生徒指導上の今 日的課題 とその対応
‑ 不登校事例 「 A 少年が教室 に戻 るまで 」 ‑
は じめ に
生徒指導 に関す る最近 の主要課題 は 『い じめ
』
と 『不登校』 であ る。特 に 『い じめ』 は社 会現 象化 し,学校 関係者 の枠 を越 えて地域社会全体 の問題 とな り,その対応 が模索 されてい る。私 は,社会が成熟の度 を高 め,漸 くこの微妙 で捉 えが たい "心 に関す る問題 " を組織 的 に論 じる こ とが可能 な時代 を迎 えつつある ことを,心 か ら喜 んでいる。 この社会 に 『い じめ』が急 にな くなる とは思 われ ないが , 『い じめ られ る者 の 心 の動 きや,い じめ る者 のあ りよう』 な どを見 極 め る間 に,改 めて現代社 会の歪 ,学校教育 の 問題点,家庭教育 の欠落 な どについての認識 を 深 め,教育関係者 を中心 に生徒 をいか に育成す るかの手立 て を展望 で きるので はないか と期待 してい る。
昭和61年 に文部省 (当時)が示 した 『い じめ
』
の定義 は,時代 の変化 に伴 いその内容 ・解釈 が 改 め られてい る。 さ らに犯罪性 を帯 びた行為へ とエス カ レー トしてい く 『い じめ』 に対 し,学 校 ・保護者 ・関係機 関が連携 して取組 む ように なる と,相談機 関 に入 るい じめの内容 に関す る 相談件数 は徐 々にで はあ るが減少傾 向 を見せ て お り,その対応が功 を奏 してい る ように思 われ る。
しか し,一部 においては 『不登校』 は個 人の 内面 的 な問題 であ るか らとか
,
『い じめ』 か ら 派 生 す る現 象 にす ぎない と見 な され て い る な ど,課題体 質へ の理解 は依然 と して不十分であ岩揮 啓子
る。学校 現場 においては,徐 々 に増加 してい く
『不登校 』 に危機感 を抱 きなが らも,校 内研 修 や事例研 究等 を組織 的 ・継続 的 に展 開 している 学校 は,必ず しも多 くない と言 われている。
『不登校 』 は,原 因 ・誘 因等 が複合 的 に作用 して生 み出す特異 な生徒 の心 のあ り方 にかかわ るため, その対 応 の類 型化 は難 しい。従 って, 不登校生徒 に直接 かかわる教 師 は学習 と試行錯 誤 を重 ねて柔軟 な発想 を養 い,ケースバ イケー ス に即応 で きる指導力 を身 につ けてお きたい も のであ る。
1. 不 登 校 生 との 出会 い ‑ 初 め て の 体 験 か ら学 ん だ もの
私 が は じめ て不 登 校 生 に直接 か か わ った の は,教 師経験15年,漸 く教 師 として一人歩 きで きる ようにな り,生徒指導担 当教諭 を命 じられ て間 もない頃であ った。学級担任 か らの依頼 で 中3男子生徒 の家 を家庭訪 問 し, ようや く目の 前 に現 れた生徒 (以下N少年) と言葉 を交 わそ うと笑顔 で話 しかけたのだが,彼 は一 向 に口 を 開 く気 配 が な く,私 は内心途 方 に くれてい た。
しか し,沈黙 の継続 を避 け ようと私 は言葉 を選 びなが ら呼 びかけ を続 けた。
10分程経過 した時,それ まで頭 を垂 れて正座 を していたN少年 は,突然下 を向いた まま 「帰 れ よ」 と小 さな声 で はあ ったが はっ き りとつぶ やいた。私 は,N少年 の態度 とその一言 か らN 少 年 のかか える悩 み の重 さを感 じる と ともに, 教 師 と して これ まで築 いて きた 自信 が大 き くゆ
‑ 5‑
神 奈川大学心理 ・教育研 究論集 第 27号 (2008年3月31日) らいだ瞬間であった。
まもな く学校 に,教育委員会か らN少年のケ ース担 当指導主事が来校 した。開口一番
「 N
