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5 指 導 にあたって 1 提 案 の 概 要 とその 理 由 について 今 年 度 の 3 学 年 の 仙 台 市 標 準 学 力 検 査 の 結 果 を 見 ると, 全 体 では 目 標 値 とほぼ 同 等 の 良 好 な 結 果 と なったが,2つの 内 容 身 近 な 地 域 の 調 査 と

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1 平成26 年度「仙台市確かな学力研修委員会 中学校社会科部会」提案授業

第2学年 社会科学習指導案

日 時:平成26年11月 1 本授業における提案 2 単元名 「近代国家の歩みと国際社会」(明治時代) 3 単元の目標 ・欧米諸国における近代社会の成立や日本の近代国家の形成と国際的地位向上,近代産業の発展と近 代文化の形成など,近代の歴史的事象に対する関心を高め,意欲的に追究するようにする。 【関心・意欲・態度】 ・欧米諸国の近代化の波が日本にも押し寄せ,日本が急速に近代化していく過程や結果を資料ととも に考察するようにする。 【思考・判断・表現】 ・近代の年表や歴史地図,映像などの資料を収集し,有用な情報を適切に選択して読み取ったり図表 などにまとめたりするようにする。 【資料活用の技能】 ・明治維新により近代国家の基礎が整えられ,近代産業が発展したこと,立憲制の国家が成立したこ と,我が国の国際的地位が向上したことなど,近代の特色について理解するようにする。 【知識・理解】 4 単元の評価規準 社会的事象への 関心・意欲・態度 社会的な 思考・判断・表現 資料活用の技能 社会的事象についての 知識・理解 近代の歴史的事象に対 する関心を高め,意欲 的に追究し,国際協調 の大切さを考えようと する。 近代の歴史的事象から 課題を見いだし,近代 の特色などを多面的・ 多角的に考察し,公正 に判断してその過程や 結果を適切に表現して いる。 年表や歴史地図,映像 など近代に関する様々 な資料を収集し,有用 な情報を適切に選択し て,読み取ったり図表 などにまとめたりして いる。 明治維新により近代国 家の基礎が整えられ, 近代的な産業が発達し たこと,立憲制の国家 が成立したこと,我が 国の国際的地位が向上 したことなどを,世界 の 歴 史 を 背 景 に 理 解 し,その知識を身につ けている。 【提案1】歴史資料と地図を関連付けた指導の工夫 領土画定に関わる歴史資料と地図を関連付け,近代(明治時代)の諸外国との関係を整 理させる。 【提案2】諸外国との関係から近代(明治時代)の特色を捉えさせる授業展開の工夫 「日本の領土の変遷」を中心に明治時代を大観し表現する活動を通して,近代(明治時代) の特色について捉えさせる。

(2)

