルクスワー

ゲン財団、ボッシュ財団、コンラート・アデナウアー財団、仏フランス財団等)

iv.

冷戦後に中東欧の旧共産圏で生まれた財団(Pospiscil 2007:22)、および同時期 よりスペインやイタリア等で設立された財団

欧州では各国の成立経緯を反映して財団の目的や活動手法は異なるものの、概して 英国を除けば、「米国モデル」とも言える、いわゆる助成財団モデルにあてはまらない 国が多数を占める。Anheier and Leat(2013:451)によれば、英国の財団が救貧・慈 善的役割を重視してきたのに対して、ドイツでは企業財団・事業財団が多いとされる。

また北欧では戦後の福祉国家体制の中で、財団が福祉の一端を担ってきた。冷戦後に 中東欧や南欧で新たに設立された財団は(イタリアの銀行財団等の例外を除けば)多 くの場合多額の基本財産を持たず、自らサービスの提供やアドボカシー活動を行うも のとなっている。

図 1 フッガー長屋(Die Fuggerei) 16 世紀に建てられ、今でも 150 名が住む

出典:フッガー財団ウェブサイト(9)より

(4)

(3)財団と国家の関係

欧州の財団は、数百年にわたって各時代の富の蓄積を受けたものであり、また王室 等の有力者によって保護を受けてきた(金澤

2008:187 194)。しかし財団と近代国家

の関係は必ずしも良好であったわけではなく、相互の緊張や疑念、期待を含む複雑な 関係性が存在した(Prewitt 2006:355;357)。フランス革命期には財団は旧体制や教 会の残滓として国家から禁止・規制され、17世紀から

19

世紀にかけてオーストリア や統一イタリア政府では国が財団資産を接収し、国の組織に変えていくなどの施策を とった(ボルザガ

2007:68)。20

世紀に入ってからも、ナチス・ドイツやムッソリー ニのイタリア、スペインのフランコ政権、戦後の共産主義国家等は財団を含む非営利 組織を抑圧し、あるいは自らの政治・福祉体制に組み込んでいった(Anheier and Daly

2006:5 6)。逆にビクトリア期のイギリスや 1990

年代以降の中東欧諸国等では、国家

による福祉の欠如を補うため財団の役割が期待され、財団設立の「ブーム」が見られ た(Anheier and Leat 2013:449)。

(4)欧州財団の概況

欧州における

25

の財団およびドナーネットワークの集まりである

Dafne(Donors and Foundations Networks in Europe)が発行した「ヨーロッパ財団セクターレポート 2016」

(Dafne 2016)によれば、EU加盟国

18

か国を含めた欧州

24

か国で、約

15

万の 登録された「公益財団」(Public benefit foundations)が存在する。ただしこの多くはい わゆる助成財団ではなく、事業財団であると推計される。

これらの財団による

2015

年の総支出額は約

600

億ユーロ(約

7

兆円)であり、表

2

にある国別上位

6

か国(ドイツ、イタリア、スペイン、フランス、オランダ、イギ リス)で全体の

9

割近くを占めている(10)。なおこの総支出額

600

億ユーロは

2015

EU

支出

1,400

億ユーロ(European Union 2016:18)と比べても小さい金額ではな いものの、2013年の

EU

加盟国(28カ国)政府予算約

6.4

兆ユーロ(11)に比べれば

100

分の

1

に満たない額でしかない。

表 2 欧州各国財団の公益支出額

国 名 公益支出額

1. ドイツ 170

億ユーロ

2. イタリア 100

億ユーロ

3. スペイン 80

億ユーロ

4. フランス 75

億ユーロ

5. オランダ 60

億ユーロ

6. 英国

44

億ユーロ

6

か国 計

529

億ユーロ

*英国のみ上位

300

財団の助成額

出典:Dafne(2016)より        

(5)

なお財団による支援分野についての全ヨーロッパをカバーしたデータは存在しない が、英国の助成財団上位

315

財団による

16,500

件の助成データを調査した

Association of Charitable Foundations

による

Giving Trends 2016 Report(Pharoah et al. 2016:

16 17)によれば、教育・訓練分野が 24%でトップを占め、以下保健医療(11%)、芸

術・文化(11%)、福祉(9%)、子ども・青年(8%)、住宅・雇用(5%)、障がい者

(4%)、文化遺産(4%)、宗教(3%)、人権(3%)、環境(3%)等となっており、芸 術・文化を除けば社会サービス分野への助成が多いことがわかる(12)