少 年 の登校 を焦 ってはいませ んか」 と私 に問い を 投 げかけた。その時私 は,結果 を急 ぐ気持 ちは 抱 いていなか ったので直 ちに 「いいえ」 と否定 したが,その質問がいつ まで も私の心 に残 った。その後,N少年 とかかわる中で "自分が治療 に 当たってい る" とか,̀̀自分 の力 で完治 させ る のだ 'とい うような教 師の思い上が った気持 ち を捨 て去 ることが,最 も大切であることに気付 いた。 「あ なたは焦 ってい ませ んか ?」 とい う あの問いか けの本 質 は,"ある種 の功名心 では 成功 は望 め ませ ん よ" とい う教訓であったのか
もしれない。
4月中旬 に不登校 とな り,翌年1月に学校 に 戻 ったN少年 との試行錯誤 を重ねた 8ケ月にわ たるかかわ りは,私 に とっては常 に 『今 日の言 莱 (行動) は,本 当にN少年のための ものだっ たか』 と自問 しなが らの学 びの場であった。
その後,何人かの不登校生徒 とかかわ りを持 つ ことになるのだが,私 はこの初期 の体験か ら
「教 師は謙虚であること
」
「子 どもと同 じくらい 保護者 に寄 り添 うこと」
「関係機 関等 との連携 を密 にす るこ と」
「校 内組織 を整備 し,事 に当 たる体制 を確立 して組織 的に取 り組 むこと」 を 信条 とし,生徒指導 に取組 んだ。2.私 が出会 った中1A少年 ,「教室 に入 れなかった7ケ月」の軌道
(1)事例の概要
中学 1年生A少年 (以下A男) は,小学校6 年生 の2月頃か ら同 じクラスの友人B男 ・C男 を含 む3‑ 4人か ら
,
「言葉 に よるい じめ」 を 受 けは じめた。そのため数 日間欠席 を したが, 母親の説得 により長期 にわたる欠席 には至 らな か った。母親 は, この 「い じめ」の状況 につい てただちに学級担任 に連絡する と同時 に,善後 策 について相談 を している。中心人物 とみな し,い じめている現場 を見つけ ては注意 ・指導 を行 った結果,一応 の解決 をみ た。 しか し,
A
男の心の中では,その都度先生 に注意 をうけるB男の直接 的な 「い じめ」よ り, B男 と行動 を共 にす るが教 師の前 ではお とな しく振 る舞 うC男 の態度や行動が許せ なか った よ うである。
小 学校卒業直前の小 ・中学校 間による情報交 換の場 においては,A男の 「い じめ」 による登 校不安 の事例 は話題 となった ものの,
B
男 とク ラスを別 にす ることによってA男への 「い じめ」は解決 される もの と見 なされていた。
ところが,A男 は中学校 入学の 日にC男 と同 じクラスになったこ とを知 り,再 び母親 に登校 不安 を訴 えた。母親 は直 ちに中学校 の担任 に相 談 したが,4月12日には登校 を拒否 したので, 公的相談セ ンターに も電話で相談 している。
以下 は,A男が母親 に話 した 「い じめ」 の概 要である。
『
C男 が通 りがか りにそ っ と言 う悪 口や嫌 な 目つ き,友人 に言 わせ る (とA男 は思い込 んで いる)嫌み な言葉 な どが 日頃か ら気 になってい た。今 回の登校 を拒否 した切 っ掛 けは,4月11 日の昼食で友人が弁 当のおかず を分 けようとA 男の弁 当箱 に入れた ことによる不快感 ・不潔感 が高 じたことにある。 この時の友人 は,おかず を好意的に分 けてあげたつ もりであ り,A
男 に 不快感 を与 えた とは思 っていないが,A男 はこ の行動 もC男が友人 にや らせ た行為である と思 い込 み, C男‑ の憎悪がつの り以後 の登校 を拒 否 した。友 だちの行動 と,C男 は関係 がない と い うことを話 して も,理解 で きない状況 になっ ている。』(2) A男のプロフィール
父,母,姉 と本人の4人家族。特 に甘やか さ れて育つ とい うこともな く,円満 な親子関係 を 築いている。
母親 の話 による と,
A
男 は幼 い頃か ら神経質そ の家 の 中が 汚 か った と,帰 宅後 す ぐ手足 を洗 うな どの性癖 が あ った。 また,食 べ物 の好 き嫌 いが激 しい た め,小 学校 の給 食 も親 の 申 し出で 苦 手 な物 は食 べ させ ない とい う措 置 を とった と い う。
また,成 績 は概 ね普通 で あ るが , 日常 会話 の なかで 「なぜ ?ど う して
?