2 5 指導にあたって (1) 提案の概要とその理由について 今年度の3 学年の仙台市標準学力検査の結果を見ると,全体では目標値とほぼ同等の良好な結果と なったが,2つの内容(「身近な地域の調査」と「明治時代」)で目標値を下回った。特に「明治時代」 は目標値を8.6%下回っており,課題が見られた。 具体的に課題を取り上げてみると,「下関条約についての理解」を求めた設問では誤答率が 66.5% と高く,理解が十分ではないという状況であった。この設問では,下関条約についての理解を基に, 条約により獲得した領土である台湾と遼東半島の位置を確実に把握しているか求められていたが,誤 答には,南樺太,朝鮮半島も含まれており,条約の内容と領土の位置を関連付けた理解が不十分であ った。この例のように,3 学年の歴史的分野においては,歴史資料と地図等の複数の資料を関連付け たり,歴史的事象の概要とその背景を資料と関連付けて考察したりする応用力に課題が見られた。 上記のことを踏まえて,本提案授業では,目標値を下回った「明治時代」を取り上げることとし, 近代(明治時代)の学習のまとめとして,「日本の領土の変遷」という視点から考察させ,近代 (明治時代)の特色について,時代の順序性を踏まえて説明させる【提案2】。 その際,諸条約等の歴史資料と地図を関連付ける学習活動を基に,地理的な位置関係と領土の 画定・拡大の様子を整理させる【提案1】。その上で,領土の画定・拡大の背景・要因となる歴 史的事象等を考えさせ,近代国家の成立過程を理解させる授業を提案することとした。 (2) 単元について 本単元は,学習指導要領社会科歴史的分野の「(5)近代の日本と世界」の前半部分のである中項目 ア~エに基づき設定したもので,明治時代を扱う。この「(5)近代の日本と世界」は,従前の学習指 導要領における「(5)近現代の日本と世界」の中項目ア~カを,近現代の学習を一層重視し我が国の 近代の特色を捉えさせる観点から独立させ,大項目として構成されたものである。 明治時代は,資本主義を背景に欧米諸国がアジアへ進出する複雑な国際情勢の中で,我が国が政治, 経済,外交,産業,文化,生活など様々な分野において近代化を進め,アジア諸国や欧米諸国との複 雑で密接な関連の中で近代国家の仕組みを整えていった時代である。 具体的に見ると,明治時代の初期は,江戸時代の武家政権による封建的な社会の仕組みから新政府 を中心とした統治機構の変革や,学制,兵制,税制改革が行われ,中央集権国家の仕組みにより国家 の基礎が整えられ急速に近代化が図られた時期である。また明治時代の中頃は,自由民権運動の高ま りから国会開設が約束され,憲法が制定され議会が開かれたことにより,アジアで初めて立憲制の国 家が成立した。明治時代の後期は,工業化の進展と資本主義の発達を背景に,対外的な緊張関係が生 じて日清・日露戦争に至ると共に,不平等条約を改正し欧米諸国との対等な関係を築いていった時期 である。 こうした明治時代は,自分なりに時期の区分を考えながら追究したり,政治,経済等の分野から主 題を設定し追究したりするなど,多面的・多角的に考察することに適した単元であると言える。

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3 (3) 生徒について 平成26年4月15日に行われた仙台市標準学 力検査の結果(中学1年の学習内容)は,右の表 のとおりである。 本学級においては,全体,基礎,応用とも目標 値,市平均を上回っており,中学1年で学習した内容を十分に理解していると考えられる。 しかし,問題別で見ると,以下の問題について市平均よりも正答率が低かった。 〔出題のねらい〕 ・大陸の分布の理解をもとに,面積が広い国を地図中で読み取ることができる。 ・暑い地域に暮らす人々の主食について図を読み取ることが出来る。 ・ヨーロッパ州の国々の主な農産物についての理解をもとに,グラフを読み取ることができる。 ・ヒスパニックについての理解をもとに,図を読み取ることができる。 ・大和政権について理解している。 ・浄土信仰について理解している。 ・御成敗式目についての理解をもとに,資料を読み取ることができる。 以上から,本学級生徒は,「ある社会的事象と関連した資料を読み取ること」が課題であることが明ら かとなった。また,歴史の授業においては,個別の歴史的事象が「いつの時代にあった出来事か」と問 うと,正確に時代名を答えることが出来ない生徒が見受けられる。これらのことから,時代を大観する 中で資料を活用しながら歴史的事象を捉えなおすことが必要である。 (4) 指導について 本単元では,欧米諸国が近代化を進め,その波が日本にも押し寄せ,アジアでいち早く近代化を急速 に進めていく過程を学習していく。その中に出てくる様々な歴史的事象については,基礎的内容の確実 な理解を図るとともに,政治,経済,外交,産業,文化,生活など様々な資料を関連させながら考察さ せたい。 また,学習指導要領の「内容の取扱い」において「歴史的事象の指導に当たっては,…地理的な条件 にも着目して取り扱うよう工夫するとともに,公民的分野との関連にも配慮」と示されていること,及 び仙台市標準学力検査で明らかとなった課題から以下の点に力点を置いて指導したい。 ・「日本の領土の変遷」という視点から考察させることにより,歴史的事象と地理的な位置関係を関 連付けられるよう工夫をする。その際,地理的分野との関連を図るため白地図や地図帳を活用する。 ・近代(明治時代)の単元の終末に,「日本の領土の変遷」というテーマで学習してきたことを基に 明治時代全体を振り返る中で他の歴史的事象を関連させながら説明させることで,時代を大観させ, 特色を捉えさせる。 ・班活動においてお互いの考えを発表し合う場面を作るとともに,全体の場で発表をさせ,意見の共 有化を図る。 中学2年 全体 基礎 応用 目標値 50.3 52.6 37.0 市平均 53.3 55.4 41.1