4. 欧州債務危機と難民危機 ─ 社会の不安

(1)欧州債務危機

1999

年のユーロ導入以降、好調を維持してきた欧州経済は

2000

年代終わりから深 刻な危機に見舞われた。2009年にギリシャで国債償還への不安から債務危機が発生し、

その後同様に政府債務残高や不動産バブルといった問題を抱えていたアイルランド、

ポルトガル、スペイン等の諸国に波及し、9カ国が欧州連合(EU)や国際通貨基金

(IMF)等からの支援を受けるに至った。さらにこれらの国債を保有していたベルギー の銀行が経営破綻するなど、深刻な金融危機に陥った(小川 2012:9

11)。その結果

として、直接危機に見舞われた国だけでなく、EU全体(27カ国)で

GDP

成長率が

3.8%(2001 2008

平均)から- 0.3%(2009

2014)に低下、政府予算のプライマリー

バランスも

0.8%のプラスから- 2.1%と赤字になっている(Baldi and Staehr 2016:

304)。

危機後に各国で取られた緊縮策は、欧州全域における社会保障支出の削減をもたら し、特に社会的弱者に大きな打撃となった。伊藤(2015:168

172)は社会保障支出の

中でも、年金等の削減への反対が強い分野は削減されにくい一方で、所得保障(障害・

失業手当)や家族児童サービス等の分野が大きく削減されたことを指摘している(13) その結果として各国の若年層が、突出した世代別失業率の高さ(ギリシャ・スペイン・

イタリアでは

2015

年でも

24

歳以下の失業率が

40%超)とあわせて、経済危機の直接

的な影響を受けることになった(田中友義 2016:19)。2011

8

月にイギリス各地で 起こった若者の大暴動はそれを象徴する事件であった(岡本英男 2012:7;17)が、

その後も西欧における福祉国家体制の危機的状況を含め、各国での社会不安が高まっ ている。

(2)難民危機

更に

2015

年にはシリアやアフガニスタン、イラク等から難民が

EU、特にドイツ・

英国・北欧等を目指し、海路・陸路をたどって入ってくる「難民危機」が生じ、EU 盟国への難民申請者だけでも

130

万人を数えた。難民や移民に加えて、新たに

EU

加わった中東欧諸国からも

EU

内移動の自由化を定めたシェンゲン協定を利用して、

経済の好調な英国やドイツに入る人も多く、雇用や社会保障を奪われると懸念した各 国の住民の懸念や反発も強くなっている(Sarcinschi 2016:21)。

これらの経済的な不安や排外主義の高まりによって、欧州各国でグローバリズムや

(6)

EU

に対する批判が強くなっており、また官僚や既成政党等のエリートへの不満となっ ている。それが英国の

EU

離脱を決めた

2016

年の国民投票の結果や、各国既成政党 の凋落およびポピュリズム政党や新政党の躍進となって現れている(田中友義 2016:

30 31)。

5. 社会から財団への二つの視線:期待と反感

(1)財団への期待

こうした社会情勢を反映して、社会から財団に対する、一見して相反するように見 える二つの視線が存在する。一つは縮小する国家に代わる福祉や社会サービスの担い 手としての期待である(Anheier and Leat 2013:450)。これについて英国の助成財団 のネットワーク組織である

Association for Charitable Foundations(ACF)のゴッダル

ド氏は「経済危機以降、政府からのチャリティ(NPO)に対する資金が激減しており、

それに伴って財団がチャリティに対して従来のように実験的なプロジェクトへの支援 だけでなく、チャリティの基本的な費用や能力強化に支援する必要が出ている」と語 る。同氏によればそうした要請に応えるために、資産を取り崩して収入以上の助成を 行っている財団も多いという(14)

(2)   「エリート」としての財団への反感 ― ジョゼフ・ラウントリー・チャリタブル・

トラスト(JRCT)事件

もう一つは財団の持つ「特権」に対する反感である。財団は富裕層やエリートの隠 れ蓑、あるいはグローバリズムや

EU

を支援する「国際主義者」の集まりと見られ、

批判されることにもなる(15)

2015

年に英国のメディアによって、ジョゼフ・ラウントリー・チャリタブル・トラ スト(Joseph Rowntree Charitable Trust、以下

JRCT)およびロディック財団(Roddick Foundation)が、イスラム教過激派テロリストに関係する団体を支援していたとの報

道があった。そのうち

JRCT

は、クェーカー教徒の製菓事業家であるジョゼフ・ラウ ントリー氏によって

1904

年に設立された財団で、南アフリカのアパルトヘイト政策の 撤廃や北アイルランド和平、イギリス国内の人種差別等の問題に取り組んできたこと で知られる財団である(Anheier and Leat 2006:109

