1. LME価格と在庫(2012年2月~3月)
2012年2月から3月のLME銅価格は8,209.5~8,658US $/tの狭い範囲の小動きに終始した。 2012年2月は前月末から反落して8,351.5US$/tでス タート。ユーロ安や中国筋の積極的な買い出動も見ら れない中、軟調に推移し、2月3日には8,320US$/tま で下落した。その後、米国雇用統計の改善による景気 回復期待に、6日は8,463US$/tに反発。利食い売りに 一旦軟化するも、8,500US$/t台の小動きに推移。14 日にユーロ安から8,405US$/tに再び軟化すると下値 を押し下げ、16日には一気に2~3月の最安値となる 8,209.5US$/tまで下落。その後反発に転じ、21日にユ ーロ圏財務相会合がギリシャへの1,300億€の第二次支 援について合意したことを好感し上伸、欧州株式の上 伸などに小刻みに続伸の後、28日にヨーロッパ中央銀 行の資金量的緩和を好感し8,658US$/tの最近の高値 をつけた後に反落、2月29日を8,585US$/tで終えた。 2012年3月は、1日に8,570US$/tと弱含みで始まり、 欧州債務問題に対する不安感が続きUS$高ユーロ安か ら軟調に推移、値を下げた。その後も収まらないギリ シャ問題への懸念から続落、7日に8,261US$/tをつけ た。8日にはギリシャ国債の目途がついたことを好感し て反発、その後も中国・米国などの経済指標を材料に3 月13日に8,530US$/tに急伸、14日に一旦反落したも のの、15日には再びUS$高から割安感に値を上げ、16 日には独首相のユーロ救済基金の規模拡大発言などを 受け8,620.5US$/tに上昇。この間、14日からバックワ ーデーションとなりスプレッドは拡大を持続。なお、ベースメタル国際需給動向
1. 銅の国際市況と需給動向(2012年3月まで)
金属企画調査部
<月間平均値(US$/t)> 2010 年 2011 年 2012 年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 7,386 6,848 7,463 7,745 6,838 6,499 6,735 7,284 7,709 8,292 8,470 9,147 9,556 9,868 9,531 9,483 8,927 9,045 9,619 9,041 8,315 7,348 7,552 7,568 8,043 8,423 8,457 − − − − − − − − − 1~ 12 月 7,539 8,811 − 継続的なバックワーデーションは2011年2月以来となっ た。19日は株安から反落、22日に中国製造業購買担当 者景況指標(PMI)の悪化などから続落し8,320US$/tを つけた後上昇に転じ、米国株式高などを受けて27日に 8,500US$/tを回復したが、中国株式の続落に再び軟 化した後に反発、30日に8,480US$/tまで戻して3月を 終えた。 この間、LME在庫は2月1日の329,300tからほぼ一貫 して減少。3月26日に最近の最小値(2009年7月19日)の 256,900tを割り込む254,000tを記録するに至った。そ の後増加に転じ、3月末に256,275tまで増加した。 図1-1にLME価格と同在庫の推移を示す。 図1-1. 銅:LME平均価格と在庫の推移〔2008年1月~2012年4月〕需給動向
ベースメタル国際需給動向 ─銅─2. 需給
図1-2に世界の銅需給の推移を、図1-3に世界の銅需 給に占める比率が大きな中国の需給推移を示す。 <供給・鉱石生産量> 世界の鉱石生産量の2011年12月と2012年1月の値は、 それぞれ、1,467.9千t、1,317.9千tで、2011年累計で は16,035.4千tとなり、前年比0.2千tの減少(前年比 0.0%の減少)となった。主要な生産国別に見ると、 2011年の累計で前年比増加を示しているのは、中国 (1,299.3千t、前年同期比+129.8千t)、米国(1,239.9 千t、同+10.6千t)、豪州(957.8千t、同+87.3千t)、 ロシア(713.1千t、同+10.4千t)、カナダ(566.1千t、 同+41.0千t)などとなっている。一方、チリ(5,262.8 千t、同−155.8千t)、ペルー(1,234.9千t、同−12.3 千t)、ザンビア(667.4千t、同−18.3千t)、インドネ シア(542.7千t、同−329.6千t)などが減少している。 インドネシアの減少はGrasberg鉱山の品位低下による 減産などが要因となった。 2012年2月1日の報道によると、ペルーのCerro Verde 銅・モリブデン鉱山は、2012年内に拡張プロジェクト の実施に必要な諸手続きが完了するとの見通し。1日当 たりの選鉱処理能力が12万tから36万tに増強される 予定である。 また、2012年2月12日、インドネシアBatu Hijau銅・ 金鉱山の操業会社であるPT Newmont Nusa Tenggara社 は、2012年の同鉱山の精鉱生産量が前年比33.2%減の 32.6万tとなる見通しであることを示した。高品位部 鉱石採掘の減少が主な要因とのことである。現在、同 鉱山は第6フェーズの拡張期に入っており、新たな露天 ピット開発に着手したところだが、同ピットで高品位 部鉱体の採掘が始まるのが2013年初頭になる見込みで、 それまでは、ストック分も含めた銅換算含有率0.5%以 下の低品位鉱石の生産となる予定である。 2012年3月5日、ザンビアでは同国環境管理庁(ZEMA: Zambia Environmental Management Agency)が ス イ スGlencore社が所有するMopani銅鉱山のMufuliraヒープリ ーチング・プラントの操業を一時停止するよう命じた。 Mopani銅鉱山の周辺住民が、Mufuliraプラントから排 出される酸性霧が原因で健康に悪影響が生じていると して、ZEMAに苦情を訴えたとされる。Mufuliraプラン トの操業再開には、酸性霧障壁及び汚染物質排出管理 のための装置を設置すること等が含まれている。 同じザンビアでは、中国有色金属有限公司のMulyashi 銅鉱山が2012年3月中に生産を開始するとも報じられて いる。露天掘りで、年間生産4.1万tが計画されている。 これにより、ザンビアでの銅生産量は2012年には前年 に比べ6.7%増加し、80万tに達する見込みである。