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4 6 単元の構造図 <中項目のねらい> <指導事項> <学習課題> 日本の領土はどのように変 遷したのだろうか。 日本の工業化 は,国民生活に どのような変化を もたらしたのだろ うか。 日本が帝国主 義の道を歩んだ のは,どのような 国際的な背景が あ る か ら な の だ ろうか。 日本の近代化 は ど の よ うに 図 ら れ た のだ ろうか。 な ぜ 近世の 武 士 社 会 が 終 わ り , 日本の 近代 化が図られたの だろうか。 欧米諸国が近 代社会を成立さ せてアジアへ進 出したこと 明治維新によっ て近代国家の基礎 が整えられて人々 の生活が大きく変 化したこと 立憲制の国家 が成立して議会 政治が始まると ともに,わが国の 国際的地位が向 上したこと 我が国で近代 産業が発展し,近 代文化が形成さ れたこと 欧 米 諸 国 は , ど の よ う に 近 代 化していったの だろうか。

近代(明治時代)を

大観する

市民革命 立憲君主制 産業革命 人権宣言 南北戦争 資本主義 社会主義 植民地 アヘン戦争 インド大反乱 ペリー 日米和親条約 日米修好通商条約 関税自主権 井伊直弼 領事裁判権 尊皇攘夷 安政の大獄 薩長同盟 大政奉還 戊辰戦争 王政復古の大号令 五箇条の御誓文 明治維新 版籍奉還 廃藩置県 解放令 藩閥政治 富国強兵 学制 殖産興業 徴兵令 地租改正 文明開化 福沢諭吉 岩倉使節団 征韓論 日朝修好条規 日清修好条規 樺太・千島交換条約 沖縄県設置 屯田兵 北海道開拓使 西南戦争 自由民権運動 政党結成 大隈重信 板垣退助 伊藤博文 内閣制度 大日本帝国憲法 教育勅語 欧米諸国に おける近代化 開国と明治維新 近代国家へ の歩み 帝国主義と日本 近代産業の発展 と生活の変化

近 代

(明治時代)

のまとめ

帝国主義 甲午農民戦争 日清戦争 下関条約 三国干渉 義和団事件 日英同盟 日露戦争 ポーツマス条約 条約改正 韓国併合 孫文 三民主義 辛亥革命 中華民国 軽工業 重工業 八幡製鉄所 財閥 野口英世 北里柴三郎 労働組合 田中正造 大逆事件 夏目漱石 森鷗外 樋口一葉 黒田清輝 正岡子規 【近代(明治時代)のまとめ】 ① 近代(明治時代)の学習のまとめとして,「日本の領土の変遷」の視点から,歴史資料と地 図を用いて,諸外国との関係を整理できるようにする。 ② 「日本の領土の変遷」の理解を基に,近代(明治時代)の特色について説明できるように する。

<具体的指導事項>

(5)