112)。これに対してデイリー・

メール紙の

2015

3

6

日付記事では、「左翼的な慈善家」によって設立された

JRCT

や関連財団が、労働党・自由民主党やリベラルなメディアと結びつき、英国を「左」

に動かそうとしており、またムスリム過激派や北アイルランドのテロリストへの支援 を行っていると、強い論調で批判した(16)

これらの報道をうけて、英国の財団を含めた非営利組織(チャリティ)の監督を行 う機関であるチャリティ・コミッション(Charity Commission)が、JRCTに「議論の ある(controversial)」先への助成、特に使途の限定されない組織の一般経費に対する 助成について慎重であるよう求めた上で、更に

JRCT

及び他の財団に対して、メール によって非公式に、今後同団体への助成を行わないよう求めていたこと(17)は、財団セ クターの間に強い懸念を引き起こした。2015

4

月にはタイムズ紙に

190

名の財団・

(7)

NPO・研究者等の署名入りで、JRCT

がこれまで果たしてきた貢献を挙げ、支持を表 明した意見広告が出された(18)。結果的に高等法院での審議等を通じて、チャリティ・

コミッションは

JRCT

に対して財団の助成活動について将来に渡っての制約を求めた ものではなく、財団および理事が助成金の使途についてより厳格な確認を行うよう求 めるものと説明するに至った(Charity Commission 2015)。

財団を含めたチャリティを規制する法律である

2011

年の英チャリティ法(Charities

Act 2011)

(19)では、チャリティの目的について救貧・教育・保健・人権・融和・スポー

ツ等が列挙された上で、「公益(Public benefit)」に沿うことが求められているが、同 法では公益に関する定義はされておらず、その解釈は従来の「チャリティに関する法」

に委ねられている(Alexander and Moule 2007:4)。

1982

年のマクガバン判例等、従来の英国のチャリティに関する法解釈では、一 般に公益性が認められるためには受益者を特定の家族や地域、集団に限定しないこ とに加え、特定の政党に対する支援や政治的目的を目的としないことが求められて き た(Morgan and Fletcher 2013:809; 田 中 實

1980:71 72;84; 岡 本 仁 宏 2015:

252 259)

(20)。本件におけるチャリティ・コミッションの対応もその伝統に沿うものと 見ることもできる。しかし独立機関であるチャリティ・コミッションが、ショウクロ ス理事長のメールの文言によれば「国益に反する」(21)ことを理由に、英国内の少数者 であるイスラム支援団体と関わる財団の活動を制約しようとしたことは、近年の英国 の「反テロ戦争」に揺れる政治的状況と、その財団セクターへの波及として見ること ができよう。

6. 欧州財団の対応 ─ 新たな展開

(1)財団セクター側の見方

こうした財団に対する期待や、厳しい批判を受けて、欧州の財団セクターはどの ような動きを取ろうとしているのだろうか。欧州財団のネットワーク組織である

European Foundation Centre(EFC)の CEO

サロル氏はブログの中で「財団の持つ資 源は限られており、政府の代わりを務めるべきではない。財団の役割は特定の社会課 題やその原因をつきとめ対処すること、または難民危機のように政府がすぐに対応で きない問題への対処にある」と述べる(22)。英

ACF

のゴッダルド氏も、財団が政府と 同じように支出することは不可能とした上で、大財団を含め多くの財団が難民・移民 や貧困・格差、国際主義と排外主義等の困難な社会課題に対して積極的に支援を行う ようになってきているという(23)

(2)新たな活動モデル

欧州財団の最新の動向に関する調査として、2017年に英ロンドン・スクール・オ ブ・エコノミクス(LSE)と米公益団体向けコンサルタントのロックフェラー・フィ ランソロピー・アドバイザーズ(RBF)が欧州の

38

財団に対するインタビュー結果を もとにまとめた報告書

The Theory of Foundation: European Initiative 2016

が出された

(LSE Marshall Institute and Rockefeller Philanthropy Advisors 2017)。

(8)

同報告書の指摘によれば、財団の持つ正当性(legitimacy)への疑念や、政府による 市民社会の活動する「スペース」の制限に対して、財団が政府や社会に対する直接的 な働きかけを強めていく必要性が出てきている(同:25)。その対応として、財団は従 来型の助成財団あるいは慈善事業の実施者というモデルから、資金提供およびそれ以 外の手法を組み合わせた新たなオペレーション・モデルに移行してきている。その類 型として、表 3の通り、a.後援者+社会課題解決者、b.課題集中・専門化、c.ハブ組 織支援、d.特定地域での関係構築という