Freeport-McMoRan Copper & Gold Inc.がインドネシア で保有するGrasberg銅鉱山については、2012年2月23日 から再度、ストのため生産が中止された。再開は3月12 日 と 伝 え ら れ た。 こ れ に 伴 い、Freeport-McMoRanは Grasberg銅鉱山の2012年第1四半期生産量が30%減産と なると発表している。 <供給・銅地金生産量> 世界の銅地金生産量は、2011年12月と2012年1月は、 それぞれ、1,721.9千t、1,692.6千tで、2011年累計で は19,649.8千tとなり、前年比644.0千tの増加(前年比 3.4%の上昇)となっている。主要な生産国別に見ると、 2011年累計では中国(5,197.1千t、前年比+656.8千t)、 ロシア(912.0千t、同+12.4千t)、ドイツ(709.2千t、 同+4.9千t)、インド(673.1千t、同+16.2千t)で増 加し、チリ(3,092.4千t、同−151.2千t)、日本(1,328.2 千t、同−220.5千t)、米国(1,032.5千t、同−60.5千t) で減少している。日本の生産量は東日本大震災による もので2011年4月には93.2千tまで落ち込み、リーマン ショックの影響による2009年2月の104.0千tを2か月連 続して下回る結果となったが、10月以降、回復を見せた。 DRCコンゴでは、中国有色鉱業集団の傘下企業、中 色華鑫湿法製錬有限公司が投資建設していた年産1万t の湿式銅製錬場が竣工し、生産が開始された。2012年2 図1-2. 世界の銅需給推移〔2009年1月~2012年1月〕 (出典:ICSG) ベースメタル国際需給動向 ─銅─
需給動向
月18日、初の電気銅が電解槽から取り出され、正式に 生産に移行した。このプロジェクトは設計規模で年産1 万tの銅カソード、2千tのコバルト塩、4万tの硫酸 を製造するもの。 カザフスタンでは、2012年3月10日、Kazakhmysが、 2012~2014年の銅生産中期予想を当初予定の30万tか ら28.5万~29.5万tへと引き下げている。「引き下げの主 な理由は、鉱石中の銅品位の低下で、同社による銅平 均品位の予想は以前1.00%だったものが、2012年には 0.90%、その後0.85%まで下がる見込みである」として いる。 ま た、 フ ィ リ ピ ン で は、2012年3月20日、Glencore International社が、火災により2012年1月から操業が停止 されていたフィリピンPASAR銅製錬所の操業を2012年 7月までに再開する方針であると報じられている。同製 錬 所 の 銅 カ ソ ー ド の 年 産 能 力 は21.5万 t と な る。 Glencoreは現在78%の権益を所有している。 2012年3月26日、中国の、内モンゴル自治区赤峰市紅 山区文鐘鎮にある赤峰金剣銅業有限責任公司で火災が 発生。人的被害はない模様。同公司の生産能力は銅カ ソード3万t/年だが、しばらくは操業の停止が予想さ れている。 チ リ で も 製 錬 所 の 一 時 操 業 停 止 が 報 じ ら れ た。 CODELCOのChuquicamata製錬所(チリ第Ⅱ州)ではフラ ッシュ炉に精鉱が付着し操業がストップ、その期間が1 か月に及んだが修理は2月に終わり3月中にも再稼働さ れる予定とのことである。 <需要・銅地金消費量> 世界の銅地金消費量は、2011年12月と2012年1月で、 そ れ ぞ れ、1,681.1千 t、1,721.3千 t と な っ て い る。 2011年累計では19,884.6千tとなり、前年比520.7千t の増加(前年比2.7%の上昇)となっている。主要消費国 別に見ると、2011年累計では、中国(7,916.8千t、同+ 523.7千t)、ロシア(712.6千t、同+263.4千t)、イン ド(652.1千t、同+26.3千t)で増加、米国(1,761.0千t、 同−9.0千t)、日本(1,006.8千t、同−53.5千t)、韓国 (755.0千t、同−72.6千t)では減少した。ヨーロッパ ではEU15で2,962.5千t(同−26.8千t)となっている。 中国のメディアは、同国内の非鉄金属在庫量につい て、2012年3月9日の時点で、以下のように報じた。 取引所と保税区を合計した銅の中国内在庫は70万t 前後。アルミについてはそれにメーカー在庫などを加 えると120万t。亜鉛の中国内在庫量も100万tに達し ている。鉛については在庫量は比較的低いレベルにあ るが、それでも約40~50万t。川下の消費は決して明 るくない。銅・アルミについて言えば、電力送配電網 は好調だが、これも投資規模から見ると、送配電網建 設は2011年と同等か下降傾向である。銅の中間製品産 業では稼働率は再び上昇傾向にあるものの、かつての 勢いはない。2月の銅ワイヤロッドメーカーの稼働率は 40%であり、3月上旬には70%まで回復した。だが、 2011年3月の稼働率は80~90%に達していて、これと比 較すると低い。2012年2月の銅管メーカーの稼働率も 70.64%まで回復を見せたが、これも前年同月は80%前 後だった。 中国では年産15万tの銅ワイヤロッド生産設備が試 運転に入ったことも報じられている。 現地報道によると、浙江省諸曁市の浙江宏磊銅業有 限公司が建設していた年産15万tの高性能銅及び銅合 金ワイヤロッド生産設備が据付け調整を終え、試験運 転の段階となった。この設備は投資額164百万元(26 百万US$)でドイツから輸入した連続鋳造設備で、同 社が生産しているエナメル線用銅ワイヤロッド生産に 用いられ、競争力を引き上げることが期待されている。 <需給バランス> 世界の銅の需給バランスと価格の推移を図1-4に示 す。需給バランスは2011年1月から基調的には供給不足 に転じた。2011年3月と7月は僅かではあるが一時的に 図1-3. 中国の銅需給推移〔2009年1月~2012年1月〕 (出典:ICSG)
