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大学生のまちなか交通アクセスとその評価 : 大学 連携センター「Fスクエア」利用学生を対象に

著者 川本 義海, 奥田 朱音

雑誌名 福井大学地域環境研究教育センター研究紀要 「日

本海地域の自然と環境」

巻 24

ページ 55‑62

発行年 2017‑11‑01

URL http://hdl.handle.net/10098/10292

(2)

(キーワード:交通アクセス,Fスクエア,まちなか,大学生、交流)

YoshimiKawamoto

(DepartmentofArchitectureandCivilEngineering,FacultyofEngineering,UniversityofFukui,Fukui,910-8507)

** AkaneOkuda

(FujiConsulCo.Ltd,Aichi,451-0025)

1.はじめに

地方都市中心部の多くでは、高度成長期に整備された都市施設の更新時期を迎えるとともに、自動 車利用の進展と都市域の拡大を背景に、都市中心部の活力停滞あるいは衰退が大きな課題となってい る.このような社会的状況下に、2016 年 3 月には福井の玄関口であるJR福井駅西口交通広場が供 用開始されるとともに、翌 4 月には西口再開発ビルの「ハピリン」が開業した.またそれらとほぼ同 時期に、ちょうど 10 年前に開業した東口の再開発ビルである「アオッサ(AOSSA)」の7階には、

福井県内のすべての大学、短期大学、高等専門学校の学生約 1 万 2 千人が集い、学ぶことができる拠 点(共通のサテライトキャンパス)として、福井県が大学連携センター「Fスクエア」を整備した1). このFスクエアでは、県内の大学等が連携して福井の魅力を学ぶことができる講義を開講し、若者の 県内定着を促進する諸活動(COC +)2)が展開されている.

そこで本研究では、このように福井市の中心市街地でまちの活性化に資するハード、ソフト両面か らのさまざまな取り組みが展開されている中で、Fスクエアで学ぶ学生を対象に、駅前サテライトキャ ンパスである「Fスクエア」へのアクセス性の評価ならびにまちなか活性化への期待と実態、さらに これらを踏まえた今後の課題を明らかにすることを目的とする.

2.大学生のモビリティに関する関連既往研究

大学生は自動車免許取得が可能となる時期であり、免許の取得および自動車の保有がその後の学生 生活におけるモビリティを大きく左右することとなる.警察庁の運転免許統計をもとに国土交通省が 作成した自動車利用の動向分析結果によると、若年層の免許保有率は 20 歳代では 1991 年の 84.8%か ら 2011 年には 81.8%とやや減少しており、さらに 20 歳未満でみると 1991 年の 19.6%から 2011 年に は 16.4%といずれも 3%程度減少している.

また日本自動車工業会が行った乗用車市場動向調査 2015 の結果によると、若年層の自動車関層は 3 割程度であり、一方で 3 割はまったく車に関心が無く、4 割はあまり関心が無いという状況にある.

車購入意向についてみると、車購入意向層は 4 割である一方で非購入意向層が 6 割となっており、若 者の車離れの傾向がうかがえる.若年層の傾向として、車の利便性を認識する一方で経済的な負担感 によるデメリットも強く感じており、学生が車を所有しないあるいは車を所有できない要因として大 きく影響しているものと考えられる.

経済的な負担を軽減しつつ車の利便性を享受する仕組みとして、近年都市部で普及しているカー No. 24, 55 - 62, 2017

City Center Access and the Evaluation by College Students Using the University Collaboration Center named "F SQUARE"

大学生のまちなか交通アクセスとその評価

― 大学連携センター「Fスクエア」利用学生を対象に ―

川本 義海

 (福井大学学術研究院工学系部門  工学領域建築建設工学講座)

奥田 朱音

**

 (藤コンサル株式会社)

(3)

シェアリングがある.これに関連して大学生を対象とした山口大学における導入可能性の調査研究 結果によると、自動車非保有者の約 9 割が「車がなく不便だと感じた」、約 7 割が「移動を断念した ことがある」としており、車保有の有無が学生のモビリティを大きく左右していることが指摘され ている3).また地方郊外型キャンパスにおける大学生の移動格差の諸影響について考察した研究で は、車非保有学生は保有学生に比べて日常生活や移動に対する主観的幸福感が低いことが指摘され ている4)

3.大学生のまちなか交通アクセスの実態

地方都市中心部の活性化において、地元の大学に通う学生が関わるさまざまな取り組みが活発とな り注目されるようになっている.本研究で対象とする福井市のまちなかに開設された大学連携セン ター「Fスクエア」もその一つであり、学生間の交流をはじめまちなかの賑わい向上にも寄与する ことが期待されている.Fスクエアでは、2016 年度前期には 15 の講義が開講され、のべ履修者数は 540 人、うち他大学の講義を受講した学生は 182 人、2016 年度後期にも同様に 15 の講義が開講され、

2016 年度前期・後期合計の履修者総数は 1,263 人、うち他大学履修は 500 人と全体の 4 割に上った.

