総説 ウメとプラム
三 谷 隆 彦 1)、矢 野 史 子 2)
ある種の食品は健康の維持や病気の予防に効果があるとされている。プラムやプルーンはウメの仲間で、
主に欧米で食されて、健康によい果物として知られている。プラムやプルーンは、成分研究が詳細に進め られ、そのヒトの身体や健康に及ぼす効果も解明されてきている。一方、やはり古来より身体に良いとさ れるウメであるが、その機能性成分の実体はもう一つよくわかっていない。ウメとプラムの研究の現状を 比較して、ウメにおいてもその成分研究が進めることこそ、今後のウメの市場の開拓につながることを述 べる。
1.ウメ
ウメ(Prunus mume. Sieb. et Zucc.)は、バラ科サクラ亜科サクラ属スモモ亜属に属し、スモモやアンズ の仲間である1)。中国江南が原産で古代日本に渡来し、日本での主な生産地は、和歌山県、群馬県、長野 県である。平成 17 年度の農林水産統計によると和歌山県は、ウメの全国収穫量の 56%(69,300t)を占め、
日本一の収穫量を誇っている。和歌山県で最も栽培されているウメの品種は「南高」で、その栽培面積は 全体の約 80%を占めている。「古城」、「小粒南高」、「小梅」などがこれに続くが、産地を特徴付ける代表 的品種は、「南高」である(表1)2)。
「南高」の特徴は、種子が小さく果皮が薄い為、果肉率が高い事、香気特性に優れている事等が挙げら れる。梅干に加工した際、独特の軟らかさを持った果肉と芳醇な香りが得られる2)。このうち「南高」と「小 梅」は、主に梅干に、「古城」は、梅酒に用いられる。
1. 近畿大学先端技術総合研究所 〒642-0017 和歌山県海南市南赤坂 14-1 2.近畿大学生物理工学部生物工学科 〒649-6493 和歌山県紀の川市西三谷 930
表1 和歌山県で栽培されているウメの主な品種
ウメは主に日本で食されており、朝鮮半島と中国・台湾でわずかに消費されているに過ぎない。中国では、
未成熟のウメ果実を燻して「鳥梅」という漢方薬にして、消化器系の疾患に用いている1)。しかしながら、
ウメは身体に良い食べ物と認知されているものの、これまでその機能性成分についての詳しい解析や、ヒ トを対象とした介入試験などは、あまり行われておらず、いわば言い伝えのレベルにとどまっている。
2.ポリフェノール
植物由来の二次代謝物質は phytonutrients、あるいは phytochemicals とも言われている。これらの物質 の中でもポリフェノールは、8000 以上の種類があり、果物、野菜に広く分布している。これまで色素、紙、
化粧品、食品添加物などとして利用されてきた。ポリフェノールは、フラボン、フラボノール、カテキン、
アントシアニジンといったフラボノイドと、フラバノンやフラバノール、桂皮酸や安息香酸といったフェ ノール酸、リグナン、スチルベン等に分類される(図1および図2)。
ポリフェノールの摂取量は、食事の内容によるが、最大で1日1g を摂取していると思われ、ビタミン Cの数十倍、ビタミンEやカロチノイドの数百倍に達している3 4)。疫学研究からもポリフェノールが心 臓疾患、骨粗鬆症、神経変性疾患、糖尿病などの発症予防に寄与していると言う報告は数多くある。その 一例として「フレンチパラドックス」が挙げられる5)。すなわち 1 日の乳脂肪の摂取量と心臓病による死 亡数は世界各国の疫学調査で相関することが知られているが、ワインを飲酒するフランスではこの相関関 係からはずれているというもので、恐らくワイン中のポリフェノールが心臓血管系に良い影響を及ぼして
図1 ポリフェノールの種類(文献3)
図2 フラボノイドの種類(文献3)
いるのではないかという考え方である。ポリフェノールの薬理作用は、in vitro 試験、動物試験やヒト介入 試験も重ねられて、解明が試みられているが、その構造が持つ抗酸化活性なのか、あるいはそれ以外の作 用に基づくものなのかは、まだ十分には明らかになっていない。
3.ウメの特殊成分
ウメに含まれる成分には、たんぱく質、炭水化物(糖質)、脂質、無機質(灰分、ミネラル)、ビタミン と言った栄養素と、ポリフェノールなどの非栄養素に大きく分けられる。非栄養素は、果物・野菜には相 当量が含まれている事が知られているが、通常、食品を分析する場合、これらは炭水化物の中に組み込ま れてしまう為、数値としては表われてこない。
ウメの栄養素、非栄養素を含めた特殊成分では、まず初めに有機酸が挙げられる。ウメは、その果実内 にクエン酸やリンゴ酸等の有機酸を多量に蓄積する事が大きな特徴である。ウメ果実中では、有機酸は4