4

つのモデルがあげられている(同:49

52)。

それぞれに異なるアプローチではあるが、いずれも特定の分野や地域に集中し、財団 以外の関係者とのパートナーシップを活かしながら課題解決を目指す点が共通してい る。これらは財団の持つ限られた資源を使い、最大限の効果をあげようとするモデル と言えよう。

(3)ジョゼフ・ラウントリー財団 ― 政策課題への特化

以下では具体例として、英国のジョゼフ・ラウントリー財団と、同じくランク リー・チェース財団の例をあげる。ジョゼフ・ラウントリー財団(Joseph Rowntree

Foundation)は 4.

で述べた

JRCT

の姉妹財団にあたり、1904年にヨーク地方でラウン トリー氏が低所得者向けの住宅を建設し、その維持管理のため財団を設立したことに 始まる(山本

2012)。現在同財団は住宅に加えて英国内の貧困、高齢者(認知症や孤

独)、「現代の奴隷制(人身売買や強制労働)」等の分野で活動しており、貧困の実態に 関する調査研究や報告書

We Can Solve Poverty in the UK

の出版、関係者や研究者との パートナーシップ構築、行政との政策対話などを行っている。その働きかけは

2015

Modern Slavery Act

の立法過程にも関与するなど、具体的な政策にも影響を与えて

きている(24)

政策への関与は、英国の財団によって伝統的に「慈善」と「政治」の中間に位置す るものと考えられ、「公益」をめぐる法解釈の争点ともなっていたが、JRFの動きは、

表 3 欧州財団の新たなオペレーション・モデル

オペレーション・モデル 活動の手法

a. 

後援者+社会課題解決者

(Benefactor & Social problem

solver)

財団が今まで行ってきた事業(慈善・奨学事業等)に加 え、新たな課題領域を付け加えていく

b. 

課題集中・専門化

(Scaler) 財団の伝統的テーマに近い特定課題に集中し、助成・パー トナーシップ・調査・アドボカシー等の専門性を強化する

c.  

ハブ組織支援

(Hub) 財団自体の規模は小さく保ったまま、特定分野の専門家や 組織に大規模・長期間の助成を行い、影響力を行使する

d.  

特定地域での関係構築

(Relational funder) 特定地域に集中し、コミュニティ内のアクターの人材育成 や支援・協働を行っていく

LSE Marshall Institute and Rockefeller Philanthropy Advisors

(2017)より筆者作成

(9)

政策課題への直接的な働きかけを強める方向へ一歩を踏み出したものと見ることがで きよう。

(4)ランクリー・チェース財団 ―  「複雑系」の支援手法

ランクリー・チェース財団(Lankelly Chase Foundation)は、戦後ロンドン郊外の 不動産開発で財をなした

2

名の実業家によって

1960

年代にそれぞれ設立した財団が、

2004

年に合併した財団で、創設者やその家族からも独立した財団として活動している。

現在は「不利な立場に置かれた人々」(Disadvantaged people)として、ホームレス、精 神病患者、元受刑者、虐待被害者、薬物使用者、極度の貧困等の人々に対する支援を 中心に行っている。

同財団のエヴァンス部長によれば、財団では数年前からこれらの問題が相互に関連 しており、個別分野の支援プロジェクトによって一つの問題を解決しても持続的な成 果を得られないことに気づき、より根源的な問題を形作る構造と、その連関に対処す る「複雑系」を取り入れた手法を取り入れている(図 2)。具体的には、問題を抱えた 当事者の声を直接政策担当者や研究者に伝える活動や、Place Based Approachとして、

特定地域に特化して地域の財団、行政、チャリティ、企業、コミュニティに働きかけ ている(25)。いずれも個別・短期間で成果の出る助成プロジェクトではなく、時間をか けたパートナーシップ構築や人材育成を通じて問題解決のためのインフラを整備し、

学びあいと戦略の修正を行いながら、協働の中で解決策を作っていくアプローチと言 える。

現在世界的に財団や

NPO

の活動に対して、SROI(投資に対する社会的リターン)

等の目に見えるアウトプットを求める傾向が強まっている(塚本・金子編著 2017)