」 を連発 す る。 これ は事 物 に対 す る興 味 や 関心 とは別 に,幼児 性 の「なぜ :な に現 象 」 の名 残 と思 わ れ ,全 般 的 に 依 頼 心 が強 く対 人 関係 が きわ め て不 器用 で, 自 分 の満足 した答 えが得 られ ない時 に は,逃 避 的
な態度 が強 く現 れ る。
(3)指導過程 (D指 導体 制 の確立
問題 行 動 の発 生 と同時 に,保 護 者 や小 学校 の 担任 か ら情報 を得 て,A男へ の段 階 的 (3ケ月)
ア プ ローチ (表 1) を計 画 し,保護 者 ・教 職 員 の共通 理解 を図 る と と もに, 随 時協 力 ・支援 を 得 る こ ととな った。
かか わ る中で無 理 が生 じた ら, す ぐ 「対 応 レ ベ ル
1
」 か ら 「対 応 レベ ル2
」 に移行 す る とい う,指 導 の時期 と具 体 的 な手 だて に見 通 しを明 らか にす る こ とは,不安 にか られ て い る保護 者 に安 心 感 を与 え, また,抱 え込 みが ちな教 員体 表1 「段階的アプローチ」質 の回避 を図 る役 目を課 す こ とに期 待 した。
(診初 期段 階 にお ける親 の動 き と教 師 の対 応 発 生 か ら,A男 の相 談 担 当教 師 (コー デ ィネ ー タ一役 ) と して私 が面 接 を始 め る 日まで の約 2週 間 につ い て,親 と学校 側 の動 きを ま とめ た もの で あ る。 「生 徒 指 導 は, 組 織 で動 く」 とい うこ とを重視 した校 内体 制 を敷 い た。
表2「初期 段 階 にお け る親 の動 き と学校 の対 応等」
③ 本 人 へ の課 題 及 び そ れ に よ る行 動 の変 容 (4 月20日〜 10月 31日)
平 成15年 文 部 科 学 省 は, 不 登 校 児 童 生 徒 が
「主体 的 に社 会 的 自立 や 学校 復 帰 に向 け て歩 み 出せ る よ う,周 囲 の者 が 状 況 を よ く見 極 め て, そ の ため の環境 づ く りの支援 をす る な どの働 き か け をす る必 要 が あ る」 と して,個 々の子 ど も の状 況 に応 じた適 切 な働 きか け を学校 が行 な う
よ う求 め た。
表3 「A男 の7ケ月 の軌 道 」 は,A男 の心 身 の状 況 を判 断 しなが ら保 護 者 や 関係 機 関 ,時 に はA男 と話 し合 う中で本 人 の努 力 目標 (本 人 の 課題 ) を週 毎 に設 定 し, それ を明確 に示 す こ と に よ っ て保 護 者 や教 師 が 支 援 して い く とい う
月 【対応 レベル 1】 【対応 レベル2】 【対応 レベル3】
4 登校刺激を与える 保健室又は相談室登校 をうな 自宅学習
a友人の呼びかけ がす a担任の家庭訪問
a教師との接触
b友だちとの接触 b課題学習
5 登校刺激を与えない 登校刺激を与えない 専門機関へ依頼する
a本人及び親との定期面接 a親のみの定期面接 a通級学級へ
b担任 の他 に、学 年か らコ者を決めるーディネーター役の担当 専門機関へ依頼するa通級学級へ b転校 も視野に入れた話合い
‑ 7‑
神奈川大学心理 ・教育研究論集 第27号 (2008年3月31日)
表 2 「初期段階における親の動 きと学校の対応等」
回 月 .火 親 (母親)の動 き 学校 (教師)の対応等
1 4/7 学級担任 に相談 担任 は学年の会で情報提供
2 4/12 公的相談セ ンターに電話で相談 相談セ ンター相談員か ら相談内容の連絡 (保護
15 者承諾済)受相談セ ンター相談員 との継続的連絡 を開始Aし、教職員の共通理解 を図る男対応 についての段階的アプローチ案 を作成 3 4/14 担任及び校長 .学年主任 と学校 子 どもの動 き、親の心理状況の把握 に努力
にて面談 学年か らコーデ ィネーター役 の担当者の相談担当教師) を選定 (A男 4 4/18 担当教 師 と電話で相談 母親 との面接 日を約束
5 4/19 親子で児童相談所 を訪問 し相談 児童相談所の担当員 と情報交換 (保護者承諾)
表 3 「A男の 7ケ月の軌道
」
過 本人への課題 行動の特徴 留 意 点
1週 (◎ 母親 を通 して本 人へ連 ○「この ままず つ と学校へ行 け ○本人への課題 は押 し付 けでは
母 絡する) な くなるのか ?」 な く,様子 を見 なが ら気分の
親 ア 戸外‑ 出よう (活動範囲の 「自分 の将 来 は ど うな る の よい時 に話す よう強調する○
面 拡張) か ?」 とい う不安 を母 に訴 え ○本人が,友人に会 うことや数
接
4/20 イ 体 を動かそ う (運動) るo 室入室 を拒否 しているなら, ウ 家の手伝いを しよう ○「自分なんかいない方がよい」 他 の場 所 (保 健 室 .相 談 室 (コ ミュニケーシ ョン)‑評 と,精神的動揺 をあ らわす○ 等)の登校 も可能 また,登校