需給動向
ベースメタル国際需給動向 ─銅─プラスに転じたものの、10月、11月はマイナス幅が拡 大していた。12月はプラスに転じたものの、2012年1月 は再びマイナスとなっている。
3. 今後の需給見通し
中国の今後の銅需要についての見通しが以下のよう に相次いだ。 現地報道によると、2012年3月5日、中国第1位の銅生 産者である江西銅業の李胎煌董事長は、2012年の中国 の銅需要量は前年比7%前後の増加との見通しを示し た。3月2日の上海取引所の銅在庫量は221,500tに増加 し、2002年8月以来の多さとなっている。銅の最大消費 国である中国の需要が弱まるのではないかとの見通し が広がっていたが、李胎煌董事長の見通しはこれに反 するものとなっている。 一方、3月9日、銅陵有色の韋江宏董事長による「2012 年の中国の銅需要量は前年比6%増加する見通し」との 発言も伝えられている。 また、世界第2位の電線ケーブルメーカーである Nexans SAのSatrijo Tanudjojo会長は訪中時のインタビュ ーに答え、2013・2014年の中国の銅需要量の増加率を6 ~7%/年と見ていることを明らかにした。ただし、こ れは過去10年間の増加率が毎年10%以上であったこと と比べれば小さく、2012年の増加率予想4.7%よりは上 回るであろうとのこと。 同氏は「中国政府は現在の経済態勢を保持することで 経済成長は7%あるいは8%となるであろう。ケーブル 需要の伸びは経済成長に伴い約6%~7%の増加となる のではないかと思われる。中国のケーブル輸出が伸び れば、この増加率は更に押し上げられるかもしれない」 と述べた。 国際銅研究会は2012年4月、2012~2013年の需給予測 を発表した。 *需要 精錬銅の2011年の世界の需要量は19,885千t、2012 年と2013年の見込みは、それぞれ、20,386千t、21,188 千tである。2012年の消費量は2.5%成長が見込まれる。 ASEAN-10を除いたアジアが2012年は11,749千t(前年 比+3.2%)、2013年は12,276千t(同+4.52%)となり、 平均を上回る伸びを見せリードしている。EU27は、 2012年は3,264千t(同−1.1%)と減少を見せたが、2013 年は増加に転じ3,309千t(+1.4%)と見込まれている。 *供給 2011年の世界の銅鉱石生産は16,035千t、対前年比 0.0%となっている。2012年の見込みは、16,848千t(同+ 5.1%)で、アフリカ1,471千t(同+12.6%)、中南米 7,532千 t( 同 +10.0 %)、 オ セ ア ニ ア1,225千 t( 同 + 11.5 %)で10 % 以 上 の 伸 び が 見 込 ま れ て い る 一 方、 ASEAN-10は680千t(同−11.2%)と減少を示している。 2013年は世界計で18,127千tとなり、+1,279千t(同+ 7.6%)と大きな増加が見込まれている。ASEAN-10が 910千t(同+33.82%)と大きく回復するのをはじめ、 アフリカが1,740千t(同+18.3%)と引き続いて大きな 増加率を示し、ASEAN-10を除いたアジアが2,153千t (前年比+14.8%)となり、伸びも大きい。だが、中南 米については7,879千t(+4.6%)となり、増加率は低下 している。 同様に2011年の世界の精錬銅の生産量は19,650千t、 対前年比3.4%の増加となっている。2012年の見込みは、 20,149千 t( 同 +2.5 %)で、 ア フ リ カ1,165千 t( 同 + 21.2%)、アジア-CIS490千t(同+14.9%)が大きく、一 方、ASEAN-10が449千t(同−13.3%)と減少を示して いる。2013年の世界計は21,549千tで、+1,400千t(同+ 6.9%)と大きな増加が見込まれている。ASEAN-10が 567千t(同+26.3%)と大きく回復、アフリカも1,326千 t(同+13.3%)と伸びが大きい。ASEAN-10を除いたア ジアは、2012年が8,711千t(前年比+8.2%)、2013年も 9,307千t(前年比+6.8%)と大きな増加となっている。 これらの結果バランスは、2012年が237千tの供給の 不足、2013年が361千tの供給の過剰となっている。 図1-4. 銅地金の需給バランス〔2009年1月~2012年1月〕 ベースメタル国際需給動向 ─銅─需給動向
2. 鉛の国際市況と需給動向(2012年3月まで)
金属企画調査部
1. LME価格と在庫(2012年2月~3月)
2012年2月1日は2,210US$/tで始まり、前月末から の在庫の大幅増加を受けて軟調に推移、3日に2,147US $/tまで軟化。材料に乏しい中、もみ合いで推移、13 日に2,127.5US$/tを付けた後に軟化に転じ、その後、 ギリシャ問題への懸念から下落が進み、16日には1か月 ぶりに2,000US$/tを割り込み1,985US$/tまで軟化し た。翌17日には2,000US$/tを回復、その後ユーロ圏 財務相会合のギリシャへの支援合意や欧州株式の上伸 などに続伸、28日にヨーロッパ中央銀行の資金量的緩 和を好感し2,238US$/tをつけた。月末は小反落し 2,232.5US$/tで2月を終えた。 LME在庫は1日の366,225tから急増傾向をたどって いたが、15日からは減少に転じ、28日に365,350tとな ったが、月末は再び増加、5,100tの大量増加により 370,450tで2月を終えた。 2012年3月は2,155.5US$/tでスタートし、ギリシャ 問題懸念などを弱材料に7日に2,040US$/tまで下落し た。8日から銅などにつられて、ギリシャ国債の目途が ついたことや中国・米国などの経済指標を材料に反発、 13日に2,122US$/tまで上昇した。14日からはユーロ 値動きにつられて軟化し、15日に2,095.5US$/tをつけ た。小反発後、ユーロ圏経済統計の発表を嫌気して軟 調となり23日には再び1,900US$/t台の1,995US$/tま で下落した。月末は堅調な上海市場の鉛価格につられ 30日に2,020.5US$/tとなり、2,000US$/tを回復して 3月を終えた。 LME在庫は1月初めの369,950tから減少して始まり、 図2-1. 鉛:LME平均価格と在庫の推移〔2008年1月1日~2012年4月〕 月半ば以降は増加に転じ、月末には376,575tになって いる。 図2-1にLME価格と同在庫の推移を示す。2. 需給