が、同財団や英国最大の助成組織の一つであるビッグ・ロッタリー・ファンド(Big

Lottery Fund、宝くじ資金を受けてチャリティ支援等を行う組織)等の支援組織が、

こうした地域社会の「複雑系」に基づいた実践や研究に対する支援を行い始めている

図 2  「複雑系」モデル  

 ─  インプットとアウトプットが単線的につながるのではなく、様々な要素や関係 性が複雑に絡み合う

出典:Abercrombie, R. et al. (2015:7)より

(10)

(Knight et al. 2017)のは、その流れに対する一つのアンチ・テーゼとも見ることがで きよう。

(5)財団セクターとしての協働・意思表明

更に個別の財団による活動だけでなく、財団や関係者が集まり、協働や意思表明 を行う動きも出てきている。The European Programme for Integration and Migration

(EPIM)は

14

の財団がパートナーとなり、共同で移民・難民支援を行う市民社会組織 への助成、人材育成、ネットワーキングを行っている(26)

また、前述の

2015

年の

JRCT

事件の際には、多数の財団関係者が共同で意見広告を 出し、2017

5

月に開催された

EFC

の総会では、Solidarity(連帯)が全体のテーマ とされ、ハンガリー政府による自国

NGO

活動の規制に反対するステートメントが

60

財団の署名を得て採択された(27)。ACFのゴッダルド氏によれば、従来イギリスの財団 は市民社会とは距離があったが、最近では財団が市民社会全般の代表として、政府に 対してアドボカシーや政策対話を行うことが増えてきているという(28)。またベルギー の有力財団であるキング・ボードワン財団(King Baudouin Foundation)のシャファー ズ氏は、分断された社会において、「外部者」と連帯を結ぶことの難しさをあげ、その 中で財団は異なる意見を持ったグループ同士の橋渡し役となりうると述べ、より広い 層にとって受け入れられる部分を探すことを財団の責務としている(29)

これらに限らず、今回調査した財団の多くが様々な形で「包摂」(inclusive)をテー マとして、移民や貧困者等の社会から排除され、あるいは不利な状況に置かれがちな 人々を社会の中に繋げていくことを目指していたことが非常に印象的であった。それ は分断を深める欧州社会にあって、財団が抱える危機意識を表すとともに、財団がそ の傷を癒やし、溝を埋めようとする積極的な姿勢を示すものと言えよう。

7. 結論 ― 欧州の変化が日本に示唆するもの

(1)欧州の変化

最後に欧州社会と財団の変化と、その現状が日本に意味するところを考えたい。ま ず欧州における大きな変化としては、以下の

2

点にまとめられる。第一に、欧州各国 において福祉国家制度の危機、および社会の分断と対立が深刻化しており、その中で 財団に対して社会からの過剰なまでの期待と、それと裏腹の疑念と批判が向けられて いることである。第二に、一部の財団が社会の中の新たな課題や、あるいは新たな活 動のモデルや手法、市民社会等との連帯に踏み出していく積極的な姿勢を見せている ことである。

(2)財団、国家と社会の関係

こうした財団の役割をめぐる現在の動きだけでなく、欧州における近代以前からの 歴史的な経緯を見ていても、財団が欧州社会において占めている存在感の大きさ、そ して財団と国家との微妙な緊張感を持った関係が理解できる。例えば坂下(2009:

74;82)では、英国近世以降の救貧・公益という「パブリック」な領域において、国

(11)

家と民間公益事業による二重性が存在し、救貧法下の制度にしても必ずしも国家が行 うものとは見なされていなかったことを指摘している。

そのことは制度的に国家から独立した財源と意思を持つ財団という存在が、国家に よる福祉の欠落を補完しながらも、本質的には「公」をめぐって国家と競合関係にあ る存在であったことをも意味する。しかし現在においては、国家に対する財団の独立 性も、皮肉なことに、国家からその特権を認められることによって成立するため、財団 が社会から支持を受けてこそ守られる(岡本仁宏 2015:268

271)という状況にある。

近年の英国における財団規制をめぐる議論や、財団の取っている新たな活動や社会 への関係性を作る試みも、こうした国家と財団をめぐる位置づけを通じて見るならば、

国家が福祉の供給や政治的統制のために財団を自らの支配下に置こうとする中で、財 団がその独立性を担保するために、社会におけるより広い層に対して自らの正当性を 示し、獲得しなおしていくための試みと見ることもできよう。