か 価 と自信 ○友人の登校誘いを拒否す るが, 時間 も本人の希望で よい こと ら エ 学習 をしよう (自由に) 友人のことを気 にもしている○ を話 し,学校 の受け入れ姿勢
☆ 母親への課題 を示す○
ア 週1回の定期面接 に来校す ○母か らの相談 .連絡等の受け
る 入れ体制 を確立 し,連携 を密
2週 ☆ 母親への課題 ○誰の電話 に申出な くなる ○友達 にA男の状態 を話 し,読 母 ア 無理 に友人に会わせない ○友人 に会いた くない と言い出 ねて行かないよう協力頼 む○
の イ 親子の会話の中に学校の話 すo ○親子 ともに学習の遅れが気 に
み
4/25 題入れ反応 をチェックす る な りだ しているので, ノー トたせ るoコピーを約束 して安心感 を持 3週 (◎ 母親 を通 して本人へ達 ○母の面談 について行 きたい と ○連休 を迎 え,心 と体 をリラツ
母のみ
5/2 ア 連休 に入 るので,思い きり絡する)遊 ぶ 話す○ クス させ るよう母親 にア ドバイスをす る○
4週 アイ いろいろな先生方 と話 を し自分 を見つめ よう ○登校時間ではないか ら,学生 ○本人の気持 ちを大切 に し,隻
母 服 を着て行 くのはいやだ と言 け入れる姿勢 を示すo
千 うー私服で もよい と伝 えると, ○無理強いは しないで,登校時
莱 Gパ ンで登校す る○ 間や下校時間をA男本人に決
談 よう ○廊下の壁 に身を寄せ,隠れる め させ る○
5/9 ように会議室 に入 り,約20分 ○先生方は短時間の面談で,勉
の面談で帰宅する○
(2あるが 自分の気持 ちを話すO‑.0分の面談の中で,少 しでは初 日)
○翌 日は来 られるか不安 だと言いなが らも,来なければ と思い始めるo 強以外の話題で接する○
5週 ア 学校 にいる時間を少 しずつ 一〇PTAの役員が会議室 に入 って ○会議室 にPTA関係者が入 って 本 増やそ う 来 ると顔 をこわば らせていた 来て仕事 を して も,部屋 を替 人 イ 学校 を知 ろう (保健室 .校 が,週末には慣れて緊張状態 える配慮 などしないで,本人 の 長室などを毎 日巡回する) は少 な くなるo の様子 を見 るo
み ウ 自習プ リン トをや ってみ よ ○少 しずつ在校時間が増 え週末 ○友人の話題 を持 ちかける○
5/16 つ には4きた○校時 までいることがで
6週 ア 学校で弁当を食べ よう ○弁当を持 って きて,話 を しな ○時々保健室で学習 をさせて,
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神奈川大学心理 ・教育研究論集 第27号 (2008年3月31日)
以 イ 自分で学習計画 を立てよう が ら食べ るo 他学年の生徒 との接触 を試み 下 ウ 下校 す る時 には、校長 .副 ○職員室 .校長室へ一人で入 る るo
本 校長先生 に挨拶 を して帰 ろう ことがで きるo ○同学年では,他学級のD男 に 人 ◎同学年D男 との接触 を試みる ○ 中間テス トを保健室で受けるo 協力 を求め,休み時間に偶然 の ○嫌が りなが らもD男 と会 うが, を装いD男 に会わせ ることに
み 2‑3言葉 をかわす とホ ツと 成功す るo(友人の話題の中で,
5/23 した様子 を見せ るo 特 にDで,D男 には興味 を示 したの男 を選 んだ○) 7週 ア 学級の時間割 に合わせ て, ○ カバ ンが重たい と言いなが ら ○教科の先生 は,授業の前 に課 5/30 教科書 を持 つてこよう ち,時間割 をそろえて くる○ 題 を与 えてい くo
イ 教科の先生か ら出 される課 ○授業のない先生が話 し相手 に
題 を自習 しよう ○友人の思い出を書いた り,教な りなが ら, 自習監督 に当た室の様子 を図に奮いた りして,意識づけをするoる○
8過 ア (自然教室 は不参加 なので, ○ 日記 を書 く○ ○特殊学級‑遊 びに行 くことを
6/6 その間は) 日記 をつけよう ○特殊学級の教室 に入 り,小作品 を作 るo すすめる○
9過 ア 授業の課題 を職貞室の先生 ○職員室 に出入 りするo ○D男が本人の級友E男 を連れ 6/13 まで聞 きに行 こう ○級友の出現 に戸惑 うが,嫌が て,A男のいる会議室 に会い
☆級友 との接触 を試みる らない。 に行 くかたちをとり,成功するo
lo遇 ☆接触する友人の数 を増やす ○ 6月25日,1年生の 自然教室
○
「相談室 に行 かせ て くれなけ 6/20 のスナ ップ写真 を会議室前の れば、学校 に来 ない」 と,交 廊下に掲示する と 「みんなが 換条件 を出す気持 ちは,甘 え 写真 を見に来 るか,相談室 (2 とわが ままであることを気づ 階)へ行 きたい○ ダメな,学 かせ るo校 へ は来 ないo」 と訴 える○ ○写真の掲示担当の先生が5日
「相談室へ行 くこ と以外 は考 間 (従来は10日間)で写真 を
る,ふて腐 れた態度 で帰宅 し た,翌朝 「に来 る前 に登校 す ることに しみ んなが写真 を見