このFスクエアに集うことが想定されている大学生は、県内のすべての大学、短期大学、高等専門学 校の学生約 1 万 2 千人であることから、この 1 年間で約 1 割がFスクエアに集ったことになる.

一方で、普段学生が通うキャンパスからはいずれもあらたな移動が必要となる.Fスクエアで開講 される授業の内容やその魅力の向上はもちろんであるが、学生が普段通っているキャンパスあるいは 自宅、下宿先からFスクエアへのアクセス性の向上を図ることは、多くの受講生をまちなかに引き寄 せるための重要な必要条件となる.

そこで、Fスクエアでの受講学生を対象に、そのアクセスに関する移動実態および意向を把握する ことによって、より多くの学生がまちなかに訪れるようになるために必要な方策について検討し、そ の具体的な対応策を提案することを目的としてアンケート調査を実施することとした.

3.1 調査の概要

Fスクエアで講義を受講している学生を対象に、Fスクエアまでの交通手段利用状況、普段福井駅 周辺を訪れる際の交通環境、福井駅周辺の魅力、福井駅周辺における交流についてアンケート調査を 実施した.なおアンケートの配布期間は後期授業期間中の 2016 年 11 月 12 日から 12 月 3 日の 3 週間で、

開講されている計 15 科目中 12 科目の講義の受講生、計 368 人を対象に直接配布し、回収は次回講義 時に直接回収あるいは郵送回収とした.実際の配布数は 250 部、回収数は 183 部で回収率は 73%となっ た.単純集計の結果は表- 1 のとおりである.

表- 1 アンケート結果の概要

【性別】男性 106 人(60%)、女性 71 人(40%)

【学年】1 年 97 人(55%)、2 年 48 人(27%)、3 年 28 人(16%)、4年4人(2%)

【大学】福井大 93 人(51%)、福井工大 32 人(18%)、福井県大 53 人(29%)、仁愛大 0 人(0%)、敦賀市 立看護大 1 人(1%)、仁愛短大 2 人(1%)

【運転免許の有無】あり 138 人(76%)、なし 44 人(24%)

【自由に使える車の有無】あり 75 人(41%)、107 人(59%)

【住まい】自宅(福井市内)41 人(23%)、自宅(福井市外)38 人(21%)、下宿生 102 人(56%)

【前期受講の有無】あり 48 人(26%)、なし 134 人(74%)

1 年の免許取得割合が 6 割程度であるのに対し、2 年以上は 9 割以上となっている.一方で自由に 使える車の有無については 1 ~ 2 年は 4 割程度で 3 ~ 4 年では 6 ~ 7 割程度であり、免許取得者の中 でも自由に車を使えない学生は一定程度いることがわかった.住まい別の車の有無をみると、自宅生

(福井市内外)は 6 ~ 7 割が所有しているのに対し、ほぼ県外生である下宿生は 2 割程度であり大き な差がみられた.これらのことから、車社会といわれる地方都市の福井において、高学年に比べて低

川本 義海・奥田 朱音

(4)

学年、また自宅生に比べて下宿生の方が学生生活の中で移動に不便を感じていることが懸念される.

3.2 交通手段別の利用状況

(1)Fスクエアで講義がある日の移動

Fスクエアで講義がある日の学生の交通手段選択とその理由について、自宅(下宿)からFスク エアについて図- 1、大学からFスクエアについて図- 2 に示す.

自宅(下宿)からFスクエアに移動した学生(68 人)の交通手段は自転車(26 人、38%)、自家 用車(17 人、25%)、電車(15 人、22%)が上位となっている.また大学からFスクエアに移動し た学生(73 人)の交通手段は大学発着シャトルバス(51 人、70%)、自家用車(12 人、16%)が 上位となっている.