(3)「公益」の再定義

更に

JRCT

事件のような、財団やマスコミ、行政当局を巻き込んだ事件は、分断さ れた社会における「公益」とは何なのかを、先鋭的な形で問いかけている。均質的な 近代国民国家の中の不特定多数を受益者とする「公益」概念が成立し、財団活動が活 発化した近代初期には、移民等の異質な文化や背景を持ち、往々にして多数派住民よ り不利な経済・社会状況に置かれたグループを支援する必要は考えられていなかった

(Craig 2011:378)。しかし歴史を振り返れば、英国の

19

世紀の「公益」定義において も、貧困層等の特別な必要性のあるグループは、無差別性の原則の例外として、地域 等で特定して支援することも認められていた(金澤 2008:265

269)。すなわち、必要

に応じて選別的活動は正当化されていたのである。現在においても、こうした社会の 実情に即した「公益」概念の再解釈・再定義が必要となっているようにも思える。そ の定義を政府や社会に委ねるのではなく、財団自身が賛否両論あるテーマの中で活動 し、政策対話に参加するなどの活動を行っていることは、財団が関わるべき「公益」

を自ら作りだしていく動きと言える。

(4)日本にとっての示唆

欧州の政治・経済・社会状況と、それへの財団の積極的な関与は、現状において日 本のそれとは異なる部分も大きい。しかし日本においても相対的貧困率が

15.6%に達

する(30)など、非正規雇用の拡大や離婚の増大等によって、格差や貧困は広がってきて いる(橘木 2016:40

49)。また今後の国際情勢や政策の変化によって、移民や難民へ

の対応、および分断された社会における融和と包摂等も、今後大きな課題となってい く可能性はあると思われる。その中で市民社会全体を支え、公益活動の再定義を行い つつ、社会の中での対話と協働への流れを作り出そうとしている欧州財団の動き方は、

日本の財団活動にとっても大いに参考となるものであろう。

日本の近代において、財団は多く国家の指導・監督の下で生まれ、また企業の資金 を受けて発達してきた経緯を持つ。その結果として財団は多くの場合、政府や社会、

出捐企業等、誰からも「異論の出ない」活動(例えば奨学金や研究助成、福祉、環境

(12)

保護等)を行ってきた。しかし他国と同様に日本の財団も、その持つ資金は政府によ る財政支出等に比べれば限られたものでしかない(31)。日本の財団が社会にとって「意 味のない」存在となってしまう前に、その歴史的な制約を越えて、自らの存在意義を 示すことのできる存在でありうるのか、欧州の動きはそれを問いかけているようにも 思える。

■註

(1)本調査にあたってご協力を頂いた欧州財団センターのサロル氏並びにヴラナ氏、英国

ACF

のゴッダルド氏、ランクリー・チェース財団のエヴァンス氏、NESTAのグレニー氏ほか欧 州財団関係者の皆様、メールでの質問にご教示を頂いたアンハイアー教授、および本論文 の草稿にコメントを頂いた、立教大学渡辺元客員教授と産業能率大学中島智人教授にあつ く御礼を申し上げる。なお言うまでもなく、本論文中の錯誤および過失に関する責は全て 著者に属することをお断りしておく。

(2)立教大学社会デザイン研究所ウェブサイト

: http://www2.rikkyo.ac.jp/web/social-design/

member/016aoo.php(最終アクセス日 2017

9

18

日)

(3)社会的起源論は国によって性質の異なる制度が成立した事由を、各国で異なる社会的文脈 の中で、国家や多様な社会的主体が相互に関連した歴史的経緯によって説明する理論であ る。古典的な例として、ムーア(1986

87)による近代民主政治とファシズム、エスピン

=

アンデルセン(2001)による福祉国家制度についての研究があり、Salamon and Anheier

(1998)もその手法を準用している。

(4)なお日本は国家が他のグループに対する優位性を保った上で社会政策における決定権を持 つ「国家主義」モデルに分類されており、非営利セクターの収入においても、財団より利 用者による支払いの役割が大きいとされる(Salamon and Anheier 1998:228

229)

(5)なお

2000

年代以降、各国で異なる財団の定義や規制を統一した「ヨーロッパ財団法

(European Foundation Statute)」を制定することによって、財団が国をまたいで経済危機 で苦しむ国・地域の支援を自由に行えるようにし、EU統合の一助としようとする動きも あった(Hellam 2013:275