5 7 単元の指導計画(22 時間扱い) 項 目 主な学習内容 指導上の留意点 評価 資料・準備物 関 思 技 知 1 ①イギリスの産業革命 ②欧米の市民革命 ③資本主義と欧米の世界進出 ④アジアの世界情勢 ・欧米諸国のアジア諸国進出の 背景に,近代社会の成立があっ たことを理解させる。 ・市民革命や産業革命が起こっ た原因と,その後の世界情勢の 変化の様子をつかませる。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 教科書 資料集 白地図(世界) 掛地図(世界) 2 ⑤黒船来航と開国 ⑥倒幕運動と大政奉還 ⑦明治維新 ⑧富国強兵と殖産興業 ⑨文明開化 ・開国から江戸幕府の滅亡,明 治新政府の成立過程を,欧米諸 国の動きと関連付けさせる。 ・明治新政府の諸改革の特色を 多面的・多角的に考えさせ,近 代国家の基礎が整えられたこ とを理解させる。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 教科書 資料集 掛地図(日本) ワークシート パソコン プロジェクター 動画資料 3 ⑩日本の外交政策 ⑪沖縄と北海道 ⑫自由民権運動 ⑬大日本帝国憲法と帝国議会 ・近代国家の基礎が整えられる 中で,地図を活用して日本の国 境が画定されていったことを 捉えさせる。 ・自由民権運動から大日本帝国 憲法の制定など,立憲国家が成 立した過程をつかませる。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 教科書 資料集 白地図(日本と その周辺) 掛地図(世界) ワークシート 4 ⑭帝国主義と条約改正への道筋 ⑮日清戦争 ⑯日露戦争と条約改正 ⑰日本の東アジア政策 ・条約改正に向けての政府の取 組を理解させる。 ・日清・日露戦争を通して,地 図を活用して我が国の領土の 拡大の様子を捉えさせる。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 教科書 資料集 白地図(東アジア) 掛地図(世界) ワークシート 5 ⑱日本の工業化 ⑲農村や都市の生活の変化 ⑳近代文化の形成 ・日本の近代化が進むと同時 に,国内では様々な社会問題が 発生したことを捉えさせる。 ・日本の近代文化が形成された ことを理解させる。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 教科書 資料集 パソコン プロジェクター 画像資料 6 ㉑日本の領土の変遷 (領土から見た近代日本①) ㉒近代(明治時代)のまとめ (領土から見た近代日本②) (本時) ・領土画定に関わる歴史資料と 地図を関連付け,近代(明治時 代)の諸外国との関係を整理さ せる。 ・明治時代はどのような時代だ ったのか,「日本の領土の変遷」 のテーマから単元全体を振り 返らせる。 ○ ○ ○ ○ 教科書 資料集 白地図 掛地図(世界) ワークシート

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6 8 小単元の指導計画(2時間扱い) 9 本時の指導(2/2) (1) 本時のねらい 「日本の領土の変遷」という視点から近代(明治時代)を大観し表現する活動を通して,明治 維新により近代国家の基礎が整えられ,立憲制の国家が成立し,我が国の国際的地位が向上したこ となどの近代の特色について説明できるようにする。 (2) 本時の指導過程 学習内容(課題・活動) 指導上の工夫・留意点 ○予想される生徒の反応 評価の観点・方法 導 入 ( 5 分 ) 1.前時の振り返り 前時の 発表を振り返 る。(一斉) ・前時に行った「北海道設置」「廃藩置県」「樺太・ 千島交換条約」「小笠原諸島帰属」「沖縄県設置」 「下関条約」「ポーツマス条約」「日韓併合」の8つ のグループの発表を古いものから新しいものにか けて,簡単に振り返らせる。 ・領土に関する白地図に着目させる。 ・前時に「領土画定期」と「領土拡大期」の2つのグ ループに分けたことを,確認する。 時間 主な学習内容 指導上の留意点 資料・準備物 1 日本の領土の変遷 (領土から見た 近代日本①) ・「北海道設置」「廃藩置県」「樺太・千島交換条約」「小 笠原諸島帰属」「沖縄県設置」「下関条約」「ポーツマス 条約」「日韓併合」の8つのグループに分かれて,白地 図にその時点における日本の領土に着色させ,その歴 史的事象の年代および具体的事項をまとめさせる。 ・まとめたことを,グループごとに発表させる。 ・領土の地理的な位置関係に着目させるようにする。 ・これら8つの歴史的事象を,「領土画定期」と「領土拡 大期」の2つのグループに分けて明治時代を考察させ, 捉え直す。 ・日本の掛地図 ・白地図 ・教科書 ・地図帳 ・ワークシート ・発表用模造紙 2 ( 本 時 ) 近代(明治時代)の まとめ (領土から見た 近代日本②) ・明治時代はどのような時代だったのか,「日本の領土 の変遷」のテーマから単元全体を振り返り,ワークシート に自分の考えを記入させ,説明させる。 ・近代国家が成立し,立憲制の国家が確立し,資本主 義の拡大とともに欧米諸国のように勢力拡大を図り,欧 米諸国と対等な関係や,不平等条約改正を目指してき たことを説明できるようにする。 ・世界の掛地図 ・白地図 ・教科書 ・地図帳 ・ワークシート ・発表用模造紙