た」 と言 って,早 く登校 す るo 心感 を与 えるo
161/2週7 ☆接 触 す る友 人 の数 を、さ らに増 やす ○期末試験 を保健 室で受 けるo
12週 ア 級友 と弁 当 を食べ よう (会 ○級友2人 を交 ,楽 しく食事 を ○学級 に戻 る準備段 階 に入 るo
7/4 議 室 にて) ○1す る○遅刻 が な くなる○0週 で起 きた写真 の一件 以,
13週 ア 口癖 になっている 「なぜ?」 ○級友 が強引 に教 室 に連 れて行 ○誘 い に行 った級友,A男 の心 7/ll 「どう して?」 をやめ よう こ う と した こ と, 月 曜 (ll の動 きを話 ,強引 な力ず くで 日) は登校 を拒否す るO‑ ゆ の誘 いで はな,他 の方法 を考
つ くり休 ん,今 の気持 ち をノ ー トに書 いてお くように話す○
○ 翌 日ち をノー トに整理 して持 ってくる○(12日),欠席 した気 持 えて欲 しい と協力 をあお ぐ○
14週 ☆夏休 みの課題 ○夏休 み を迎 える楽 しさか ら, ○ 依 頼 心 の 現 れ で もあ る 「な 7/18 ア 家の手伝 い を しよう 家族旅行 の計画 や 自分 のや り ぜ .なに現象」 に焦点 を当, イ 「なぜ ?な に ?」 をな くそ たい こ とな ど, いつ にな く多 本 人が意識 的 にな くしてい く
つ 弁 に話すo よう努力 していか なければい
ウ プール に10回以上 は行 こう けない こと,理解 させ るo
エ 日記 を5日以上 は書 こう ○運動 はあ ま り好 んでや る方 ではない,水 泳 は嫌 いではないの,課題 に取 入 れ るo
ェ ill一
神奈川大学心理 ・教育研究論集 第 27号 (2008年3月31日)
月 本人への課題 ー行動 の特徴 留 意 点
9 行事 に参加 しよう ○朝会や学年集会,昇降口 まで ○会議室か ら少 しずつ出ること 出るようになるo を課題 にす ると同時,A男 に
○体育の時間は体操着 に着替, かかわる友人の数 を増やす 裏庭 で ランニ ングをす るo ○9月中旬 に 「約束 を守 らなけ
○昼休み には友人 と裏庭でバ レ ればいけない」 とい うプレツ
‑ボール をす る○ シ ヤーか ら登校 しぶ りを起 こ
○体育祭では体操着 に着替,本 す,
部内のテ ン トで見学す るo その時はA男の気持 ちを受
○ クラブ活動 に参加す るo け入 れ 「ゆっ くり休 んで 自分
○ 芸術 鑑 賞 会 に は学 級 に入, を見つめ よう」 と言葉 をかけ 同一行動 をとって関内ホール る と翌朝 は登校 ,休 んだ時の
まで出かけるo (欠席自分 の気持 ちを話す ようになったo9月 1,10月1回) 10 少 しずつ学級 に戻 ろう ○音楽の授業,音楽室の ドアま ○11月学級復 帰 をねぼ り強 く話 で来,廊下で授業 を受 ける○ し合,A男 の気持 ちをその気
○大掃除,学級 の分担 区域 を級 にさせてい く○
友 とともに掃 除す る○ ○学級復帰 に努力す る行為,最
○合唱祭, クラスに入 り出漬す 大限評価 してやるo
る○ ○学級 の生徒れ体制づ くりを始 める○る心構 えを話,学級 の受 け入,A男 を受 け入れ
ll 学級 に戻 ろう ○1入 るo,D男 の協力 を得 ,教 室 に ○遠 くか ら見守 る形 をとる○
「働 きか け」 を重視 した取 り組 み事例 であ る。
3.A男 の 日記 を通 して見 た 「心 の変 容 」 面接指導の中で しば しば 日記 (作文) を書か せ たが,5月6月 は与 え られた課題 (例 えば,
1日の出来事 など) を, ほんの2‑ 3行書 く程 度 であ った。 しか し, 7月になる と文 も少 し長 くな り, 自分 の気持 ちを表 した次の ような文章 が認め られた。
日記① 『学校 に行かなければ と思 うけれ ど、
朝 になると行 きた くない』
日記② 『学校 へ行 くと、力ず くで クラス に連れて行 かれるか と思 うと恐 ろ しい。考 えると頭が痛い。絶対 クラスなんか、行 く ものか。』
を示す もの と
日記③ 『‑こんな僕 は、 クラスに行 けるよ うになるのかな‑。』
削向 きの不安 を訴 えている
また,その頃に報道 された中学 2年生の家族 殺害事件のニュースには
日記④ 『親が子 どもの気持 ちを分か ってや らないか ら、親 も悪い。
僕 は、殺 したい気持 ちはあって も、殺す勇 気がない。』
と,複雑 な反応 を示 している。
9月になる と,教室 にはまだ入 れないが登校 す ることへの 自信が出て きたので,不登校 の原 因 となったC男 に対 し,次の ような感情 をぶつ けている。
日記⑤ 『今 日C男 に廊下であったので、に らみつけてやった。 に くらしい。
許せ ない。殺 してや りたい』
11月に教室 に戻 ったあ との 日記では, 日記⑥ 『クラスに戻れた。
あの頃 は クラスが嫌 で た ま らなか った が、今考 えると一人で会議室や保健室 にい るのは、教室 にいるよ り嫌 だ。