276;Vahlpahl 2012:485)。しかし欧州財団研究の第一人者で

あるドイツのアンハイアー教授によると、現時点では棚上げになっているとのことである

(同教授より筆者宛メール(2017

5

31

日付)より)。

(6)同書は国ごとにヨーロッパ各国の財団の制度や歴史的経緯、現状を詳述しており、ヨー ロッパの財団研究としては最も新しく網羅的なものである。なお

Prewitt(2006)は古代ギ

リシャ・ローマ世界における有力者による公共建築等の伝統から財団の起源を説いている が、本論考では現存する財団との継続性が見られないため割愛した。

(7)同書は宗教改革以降のカトリック・プロテスタントにおける慈善事業活動の違いや、イギ リスのトラスト(公益信託)制度等についての説明も詳しい。

(8)同書はイギリス近代史における(財団を含めた)チャリティを通史的に見ており、イギリ スのトラストの様々な起源(慈善信託、ボランタリー・アソシエーション、友愛組合型、

慣習的慈善)や、各時代における批判にどう対応してきたかを該博に記した著作である。

同書や坂下(2009)、岡村・高田・金澤編著(2012)らのイギリス近世/近代チャリティ・

フィランスロピー史研究による「福祉ボランタリズム」等の歴史的視座から、公益/非営 利セクター研究が得られるものは多いように思える。

(9)

Fürstlich und Gräflich Fuggersche Stiftungs website: http://www.fugger.de/en/home.html

(最終アクセス日 2017

6

14

日)

(10)

これとは別に、European Commission(2009)の推計によれば、ヨーロッパ内 25

か国

(13)

で約

11

万の財団(公益財団とそうでないものを含む)が存在し、公益財団の支出額は約

1,000

億ユーロとなる。同推計では

24

か国財団の資産額を

2

7,000

億ユーロとする。の

いずれにせよ各国で公益/非公益財団の区別や統計データの集め方が異なるため、正確な 数字は不明である。

(11)

European Commission website “Myths and Facts”: http://ec.europa.eu/budget/explained/

myths/myths_en.cfm(最終アクセス日 2017

6

14

日)

(12)

なおこの統計に英国最大の財団である Wellcome Trust

の助成は額が大きいため含まれてい

ないが、同財団による助成は教育・保健医療・文化芸術分野に対するもの。

(13)

OECD(2017)によれば、ギリシャ(62%)、イタリア(57%)、ポルトガル(55%)等で、

2016

年の公的社会支出に占める高齢者向け支出の比率が

OECD

平均(41%)より突出し て高くなっており、この観測を裏付けるものといえる。

(14)

2017

2

15

日 ロンドン・ACF事務所にて

Keiran Goddard

氏面談にて聴取。

(15)

同上 Goddard

; 2017

2

20

日 ブリュッセル・European Foundation Centre事務所 にてマリレナ・ヴラナ氏面談にて聴取。

(16)

Daily Mail, 6 March 2015, “The charity with no shame: Founded to promote peace, a wealthy Rowntree trust now funds Muslim fanatics, former Irish terrorists and anti

Semitics. How CAN it justify its charitable status?”: http://www.dailymail.co.uk/news/

article-2983488/Founded-promote-peace-wealthy-Rowntree-trust-funds-fanatics.html(最終

アクセス日 2017

6

13

日)

(17)

Charity Commission 2015; Alliance Magazine, 5 June 2015, “Cage to Take “Unfair” Charity Commission to the High Court”: http://www.alliancemagazine.org/blog/cage-to-take- unfair-charity-commission-to-the-high-court/(最終アクセス日 2017

6

2

日)

(18)

Letter in support of Rowntree Charitable Trust, published in The Times: https://www.

opendemocracy.net/ourkingdom/ourkingdom/letter-in-support-of-jrct-published-in-times

(最終アクセス日 2017

6

13

日)

(19)

Charities Act 2011 Section 3(1); Section 4

(20)

ただし、チャリティ目的を達成するための政策キャンペーン等の政治的活動を行うことに

ついては認められている。

(21)

ショウクロス理事長のメール文面より。Third Sector, 19 November 2015, “The Charity Commission, Cage, the High Court and the revealing emails”: http://www.thirdsector.

co.uk/charity-commission-cage-high-court-revealing-emails/governance/article/1373100

(最終アクセス日 2017

6

2

日)

(22)

EFC website Gerry Salole

氏 ブ ロ グ

: http://www.efc.be/operations/mean-foundation- nowadays/ (最終アクセス日 2017

6

15

日)

(23)

前掲 ACF Goddard

氏面談より。

(24)

Joseph Rowntree Foundation website (Slavery): https://www.jrf.org.uk/society/slavery

(最終アクセス日 2017

6

10

日)

(25)

2017

2

15

日、ロンドン・Nesta事務所にて

LCF Alice Evans

氏面談時聴取。

(26)

The European Programme for Integration and Migration (EPIM) website: http://www.

epim.info/(最終アクセス日 2017

6

15

日) EPIM

14

のパートナー財団の他に、

11

の財団が協力している。

(27)

EFC website “Statement Supporting NGOs in Hungary”: http://www.efc.be/wp-content/

uploads/2017/04/ngo_support-2017_05_09b.pdf(最終アクセス日 2017

6

13

日)

(28)

前掲 ACF Goddard

氏面談より。

(29)

Schäfers, S.,”Solidarity and Philanthropy,” Alliance Magazine, June 2017: http://www.