【提案1】

歴史資料と地図を関連付けた指導の工夫 (主に前時)

(7)

7 展 開 ( 2 0 分 ) 2.明治時代のまとめとし て明治時代の指導者 の立場になって説明 することを知る。 3.国境画定期と領土拡 大期に分け,その時 期の出来事から背景 を基に考察する。 (グループ) 4.その他の出来事のカ ードから立憲制の国家が 成立させ たことを 捉え る。(グループ) ・単元全体のまとめとして,日本は明治時代にどの ような国を目指したのか,明治時代の指導者の立 場になって説明をすることを全員に本時の課題と して捉えさせる。 ・前時に年表(グループで1枚)で2つに分けて考 えることにした時期 「国境画定期(1868~1879」) 「領土拡大期(1894~1912)」 を取り上げ,なぜ国境が必要だったのか,なぜ 領土を拡大していったのかを背景とともに簡単に 考察させる。 ・ワークシートに書かせ,発表させる。 ・1880~1893 年の間に集中しているその他の出 来事のカード(白)から,大日本帝国憲法,帝国議 会などを中心に取り上げ,明治政府が立憲制の国 家を目指していたことやその背景や理由を捉えさ せる。 ・「国境画定期」「立憲制の国家成立期」「領土拡 大期」の3つに分けられたことを確認する 知識・理解(ワークシート)

【提案2】

諸外国との関係から近代(明治時代)の特色を捉えさせる授業展開の工夫 (発問①)なぜ国境が必要だったのか,また,なぜ領土を拡大させたのか。 (学習活動①)「国境画定期」「領土拡大期」に分け,その背景から簡単に考察する。 (発問②)残りの出来事のカードが集中している時期は,何をしていた時期なのだろうか。 (学習活動②)残りの出来事のカードが集中している時期を考察し,立憲制の国家が成立したこ とを捉える。 「日本の領土の変遷」と いう視点から明治時代 を3つの時期に区分し, それぞれの時期の歴史 的事象のあらましや背 景を理解している。 ○なぜ国境が必要だったのか ・外国との関係をはっきりさせるため ・領土が決まっていないと正式な国とし て認めてもらえないから ・近代国家として必要な条件だった ○なぜ領土を拡大させたのか ・日本も植民地にされるおそれがあっ たから ・資本主義の拡大により,領土を拡大 し利益を得るため ・欧米と対等な立場になるため ○残りの出来事のカードが集中している時期は,何をしていた時期なのだろうか。 ・大日本帝国憲法を制定した ・議会を開いた ・国力を高めた時期だった ・欧米から認めてもらうために,憲法や議会を作った 学習課題:日本は明治時代にどのような国を目指したのだろうか,明治時代の指導者の 立場になって説明しよう。