図2-2に世界の鉛需給の推移を、図2-3に世界の鉛需 給に占める比率が大きな中国の需給推移を示す。 <供給・鉱石生産量> 世界の鉱石生産量の2012年1月と2月の値は、それぞ <月間平均値(US$/t)> 2010 年 2011 年 2012 年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 2,368 2,124 2,172 2,265 1,883 1,704 1,837 2,076 2,184 2,380 2,377 2,413 2,602 2,587 2,624 2,741 2,435 2,499 2,683 2,405 2,299 1,949 1,982 2,019 2,094 2,126 2,061 − − − − − − − − − 1~ 12 月 2,148 2,398 −需給動向
ベースメタル国際需給動向 ─鉛─れ、378.4千t、391.9千tで、2012年累計では770千t となり、2011年の589千tと比べると181千t増加(前年 同期比+30.7%)となっている。主要生産国別に見ると、 2012年2月までの累計で前年比増加を示しているのは中 国(384千t、前年同期比+156千t)、豪州(92千t、同+ 14千t)、メキシコ(39千t、同+1千t)、ペルー(39千 t、同+5千t)、インド(23千t、同+3千t)、ロシア (20千t、同+1千t)である。一方、米国(53千t、同− 2千t)が減少している。なお、ヨーロッパはEU27で33 千tと前年同期比+3千tの増加であった。 中国での報道によると、3月初めに広東省菫塘鎮の児 童に血中鉛濃度異常が報告され、大気や食物を通じて の鉛の体内蓄積と特定、当地関連鉛企業からの排出と 自然条件によるものとされた。この結果、10企業が疑 われ、その中に中金嶺南有色金属股份有限公司(以下「中 金嶺南」と略)の2事業所も含まれ、3月5日に中金嶺南は、 年産20万tの広東省にある凡口鉛・亜鉛鉱山と年産11 万tの丹霞亜鉛製錬所の生産を停止した。 3月29日、現地のメディアは、生産が停止されていた た中金嶺南傘下の凡口鉛亜鉛鉱山と丹霞製錬所につい て、凡口鉛亜鉛鉱山が試験的に生産を再開したと発表 した。中金嶺南によれば、同鉱山は検査を終え粉塵排 出や通風設備等の整備強化等を終えたとしている。 <供給・鉛地金生産量> 世界の鉛地金生産量は、2012年1月と2月は、それぞれ、 762.9千t、802.0千tとなった。2012年1~2月累計では 2010年同期比91千t減少(同−5.5%)して1,566千tとな っている。 主要生産国別で、2012年1~2月累計では、中国(576 千t、前年同期比−117千t)が鉱石と同様に大きなシ ェアを示しているものの、生産量では減少となった。 それに続く生産国では、米国(224千t、同+5千t)、 インド(77千t、同+6千t)、韓国(77千t、同+7千t)、 カナダ(49千t、同+4千t)、英国(49千t、同+4千t)、 メキシコ(47千t、同+2千t)、日本 (45千t、同+4千t)が増加している。 ドイツ(73千t、同±0千t)、豪州(38 千t、同±0千t)が同じ値であった。 なお、ヨーロッパはEU27では282千 tで+2千tの増加となっている。 世界の鉛消費の大きなシェアを占 める中国では、再生鉛企業の統合再 編を奨励する政策が示されている。 3月20日、中国再生 産業発展フォ ーラムで、工業情報化部省エネ総合 利用司総合処王孝洋副処長は「再生鉛 産業参入条件を近日中に公表し、参 入条件は一層強化される見込みであ る」と語った。また、「再生鉛産業の統 合・再編が奨励し、政策面及び資金 面での援助が盛られる方針である」と 言及している。また、環境保護部汚 染防治司戴祥介処長は「現在、鉛蓄電 池及び再生鉛企業に対する環境保護 検証ガイド」を公表しているが、2012 年から鉛蓄電池企業及び再生鉛企業 の環境保護検査を実施し、検査の有 効期限は2011年から3年間とする」と している。 同じ中国では、新たな鉛製錬プラ ントの火入れが2012年2月22日に行わ れたと報じられた。これは、江銅集 団傘下の江西金徳鉛業の10万t/年の 鉛製錬設備で、江西省で増加する鉛 地金の需要のほか、広東や福建の蓄 電池用原料として供給される予定。 この設備はもともと2011年には稼働 図2-3. 中国の鉛需給推移〔2009年1月~2012年2月〕 (出典:ILZSG) 図2-2. 世界の鉛需給推移〔2009年1月~2012年2月〕 (出典:ILZSG)
需給動向