クラスに戻れて本当に良かった。』
と,心か らの喜 びを素直 に表 し,快 く迎 えて く
れた同級生 に感謝 し,C男 に対す る個人的な憎 しみや恨 みの気持 ちは, うす らいで しまった よ うである。
4.A男 の教 室 復 帰 (解 決 ) か ら
‑事例 の まとめ とその考察
A男が,初期段 階で児童相談所 の検査 を受 け た結果 は 「たいへ ん幼 く依存性が強 い。 また, 社会性が乏 しく現在 の クラス構成 を替 えて も, 新 しいグループに強い子がいれば再度 い じめの 対象 になる可能性 は十分 にある。上手 に対応 で きる社会性 を身につけ させ たいO学校 は,本人 に少 しず つ 自信 を持 たせ る よ う指 導 して ほ し い。」 とい う内容の ものであった。
い じめが原 因の不登校 ではあるが,い じめ を 周 りのお となが取 り除いてや るだけでは,何 の 解決 に もな らない。 中学校 で は, クラス編成 に よ りA男 に対 す るい じめ を軽減す る とともに, 本人の部分的 に残存す る幼稚性 や依存性 の改善
を図ってい くこ とを目的 とした指導計画 を実施 す ることが,必要であった。
4月か ら10月 までの7ケ月 とい う期 間に,本 人 の変容 をはか るべ く様 々 な試 みが な され た が,それ らは必ず しも順調 に成果 を収 めたので はな く,貯余 曲折 を重 ねる 日々であ り,A男 と の面談が終 わった後 には 「これで よいのだろ う か」 と考 えて しまう日も少 な くなか った。
幸 い に して教 職 員 の協 力体 制 が充 実 してお り,直接接触す る指導者側 の心の安定 を保 つ こ とがで きたことは,A男や保護者 に安心で きる 環境や居場所 を与 えることにつ なが り,A男の 復帰 とい う良い結果 を もた らした重要 な要因の 一つであった と思われる。
11月 に教室 に戻 れた後 のA男 は,人が変 わっ た ように依頼心が減少 している。 また,復帰後 の 日記 に も見 られるように,物の見方 や考 え方 の成長が著 しく,行動面 も落 ち着 きが見 られる ようになった。
この間,A男の指導 に当た って特 に心掛 けた ことは,次の通 りである。
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神奈川大学心理 ・教育研 究論 集 第27号 (2008年3月31日)
(1)外部機 関 との連携
① い じめによる不登校発見 の きっかけ となった 相談員 との情報交換 を行 い,親の 『い じめに 対す る捉 え方』 と,生徒 の 『い じめ られて登 校 した くない(登校 で きない)気持 ち』 を把捉 する。
(∋定期面接 (月 1回) を行 ってい る児童相談所 のケース ワーカー との情報連携 を密 に し,学 校での指導の手掛か りを得 る。
(2)本人へのかかわり
(∋親や教師が力ず くで学校 に来 させ て も,本人 の意志で学校 に来 なければ無意味 であること を,親や本人 に気づかせ,いつで も待 ってい るとい う学校 の受 け入れ姿勢 を伝 える。
②本人の気持 ちを受容 しなが ら本人 に問題 を返 し,本人 に自ら考 えさせ るような態度で接す る。
③一歩前進 した時や,本人が努力 を しているこ とは,最大限に評価 してやる。
(彰多 くの教 師が,それぞれのキ ャラクターで接 触 を図ってい く。
⑤本人の要望や訴 えは 「助 けを求める叫び」か,
「甘 えか ら くるわが まま」 か を的確 に判 断 し て,後者 は是正 を図るよう指導す る。
(3)親 とのかかわ り
(∋学校側の窓口を一本化 して,いつで も気軽 に 相談 に応 じられるような体制 をとる。
②親の気持 ちをリラックス させ,不安 を少 な く させ ることで,親の変容 をうながす。
(4)本人 をとりま く友達 とのかかわ り (∋い じめの該当者へ‑・い じめが もた らす精神的
圧迫 を,相手の気持 ちになって考 え られ るよ うに指導 ・カウンセ リングを行 う。
②一般生徒へ‑い じめ を しない ・い じめ を許 さ ない雰囲気づ くりを定着 させ る。
③ クラスお よび友人へ‑学級では,不登校生徒
が気 を許 して話せ る友人 には,協力 を求める と同時 に本人 と学級 を結ぶパ イプ役 を依頼す る。
(5)教師の共通理解 と協 力
(∋情報の提供 ‑指導 中の不登校生の気持 ちや心 の変化,友人 とのかかわ りの現状や,他機 関 か らの情報 を交換す ることによ り,共通理解 を持つ。
② それぞれのパ ーソナ リテ ィーによる接触 ‑不 登校生の気持 ちを受 け入れ る姿勢 を示す とと もに,力 による指導や無理 な刺激 は与 えない ことを基盤 に,それぞれのパ ーソナ リテ ィー で接触 し,温 かい触 れ合 いの中か ら不登校生 の気持 ちの変容 を図る。
5.