なお受講学生の利便性確保のために、授業時間に合わせて各大学とFスクエア間に無料の直行 シャトルバスが運行されている(ただし福井工大は自前の通学用バスを活用).また自家用車利用 者に対しては、講義の受講時間に応じた福井駅西口地下駐車場の無料券を配布し通学支援がおこな われている.

この無料直行シャトルバスの利用状況(回答者数 172 人)についてみると、ほぼ毎回利用は 61 人(36%)、2 回に 1 回程度は 7 人(4%)、3 回から 5 回に 1 回は 9 人(5%)、6 回から 10 回に 1

図- 1 自宅(下宿)からFスクエアまでの交通手段とその選択理由(複数回答)

図- 2 大学からFスクエアまでの交通手段とその選択理由(複数回答)

(5)

回は 3 人(2%)であり、利用したことがないあるいは利用したいとは思わないは 92 人(54%)と 過半数を超えている.なお、前期講義の受講の有無によるシャトルバス利用の違いを確認したとこ ろ、前期に受講ありの学生でシャトルバスを利用したことがないあるいは利用したいとは思わない 学生の割合は 4 割であった.前期に受講なしの場合の 6 割に対して 2 割程度少ないことから、シャ トルバスの認知が進みまたその利便性が実感されることで、シャトルバスの利用はより増加するも のと考えられる.

つぎに上記の通学支援の他にどのような支援を望むか(回答者数 157 人、複数回答)についてみ ると(表- 2)、既存の路線バス(京福バス・福鉄バス・コミュニティバス)の無料化・割引が最 も多く、次いで鉄道(えちぜん鉄道・福井鉄道)の無料化・割引、福井駅西口地下駐車場以外の駐 車場の無料化・割引となった.これらは現在の支援を前提とした追加支援としての回答と考えられ るが、既存の公共交通に対する支援が望まれていることが分かった.

表- 2 希望する通学支援

支援内容 各項目に回答した

回答者数 全回答者に対する 割合(%)

1公共のバス(京福バス・福鉄バス・コミュニティバス)の

無料化・割引 67 42.7

2鉄道(えちぜん鉄道・福井鉄道)の無料化・割引 56 35.7

3大学発着シャトルバスの本数の増加 41 26.1

4福井駅西口地下駐車場における通学支援の拡大

 (講義日の講義時間外の無料化・割引) 29 18.5

5福井駅西口地下駐車場以外の駐車場の無料化・割引 47 29.9

6その他 7 4.5

注)割合は、各項目に回答した回答者の数/全回答者数(N=157)により算出

(2)普段、福井駅周辺を訪れる際の移動

Fスクエアでの講義の有無にかかわらず、普段福井駅周辺を訪れる際の交通手段選択ならびに考 慮する事柄とその程度について、それぞれ表- 3 および図- 3 に示す.

表- 3 普段、福井駅周辺を訪れる際に最も利用する交通手段

交通手段 回答者数 割合(%)

1電車 48 25.9

2大学発着シャトルバス 3 1.6

3公共交通のバス 15 8.1

4自家用車(運転) 35 18.9

5自家用車(同乗) 10 5.4

6バイク 3 1.6

7自転車 61 33.0

8徒歩 9 4.9

9その他 1 0.5

合  計 185 100.0

川本 義海・奥田 朱音

(6)

Fスクエアで講義があるときの交通手段(図- 1 および図- 2)と比較すると、自転車利用が最 も多いのは変わらないものの次いで電車が多くなり、また自家用車への同乗が増加している.さら に講義日ではほとんどみられなかった路線バスの利用がある程度みられるようになっているのが特 徴的である.

考慮する事柄をみると、利便性をはじめとして交通費や天候、距離や移動時間が挙げられている.

さらに交通手段別にみると、電車をよく利用する学生は交通費、利便性を大きく考慮しており、路線 バスをよく利用する学生は利便性を大きく考慮する一方で、定時性、快適性はあまり考慮していない こと、自家用車をよく利用する学生は距離、利便性、交通費を大きく考慮しており、バイクをよく利 用する学生は利便性、移動時間、天候を考慮する一方で、距離、快適性、定時性はあまり考慮してい ないこと、自転車をよく利用する学生は天候、利便性を大きく考慮していること、徒歩の学生は交通 費を大きく考慮する一方で、距離、定時性、快適性はあまり考慮していないことが分かった.