ベースメタル国際需給動向 ─鉛─が計画されていたが、市場動向により延期されていた もの。調整試験等を経て3月末又は4月初めには製品が 出始める予定。 <需要・鉛地金消費量> 世界の鉛地金消費量は、2012年1月と2月で、それぞれ、 762.2千t、784.9千tとなっている。2012年1~2月累計 では前年同期比99千t減少(同−6.0%)して1,547千tと なっている。 鉱石生産・地金生産と同じく、大量消費国である中 国(1月269.3千t→2月303.8千t)の影響が大きい。2012 年1~2月累計を主要消費国別に見ると、米国(277千t、 同+2千t)、韓国(75千t、同+6千t)、ドイツ(64千t、 同+5千t)、イタリア(44千t、同+3千t)、日本(41 千t、同+4千t)で増加している。減少したのは、中 国(573千t、前年比−119千t)、インド(74千t、同− 3千t)、スペイン(45千t、同−3千t)であった。なお、 ヨーロッパはEU27で263千tとなり、前年同期比では6 千tの減少となっている。 中国有色金属工業協会のデータによると、中国では 2012年1~2月の中国内鉛生産量は57.59万t。その内1 月の生産量は26.69万tで、前年同月比23.9%の減少、 前月比でも38.55%減少となった。2月は30.90万tで、 前年同期比では5.28%減少するも前月比では15.76%の 増加となっている。 アナリストによれば、環境保護部等が推進している 重金属汚染防止政策が中国の鉛生産拡大に制限を加え ている面があるという。また、別の観点では、価格の 低下の下で鉛鉱山や製錬企業が減産したり修理に入っ たりして積極的な生産を抑制している面があるともい う。2012年1.2月の製錬企業稼働率は、それぞれ56.32% と52.42%で、前年同期と比べるとはるかに低い。価格 の低位安定が続くなら今ひとたびの減産は必至であろ う。だが、川下方面では、鉛蓄電池産業は中国の鉛の 80%を占める最大の需要家であるが、2012年1~2月の 鉛蓄電池中国内生産量は2,255万kVAhとなり、前年同期 比では7.2%の増加。昨年4Qの水準より好転している。 これは、最終需要である自動車産業の動向によるとこ ろが大きい。2012年1Qでの国内自動車メーカーの販売 量は低下しているが、蓄電池更新需要も期待されてい る。 <需給バランス> 世界の鉛の需給バランスと価格の推移を図2-4に示 す。需給バランスは2011年12月に一旦マイナスに転じ たが、以降はわずかだが供給過剰となっている。
3. 今後の需給見通し
国際鉛亜鉛研究会は2012年4月、2012年の需給予測を 発表した。 *需要 精錬鉛の2012年の世界の需要量は2011年比4.8%増加 し、10.78百万tと見込まれている。中国の鉛蓄電池産 業用途回復などにより+7.3%の増加が大きい、インド、 日本などのアジア諸国も増加が予測されるが、ヨーロ ッパでは前年比−0.7%と減少が見込まれている。 *供給 鉛鉱石の2012年の世界の生産量は2011年比4.9%増加 し、4.88百万tと見込まれている。、世界の52%を占め る中国が2.54百万tと増産される影響が大きい。 2012年の世界の鉛地金生産は、前年比+4.4%の増加 で10.90百万tとなる見込みである。ヨーロッパの一部 の国、カナダ、米国、中国やアジアの一部で増加が予 想されている。 これらの結果、鉛地金の需給の2012年バランスは、 供給が需要を114千t上回ると予想されている。 図2-4. 鉛地金の需給バランス〔2009年1月~2012年3月〕需給動向
ベースメタル国際需給動向 ─鉛─3. 亜鉛の国際市況と需給動向(2012年3月まで)
金属企画調査部
1. LME価格と在庫(2012年2月~3月)
2012年2月は1日に2,091.5US$/tで始まり、小幅な値 動きの中、10日に2,087.5US$/tとなった後、他の非鉄 金属に引きずられながら16日に1,951US$/tと2,000US $/tを割り込んで急落。14日に在庫が一転して急増し たことも材料視された。21日にはユーロ圏財務相会合 がギリシャへの第二次支援について合意したことを好 感し2,000US$/tを回復、欧州株価の上昇などを背景 に上伸、23日の在庫急増にも拘わらず月末にかけて続 伸、29日に2,125.5US$/tとなり2月を終えた。 3月は1日に反落して2,083.5US$/tで始まり、2日に 小反発したものの3日からは再び値を下げ、ギリシャ問 題への懸念から続落、7日に2,000US$/tを割り込み 1,987US$/tまで下落した。8日にはギリシャ国債の目 途がついたことを好感して反発、中国・米国などの経 済指標の改善や独首相のユーロ救済基金の規模拡大発 言などを受け、16日に2,084US$/tまで上伸。その後 軟化に転じ、20日にはユーロ圏PMIが予想を下回った こ と な ど か ら 下 落、26日 に 再 度1,900US$/t 台 の 1,990US$/tとなり、月末は一進一退の中2,003US$/t で31日を終えた。 LME在庫は増加した。2012年2月初には842,500tだ ったが、減少傾向が続くと急増する展開の中で、3月末 には897,375tまで増加している。 図3-1にLME価格と同在庫の最近の推移を示す。2. 需給
図3-2に世界の亜鉛需給の推移を、図3-3に世界の亜 鉛需給に占める比率が大きな中国の需給推移を示す。 <供給・鉱石生産量> 世界の鉱石生産量の2012年1月と2月の値は、それぞ れ、1,021.8千t、1,052.3千tで、2012年1~2月累計で は2,074千tとなり、前年同期比215千tの増加(前年同 <月間平均値(US$/t)> 2010 年 2011 年 2012 年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 2,434 2,157 2,275 2,367 1,968 1,743 1,844 2,045 2,151 2,372 2,292 2,281 2,372 2,465 2,349 2,372 2,190 2,203 2,391 2,212 2,077 1,859 1,916 1,916 1,981 2,058 2,035 − − − − − − − − − 1~ 12 月 2,159 2,191 − 図3-1. 亜鉛:LME平均価格と在庫の推移〔2008年1月~2012年4月〕 ベースメタル国際需給動向 ─亜鉛─需給動向