〜6%に達する。ウメの未熟果にはリンゴ酸が多いが、成熟とともにクエン酸が大部分を占めるようにな る2)。クエン酸は、クエン酸回路の構成成分としてエネルギー源や、同化物質の前躯体として用いられる。
スポーツ飲料やサプリメントに広くクエン酸が使われているが、これはクエン酸ナトリウムで、運動時に 筋肉中に蓄積してくる乳酸を中和して筋肉や血液の酸性化を防ぎ、運動能力の亢進や疲労回復に効果を 狙ったものである6)。
次にアミグダリンやベンズアルデヒドが報告されている。アミグダリン(図3)は、特にウメの未熟な 果肉や種子に含まれるシアン配糖体で、分解されてグルコース、ベンズアルデヒド、シアン化水素を生じ る7)。アミグダリンは、青梅の時期に多く含まれているので、青梅を極めて大量に摂取すると、分解され てできるシアン化水素で、中毒を起こす恐れがある7)。ベンズアルデヒド(図3)は独特の芳香を持ち、
免疫力を高めて、制癌効果をもたらす事が知られている。アメリカでは「レアトリル」という名称で、
1970 年代に一種のブームを引き起こしたが、現在では、その有効性、安全性に問題があるとされ、米国 食品医薬品管理局(FDA)は、アメリカ国内において使用すべきではないと警告している7)。
Chuda らは、梅肉エキス中に赤血球変形能を促進する物質ムメフラール(図3)の存在を報告している8)。 この物質は収穫した果実には存在せず、梅肉エキス製造工程で加熱する際に生じる新規物質で、5 ヒド ロキシメチルフルフラールとクエン酸が結合した化合物である。
白坂らは、リノール酸の自動酸化の抑制を指標に、梅酒に含まれる抗酸化物質の探索を行い、リグナン 誘導体であるリオニレシノール(図3)が、梅酒中に存在し、抗酸化活性を有する事を報告している9)。 Otsuka らは、リオニレシノールと同じリグナンの一種であるシリンガレシノール(図3)を単離し、胃粘 膜に生息するピロリ菌に対する抗菌作用を報告している10)。
Matsuda らは、ウメの花にヒドロキシ桂皮酸の配糖体であるプルノースⅠ、Ⅱ、Ⅲ(図3)が存在し、
ラジカル消去活性を有する事を見出した11)。
Ina らは、ウメ果実の抽出物が、実験動物において、降血圧作用を示す事を見出し、そこに含まれるク ロロゲン酸の一種が、アンジオテンシン変換酵素の阻害活性を持つ事を報告している12)。Sakagami は、
ウメ果実の抽出物が、腸管出血性大腸菌 O157 に対して、その最小発育阻止濃度の半分程度の濃度で、ベ ロ毒素の産生を抑制する事を報告している。活性の本体の単離には至っていないが、ポリフェノールであ ると推論している13)。尾崎らは、ウメから抽出したペクチン質が、培養大腸がん細胞においてシクロオキ シゲナーゼ 2遺伝子のプロモーター転写活性の抑制を見出し、ウメのペクチン質をペクチンリアーゼ分 解した後に、過熱処理する事で、培養白血病細胞の増殖を著しく阻害する物質が生成する事を報告してい る14)。
このようにいくつかのウメの特殊成分に関する研究は散発的に実施されているが、体系的な分類および その定量的な解析に関する研究は見当たらない。
4.ウメのポリフェノールと抗酸化活性
ウメ果実は、図4に示すような過程で生育する。我々はこの生育過程で、果実中のポリフェノール量及 び抗酸化活性がどのように変化するかを、果実の部位ごとで調べた。ポリフェノール量は Folin-Ciocalteu 法、抗酸化活性を ORAC(Oxygen Radical Absorbance Capacity)法で測定した。またポリフェノール画分 の分析は HPLC(High Performance Liquid Chromatography)を用いた15)。
図3 ウメに含まれている機能性成分の構造
まずウメ果実中のポリフェノール量は、収穫時期により果肉、核、仁の各部位で挙動が異なる事が明ら かとなった(図5)。果肉は硬核期、青果期、完熟期と成熟が進むにつれてポリフェノール量が減少して いた。一方核では、成熟が進むにつれてポリフェノール量が増加して、完熟期では果肉とほぼ同量に達し ている。また仁では、硬核期に多量に検出されたが、青果期になると減少し、青果期から完熟期にかけて 仁が形成されてしまうと、ほぼ一定になるという傾向が得られた。この収穫時期によるポリフェノール量 の変化は、抗酸化活性の変化と同じ挙動であった(図5)15)。