(3)大学別の交通環境

大学とFスクエアの位置関係および交通サービスが学生の交通手段選択に大きく影響していると 考えられることから、受講生の多い 3 大学(福井大学、福井工業大学、福井県立大学)の交通環境 およびその利用状況を把握した.その概要は図- 4 および表- 4 に示すとおりである.

図- 3 福井駅周辺を訪れる際に考慮する事柄とその程度(回答者数 157 人)

2km 2.6km

7.3km 福井県立大学

・シャトルバス

・自転車

・路線バス 福井工業大学

・シャトルバス

・自転車

・路線バス

福井大学

・シャトルバス

・自転車

・路線バス

図- 4 大学の位置関係およびFスクエアまでのおもな交通手段

(7)

表- 4 大学別にみたFスクエアまでの交通環境 大学

項目 福井大学 福井工業大学 福井県立大学

Fスクエアまでの直線距離 ○

(2km)

(2.6km)

×

(7.3km)

無料シャトルバス △

(講義に合わせた日と時間の み運行で 1 日 4 便)

(自身の大学の講義に合わせ て毎日運行で 1 日 10 便)

(講義に合わせた日と時間の み運行で 1 日 4 便)

路線バス(京福バス) ○

(片道運賃 200 円)

(片道運賃 200 円)

(片道運賃 590 円)

電車(えちぜん鉄道) △

(1 日に 2 便)

×

(最寄り駅がない)

×

(最寄り駅がない)

学生の自動車保有率 約 3 割 約 7 割 約 6 割

講義日の大学発着

シャトルバスの利用割合 ○

(約7割)

(約7割)

(約6割)

講義日の自動車の利用割合 1 割弱 1 割弱 3 割弱

普段の交通手段 自転車利用が 5 割超え 自転車≒電車>バス

の順で多い 自動者の割合が 4 割超え Fスクエアまで

行きやすいと答えた割合 ×

(2 割弱)

(3 割強)

(3 割)

学生が希望する通学支援 鉄道の無料化・割引 路線バスの無料化・割引、

大学発着シャトルバスの 増便

福井駅西口駐車場におけ る通学支援の拡大、他の 駐車場の無料化・割引 注)路線バスと電車については、実際にFスクエアでの講義に使うことができるもののみを対象とした.

 ○△×は著者らの主観的判断および大学間の実態をふまえた相対比較考量による.

4.学生のまちなか交通アクセスの評価とまちなか交流

ここでは 3 章で把握した学生の交通環境をもとに、大学別の特徴および課題を明らかにする.

4.1 福井大学

福井大学の学生は、距離が近くても福井駅周辺に行きにくいと感じている割合が比較的高く、単純 に距離だけでは行きやすさを判断できないことが分かった.また通学支援の改善策としては、現在の 通学支援の利便性の向上よりも、既存のバスや鉄道の無料化・割引といった別の手段と移動費用に対 する新たな支援が重要になることが分かった.Fスクエアでの講義の定員は現在の履修登録者のおよ そ 2 倍であるが、仮に今後定員いっぱいの受講生に増加した場合、現在のシャトルバスの輸送容量で は不足するためバスの増発などの追加コストがかかることが想定される.そこで公共交通の無料化を 図ることによって、今の 2 倍の利用人数に増加しても大きな追加コストなしに交通支援を行うことが 可能であると考えられる.また公共交通を利用するにあたっては講義時間と公共交通の運行時刻との マッチングが重要になってくるが、福井大学周辺には現状のままでも講義時間に合った公共交通が複 数存在し、Fスクエアの講義受講時間に合わせて公共交通を利用することは可能であると考えられる.

しかしながら路線バスは状況によっては定時性に課題があるため、路線バスの定時性向上のための取 り組み、いつでも使えるタクシーと公共交通を組み合わせた活用を検討する価値もあると考えられる.

4.2 福井工業大学

福井工業大学の学生は、学内者専用シャトルバスの運行本数が多いことから福井駅周辺に行きやす いと回答した割合が高くなったと考えられる.しかしながら、講義時間とシャトルバスの時間がとく には調整されていないため、講義時間に合わせたシャトルバスの運行改善が必要になると考えられる.

川本 義海・奥田 朱音

(8)

4.3 福井県立大学

福井県立大学の学生は、距離は遠いものの自動車保有の割合が高く、自動車の利便性から福井大学 の学生よりも行きやすいと回答した割合が高くなったと考えられる.そこで自動車を利用している学 生に対する交通支援がより重要になると考えられる.なお学生は、Fスクエアまで行くのにそれほど 行きにくいと思っていない一方で、講義がない日は他大学の学生と比べるとあまり福井駅周辺を訪れ ていないことから、講義のない日にも駅周辺に訪れてもらうことが課題の一つといえる.