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8 終 末 ( 2 5 分 ) ( 本 時 と 単 元 全 体 の ま と め ) 5.日本は明治時代にど のような 国を目指した か,明治時代の指導者の 立場になり,既習事項を 生かし,説明する。(グル ープ→個別・一斉) 6.教師の言葉で近代(明 治時代)をまとめる ・「日本の領土の変遷」の8つの各テーマで発 表してきたこと,日本の国境が画定し,拡大し てきたこと,立憲制の国家が成立したことな ど,その背景にある出来事を踏まえ,日本が明 治時代に目指した国について,明治時代の指導 者の立場の視点から説明させるようにする。 ・「国境画定期」「立憲制の国家成立期」「領土拡 大期」の時期に日本が行ってきたことを踏まえ,こ れらの時期を通して目指した国家像について説明 できるようにする。 ・書く時間を十分に確保するようにする(15 分程度) ・書くことが難しい生徒には,机間指導でこれ まで学習してきたこと,ワークシート,教科書 やノート,キーワードなどで振り返らせる。 ・ワークシートに書いたことを基に,グループ で発表させる。 ・グループで発表後,全体の場で何名かの生徒 に発表させる。 ・発表させる時には,共有化させたい点につい て全員に問い直す。 ・明治時代を通して,明治時代の指導者は欧米 諸国と対等な関係を築くことや不平等条約を 改正することを悲願としていたことをまとめ る。 ・「領土の変遷」という視点から明治時代を3 つの時期に区分して振り返ったこと,視点を設 けることで時代を区分して振り返ったり考察 したりすることができることを確認する。 思考・判断・表現 「日本の領土の変遷」 や「立憲国家の成立」 の学習を基に,既習事 項を生かして近代(明 治時代)の特色につい て説明している。 (学習活動③)「日本の領土の変遷」や「立憲制の国家の成立」についての学習を基に, 単元を通して学習してきたことを参考に,日本は明治時代にどのような国を目指したの だろうか,明治時代の指導者の立場になって説明する。 (発問③)日本は明治時代にどのような国を目指したのだろうか,明治時代の指導者の 立場になって説明しよう。 ○日本は明治時代にどのような国を目指したのだろうか,明治時代の指導者 の立場になって現代の人に説明しよう。 ・我々は,大日本帝国憲法を作るなど様々な近代的な仕組みを整え,欧米諸国と同じ ような国にしたかった。なぜなら,欧米諸国と対等な関係にならなければ,日本も植民 地にされるおそれがあったし,日本も産業の発達による利益の拡大が図れなかったか らである。 ・我々は,欧米諸国と対等な国にするために,工業や経済を発展させ,軍事力を強くし て外国に負けない国を目指した。なぜなら,欧米諸国と不平等な条約を結ばされ,条 約改正を達成させることが大きな目標であったからである。

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9 (3) 評価の観点 観 点 具体の評価規準(B) A と判断する具体的な姿 C の生徒に対する手だて 知識 ・ 理解 「日本の領土の変遷」と いう視点から明治時代 を3 つの時期に区分し, それぞれの時期の歴史 的事象のあらましや背 景を理解している。 「日本の領土の変遷」という視点 から明治時代を3 つの時期に区分 し,それぞれの時期の歴史的事象 について国民の立場や外国との 関係を踏まえながら理解すると ともに,近代国家の成立や経過に ついて理解している。 ・8つのグループが発表し てきた白地図を見て,領土 が広くなってきたことな どに着目させ,「国境画定 期」「領土拡大期」の違い が捉えられるようにする。 ・歴史的事象を関連づけて 明治時代のあらましを捉 えられるようにする。 思考 ・ 判断 ・ 表現 ・「日本の領土の変遷」 や「立憲制の国家の成 立」の学習を基に,既習 事項を生かして近代(明 治時代)の特色について 説明している。 ・「日本の領土の変遷」を,明治 時代の政治,経済,外交,産業, 文化,生活などのこれまで学習し てきた歴史的事象と関連させて 説明し,世界の歴史や産業革命な ど世界的な視野から近代国家の 成立や経過について説明してい る。 ・日本の領土が拡大してき たことなどを基に,日清・ 日露戦争などと関連付け て近代の特色を考察でき るように,机間指導等で支 援する。 (4) 板書計画 近代(明治時代)のまとめ ①なぜ国境が必要だったのだろうか。 ・欧米諸国から近代国家として認めてもらう ために,領土や国境が定まっている必要が あったから。 ②この時期に日本は何をしていたのだろうか。 ・憲法の制定や議会を開くことで,アジアで 初の立憲制の国家が成立した。 ③なぜ領土を拡大させたのだろうか。 ・資本主義の発達により利益を拡大するため。 ・欧米諸国との競争で対抗するため。 日本は明治時代にどのような国を目指したのだろうか, 明治時代の指導者の立場になって説明しよう。 領土の変遷からみた明治時代の出来事 1869年 北海道設置 1871年 廃藩置県 1875年 樺太・千島交換条約 1876年 小笠原諸島 領有 1879年 琉球処分 沖縄県設置 1889年 大日本帝国憲法 1890年 第1回帝国議会 1895年 下関条約 1905年 ポーツマス条約 1910年 韓国併合 説明 国 境 画 定 期 領 土 拡 大 期 立憲制の 国家成立期 欧 米 諸 国 と の 対 等 な 関 係 不 平 等 条 約 の 改 正 悲 願 我々は, ~~~~~を目指した。 なぜなら, ~~~~~~~~である。

参照

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