さらにウメの持つ抗酸化活性を他の果物や野菜と比較すると、ブル−ベリ−やブラックベリ−に次いで 抗酸化活性が高く、またケールとも同程度の抗酸化活性を有し、果物や野菜の中でもトップクラスの抗酸 化活性を有する事が明らかとなった(図6)15)。ところでウメの青果期、および完熟期のポリフェノール 量は kg 乾重当り、8〜9g で、プラムと比較すると品種にもよるが、同等もしくは4分の1程度であった。
しかしながら、抗酸化活性はウメの方がプラムよりも高い活性を示した(図6)。このことはそれぞれの 果物で存在しているポリフェノールの分子種が異なることを示唆している。
図4 ウメ果実の生育過程(文献1)
図5 各収穫時期における部位別のポリフェノール量(没食子酸当量)と抗酸化活性(ORAC 値)
そこでウメの抗酸化活性を持つ物質を同定するため、果肉を HPLC で分析したが、クロマトグラム上で 多種のピークが検出された。これらのピークを標準品として入手できる主なフラボノイド、フェノール酸、
スチルベン、リグナンと比較したが、現段階では一致するものはなかった。分取 HPLC および MS(Mass Spectrometry)を用いて同定を進めているが、まだ構造決定には至っていない。我々は、核では構成して いる分子のうち、エピカテキンとそのダイマーが存在する可能性を明らかにした。
ウメ果肉のポリフェノール抽出物を調製し、ラットにこれを投与して血中の動きを抗酸化活性、もしく は HPLC で調べた。その結果ウメのポリフェノールの一部分は消化管から吸収される事が確認出来た16)。
5.プラムとプルーン
プラム(ヨーロッパスモモ、Prunus domestica, P. salicina, P. subcordiata P. institiaなど)は、コーカサス 地方が原産で、その乾果はプルーンとして知られている果物である。ウメと同じ
Prunus
属に属している。この中でも
Prunus domestica
はプルーンを作るためのプラムとして、最も多く栽培されている。ところでこの「プルーン」という用語は、欧米で使われてきた(現在も使われている)が、米国ではプ ルーンはどちらかと言えばシニア世代が好んで食べ、またプルーンの表面にある果皮の皺が、ヒトの顔の 皺を連想させるということで、近年「プルーン」を「乾燥プラム(dried plum)」という言葉に言い換えす ることを薦めている。しかしこの総説では日本で通常用いられている「プルーン」という言い方を用いる ことにする。プラムは米国、欧州、南米などが主要な産地で、欧米を中心として食されているが、近年日 本でも乾果、およびその加工品が食べられるようになってきており、世界的に消費されている果物である。
ちなみに、日本で生食されているスモモは、ニホンスモモ、もしくはニホンスモモとアメリカスモモ(ア メリカ原産)の雑種であり17)、ここで取り上げるプラムと異なる。
プラムは生食されるよりも乾果、すなわちプルーンにして食される方が圧倒的に多い。産地では収穫期 が集中するため、貯蔵・加工法が工夫されてきたことによるわけで、そのためプラムと同等以上にプルー ンに関する研究も進められている。面白いことにウメも加工しなければならない果物であるので、この点 ではプラムと共通している。
図6 ウメと他の果物や野菜との抗酸化活性の比較
6.プラムおよびプルーンの特殊成分
プラムおよびプルーンは、ウメと同様にアミグダリンを種子中に持つので、特にプルーンはその加工中 にベンツアルデヒドを主成分とする独特の芳香を持つようになる。プラムおよびプルーン中にはウメと 違って糖分が多く含まれており、甘味を呈する。糖分の中でも特に、糖アルコールであるソルビトールが 多量(プラムおよびプルーンでそれぞれ 6.1 g 、14.7 g /100 g 、乾重)に含まれるため、多量に食すると 緩下作用が見られる18)。そのため主に女性が便通の改善に食しているようである。ミネラルの組成はウメ と類似しており、カリウムが比較的多く含まれている。
プラムおよびプルーン中の非栄養素、特にポリフェノールに関する多数の報告がある19 ‑ 29)。まずプラム 中には Kim らは、品種によって違いがあるが、1250 から 3760 mg / kg 湿重 含まれると報告している26)。 我々のウメのデータでは、約 806 から 905 mg / kg 湿重 であるので、同等もしくは4倍程度となる15)。
プラム中のポリフェノール組成は、これも品種によるが、主にクロロゲン酸が 75%を占め、次にアン トシアニンとフラボノールが 12%ずつ含まれる20)。