4.4 まちなかにおける学生の交流

学生のまちなかへの訪れについてみると、講義日に自動車で来る学生は途中どこにも立ち寄らずに 帰る学生が多い傾向がみられることから、できるだけ公共交通を利用してもらう方が学生の交流につ ながると考えられる(図- 5).また講義のない日にはお金をかけずにまちなかに訪れている学生が 多いことから、講義という目的がない日であってもまちなかに出てもらい、これをまちの賑わいにつ なげていくためには、移動費用に関する問題解決がより重要になると考えられる.

また交流については、2 割を超える学生がFスクエアであらたに出会った学生とお喋りする以上の 交流が生まれている.その一方で、まちなか地域の人々との交流はあまり生まれていないことも分かっ た(図- 6 および図- 7).そこで例えばFスクエアのスタッフを一部学生が担うなどして、学生スタッ フを介して受講学生とFスクエアのスタッフあるいは講師の間に交流が生まれやすくなるのではない かと考えられる.

電車

講義のない日に 2 回以下しか訪れたことがない(n=47)

講義のない日に 10 回以上訪れている(n=54)

講義日に立ち寄ったことがない(n=49)

講義のない日にほぼ毎回立ち寄る(n=37)

路線バス 自動車(運転) 自動車(同乗) 自転車 徒歩

図- 5 まちなかを訪れる頻度と交通手段

図- 6 まちなかでの学生同士の交流    図- 7 まちなかでの学生外との交流

(9)

学生がまちなかに行かない理由(回答学生数 56 人)をみると、約 8 割の学生が「行きたいところ がない」と回答しており、以下の「駐車場がない(21%)」、「時間がかかる(20%)」、「遠い(18%)」

など交通環境にかかわるもの以上にまちなか自身の魅力の向上が不可欠といえる.なお現在のまちな かを訪れる目的としては、「買い物(78%)」がもっとも多く、次いで「映画(51%)」、「食事(47%)」、

「Fスクエアでの講義(38%)」などとなっている.

5.まとめ

まちなかをあらたな学生の交流の場にしてもらうためには、各大学の実情に見合ったFスクエアへ の通学支援が重要である.福井大学は既存の公共交通とタクシーを組み合わせた支援、福井工業大学 はシャトルバスのサービス時間の調整、福井県立大学は自動車を利用している学生を対象とした支援 が重要といえる.加えて、まちなか自身の魅力向上が不可欠である.

本研究では、Fスクエアの開講日を中心に、学生のまちなか交通アクセスの評価をおこなったが、

COC +の目的でもある地域創生の担い手を育み活気あふれるふくいを創造していくためには、Fス クエアでの講義以外でもまちなかに学生が多く集うようなまちなか施設の充実と交流を促進するソフ トな取り組みが今後の大きな課題である.

謝 辞

本研究を進めるにあたり、COC +事務局の中垣様をはじめとするスタッフの皆様、またFスクエ アで講義を受講しアンケートにご協力いただいた学生の皆様にはここに記して感謝致します.

補 足

1)本研究は 2016 年度福井大学学位論文「学生のまちなかアクセスと交流に関する研究」(工学部 建築建設工学科)をもとに、平成 28 年度地域環境研究教育センター研究支援をいただきまと め直したものである.

2)大学別にみた全学生数に対するFスクエアでの受講生数の割合(ただしアンケート回答者のみ)

は次のとおり.

  福井大学   93 人/ 4,102 人= 0.0226 … 2.3%

  福井工業大学 32 人/ 2,274 人= 0.0140 … 1.4%

  福井県立大学 53 人/ 1,681 人= 0.0315 … 3.2%

参考文献・参考資料

1)大学連携センターFスクエア http://f-leccs.jp/fsquare/

2)地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+) http://www.allfukui-cocp.jp/

3)小澤卓矢、鈴木春菜、榊原弘之、2012、山口大学工学部におけるカーシェアリング導入可能性に ついての態度・行動分析、土木計画学研究・講演集(CD-ROM)、46、65

4)鈴木春菜、榊原弘之、2014、地方郊外型キャンパスにおける大学生の移動格差の諸影響について の考察、都市計画論文集、49(1)、53-58

川本 義海・奥田 朱音

参照

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