期比+11.6%)となった。主要生産国別に見ると、2012 年1~2月累計で前年比増加を示しているのは、中国(577 千t、前年同期比+160千t)、豪州(237千t、同+14 千t)、インド(146千t、同+8千t)、メキシコ(115千 t、同+5千t)、カナダ(110千t、同+4千t)である。 一方、ペルー(208千t、同−19千t)、米国(128千t、同− 1)で生産量が減少している。ヨーロッパはEU27で134 千tとなり、前年同期比16千tの増加であった。 韓国では高麗亜鉛とTeckの鉱石加工費協議が妥結、 2011年より16%下落と報じられた。中国のメディアが 報 じ た も の で、2012年2月22日、 国 際 亜 鉛 協 議 会
(International Zinc Association)の開催関係者は、韓国の 亜鉛製錬メーカーである高麗亜鉛とTeck Resourcesとの 間で、2012年の鉱石加工費を191US$/tとする協議が 妥結したと語った。これは2011年に比べ16%の下落と なる。関係者によれば、加工費の条件は、LME先物価 格2,000US$/tがベースになっているとのことである。 メキシコではNuestra Señora多金属鉱山の選鉱プラン トの拡張が報じられた。
これはScorpio Mining Corp.(本社:トロント)が2012 年1月30日付けで同社HPに公表したもので、メキシコ・ シナロア州に保有するNuestra Señora多金属鉱山の選鉱 図3-2. 世界の亜鉛需給推移〔2009年1月~2012年2月〕 図3-3. 中国の亜鉛需給推移〔2009年1月~2012年2月〕 (出典:ILZSG) (出典:ILZSG)
需給動向
ベースメタル国際需給動向 ─亜鉛─プラントを1,500t/日から2,750t/日に拡張するとのこ とである。環境影響評価報告書の認可を取得次第着工 し、2012年Q4の工事終了を予定している。
また、カナダではXstrata Zinc社の亜鉛鉱山の閉山予 定が伝えられている。
Xstrata Zinc Canada社(以下、Xstrata社)は、2012年3月 28日、ニューブランズウィック州に位置するBrunswick 亜鉛・鉛・銅・銀鉱山を2013年3月までに閉山すると明 らかにした。同鉱山は1953年に発見、1964年に生産開 始となった鉱山で、これまでに133百万tの鉱石を産出 している。本鉱山は、2010年に閉山する予定であった ところ、企業努力により2013年までマインライフが延 長したが、現在、残りの鉱量としては300万t以下であ り、1年程度しか採掘が継続できない見込みである。 なお、豪州QLでは、サイクロンにより亜鉛鉱石の船 積み停止が4日にわたった。五鉱集団の豪MMG関係者 によると、豪のCenturyの亜鉛鉱石の船積みが4日間停 止された。Centuryは世界で第二位の亜鉛鉱石生産を行 っている企業だが、サイクロンOlgaが来襲したことで、 QLの積出し港Karumbaで作業が停滞したもの。船も天 候の改善を待つため港口で停船待機した。 中国での報道によると、3月初めに広東省菫塘鎮の児 童に血中鉛濃度異常が報告され、大気や食物を通じて の鉛の体内蓄積と特定、当地関連鉛企業からの排出と 自然条件によるものとされた。この結果、10企業が疑 われ、その中に中金嶺南有色金属股份有限公司(以下「中 金嶺南」と略)の2事業所も含まれ、3月5日に中金嶺南は、 年産20万tの広東省にある凡口鉛・亜鉛鉱山と年産11 万tの丹霞亜鉛製錬所の生産を停止した。一時は、「凡 口の生産停止が3か月に及ぶことがあれば、中国の亜鉛 輸入量は増加する。また、3か月停止されるなら国内鉱 石供給が厳しくなり、金属の製錬生産量の減少に繋が る」との懸念が生じた。3月29日、現地のメディアは、 生産が停止されていたた中金嶺南傘下の凡口鉛亜鉛鉱 山と丹霞製錬所について、凡口鉛亜鉛鉱山が試験的に 生産を再開したと発表した。中金嶺南によれば、同鉱 山は検査を終え粉塵排出や通風設備等の整備強化等を 終えたとしている。 また、中国では、2011年の亜鉛精鉱生産量が前年比 16.45%増加したとの報道があった。以下のような要因 が示されている。さらに、2012年の国内精鉱生産は 2011年と同様な成長度を確保できる見通しもある。 ①鉱山の生産能力の拡充について、2011年は春節後に 続々といくつかの省区での新設拡大などで稼働が開 始された。 ②鉱産資源の整理が進展し、減産や停止していた鉱山 が再開した。例えば、陝西省では2011年は27.23万t に達し、これは前年比52.3%の増加となっている。 ③製錬企業による需要の増加。国内製錬の生産能力拡 充の一方で輸入精鉱が減少し、国内精鉱の需要が大 きかった。 <供給・亜鉛地金生産量> 世界の亜鉛地金生産量は、2012年1月と2月で、それ ぞれ、1,055.9千t、1,075.4千tで、2012年1~2月累計 では2,131千tとなり、前年同期比33千tの増加(前年 同期比+1.6%)となっている。主要生産国別に見ると、 2011年累計で増加を示しているのは、韓国(148千t、 前年同期比+10千t)、インド(143千t、同+14千t)、 カナダ(110千t、同+5千t)、日本(110千t、同+13 千t)、豪州(88千t、同+11千t)で、中国(775千t、同− 27千t)が減少している。スペイン(87千t、同±0千t) は前年同期と同量であった。ヨーロッパはEU27では 340千tとなり、前年同期比1千tの増加であった。 中国では、亜鉛製錬企業の2012年1月稼働率が前月比 5.22ポイント低下したとの報道もある。 中国メディアの報道によると、亜鉛製錬企業の2012 年1月の平均稼働率は61.35%となり、前月比5.22ポイン ト低下した。生産量は27.89万tで、前月比1.49%減少。 この調査は43企業をサンプルとして、亜鉛生産能力で は国内の85%をカバーする。 年産能力ごとの分類は以下のとおりである。 ・20万t/年以上の生産能力の大型企業6社稼働率 2011年8月73.60%→9月72.41%→10月71.82%、12月 71.53%→2012年1月66.44% ・10~20万t/年の企業 2011年8月78.67%→9月71.37%→10月61.54%、12月 68.8%→2012年1月64.7% ・10万t/年未満の生産能力の小型企業 2011年8月58.32%→9月49.52%→10月48.11%、12月 43.33%→2012年1月42.34% <需要・亜鉛地金消費量> 世界の亜鉛地金消費量は、2012年1月と2月で、それ ぞれ、1,022.9千t、1,044.5千tで、2012年1~2月累計 では2,067千tとなり、前年同期比72千tの増加(同+ 3.6%の上昇)となっている。2012年1~2月累計で主要 消費国別に見ると、中国(845千t、前年同期比+23千 t)、米国(146千t、同+5千t)、韓国(103千t、同+ 3千t)、インド(103千t、同+33千t)、日本(84千t、 同+3千t)と増加した。また、ドイツ(77千t、同−4 千t)、ベルギー(68千t、同−8千t)、イタリア(54千 t、同−3千t)などで減少した。ヨーロッパはEU27で は360千tとなり、前年同期と同じ消費量であった。 中国では天津でガルバリウム鋼板ラインの稼働が間 ベースメタル国際需給動向 ─亜鉛─
需給動向
近との報道があった。現地報道が3月上旬に伝えたもの で、天津市西青区の王穏荘鎮の高端金属工業区で建設 が進められていた天津皆誠亜鉛メッキフープ有限公司 のガルバリウム鋼板ラインが、近々完工し稼働も近い 見込みとなった。総投資額1.2億元(19百万US$)で、 2011年2月に着工し、2つのメッキラインが建設されて いる。 <需給バランス> 世界の亜鉛の需給バランスと価格の推移を図3-4に示 す。2010年12月以来バランスはプラス(供給過多)を示 していたが、2011年10月に至りマイナスに転じた。し かし、11月以降は再びほぼプラスを示している。
3. 今後の需給見通し
国際鉛亜鉛研究会は2012年4月、2012年の需給予測を 発表した。 *需要 精錬亜鉛の2012年の世界の需要量は2011年比4.4%増 加し、13.41百万tと見込まれている。中国で7%の増加、 日本が7.2%の増加、米国も5.1%の増加が予測されてい るほか、ブラジル、インド、韓国、トルコなども増加 が見込まれている。 *供給 亜鉛鉱石の2012年の世界の生産量は2011年比3.9%増 加し、13.45百万tと見込まれている。中国、フィンラ ンド、カザフスタン、ペルーなどの国で増加が予想さ れている。また、アフリカは2012年下半期で増加が見 込まれる。これにはブルキナファソにあるGlencoreの Perkoa鉱山の稼働による。 2012年の世界の亜鉛地金生産は、前年比+4.4%の増 加で13.66百万tとなる見込みである。主にアジアの増 産が反映されている。 これらの結果、亜鉛地金の需給の2012年バランスは、 供給が需要を249千t上回ると予想され、供給過剰が続 いている。 㻏 㻏 㻏 㻏 㻏 㻏 図3-4. 亜鉛地金の需給バランス〔2009年1月~2012年2月〕需給動向
ベースメタル国際需給動向 ─亜鉛─金属企画調査部
4. ニッケルの国際市況と需給動向(2012年3月まで)
1. LME価格と在庫(2012年2月~3月)
2012年2~3月は、LME在庫の増加に伴い価格の下落 傾向がみられた。 2月1日は20,870US$/tでスタートし、8日まで米雇 用統計やユーロ高を映して上伸、その後、在庫の増加 に伴い16日には1月19日以来の20,000US$/t割れとな り、ドル高やギリシャ問題への懸念による非鉄金属全 般の動きにつれて下落、21日にはギリシャ支援決定を 好感して20,100US$/tに反発した。その後再び軟化後、 28日に小反発後、29日は19,900US$/tで2月を終えた。 3月は軟調で始まり、1日の19,745US$/tから6日の 18,700US$/tまで続落。7日に18,775US$/tに小反発 後、8日にはギリシャ国債問題の目途感から値を上げ 19,000US$/tまで戻し、在庫減少とともに上伸した。 だが、14日に19,350US$/tを付けると再び軟化傾向と なり、月末に向かい中国株式の続落にともない下落、 28日には2011年12月29日以来の17,000US$/t台とな り、更に翌29日は最近の最安値である2011年11月30日 の16,935US$/tに迫る17,405US$/tを記録、30日は反 発して17,430US$/tで3月を終えた。 LME在庫は上昇傾向を示し、3月1日に100,000tに迫 る99,030tに達したところで、いったん減少。その後 再び増加傾向となり、3月末を99,882tで終えた。 図4-1にLME価格と同在庫の最近の推移を示す。 図4-1. ニッケル:LME平均価格と在庫の推移〔2008年1月~2012年4月〕 <月間平均値(US$/t)> 2010 年 2011 年 2012 年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10 月 11 月 12 月 18,439 18,976 22,461 26,031 22,008 19,389 19,518 21,413 22,643 23,807 22,909 24,111 25,646 28,252 26,812 26,329 24,210 22,344 23,721 22,075 20,385 18,879 17,877 18,144 19,815 20,465 18,710 − − − − − − − − − 1~ 12 月 21,809 22,831 −2. 需給
図4-2に世界のニッケル需給の推移を、図4-3に世界 のニッケル需給に占める比率が大きな中国の需給推移 を示す。 <供給・鉱石生産量> 世界の鉱石生産量の2012年1月と2月の値は、それぞ需給動向