(14)

alliancemagazine.org/feature/solidarity-and-philanthropy/(最終アクセス日 2017

5

31

日)

(30)

日本経済新聞 2017

6

27

日「子供の貧困なお高水準」http://www.nikkei.com/article/

DGXLASDG26HEY_X20C17A6CR0000/(最終アクセス日 2017

6

28

日)。内閣府・

総務省・厚生労働省、2015、「相対的貧困率等に関する調査分析結果について」 http://

www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/soshiki/toukei/dl/tp151218-01_1.pdf(最終アクセス日 2017

6

2

日)によれば

2012

年「国民生活基礎調査」で

16.1%、2009

年「全国消費実 態調査」で

10.1%となっており、どちらも増加傾向にあったが、2015

年調査においては

15.6%と微減した。

(31)

助成財団センターウェブサイトによれば、2015

年度における主な助成

954

財団の助成額は

1,006

億円である。 http://www.jfc.or.jp/bunseki/b4/(最終アクセス日 2017

8

4

日) これは同年度政府予算案の約

97

兆円に対して、約

1,000

分の

1

となる。

■参考文献

(和文文献)

伊藤善典、2015、「欧州政府債務危機と社会支出の削減:何が削られたのか」『社会政策』7(1)、

pp.161

174

エスピン

=

アンデルセン、G.、岡沢憲芙・宮本太郎監訳、2001、『福祉資本主義の三つの世 比較福祉国家の理論と動態』ミネルヴァ書房

エバース、A.・ラヴィル、J.

L.

編、内山哲朗・柳沢敏勝訳、2007、『欧州サードセクター 史・理論・政策』日本経済評論社

岡村東洋光・高田実・金澤周作編著、2012、『英国福祉ボランタリズムの起源 資本・コミュニ ティ・国家』ミネルヴァ書房

岡本英男、2012、「欧州債務危機下におけるイギリス福祉国家」『季刊経済理論』Vol. 49 No. 4,

pp.6

21

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288

小川英治、2012、「欧州政府債務危機の全貌 原因と進行」『国際問題』No.611, pp. 6

16

金澤周作、2008、『チャリティとイギリス近代』京都大学学術出版会

坂下史、2009、「近世イギリスの社会公益事業 救貧・慈善をめぐる議論と救済の現場」陶徳 民・姜克實・見城悌治・桐原健真編、『東アジアにおける公益思想の変容 近世から近代 へ』pp.69

90、日本経済評論社

田中友義、2016、「欧州の反グローバリズム台頭の背景 経済格差、難民危機、エリート・大衆、

ポピュリズムという要因」『国際貿易と投資』No. 105, pp. 16

33

田中實、1980、『公益法人と公益信託』勁草書房

橘木俊詔、2016、『21世紀日本の格差』岩波書店

ムーア、B.、宮崎隆次他訳、1986

87、『独裁と民主政治の社会的起源

近代世界形成過程にお ける領主と農民』岩波書店

塚本一郎・金子郁容編著、2017、『ソーシャルインパクト・ボンドとは何か ファイナンスによ る社会イノベーションの可能性』ミネルヴァ書房

ボルザガ、C.、2007、「イタリアサードセクターの進展 窒息から再登場へ」A.エバース・J.

L.

ラヴィル編、内山哲朗・柳沢敏勝訳、『欧州サードセクター ─ 歴史・理論・政策』pp.

61

82、日本経済評論社

山本通、2012、「企業福祉と社会福祉 ラウントリー父子の実践」岡村・高田・金澤編、2012、

『英国福祉ボランタリズムの起源 資本・コミュニティ・国家』pp.67

88、ミネルヴァ書房

(15)

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472.

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A research handbook. Second edition, pp. 355

377, New Haven & London: Yale University

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(16)

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248.

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16

22.

Vahplahl, T., 2012, “European Perspectives for European Foundations,” Trusts & Trustees, 18(6),

pp. 485

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参照

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