不 登 校 生 の対 応 か ら見 え て き た もの‑指導者側の課題 (1)発見の遅 れ
学校 を休 みは じめの頃は,頭痛 ・腹痛 ・発熱 な どの身体的な症状や,不安 ・おびえな どの心 理的な反応 を示す ことが多い。かつて文部省 は, 不登校 の直接 の きっかけは 「特 に原 因が見 あた
らない」が一番多 く, これに続 いて 「い じめな ど友人関係 の問題
」
「学業不振」
「親子 関係 をめ ぐる問題」 の順 になっている と発表 した。 この こ とか らも,原 因 を探 るこ とは大切 であ るが, 執 掬 に探 ってい くうち に対 応 が後手後 手 となり,本人 をよ り長 く苦 しめる結果 になっている ことが多い。
(2)保護者の動揺
母親 の言葉 に
,
「なぜ うちの子 だけが この よ うな状態 になったのか ?」
「朝 , ゴ ミを出 しに 行 く時 間を,登校 時間か らず ら しま した。 中学 生 の制服姿 を見 るのがつ らいのです。」 との訴 えがあった。保護者の動揺 は,その まま子 ども に伝 わ り,子 どもの気持 ちを追いつめてい く。保護者 も, なぜ わが子が学校 に行 けな くなっ たのかは分か らないの に,不用意 な教 師の質問
る。 「どの ような保護者 で も,子 どもの不登校 状態 に動揺 しない者 はいない」 と考 え られ,煤 護者の動揺 をその まま先ず は受 け止 めて保護者 に寄 り添 い,その言葉 に謙虚 に耳 を傾 ける姿勢 こそが教 師には求め られている。その結果,保 護者 の心 にゆ とりが生 じ, さらに教 師への信頼 感が高 まるとい うステ ップは,子 どもの問題 の 解決 につなが る重要 な要素で もある。
(3)教師の相互理解 と共働 の欠如
担任 だか ら,生徒指導担当教諭 だか ら,養護 教 諭 だか らとい う役 割 で問題 を抱 え込 む こ と は,子 どもの気持 ちよ り大人 (教 師)の立場 を 優先 させ ることであ り,厳 に戒めなければな ら ない。それぞれの立場 の固執が,一人の子 ども の立 ち直 り (解決) を遅 らせ る要因に もな りか ね ない。問題解 決が長引 けば
,
「甘やか してい るのではないか」 とか,「寄 り添 う姿が見 られ ない」 な どとの教員相互 の非難や不信感が先行 し,組織 的な生徒指導が困難 となる。担当教 師 (コーデ ィネーター役) を軸 に,担 任等 それぞれの持つ資料 を総括 した情報等 と, 他 の 関係 機 関の有 す る情報等 を関係 者 が共有
し,組織 の課題 として捉 え,学校一体 となって 問題解決 に取組 む校 内体制づ くりが,極 めて重 要である。
(4)復帰 に向けた学級の受け入れ態勢の不備 不 登校 生 が教 室 に戻 る時 に踏 み 出す 第一 歩 は,想像 を絶す る心の葛藤が なされている もの と思 われる。 タイ ミングよ く背 中を押す ことは 効果的であるが,その役割 は必ず しも教 師に限 らず, クラスメー トの方が適役である場合 も少 な くない。
問題 は,受 け入れる学級の態勢づ くりである。
中学生 の 中 には まだ まだ幼 い考 え方 の者 もあ り, よ く聞かれ る言葉 は
,
「今 まで休 んでいた の に,ず るい」
「特別扱 い を受 けて, ひい きさ れている」 な ど当事者の傷 つ く言葉 を平気で口 にす る。 また,口には出 さないが態度で表現する子 も出る。 これでは,緊張感が頂点 に達 して い る不登校生の過敏 な神経 は, また も悪化の一 途 をた どるおそれ もあ る。学級や部活動等 の受 け入れ態勢づ くりは,多 くの教師がエ ネルギー を注いで築かなければならない大仕事 である。
(5)外部機 関 との意志疎通の欠如
生徒 も,内に見せ る顔 と外 に見せ る顔がある ように,教師が とらえている生徒 と外部機 関が 捉 えている生徒が異 なる場合がある。内外 の意 思疎通 を欠 くと,それぞれが 「今 こそ登校刺激 を !