ベースメタル国際需給動向 ─ニッケル─れ、167.5千t、168.1千tで、2012年1~2月累計では 335.6千tとなり、前年同期比47.4千tの増加(前年同期 比+16.5%)となっている。 主要生産国別に見ると、2012年1~2月累計で増加し たのは、インドネシア(56.0千t、前年同期比+10.0千t、 前年同期比+21.7%)、フィリピン(45.0千t、同+9.0 千t、同+25.0%)、カナダ(36.6千t、同+2.4千t、同+ 6.7%)、豪州(36.0千t、同+4.5千t、同+14.4%)、ブ ラジル(25.5千t、同+13.5千t、同+112.5%)、ニュ ーカレドニア(16.9千t、同+0.2千t、同+1.4%)、中 国(14.9千t、同+0.1千t、同+0.9%)、コロンビア(14.0 千t、同+2.0千t、同+16.7%)などである。また、ロ シア(45.0千t、同±0.0千t、同±0.0%)が前年同期比 増減なしである。 カナダでは、Valeが操業しているON州サドベリー地 区のColeman鉱山で作業員の死亡事故が発生。これに伴 い、同社のサドベリー地区すべての鉱山の操業が一時 停止されたことが発表された。これは2012年1月29日午 後、男性作業員が坑道作業中に落盤で死亡したことを 受けたもの。鉱山操業に対してのみ停止措置が取られ、 Valeは、同社のClarabelle選鉱場、Copper Cliff製錬所、 Copper Cliffニッケル精錬所は通常どおりの操業を行う とし、製品出荷には影響はないと発表した。
また、カナダでは、URSA Major Minerals Incorporated. (本社:ON州トロント)が、2012年2月3日、ON州サド ベリーの70km西に位置するShakespeareニッケル鉱山の 操業を一時中断すると公表した。URSA社のCEOは中 断の理由を「鉱石の加工処理契約が2011年12月に終了 し、新契約を締結できていないためである。」と述べて いる。同鉱山は2008年10月にもニッケル価格の下落を 理由に操業を一時中断している。 一 方、 豪 州 で は、Norilsk NickelのWA州Honeymoon Wellニッケルプロジェクトの開発が報じられている。 これは、2012年2月7日南ア・ケープタウンで開催さ れたMining Indabaで講演したNorilsk Nickel海外事業部 門のRoman Panov氏が公表したもので、2011年に実施し たFSの検討の結果、Honeymoon Wellニッケルプロジェ クトの開発準備を年産4万t(Ni純分)の規模で開始する と語った。
Honeymoon Wellプ ロ ジ ェ ク ト は、WA 州、BHP Billitonが所有するNickel WestのMount Keith鉱山の北方 40 kmに位置する塊状~鉱染状硫化物鉱床で、資源量 131.5百万t、ニッケル品位0.75%が計上されている。 図4-2. 世界のニッケル需給推移〔2009年1月~2012年2月〕 図4-3. 中国のニッケル需給推移〔2009年1月~2012年2月〕 (出典:INSG) (出典:INSG)
需給動向
ベースメタル国際需給動向 ─ニッケル─<供給・ニッケル地金生産量> 世界の一次ニッケル生産量(INSGによる"Primary") は、2012年1月と2月で、それぞれ、147.1千t、144.2千 tで、2012年1~2月累計では291.5千tとなり、前年同 期比35.1千tの増加(前年同期比+13.7%)となった。主 要生産国別に見ると、2012年1~2月累計で、中国(83.2 千t、前年同期比+20.9千t、前年同期比+33.6%)、 ロシア(43.7千t、同+1.2千t、同+2.7%)、カナダ(27.7 千t、同+2.2千t、同+8.7%)、豪州(20.0千t、同+ 5.2千t、同+35.3%)、ノルウェー(16.0千t、同+0.9 千t、同+6.0%)で増加し、日本(28.4千t、同−1.1千t、 同−3.8%)、EU27(19.8千t、同−0.2千t、同−1.1%) で減少している。 インドネシアでは国営Antam社が、2012年のフェロ ニッケル生産量は前年比9%減の1.8万tの見通しを発 表した。 2012年2月1日付け地元紙の報道によれば、インドネ シア国営Antam社は、2012年のフェロニッケル生産量 は、2011年比8.6%減となる1.8万tの見通しであること を示した。これは、中央スラウェシのPomalaa第2製錬 所の計画的メンテナンスのため、約3か月間稼働停止す ることによるもの。一方、同ニッケル鉱石生産量に関 しては、強い需要が継続していることを見込み、前年 の796万wt(湿鉱量)から18%増となる940万wtと増産を 計画している。 中国では、遼寧省普林ニッケル業有限公司のニッケ ル製錬所の稼働が間近との報道もある。現地報道が3月 に伝えたもので、遼寧省撫順市の清原満族自治県紅透 山工業団地にある遼寧省普林ニッケル業有限公司では、 国家が推奨するプラントとしてラテライト鉱15万t/年 を処理して年産4,500tの粗ニッケルを生産するライン 及び付帯設備の建設がいよいよ終盤を迎え、稼働も近 づいている。 このプラントは2010年3月に着工し、現在電力設備の 施工中で、生産開始に向けた最終準備が進んでいる。 今回の投資額は4.5億元(71百万US$)で、生産開始は 2012年5月1日と予定されている。 <需要・ニッケル地金消費量> 世界の一次ニッケル消費量は、2012年1月と2月で、 それぞれ、133.2千t、131.7千tで、1~2月の2012年累 計では264.9千tとなり、前年同期比0.1千tの増加(前 年同期比+0.1%)となっている。2012年1~2月累計で は、中国(114.0千t、前年同期比+6.0千t、前年同期比+ 5.6%)が増加し、EU27(57.3千t、同−0.4千t、同− 0.6%)、日本(21.8千t、同−6.2千t、同−22.1%)、米 国(20.5千t、同−1.5千t、同−6.8%)、韓国(13.0千t、 同−.04千t、同−3.0%)の主な消費国で減少した。 <需給バランス> 世界のニッケルの需給バランスと価格の推移を図4-4 に示す。需給バランスは2011年5月以降、ほぼバランス しつつも全般的にはプラスで推移している。