プルーンはプラムを 85 から 90℃で、18 時間加熱乾燥して製造される。その過程でポリフェノールは変 化することが報告されており、桂皮酸類は変化しないが、アントシアニンの中の主成分である cyanidin-3 rutinoside は大部分が消失する。そのためプルーン中のポリフェノール組成比は大きく変化する25 ,30)。
プルーン中のポリフェノール量と組成は、Donovan らが分析を行い、その総量は 1840 mg / kg 乾重 と している。その 94% が 3-O-caffenoylquinic acid(3-CQA)と 5-O-caffenoylquinic acid(5-CQA)であるク ロロゲン酸であると報告している20)。我々の研究でもこれを支持しているが、クロロゲン酸の別の異性体 4-O-caffenoylquinic acid(4-CQA)があることと(図7)、ポリフェノール類も含め多様な物質を検出・同 定している(図8)21),29)。Fang らは LC / MS / MS(Liquid Chromatography / Mass Spectrometry / Mass Spectrometry)を用いてクロロゲン酸と 40 種類のマイナーな化合物を検出している23)。
図7 クロロゲン酸の異性体(文献 21)
ところでウメの加工では、プラムからプルーンへの加工中に受けるような極端な加熱処理は施されない ことと、ポリフェノール類は一般に酸性条件で安定であることから、その保存中は大きな組成変化はなく、
また長期的にも安定性が高いのではないかと推定している。しかしながら梅干しを作る際、副産物の梅酢 に、ある程度の水溶性の成分が移行することも考えられるので、そのデータの収集、及び梅酢の分析を進 めている。
7.プラムおよびプルーンの抗酸化活性
プラムとプルーンは抗酸化活性が高い果物として知られており、その活性を担当する物質が明らかに なってきている。Chun らはプラム中の抗酸化活性を担う物質は、アントシアニンが大きく、ついでクロ ロゲン酸、フラボノールとしており、組成で大部分を占めるクロロゲン酸より比活性が 10 倍高いアント シアニンの方が抗酸化活性に対する寄与率が高いことを見いだしている27)。プラムとプルーンの抗酸化活 性については面白い結果が報告されている。Piga らはプラムを 85 から 90℃で乾燥させると、プルーン中 の抗酸化活性が元の2倍になり、60℃で乾燥させると変化がないことを見いだした(図9)25)。プラムか らプルーンに加工すると、ポリフェノールが減少し、とくに抗酸化活性に対する寄与率が高いアントシア ニンが失われるので、抗酸化活性の動きは明らかに矛盾している。加熱によりプラム中でメーラード反応 がおこり、メチルフルフラールが生成されることが知られている。これは 60℃ではわずかに生成するだ けで、85℃になるとその生成量が著しく増加する。メチルフルフラールは抗酸化活性を持つため、上記の 現象を説明することが出来た25)。
図8 プルーンから単離した物質の構造(文献 28)
ウメでも果肉を加熱してウメ濃縮エキスを作っているが、フルフラール類の生成が起きることから、抗 酸化活性でも同様の現象が起きていると推測される。
我々もプルーンの全抗酸化活性に及ぼすクロロゲン酸の寄与率は、28.8% であることを報告し、残りの 大部分はメチルフルフラールによるものと推測した28)。またこれ以外の化合物の同定を進めたが、個々の 物質の寄与率を詳細には調べ切れていない。
8.プラムおよびプルーンの機能性
プラムおよびプルーンはその成分分析が進んでおり、この情報に基づき様々な食品の機能性に関する研 究が進められている。クロロゲン酸は肝臓の glucose-6-phosphate translocase の阻害作用があり、糖尿病 に関連する glycemic index の改善につながるとされている31)。また、プルーンの摂取によりヒトにおい てインシュリンの分泌を促進する32)、あるいはラットの Na+-dependent D-glucose uptake を抑制すると 言う報告もなされている33)。水溶性食物繊維であるプルーンのペクチンが消化管からの脂質の吸収を抑え ることで、高脂血症を予防につながることが、ラット34)及びヒト介入試験35)で報告されている。また、