」
「いや,今 は静観 していた方が‑」 と異 なった認識が強 くな り,当然相手へ の信頼度が 低下 し,結果 として生徒‑ の対応 にマイナス と なって跳 ね返 る。双方 の認識が異 なっているこ との原 因が判明すれば,それはそれで子 どもが それぞれの場 において求めている ものが異 なっ ていることを兄い出せ ることになる。連携 とは, 信頼 関係 を持 って行 な うことであ り,好意的な 雰囲気 の中で分か り合 うまで話 し合い,共同歩 調で歩 むことである。6.
まとめ平成4年,文部省が出 した 「不登校 は どの子 に も起 こ り得 る もの
」
「登校‑ の促 しは,状 況 を悪化 させ て しま うこ ともあ る」 との報告 は, 学校現場 において 「登校刺激 を与 えてはいけな い」
「難 しい対応 を要求 され るの な ら,専 門機 関に任せ た方が よい」 な どの誤解が生 れ,多 く の教 師 を不登校生か ら遠 ざけて しまった感があ る。しか し,子 どもや保護者 に とって,専 門機 関 や カウンセ ラーへ の信頼感 とは別 に,教 師に も 格別 な期待感 を抱 いている。教 師は,本人 ・保 護者 とのかかわ り以外 に,学級 の様子 や学習の 進捗状況,行事等 を把握 し,教職員へ の協力体 制や受 け入れ級 (クラス)へ の指導,不登校 の 要因 となる問題 の除去 や改善等 に直接携 わる立 場 にある。特 に,子 どもが学校 (学級) に復帰 当初 の気 配 り及 びその後 の環境 づ く りにつ い
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神奈川大学心理 ・教育研究論集 第27号 (2008年3月31日)
て,保護者が教師に期待す るものは大 きい。
学校 は,担任以外 に も教科指導や部活動顧 問 と して当該生徒 にかかわってい る教 師 は多 い。
担任 だか ら,顧 問だか らとい う枠 を外 し,その 子 どもに一番 近 い存在 の教 師が かか わ る こ と で,子 どもとともに保護者 も安心感 を増 してい く。かかわる役割の教 師は, コ‑デネ一 夕一役 を認識 しなが ら,彼 らが期待す る教 師像 を目指 してその役割 を果 た してい くことが極 めて大切 なことだ と感 じている。
平成19年7月 に,学校 基本調査 の不 登校児 童 ・生徒 の人数が広報 された。新 聞の見 出 しは,
『中学不登校8052人最多
』
『小 学校2070人,10 年前の2倍』の文字が躍 っていた。この数字 は, 18年度 に神奈川県内の児童 ・生徒が年 間30日以 上傷病等以外 で学校 を休 んだ人数である。 中学 校 では,3.62%が不登校 を起 こ してお り,40人 学級 で 1人か ら2人が不登校 とい う深刻 な事態 が報告 された。かつて平成15年 に, これ までの単 に見守 るだ けの対応や,立 ち直 りを待 つ傍観者的対応 を見 直す よう,文部科学省 の 「不登校 問題 に関す る 調査研究協力者会議」 か ら提言書が出 されたこ とがあった。 さらに,中学生 に進級 した際起 こ す 「中 1ギ ャップ (環境が大 き く変化す るため に不登校 になるケース)」 は, ここ数年増加傾 向にある。
これ らを考 える と,一人 ひと りの不登校生の ための校 内教職員の協力 ・支援体制づ くりとと もに,当該学校 間及び関係諸機 関 との連携 ,ネ ッ トワークによる情報共有 は,効果的な対応 ・ 意味 ある働 きかけ をす るのにます ます重要 にな って くる。今 回の中学不登校過去最多の報道 は, これ まで効果的 に取組 んで きた各学校 の対応 を 検証 し,その努力 と成果 を見直 しなが ら,教師
の指導力向上 を図る契機 としたい。