閉経前にプルーンの食物繊維を摂取すると、不活性なエストロゲン代謝物である 2-hydroxyestrone が活性 型の 16α-hydroxyestrone に変換することが押さえられることから、乳ガンなどのエストロゲンが関与 するがんの発症予防につながると言う報告がある 36)。プルーンにはホウ素が含まれることから、プルーン を給餌することでラットの骨形成を強めることが知られている37 ‑ 38)。
図9 プラム乾燥に伴う抗酸化活性の増加
Suger および President はプラムの品種名(文献 25)
9.おわりに
世界的に消費されている果物としては、オレンジ、グレープフルーツ、バナナ、リンゴ、ブドウ、パイナッ プル、ナシ、モモ、チェリー、イチジク、キーウイ、マンゴー、パパイヤ、ブルーベリー、ラズベリー などが挙げられるが、その消費拡大をはかるために、生産者同士が世界的な競争を繰り広げている。その 成分や機能性に関する研究は、販促資料としての意味もあり、近年、各国の生産者組合、大学、政府機関 が一体となって進めている。例えば世界のプルーンの 67% を生産するカリフォルニアでは、California prune board という生産者団体が、国・州の支援を受けて、研究資金を大学などに提供し、研究を後押し している39)。その結果、プラムおよびプルーンの研究は、ウメの研究と比較するとある程度進んでおり、
構成している分子の同定と、組成および量の全貌が明らかになっている。これに対して、ウメはこのよう な研究組織体制はとられていない。
古来より、『梅はその日の難のがれ』と言われ、朝出掛ける前に梅干を食べると、その日は、災難をま ぬがれるという話が伝えられているが、これを裏付けるデータを早急に確立することが、ウメを世界的に 認知させ、その販路を広げることにつながるのではないかと思われる。
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英 文 要 旨
Mume and Plum
Takahiko Mitani 1 , Fumiko Yano 2
It is well known that certain foods helps to keep us healthy and prevent chronic disease. Plums are the fruits of the genus Prunus in the Rosaceae family. Plums and prunes which are obtained by drying plum fruits are known as healthy food in the West. The chemical components of plums and prunes have been clarified and the various biological effects of the fruits consumption have been examined with fruits extracts or single isolated compounds. Mume fruits(Prunus mume. Sieb. et Zucc.)are also classified as functional foods or nutraceuticals in the Far East. However, there is no information available about the chemical components that have beneficial health-promoting effects. The aim of this review was to compare the research about the two fruits and to demonstrate that the analytical study of the components in mume should be useful to the promotion of mume consumption.
1. Institute of Advanced Technology, Kinki University
2. Department of Biotechnological Science, Faculty of Biology-Oriented Science and Technology, Kinki University